JPH0622272Y2 - スライド収納装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、厨房家具のキャビネット内に網籠や網棚等の
収納器を摺動させて出し入れ自在に収納できるように、
キャビネット内の底板上に取付けられるスライド収納装
置に関するものである。

〔従来の技術〕

従来より流し台や調理台などの厨房家具においては、食
品や瓶類または食器等をキャビネット内に使い易く収納
すべく、第４図に示すように、ローラー１が回動自在に
装着された左右のレール２，３と、この左右のレール２
と３とを結合するための前固定片14、後固定片15等から
なるスライド収納装置をキャビネット内の底板上に取付
け、このスライド収納装置のレール２、３上を網籠など
の収納器６が前後にスライドして出し入れ自在とする構
造のものが用いられている。

ところで、上記スライド収納装置のキャビネット内への
取付けは、第４図に示した左右のレール２と３とを結合
すべくこのレール２、３の前後に溶接などにより結合一
体化させた前固定片14と後固定片15との部分を、ネジ10
によりキャビネット内の底板上に取付けて固定する構造
が採られている。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかしながら、上記従来のスライド収納装置は第４図に
示した如く、左右のレール２と３とを結合一体化するた
めの前固定片14と後固定片15とがレール２、３自体の前
後端よりも内側に位置して結合され、またこの前固定片
14と後固定片15との両方共にネジ10によりキャビネット
内の底板に螺着して固定する構造となっているおり、キ
ャビネット内底板へのネジ止め作業において、間口が広
いキャビネットの場合はこれらの作業が比較的容易にで
きるものの、間口が150mm前後と狭いキャビネット内に
上記スライド収納装置を取付ける場合においてはキャビ
ネット内での手の動きが制限され、前固定片14のネジ止
め作業においてもこの作業が面倒であると共に、特にキ
ャビネット内の奥側に位置される後固定片15のネジ止め
作業においては間口が狭いため奥まで手が届きにくく極
めて困難であり、従ってスライド装置全体の取付けをキ
ャビネット組立て段階で行わざるを得ないなどの問題点
があったのである。

本考案は、従来技術の有するこのような問題点に鑑みて
なされたものであり、狭い間口のキャビネット内の底板
への取付け作業が容易にできるようにしたスライド収納
装置を提供しようとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案のスライド収納装置
においては、左右のレールを結合し且つキャビネット内
の底板に固定するために設ける前固定片と後固定片と
に、前固定片にはこの前固定片の前端に上方に立設した
立上り部を設け、後固定片にはこの後固定片の後端に後
方に突出する突起を設けて、上記前固定片はレール自体
の前端よりも前方に突出するように、後固定片において
はレール自体の後端よりも後方に突出するようにしてレ
ールに結合させて、後固定片は前固定片の立上り部をハ
ンマー等で叩くことによりこの後固定片に設けた突起を
キャビネット内の背板に打ち込んで後固定片部分を固定
し、前固定片はネジによりキャビネット内の底板に螺着
して固定するようにしたものである。

上記後固定片の突起は背板に突き刺さり易いように先細
りした剣先状に形成すると良く、またネジ固定のために
前固定片に設ける穴はこの穴がなるべくキャビネットの
手前側に位置するように、立上り部側に片寄らせた位置
に設けるのが効果的である。

〔作用〕

前固定片と後固定片とはレール自体の前後端よりも前後
方向に突出するようにレールに結合されているので、結
果として前固定片は従来よりもキャビネットの開口寄り
の手前側に位置することになりネジ止め作業のための手
の動きが制約されにくくなる。またこの前固定片に設け
た立上り部をハンマーなどで叩くことより後固定片に設
けた突起が背板に打ち込まれて後固定片部分がキャビネ
ットに固定されることになり、間口が狭いキャビネット
において特に困難な後固定片のネジ止め作業の不要化に
役立つ。

〔実施例〕

以下に実施例について第１図〜第３図を用いて説明する
と、第１図は瓶立てなどの収納器と本考案によるスライ
ド収納装置の一実施例を示す斜視図、第２図は第１図に
おけるスライド収納装置の平面図、第３図は第１図のス
ライド収納装置のキャビネットへの取付け状態を示す一
部切欠き斜視図で、２、３は、それぞれローラー１、１
を回動自在に装着した左右のレールで、４は前固定片、
５は後固定片である。上記前固定片５は前縁を上方に屈
曲して立上り部4aが設けられると共に、この立上り部4a
寄りにネジ止めするための穴4bが設けられている。一
方、後固定片５には後端に後方に向けての突起5a、5aが
設けられており、突起5a、5aは先端が剣先状となるよう
に形成されている。この前固定片4aと後固定片5aとを、
レール２、３自体の前後端よりも前後方向に突出するよ
うに溶接などによりレール２、３の下面に取付けて、左
右のレール２と３とが結合一体化されている。なお、６
は上記レール２、３上を摺動する瓶立などの収納器であ
る。

上記のように前固定片4aと後固定片5aとにより左右のレ
ール２と３とを結合したレール部材は第３図に示すよう
に、このレール部材を第１図に示した収納器６を出し入
れ自在とするキャビネットの底板上の所定の位置に配置
し、前固定片４に設けた立上り部4aの部分をハンマーな
どで後方へ向けて叩くことにより後固定片５の突起5a、
5a部分を木製などからなるキャビネットの背板８に打ち
込んで後固定片５部分を固定した後、前固定片４を底板
７にネジ10により螺着して取付け固定するものである。

〔考案の効果〕

本考案は、以上説明したように、前固定片には前端に立
上り部を設け、後固定片には後方に向けて突出する突起
を設け、この前固定片と後固定片とが左右レールの前後
端よりも前後方向に突出してレールに結合され、前固定
片の立上り部をハンマーなどで叩くことによって後固定
片の突起をキャビネット内の背板に打ち込み固定し、前
固定片の部分を底板にネジで固定するようにしており、
前固定片部分の固定作業においては従来よりも前固定片
自体がキャビネットの開口寄りの手前側に位置すること
になるのでキャビネット内にわずかに手を入れるだけで
ネジ止め作業ができてこの作業が容易であると共に、後
固定片部分のネジ止め作業が不要となるので、間口の狭
いキャビネットへのスライド収納装置の取付けが可能と
ある効果がある。

【図面の簡単な説明】 第１図は瓶立てなどの収納器と本考案によるスライド収
納装置の一実施例を示す斜視図であり、第２図は第１図
におけるスライド収納装置の平面図であり、第３図は第
１図のスライド収納装置のキャビネットへの取付け状態
を示す一部切欠き斜視図である。 第４図は従来のスライド収納装置を示す斜視図である。 符号の説明 １……ローラー、２、３……レール ４……前固定片、4a……立上り部 4b……穴、５……後固定片 5a、5a……突起、６……収納器 ７……底板、８……背板 ９……側板、10……ネジ 14……前固定片、14a……穴 15……後固定片、15a……穴

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】厨房家具のキャビネット内の底板上に取付
   けて収納器を出し入れ自在とするスライド収納装置であ
   って、ローラーを具備した左右一対のレールを前後の前
   固定片と後固定片とで結合してなるスライド収納装置に
   おいて、上記前固定片は前端に上方に立設した立上り部
   を有し、後固定片は後端に後方に向けて突出する突起を
   有して、該前固定片と後固定片とが上記レールの前後端
   よりも前後方向に突出してレールに結合され、上記後固
   定片に設けられた突起をキャビネット内の背板に突入さ
   せて固定すると共に、前固定片を前記底板にネジ固定す
   るようにしてなることを特徴とするスライド収納装置。