JPH062203B2 - 粉末充填機の固気分離装置 - Google Patents

粉末充填機の固気分離装置

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JPH062203B2
JPH062203B2 JP60130323A JP13032385A JPH062203B2 JP H062203 B2 JPH062203 B2 JP H062203B2 JP 60130323 A JP60130323 A JP 60130323A JP 13032385 A JP13032385 A JP 13032385A JP H062203 B2 JPH062203 B2 JP H062203B2
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幸英 野口
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秩 永井
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 <技術分野> 本発明は供給源からの被充填粉末を一旦計量孔内に吸引
充填した後、計量孔から他の容器等に吐出充填する粉末
充填機の固気分離装置に関し、特に微細な被充填粉末を
扱うのに適した固気分離装置に関する。
<従来技術> 供給源からの被充填粉末を所定量ずつ採取し、これを他
の容器等に吐出充填する粉末充填機としては、例えば第
29図に構成図として示すように、被充填粉末を供給す
るホッパ1、この下部に隣接し複数個の隔離された計量
孔8を有する回転ドラム2、回転ドラム2内にあって計
量孔8より更に中心部に位置する固気分離装置3、固気
分離装置3を介して該粉末をそれぞれ減圧吸入,加圧吐
出するための真空源4,圧搾空気源5,また回転ドラム
2の下部にあって容器6をドラム2の回転に同期して搬
送するための容器搬送装置7により構成されたものが知
られている。この粉末充填機ではホッパ1からの該粉末
を計量孔8内に真空源4により源圧吸引し、その後所定
位置までドラム2が回転したときに圧搾空気源5からの
圧搾空気により該粉末を容器等に吐出する。また他の粉
末充填機では計量孔と固気分離装置を備えた頭部を供給
源に蓄えられた被充填粉末内に押し込んで行くと共に減
圧吸引して、該粉末の所定量を計量孔内に採取し、粉末
を計量孔内に吸引保持したまま前記頭部を吐出すべき容
器等の位置まで移動させ、その位置で容器等に該粉末を
吐出充填する。
上述のような粉末充填機においては、計量孔内に減圧吸
引した被充填粉末を真空源まで達せしめず計量孔内にと
どまるよう固気分離装置を用い、固気分離装置のフィル
タにより該粉末を計量孔内に捕捉保持し、しかる後にフ
ィルタを通じて圧搾空気等の逆圧をかけ該粉末を計量室
から外へ吐出させる。この様な吸引,吐出の動作を高速
で、長期間反復する場合、被充填粉末を精度よく計量
し、吐出充填するにはフィルタを含めた固気分離装置の
適切な選択が重要である。特に微細な被充填粉末を扱う
場合にはフィルタの目詰まりや圧損の増加等の問題が生
じないようにすることが重要である。従来の固気分離装
置の一例を第30図に部分断面図で示す。すなわち、固
気分離用のフィルタとして細い金属製のワイヤ9を束ね
たものを用い、これを移動調節部材10に固定して計量
孔8内に配置したものである。しかしながらこのワイヤ
9を束ねたフィルタではフィルタの開孔径が不均一で、
しかもその孔も空気流と同一方向に形成されているため
ワイヤ束の深部へ微細な被充填粉末が移行し、充填動作
を繰返し継続する事による経時的な目詰まりを生じ、ひ
いては充填重量の低下やバラツキの増大をきたす欠点が
あった。また米国特許2,540,059には固気分離用フィル
タの他の例として、金属粉末の焼結体を用いることが記
載されている。しかしながらこの文献には焼結体の物性
および製法は全く記載されていない。一般に従来より知
られている焼結体フィルターはアトマイズ法で造られた
球状またはそれに近い形状の粉末を焼結したものであ
り、空隙率が小さい欠点がある。そのため、圧損が増加
して、効率が非常に悪くなり、また大きな吸引,吐出圧
力を必要とすることになる。また、前記米国特許公報に
は、固気分離フィルタの取付手段として、フェルトから
なる固気分離フィルタについてのみ押し込みや捩込みに
よる方法が示されているが、このような取付手段では、
高圧処理に適さず、効率的な作業も得られない。その
他、微細粒子を溶液中から濾過分離するためによく用い
られているメンブレンフィルタを固気分離フィルタに用
いることも考えられるが、これらのメンブレンフィルタ
を固気分離フィルタに用いた場合には材質が有機材質で
あるため比較的熱に弱く、機械的強度も低く、耐溶剤性
も劣る。
<目的> 本発明は上記従来技術の欠点を解消し、微細な被充填粉
末,例えば粒子径5μm以下の微粒子を含む微細粉末を
容器等に一定量づつ効率よく充填することができる粉末
充填機の固気分離装置の提供を目的とする。
さらに詳述すると、本発明の重要な目的の1つは、長期
間に亘って使用しても目詰まりしない粉末充填機の固気
分離装置を提供することである。その結果長期間に亘っ
て使用しても、充填量の低下はなくまた充填量のバラツ
キも少ない。
さらに本発明は、開孔径が小さくしかも空隙率が大であ
る固気分離フィルタによって、被充填粉末の計量孔内へ
の吸引及び計量孔から外部への吐出に要する吸引圧と吐
出圧の圧力損失を低く抑え、低圧力で軽快,高速に吸
引,吐出が行える粉末充填機の固気分離装置の提供を目
的とする。
本発明の目的はまた、機械的強度が強く、容易にフィル
タ部が破損することのない粉末充填機の固気分離装置を
提供することである。
本発明の他の重要な目的は有機溶剤あるいは酸,アルカ
リ等による洗浄や高温乾燥滅菌等の再生処理にも耐えう
る耐薬品性,耐熱性に優れた固気分離装置の提供を目的
とする。
<構成> 上記目的を達成するための本発明の基本的特徴は次の通
りである。すなわち、本発明の粉末充填機の固気分離装
置は、供給源からの被充填粉末を一旦計量孔内に吸引充
填した後、前記計量孔から他の容器等に吐出するように
した粉末充填機の固気分離装置であって、前記計量孔の
底面を構成すると共に計量孔を一定の容積に画定する固
気分離フィルタが、 繊維直径30μm以下でアスペク
ト比2〜50の短繊維状の微細粉末を少なくとも有する
焼結素材を空隙率30〜50%で初期バブルポイント圧
が1200mmH2O以上に焼結した焼結体からなり、
この固気分離フィルタが、移動調節部材の端部に一体焼
結により結合固着されたことを特徴として構成されてい
る。
また、前記移動調節部材の取付用端部に凹部または凸部
を設け、前記固気分離フィルタを、これの焼結成形等に
前記取付用端部に一体に焼結して結合固着してなる構成
をも特徴とするものである。
本発明のさらに他の目的と特徴と利益は次の解説によっ
てさらに明白となるであろう。
<実施例> 第1図は本発明の実施例である粉末充填機の固気分離装
置の断面図、第2図は第1図の固気分離装置を組み込ん
だ粉末充填機の実施例を示す一部破断正面図、第3図は
第2図の粉末充填機の縦断面図、第4図と第5図はそれ
ぞれ実験例2において行った実験結果を示す図、第6図
はフィルタの通気流量を測定する装置の構成図、第7図
は参考のために示した粉末充填機の固気分離装置の断面
図、第8図から第12図は粉末充填機の固気分離装置の
他の例を示す断面図、第13図は本発明の各実施例に用
いられる固気分離フィルタにおける短繊維の配向を説明
するための模型的斜視図で、第14図は固気分離フィル
タに補強用の多孔体を一体化した状態を説明するための
模型的斜視図で、第15図は本発明に係る固気分離装置
の固気分離フィルタによる被充填粉末の分離状態を説明
するための模型的斜視図で、第16図は比較例として球
形粒子を焼結して得た固気分離フィルタによる被充填粉
末の分離状態を説明するための模型的断面図である。
第1図についてまず説明する。粉末充填機の計量孔8内
に固気分離装置が配置されている。固気分離装置は計量
孔8の底面を構成する固気分離フィルタ30と、該固気
分離フィルタ30を上端部に固着した移動調節部材40
とからなる。移動調節部材40は計量孔8内を移動する
ことができ、これにより固気分離フィルタ30で仕切ら
れる計量孔8の容積を自由に変更することができる。移
動調節部材40の孔部41は真空源4及び圧搾空気源5
に接続されている。この真空源4と圧搾空気源5により
孔部41が減圧され或いは加圧されることにより固気分
離フィルタ30を介して空気が計量孔8内に出入りし、
これにより被充填粉末が計量孔8内に吸入され或いは計
量孔8から吐出される。50はOリングである。
固気分離装置は例えば第2図及び第3図に示す粉末充填
機に組み込まれる。すなわち粉末充填機の回転ドラム1
0の外側周面に一定の間隔で軸心方向に開孔された各計
量孔8内にそれぞれ固気分離装置の移動調節部材40が
嵌挿される。移動調節部材40の基端部40aは回転ド
ラム10の内孔11に突出しており、図示しない機構に
よりその基端部40aを介して移動調節部材40の進退
位置が調整される。12は回転ドラム10の回転駆動軸
である。また符号4aは真空源4からの接続端部で符号
5aは圧搾空気源5からの接続端部である。ドラム10
が回転し、一定の回転位置で図示しない粉末ホッパから
粉末を計量孔8内へ吸引充填し、さらに回転した位置で
計量孔8内の粉末を圧搾空気により図示しない容器に吐
出充填する。
以上の様な固気分離装置の概略構成において、本発明の
最も基本的な特徴は固気分離フィルタ30を繊維直径3
0μm以下でアスペクト比2〜50の短繊維状の微細粉
末を少なくとも有する焼結素材を空隙率30〜50%で
初期バブルポイント圧が1200mmH2O以上に焼結
した焼結体で構成したことである。
本発明では短繊維状の微細粉末を単独で或いは通常の球
形状の粉末と混合して、これを焼結体とすることで孔径
が微細で孔径分布の幅が狭くしかも空隙率が大きいフィ
ルタを構成し、これを固気分離装置の構成要素としてい
る。孔径分布が広い場合には、孔径の大きい孔に被充填
粉末が入り込み、目詰まりを起こしやすい。また空隙率
が小さいと固気分離操作時の圧損が大きく、被充填粉末
の吸引,吐出が円滑に行えない。また前記目詰まりを起
こすことにより、吸引吐出力の経時的変化による計量孔
内への該粉末の充填量の経時的低下をきたす。
短繊維状の微細粉末及びこれと混合される通常の球形状
またはこれに近い形状の微細粉末として金属粉末,セラ
ミック粉末,ガラス粉末等の耐熱性物質を単独もしくは
混合して用いることができる。これら素材を用いること
により、耐熱性,耐薬品性及び機械的性質が良好な固気
分離フィルタを得ることができる。
また短繊維状の微細粉末としては、繊維直径30μm以下
でアスペクト比2乃至50が好ましく、繊維直径2乃至15
μmでアスペクト比2乃至20が特に好ましい。発明者ら
の実験により、繊維直径が30μmを越えるときは焼結し
て得られる固気分離フィルタの空隙率が低下して好まし
くない。またアスペクト比,すなわち長さ/直径が2よ
り小さいときは空隙率が小さくなり、アスペクト比が50
をこえるときは孔径分布の幅が広くなって好ましくない
からである。
短繊維状の微細粉末は、球状またはこれに近い形状の通
常の微細粉末を混合して焼結素材として用いる場合、少
くともその10重量%が短繊維状微細粉末であることが望
ましい。球状またはこれに近い形状の微細粉末として
は、例えばアトマイズ法,切削法,溶融法などによって
得られるもので粒径500μm以下のものが用いられる。
固気分離フィルタである焼結体はその空隙率が30〜50%
で孔径が5μm以下且つ初期バルブポイント圧が1200mm
2O以上であることが好ましい。この様な値の空隙率
及び初期バブルポイント圧は前記短繊維状の微細粉末を
用いることにより容易に達成することができるが、焼結
体形成時の加圧条件により値が大きく変動するものであ
る。よって本発明では空隙率及び初期バルブポイント圧
の数値からも固気分離フィルタの性質を限定している。
ここで初期バルブポイント圧とはJIS規格B8356濾過
粒度試験に基づき測定される値で、最初に気泡を発生し
た圧力を意味する。また後述の表1における圧力
(P1)は前記濾過粒度試験における空気圧と空気流量
の変化曲線において変化率の大きい部分の直径と小さい
部分の直線の交点を意味する。初期バブルポイント圧
(P0)が大きいほど孔径が小さいことを示す。またP1
/P0が1に近いほど孔径が均一であることを意味す
る。
固気分離フィルタは、例えばステンレス鋼短繊維を単独
で或いはステンレス鋼のアトマイズ粉と混合して、これ
を焼結して作成することができる。この場合の焼結は例
えば不活性ガス中で、1000℃以上の温度,適当な加圧,
例えば150kg/cm2で数時間保持することにより行うこと
ができる。
<実験例1> 表1にステンレス鋼短繊維のそれぞれ平均直径が4μ
m,8μm,12μmのものを単独で焼結した場合、ステ
ンレス鋼短繊維の平均直径4μmのものとステンレス鋼
アトマイズ粉300メッシュアンダとを2:1の割合で混
合したものを焼結した場合、及び比較例としてステンレ
ス鋼アトマイズ粉300メッシュアンダのものを単独で焼
結した場合の空隙率,バルブポイント圧等の測定結果を
比較して示す。
表1の結果から明らかなように、短繊維を単独で、或い
は短繊維にアトマイズ粉を混ぜた焼結体からなる固気分
離フィルタは通常の球形状の粉体であるアトマイズ粉単
独のものに比較して、空隙率,バブルポイント圧ともに
かなり大きな値となっている。このことは短繊維を用い
たフィルタでは微細な空孔がより多数個、より均一な孔
径をもって形成されていることを意味している。
<実験例2> 表2に示す4種のフィルタが一体焼結された固気分離装
置を粉末充填機の回転ドラムに装着し各フィルタ当り充
填操作を10,000回繰り返して実施し経時的に充填重量の
変化、充填重量のバラツキ,フィルタの通気量の変化を
調査した。
充填重量の測定には精密電子天秤を用いた。フィルタの
通気量は第6図に示すように回転ドラム10に取付けら
れた固気分離装置のフィルタ30を介して減圧吸引した
時の空気流量をロータメータ14を用いて測定した。
充填重量のバラツキは、各時点で10回の重量を測定
し、それらの値の変動係数を計算して評価した。
なお、使用粉末は平均粒子径3〜5μmに微粉細した医
薬用粉末を用いた。本粉末はカサ比重約4.0安息角70〜8
0°であり流動性の非常に悪いものである。
充填速度は120本/分,吸引真空度40torr,吐出圧1.0kg
/cm2の条件で実施した。
結果を第3および第4図,第5図に示す。
ステンレス鋼の短繊維状微細粉末を含有するフィルタA
およびBは孔径がそれぞれ1μm,0.4μmと小さいに
も拘わらず空隙率が大きく通気量も比較的大きい。その
結果、連続長時間運転しても目詰まりが少なく通気量の
変動(低下)も小さい。
即ち、被充填粉末を吸引計量するに足る十分な通気量が
確保されているため充填重量も安定している。
一方、ステンレス鋼のアトマイズ粉よりなるフィルタ
C,DはフィルタA,Bに比較して孔径の割に通気量が
小さい。
フィルタCでは初期流量はフィルタA並みであるが孔径
が大きいのでフィルタの目詰まりが生じやすく通気量の
低下が非常に大きい。
その結果、充填初期には比較的充填重量も安定している
が通気量が極端に減少してくると充填重量が不足し、そ
のバラツキも大きくなる。該アトマイズ粉を用いて成形
圧力を増加すると例えばフィルタDの如く孔径1μmの
微細孔を得る事が出来るが空隙率が小さく、通気量も少
ないため、流動性の悪い医薬品粉末を充填するには空隙
率,および通気量の絶対量が不足している。
従って充填スタート時点から充填量不足,吐出不良を生
じ、流動性の悪い該粉末の充填に使用する事は出来な
い。
本発明に係る固気分離フィルタ30は、第13図に拡大
断面斜視図として図示するごとく、該フィルタ30の表
面(固気分離面)30a側では、各短繊維60のほとん
どは、該面30aと平行な方向に配向しながらそこに均
一な多数の微細孔Mを構成している。
しかも、短繊維60の表面は焼結時の加熱によって、丸
味を帯びた短繊維となり、また、該表面30a上から突
出するものもなく、フィルタ30の表面性状は、極めて
滑らかとなる。
一方該フィルタ30の内部では、第13図から理解され
るよう各短繊維60は、あらゆる三次元的な方向性で配
向しており、各空隙も立体的となって、高空隙率を維持
している。
特にフィルタ30の中心層に向うに従って大きく傾斜、
あるいは倒立した短繊維が多く見られるようになる。
これは、フィルタ30成形時の加圧力が、その表面層3
0aには大きく、逆にその中心層部では、短繊維60の
流動性に左右されてあまり大きな影響は受けず、充填さ
れた時の状態に近い方向性で焼結されることによるもの
と思われる。
したがって表面層の各開口部では、第15図の断面図で
示すように、その開口は、上側に開いた深さのきわめて
浅いすりばち状を呈するため、被充填粉末Pは、フィル
タ30の深部まで侵入したり、あるいは、そこに残留す
るようなことが防止でき、吐出時には完全に外部に吐出
し、その剥離性は大きな向上を見ることができる。
第13図,第15図では本発明を容易に理解できるよう
短繊維のみを焼結したフィルタについてのみ例示してい
るが、このような現象は短繊維にさらに他の粉末、例え
ばアトマイズ粉末を加えた混合粉末を用いた場合にも見
られ、その場合には、使用する短繊維の大きさ(繊維
径、アスペクト比)により、相手の粉末の大きさを選択
することが必要である。
例えば、繊維径30μm以下、アスペクト比2〜50範
囲の短繊維の時は、10〜500μmのアトマイズ粉を9
0重量%以下混合させたものを使用するのが好ましい。
このようにアトマイズ粉末などを 合させることは、そ
の粉末同志のからまり強度を増すため、例えば、フィル
タを圧縮成形後焼結炉内に移しかえるような場合におい
ても、その移動中に生ずる微振動や、衝撃などによる該
成形品のくずれが防止でき、生産性を向上させると共に
得られるフィルタの高精度化にも寄与する効果がある。
第16図は、従来のアトマイズ粉末70のみを焼結した
フィルタで被充填粉末Pを固気分離している状態を参考
的に示した断面の一例である。
この場合、アトマイズ粉末70は成形加圧力により、全
体的にだ円状を呈し、特に表面層側では横方向に膨出
し、上面へん平な粉末に変形しているため、その孔形状
も、内部に広いツボ状になりやすい。
そして、このような穿孔も不均一な孔径で分布している
ため、被充填粉末Pが、その孔内に侵入した場合には吐
出されにくく、目詰まりの原因となる。
第1図の説明に戻る。固気分離フィルタ30と移動調節
部材40との固着手段は種々の方法が可能である。第1
図の実施例では固気分離フィルタ30を焼結成形する際
に、移動調節部材40,詳しくは移動調節部材40の頭
部と一体に焼結している。すなわち、移動調節部材40
の頭部の固気分離フィルタ30が固着されるべき空間部
に材料の粉末を充填し、圧粉或いは予備焼結を行った
後、所定の圧力,温度下で焼結する。粉は焼結されてフ
ィルタ30となると同時に頭部と一体焼結により結合固
着する。それによって、従来の溶接等で行なわれていた
後処理工程を削減できるとともに、溶接等を介在させな
いことにより高温や腐食環境等のような使用条件の制約
や微細孔の閉塞を排除でき、高品質で且つ広範囲な使用
が可能となる。
第1図において、移動調節部材40に凹所43,突起4
4を設けることにより、固気分離フィルタ30と移動調
整部材40との結合を強固にし、フィルタ30が簡単に
外れないようにしている。また移動調節部材40の上端
部を外方へ傾斜45させることにより、フィルタ30を
介して出入りする空気がフィルタ30の上面縁部からも
流通し、該フィルタ30の上面縁部にデッドスペースが
生じないようにしている。
勿論、本発明において、固気分離装置の移動調節部材4
0と固気分離フィルタ30との固着方法や固着形状は上
述の場合の他、種々の手段を採用することができる。
第7図は移動調節部材40と固気分離フィルタ30との
最も簡単な固着方法の例を第1図の場合と対比するため
に示す。すなわち平らな底面をもつ円盤状の焼結フィル
タ30を同じく平らな上端面をもつ移動調節部材40に
固着しただけの構成である。この場合、固着手段とし
て、例えば、すでに焼結を終えて完成した固気分離フィ
ルタ30を接着剤を用いて部材40に固着する方法、或
いはフィルタ30と部材40とを溶接により固着する方
法を採用しても、前述の被充填粉末の固気分離を効果的
に行なうことはできるが、以下のような問題が生じる。
即ち、接着剤を用いて固着する方法は、高温状態下にお
ける作業では接着剤が一般に高温に弱いことから高温乾
燥滅菌等の再生処理を必要とする場合にはフィルタ30
が剥がれてしまうので好ましくない。また溶接による場
合には、その溶接時の熱応力でフィルタ30が割れたり
するおそれや、溶接部の出張りを寸法調整するなどの後
処理の増加、また溶接を部分的に行う場合にはフィルタ
30と移動調節部材40との隙間からの空気のリークの
おそれなどの欠点を含んでいる。したがって上記接着剤
や溶接による方法に対して本発明者らは、既述したよう
に、固気分離フィルタ30の焼結時に同時に移動調節部
材40に固着させる手段を採用することにより接着剤や
溶接による固着の場合の欠点を解消した。
ただ、焼結時の一体成形でフィルタ30と移動調節部材
40とを固着する場合、第7図の様な単純な接合部の形
状ではフィルタ30が使用によって脱落するおそれもあ
る。
第8図は焼結時の一体成形による固着を行う場合の固着
部の接合力を強化した一例である。すなわち、突起44
をいくつか設けることによって接合力を高めている。な
お突起44のかわりに突状壁のようなものを孔部41の
開口部に設けることも考えられるが、この場合はフィル
タ30の上面周縁部での空気の流通が悪くなり該周縁部
に被充填粉末のデッドスペースが生じやすくなる。
第9図は第7図の単純な固着構造に対して、フィルタ3
0の上面周辺部においても空気が良好に流通するよう
に、移動調節部材40の上端部を外方へ傾斜45させた
形にして両者30,40を固着した構成を示す。この例
の場合も比較的単純な構成であり、この接合部の構成
は、フィルタ30を接着剤で固着する場合などには適し
ても、本発明の要旨とするフィルタ30の焼結成形時時
に同時に移動調節部材40に一体に焼結成形して固着す
る場合に接合力が不十分となりやすい。これを解消する
には第8図で示す如き突起44を設けるのが一方法であ
る。かくして突起を設ければ第1図に示す如き接合構造
となる。他方、第14図に示すように、固気分離フィル
タ30に対して格段に大きい孔径をもつ多孔体を補強部
材80として結合し、これを移動調節部材40の孔部4
1内壁と接合することにより、接合強度の増加を図るこ
とができる。この場合、補強部材80は孔径がフィルタ
30に対して非常に大きい多孔体であるので、減圧吸引
等の操作に何ら影響を及ぼさない。
第10図に示す例は固気分離フィルタ30と移動調節部
材40を一体焼結する場合に、固気分離装置の軸方向に
直角な方向の突起46を移動調節部材40に予め設けて
おき、これにより焼結によって接合されたフィルタ30
が容易に抜け落ちないようにしたものである。
第11図に他の例を示す。この例は移動調節部材40に
対してキャップをするように固気分離フィルタ30を一
体焼結したものである。このようにすることにより固気
分離フィルタ30と移動調節部材40との接合面積が増
大し、接合力が増大する。
第12図は第11図の例と類似しているが、Oリングの
位置を移動調節部材40の先端近くにすることにより計
量孔8の内壁面と固気分離装置との隙間に被充填粉末が
深く入り込まないように考慮したものである。
一般に焼結によって成形されたフィルタ30は寸法精度
が切削等により成形される移動調節部材40よりも劣
る。したがって被充填粉末が固気分離装置の側周面と計
量孔8の内側周面との隙間に入り込まないようにするた
め、第1図,第9図,第10図に示すように、寸法精度
のよい移動調節部材40の側周面をできるだけ計量孔8
の内側周面に対向させるように構成して、そのクリアラ
ンスを小さくしている。ところが第11図,第12図の
ようにフィルタ30がキャップのように移動調節部材4
0に接合されるときには、寸法精度の悪い焼結フィルタ
30と計量孔8内側周面との隙間に被充填粉末が入り込
みやすくなる。それでOリングをフィルタ30の側周面
に嵌め込むことにより、該粉末の侵入を最小限に抑えて
いる。
第17図乃至第20図は、フィルタ30を移動調節部材
40の天面40bに対し直接取り付けるのではなく、両
者の間に適当な間隔を設けるために通気性材100を介
在させた場合に例示してある。すなわち、回転ドラム1
0(第2図参照)の計量孔8の底面をなすフィルタ30
は、粉末の供給量に応じて適当に孔8内を移動させ、孔
8の深さを調節して孔8内への粉末充填量を調節する必
要がある。このため、孔8内を移動させて孔8の深さを
調整できる移動調節部材40にフィルタ30を取付ける
必要がある。そしてさらに移動調節部材40には粉末の
吸引および吐出のための孔部41を設ける必要がある。
したがって、移動調節部材40の天面部には必ず、前記
孔部41の開口の他に、該開口と孔8内壁との間にフィ
ルタ30を取付けるべき前記移動調節部材40の天面4
0bが幅をもって構成されることになる。そのため天面
40bに直接フィルタ30を載設すると、フィルタ30
周縁部に通気性不良のデッドスペースD(第7図参照)
ができてしまうのである。この場合フィルタ30をかな
りの厚さに形成すれば、デッドスペースDの影響を多少
解消できるが、微細な粉末について固気分離を行なうフ
ィルタ30にあってはその厚みの増大は大きな圧損を生
じさせることになり、孔8内への粉末の迅速かつ正確な
充填が不可となる。そこで本発明では通気性材100を
介在させてフィルタ30を取付けることにより、上記デ
ッドスペースDの問題と圧損の問題を解決している。
そこで、第17図に示すように、リング状の通気性材1
00を介してその上にフィルタ30を取り付けることが
考えられる。この場合、通気性材100として良好な通
気性を有するものを用いれば、このリング状の通気性材
を通じて内部の空間部41aに空気が自由に通過するこ
とができるが、通気性材100とフィルタ30、或いは
また通気性材100と移動調節部材40とをそれぞれ固
着する必要があるが、第18図に示すように、リング状
の通気性材100をフィルタ30と同一材で形成すれも
よい。この焼結時に通気性材100を移動調節部材40
の天面40bに一体焼結により結合固着でき、しかも、
通気性材100の部分はリング状に形成されているので
圧損の増大を招くことはない。第19図に示す例はフィ
ルタ30の厚みを薄くすることによって、その吸引,吐
出の強度によってはフィルタ30に変形,破損を招くこ
ともあることから、フィルタ30の補強を行ったもので
ある。すなわち、フィルタ30とリング状の通気性材1
00とで構成される空間部41aに通気性のよい材料か
らなる補強材101を配置したものである。補強材10
1は充分通気性のよい材料を用いれば圧損の増大を招く
ことなく、フィルタ30の補強を行なうことができ、ま
た、補強材101を介することによってフィルタ30を
より強い結合で移動調節部材40に装着できる。第20
図は、第19図の構成の特長を説明する参考のために第
19図と対比して示したものである。すなわち、フィル
タ30にリング状の通気性材100を延設せずに、補強
材101を、移動調節部材40とフィルタ30との間の
全域に配置したもので、補強材101とフィルタ30、
或いはまた補強材101と移動調節部材40をそれぞれ
固着するのに、例えば拡散接合等の手段を用いなければ
ならない。
なお、第21図に示すように、高さhと幅wの比h
1/w1は1以上が好ましい。実施例での寸法の一例を上
げると、w=1.7mmで、h=5.5mm,その場合フィル
タ30の厚みを1.0mm,直径を9.4mmとした。
以上の様に通気性材100を介在させることにより吸
引、吐出の際におけるデッドスペースは解消される。が
通気性材100を設けることにより生ずる1つの問題が
ある。それは通気性材100の側面からも空気が一部出
入りすることから、通気性材100と回転ドラム10の
孔8の内壁との間に侵入した粉が、孔8から粉末を吐出
する際に、フィルタ30上に正規に充填された粉末の吐
出に遅れて、ぱらぱらと落下することである。この問題
に対しては、本発明者らは通気性材100の孔8内壁に
対向する側周面100bを閉塞することにより解決し
た。閉塞は種々の方法で行なうことができる。即ち、フ
ィルタ30は厚みが薄いのでその側周面を閉塞するほど
のこともないが、通気性の無い薄膜を接着したり、コー
ティング剤を塗布したり、或いは側面から空気等の出入
りが無いように表面処理する等の手段により、フィルタ
30の側周面を閉塞すればよい。
次にフィルタ30の取付けに関して行った実験例とその
結果について説明する。
<実験例3> 第22図から第25図に示すように、フィルタ30(第
25図は従来のフィルタ9の場合)を粉末充填機の回転
ドラム10に装着し、高速ビデオカメラ(VTR)で粉
末の吐出状態を調査すると共に吐出後、計量孔8内の粉
末残留有無について肉眼観察した。尚、使用する被充填
粉末は平均粒子径3〜5μmに微粉砕した医薬用粉末を
用いた。該粉末はカサ比重約4.0、安息角約70〜80°で
あり流動性の非常に悪いものである。
充填速度は120本/分,吸引真空度40torr,吐出圧1.0kg
/cm2の条件で実施した。結果を表4に示す。
表4に示すように、第22図の取付例では吐出状態は良
好で粉末飛散もないが、第23図,第24図の取付例で
は大部分の粉末塊が吐出した後で少量の粉末片が吐出さ
れ容器周辺部に飛散する原因となっている。第25図の
取付例でも吐出状態は良好と言えず、ワイヤ表面および
ワイヤと回転ドラム内壁面の間に付着した粉末も吐出さ
れ易く飛末飛散が認められた。なお、第22図から第2
5図において下方に示した円とクロスハッチングは孔8
の面積と通気が良好に行なわれる部分(クロスハッチン
グ部)を示す。
<実験例4> 実験例3と同一条件でフィルタ側面図を閉塞した場合の
効果の有無を調査した。対象としたフィルタは第22図
のフィルタ30で、その側面を研磨して閉塞したもの…
E,第22図のフィルタで側面を閉塞していないもの…
F,第26図のように円柱状のフィルタ30で側面を閉
塞したもの…G,同じく閉塞無しのもの…Hの4種であ
る。結果を表5に示す。
表5の結果からフィルタ側面を閉塞していないものF,
Hでは回転ドラム壁との空隙部に粉末を吸い込み易く粉
末吐出時に大部分の粉末塊が容器に移行した後でぱらぱ
らと落下し粉末飛散と伴っている。
一方、側面閉塞したフィルタE,Gでは前述の空隙部に
粉末を吸い込み難く、仮に粉末が入り込んでも吐出時に
側面部へは空気が流れないため良好な吐出が得られると
推測される。
<実験例5> 表6に示す5種のフィルタを充填機に装着し各フィルタ
当り充填操作を10,000回繰り返して実施し、経時的に充
填重量の変化,充填重量のバラツキ,フィルタの通気量
の変化を調査した。
充填重量の測定には、精密電子天びんを用いた。フィル
タの通気量は第6図のように固機分離装置を介して減圧
吸引した時の空気流量をロータメータ14を用いて測定
した。
充填重量のバラツキは、各時点で10回の重量を測定
し、それらの値の変動係数を計算して評価した。
吐出状態は前述のとおりVTRで観察し、安定した吐出
を示しているか否か判定した。
尚、使用被充填粉末は実施例と同一であり充填量を調整
するための計量孔8(内径9.5mm)深さは30mm,吸引真
空度40torr,吐出圧1.0kg/cm2,吐出後のフィルタを逆
洗するための空気圧4kg/cm2,充填速度120本/分とし
た。
結果を表7および第27図,第28図に示す。
足部を有する該固気分離装置のフィルタEとフィルタJ
は充填重量、通気量とも経時による低下は少ない。しか
しながらフィルタ側面を閉塞していないフィルタFでは
各調査時点での試料間の重量バラツキがやや大きい。フ
ィルタIおよびGでは充填回数が10,000回近くなると通
気量が小さいため粉末の吸引力が弱まりその結果、計量
室内の粉末が圧密されず吐出時に粉末がぱらぱらと落下
する現象、いわゆる吐出不良が発生する。また充填重量
も大巾に低下している。
I,Gのいずれも平均開孔径が大きいため微粉末がフィ
ルタ深部にまで侵入し易く、粉末吐出後、高圧の圧搾空
気による逆圧をかけて逆圧洗浄してももとに復帰しにく
く通気量の低下を招いている。
一方、フィルタJでは平均開孔径は該フィルタと同様非
常に小さい厚みを有するため圧力損失も大きい。従って
空気の通過量も最初から非常に少ない。そのため充填重
量も不充分でありテストを開始した直後から吐出不良を
発生している。
以上述べたように医薬品等で使用する微細な粉末を高速
で長時間精度よくかつ安定した充填操作を繰り返すため
には開孔径の小さく薄いフィルタ素材を選定すべきであ
り、また、フィルタ周辺部のデッドスペースを極力なく
すべきである。
この観点から第17図から第20図に示す如き固気分離
装置の構造を用いればデッドスペースをなくすのに非常
に有用である。すなわち第17図から第20図の如き構
造にすると、固気分離フィルタ30を移動調節部材40
に対して通気性材100を介して間隔をもって取付ける
ことになるので、従来生じていたデッドスペースの発生
が解消され、回転ドラムの孔内の全断面領域で空気の流
通が行われて吐出時に粉末が孔内に残留するような不都
合が解消される。しかも、フィルタ自身の厚みを厚くす
る必要がないので圧損も小さく、目詰まりによる経時的
な圧損増大もわずかである。従って長期に亘って、正確
な粉末量を、迅速に、安定して供給することができる。
また通気性材の側周面を閉塞するようにすれば、該側周
面からの空気の出入りが防止され、側周面と孔内壁との
空隙に粉末が入り込み、それが吐出の際にぱらぱらと後
から落下するという不都合が解決される。
なお、上記各実施例は、本発明の技術内容を明らかにす
るためのものであって、本発明がかかる具体例にのみ限
定して狭義に解釈されるものではなく、本発明の精神と
特許請求の範囲に述べる事項内で種々変更実施すること
ができる。
<効果> 以上のように本発明の粉末充填機の固気分離装置による
と、固気分離フィルタを、繊維直径30μm以下でアス
ペクト比2〜50の短繊維状の微細粉末を少なくとも有
する焼結素材を空隙率30〜50%で初期バブルポイン
ト圧が1200mmH2O以上に焼結した焼結体により
構成し、この固気分離フィルタを、移動調節部材の端部
に一体焼結により結合固着したので、固気分離フィルタ
に、短繊維の自由な配向による立体的的で大きいバブル
ポイント圧による微細な空孔を非常に孔径分布の狭い範
囲内に有するので、粒子径が5μm以下の微細な微粒子
を含む微細粉末の被充填粉末が空孔内に侵入しても目詰
まりすることがなく、長期間に亘って使用しても吸引、
吐出が変化せず、長期に亘って常に一定量の粉末を正確
に計量孔内に吸引し、或いは吐出することができる。し
かも、目詰まりしないことによりフィルタに残留した粉
末が変質したり、後からの粉末に混入するような不都合
が生じない。
また、開孔が微細であるにも拘わらず空隙率が大きいた
め、吸引圧と吐出圧のフィルタによる圧力損失を低く抑
制でき、低圧力で円滑且つ高速に粉末の吸引、吐出を行
なえる。
更に、焼結体からなる固気分離フィルタは、機械的強度
が大であって厚みを十分に薄くしても容易に破損するこ
とがなく、被充填粉末をかなりの勢いで計量孔内に吸引
しても十分に耐えることができる。
更にまた、固気分離フィルタを移動調節部材に一体焼結
により結合固着したので、高い圧力での繰り返しの吸引
や吐出を行なっても、高い結合強度により両者間にクラ
ックや剥離等が発生しない。しかも、従来の接着剤を用
いる固着手段では不可能であった固気分離フィルタの高
温状態下での洗浄や高温乾燥滅菌等の再生処理が可能と
なり、耐薬品性および耐熱性に優れる。一方、従来の溶
接による固着手段での溶接時の熱破損の危惧がなくな
り、後処理工程を削減できる利点もある。従って、高温
や腐食環境等のような使用条件の制約や微細孔の閉塞を
排除でき、高品質で且つ広範囲な使用が可能となる。
そして、移動調節部材における固気分離フィルタの取付
用端部に凹部または突部を設ければ、両者の結合強度を
更に高めることができ、焼結時の熱収縮現象によって中
心側に縮もうとする収縮力を支持できるだけでなく、使
用時にはクラックや剥離の発生を更に確実に防止でき
る。従って、製造歩留りの向上や使用時の効率アップを
図ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例である粉末充填機の固気分離装
置の断面図、第2図は第1図の固気分離装置を組込んだ
粉末充填機の実施例を示す一部破断正面図、第3図は第
2図の粉末充填機の縦断面図、第4図と第5図はそれぞ
れ実験例2において行った実験結果を示す図、第6図は
フィルタの通気流量を測定する装置の構成図、第7図は
参考のために示した固気分離装置の断面図、第8図から
第12図は固気分離装置の他の例の断面図、第13図は
本発明の各実施例に用いられる固気分離フィルタにおけ
る短繊維の配向を説明するための模型的斜視図、第14
図は固気分離フィルタに補強用の多孔体を一体化した状
態を説明するための模型的断面図、第15図は本発明に
係る固気分離装置の固気分離フィルタによる被充填粉末
の分離状態を説明するための模型的斜視図、第16図は
比較例として球形粒子を焼結して得た固気分離フィルタ
による被充填粉末の分離状態を説明するための模型的断
面図、第17図はフィルタの取付構造の比較例として参
考のために示した固気分離装置の断面図、第18図およ
ず第19図はそれぞれフィルタの取付構造について他の
例を示す固気分離装置の断面図、第20図は第19図の
比較例として参考の為に示した固気分離装置の断面図、
第21図は第17図の一部拡大図、第22図から第25
図はそれぞれ実験例3に供した各固気分離装置の断面
図、第26図は実験例4に供した固気分離装置の断面
図、第27図と第28図はそれぞれ実験例5の結果を示
す図、第29図は従来からある粉末充填機の構成図、第
30図は従来の固気分離装置の一例を示す断面図であ
る。 3…固気分離装置 4…真空源 5…圧搾空気源 8…計量孔 10…移動調節部材 30…固気分離フィルタ 40…移動調節部材
フロントページの続き (72)発明者 石部 英臣 京都府相楽郡南山城村大字北大河原小字釜 の子29番351 (72)発明者 永井 秩 京都府城陽市寺田深谷64番地の85 (56)参考文献 特開 昭57−169002(JP,A) 特開 昭57−126901(JP,A) 特公 昭42−13077(JP,B1) 特公 昭51−27009(JP,B2) 米国特許第2540059(US,A)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】供給源からの被充填粉末を一旦計量孔内に
    吸引充填した後、前記計量孔から他の容器等に吐出する
    ようにした粉末充填機の固気分離装置であって、前記計
    量孔の底面を構成すると共に計量孔を一定の容積に画定
    する固気分離フィルタが、繊維直径30μm以下でアス
    ペクト比2〜50の短繊維状の微細粉末を少なくとも有
    する焼結素材を空隙率30〜50%で初期バブルポイン
    ト圧が1200mmH2O以上に焼結した焼結体からな
    り、この固気分離フィルタが、移動調節部材の端部に一
    体焼結により結合固着されたことを特徴とする粉末充填
    機の固気分離装置。
  2. 【請求項2】前記移動調節部材の取付用端部に凹部また
    は凸部を設け、前記固気分離フィルタを、これの焼結成
    形時に前記取付用端部に一体に焼結して結合固着してな
    る特許請求の範囲第1項記載の粉末充填機の固気分離装
    置。
  3. 【請求項3】前記固気分離フィルタが短繊維状の微細粉
    末のみを焼結素材とする焼結体である特許請求の範囲第
    1項または第2項記載の粉末充填機の固気分離装置。
  4. 【請求項4】前記固気分離フィルタが短繊維状の微細粉
    末と粒子径が500μm以下のアトマイズ粉との混合粉
    末を焼結素材とする焼結体である特許請求の範囲第1項
    または第2項記載の粉末充填機の固機分離装置。
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