JPH0622046B2 - 複合型磁気ヘッド用コアの製造法 - Google Patents

複合型磁気ヘッド用コアの製造法

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JPH0622046B2
JPH0622046B2 JP19146187A JP19146187A JPH0622046B2 JP H0622046 B2 JPH0622046 B2 JP H0622046B2 JP 19146187 A JP19146187 A JP 19146187A JP 19146187 A JP19146187 A JP 19146187A JP H0622046 B2 JPH0622046 B2 JP H0622046B2
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素一郎 松沢
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【発明の詳細な説明】 (技術分野) 本発明は、複合型磁気ヘッド用コアの製造法に係り、特
にVTR等の高周波信号の記録再生に適した磁気ヘッ
ド、なかでも、高保磁力媒体に対して好適な複合型磁気
ヘッドを与える複合型磁気ヘッド用コアを有利に製造し
得る方法に関するものである。
(背景技術) 高密度磁気記録再生装置においては、磁気記録媒体の保
磁力:Hを大きくすれば有利であることが知られてい
るが、高保磁力の磁気記録媒体に情報を記録するために
は、磁気ヘッドからの漏れ磁界を強くする必要がある。
ところが、現在、磁気ヘッドを構成するコアに用いられ
ているフェライト材は、その飽和磁束密度:Bが40
00〜5000ガウスであるため、得られる記録磁界の
強さに限度があり、磁気記録媒体の保磁力が1000エ
ルステッドを越える場合には、記録が不充分になるとい
う欠点がある。
一方、金属磁性材料で総称される、Fe−Al−Si合
金(センダスト)、Ni−Fe合金(パーマロイ)等の
結晶質合金、或いは非晶質合金を用いた磁気ヘッドは、
一般に、フェライト材より飽和磁束密度が高く、また摺
動ノイズが低いという優れた特性を有している。しかし
ながら、一般に使用されるトラック幅(10μm以上)
の厚みでは、渦電流損失により、ビデオ周波数領域での
実効透磁率がフェライトより低下し、再生効率が低下す
るという欠点を有する。また、耐摩耗性に関しては、フ
ェライトよりも数段劣っているのである。
そこで、上記のような問題を解決するために、フェライ
トと金属磁性材料とを組み合わせて、両者の良い点を利
用した複合型磁気ヘッド用コアが種々提案され、例えば
特開昭58−155513号公報、特開昭61−265
714号公報、特開昭61−273706号公報等にお
いて、各種の構造のものが明らかにされている。
ところで、このような従来から提案されている複合型磁
気ヘッド用コアは、例えば、次のようにして製造されて
いるのである。即ち、所定のフェライトブロックに、縞
状にスリットを入れてなるレジスト膜を付与して、エッ
チングせしめることにより、波形の凹凸面を形成したフ
ェライトブロックと為し、次いで、そのような波形の凹
凸面に金属磁性材料からなる磁性層を形成し、そしてそ
の表面を研磨して平坦な面とした後、トラック幅を規定
する溝を互いに平行に複数条形成し、更にコイル巻線用
の溝を形成した後、二つのフェライトブロックを組み合
わせて接合せしめることにより、一体的な組合せ体と為
し、更にその後、このフェライトブロック組合せ体を所
定の位置にて切断して、目的とする複合型磁気ヘッド用
コアを順次切り出すようにしているのである。
しかしながら、このような複合型磁気ヘッド用コアの製
造方式にあっては、金属磁性材料からなる磁性層の形成
の後に、トラック幅規定溝に非磁性材(ガラス)を流し
込むこととなるために、次のような問題を内在している
のである。即ち、金属磁性材料がアモルファス合金或い
はパーマロイ合金の場合において、そのような磁性材料
が500℃以上に熱せられると、その磁気特性が劣化
し、特にアモルファス合金の場合、結晶化するために、
大幅に劣化するようになるところから、500℃以下で
トラック幅規定溝にガラスを流し込まねばならず、それ
故低融点ガラスを使用しなければならない。而して、低
融点ガラスの場合、磁気記録媒体の摺動時の耐摩耗性に
難点があるのみならず、強度が弱く、研削、切断等にお
いて欠けを生じるという難点を有しているのである。
また、金属磁性材料がセンダストの場合にあっては、上
記した如き高融点ガラスの流し込みにより、その磁気特
性が劣化するという問題はないが、500℃以上、例え
ば700〜800℃以上に熱すると、フェライトとの熱
膨張係数差が大きいため(センダスト:150×1
-7、フェライト:110〜120×10-7)、ガラス
融着時にセンダストの内部応力が大きくなり、またセン
ダストの材質自体が粘りがなく、脆く且つフェライトの
波形表面に付着しているため、このガラス融着時或いは
後の研削、切断加工時にクラックが入ったり、或いは剥
離し易い等という問題を惹起するのであ。
そしてまた、上記の如き複合型磁気ヘッド用コアの製造
手法にあっては、トラック幅を規定する溝がそれぞれ形
成された二つのフェライトブロックを用い、それらフェ
ライトブロックを組み合わせて接合せしめることによ
り、一体的な組合せ体と為すものであるところから、そ
れぞれのフェライトブロックに対するトラック幅規定溝
のための溝入れ加工には、著しい厳密さが要求されるこ
とは勿論、それらフェライトブロックを対向させて組み
合わせるに際して、それぞれのフェライトブロックのト
ラックの位置合わせが必要となり、これがまた極めて面
倒で、困難な作業の一つとなっているのであり、そして
このトラックの位置合わせが完全でないと、トラックの
ずれが惹起され、これが、フェライトコア、ひいては複
合型コアの品質を低下せしめることにもなっている。
何れにしても、このような金属磁性材料からなる磁性膜
を形成した後に、トラック幅規定溝に非磁性材料(ガラ
ス)を流し込み、またトラック幅規定溝の形成された二
つのフェライトブロックを組み合わせる方式に従う複合
型磁気ヘッド用コアの製造手法には、実用上において幾
つかの難点があり、工業的に有利に採用し得るものでは
なかったのである。
(発明の目的) ここにおいて、本発明は、かかる事情に鑑みて為された
ものであって、その目的とするところは、上記従来の複
合型磁気ヘッド用コア及びその製造手法における問題を
解決し、高保磁力記録媒体にも優れた記録再生特性を示
す磁気ヘッド用コアを提供し、且つその容易な製造方法
を提供するものであり、特にトラック幅精度の向上を容
易にし、またトラックの位置ずれを防止し、且つリング
ラフィー技術エッチング技術の組合せによって、再生出
力におけるコンタ効果のない複合型磁気ヘッド用コアを
有利に製造することにある。
(発明の構成) そして、本発明は、かかる目的を達成するために、
(a)二つのフェライトブロックを突合せ接合体にて構
成され、それらフェライトブロックの突合せ部に形成さ
れたコイル巻線用の孔の存在によって、環状の磁路が形
成される一方、かかる突合せ部に、該環状の磁路を横切
って外部から前記コイル巻線用孔に達する、所定間隙の
磁気ギャップが形成されると共に、かかる磁気ギャップ
内に第一の非磁性材料が充填されてなるブロック組合せ
体を準備する第一の工程と、(b)かかるブロック組合
せ体の前記磁気ギャップが形成された面に、該磁気ギャ
ップと直交する方向において、トラック幅を規定する互
いに平行な少なくとも2条の溝を形成し、更にそれらト
ラック幅規定溝内に第二の非磁性材料を埋設する第二の
工程と、(c)前記ブロック組合せ体の該トラック幅規
定溝にて挟まれるトラック部において、その少なくとも
前記磁気ギャップ近傍のフェライト部分のみを除去する
第三の工程と、(d)かかるブロック組合せ体のトラッ
ク部の除去部分に、所定の金属磁性材料を埋設する第四
の工程と、(e)該金属磁性材料の埋設されたブロック
組合せ体を、前記第二の非磁性材料が埋設された溝部位
において前記磁気ギャップに交差する方向に切断し、少
なくとも1個の複合型磁気ヘッド用コアを得る第五の工
程とを、含むことを特徴とする複合型磁気ヘッド用コア
の製造法を、その要旨とするものである。
なお、かかる本発明手法において、第三の工程における
フェライト部分の除去は、有利には、化学エッチング若
しくは電解エッチングによって行なわれることとなる
が、レーザを用いたエッチング操作によって実施するこ
とも可能である。
また、本発明手法の一つの実施形態によれば、前記第三
の工程は、前記磁気ギャップ近傍のトラック部のフェラ
イト部分が露呈されるように、前記ブロック組合せ体を
レジスト膜にて被覆した後、エッチングを行なうことに
よって実施され得るものであり、そしてそのようなレジ
スト膜は、かかるフェライト部分を露呈せしめる側にお
いて、前記磁気ギャップに対して平行部を構成すること
のない境界部を有するように、形成されることとなる。
尤も、この第三の工程におけるフェライト部分の除去
は、トラック部の磁気ギャップの両側に位置する部位に
対して、実施されることは勿論、磁気ギャップの片側の
みに位置する部位に対しても実施され得るものであるこ
とは、言うまでもないところである。
さらに、本発明の一実施態様によれば、前記第四の工程
における金属磁性材料の埋設は、スパッタリングにより
行なわれ、その際、スパッタリングされた金属磁性材料
の粒子が沈着せしめられる基板となるブロック組合せ体
が、それ自身の回転(自転)や揺動等の運動によって移
動せしめられ、以てスパッタリングされた金属磁性材料
がブロック組合せ体のトラック部の除去部分に充分に被
着されるようにされることとなる。
(発明の具体的構成・実施例) ところで、かかる本発明において、目的とする複合型磁
気ヘッド用コアを製造するために用いられる組合せ体を
与える二つのフェライトブロックには、従来からの高透
磁率のフェライト材が用いられ、一般に、複数の磁気ヘ
ッド用コアが製造され得るように、所定厚さの長手板状
のブロックとして用いられて、それらの突合せによって
環状の磁路が構成せしめられるのである。なお、この高
透磁率のフェライトブロックとしては、Mn−Znフェ
ライト、Ni−Znフェライト等の単結晶体若しくは多
結晶体或いはそれらの複合体が用いられ、特に単結晶体
を用いる場合にあっては、その(100)、(11
0)、(311)、(332)等の結晶面が、ギャップ
形成面(フェライトブロック突合せ面)として有利に選
択されることとなる。
そして、本発明にあっては、先ず、第一の工程におい
て、上記の如きフェライトブロックの二つを用い、常法
に従って突合せ、接合して、目的とするブロック組合せ
体を得るのである。
すなわち、第1図に示されるように、一対の高透磁率フ
ェライトブロック2a,2bを用い、その少なくとも一
方にコイル巻線用の孔4を与える溝を設け、そしてSi
、ガラス等の公知の磁気ギャップ形成用の(第一
の)非磁性材を介して、それら一対のフェライトブロッ
ク2a,2bを突合せ、接合せしめることによって、ブ
ロック組合せ体2が形成されるのである。このブロック
組合せ体2においては、一対のフェライトブロック2
a,2bの突合せ部に形成されたコイル巻線用の孔4の
存在によって、環状の磁路が形成されており、またそれ
らフェライトブロック2a,2bの突合せ部に、かかる
環状の磁路を横切って外部から前記コイル巻線用孔4に
達する所定間隙の磁気ギャップ6が形成されると共に、
そのような磁気ギャップ6内に、第一の非磁性材8(第
4図参照)が充填された構造となっているのである。
次いで、このようにして得られたブロック組合せ体2に
は、第2図に示されるように、その磁気ギャップ6形成
面、即ち磁気ギャップ6が外部に露出する面に、トラッ
ク幅を規定する互いに平行な少なくとも2条の溝10
が、ギャップ面に直角な方向(磁気ギャップ6と直交す
る方向)において所定深さで順次形成されるのである。
そして、この形成されたトラック幅規定幅10,10に
て挟まれるブロック組合せ体2の突条部分が、トラック
部12となるのである。また、かかるブロック組合せ体
2に形成されたトラック幅規定溝10内には、第二の非
磁性材14が埋設されるのである(第二の工程)。
ところで、この第二の工程において埋設される非磁性材
14には、ガラス、セラミック系の無機接着剤、硬質樹
脂等が適用出来るが、媒体走行性等の安定性面からは、
ガラスを用いることが好ましい。また、媒体走行面16
上に露出する埋設された非磁性材14の不要な部分を除
去し、所定のデプス長(磁気ギャップ6の媒体走行面1
6からコイル巻線用孔4に達する長さ)になるように、
砥石等によって研削加工が施される。この砥石等による
研削加工は、好ましくは磁気記録媒体の走行面16形状
がアール面となるように行なうことが望ましい。そし
て、かかる研削加工によって、第3図に示されるよう
に、トラック幅規定溝10内に埋設された非磁性材14
とトラック部12を形成するフェライト部位とが、所定
幅で交互に配列せしめられた形態において、媒体走行面
16に露出せしめられることとなる。
その後、このように第二の非磁性材14の埋設されたブ
ロック組合せ体2には、その媒体走行面16に対して、
その少なくとも磁気ギャップ6近傍のトラック部12の
フェライト部分のみをエッチング等によって、媒体走行
面16側からデプス方向(コイル巻線用孔4側)に除去
する操作が施される(第三の工程)。
なお、この際、媒体走行面16に全くマスキングをしな
い場合には、当然のことながら、媒体走行面16に露出
するトラック部12のフェライト全体がエッチングさ
れ、かかるトラック部12を構成するフェライト部分に
対応した溝形状のエッチング凹所18が形成される。そ
して、このようなエッチング操作によって、磁気ギャッ
プ6内に充填された第一の非磁性材8が、第4図に示さ
れるように露呈せしめられるのであって、それ故そのよ
うな磁気ギャップを形成する非磁性材8やトラック幅規
定用の溝10内に充填された非磁性材14がエッチング
されないような高選択比のエッチング条件が、かかるエ
ッチング操作に際して選択されることとなる。
尤も、第5図及び第6図に示されるように、磁気ギャッ
プ6近傍のトラック部12のフェライト部分を残し(露
呈せしめ)、他のフェライト部分をレジスト膜20a,
20b,20cにて被覆した後、エッチングするように
することも可能である。なお、第5図は、磁気ギャップ
6の両側のフェライト部分のみを対称的にエッチングす
る場合のレジスト膜20a,20bの平面形態を示して
おり、それらレジスト膜20a,20bは、対称的なパ
ターンにおいてブロック組合せ体2の各フェライトブロ
ック2a,2bのそれぞれの媒体走行面16上に所定厚
さで形成されている。また、第6図は、磁気ギャップ6
の片側のトラック部12のフェライト部分のみをエッチ
ングする場合を示しており、そこにおいては、ブロック
組合せ体2の一方のフェライトブロック2aの媒体走行
面16の全面が、レジスト膜20cで覆われて、エッチ
ングされないようになっている一方、他方のフェライト
ブロック2b側の媒体走行面16上には、第5図の場合
と同様なレジスト膜20bが設けられて、磁気ギャップ
6近傍のトラック部12のフェライト部分のみが露呈せ
しめられるようになっている。
そして、このように磁気ギャップ6の近傍のみを局部的
にエッチングする場合にあっては、擬似ギャップによる
コンタ効果を避けるために、磁気ギャップ6に隣接する
レジスト膜20a,20bの境界部22a,22bが、
ギャップラインに対して平行部を形成しないように、山
形、波形等の傾斜形状の境界部22a,22bを与える
ように、それぞれのレジスト膜20a,20bをパタニ
ングした後、エッチングすることが、適宜行なわれるこ
ととなる。ところで、第5図に示される形状にレジスト
膜20a,20bをパタニングした場合、ブロック組合
せ体2の媒体走行面16は、第7図に示される形状にエ
ッチングされるのである。第8図には、かかる第7図に
おけるエッチングされた磁気ギャップ近傍部分が拡大し
て示されており、そこでは、磁気ギャップ6内に充填さ
れた第一の非磁性材8が薄膜状において露呈せしめら
れ、そしてその両側のトラック部12部分のみが山形状
にエッチングにより除去され、コイル巻線用溝(4)に
達する深さのエッチング凹所24,24とされているの
である。
なお、このようなエッチング操作には、一般に、化学エ
ッチングや電解エッチング等の手法が有利に採用される
こととなるが、また第7図及び第8図に示される如き、
局部的なデプス方向のエッチングはマスクレスでも可能
であり、例えば大気中、反応ガス中或いは反応液中にお
けるレーザエッチングにて、所望の局部的な凹所(2
4)を形成することが出来る。
次いで、このようなエッチング操作の施されたブロック
組合せ体2には、そのエッチングにより形成された凹所
18,24内に、所定の金属磁性材料がスパッタリン
グ、蒸着、メッキ、CVD等の操作によって充填、埋設
されることとなる(第四の工程)。なお、この埋理され
る金属磁性材料としては、Fe−Si(Si:6.5重
量%)、Fe−Al−Si合金(センダスト)、Ni−
Fe合金(パーマロイ)等で代表される結晶質合金があ
り、またFe−Co−Si−B系で代表されるメタル−
メタロイド合金や、Co−Zr−Nb系等で代表される
メタル−メタル合金等の非晶質合金が用いられる。ま
た、これら金属磁性材料の被着法は、先に述べた通り、
種々あるが、被着物質が限定されず、組成変動が少ない
スパッタリングが好適に用いられることとなる。そし
て、このスパッタリングによる金属磁性材料の充填に際
しては、深い溝中への膜付きを良くするために、基板と
なるフェライトブロック組合せ体2を自転せしめたり或
いは揺動せしめたりする等の運動を行なわしめて、スパ
ッタリング操作を進行させることも、適宜に行なわれる
のである。
そして、このような金属磁性材料の被着、充填後、余分
の金属磁性材料をテープ研磨等により取り去ると、第9
図及び第10図に示されるように、エッチング凹所1
8,24内に所定の金属磁性材料26が充填、埋設され
てなる媒体走行面16が露出せしめられることとなる。
なお、第9図は、トラック部分(12)全体に金属磁性
材料26が充填された場合であって、第4図のエッチン
グ形状に対応するものであり、また第10図は、磁気ギ
ャップ近傍にのみ金属磁性材料26が充填された場合を
示し、第7図のエッチング形状に対応するものである。
また、かかる金属磁性材料26の充填形状としては、例
えば第11図(a)〜(f)及び第12図(a)〜
(e)に示される如き種々なる形状を採用することが出
来、またそれに対応するエッチング凹所(18,24)
を与えるエッチング操作が実施されるのである。この第
11図(a)〜(f)に示される充填形状は、何れも、
磁気ギャップ6(薄膜状の第一の非磁性材8)の両側に
金属磁性材料26が充填された例であり、また第12図
(a)〜(e)は、磁気キャップ6(8)の片側にのみ
エッチング凹所(18,24)が形成されて、そこに金
属磁性材料26が充填された例を、それぞれ示してい
る。
なお、上記の実施例では、トラック幅規定溝10が、磁
気ギャップ6に直角な方向のブロック組合せ体2の幅方
向全体に亘って設けられているが、また、第13〜17
図に示されるように、磁気ギャップ6の近傍領域にのみ
穴加工によってトラック幅規定溝(10)を設け、前例
と同様に、非磁性材14の充填、エッチング、金属磁性
材料26の埋設を行なうようにすることも可能である。
すなわち、第1図に示されるブロック組合せ体2に対し
て、その媒体走行面16に、第13図に示される如きマ
スキングをレジストにより行ない、トラック幅規定溝に
対応する窓部28の複数が互いに平行に配されたレジス
ト膜30が形成され、そして適当なエッチング手法に
て、デプス方向にエッチングが施されることとなるので
ある。なお、このエッチングに際しては、先述の如く、
化学エッチング、電解エッチング等が用いられるが、ま
たレーザによりエッチングを行なうことも可能である
が、その場合にはマスキングは不要となる。そして、こ
のようなエッチング操作によって、第14図に示される
ように、ギャップラインの両側に形成されたエッチング
凹所32,32によってトラック幅規定溝が構成され、
またエッチング条件やエッチング操作の種類によって
は、磁気ギャップ6内に充填された薄膜状の第一の非磁
性材8が図示の如く露呈せしめられることとなる。
次いで、このようなブロック組合せ体2のエッチング凹
所32内に、ガラス等の第二の非磁性材14を充填、埋
設せしめた後、所定のデプスとなるように、媒体走行面
16を砥石等によってアール面加工し、これによって第
15図に示されるように、非磁性材14,14にて挟ま
れたトラック部12,12が、磁気ギャップ6の両側に
露出せしめられるようにされるのである。
その後、かかる第15図の如き磁気ギャップ6の両側に
トラック部12,12が露呈せしめられた媒体走行面1
6上には、また前例と同様に、所定のレジストのマスキ
ングにより、少なくとも磁気ギャップ6近傍のトラック
部12,12のフェライト部分が露出せしめられて、当
該部分がエッチング処理されるのである。なお、ギャッ
プ近傍のみのエッチングの場合には、レジスト膜の境界
部が、磁気ギャップ6に対して、山形、波形等の傾斜形
状とされ、平行部を形成しないように構成されて、エッ
チング操作に付されることとなる。
また、このようなエッチングによって、磁気ギャップ6
(薄膜状の第一の非磁性材8)の両側若しくは片側に形
成されたエッチング凹所内には、前例と同様に、金属磁
性材料26が埋設され、更にその後、余分の金属磁性材
料がテープ研磨等によって取り去られることにより、第
16図や第17図に示される如き媒体走行面16を有す
るブロック組合せ体2が得られるのである。なお、第1
6図は、媒体走行面16に露呈せしめられる金属磁性材
料26のパターンが第11図(b)に相当するものであ
り、また第17図は、第11図(d)に相当するもので
ある。
そして、かくして得られた第9図、第10図、第16
図、第17図に示される如き金属磁性材26の埋設され
たブロック組合せ体2には、第五の工程において、トラ
ック部(12)を中心にして、それらの図において点線
で示される、所要のコア幅(T)となるように、第二の
非磁性材14の充填されたトラック幅規定溝10部位に
おいて切断されることによって、目的とする複合型磁気
ヘッド用コアが順次切り出され、以てその少なくとも1
個が取得されることとなるのである。なお、このコアの
切出しに際して、場合により、公知の如く、アジマス角
だけ傾けて切断する方法も採用される。
このようにして得られた、本発明に従う複合型磁気ヘッ
ド用コアの構造が、第18〜20図に斜視図として示さ
れている。即ち、第18図に示される複合型磁気ヘッド
用コア34は、第9図に示されるブロック組合せ体2か
ら得られたものであり、また第19図に示される複合型
磁気ヘッド用コア36は、第10図の構造のブロック組
合せ体2から得られたものであり、更に第20図に示さ
れる複合型磁気ヘッド用コア38は、第17図に示され
る構造のブロック組合せ体2から得られたものである。
そして、このようなコア34,36,38には、更に公
知の如く、それぞれのコイル巻線用の孔4を利用してコ
イルが巻装され、以て目的とする複合型磁気ヘッドとさ
れるのである。
以上、本発明に従う磁気ヘッド用コアの製造手法につい
て、VTR用磁気ヘッド用コアの製造例に基づいて詳細
に説明してきたが、本発明が、かかる例示の具体例にの
み限定して解釈されるものでは決してなく、本発明の趣
旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づい
て、種々なる変更、修正、改良等を加えた形態において
実施され得るものであり、そしてそのような実施形態の
ものが、何れも、本発明の範疇に属するものであること
が、理解されるべきである。
また、本発明に従う複合型磁気ヘッド用コアの製造手法
は、単に例示のVTR用ヘッドに止まらず、FDD用ヘ
ッド、RDD用ヘッド、更にはDAT用ヘッド等の磁気
ヘッドのためのコアの製造にも適用可能であることは言
うまでもないところである。
(発明の効果) 以上の説明から明らかなように、本発明に従う複合型磁
気ヘッド用コアの製造手法は、 (a)得られる複合型磁気ヘッド用コアの主磁気回路が
フェライトから構成されており、金属磁性材料は磁気ギ
ャップ近傍或いは媒体走行面の極く一部に存在する構成
のため、従来のものに比べて、渦電流損失を小さくすこ
とが出来る、 (b)フェライトと金属磁性材料の結合境界面が媒体走
行面に表出せず、或いは表出しても、磁気ギャップに対
して斜めとなっている凹凸構造を採用することにより、
コンタ効果が無視出来る、 (c)突合せ接合されたブロック組合せ体に対して、後
から、トラック幅規定用の溝を形成するものであるとこ
ろから、そのような組合せ体を構成する二つのフェライ
トブロックの溝加工の厳密な管理やトラックの位置合わ
せ操作が全く不要となり、しかもトラックの位置ずれも
全く顧慮する必要がない、 (d)二つのフェライトブロックの突合せ接合により、
ブロック組合せ体を作製した後、金属磁性材料を被着、
埋設する製法により、磁性膜の熱処理を低温で行なうこ
とが可能となり、フェライトとの熱膨張係数差による金
属磁性膜の剥がれ、クラック等が生じ難い、 等の大きな利点を有すると共に、また、各工程における
選択された条件の採用によって、 (e)トラック幅規定用の溝に予め埋設された非磁性材
とフェライトのエッチング速度の比を利用して、高精度
のトラック幅からなる磁気ヘッド用コアが量産出来る、 (f)レジストを用いたリソグラフィー技術とエッチン
グ技術の組合せにより、多数のフェライトブロックを同
時に且つ均一な形状にエッチングすることが出来、ひい
てはヘッド特性の均一な磁気ヘッド用コアが量産出来
る、 等の利点をも享受し得るのである。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第4図は、本発明の一実施例に係る各工程の
説明図であって、第1図は、本発明において用いられる
ブロック組合せ体の一例を示す斜視図、第2図は、その
ようなブロック組合せ体に対してトラック幅規定用の溝
を設けた状態を示す斜視図、第3図はトラック幅規定用
の溝内に、第二の非磁性材を埋設せしめた状態を示す斜
視図、第4図は、第3図のブロック組合せ体のトラック
部をエッチングした状態を示す斜視拡大説明図であり、
第5図及び第6図は、それぞれ、ブロック組合せ体の媒
体走行面に形成されるレジスト膜の異なるパターン形状
を示す平面図であり、第7図は、第5図の如きパタニン
グのレジスト膜を有するブロック組合せ体をエッチング
処理して得られる媒体走行面のエッチング状態を示す拡
大斜視図であり、第8図は、更に第7図の部分拡大図で
あり、第9図及び第10図は、それぞれ、第4図及び第
7図のエッチング形態のブロック組合せ体に対して金属
磁性材料を埋設した状態を示す拡大斜視説明図であり、
第11図(a)〜(f)及び第12図(a)〜(e)
は、それぞれ、異なる金属磁性材料の埋設形態を示す要
部平面図である。 また、第13図は、ブロック組合せ体の媒体走行面に、
前例とは異なるトラック幅規定溝を形成するためのレジ
スト膜のパターン例を示す平面図であり、第14図は、
第13図の如き、レジスト膜を有するブロック組合せ体
をエッチング処理して得られるエッチング凹所を示す要
部拡大斜視図であり、第15図は、第14図に示される
エッチング凹所に第二の非磁性材を埋設してなるブロッ
ク組合せ体の媒体走行面を示す平面図であり、第16図
及び第17図は、それぞれ、第15図に示されるブロッ
ク組合せ体を用いて得られる金属磁性材料埋込み物の媒
体走行面を示す平面図である。 さらに、第18図、第19図及び第20図は、それぞ
れ、第9図、第10図及び第17図に示される金属磁性
材料埋込み物(ブロック組合せ体)から切り出された複
合型磁気ヘッド用コアを示す斜視図である。 2:ブロック組合せ体 2a,2b:フェライトブロック 4:コイル巻線用孔、6:磁気ギャップ 8:第一の非磁性材、10:トラック幅規定溝 12:トラック部、14:第二の非磁性材 16:媒体走行面 18,24:エッチング凹所 20a,20b,20c:レジスト膜 22a,22b:境界部 26:金属磁性材料、28:窓部 30:レジスト膜、32:エッチング凹所 34,36,38:複合型磁気ヘッド用コア

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】二つのフェライトブロックの突合せ接合体
    にて構成され、それらフェライトブロックの突合せ部に
    形成されたコイル巻線用の孔の存在によって、環状の磁
    路が形成される一方、かかる突合せ部に、該環状の磁路
    を横切って外部から前記コイル巻線用孔に達する、所定
    間隙の磁気ギャップが形成されると共に、かかる磁気ギ
    ャップ内に第一の非磁性材料が充填されてなるブロック
    組合せ体を準備する第一の工程と、 かかるブロック組合せ体の前記磁気ギャップが形成され
    た面に、該磁気ギャップと直交する方向において、トラ
    ック幅を規定する互いに平行な少なくとも2条の溝を形
    成し、更にそれらトラック幅規定溝内に第二の非磁性材
    料を埋設する第二の工程と、 前記ブロック組合せ体の該トラック幅規定溝にて挟まれ
    るトラック部において、その少なくとも前記磁気ギャッ
    プ近傍のフェライト部分のみを除去する第三の工程と、 かかるブロック組合せ体のトラック部の除去部分に、所
    定の金属磁性材料を埋設する第四の工程と、 該金属磁性材料の埋設されたブロック組合せ体を、前記
    第二の非磁性材料が埋設された溝部位において前記磁気
    ギャップに交差する方向に切断し、少なくとも1個の複
    合型磁気ヘッド用コアを得る第五の工程とを、 含むことを特徴とする複合型磁気ヘッド用コアの製造
    法。
  2. 【請求項2】前記第三の工程におけるフェライト部分の
    除去が、化学エッチング若しくは電解エッチングによっ
    て行なわれる特許請求の範囲第1項記載の製造法。
  3. 【請求項3】前記第三の工程が、前記磁気ギャップ近傍
    のトラック部のフェライト部分が露呈されるように、前
    記ブロック組合せ体をレジスト膜にて被覆した後、エッ
    チングを行なうことによって、実施される特許請求の範
    囲第1項または第2項記載の製造法。
  4. 【請求項4】前記レジスト膜が、前記フェライト部分を
    露呈せしめる側において、前記磁気ギャップに対して平
    行部を構成することのない境界部を有するように、形成
    されている特許請求の範囲第3項記載の製造法。
  5. 【請求項5】前記第三の工程におけるフェライト部分の
    除去が、前記トラック部の前記磁気ギャップの片側に位
    置する部位に対して実施される特許請求の範囲第1項乃
    至第3項の何れかに記載の製造法。
  6. 【請求項6】前記第四の工程における金属磁性材料の埋
    設がスパッタリングにより行なわれ、その際、基板とな
    るブロック組合せ体が、自転や揺動等の運動によって移
    動せしめられる特許請求の範囲第1項乃至第5項の何れ
    かに記載の製造法。
  7. 【請求項7】前記第三の工程におけるフェライト部分の
    除去が、レーザを用いたエッチング操作によって実施さ
    れる特許請求の範囲第1項記載の製造法。
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