JP2865622B2 - 小物収納箱 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、例えば台所の器
物保管用の引出し式の小物収納箱の取付装置に関し、小
物収納箱を棚板の下面等へ前後摺動自在に取付け、その
箱体を前方へ引き出した状態において箱体が前傾状に支
持されて箱体の上面開口部が開放されるよう設ける小物
収納箱の構造に係る。

【０００２】

【従来の技術】従来から実施されているこの種の引出し
可能な小物収納箱は、屋内の固定物に取付けた摺動レー
ル等の支持体から水平状に摺動して前後移動するもので
あって、箱体の上面開口部が常時上方向きにだけ保持さ
れるものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、前記従来の
引出し式小物収納箱においては、之を目の高さよりも高
い所に設置した場合には、引出した状態において箱体の
上面開口部が上向きのため、内部が見えにくくて箱体内
収納物を出入れするのに困難性が伴って不便さを感じて
いた。そこで、本発明においては、小物収納箱を引出し
式にして例えば吊戸棚の底板下面等の高所（目の高さよ
り高い所）へ取付けても、之を引出した状態において箱
体が前下り状（前傾状）に傾いて支持されるよう構成
し、箱体の上面開口部が開放されて前方からでも箱内が
明らかに見えるようにして小物の出入れ操作を容易に
し、之を後方へ収めたときには水平状に支持されるよう
にした小物収納箱を提供しようとするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段として、吊戸棚の底板下面又は他の棚板の下面に
固定した左右両支持板の間で、箱体を前後摺動自在で前
下方へ引出し前傾状に支持する収納箱体において、左右
両支持板の後端から前方へ前下り勾配の斜溝を対設し、
その斜溝へ箱体後部を軸支して箱体を上下回動可能かつ
前後摺動可能とし、またその箱体の左右両側板と、両支
持板前部に対設した前上り勾配の斜溝を左右両支腕を介
して連結し、その箱体を後方収納位置へ水平姿勢にする
操作において前記両支腕の後端が係止し回動を阻止され
て、箱体が水平姿勢を保持するための係止突起を両支持
板に突設した。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態につきその一
実施例を添付図面に基づき説明する。図１は、本発明の
小物収納箱Ａを流し台上方に設置された吊戸棚１の底板
１ａ下面において支持板４とその前端上側部に内設され
た挾着具２（吊戸棚１の内部に隠れている）を用いて取
付けた状態を示した概略図であり、想像線で小物収納箱
のみを前方へ引出した前傾状の状態を示してある。

【０００６】図２は、本発明の一実施例における小物収
納箱の左側部を拡大し分解した詳細斜視図であり、挾着
具２は、低段部２ｃと高段部２ｂを連続的に曲成した上
片２ａと中央部にねじ孔２ｅを設けた下片２ｄとを連続
させて形成したコ字形の曲板であって、締付ねじ３を支
持板４の前端下側から下片２ｄのねじ孔２ｅに螺入する
ことにより支持板４の前端部に内設される。支持板４
は、前記挾着具２の下片２ｄが嵌入できる有底の箱形体
４ａを前端部に凹陥状に形成し、その後方に連続させて
上面４ｄと垂壁４ｅを曲成した逆Ｌ形の支持片４ｃを延
設してある。該有底箱形体４ａの底面には締付ねじ３を
挿入するための透孔４ｂを設けてある。前記支持片４ｃ
の垂壁４ｅには後端よりほぼ中央部まで細長い前下り勾
配の斜溝４ｆを設け、該斜溝４ｆの前端下側に後述する
支腕７の後端を係止するための突起４ｇを内向きに突設
してあり、前記垂壁４ｅの前端部に短い前上り勾配の斜
溝４ｈを設けてある。支腕７は、細長い板状で両端部に
軸孔７ａ，７ｂを設け、後端部を鉾先状に尖らせてあ
る。箱体９は、合成樹脂等で一体形成され上面を開放状
に開口した横長い矩形箱であり、内部を隔壁９ａで複数
に区画してあり、更にその区画室の左右両外端部に内壁
９ｇにより前記逆Ｌ形の支持板４を収納するための空洞
部９ｂを対設してある。該空洞部９ｂの前壁９ｃには、
前記支持板４の前端に突設した箱形体４ａを回避するた
めの切欠部９ｄと、後壁９ｅには、支持板４の後端が前
後に摺動するのを妨げないための切欠溝９ｆを設けてあ
る。前記空洞部９ｂ底板の前端寄り部に挾着具２の締付
ねじ３を捻回する工具を挿入するための透孔９ｈと空洞
部内壁９ｇの後端と中央部下端に軸孔イ，ロを設けてあ
る。

【０００７】図３は、前記各構成部材を連結して組立て
たものを吊戸棚１の底板１ａの下面部に挾着具２を用い
て取付け、箱体９を前方へ引出した状態を正面から視た
正面図の左端部のみを拡大して示してある。

【０００８】前記各構成部材の組立手順を図２を参照し
ながら説明すると、コ字形曲板の挾着具２の下片２ｄを
支持片４ｃの前端に設けた有底の箱形体４ａ内に嵌入
し、箱形体４ａの下面から締付ねじ３を挿入して挾着具
２の下片２ｄ中央部のねじ孔２ｅに捩じ込むことにより
挾着具２を支持板４の前端部上側に配設する。

【０００９】次に、同図と図４により前記支持板４へ箱
体９を連結する手順を説明すると、支持片４ｃへ箱体９
を連結するには、箱体後部において支持片４ｃの垂壁４
ｅの後端部からほぼ中央部までに設けた前下り勾配の斜
溝４ｆと箱体９の側端部に設けた空洞部９ｂの内壁９ｇ
後端部に設けた軸孔イを合致させて軸具５を挿通して軸
支することで回動可能に同部を連結し、箱体前部におい
て、支腕７の上端に設けた軸孔７ａと支持片４ｃの垂壁
４ｅ前端部に設けた前上り勾配の斜溝４ｈとを合致させ
て軸具６を挿通し、かつ同支腕７の下端の軸孔７ｂと箱
体９の空洞部９ｂの内壁９ｇ中央部に設けた軸孔ロを合
致させて軸具８を挿通して夫夫軸支することにより、支
腕７を介して箱体９の一側部を図４の図示のように支持
板４の内側へ可動に連結する。

【００１０】なお、小物収納箱Ａの作動状態を各図を参
照しながら説明する。挾着具２で吊戸棚１の下側に取付
けられた収納箱Ａを手前に引くと図４の状態となり、図
４は、小物収納箱Ａを吊戸棚１の底板１ａ下面部の高所
に取付けた状態において、箱体９が前下り状に傾いて引
出され上面開口部と内部が見えていて小物等の収納物品
の出入れがし易い状態が示された一側部の側面図であ
る。

【００１１】図５は、図４の前下り状態に支持されてい
る箱体９の前端中央部を使用者の手で後上方へ押すと軸
具５が支持片４ｃの前下り勾配の斜溝４ｆに沿って後退
すると同時に支腕７の後端部も後上方へ押し上げられ、
支持片４ｃの中央部に突設された突起４ｇに当って止ま
る。

【００１２】更に、前記図５の状態から箱体９を上方へ
押すと、今度は支持片４ｃの垂壁４ｅの前端部の短い前
上り勾配の斜溝４ｈに沿って軸具５が上方へ摺動するこ
とで箱体９が僅かに上昇し、支腕７の後端部が突起４ｇ
の前側を通って上方へ移動し、図６に示す状態になる。

【００１３】更にまた、前記図６の状態を保持したまま
で箱体９を後方へ押すと前上り勾配の斜溝４ｈに沿って
後退し、支腕７の後端部が突起４ｇ上を後退して突起上
に係止し、使用者が手を離しても箱体９は図７に示すよ
うに水平な状態を保持する。以上の逆の操作をすれば収
納箱が前傾状に前方へ移動して開放され、箱内に収納さ
れた小物を簡単に取り出すことができる。

【００１４】

【発明の効果】 この小物収納箱は、台所の流し台上方に設置された
吊戸棚の底板下面の高い所へ取付けても之を引き出した
状態において箱体が前下り状に傾いて保持され、箱体の
上面開口部が開放されて前方からでも箱内が明らかに見
えるので、箸やスプーン又はビン等の容器に入った調味
料等の台所用品の出し入れ操作がし易く収納できて非常
に便利である。 この小物収納箱は、箱体の出し入れ操作が簡単でだ
れでも操作することができるので、必要に応じて物品の
収納又は取り出しがしやすい。 取付けも吊戸棚の底板を挾着具で挾着する簡単な手
段を用いているので、箱体内の掃除をするときには小物
収納箱全体を取り外して行うことができ、いつまでも清
潔さを保つことができ長く使用することができる。 この小物収納箱は、支持板や支腕の作動部分の収納
部と小物の収納部とが隔壁で隔てられるので、箱体と支
持板や支腕との作動が良好であると共に収納物を清潔に
保管することができる。 この小物収納箱は、支持板と支腕などの作動部分を
箱体側部の空洞部内に収納して隠蔽できるので、吊戸棚
の底板下面に水平状に取り付けた状態では箱体のみが見
えるだけのすっきりしたデザインになる。 使用場所を台所に限定することなく他の場所におい
て物品整理棚の棚板下面に取付けて小型の家庭用道具や
用品を収納することも可能で使用範囲は広汎である。 箱体を後方収納位置へ水平姿勢に保持する構造が複
雑でないため組立性や耐久性に優れコストダウンを可能
とする。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の小物収納箱を挾着具を用いて吊戸棚に
取り付けた概略図

【図２】本発明の左端要部を拡大して示した分解斜視図

【図３】本発明の小物収納箱を引き出した状態の左端の
みの正面図

【図４】本発明の小物収納箱を引き出した状態の側面図

【図５】引出しの作動状態の側面説明図

【図６】引出しの作動状態の側面説明図

【図７】引出しの作動状態の側面説明図

【符号の説明】

Ａ…小物収納箱 １…吊戸棚 １ａ…底板 ２…挾着具 ２ａ…上片 ２ｂ…高段部 ２ｃ…低段部 ２ｄ…下片 ２ｅ…ねじ孔 ３…締付ねじ ４…支持板 ４ａ…箱形体 ４ｂ…透孔 ４ｃ…支持片 ４ｄ…上面 ４ｅ…垂壁 ４ｆ…斜溝（前下り） ４ｇ…突起 ４ｈ…斜溝（前上り） ５…軸具 ６…軸具 ７…支腕 ７ａ…軸孔 ７ｂ…軸孔 ８…軸具 ９…箱体 ９ａ…隔壁 ９ｂ…空洞部 ９ｃ…前壁 ９ｄ…切欠部 ９ｅ…後壁 ９ｆ…切欠溝 ９ｇ…内壁 ９ｈ…透孔 イ…軸孔 ロ…軸孔

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 吊戸棚の底板下面又は他の棚板の下面に
   固定した左右両支持板の後部に前下り勾配の斜溝を対設
   し、箱体が上下回動可能かつ前後摺動可能に箱体後部を
   前記斜溝に軸支し、箱体の左右両側板と前記支持板とを
   左右両支腕を介して軸支連結することにより、箱体が前
   下方へ前傾状に支持される小物収納箱において、箱体を
   水平姿勢にする操作で前記支腕の回動を阻止できる係止
   突起を支持板に設けたことを特徴とする小物収納箱。
2. 【請求項２】箱体を水平姿勢にする操作で、左右両支腕
   の後端が支持板に突設した係止突起に当接後、その係止
   突起を回避しその上側に係止して支腕の回動が阻止され
   るよう、支腕の前端部を支持板の前端部に対設した前上
   り勾配の斜溝に軸支し、支腕の後部を箱体左右両側板に
   軸支し、さらに支腕の後端縁を曲辺に形成したことを特
   徴とする請求項１記載の小物収納箱。