JPH0622049Y2 - 建築用埋込具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はコンクリートスラブに断熱板あるいは防音板
などを施工して構築する場合の建築用埋込具に関する。

〔従来の技術〕

従来、この種の建築用埋込具としてはスラブ型枠上にポ
リスチレンなどの断熱板あるいは木耗板などの防音板を
設置して施工する場合、埋込具本体の胴部を嵌入する穴
をその断熱板などにあけて挿入すると共に取付座板をス
ラブ型枠に対して釘止めして取付けるものが多い。

〔考案が解決しようとする課題〕

しかし、上記従来のような型態の埋込具では断熱板など
に穴をあけて挿入すると共に取付座体を釘止めするた
め、取付作業に手間がかかり、特に釘止めのため埋込具
付近に結露を生じ易く、合理的でない。

〔課題を解決するための手段〕

この考案は、従来例の問題点に鑑みなされたもので、そ
の目的は、断熱板などの穴への取付け作業を簡単、容易
にしかも適度な支持強度が得られ、また、釘止めによら
ず合理的に施工できる建築用埋込具を提供することにあ
る。

その手段として、筒状胴部と一体的に形成した頭部内側
に雌ねじ体を内蔵する合成樹脂製の埋込具本体と、この
埋込具本体の筒状胴部に沿って適度な力で上下に摺動可
能に嵌着する取付座体とからなり、前記埋込具本体はそ
の筒状胴部の外面の下部適宜位置に断熱板などへの喰込
片を突設し、前記取付座体の支持部内側に上記喰込片が
通過する凹溝を形成してなることを特徴とする。

〔作用〕

埋込具本体の筒状胴部を、取付座体の上部から挿入する
時、喰込片を凹溝に合わせて圧入して該取付け座体を埋
込具本体の筒状胴部に対して適度な力で上下に摺動可能
に装着することができ、スラブ型枠上の断熱板などの所
要間隔位置に穴をあけ、これに埋込具本体の筒状胴部を
押し込むことによって喰込片を断熱板などに強く喰込ま
せて取付けることができ、しかも取付座体は断熱板など
の厚みに対応してその上下の位置を変えられるなど、従
来の課題を解消することができる。

〔実施例〕

第１図はこの考案の第１実施例による建築用埋込具の中
央縦断面図、第２図は第１図のＡ−Ａ線における横断面
図である。

１は合成樹脂製の埋込具本体で、筒状胴部１ａと一体的
に頭部１ｂを形成してなる。

２はこの頭部１ｂの内側に内蔵した雌ねじ体、３は頭部
１ｂの上部に前記の雌ねじ体２を嵌合した状態で塞ぐよ
うに装着したキャップである。

さらに、４、４−−−は前記埋込具本体１の筒状胴部１
ａの外面の下部適宜位置において左右にそれぞれ斜め上
向きに突設した断熱板などへの喰込片を示し、埋込具本
体１と同一材料により適度な弾力性を有するものであ
る。

５は合成樹脂製の取付座体で、座片５ａの上面中央に埋
込具本体１の筒状胴部１ａに適度な力で上下に摺動可能
に嵌装する支持部５ｂを設けると共に、その支持部５ｂ
の内側には前記埋込具本体の筒状胴部１ａの喰込片４、
４−−−が通過する凹溝５ｃ、５ｃを形成してなる。

つぎに、この第１実施例による建築用埋込具の使用例を
説明する。

第３図に示すようにスラブ型枠Ｐ上にポリスチレンなど
による断熱板Ａを設置し、その所要間隔位置に穴をあけ
る。

埋込具は埋込具本体１の筒状胴部１ａの下端から取付座
体５を喰込片４、４−−−と凹溝５ｃ、５ｃとが一致す
るようにして圧入して組立てる。

上記の断熱板の穴に埋込具本体１を押し込むことによっ
て喰込片４、４−−−が断熱板Ａに喰込み、支持され
る。

なお、この作業はコンクリートスラブ上の鉄筋を配筋し
た後にすることも、あらかじめ取付けておくこともでき
る。

また、断熱板などの厚みが異なる場合には取付座体５の
上下位置をその都度任意に摺動させて対応することがで
きる。

第４図はこの考案の第２実施例の建築用埋込具を示す一
部縦断面図であり、この場合は上端に鍔２ａを一体に設
けて胴部２ｂに雌ねじ２ｃを設けた雌ねじ体２２を、埋
込具本体２１の頭部２１ｂ及び筒状胴部２１ａに装着し
た形態である。

この第２実施例の場合も前記第１実施例と同様の作用効
果が得られる。

〔考案の効果〕

以上、詳細に説明したように、この考案の建築用埋込具
によれば、喰込片を一体に有する埋込具本体の筒状胴部
に対して取付座体を簡単、容易に装着でき、しかも適度
な力で圧入して断熱板などの厚みに対応して摺動させる
ことができ、合理的でしかも便利である。

また、埋込具本体を押し込むだけで断熱板などの穴に適
度に喰込んで確実に支持されるから、施工性に秀れ、取
付作業の合理化、省力化が可能で、実用上有益である。

さらに、取付座体を釘止めしないで取付けることもでき
るから結露防止に効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の第１実施例による建築用埋込具の中
央縦断面図、第２図は同上のＡ−Ａ線における横断面
図、第３図はこの第１実施例の使用状態を示す、第４図
はこの考案の第２実施例を示す一部断面図である。 １……埋込具本体、Ｐ……スラブ型枠 ２……雌ねじ体、Ａ……断熱板 ４、４……喰込片、５……取付座体

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】筒状胴部と一体的に形成した頭部内側に雌
   ねじ体を内蔵する合成樹脂製の埋込具本体と、この埋込
   具本体の筒状胴部に沿って適度な力で上下に摺動可能に
   嵌着する取付座体とからなり、前記埋込具本体はその筒
   状胴部の外面の下部適宜位置に断熱板などへの喰込片を
   突設し、前記取付座体の支持部内側に上記喰込片が通過
   する凹溝を形成してなることを特徴とする建築用埋込
   具。