JPH06222254A - レンズ駆動装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来のレンズ駆動装置では、ガイドバーとレ
ンズ保持枠との係合部におけるガタや、送りねじとラッ
クとの噛みあい部におけるガタなどのため、レンズ保持
枠が移動する時に該保持枠が揺れ、その結果、カメラ等
の光学機器の結像面において像ブレが生じるという欠点
があった。本発明の目的は、この欠点を排除したレンズ
駆動装置を提供することである。 【構成】 本発明の装置では、レンズ保持枠１６を案内
するガイドバー４を１本のみとして送りねじ１４をガイ
ドバーとして利用するようにし、送りねじ１４に噛み合
うラック１５をバネ６で送りねじ１４に対して軸方向に
圧接させるようにした。これにより、送りねじ１４とラ
ック１５との噛み合い部におけるガタをなくし、レンズ
保持枠１６が移動する時に該保持枠が揺れることを防止
し、かつ、ガイドバーの数を減少させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はカメラ等の光学機器にお
けるレンズ駆動装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来のレンズ駆動装置の一例を図６に示
す。図６において、１はレンズ、２はレンズ１を保持し
て光軸方向に移動するレンズ保持枠、３はレンズ保持枠
２を移動させるためのステッピングモータ、１３は該モ
ータ３の軸に直結されて回転される送りねじ、５はレン
ズ保持枠２に固定されるとともに送りねじ３に噛み合っ
ているラック、４及び１２はレンズ保持枠２の突出部の
溝及び孔に摺動可能に挿通されるとともに、両端を不図
示の光学機器地板に固定されたガイドバー、である。前
記構成において、ステッピングモータ３が回転駆動され
ると該モータ３によって回転する送りねじ１３に噛み合
っているラック５が軸線方向に移動し、レンズ保持枠２
がガイドバー４及び１２に沿って移動する。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前述した従来例のレン
ズ駆動装置においては、２本のガイドバーを必要とし、
また、ステッピングモータにコ字形の保持板金を必要と
していたため、構成部品数が多く、従って、全体が大型
で且つ重量も大きいという欠点があった。

【０００４】また前述の従来例のレンズ駆動装置では、
送りねじ１３のねじ部とラック５の二つの部分の歯及び
歯溝との噛み合い部分のガタや、レンズ保持枠２とガイ
ドバー４及び１２との摺接部のガタのため、レンズ保持
枠２が移動する時に該保持枠２が揺れ、その結果、光学
機器の結像面に像揺れが発生するという欠点があった。

【０００５】本発明の目的は、前述の従来装置に内在す
る前記欠点を有しない、改良されたレンズ駆動装置を提
供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明では送りねじを第
２のガイドバーとして利用することにより従来の構成よ
りもガイドバーを一本少くし、また、バーガタ除去のた
めラックを送りねじに対し光軸と直交方向にバネで付勢
したことを特徴とする。

【０００７】

【実施例】以下に図１乃至図５を参照して本発明の実施
例について説明する。

【０００８】図１乃至図４に本発明の第１実施例のレン
ズ駆動装置を示す。

【０００９】図１乃至図４において、１はレンズ、１６
はレンズ１を保持して光軸方向に移動可能なレンズ保持
枠、３は光学機器の地板８に固定されたステッピングモ
ータ、１４はレンズ光軸と平行に延在してステッピング
モータ３の軸に固定されて回転のみ可能な送りねじ、７
は光学機器の他方の地板８において送りねじ１４の先端
を回転可能に支持している鋼球、４は地板８と９とに両
端を固定されてレンズ光軸と平行に延在するとともにレ
ンズ保持枠１６の下端部の１１溝１６ｃに相対摺動可能
に挿通されている唯一本のガイドバー、である。

【００１０】レンズ保持枠１６は、レンズ１を保持して
いる環状円板形の本体部１６ａと、該本体部１６ａの上
端部に固定されるとともに送りねじ１４に螺合するねじ
孔付きスリーブ部１６ｂと、を有している。スリーブ部
１６ｂの下方部分には該本体部１６ａの前面側の位置に
おいて切欠き部１６ｄが形成され、この切欠き部１６ｄ
において露出した送りねじ１４に螺合するラック１５が
該切欠き部１６ｄに配置されている。ラック１５は図２
に示すように、レンズ保持枠本体部１６ａの前面におい
て送りねじ１４の位置から側方及び下方に離れた位置に
配置された筒状の基部１５ａを有し、該基部１５ａはそ
れに挿通された段ビス１０によってレンズ保持枠本体部
１６ａに締着されていて、該基部１５ａから該本体部１
６ａの面に沿って延在する腕１５ｂの先端にラック１５
が設けられている。該基部１５ａの外周面にはラック１
５を送りねじ１４の軸線直交方向へ付勢するためのバネ
６のコイル部分が嵌装されており、該基部１５ａに嵌装
されたカラー１１とラック１５の腕１５ｂとの間でバネ
６が圧縮されている。バネ６の一端の直線部分６ａはラ
ック１５の腕部１５ｂを送りねじ１４の軸線方向に押
し、バネ６の他端の直線部分６ｂはレンズ保持枠本体部
１６ａに貫設されたバネ係止穴１６ｅにおいて係止され
ている。

【００１１】前記構成において、ステッピングモータ３
が駆動されると、該モータの軸を介して送りねじ１４が
回転され、送りねじ１４のねじ部に噛み合っているスリ
ーブ部１６ｂとラック１５には光軸方向の推力が加わ
り、これによりレンズ保持枠１６がガイドバー４に案内
されつつ光軸方向に動かされる。この時、ラック１５は
バネ６によって送りねじ１４のねじ溝の壁面に押しつけ
られているのでラック１５の歯と送りねじ１４のねじ山
との間にはガタがなくなっており、また、送りねじ１４
と、レンズ保持枠１６のスリーブ部１６ａとのガタがな
いため、レンズ保持枠１６は揺れることなく移動する。

【００１２】従って、本実施例の構成によれば、従来の
構成にくらべてガイドバーを一方廃止することができ、
しかも、レンズ保持枠の移動中の揺れを防止することが
できる。

【００１３】図５に本発明の第２実施例のレンズ駆動装
置の一部の構成を示す。本実施例では、図示のように、
二又に分けられた２本の腕を有するラック１５Ａがレン
ズ保持枠本体部１６ａの前面に取付けられており、この
ラック１５Ａの２本の腕の各々の対向面には送りねじ１
４のねじ部に噛み合う歯が形成され、該腕で送りねじ１
４を挾みつけるようにラック１５Ａが送りねじ１４と係
合している。ラック１５Ａを光軸方向（すなわち、同図
において紙面と直交する方向）に付勢するバネ６Ａはラ
ック１５Ａの取付け部に嵌装されており、該バネ６Ａの
両端はＸ形に交又するようにしてラック１５Ａのそれぞ
れの腕を光軸と直交方向に押している。

【００１４】本実施例の構成によっても前述の第１実施
例と同じ効果が得られる。

【００１５】

【発明の効果】以上に説明したように、本発明の構成に
よれば、従来装置にくらべてガイドバーを一方廃止する
ことができ、また、送りねじとラックとの噛み合い部分
におけるガタやガイドバーとレンズ保持枠との相対摺動
部におけるガタをなくすことができるため、従来装置よ
りも軽量且つ小型で、しかもレンズ保持枠の移動時に該
保持枠に揺れを生じないレンズ駆動装置が提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の第１実施例のレンズ駆動装置の要部概
略縦断面図。

【図２】図１におけて左方向から見た要部横断面図。

【図３】図２の一部の拡大図。

【図４】図１の一部の拡大図。

【図５】本発明の第２実施例のレンズ駆動装置の一部の
拡大正面図。

【図６】従来のレンズ駆動装置の要部拡大斜視図。

【符号の説明】

１…レンズ ２…レンズ保持枠 ３…ステッピングモータ ４…ガイドバー ５…ラック １２…ガイドバー １３…送りねじ ６…バネ ７…鋼球 ８，９…地板 １０…段ビス １１…カラー １４…送りねじ １５…ラック １６…レンズ保持枠

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 レンズを保持するとともに該レンズの光
   軸に沿って移動可能なレンズ保持枠と、該レンズ保持枠
   を該レンズの光軸に沿って案内する唯一本のガイドバー
   と、該レンズの光軸に平行に延在してステッピングモー
   タ等の駆動源により回転駆動される送りねじと、該レン
   ズ保持枠に固定されるとともに該送りねじに係合されて
   いるラックと、該ラックを該送りねじに対して光軸と直
   交方向に圧接しているバネと、を有して成るレンズ駆動
   装置。