JPH06221430A - 油圧作動式変速機の油圧制御装置 - Google Patents

油圧作動式変速機の油圧制御装置

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JPH06221430A
JPH06221430A JP906093A JP906093A JPH06221430A JP H06221430 A JPH06221430 A JP H06221430A JP 906093 A JP906093 A JP 906093A JP 906093 A JP906093 A JP 906093A JP H06221430 A JPH06221430 A JP H06221430A
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pressure
transmission
valve
line
control
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JP906093A
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English (en)
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Kazunori Enokido
一典 榎戸
Hidehiko Mishima
英彦 三島
Tatsutoshi Mizobe
龍利 溝部
Toshihisa Marusue
敏久 丸末
Tomoo Sawazaki
朝生 沢崎
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧作動式変速機の油圧制御装置で変速機構
の摩擦要素に対する供給油圧の圧力レベルを調整する調
圧装置を備えたものにおいて、該調圧装置内へのドレン
ポートからのエア混入を確実に防止できるようにする。 【構成】 主副両変速機の同時変速で両者のシフト方向
が互いに逆向きとなる場合に関与する摩擦要素への供給
油圧の調圧を行う第2リニアソレノイドバルブ103に
ついて、そのドレンポート193cの出口側に油溜まり
200を形成し、該油溜まり200の排出部200aを
上記ドレンポート193cの出口側よりも上方に設定し
た、該ドレンポート193cからのエア混入を防止す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、油圧作動式変速機の
油圧制御装置で、特に、変速機構の摩擦要素に対する供
給油圧の圧力レベルを調整する調圧装置を備えたものに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば自動車等の車両の変速機と
して、変速機構に設けられた各種クラッチやブレーキ等
の摩擦要素に対する締結・解放などの操作を油圧で制御
することにより、変速機構に所定の変速作動を行わせる
ようにした油圧作動式のものは一般に良く知られてい
る。かかるタイプの変速機では、通常、各摩擦要素への
油圧の給排を制御する油圧制御装置に、摩擦要素への供
給油圧の圧力レベルを調整する調圧装置が設けられてい
る。例えば特開平1−150055号公報では、かかる
調圧装置に電磁ソレノイドバルブを用いたものが開示さ
れている。
【0003】上記油圧制御装置の油圧回路に電磁ソレノ
イドバルブを設け、該ソレノイドバルブを、例えば油圧
制御装置のコントロールユニットからの制御信号に応じ
て作動制御することにより、所定の摩擦要素に対する油
圧の給排および圧力レベルが制御される。すなわち、当
該摩擦要素に対して直接に、あるいは当該摩擦要素用の
制御バルブにパイロット圧を供給して所定の動作を行わ
せることによってこの制御バルブを介して、正確かつ迅
速な油圧の給排制御を行い、変速機の変速機構にタイミ
ング良く所定の変速動作を行わせるようになっている。
従って、上記調圧装置としての電磁ソレノイドバルブの
作動性能を良好に発揮させ安定した調圧特性を得ること
は、変速機の作動特性を良好に維持する上で重要であ
る。
【0004】特に、主変速機と副変速機とを組み合わせ
て多段変速を行うようにした自動変速機が知られている
が、かかるタイプの変速機において、上記主副の両変速
機を同時に作動させて全体としての変速動作を行わせる
場合、この両変速機の同時作動に関与する所定の摩擦要
素への供給油圧の圧力レベルの調整は、とりわけ高い精
度が要求される。
【0005】すなわち、主副の両変速機を同時作動させ
全体として所定の変速動作を行わせる際、変速期間中に
おいて主変速機と副変速機とでシフト方向(つまりシフ
トアップまたはシフトダウン)が異なる場合がある。こ
のような場合、違和感のない良好な変速フィーリングを
確保するためには、主変速機のシフト変化期間中に副変
速機のシフト変化を終えるように副変速機側を制御する
必要がある。従って、このような主副両変速機の同時変
速に関与する摩擦要素、中でも副変速機側の摩擦要素へ
の供給油圧の調圧については、十分に高い精度を維持す
ることが重要である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記調圧装
置としての電磁ソレノイドバルブには、通常、入力ポー
トおよび出力ポートの他に、バルブ内部のドレンオイル
を外部に排出させるためのドレンポートが設けられてい
るが、このドレンポートは、その出口側が大気に開放さ
れた状態で設けられることが多い。例えば、上記のよう
に主副二つの変速機を有するタイプのものでは、通常、
油圧制御装置の油圧回路を構成するバルブボディは、上
記主副の変速機それぞれに対して別体に設けられるが、
変速機周辺の配置スペースあるいはレイアウト上の都合
で両者をともに変速機のオイルパン内に収納して配置す
ることはできない。従って、この場合、少なくとも副変
速機用のバルブボディは副変速機の上方に配置され、こ
の副変速機側の調圧装置(電磁ソレノイドバルブ)のドレ
ンポートは、その出口側が大気に開放されることとな
る。
【0007】そして、このように、ドレンポートの出口
側が大気に開放されている場合には、調圧装置の作動中
に上記ドレンポートから装置内部にエアが混入し、調圧
特性が変化する場合がある。すなわち、ドレンポートか
らのエア混入によって調圧特性にばらつきが生じ、安定
した調圧性能が得られなくなるおそれがあるという問題
があった。
【0008】この発明は、上記問題点に鑑みてなされた
もので、油圧作動式変速機の油圧制御装置で変速機構の
摩擦要素に対する供給油圧の圧力レベルを調整する調圧
装置を備えたものにおいて、該調圧装置内へのドレンポ
ートからのエア混入を確実に防止できるようにすること
を目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】このため、本願の第1の
発明は、油圧作動式変速機の油圧制御装置で変速機構の
摩擦要素に対する供給油圧の圧力レベルを調整する調圧
装置を備えたものにおいて、 該調圧装置に設けたドレ
ンポートの出口側に油溜まりを形成し、該油溜まりの排
出部を上記ドレンポートの出口側よりも上方に設定した
ものである。
【0010】また、本願の第2の発明は、上記第1の発
明において、上記変速機が主変速機と副変速機とを組み
合わせてなる自動変速機であり、上記調圧装置は、上記
主副の両変速機を同時に作動させて全体としての変速動
作を行わせる際に関与する所定の摩擦要素に対する供給
油圧の圧力レベルを調整する調圧装置であることを特徴
としたものである。
【0011】
【発明の効果】本願の第1の発明によれば、上記調圧装
置に設けたドレンポートの出口側に油溜まりを形成し、
該油溜まりの排出部を上記ドレンポートの出口側よりも
上方に設定したので、該ドレンポートの出口側が直接に
大気へ開放されることはなくなる。この結果、ドレンポ
ートからの調圧装置内へのエア混入を確実に防止するこ
とができ、調圧特性にばらつきが生じることを抑制する
ことができる。
【0012】また、本願の第2の発明によれば、特に、
上記変速機が主副二つの変速機を組み合わせてなる自動
変速機であり、上記調圧装置が、主副の両変速機を同時
に作動させて全体としての変速動作を行わせる際に関与
する所定の摩擦要素に対する供給油圧の圧力レベルを調
整する調圧装置である場合について、つまり、とりわけ
精度が高い調圧性能が要求される場合について、上記第
1の発明と同様の効果を奏することができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を、例えば主変速機と
副変速機とを備えた油圧作動式自動変速機の油圧制御装
置に適用した場合について、添付図面を参照しながら詳
細に説明する。図1は本実施例に係る自動変速機のトル
ク伝達系統を表すスケルトン図であるが、この図に示す
ように、上記自動変速機1は、トルクコンバータ10
と、該トルクコンバータ10と同一軸線上に配置された
主変速機20と、これらの軸線と平行な軸線上に配置さ
れた副変速機30とを備えている。
【0014】上記トルクコンバータ10は、エンジン出
力軸2に連結されたコンバータケース11と、該ケース
11に一体形成されたポンプ12と、該ポンプ12に対
向配置されて該ポンプ12により作動油を介して駆動さ
れるタービン13と、上記ポンプ12とタービン13と
の間に配置され、かつワンウェイクラッチ14を介して
変速機ケース3に支持されたステータ15と、上記ター
ビン13に連結されたコンバータ出力軸16と、上記コ
ンバータケース11を介してコンバータ出力軸16をエ
ンジン出力軸2に直結し得るロックアップクラッチ17
とで構成されている。尚、上記トルクコンバータ10と
上記主変速機20との間には、トルクコンバータ10を
介してエンジン出力軸2で駆動されるオイルポンプ4が
配置されている。
【0015】上記主変速機20は、コンバータ出力軸1
6上における前側(トルクコンバータ側)に配置されたフ
ロント遊星歯車機構21と、後側(反トルクコンバータ
側)に配置されたリヤ遊星歯車機構22とを備えてい
る。そして、上記コンバータ出力軸16が、前進クラッ
チ23を介してフロント遊星歯車機構21のサンギヤ2
1aに、また、直結クラッチ24を介してリヤ遊星歯車
機構22のサンギヤ22aにそれぞれ結合される得るよ
うになっており、更に、フロント遊星歯車機構21のサ
ンギヤ21aとリヤ遊星歯車機構22のリングギヤ22b
とが結合されている。
【0016】また、フロント遊星歯車機構21のリング
ギヤ21bと変速機ケース3との間には、第1ワンウェ
イクラッチ25とローリバースブレーキ26とが並列に
配置されると共に、リヤ遊星歯車機構22のサンギヤ2
2aと変速機ケース3との間には、第2ワンウェイクラ
ッチ27と3−4ブレーキ28とが直列に配置され、か
つ、これらに並列にエンジンブレーキ用のコーストブレ
ーキ29が配置されている。更に、フロント遊星歯車機
構21及びリヤ遊星歯車機構22のピニオンキャリア2
1c,22cどうしが結合され、これらに主変速機20か
ら副変速機30への動力を伝達する中間ギヤ5が連結さ
れている。
【0017】以上のような構成において、上記主変速機
20では、二つの遊星歯車機構21,22の動力伝達経
路が、各クラッチ23,24および各ブレーキ26,2
8,29並びに各ワンウェイクラッチ25,27の選択的
作動によって切り換えられ、エンジン出力軸2の出力が
運転状態に応じて変速された上で、上記中間ギヤ5を介
して副変速機30側へ伝達される。この場合において、
上記各クラッチ23,24および各ブレーキ26,28,
29並びに各ワンウェイクラッチ25,27は、所定の
パターンに従ってそのON(締結)/OFF(解放)が切り
換えられるように設定されており、これにより、本実施
例では、主変速機20側において、前進の低速段,中速
段および高速段と後退段とが得られるようになってい
る。
【0018】一方、副変速機30は単一の遊星歯車機構
31を有し、上記主変速機20における中間ギヤ5に常
時噛み合った中間ギヤ6が上記遊星歯車機構31のリン
グギヤ31aに連結されると共に、該リングギヤ31aと
サンギヤ31bとの間には直結クラッチ32が配置さ
れ、かつ、サンギヤ31bと変速機ケース3との間に
は、第3ワンウェイクラッチ33と減速ブレーキ34と
が並列に配置されている。そして、上記遊星歯車機構3
1のピニオンキャリア31cに出力ギヤ7が連結され、
該ギヤ7から差動装置を介して左右の駆動輪(図示せず)
に動力が伝達されるようになっている。この副変速機3
0では、上記直結クラッチ32,減速ブレーキ34およ
び第3ワンウェイクラッチ33のON/OFFを所定の
パターンに従って切り換えることにより、遊星歯車機構
31による動力伝達経路が切り換えられ、主変速機20
から中間ギヤ5,6を介して入力される動力を低速段と
高速段(直結段)の前進2段に変速して出力ギヤ7に出力
することができるようになっている。
【0019】このようにして、主変速機20によって前
進3段、後退1段の変速段が得られ、また、副変速機3
0によって、主変速機20の出力に対して高低2段の変
速段が得られるから、自動変速機の全体としては前進に
ついては6段の変速段が得られ、また、後退について
は、主変速機20の後退段と副変速機30の減速ブレー
キ34が締結された低速段との組合せで全体としての後
退段が得られることになる。そして、本実施例では、前
進変速段としては上記6段のうちの所定の5段を採用す
るようになっている。ここで、この前進5段,後退1段
の変速を行わせる際の各変速機20,30における各ク
ラッチやブレーキのON(締結)/OFF(解放)の切換パ
ターンを表1に示す。
【0020】
【表1】
【0021】上記表1において、(○)は、エンジンブレ
ーキ用のレンジのみで締結されることを示している。す
なわち、低速段及び中速段での減速時には、上記第1,
第2ワンウェイクラッチ25,27がそれぞれ空転して
エンジンブレーキが作動しないことになるが、エンジン
ブレーキ用のレンジにおいては、低速段では第1ワンウ
ェイクラッチ25に並列のローリバースブレーキ26が
締結されることにより、また、中速段では第2ワンウェ
イクラッチ27に並列のコーストブレーキ29が締結さ
れることにより、それぞれエンジンブレーキが作動する
低速段及び中速段が得られる。
【0022】本実施例では、上記表1から分かるよう
に、前進2速から前進3速に変速される場合または3速
から2速に変速される場合には、主変速機20側と副変
速機30側とでシフト方向が逆になる。すなわち、2速
から3速への変速時を例にとって説明すれば、主変速機
20側では低速段から中速段に切り換えられるのに対し
て、副変速機30側では高速段から低速段に切り換えら
れるようになっている。従って、このような場合、違和
感のない良好な変速フィーリングを確保するためには、
主変速機20側のシフト変化期間中に副変速機30側の
シフト変化を終えるように、副変速機30側を制御する
必要がある。このため、この主副両変速機の同時変速に
関与する副変速機30側の摩擦要素、つまり直結クラッ
チ32および減速ブレーキ34等に対する供給油圧の圧
力調整については、十分に高い精度を維持する必要があ
る。
【0023】尚、本実施例では、より好ましくは、副変
速機30における直結クラッチ32の締結用ピストンと
して2重構造のピストンが採用されている。すなわち、
図2に示すように、直結クラッチ32は、中間ギヤ6及
び遊星歯車機構31のリングギヤ31aに一体形成され
たハブ部材32aと、上記遊星歯車機構31のサンギヤ
31bが固着された軸35に一体のドラム部材32bとの
間に、駆動側および被駆動側の複数の摩擦板32c,32
dを交互に配設すると共に、これら摩擦板32c,32dの
背部に受圧面積の大きい大径の第1ピストン32eを配
置し、更にその背部に受圧面積の小さい小径の第2ピス
トン32fを配置し、また、両ピストン32e,32fのリ
ターンスプリング32gを備えた構成とされている。上
記第1ピストン32eの背部に第1油圧室321が、ま
た、第2ピストン32fの背部に第2油圧室322が設け
られ、これらの油圧室321,322には各油路36,37
から締結圧がそれぞれ導入される。従って、締結圧が同
じであれば、第1油圧室321に導入された場合の方が
第2油圧室322に導入された場合より大きな締結力が
得られるようになっている。
【0024】一方、減速ブレーキ34は、上記直結クラ
ッチ32のドラム部材32bと変速機ケース3との間に
駆動側及び被駆動側の複数の摩擦板34a,34bを交互
に配設し、リターンスプリング34cに抗してこれらの
摩擦板34a,34bを締結させるピストン34dを備える
と共に、該ピストン34dの背部に、受圧面積の大きい
内周側の第1油圧室341と、受圧面積の小さい外周側
の第2油圧室342とを同心状に設けた構成とされてい
る。従って、これらの油圧室341,342に同一の締結
圧が導入された場合に、第1油圧室341に締結圧が導
入された場合の方が第2油圧室342に導入された場合
より大きな締結力が得られるようになっている。
【0025】このように、直結クラッチ32および減速
ブレーキ34に受圧面積が異なる二つの油圧室をそれぞ
れ設けることにより、これらの摩擦要素32,34の締
結操作を含む各変速段における伝達トルクに差が有り、
従って、必要とされる締結力が異なる場合でも、締結圧
が導入される油圧室を切り換えることによって対応する
ことができ、油圧制御によってこの締結力を変える必要
はない。すなわち、油圧の制御幅の拡大に伴う制御の複
雑化や精度の低下等の不具合を招来することなく、上記
摩擦要素32,34に対して異なるトルク容量を付与す
ることが可能になる。
【0026】次に、上記表1に従って各クラッチ及びブ
レーキを選択的に締結させることにより、運転状態もし
くは運転者の要求に応じた変速段を形成する油圧回路に
ついて説明する。図3に示すように、この油圧回路40
には、まず、オイルポンプ4から吐出される作動油の圧
力を所定圧力のライン圧に調整するレギュレータバルブ
41が備えられ、該レギュレータバルブ41によって調
整されたライン圧が、メインライン42を介して、運転
者によって操作されるマニュアルバルブ43と、各種制
御用元圧を生成する第1〜第3レデューシングバルブ4
4,45,46とに供給されるようになっている。
【0027】上記第1レデューシングバルブ44によっ
て一定圧に減圧された制御用元圧は、ライン47を介し
てモデュレータバルブ48に供給される。このモデュレ
ータバルブ48の制御ポートにはデューティソレノイド
バルブ49によって調整された制御圧が供給され、その
デューティ率(ON/OFFサイクル中のON時間の比
率)に応じて上記制御元圧からモデュレータ圧が生成さ
れる。そして、このモデュレータ圧がライン50を介し
て上記レギュレータバルブ41の増圧ポートに供給さ
れ、これにより、ライン圧が上記デューティ率に応じて
増圧されるようになっている。このとき、上記デューテ
ィ率は例えばエンジンのスロットル開度等に応じて設定
さることにより、ライン圧が該スロットル開度等に応じ
た値に調整されることになる。尚、上記ライン50に
は、デューティソレノイドバルブ49の周期的ON,O
FF動作に起因する油圧の脈動を抑制するための第1ア
キュムレータ51が設置されている。
【0028】また、上記マニュアルバルブ43は、D,
3,2,1の各前進レンジと、R(後退)レンジと、N(中
立)レンジと、P(駐車)レンジの設定が可能とされてお
り、前進レンジでは、上記メインライン42を前進ライ
ン52に、Rレンジでは後退ライン53にそれぞれ接続
させるようになっている。上記前進ライン52は、作動
油の供給時と排出時とで絞り量を異ならせたオリフィス
54を介して前進クラッチ23に導かれており、D,3,
2,1の各前進レンジでは、前進クラッチ23が常時締
結される。尚、この前進ライン52には、前進クラッチ
23への締結圧の供給時におけるショックを緩和するた
めに、上記メインライン42から背圧が供給される第2
アキュムレータ55が配置されている。
【0029】また、上記後退ライン53は、副変速機3
0における減速ブレーキ34の第1油圧室341に直接
導かれている。従って、Rレンジでは、マニュアルバル
ブ43をR位置に操作することにより、上記第1油圧室
341に直接に導入されるライン圧によって、減速ブレ
ーキ34が大きな締結力で締結されることになる。尚、
この後退ライン53からはレギュレータバルブ41のも
う一つの増圧ポートに通じるライン57が分岐され、R
レンジでライン圧の調整値を高くするようになってい
る。すなわち、後退速では、主変速機20の減速比が大
きく、しかもエンジンの全開出力が入力される場合もあ
るので、上記減速ブレーキ34は、大きなトルク容量が
必要とされ、従って大きな締結力で締結されるようにな
っている。
【0030】一方、上記メインライン42,前進ライン
52及び後退ライン53からは、主変速機20における
変速用の第1,第2,第3シフトバルブ61,62,63
と、副変速機30における変速用の第4,第5シフトバ
ルブ64,65とにライン圧が供給されるようになって
いる。これらシフトバルブ61〜65はいずれも一端
(図3における左端)に制御ポートを備えており、上記第
2レデューシングバルブ45から導かれた制御用元圧ラ
イン66が主変速機用の第1〜第3シフトバルブ61〜
63の各制御ポートに、また、第3レデューシングバル
ブ46から導かれた制御用元圧ライン67が副変速機用
の第4,第5シフトバルブ64,65の各制御ポートにそ
れぞれ接続されている。
【0031】上記制御用元圧ライン66,67には、第
1〜第5シフトバルブ61〜65に対応させて第1〜第
5ON−OFFソレノイドバルブ71〜75が設置され
ている。これらのON−OFFソレノイドバルブ71〜
75は、ON時に当該シフトバルブ61〜65の図にお
ける左端に設けた制御ポート内をドレンさせるようにな
っている。従って、各シフトバルブ61〜65のスプー
ルは、対応するON−OFFソレノイドバルブ71〜7
5がONのときには図3における左側に位置し、OFF
のときには右側に位置することになる。
【0032】そして、これらのソレノイドバルブ71〜
75のON,OFFの組合せ、即ち各シフトバルブ61
〜65のスプールの位置の組合せに応じて、上記メイン
ライン42,前進ライン52もしくは後退ライン53か
ら各クラッチ及びブレーキに通じるラインが選択的に連
通され、これにより、前記表1に示すところに従って各
クラッチ及びブレーキが締結されて、1〜5速と後退速
とが得られることになる。その場合に、各クラッチ及び
ブレーキに供給される締結圧は、それぞれ次のようにし
て適性値に制御されるようになっている。
【0033】つまり、主変速機20における直結クラッ
チ24,コーストブレーキ29,ローリバースブレーキ2
6及び3−4ブレーキ28については、ライン圧を減圧
して所定の締結圧に調整するためのコントロールバルブ
(圧力調整バルブ)76,77,78,79がそれぞれ備え
られ、これらのうち、コーストブレーキ用、ローリバー
スブレーキ用及び3−4ブレーキ用のコントロールバル
ブ77,78,79については、第1リニアソレノイドバ
ルブ80によって調整された制御圧が、ライン81を介
して制御ポートに供給され、この制御圧に応じて締結圧
がそれぞれ制御されるようになっている。上記直結クラ
ッチ用コントロールバルブ76の制御ポートには、ライ
ン82によって直結クラッチ24に供給される締結圧自
体が、ワンウェイオリフィス83と第3アキュムレータ
84とが設けられたライン85を介して制御圧として供
給され、このアキュムレータ84の作動により該締結圧
の立ち上がりが制御されるようになっている。
【0034】上記第1リニアソレノイドバルブ80は、
上記第1レデューシングバルブ44からライン47を介
して供給される制御元圧をコントローラ160(図4参
照)からの制御信号に応じて調整して、そのときの変速
段や運転状態に応じた制御圧を生成するようになってい
る。また、上記直結クラッチ用コントロールバルブ76
と、上記ローリバースブレーキ用コントロールバルブ7
8の一端に設けられたポートには、上記後退ライン53
から分岐された調圧動作禁止用ライン86がそれぞれ接
続され、Rレンジでは、これらのポートにライン圧が供
給されてスプールが左側の位置に固定されることによ
り、該直結クラッチ用及びローリバースブレーキ用コン
トロールバルブ76,78の調圧動作が阻止されるよう
になっている。更に、3−4ブレーキ用コントロールバ
ルブ79の一端のポートには、コーストブレーキ29に
供給される締結圧がライン87を介して供給され、該コ
ントロールバルブ79の調圧動作が制御されるようにな
っている。
【0035】また、上記第1リニアソレノイドバルブ8
0によって生成された制御圧は、ライン81を介してア
キュムレータ用コントロールバルブ88の制御ポートに
も供給されるようになっている。このコントロールバル
ブ88は、メインライン42からライン89を介して供
給されるライン圧を、上記第1リニアソレノイドバルブ
80からの制御圧に応じて調整し、第3アキュムレータ
84及び第4アキュムレータ90用の背圧を生成して両
アキュムレータ84,90の背圧ポートに供給するよう
になっている。
【0036】一方、副変速機30における締結圧の制御
用としては、直結クラッチ32の第1及び第2の油圧室
321及び322に供給される締結圧を調整する直結クラ
ッチ用コントロールバルブ101と、減速ブレーキ34
の第2油圧室342に供給される締結圧を調整する減速
ブレーキ用コントロールバルブ102と、第2リニアソ
レノイドバルブ103とが備えられている。尚、減速ブ
レーキ34の第1油圧室341には、前述のように、R
レンジでマニュアルバルブ43から後退ライン53を介
してライン圧が直接に供給される。
【0037】上記第2リニアソレノイドバルブ103
は、第1リニアソレノイドバルブ80と同じく、所謂、
電磁ソレノイドバルブで構成されたもので、メインライ
ン42からライン圧が制御元圧として供給され、これを
コントローラ160からの制御信号に応じて調整した上
で、上記第5シフトバルブ65を介して減速ブレーキ用
コントロールバルブ102の制御ポートもしくは直結ク
ラッチ32の第1油圧室321に供給する。そして、上
記減速ブレーキ用コントロールバルブ102は、第2リ
ニアソレノイドバルブ103で生成された制御圧が制御
ポートに供給されているときに、メインライン42から
第4シフトバルブ64および第5シフトバルブ65を順
次介して供給されるライン圧を上記制御圧に応じて調整
し、これを減速ブレーキ34の第2油圧室342に供給
する。
【0038】一方、直結クラッチ用コントロールバルブ
101には、メインライン42から第4シフトバルブ6
4を介してライン圧が供給され、これを調整した上で、
ワンウェイオリフィス112及び第5シフトバルブ65
を介して、直結クラッチ32の第1油圧室321もしく
は第2油圧室322に選択的に供給するようになってい
る。そして、この直結クラッチ用コントロールバルブ1
01の制御ポートには、上記直結クラッチ32側に供給
される締結圧自体が、ワンウェイオリフィス115及び
第5アキュムレータ116が設けられたライン117を
介して制御圧として供給されるようになっている。従っ
て、上記締結圧は、第5アキュムレータ116の作動に
より一定の棚圧状態を経て立ち上がることになる。尚、
このアキュムレータ116の背圧ポートには、メインラ
イン42から背圧が供給されるようになっている。
【0039】以上のように構成された油圧回路40にお
いて、第1〜第5ON−OFFソレノイドバルブ71〜
75のON,OFFの組合せパターンは表2に示す通り
であり、これにより前進の1〜5速と後退速とが得られ
るようになっている。この表2において、(1),(2)は
エンジンブレーキ用レンジでの1速及び2速を示す。
【0040】
【表2】
【0041】次に、この表2に従って各ON−OFFソ
レノイドバルブ71〜75のON,OFFの組合せと変
速段との関係を具体的に説明する。まず、Dレンジ等で
採用されるエンジンブレーキの作動しない1速では、主
変速機20側では、第1〜第3ON−OFFソレノイド
バルブ71〜73がON,OFF,OFFの状態にあっ
て、第1〜第3シフトバルブ61〜63のスプールが左
側、右側、右側にそれぞれ位置している。この状態で
は、前進ライン52からの分岐ライン121あるいは1
24から供給されたライン圧は、第3シフトバルブ63
あるいは第2シフトバルブ62でそれぞれ遮断され、ま
た、メインライン42からの分岐ライン125からのラ
イン圧は第1シフトバルブ61で遮断される。従って、
この場合は、前述のように、前進レンジで常時締結され
る前進クラッチ23のみが締結された状態となり、主変
速機20においてエンジンブレーキが作動しない低速段
が得られる。
【0042】そして、副変速機30においては、第4、
第5ON−OFFソレノイドバルブ74,75が共にO
FFの状態にあって、第4、第5シフトバルブ64,6
5のスプールが共に右側に位置することにより、メイン
ライン42のライン圧が、第4シフトバルブ64および
第5シフトバルブ65を介して、減速ブレーキ用コント
ロールバルブ102に供給される。このとき、第2リニ
アソレノイドバルブ103で生成された制御圧が、第5
シフトバルブ65を介して減速ブレーキ用コントロール
バルブ102の制御ポートに供給されることにより、上
記ライン圧が該制御圧に応じて調整され、所定の締結圧
とされた上で減速ブレーキ34の第2油圧室342に供
給され、該減速ブレーキ34が締結される。
【0043】一方、直結クラッチ32は、第1油圧室3
1が、第5シフトバルブ65および直結クラッチ用コ
ントロールバルブ101を順次介して、第4シフトバル
ブ64のドレンポートに連通するとともに、第2油圧室
322が第5シフトバルブ65のドレンポートに連通す
ることにより解放された状態にある。その結果、副変速
機30の変速段はエンジンブレーキが作動する低速段と
なり、自動変速機全体としては、エンジンブレーキの作
動しない1速となる。
【0044】また、1レンジや2レンジ等で採用される
エンジンブレーキが作動する1速では、上記のエンジン
ブレーキ非作動の1速に対して主変速機20における第
3ソレノイドバルブ73がONとなり、これにともなっ
て、第3シフトバルブ63のスプールが左側に位置す
る。従って、この場合は、上記前進ライン52のライン
圧が、その分岐ライン121から、第1〜第3のシフト
バルブ61〜63を順次介してローリバースブレーキ用
コントロールバルブ78に供給されることになる。そし
て、このコントロールバルブ78に供給されたライン圧
は、第1リニアソレノイドバルブ80からライン81を
介して制御ポートに供給されている制御圧に応じた締結
圧に調整され、これがローリバースブレーキ29に供給
される。これにより、前進クラッチ23に加えて、ロー
リバースブレーキ29が締結され、主変速機20におい
て、エンジンブレーキが作動する低速段が得られること
になる。そして、副変速機30においては、前述のエン
ジンブレーキ非作動の1速の場合と同様に減速ブレーキ
34が締結されているから、自動変速機全体として、エ
ンジンブレーキが作動する1速が得られる。
【0045】次に、Dレンジ等で採用されるエンジンブ
レーキ非作動の2速、及び1レンジや2レンジ等で採用
されるエンジンブレーキ作動の2速では、上記のエンジ
ンブレーキ非作動の1速及びエンジンブレーキ作動の1
速の状態に対して副変速機30の変速段のみが変化す
る。つまり、副変速機30における第4ON−OFFソ
レノイドバルブ74がONとなり、これに伴って第4シ
フトバルブ64のスプールが左側が位置する。従って、
メインライン42からのライン圧が、第4シフトバルブ
64を介して直結クラッチ用コントロールバルブ101
に供給されると共に、該コントロールバルブ101で立
ち上がりを調整された上で、第5シフトバルブ65を介
して直結クラッチ32の第1油圧室321に供給される
ことになる。これにより、副変速機30の変速段が高速
段となり、その結果、自動変速機の全体として、エンジ
ンブレーキが作動しない2速或はエンジンブレーキが作
動する2速が得られることになる。
【0046】更に、3速では、主変速機20において、
第1〜第3ON−OFFソレノイドバルブ71〜73が
OFF,ON,ONとなり、これに伴って第1〜第3シフ
トバルブ61〜63のスプールが、右側、左側、左側に
位置することになる。この場合、まず、前進ライン52
の一方の分岐ライン121からのライン圧は、第1シフ
トバルブ61および第3シフトバルブ63を順次介して
コーストブレーキ用コントロールバルブ77に供給され
る。そして、このライン圧が、第1リニアソレノイドバ
ルブ80からライン81を介して供給される制御圧に応
じて、所定の締結圧に調整された上でコーストブレーキ
29に供給され、これにより該コーストブレーキ29が
締結される。
【0047】また、前進ライン52の他方の分岐ライン
124からのライン圧は、第2シフトバルブ62を介し
て3−4ブレーキ用コントロールバルブ79に供給され
る。このコントロールバルブ79には、上記第1リニア
ソレノイドバルブ80からライン81を介して制御圧が
供給されると共に、上記コーストブレーキ29に供給さ
れている締結圧がライン87を介して制御圧として供給
され、これらの制御圧に応じて調整された締結圧が3−
4ブレーキ28に供給されることになる。その結果、主
変速機20においては、前進クラッチ23に加えて3−
4ブレーキ28が締結され、しかも上記コーストブレー
キ29も締結されることにより、エンジンブレーキが作
動する中速段が得られることになる。
【0048】一方、副変速機30においては、第4,第
5ON−OFFソレノイドバルブ74,75が共にOF
Fの状態にあって、前述の1速の場合と同様にして、変
速機がエンジンブレーキの作動する低速段に設定されて
いる。従って、自動変速機全体としては、所定の減速比
を有し、かつ、エンジンブレーキが作動する3速が得ら
れることになる。
【0049】すなわち、1速及び3速のエンジンブレー
キ時には、図5に詳しく示すように、第4,第5ON−
OFFソレノイドバルブ74,75が共にOFFの状態
にあって、第4,第5シフトバルブ64,65のスプール
が右側に位置することにより、メインライン42から第
4シフトバルブ64および第5シフトバルブ65を順次
介して減速ブレーキ用コントロールバルブ102にライ
ン圧が供給され、該コントロールバルブ102におい
て、制御ポート102aに供給される第2リニアソレノ
イドバルブ103からの制御圧に応じて調整された上
で、減速ブレーキ34の受圧面積の小さな第2油圧室3
2に供給される。これにより該減速ブレーキ34が締
結されるのであるが、その場合に、締結圧は受圧面積の
小さい第2油圧室342に供給され、かつ、上記のよう
にして調整されることにより、エンジンブレーキ時の小
さな伝達トルクに対応して、該ブレーキ34の締結力な
いしトルク容量もごく小さな値となる。
【0050】このようにして、減速ブレーキ34は、後
退速と、1,3速でのエンジンブレーキ時とで、伝達ト
ルクが大幅に異なる状態で締結されるのであるが、いず
れの場合にも、その伝達トルクに対応した締結力で締結
されることになる。そして、特に上記の構成によれば、
大きな締結力が必要とされる後退速では、受圧面積の大
きな第1油圧室341にライン圧をマニュアルバルブ4
3から直接供給するので、締結力を調整するリニアソレ
ノイドバルブ103は、1,3速のエンジンブレーキ時
に必要とされるごく低い締結圧のみを調整すればよいこ
とになり、したがって、制御が簡素化されると共に、制
御範囲が狭くなって高い制御精度が得られることにな
る。
【0051】そして、4速では、この3速の状態から副
変速機30における第4、第5ON−OFFソレノイド
バルブ74,75が共にONになって、第4、第5シフ
トバルブ64,65のスプールが左側に位置し、これに
より、まず、前記の2速の場合と同様に、メインライン
42のライン圧が、第4シフトバルブ64を介して直結
クラッチ用コントロールバルブ101に供給され、該コ
ントロールバルブ101で立ち上がりを調整され、所定
の締結圧となって、第5シフトバルブ65を介して直結
クラッチ32の第2油圧室322に供給されることにな
る。その結果、直結クラッチ32が締結されて副変速機
30の変速段が高速段となる。そして、主変速機20は
上記の3速の場合と同様に中速段に設定されているか
ら、自動変速機全体としての変速段は4速となる。
【0052】更に、5速においては、主変速機20にお
ける第1〜第3ON−OFFソレノイドバルブ71〜7
3がOFF,ON,OFFとなって、第1〜第3シフトバ
ルブ61〜63のスプールが右側、左側、右側に位置す
る。そのため、メインライン42からの分岐ライン12
5からのライン圧が、第1シフトバルブ61および第3
シフトバルブ63を介して直結クラッチ用コントロール
バルブ76に供給されることになる。そして、このコン
トロールバルブ76によって調整された締結圧がライン
82によって直結クラッチ24に供給され、該クラッチ
24を締結させる。これにより、主変速機20において
は、前進クラッチ23と直結クラッチ24とが締結され
て、変速段が高速段となる。尚、この直結クラッチ24
の締結時には、第3アキュムレータ84の作用により、
締結圧が一定の棚圧状態を経て供給される。一方、副変
速機30は、前述の4速の場合と同様に、第4,第5O
N−OFFソレノイドバルブ74,75が共にONの状
態にあり、変速段は高速段に設定されており、その結
果、自動変速機の全体としては5速が得られることにな
る。
【0053】更に、上記マニュアルバルブ43がRレン
ジに操作された後退速においては、該マニュアルバルブ
43を介して後退ライン53がメインライン42に連通
されると共に、第1〜第3ON−OFFソレノイドバル
ブ71〜73がOFF,OFF,OFFの状態となって、
第1〜第3シフトバルブ61〜63のスプールがいずれ
も右側に位置することになる。そのため、メインライン
42の分岐ライン125からのライン圧が、前述の5速
の場合と同様に、第1シフトバルブ61および第3シフ
トバルブ63を介して直結クラッチ用コントロールバル
ブ76に供給されることになる。この場合は、該コント
ロールバルブ76の一端のポートに上記後退ライン53
からライン86を介してライン圧が供給され、該コント
ロールバルブ76のスプールが図面上、左側に固定され
ることにより、ライン134から供給されたライン圧
は、減圧されることなくライン82を介してそのまま直
結クラッチ24に供給され、該直結クラッチ24を高い
締結圧で締結させる。
【0054】また、上記後退ライン53は、作動油の供
給方向と排出方向とで絞り量が異なるオリフィス135
を有するライン136および第3シフトバルブ63を介
してローリバースブレーキ用コントロールバルブ78に
連通して、上記のエンジンブレーキ作動の1速の場合と
同様に、該コントロールバルブ78にライン圧を供給す
る。この場合、該コントロールバルブ78の一端のポー
トには、上記後退ライン53からの分岐ライン86によ
ってライン圧が導入されることにより、該コントロール
バルブ78のスプールが図における左側に固定される。
そのため、ライン圧はコントロールバルブ78で調整さ
れることなく、そのままローリバースブレーキ26に供
給され、該ローリバースブレーキ26を高い締結圧で締
結することになる。
【0055】これにより、主変速機20においては、直
結クラッチ24及びローリバースブレーキ26が締結さ
れ、後退段が得られる。そして、副変速機30において
は、第4,第5ON−OFFソレノイドバルブ74,75
が共にOFFで、変速段がエンジンブレーキの作動する
低速段に設定された状態にあり、減速比の大きな後退速
が得られる。尚、上記ローリバースブレーキ26に締結
圧が供給される際には、第4アキュムレータ90に作動
油が導入されることにより、該締結圧が所定の棚圧状態
を経て徐々に立ち上がることになる。
【0056】また、以上の構成に加えて、この油圧回路
40には、トルクコンバータ10内のロックアップクラ
ッチ17を制御するためのロックアップ第1、第2シフ
トバルブ141,142と、ロックアップコントロール
バルブ143とが備えられている。そして、メインライ
ン42から第1シフトバルブ141とコントロールバル
ブ143とにコンバータライン144が導かれると共
に、第1シフトバルブ141の一端の制御ポートには、
上記第2レデューシングバルブ45からの制御ライン6
6がライン145を介して接続されている。このライン
145にはロックアップ制御用のON−OFFソレノイ
ドバルブ146が設置され、該バルブ146がOFFの
ときに、上記第1シフトバルブ141の制御ポートに制
御圧が導入されることにより、該バルブ141のスプー
ルが左側に位置するようになっている。このとき、上記
コンバータライン144のライン圧がトルクコンバータ
10内のロックアップ解放室17aに供給され、これに
よってロックアップクラッチ17が解放される。
【0057】一方、上記ON−OFFソレノイドバルブ
146がONとなって、第1シフトバルブ141の上記
制御ポートから制御圧がドレンされることにより、該バ
ルブ141のスプールが右側に位置すると、上記コンバ
ータライン144のライン圧はトルクコンバータ10内
のロックアップ締結室17bに供給され、これによりロ
ックアップクラッチ17が締結される。そして、このと
き、上記ロックアップ解放室17aには、ロックアップ
解放圧としてロックアップコントロールバルブ143で
調整された作動圧が、第1シフトバルブ141を介して
供給される。つまり、上記コントロールバルブ143の
一端の制御ポートには、上記第1レデューシングバルブ
44から導かれた制御ライン150が接続されると共
に、この制御ライン150にはデューティソレノイドバ
ルブ151が設置され、上記制御ポートに供給される制
御圧をそのデューティ率に応じて調整することにより、
上記解放圧を調整するようになっているのである。
【0058】また、上記デューティソレノイドバルブ1
51によって生成された制御圧は、第2シフトバルブ1
42の一端の制御ポートにも供給される。そして、該制
御圧が所定値以下の場合には、第2シフトバルブ142
のスプールが右側に位置することにより、メインライン
42から導かれたライン153が第2シフトバルブ14
2を介して上記コントロールバルブ143の調圧阻止ポ
ート143bに連通して、該ポート143bにライン圧を
供給する。これにより、コントロールバルブ143によ
る解放圧の調整動作が阻止され、このとき、ロックアッ
プクラッチ17は締結圧のみが供給された完全締結状態
となる。そして、上記制御圧が所定値以上となったとき
に、コントロールバルブ143による解放圧の調整動作
が行われ、この解放圧に応じてロックアップクラッチ1
7がスリップ制御されるようになっている。ここで、上
記第2シフトバルブ142のスプールは、制御圧の非導
入時に右側に位置し、このとき、上記前進クラッチ23
に通じるライン52上のオリフィス54をバイパスする
ライン155を開通させるようになっている。
【0059】尚、この油圧回路40に備えられたライン
圧調整用のデューティソレノイドバルブ49、変速用の
第1〜第5ON−OFFソレノイドバルブ71〜75、
締結圧調整用の第1,第2リニアソレノイドバルブ80,
103、並びにロックアップ制御用のON−OFFソレ
ノイドバルブ146及びデューティソレノイドバルブ1
51は、図4に示すように、コントローラ160からの
制御信号によって制御される。そして、このコントロー
ラ160には、車速を検出するセンサ161からの信
号、エンジンのスロットル開度を検出するセンサ162
からの信号、及び運転者によって選択されたシフト位置
(レンジ)を検出するセンサ163からの信号等が入力さ
れ、これらの信号によって示される運転状態や運転者の
要求に応じて上記各ソレノイドバルブを制御するように
なっている。
【0060】本実施例では、図3に示す油圧回路40
が、主変速機20における各摩擦要素及びロックアップ
クラッチ17を制御する主変速機制御部と、図5に示し
た副変速機30における直結クラッチ32及び減速ブレ
ーキ34を制御する副変速機制御部とに分割されてお
り、それぞれが別体とされた第1および第2バルブボデ
ィ171および172によって構成されている。すなわ
ち、図7に示すように、主変速機制御部を構成する第1
バルブボディ171は、少なくともその下部が、自動変
速機1における主変速機20の下方に配設されたオイル
パン170内に位置するように配置され、一方、副変速
機制御部を構成する第2バルブボディ172は、上記主
変速機20に隣接してやや斜め上方に位置する副変速機
30の上方に配置されている。尚、第1バルブボディ1
71の主変速機制御部から副変速機30の制御用とし
て、メインライン42と後退ライン53とが導かれてい
るのであるが、このうち、メインライン42は上記第2
バルブボディ172に接続されて該ボディ172の各部
にライン圧を供給するのに対して、後退ライン53は、
第2バルブボディ172に接続されることなく、主変速
機用の第1バルブボディ171におけるマニュアルバル
ブ43から変速機ケース内を通過して、副変速機30に
おける減速ブレーキ34の第1油圧室341に直接導か
れるようになっている。
【0061】本実施例では、上記したように、各種クラ
ッチやブレーキ等の摩擦要素への油圧の給排を制御する
油圧回路40に、所謂、電磁ソレノイドバルブで構成さ
れたリニアソレノイドバルブ80,103が設けられ、
これらリニアソレノイドバルブ80,103を、油圧制
御装置のコントロールユニット160からの制御信号に
応じて作動制御することにより、所定の摩擦要素に対す
る油圧の給排および圧力レベルを制御するようにしてい
る。すなわち、当該摩擦要素に対して直接に、あるいは
当該摩擦要素用のコントロールバルブにパイロット圧を
供給して所定の動作を行わせることによってこのコント
ロールバルブを介して、正確かつ迅速な油圧の給排制御
を行い、変速機の変速機構にタイミング良く所定の変速
動作を行わせるようになっている。
【0062】上記リニアソレノイドバルブ80,103
は、例えば、上記油圧回路40の副変速機側回路に設け
られた第2リニアソレノイドバルブ103を例にとって
説明すれば、図6に詳しく示すように、ケース191内
に電磁コイル192を収納してなるコイル部190と、
筒状のハウジング193内において軸方向へ摺動自在に
保持されたバルブスプール194と、該バルブスプール
194を軸方向に付勢するスプリング195と、上記電
磁コイル192の内側において軸方向へ摺動自在に保持
された可動部材196と、該可動部材196を軸方向に
付勢するスプリング197とを主要部として構成され、
上記スプールハウジング193には、メインライン42
に連通するライン圧ポート193aと、油圧ライン10
4を介して第5シフトバルブ65と連通する出力ポート
193bと、スプールハウジング193内のドレンオイ
ルを外部に排出するドレンポート193cとが設けられ
ている。
【0063】そして、上記コイル192に電流を流して
励磁することにより、コイル192の内側に挿入された
上記可動部材196をその磁力で駆動し、あるいは磁力
変化に応じて該可動部材196を変位させ、この可動部
材196の変位に応じて、バルブスプール194に作用
するスプリング力を調整することができる。また、バル
ブスプール194の背面側には、小孔194hを介して
出力ポート193b側の圧力が導かれるようになってい
る。上記バルブスプール194は、その軸方向の変位に
応じて、ライン圧ポート193aから導入されたライン
圧を調整した上で、出力ポート193bおよび油圧ライ
ン104を介して第5シフトバルブ65側に出力する。
このときの調圧特性が上記スプリング力によって適宜調
節されるようになっている。また、この調圧時のドレン
(オイル)が上記ドレンポート193cから排出される。
尚、上記リニアソレノイドバルブ103の基本的な作動
原理は、従来から良く知られている通りであるので、こ
れ以上の詳細な説明は省略する。
【0064】本実施例では、前記したように、第2リニ
アソレノイドバルブ103は、副変速機30の直結クラ
ッチ32および減速ブレーキ34に対する供給油圧の圧
力レベルを調整する調圧装置として作用するので、この
第2リニアソレノイドバルブ103の作動性能を良好に
発揮させ安定した調圧特性を得ることは、変速機1の作
動特性を良好に保つ上で重要である。特に、本実施例で
は、上記したように、前進2速と前進3速との間での変
速時には、変速期間中において主変速機20と副変速機
30とでシフト方向(つまりシフトアップまたはシフト
ダウン)が逆になるので、違和感のない良好な変速フィ
ーリングを確保するためには、主変速機のシフト変化期
間中に副変速機のシフト変化を終えるように副変速機側
を制御する必要がある。従って、このようなシフト方向
が互いに逆向きとなる主副両変速機20,30の同時変
速に関与する摩擦要素、中でも副変速機30側の摩擦要
素(つまり、上記直結クラッチ32および減速ブレーキ
34)への供給油圧の調圧については、とりわけ十分に
高い精度を維持することが重要である。
【0065】そこで、本実施例では、副変速機制御部用
の第2バルブボディ172に組み込まれた上記第2リニ
アソレノイドバルブ103について、そのドレンポート
193cからバルブ103内へのエア混入を防止するた
めに、従来、大気側に開放されていたドレンポート19
3cの出口側に油溜まりを形成するようにしている。す
なわち、図8および図9に示すように、上記ドレンポー
ト193cの出口側には、第2リニアソレノイドバルブ
103のスプールハウジング193の外周側を覆うよう
にして油溜まり200が形成されており、該油溜まり2
00の排出部200aは、上記ドレンポート193cの出
口側よりも上方に位置するように設定されている。従っ
て、ドレンポート193cの出口側には常にオイルが充
満しており、この部分から第2リニアソレノイドバルブ
103の内部にエアが混入することはない。
【0066】以上、説明したように、本実施例によれ
ば、所定の摩擦要素(直結クラッチ32および減速ブレ
ーキ34)への供給油圧の調圧装置としての第2リニア
ソレノイドバルブ103に設けたドレンポート193c
の出口側に油溜まり200を形成し、該油溜まり200
の排出部200aを上記ドレンポート193cの出口側よ
りも上方に設定したので、該ドレンポート193cの出
口側が直接に大気へ開放されることはなくなる。この結
果、ドレンポート193cからの第2リニアソレノイド
バルブ103内へのエア混入を確実に防止することがで
き、その調圧特性にばらつきが生じることを抑制するこ
とができるのである。
【0067】また、特に、上記変速機1が主副二つの変
速機20,30を組み合わせてなる自動変速機であり、
上記第2リニアソレノイドバルブ103が、主副両変速
機20,30の同時変速で両者のシフト方向が互いに逆
向きとなる場合に関与する摩擦要素で副変速機30側の
もの(つまり、直結クラッチ32および減速ブレーキ3
4)への供給油圧の調圧を行うものである場合につい
て、つまり、とりわけ精度が高い調圧性能が要求される
場合について、上記の効果を奏することができるのであ
る。
【0068】尚、上記実施例は、第2リニアソレノイド
バルブ103のドレンポート193cからのエア混入を
防止するものであったが、本発明は、上記の場合に限定
されず、他のタイプの制御バルブでドレンポートを有す
るもの、例えばシフトバルブ等に対しても適用すること
ができるのは勿論のことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る油圧作動式変速機のの
トルク伝達系統を示すスケルトン図である。
【図2】 上記変速機における副変速機の構造を示す縦
断面説明図である。
【図3】 上記変速機の油圧制御装置の油圧回路図であ
る。
【図4】 上記油圧制御装置に設けられた各ソレノイド
バルブに対する制御を説明するためのブロック構成図で
ある。
【図5】 上記油圧制御装置の副変速機制御部の構成を
拡大して示す油圧回路図である。
【図6】 上記副変速機制御部の第2リニアソレノイド
バルブの構成を拡大して示す縦断面説明図である。
【図7】 上記変速機の正面説明図である。
【図8】 図7のA−A線における断面説明図である。
【図9】 図8のB−B線における断面説明図である。
【符号の説明】
1…自動変速機 30…副変速機 32…直結クラッチ 34…減速ブレーキ 40…油圧回路 103…第2リニアソレノイドバルブ 172…第2バルブボディ 193c…ドレンポート 200…油溜まり 200a…排出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸末 敏久 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 沢崎 朝生 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧作動式変速機の油圧制御装置で変速
    機構の摩擦要素に対する供給油圧の圧力レベルを調整す
    る調圧装置を備えたものにおいて、 該調圧装置に設けたドレンポートの出口側に油溜まりを
    形成し、該油溜まりの排出部を上記ドレンポートの出口
    側よりも上方に設定したことを特徴とする油圧作動式変
    速機の油圧制御装置。
  2. 【請求項2】 上記変速機が主変速機と副変速機とを組
    み合わせてなる自動変速機であり、上記調圧装置は、上
    記主副の両変速機を同時に作動させて全体としての変速
    動作を行わせる際に関与する所定の摩擦要素に対する供
    給油圧の圧力レベルを調整する調圧装置であることを特
    徴とする請求項1記載の油圧作動式変速機の油圧制御装
    置。
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