JPH08318116A - フィルタエレメント及びその製造方法 - Google Patents
フィルタエレメント及びその製造方法Info
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- JPH08318116A JPH08318116A JP12402495A JP12402495A JPH08318116A JP H08318116 A JPH08318116 A JP H08318116A JP 12402495 A JP12402495 A JP 12402495A JP 12402495 A JP12402495 A JP 12402495A JP H08318116 A JPH08318116 A JP H08318116A
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- sintered body
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Abstract
(57)【要約】
【目的】特定部位に目詰まりが起こりにくいため寿命の
長いフィルタエレメントを提供する。 【構成】 エアフィルタ1を構成するフィルタエレメン
ト2は、微細な連続気孔を有する中空円筒状の焼結体S
からなる。焼結体Sを構成する樹脂粉末4の粒径は、焼
結体Sの内周面から外周面に行くに従って徐々に小さく
なっている。このフィルタエレメント2は、成形型内へ
の樹脂粉末4の充填により成形体を形成した後、成形体
を成形型ごと回転させつつ焼結させることによって製造
される。
長いフィルタエレメントを提供する。 【構成】 エアフィルタ1を構成するフィルタエレメン
ト2は、微細な連続気孔を有する中空円筒状の焼結体S
からなる。焼結体Sを構成する樹脂粉末4の粒径は、焼
結体Sの内周面から外周面に行くに従って徐々に小さく
なっている。このフィルタエレメント2は、成形型内へ
の樹脂粉末4の充填により成形体を形成した後、成形体
を成形型ごと回転させつつ焼結させることによって製造
される。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、流体中の異物を除去す
るためのフィルタに使用されるフィルタエレメント及び
その製造方法に関するものである。
るためのフィルタに使用されるフィルタエレメント及び
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】産業用ロボットのアクチュエータ等に使
用されるエアシリンダには、圧縮空気が駆動用流体とし
て供給される。エアシリンダの故障等を未然に防ぐため
には、エアシリンダに対して、清浄で湿気を含まない圧
縮空気が供給されることが望ましい。このため、従来に
おいては、エアシリンダと流体供給手段との間にエアフ
ィルタを介在させることによって、圧縮空気中のダスト
や湿気等を除去していることが多い。
用されるエアシリンダには、圧縮空気が駆動用流体とし
て供給される。エアシリンダの故障等を未然に防ぐため
には、エアシリンダに対して、清浄で湿気を含まない圧
縮空気が供給されることが望ましい。このため、従来に
おいては、エアシリンダと流体供給手段との間にエアフ
ィルタを介在させることによって、圧縮空気中のダスト
や湿気等を除去していることが多い。
【0003】図6には、従来のエアフィルタ21が例示
されている。このエアフィルタ21は、中空円筒状のフ
ィルタエレメント22と、フィルタエレメント22の下
側端面を塞ぐキャップ23とによって構成されている。
このフィルタエレメント22は、2層構造になってい
る。外側の層にはポリプロピレン等の焼結樹脂層24が
配置され、内側の層にはコットン層25が配置されてい
る。
されている。このエアフィルタ21は、中空円筒状のフ
ィルタエレメント22と、フィルタエレメント22の下
側端面を塞ぐキャップ23とによって構成されている。
このフィルタエレメント22は、2層構造になってい
る。外側の層にはポリプロピレン等の焼結樹脂層24が
配置され、内側の層にはコットン層25が配置されてい
る。
【0004】このように構成されたエアフィルタ21に
は、上側端面22aにある開口から空気が導入される。
エアフィルタ21の内部空間に到った空気は、コットン
層25及び焼結樹脂層24を順に通過した後、外周面全
体から外部へと抜け出す(図6の矢印A1 参照)。そし
て、その際に空気中のダスト26等が除去され、空気が
清浄化される。なお、図7において概念的に示されるよ
うに、前記コットン層25のメッシュの平均の大きさ
(即ち、繊維の間隙の平均の大きさ)は、前記焼結樹脂
層24の連続気孔の平均径よりも大きくなっている。従
って、空気がコットン層25を通過する際には比較的大
きなダスト26が除去され、空気が焼結樹脂層24を通
過する際にはそれよりも小さなダスト26が除去される
ようになっている。
は、上側端面22aにある開口から空気が導入される。
エアフィルタ21の内部空間に到った空気は、コットン
層25及び焼結樹脂層24を順に通過した後、外周面全
体から外部へと抜け出す(図6の矢印A1 参照)。そし
て、その際に空気中のダスト26等が除去され、空気が
清浄化される。なお、図7において概念的に示されるよ
うに、前記コットン層25のメッシュの平均の大きさ
(即ち、繊維の間隙の平均の大きさ)は、前記焼結樹脂
層24の連続気孔の平均径よりも大きくなっている。従
って、空気がコットン層25を通過する際には比較的大
きなダスト26が除去され、空気が焼結樹脂層24を通
過する際にはそれよりも小さなダスト26が除去される
ようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、2層構造か
らなる従来のフィルタエレメント22の場合、コットン
層25と焼結樹脂層24との界面27において急激に空
気通路が小さくなっていることから、ダスト26が特に
前記界面27付近に集中的に溜まりやすい。このため、
フィルタエレメント22に早期に目詰まりが起こり、短
時間のうちに圧力損失が大きくなる。ゆえに、フィルタ
エレメント22の寿命が短いという欠点がある。
らなる従来のフィルタエレメント22の場合、コットン
層25と焼結樹脂層24との界面27において急激に空
気通路が小さくなっていることから、ダスト26が特に
前記界面27付近に集中的に溜まりやすい。このため、
フィルタエレメント22に早期に目詰まりが起こり、短
時間のうちに圧力損失が大きくなる。ゆえに、フィルタ
エレメント22の寿命が短いという欠点がある。
【0006】本発明は上記の課題を解決するためなされ
たものであり、その目的は、特定部位に目詰まりが起こ
りにくいため寿命の長いフィルタエレメント及びその製
造方法を提供することにある。
たものであり、その目的は、特定部位に目詰まりが起こ
りにくいため寿命の長いフィルタエレメント及びその製
造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1に記載の発明では、微細な連続気孔を有
する焼結体からなるフィルタエレメントにおいて、前記
連続気孔が前記焼結体の特定方向に行くに従って徐々に
小さくなっているフィルタエレメントをその要旨とす
る。
めに、請求項1に記載の発明では、微細な連続気孔を有
する焼結体からなるフィルタエレメントにおいて、前記
連続気孔が前記焼結体の特定方向に行くに従って徐々に
小さくなっているフィルタエレメントをその要旨とす
る。
【0008】請求項2に記載の発明では、請求項1にお
いて、前記焼結体は中空円筒状であり、前記連続気孔が
前記焼結体の内周面から外周面に行くに従って徐々に小
さくなっている。
いて、前記焼結体は中空円筒状であり、前記連続気孔が
前記焼結体の内周面から外周面に行くに従って徐々に小
さくなっている。
【0009】請求項3に記載の発明では、請求項2にお
いて、前記焼結体は樹脂粉末によって構成されるととも
に、前記樹脂粉末の粒径が、前記焼結体の内周面から外
周面に行くに従って徐々に小さくなっている。
いて、前記焼結体は樹脂粉末によって構成されるととも
に、前記樹脂粉末の粒径が、前記焼結体の内周面から外
周面に行くに従って徐々に小さくなっている。
【0010】請求項4に記載の発明では、微細な連続気
孔を有する焼結体からなり、その焼結体を構成する樹脂
粉末の粒径が前記焼結体の特定方向に行くに従って徐々
に小さくなっているフィルタエレメントを製造する方法
において、成形型に遠心力を付加しながら同成形型内に
前記樹脂粉末を徐々に充填することによって得られる成
形体を焼結させるフィルタエレメントの製造方法をその
要旨とする。
孔を有する焼結体からなり、その焼結体を構成する樹脂
粉末の粒径が前記焼結体の特定方向に行くに従って徐々
に小さくなっているフィルタエレメントを製造する方法
において、成形型に遠心力を付加しながら同成形型内に
前記樹脂粉末を徐々に充填することによって得られる成
形体を焼結させるフィルタエレメントの製造方法をその
要旨とする。
【0011】請求項5に記載の発明では、微細な連続気
孔を有する中空円筒状の焼結体からなり、その焼結体を
構成する樹脂粉末の粒径が前記焼結体の内周面から外周
面に行くに従って徐々に小さくなっているフィルタエレ
メントを製造する方法において、成形型をその中心線を
軸として回転させながら同成形型内に前記樹脂粉末を徐
々に充填することによって得られる成形体を焼結させる
フィルタエレメントの製造方法をその要旨とする。
孔を有する中空円筒状の焼結体からなり、その焼結体を
構成する樹脂粉末の粒径が前記焼結体の内周面から外周
面に行くに従って徐々に小さくなっているフィルタエレ
メントを製造する方法において、成形型をその中心線を
軸として回転させながら同成形型内に前記樹脂粉末を徐
々に充填することによって得られる成形体を焼結させる
フィルタエレメントの製造方法をその要旨とする。
【0012】
【作用】請求項1〜3に記載の発明によると、連続気孔
が徐々に小さくなる方向に沿って流体を流通させること
によって、特定部位におけるダストの滞留を回避しつ
つ、確実に流体の清浄化を図ることができる。
が徐々に小さくなる方向に沿って流体を流通させること
によって、特定部位におけるダストの滞留を回避しつ
つ、確実に流体の清浄化を図ることができる。
【0013】請求項2に記載の発明によると、焼結体の
内周面から外周面へと流体を流通させることによって、
特定部位におけるダストの滞留を回避しつつ、確実に流
体の清浄化を図ることができる。
内周面から外周面へと流体を流通させることによって、
特定部位におけるダストの滞留を回避しつつ、確実に流
体の清浄化を図ることができる。
【0014】請求項4,5に記載の発明によると、成形
型内に充填された樹脂に遠心力が付加した場合、粒径の
小さい樹脂粉末と粒径の大きい樹脂粉末とが成形体内に
おいて規則的に偏在した状態となる。このような状態で
成形体を焼結させると、樹脂粉末の粒径が焼結体の特定
方向に行くに従って徐々に小さくなっているフィルタエ
レメントが得られる。
型内に充填された樹脂に遠心力が付加した場合、粒径の
小さい樹脂粉末と粒径の大きい樹脂粉末とが成形体内に
おいて規則的に偏在した状態となる。このような状態で
成形体を焼結させると、樹脂粉末の粒径が焼結体の特定
方向に行くに従って徐々に小さくなっているフィルタエ
レメントが得られる。
【0015】
【実施例】以下、本発明をエアシリンダ用のエアフィル
タにおけるフィルタエレメントに具体化した一実施例を
図1〜図3に基づき詳細に説明する。
タにおけるフィルタエレメントに具体化した一実施例を
図1〜図3に基づき詳細に説明する。
【0016】図1,図2に示されるように、本実施例の
エアフィルタ1は、中空円筒状をした樹脂製の焼結体S
からなるフィルタエレメント2と、そのフィルタエレメ
ント2の下側端面2aにある開口を塞ぐキャップ3とに
よって構成されている。また、このフィルタエレメント
2は、従来のものとは異なり1層構造である。
エアフィルタ1は、中空円筒状をした樹脂製の焼結体S
からなるフィルタエレメント2と、そのフィルタエレメ
ント2の下側端面2aにある開口を塞ぐキャップ3とに
よって構成されている。また、このフィルタエレメント
2は、従来のものとは異なり1層構造である。
【0017】前記焼結体Sは、流体としての空気が通過
しうる程度の微細な連続気孔を有している。換言する
と、焼結体Sを構成する樹脂粉末4の粒界には、空気が
通過しうる程度の微細な間隙が存在している。この焼結
体Sにおける連続気孔は、同焼結体Sの特定方向に行く
に従って徐々に小さくなっている。本実施例の場合、前
記「特定方向」とは焼結体Sの内周面から外周面に向か
う方向である。また、焼結体S中の樹脂粉末4の粒径
も、同様に焼結体Sの内周面から外周面に行くに従って
徐々に小さくなっている。
しうる程度の微細な連続気孔を有している。換言する
と、焼結体Sを構成する樹脂粉末4の粒界には、空気が
通過しうる程度の微細な間隙が存在している。この焼結
体Sにおける連続気孔は、同焼結体Sの特定方向に行く
に従って徐々に小さくなっている。本実施例の場合、前
記「特定方向」とは焼結体Sの内周面から外周面に向か
う方向である。また、焼結体S中の樹脂粉末4の粒径
も、同様に焼結体Sの内周面から外周面に行くに従って
徐々に小さくなっている。
【0018】次に、このフィルタエレメント2を製造す
る方法の1つを紹介する。図3には、フィルタエレメン
ト2の製造時に使用される製造装置の一部を構成する成
形型5が示されている。この成形型5は、固定部5a、
回転部5b及び蓋部5cという3つの部分からなる。こ
の成形型5の固定部5a内には、回転部5bが回転可能
に収容されている。回転部5b内には、フィルタエレメ
ント2の外形に相当する形状の凹部6が設けられてい
る。この凹部6の中央部には、フィルタエレメント2の
貫通孔7を形成するための円柱状の中子8が突設されて
いる。なお、蓋部5cは成形型5の上面に設けられる。
また、この成形型5における固定部5aの下面中央部に
は、回転軸9が連結されている。この回転軸9に対して
一体的に設けられたギア10には、モータ11側のギア
12が係合している。従って、モータ11を回転させる
と、回転部5bがその回転に追従して所定回転数で回転
するようになっている。
る方法の1つを紹介する。図3には、フィルタエレメン
ト2の製造時に使用される製造装置の一部を構成する成
形型5が示されている。この成形型5は、固定部5a、
回転部5b及び蓋部5cという3つの部分からなる。こ
の成形型5の固定部5a内には、回転部5bが回転可能
に収容されている。回転部5b内には、フィルタエレメ
ント2の外形に相当する形状の凹部6が設けられてい
る。この凹部6の中央部には、フィルタエレメント2の
貫通孔7を形成するための円柱状の中子8が突設されて
いる。なお、蓋部5cは成形型5の上面に設けられる。
また、この成形型5における固定部5aの下面中央部に
は、回転軸9が連結されている。この回転軸9に対して
一体的に設けられたギア10には、モータ11側のギア
12が係合している。従って、モータ11を回転させる
と、回転部5bがその回転に追従して所定回転数で回転
するようになっている。
【0019】成形体Mの形成は、次のような手順で行わ
れる。まず、前記モータ11の駆動によって、成形型5
の回転部5bをその中心線13を軸として回転させる。
この状態で、回転部5bの凹部6内に、成形材料として
の樹脂粉末4を徐々に充填する。なお、本実施例では、
平均粒径が100μmの硬質ポリプロピレン樹脂と、同
じ平均粒径のポリエチレン樹脂とを均一に混ぜてなる混
合樹脂粉末が使用されている。この混合樹脂粉末は、約
30μm〜約150μm程度の粒径を有する粒子を含ん
でいる。ここで、上記のような条件で充填を行うと、粒
径の小さい樹脂粉末4ほど中心線13よりも遠い位置に
(即ち、凹部6の内壁面近くまで)移動する。その反
面、粒径の大きい樹脂粉末4ほど中心線13に近い位置
に止まろうとする。凹部6内への粉末樹脂4の充填が完
了した後、成形型5の上面に蓋部5cを被せ、粉末樹脂
4に対して押圧力を加える。すると、成形材料が所定形
状に保持され、結果として円筒状の成形体Mが得られ
る。本実施例において得られる成形体Mの場合、外周面
側には30μm前後の樹脂粉末4が偏在し、内周面側に
は150μm前後の樹脂粉末4が偏在した状態となる。
なお、その中間には数十μmの樹脂粉末4が偏在した状
態となる。そして、このような成形体Mを成形型5の中
にて焼成を行えば、図1,図2に示されるフィルタエレ
メント2を得ることができる。そして、得られたフィル
タエレメント2は、5μm程度のドレン除去が可能なも
のとなる。
れる。まず、前記モータ11の駆動によって、成形型5
の回転部5bをその中心線13を軸として回転させる。
この状態で、回転部5bの凹部6内に、成形材料として
の樹脂粉末4を徐々に充填する。なお、本実施例では、
平均粒径が100μmの硬質ポリプロピレン樹脂と、同
じ平均粒径のポリエチレン樹脂とを均一に混ぜてなる混
合樹脂粉末が使用されている。この混合樹脂粉末は、約
30μm〜約150μm程度の粒径を有する粒子を含ん
でいる。ここで、上記のような条件で充填を行うと、粒
径の小さい樹脂粉末4ほど中心線13よりも遠い位置に
(即ち、凹部6の内壁面近くまで)移動する。その反
面、粒径の大きい樹脂粉末4ほど中心線13に近い位置
に止まろうとする。凹部6内への粉末樹脂4の充填が完
了した後、成形型5の上面に蓋部5cを被せ、粉末樹脂
4に対して押圧力を加える。すると、成形材料が所定形
状に保持され、結果として円筒状の成形体Mが得られ
る。本実施例において得られる成形体Mの場合、外周面
側には30μm前後の樹脂粉末4が偏在し、内周面側に
は150μm前後の樹脂粉末4が偏在した状態となる。
なお、その中間には数十μmの樹脂粉末4が偏在した状
態となる。そして、このような成形体Mを成形型5の中
にて焼成を行えば、図1,図2に示されるフィルタエレ
メント2を得ることができる。そして、得られたフィル
タエレメント2は、5μm程度のドレン除去が可能なも
のとなる。
【0020】さて、以上のように構成されたエアフィル
タ1の使用時には、キャップ3で塞がれていない上側端
面2bにある開口から空気が導入されるようになってい
る。エアフィルタ1の内部空間14に到った空気は、フ
ィルタエレメント2の内周面から外周面へと進み、最終
的には外周面全体から外部へ抜け出す(図1,図2の矢
印A1 参照)。そして、その際に空気中のダスト等が除
去され、空気が清浄化される。ここで、本実施例のフィ
ルタエレメント2の場合、上述のように、連続気孔が焼
結体Sの内周面から外周面に行くに従って徐々に小さく
なっている。つまり、このフィルタエレメント2には、
2層構造からなる従来のフィルタエレメントにおける界
面に相当する部位(即ち、空気通路の大きさが急激に小
さくなる部位)が全く存在しない。従って、焼結体Sの
特定部位にダストが集中的に滞留することがない。それ
ゆえ、フィルタエレメント2における早期の目詰まりが
解消され、圧力損失に到るまでの時間も今までより確実
に長くなる。よって、フィルタエレメント2の寿命が従
来に比較して長くなる。
タ1の使用時には、キャップ3で塞がれていない上側端
面2bにある開口から空気が導入されるようになってい
る。エアフィルタ1の内部空間14に到った空気は、フ
ィルタエレメント2の内周面から外周面へと進み、最終
的には外周面全体から外部へ抜け出す(図1,図2の矢
印A1 参照)。そして、その際に空気中のダスト等が除
去され、空気が清浄化される。ここで、本実施例のフィ
ルタエレメント2の場合、上述のように、連続気孔が焼
結体Sの内周面から外周面に行くに従って徐々に小さく
なっている。つまり、このフィルタエレメント2には、
2層構造からなる従来のフィルタエレメントにおける界
面に相当する部位(即ち、空気通路の大きさが急激に小
さくなる部位)が全く存在しない。従って、焼結体Sの
特定部位にダストが集中的に滞留することがない。それ
ゆえ、フィルタエレメント2における早期の目詰まりが
解消され、圧力損失に到るまでの時間も今までより確実
に長くなる。よって、フィルタエレメント2の寿命が従
来に比較して長くなる。
【0021】また、本実施例のフィルタエレメント2は
1層構造であるため、2層以上の構造であった従来品よ
りも構成が簡単である。しかも、このフィルタエレメン
ト2は1種の材料のみによって構成されていることか
ら、そうでない場合よりも強度的に優れている。さら
に、本実施例のフィルタエレメント2は、樹脂粉末4を
焼結させてなるものであるため、軽量性及びコスト性の
点で優れている。そして、上述した成形型5等を用いた
製造方法であると、このように優れたフィルタエレメン
ト2を容易にかつ確実に製造することができる。
1層構造であるため、2層以上の構造であった従来品よ
りも構成が簡単である。しかも、このフィルタエレメン
ト2は1種の材料のみによって構成されていることか
ら、そうでない場合よりも強度的に優れている。さら
に、本実施例のフィルタエレメント2は、樹脂粉末4を
焼結させてなるものであるため、軽量性及びコスト性の
点で優れている。そして、上述した成形型5等を用いた
製造方法であると、このように優れたフィルタエレメン
ト2を容易にかつ確実に製造することができる。
【0022】なお、本発明は例えば次のように変更する
ことが可能である。 (1)図4に示される別例1のように、本発明を板状の
フィルタエレメント15に、即ち非中空円筒状のものに
具体化することも可能である。このフィルタエレメント
15の場合、連続気孔が焼結体Sの特定方向、即ち上側
面15aから下側面15bに行くに従って徐々に小さく
なっている。従って、上側面15aから下側面15bへ
向かう方向に沿って空気を流通させれば、特定部位にお
けるダストの滞留を回避しつつ、確実に空気の清浄化を
図ることができる。勿論、本発明を板状以外のものに具
体化することも可能である。
ことが可能である。 (1)図4に示される別例1のように、本発明を板状の
フィルタエレメント15に、即ち非中空円筒状のものに
具体化することも可能である。このフィルタエレメント
15の場合、連続気孔が焼結体Sの特定方向、即ち上側
面15aから下側面15bに行くに従って徐々に小さく
なっている。従って、上側面15aから下側面15bへ
向かう方向に沿って空気を流通させれば、特定部位にお
けるダストの滞留を回避しつつ、確実に空気の清浄化を
図ることができる。勿論、本発明を板状以外のものに具
体化することも可能である。
【0023】(2)図5に示される別例2のように、本
発明を有底中空円筒状のフィルタエレメント16に具体
化することも可能である。このフィルタエレメント16
の場合、底部17がキャップ13の役目を果たすことか
ら、実施例の構成よりもさらに簡略な構成にすることが
できる。
発明を有底中空円筒状のフィルタエレメント16に具体
化することも可能である。このフィルタエレメント16
の場合、底部17がキャップ13の役目を果たすことか
ら、実施例の構成よりもさらに簡略な構成にすることが
できる。
【0024】(3)連続気孔(樹脂粉末の粒径)が小さ
くなる方向は、フィルタエレメントの用途に応じて任意
に変更することができる。例えば、円筒状のフィルタエ
レメントにおいて、一方の端面から他方の端面に向かっ
てこれらが小さくなるようにしてもよい。即ち、焼結時
において成形体Mに付加される遠心力の方向は、任意に
変更することができる。
くなる方向は、フィルタエレメントの用途に応じて任意
に変更することができる。例えば、円筒状のフィルタエ
レメントにおいて、一方の端面から他方の端面に向かっ
てこれらが小さくなるようにしてもよい。即ち、焼結時
において成形体Mに付加される遠心力の方向は、任意に
変更することができる。
【0025】(4)焼結体Sは、必ずしも実施例のよう
に樹脂粉末4を焼結させたもののみに限定されることは
なく、例えば金属粉末やセラミックス粉末を焼結させた
もの等でもよい。
に樹脂粉末4を焼結させたもののみに限定されることは
なく、例えば金属粉末やセラミックス粉末を焼結させた
もの等でもよい。
【0026】(5)焼結体Sにおける上側端面2bに、
雄のねじ山等といった取付用構造を形成してもよい。こ
のような構成であると、エアフィルタ1の取り付けを容
易に行うことができる。
雄のねじ山等といった取付用構造を形成してもよい。こ
のような構成であると、エアフィルタ1の取り付けを容
易に行うことができる。
【0027】(6)成形型5によって形成された成形体
Mは、成形型5の凹部6内に保持されたままの状態で焼
成されてもよく、その場合に成形型5の回転によって遠
心力を与えてもよい。
Mは、成形型5の凹部6内に保持されたままの状態で焼
成されてもよく、その場合に成形型5の回転によって遠
心力を与えてもよい。
【0028】なお、本明細書中において使用した技術用
語を次のように定義する。 「焼結体: 樹脂の焼結体をいうばかりでなく、金属や
セラミックスの焼結体もいう。」
語を次のように定義する。 「焼結体: 樹脂の焼結体をいうばかりでなく、金属や
セラミックスの焼結体もいう。」
【0029】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1〜3に記
載の発明によれば、連続気孔が特定方向に行くに従って
徐々に小さくなっているため、特定部位に目詰まりが起
こりにくく、寿命の長いフィルタエレメントを提供する
ことができる。
載の発明によれば、連続気孔が特定方向に行くに従って
徐々に小さくなっているため、特定部位に目詰まりが起
こりにくく、寿命の長いフィルタエレメントを提供する
ことができる。
【0030】また、請求項4,5に記載の発明によれ
ば、上記の優れたフィルタエレメントを容易にかつ確実
に得ることが可能な製造方法を提供することができる。
ば、上記の優れたフィルタエレメントを容易にかつ確実
に得ることが可能な製造方法を提供することができる。
【図1】実施例のフィルタエレメントを示す概略断面
図。
図。
【図2】図1のフィルタエレメントの概略平面図。
【図3】図1のフィルタエレメントの製造方法を示す概
略断面図。
略断面図。
【図4】別例1のフィルタエレメントの概略斜視図。
【図5】別例2のフィルタエレメントの概略断面図。
【図6】従来のフィルタエレメントの概略断面図。
【図7】図6のフィルタエレメントの拡大概略図。
2,15,16…フィルタエレメント、4…樹脂粉末、
5…成形型、13…成形体の中心線、S…焼結体、M…
成形体。
5…成形型、13…成形体の中心線、S…焼結体、M…
成形体。
Claims (5)
- 【請求項1】微細な連続気孔を有する焼結体(S)から
なるフィルタエレメント(2,15,16)において、 前記連続気孔が前記焼結体(S)の特定方向に行くに従
って徐々に小さくなっているフィルタエレメント。 - 【請求項2】前記焼結体(S)は中空円筒状であり、前
記連続気孔が前記焼結体(S)の内周面から外周面に行
くに従って徐々に小さくなっている請求項1に記載のフ
ィルタエレメント。 - 【請求項3】前記焼結体(S)は樹脂粉末(4)によっ
て構成されるとともに、前記樹脂粉末(4)の粒径が、
前記焼結体(S)の内周面から外周面に行くに従って徐
々に小さくなっている請求項2に記載のフィルタエレメ
ント。 - 【請求項4】微細な連続気孔を有する焼結体(S)から
なり、その焼結体(S)を構成する樹脂粉末(4)の粒
径が前記焼結体(S)の特定方向に行くに従って徐々に
小さくなっているフィルタエレメント(2,15,1
6)を製造する方法において、 成形型(5)に遠心力を付加しながら同成形型(5)内
に前記樹脂粉末(4)を徐々に充填することによって得
られる成形体(M)を焼結させるフィルタエレメントの
製造方法。 - 【請求項5】微細な連続気孔を有する中空円筒状の焼結
体(S)からなり、その焼結体(S)を構成する樹脂粉
末(4)の粒径が前記焼結体(S)の内周面から外周面
に行くに従って徐々に小さくなっているフィルタエレメ
ント(2,16)を製造する方法において、 成形型(5)をその中心線(13)を軸として回転させ
ながら同成形型(5)内に前記樹脂粉末(4)を徐々に
充填することによって得られる成形体(M)を焼結させ
るフィルタエレメントの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7124024A JP2763751B2 (ja) | 1995-05-23 | 1995-05-23 | フィルタエレメント及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7124024A JP2763751B2 (ja) | 1995-05-23 | 1995-05-23 | フィルタエレメント及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08318116A true JPH08318116A (ja) | 1996-12-03 |
JP2763751B2 JP2763751B2 (ja) | 1998-06-11 |
Family
ID=14875150
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7124024A Expired - Lifetime JP2763751B2 (ja) | 1995-05-23 | 1995-05-23 | フィルタエレメント及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2763751B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2135693A2 (de) | 2008-06-06 | 2009-12-23 | Ambros Schmelzer & Sohn GmbH & Co. KG | Filterelement und Verfahren zur Herstellung eines Filterelementes |
WO2022226492A1 (en) * | 2021-04-22 | 2022-10-27 | Baker Hughes Oilfield Operations Llc | Sand screen |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS61268314A (ja) * | 1984-12-29 | 1986-11-27 | Ngk Insulators Ltd | フイルタおよびその製造方法 |
JPH04135610A (ja) * | 1990-09-28 | 1992-05-11 | Mitsubishi Heavy Ind Ltd | 複数の粒子層で構成される多孔体の製造方法 |
-
1995
- 1995-05-23 JP JP7124024A patent/JP2763751B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE102008002889B4 (de) * | 2008-06-06 | 2011-12-15 | Ambros Schmelzer & Sohn Gmbh & Co. Kg | Verfahren zur Herstellung eines Filterelementes |
WO2022226492A1 (en) * | 2021-04-22 | 2022-10-27 | Baker Hughes Oilfield Operations Llc | Sand screen |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2763751B2 (ja) | 1998-06-11 |
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