JPH06220537A - 無方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
無方向性電磁鋼板の製造方法Info
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- JPH06220537A JPH06220537A JP1086093A JP1086093A JPH06220537A JP H06220537 A JPH06220537 A JP H06220537A JP 1086093 A JP1086093 A JP 1086093A JP 1086093 A JP1086093 A JP 1086093A JP H06220537 A JPH06220537 A JP H06220537A
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Abstract
を、熱間圧延し、ついで1回又は中間焼鈍を含む2回の
冷間圧延を施したのち、仕上げ焼鈍を施すことによって
無方向性電磁鋼板を製造するに当たり、上記熱間圧延の
連続仕上げ圧延工程において、板温が(γ→α変態開始
温度+20℃)〜(γ→α変態終了温度−20℃)の範囲に
ついては、圧下率:40%以下、相当ひずみ速度:50s-1
以上の条件で圧延を行う。 【効果】 鋼板形状のみならず、磁気特性も優れた無方
向性電磁鋼板を得ることができる。
Description
状が共に優れた無方向性電磁鋼板の製造方法に関するも
のである。
よって各種のグレードに分けられ、大型回転器を初めと
して、中型回転機、汎用モーター、家電用モーター、変
圧器及び安定器等の鉄心材料として、広範囲に使用され
ている。近年では、省エネルギー、電気機器の特性向上
及び小型化等に対する要請が殊のほか強くなっているた
め、これら電気機器に使用される鉄心材料の磁気特性の
向上が益々重要となっている。
形状に多数打ち抜いた後、それらを積層して製造される
ことが多いため、鋼板の形状とくに板厚精度の向上も磁
気特性と同様、重要視される。というのは、板厚精度の
悪い電磁鋼板では、積層されたときに鉄心の高さにばら
つきが生じたり、また板厚偏差のために鉄心上面が傾斜
するといったトラブルが生じるからである。特に近年で
は、鉄心製造ラインの自動化に伴い、板厚精度の一層の
向上が望まれている。
程、冷間圧延工程、ついで仕上げ焼鈍工程を経て製造さ
れているので、熱延板における板厚精度不良は、冷間圧
延後まで残り、製品の板厚不良の原因となっている。
また磁気特性も良好な無方向性電磁鋼板を得るのに好適
な熱間圧延方法として、特開昭51-74923号公報や特開平
4−180522号公報に開示の技術がある。特開昭51-74923
号公報に開示の技術は、熱間圧延をα単相域で完了する
方法である。この方法は、γ→α変態を仕上げ圧延の前
段で行わせることにより、γ→α変態時の急激な変形抵
抗の減少に起因した圧延の不安定化によって生じる厚み
むらを、α単相となった仕上げ圧延の後段で矯正しよう
とするものである。一方、特開平4−180522号公報に開
示の技術は、スラブ加熱温度を1100℃以下とし、最終ス
タンド出口温度を( 820+80×Si%)〜( 870+80×Si
%)℃に制御することによって磁性を向上させると共
に、冷却装置によりスタンド間でγ→α変態させるもの
である。この方法は、幅方向の温度むらと、γ→α変態
による急激な変形抵抗の減少に起因して生じる局部伸び
を防ぐために、冷却装置によってスタンド間でγ→α変
態させることにより、完全なγ域あるいは完全なα域で
圧延するものである。
51-74923号公報に開示されている方法では、熱延板長手
方向にわたる厚みむらは改善されるものの、仕上げ圧延
前段におけるγ→α変態に起因した圧延の不安定化によ
って生じる熱延板幅方向の板厚偏差(クラウン)や板幅
不足といった形状不良は、仕上げ圧延後段においても矯
正することは難しい。また、特開平4−180522号公報に
開示された方法では、熱延板長手方向にはスキッド部な
どの温度がばらつく部分があることから、安定してスタ
ンド間でγ→α変態させることは至難であり、到底実用
的とはいい難い。この発明の目的は、上記の問題を有利
に克服し、熱間圧延を安定させることによって、鋼板形
状及び磁気特性ともに優れた無方向性電磁鋼板の製造方
法を提案するところにある。
目的を達成すべく、無方向性電磁鋼板の熱間変形挙動
を、熱間圧延工程の諸条件と共に種々検討した結果、以
下の知見を得た。 (1) 特開昭51-74923号公報や特開平4−180522号公報に
示されているとおり、無方向性電磁鋼板ではγ→α変態
に伴う変形抵抗の減少が著しく、γ→α変態後の変形抵
抗は変態前の1/2程度となる。仕上げ圧延時に圧延が
不安定となるのは、熱間圧延板の長手方向の温度不均一
(スキッドなど)に加え、上述のγ→α変態に起因した
変形抵抗の急激な減少により、圧延中に各スタンド間で
変形抵抗が大きく変化するためである。図1に、7スタ
ンド連続仕上げ圧延機にて無方向性電磁鋼板を熱間圧延
したときの第3スタンドにおける変形抵抗の時間変化に
ついて調べた結果を示すが、同図より明らかなように、
変形抵抗は同一コイル内においても大きく変動する。
抵抗の変動量は、圧下率及びひずみ速度に強く依存し、
低圧下率、高ひずみ速度とすることにより、変形抵抗の
変動量を著しく低減することができる。
度、ロールギャップ及び冷却条件を制御することによっ
て、仕上げ圧延中にγ→α変態を完了させると共に、こ
の間を低圧下率、高ひずみ速度で連続圧延したところ、
圧延が安定化するだけでなく、磁気特性も向上すること
の知見を得た。この発明は、上記の知見に立脚するもの
である。
(以下単に%で示す)以下を含有する電磁鋼スラブを、
熱間圧延し、ついで1回又は中間焼鈍を含む2回の冷間
圧延を施したのち、仕上げ焼鈍を施すことによって無方
向性電磁鋼板を製造するに当たり、上記熱間圧延の連続
仕上げ圧延工程において、板温が(γ→α変態開始温度
+20℃)〜(γ→α変態終了温度−20℃)の範囲につい
ては、圧下率:40%以下、相当ひずみ速度:50s-1以上
の条件で圧延を行うことからなる無方向性電磁鋼板の製
造方法である。
果に基づき、この発明を具体的に説明する。図2及び図
3に、C:0.003 %、Si:0.25%、Mn:0.20%、P;0.
07%、S:0.0030%及びAl:0.25%を含む鋼の熱間圧縮
加工時における真応力−真ひずみ曲線の測定結果を示
す。図2はひずみ速度が5s-1(一定)の場合であり、
図3はひずみ速度が50s-1(一定)の場合である。また
加工時の温度は、γ→α変態点直上の 920℃(γ単相)
と、直下の 890℃(α単相)である。図2から明らかな
ように、ひずみ速度が遅い場合(5s-1)には、図中A
→Bに示したように、γ相とα相との間の応力差は非常
に大きい。これに対し、ひずみ速度が速い場合(50
s-1)には、真ひずみが大きいと、図3中にC→Dで示
したようにγ相とα相との間における応力差は大きいけ
れども、真ひずみが小さいと、同図中E→Fで示したよ
うに、γ相とα相との間の応力差は著しく小さくなるこ
とが判明した。
びひずみ速度が、変形抵抗に及ぼす影響を調べるため、
C:0.0025%、Si:0.50%、Mn:0.15%、P:0.02%、
S:0.0030%及びAl:0.001 %を含む4mm厚の無方向性
電磁鋼板用粗圧延板を、高速熱間圧延機(ロール径:30
0 mm)にてγ→α変態温度直上の 920℃及びγ→α変態
温度直下の 890℃で、それぞれ1パス圧延を行った。γ
→α変態時における変形抵抗の変化程度は、Kα/Kγ
(ここでKαは890℃での変形抵抗、Kγは 920℃での
変形抵抗を示す)で評価した。得られた結果を図4に示
す。
を得るには、低圧下率、高ひずみ速度で圧延することが
肝要で、圧下率:40%以下、相当ひずみ速度:50s-1以
上とすることにより、Kα/Kγ≧0.80という優れた値
が得られた。なお、圧下率(r)及び相当ひずみ速度
-1以上の条件下では、γ→α変態による変形抵抗の変化
が小さくなることが判明したので、実際に、7スタンド
からなる連続仕上げ圧延機で無方向性電磁鋼板を熱間圧
延した。表1に、C:0.003 %、Si:0.25%、Mn:0.20
%、P:0.07%、S:0.0030%及びAl:0.25%を含む無
方向性電磁鋼板を連続仕上げ圧延したときの圧延条件及
び圧延結果を示す。表中、□で囲まれたスタンドが、板
温が、(γ→α変態開始温度+20℃)〜(γ→α変態終
了温度−20℃)の範囲にあるスタンドである。また図5
に、各スタンドでの変形抵抗を示す。
い、板温が(γ→α変態開始温度+20℃)〜(γ→α変
態終了温度−20℃)の範囲を、圧下率:40%以下、相当
ひずみ速度:50s-1以上の条件で仕上げ圧延した場合に
は、圧延安定性が極めて良好で、その結果板厚精度に優
れた熱間圧延板を得ることができた。
記の範囲に限定した理由について説明する。 Si+Al:1.8 %以下 Si,Alはいずれも、固有抵抗の増加により鉄損の低減に
有効に寄与する。またSi,Alは、γ→α変態温度を高め
る作用もある。この発明では、熱間仕上げ圧延中にγ→
α変態させる必要があるので、この作用は極めて有用で
ある。しかしながら、含有量があまりに多くなると磁束
密度が低下し、またコスト高ともなるので、上限を 1.8
%とした。
したSi,Al以外は特に限定する必要はないけれども、他
成分の好適組成範囲を掲げると、次のとおりである。 C:0.0050%以下 Cは、時効析出により磁気特性を著しく劣化させるの
で、0.0050%以下とするのが望ましい。 Mn:0.50〜1.5 % Mnは、Sと反応してMnSを形成するが、0.50%未満では
MnSが微細に分散して粒成長性を阻害し、鉄損の劣化を
招く。一方、 1.5%を超えるとコストアップとなるの
で、Mn含有量は0.50〜1.5 %とするのが望ましい。 S:0.0050%以下 Sは、上述したとおり、粒成長を阻害する析出物MnSを
形成するので、その混入は極力低減することが望まし
く、0.0050%以下とするのが好ましい。 P:0.20%以下 Pは、硬度を高め、打抜性の改善に有効に寄与するが、
含有量が多くなると磁気特性が劣化するので、0.20%以
下とするのが望ましい。
Sn:0.02〜0.2 %、Sb:0.010 〜0.30%、B:3〜50 p
pmなどのうちから選んだ1種又は2種以上を含有させる
こともできる。これらの元素は、集合組織を改善し、磁
束密度を高める作用があるが、多量に添加するとコスト
の面で不利であるので、上記の範囲で含有させることが
望ましい。
べる。まず、加熱温度は1200℃以下程度とするのが望ま
しい。というのは、これを超える温度ではMnSが固溶
し、熱延中に微細に析出して、鉄損を劣化させるからで
ある。
連続仕上げ圧延中にγ→α変態せしめ、かつ板温が(γ
→α変態開始温度+20℃)〜(γ→α変態終了温度−20
℃)の範囲については、圧延温度やロールギャップ、冷
却条件等を制御して、圧下率≦40%、ひずみ速度≧50s
-1の条件で連続圧延することが肝要である。というの
は、上記の温度範囲における圧延条件が、圧下率>40
%であったり、ひずみ速度<50s-1であったりする
と、変態による変態抵抗の変化が大きくなり、圧延が不
安定となるからである。なお、板温範囲を、γ→α変態
温度域に対し±20℃の余裕をもたせたのは、板厚や板幅
方向の温度分布を考慮したからである。また熱延板を焼
鈍することによって磁気特性の一層の向上を図ることが
できるけれども、かかる焼鈍処理はコストアップを伴う
ので必要に応じ行えば良い。
む2回冷間圧延を施したのち、仕上げ焼鈍を施す。仕上
げ焼鈍のあと、15%以下の冷間圧延を行う(いわゆるセ
ミプロセス無方向性電磁鋼板)こともできる。
P:0.03%、S:0.0028%、solAl:0.001 %を含有
し、残部は実質的にFeの組成になる溶鋼を溶製したの
ち、連続鋳造によって 230mm厚スラブとし、ついで表
2、表3に示す圧延条件で熱間圧延を行って 2.5mm厚の
熱延板とした。その後、この熱延板に酸洗、脱スケール
処理を施したのち、冷間圧延を施して 0.5mm厚の冷延板
とし、ついで 750℃, 30sの連続焼鈍を施して製品とし
た。かくして得られた無方向性電磁鋼板から30×80mmの
エプスタイン試片を、圧延方向から8枚、圧延方向に対
し直角方向から8枚、計16枚採取し、磁気特性を測定
した。得られた結果を表3に併記する。
条件の下に熱間圧延を行った場合は、圧延が安定し、そ
の結果とりわけ良好な磁気特性及び鋼板形状が得られ
た。
鋼板の熱間圧延工程において、板温が(γ→α変態開始
温度+20℃)〜(γ→α変態終了温度−20℃)の範囲
を、圧下率≦40%、ひずみ速度≧50s-1の条件下に連続
圧延することにより、鋼板形状及び磁気特性が共に優れ
た無方向性電磁鋼板を得ることができる。
鋼板を熱間圧延したときの第3スタンドにおける変形抵
抗の時間変化を示すグラフである。
きの真応力−真ひずみ曲線を示すグラフである。
きの真応力−真ひずみ曲線を示すグラフである。
γ)に及ぼす影響を示す図である。
すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 Si+Al:1.8 wt%以下を含有する電磁鋼
スラブを、熱間圧延し、ついで1回又は中間焼鈍を含む
2回の冷間圧延を施したのち、仕上げ焼鈍を施すことに
よって無方向性電磁鋼板を製造するに当たり、 上記熱間圧延の連続仕上げ圧延工程において、板温が
(γ→α変態開始温度+20℃)〜(γ→α変態終了温度
−20℃)の範囲については、圧下率:40%以下、相当ひ
ずみ速度:50s-1以上の条件で圧延を行うことを特徴と
する無方向性電磁鋼板の製造方法。
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JP01086093A JP3375998B2 (ja) | 1993-01-26 | 1993-01-26 | 無方向性電磁鋼板の製造方法 |
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1993
- 1993-01-26 JP JP01086093A patent/JP3375998B2/ja not_active Expired - Fee Related
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