JP2008114566A - スクリュ式押出機 - Google Patents

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Abstract

【課題】形成される柱状坏土の中心軸付近の欠陥の発生を抑制することが可能なスクリュ式押出機を提供する。
【解決手段】粉体を含む被処理物が内部に投入される筒状の胴部1と、胴部1の内部に収容され胴部1の内部に投入された被処理物を圧縮し送出する押出機用スクリュ(スクリュ)2と、スクリュ2を回転駆動させる駆動手段と、胴部1の先端に装着され、胴部1から流出する圧縮された被処理物を柱状に成形する筒状の導出部5を備えたスクリュ式押出機100であって、胴部1と導出部5との間に、スクリュ2の中心軸の延長上の位置(偏芯プレート中心)8からその中心をずらすようにして形成された流通孔7を有する板状の偏芯プレート6を更に備えたスクリュ式押出機100。
【選択図】図1

Description

本発明はスクリュ式押出機に関し、更に詳しくは、セラミックス坏土を柱状に成形したときに、得られた柱状坏土の中心軸付近に欠陥が発生することを防止することが可能なスクリュ式押出機に関する。
自動車の排ガスや廃棄物の焼却時に発生する焼却排ガス等に含有される、塵やその他の粒子状物質を捕集するため、更には上記排ガス中のNOx、CO及びHC等を、担持した触媒により吸着・吸収するために、また、近年、水処理、或いは医薬・食品分野などの広域な分野において、流体(液体、気体)中に混在する懸濁物質、細菌、粉塵等の不純物を除去するために、セラミックス多孔質体を濾材とするセラミックスハニカム構造体が使用されている。このようなセラミックスハニカム構造体は、通常、セラミックス等を含む原料を混合して坏土(粉体を含む被処理物)を作製し、得られた坏土を柱状に成形して柱状坏土を作製し、得られた柱状坏土をハニカム状に押出し成形してセラミックスハニカム成形体を得た後に、このハニカム成形体を焼成することによって製造されている。
このようなセラミックスハニカム構造体の製造プロセスの中で、上記柱状坏土を作製する工程において一般にスクリュ式押出機が用いられている。例えば、図2に示されるような、筒状の胴部31と、胴部31の内部に配置された駆動軸34とその駆動軸34に形成された螺旋状のフライト33及び扇形のフライト36とを有するスクリュ32と、胴部31の先端に装着されて坏土を柱状に成形する筒状の導出部35とを備えたスクリュ式押出機200が提案されている(例えば、特許文献1及び特許文献2を参照)。このようなスクリュ式押出機は、混練機(土練機)と称されることもある。その本質的な機能は、粉体を含む被処理物(坏土)をスクリュ32によって圧縮し、高密度の柱状の圧縮物(柱状坏土)として吐出することにある。ここで、図2は、従来のスクリュ式押出機を模式的に示す断面図である。尚、スクリュ32については、便宜上、斜視図で示してある。
図2に示されるスクリュ式押出機200の場合には、駆動軸34が駆動手段(例えば、電動モータ等。図示せず)から伝達される駆動力によって回転駆動させられると、投入口(図示せず)から胴部31内に投入された粉体を含む被処理物が、スクリュ32のフライト33,36によって圧縮されつつ、前方に送り出され、導出部35により柱状に成形されて吐出口41から高密度の柱状の圧縮物(柱状坏土)が連続的に吐出される。矢印Aは、被処理物が送り出される方向を示す。
このようなスクリュ式押出機は、一般的にはセラミックスを含有する柱状坏土の形成に適したものであるが、原料の種類によっては、柱状坏土の中心軸付近に欠陥が生じることがあった。柱状坏土の中心軸付近に欠陥が生じると、最終的にハニカム構造体を製造したときに、ハニカム構造体の中心軸付近に欠陥が生じるという問題があった。
特開平9−94818号公報 特開平10−100131号公報
スクリュ式押出機による柱状坏土の作製においては、スクリュにより混練された坏土が胴部から流出して導出部内に流入するときに、スクリュの先端部に相当する位置(押出機用スクリュの中心軸の延長上の位置)に、坏土が高密度に存在しない部分(被処理物の密度の低い部分)が形成され、これが柱状坏土の中心軸付近の欠陥となっていた。この、中心軸付近の被処理物の密度の低い部分は、水分が多く存在し、空間が形成される場合もあり、そのままハニカム構造体の欠陥の生成につながっていた。
本発明は、上述の問題に鑑みてなされたものであり、形成される柱状坏土の中心軸付近の欠陥の発生を抑制することが可能なスクリュ式押出機を提供することを特徴とする。
上記課題を達成するため、本発明によって以下のスクリュ式押出機が提供される。
[1] 粉体を含む被処理物が内部に投入される筒状の胴部と、前記胴部の内部に収容され前記胴部の内部に投入された被処理物を圧縮し送出する押出機用スクリュ(スクリュ)と、前記スクリュを回転駆動させる駆動手段と、前記胴部の先端に装着され、前記胴部から流出する前記圧縮された被処理物を柱状に成形する筒状の導出部を備えたスクリュ式押出機であって、前記胴部と前記導出部との間に、前記スクリュの中心軸の延長上の位置(偏芯プレート中心)からその中心をずらすようにして形成された流通孔を有する板状の偏芯プレートを更に備えたスクリュ式押出機。
[2] 前記偏芯プレートの前記流通孔が、前記偏芯プレート中心を含まない位置に形成された[1]に記載のスクリュ式押出機。
[3] 前記導出部の中心軸の延長上に前記流通孔が位置するようにして、前記導出部が装着された[1]又は[2]に記載のスクリュ式押出機。
[4] 前記スクリュの先端部と、前記偏芯プレートとの距離が0〜20mmである[1]〜[3]のいずれかに記載のスクリュ式押出機。
[5] 前記流通孔の形状が円形、楕円形、長円形、トラック形状、扇形、半円形又は多角形である[1]〜[4]のいずれかに記載のスクリュ式押出機。
[6] 前記流通孔が、前記偏芯プレート中心に対して鉛直方向下側に形成された[1]〜[5]のいずれかに記載のスクリュ式押出機。
[7] 筒状の前記導出部が、中心軸に直交する断面の直径が、前記導出部の両端部における中心軸に直交する断面の直径より大きく形成された部分である拡大ドラム部を有する[1]〜[6]のいずれかに記載のスクリュ式押出機。
本発明のスクリュ式押出機によれば、胴部と導出部との間に、スクリュの中心軸の延長上の位置からその中心をずらすようにして形成された流通孔を有する板状の偏芯プレートを備えることにより、坏土が胴部から導出部に移動するときに、スクリュの先端部付近に形成された坏土密度の低い部分が、偏芯プレートにより、坏土の流れ方向に垂直な断面における中心部分から外周側に移動し、柱状坏土の中心軸付近に欠陥が生じないようにすることが可能となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照しながら具体的に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
図1は、本発明のスクリュ式押出機の一実施形態の一部を示す断面図である。図1に示すように、本実施形態のスクリュ式押出機100は、筒状の胴部1と、胴部1の内部に収容される押出機用スクリュ(スクリュ)2と、スクリュを回転駆動させる駆動手段(図示せず)と、胴部1の先端に装着される筒状の導出部5と、胴部と導出部との間に配設され、スクリュの中心軸の延長上の位置(偏芯プレート中心)8からその中心(流通孔7の中心)をずらすようにして形成された流通孔7を有する板状の偏芯プレート6とを備えたものである。スクリュの中心軸とはスクリュの回転中心のことである。また、偏芯プレート中心8は、偏芯プレート6の胴部1側を向いている面と、スクリュ2の中心軸の延長線とが交わる点である。胴部1は、粉体を含む被処理物がその内部に投入されるように形成され、スクリュ2は、胴部1の内部に投入された被処理物を圧縮しながら送出するように形成され、導出部5は、胴部1から流出する圧縮された被処理物を柱状に成形するように形成されている。
図1に示すように、本実施形態のスクリュ式押出機100において、偏芯プレート6は、胴部1の、坏土が流出する側の端部に装着されている。偏芯プレート6には流通孔7が形成され、胴部1内をスクリュ2により送り出されてきた被処理物(坏土)が偏芯プレート6の部分で流通孔7に集められ、流通孔7を通って導出部5内に流入するように形成されている。
流通孔7は、その中心が偏芯プレート中心8からずれるような位置に形成されている。つまり、流通孔7の形成されている位置は、流通孔7の中心が偏芯プレート中心8と重ならない位置である。このように、流通孔7の中心の位置を偏芯プレート中心8の位置からずらすことにより、被処理物を流通孔7を通して導出部5に流入させたときに、偏芯プレート中心8付近に形成された被処理物の密度の低い部分の位置を、被処理物の流れ方向に垂直な断面における中心部分から外周側に移動させることが可能となる。そして、形成される柱状坏土においては、中心軸付近には中空状態等の欠陥が生成せず、欠陥が生成したとしても外周側に形成される。欠陥は、全く形成されないことが最も好ましいが、形成されたとしても、柱状坏土の中心軸に垂直な断面において、中心から半径の70%の位置より外周側(半径の70%の位置を含む)に位置することが好ましく、中心から半径の90%の位置より外周側(半径の90%の位置を含む)に位置することが更に好ましい。
偏芯プレート6において流通孔7が形成される位置は、流通孔7の中心が偏芯プレート中心8からずれるような位置(偏芯プレート中心8と重ならない位置)であるが、図1に示すように、流通孔7全体が偏芯プレート中心8と重ならないように、流通孔7が形成されることが好ましい。つまり、偏芯プレートの流通孔7が、偏芯プレート中心8を含まない位置に形成されていることが好ましい。これにより、偏芯プレート中心8は、偏芯プレート6における流通孔7が形成されていない部分である板状部9上に位置することになる。流通孔7をこのような位置に形成することにより、胴部1内をスクリュ2により送り出されてきた被処理物(坏土)が偏芯プレート6の部分に到達したときに、偏芯プレート中心8付近に形成された被処理物の密度の低い部分が、偏芯プレート6の板状部9に衝突し、流通孔7に向かって胴部1の半径方向に移動することになる。これにより、一度形成された被処理物の密度の低い部分が、改めて他の部分を含めて混練し直されることになり、この被処理物の密度の低い部分が無くなるか、又は、存在しても外周側に移動し、ハニカム構造体の製造に支障の無い状態となる。
偏芯プレート6において流通孔7が形成される位置は、偏芯プレート中心8に対して鉛直方向下側であることが好ましい。このように、流通孔7を偏芯プレート中心8に対して鉛直方向下側に形成することにより、偏芯プレート6まで到達した被処理物の中で、特に鉛直方向下側に位置する被処理物が容易に流通孔7から流出することができ、鉛直方向上側から降りてくる被処理物の密度の低い部分との速度差が大きくなり、被処理物の密度の低い部分の再混練が容易になる。
スクリュ2の先端部(スクリュ先端10)と、偏芯プレート6との距離は0〜20mmであることが好ましく、0〜5mmであることが更に好ましい。このように、スクリュ先端10と偏芯プレート6との距離を短くすることにより、スクリュ先端10を中心にして流通孔7と反対側に位置する被処理物、及びスクリュ先端10付近の被処理物の密度の低い部分が、流通孔7側に移動する速度が遅くなり、被処理物の密度の低い部分の再混練が容易になる。また、スクリュ先端10は、スクリュの中心軸上に位置していることが好ましい。
流通孔7の形状は、円形、楕円形、長円形、トラック形状、扇形、半円形又は多角形であることが好ましい。また、流通孔7の面積は、特に限定されないが、20〜200cmが好ましい。
偏芯プレート6の材質は、特に限定されないが、超硬合金または硬質クロムメッキしたSUS(ステンレススチール)材への冷間溶射処理等が好ましい。また、偏芯プレート6の厚さは、特に限定されないが、50〜200mmが好ましい。また、偏芯プレート6の形状は、特に限定されないが、胴部1の被処理物が流出する側の端部(坏土の出口)と、導出部5の被処理物が流入する側の端部(坏土の入口)とを同時に塞ぐことが可能な形状であることが好ましい。例えば、胴部1の被処理物が流出する側の端部と、導出部5の被処理物が流入する側の端部とを、坏土の進行方向に垂直な面に投影したときに、双方が重なり合って形成される形状(外周形状)等を挙げることができる。
偏芯プレート6は、胴部1の被処理物が流出する側の端部に、O−リング等を介してボルト締め等により外部に被処理物が漏れ出さないように装着されていることが好ましい。そして、偏芯プレート6の、胴部1が配設されていない側の面に、筒状の導出部5の被処理物が流入する側の端部が、O−リング等を介してボルト締め等により外部に被処理物が漏れ出さないように装着されていることが好ましい。そして、導出部5の中心軸の延長上に流通孔7が位置するようにして、導出部5が偏芯プレート6に装着されることが好ましい。導出部5の中心軸の延長上の位置と流通孔7の中心とが近いほど好ましく、導出部5の中心軸の延長上の位置と流通孔7の中心とが一致することが特に好ましい。
図1に示す本実施形態のスクリュ式押出機100において、胴部1及びスクリュ2は、その機能を担保出来る限りにおいて、その形状、構造、材質等は特に限定されるものではなく公知のものを使用することができるが、例えば、図2に示す従来のスクリュ式押出機200における胴部31及びスクリュ32と同様のものを使用することができる。そして、例えば、胴部1の長さとしては、200〜1000mm、胴部1の中心軸に直交する断面の直径(内径)としては100〜400mmのものを好適に用いることができる。
本実施形態のスクリュ式押出機100において、スクリュを回転駆動させる駆動手段としては、電動モータ等を使用することができる。スクリュの回転速度は5〜30rpmであることが好ましい。
本実施形態のスクリュ式押出機100は、胴部1に粉体を含む被処理物を投入するために、胴部1の内部に連通する投入口(図示せず)を備えることが好ましい。投入口は、胴部1の被処理物が流出する側の端部に対して反対側の端部付近に配設され、例えば、鉛直方向上側に開口した筒状の部材であることが好ましい。
本実施形態のスクリュ式押出機100は、投入口と胴部1との間に、被処理物に含まれるエアを脱気させるための真空室(図示せず)を更に備えたものであることが好ましい。真空室は、減圧装置(図示せず)が接続され、内部を減圧状態にできることが好ましい。このような構造とすることにより、真空室において十分に脱気された被処理物が、胴部1に供給されるため、欠陥がより少なく、密度がより高い、成形性の良好な圧縮物を得ることが出来る。尚、減圧装置としては、例えば、真空ポンプ等を好適に用いることが出来る。
図1に示す本実施形態のスクリュ式押出機100において、導出部5は、胴部1の先端(被処理物が流出する側の端部)に装着され、胴部1から流出する圧縮された被処理物を柱状に成形する筒状の部材である。
導出部5の形状は、特に限定されず、例えば、図2に示す従来のスクリュ式押出機200における導出部35と同様の先端に向かってテーパ状に細く形成されているものを使用することができる。そして、更に好ましくは、図1に示すような、筒状の導出部5が、中心軸に直交する断面の直径が、導出部5の両端部における中心軸に直交する断面の直径より、大きく形成された部分である拡大ドラム部12を有するものである。このように、導出部5が、拡大ドラム部12を有することにより、導出部5内に流入した被処理物が拡大ドラム部12内に充満し、そこから、被処理物が、中心軸に直交する断面の直径がより小さい流出側の端部(吐出口11)に絞られながら移動し、柱状坏土として吐出されるため、欠陥がなく、均一で高密度の柱状坏土を形成することができる。
導出部5の拡大ドラム部12の中心軸に直交する断面の直径(最大径)は、両端部の中心軸に直交する断面の直径の中の大きい方の直径の160〜200%であることが好ましく、200〜300%であることが更に好ましい。また、拡大ドラム部12の中心軸方向の長さは、導出部5の全長の10〜70%であることが好ましく、10〜50%であることが更に好ましい。また、導出部5の長さとしては、100〜500mm、導出部5の中心軸に直交する断面の直径としては150〜400mmのものを好適に用いることができる。
図1に示す本実施形態のスクリュ式押出機100の製造方法は、特に限定されず、従来のスクリュ式押出機を製造する方法を用いることができ、また、偏芯プレート6の作製についても、従来の金属の加工方法を用いて作製することができる。
本発明のスクリュ式押出機に投入する被処理物に含有される粉体としては、粉体状のセラミックスであることが好ましく、粉体状の炭化珪素であることが更に好ましい。粉体状の炭化珪素を原料として炭化珪素質セラミックス構造体を製造する場合において、スクリュ式押出機で柱状坏土を形成するときに、特に中心軸付近に空間等の欠陥が発生し易いため、本発明のスクリュ式押出機を特に効果的に用いることができる。被処理物としては、炭化珪素粉末、水、増孔剤、バインダ等を混合したものを好適に用いることができる。それぞれの原料の配合量は、炭化珪素質セラミックス構造体を製造するために適した配合とすることが好ましい。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示すような、筒状の胴部1と、胴部1の内部に収容されるスクリュ2と、スクリュを回転駆動させる電動モータ(図示せず)と、胴部1の先端に装着される筒状で拡大ドラム部12を有する導出部5と、胴部と導出部との間に配設され、スクリュの中心軸の延長上の位置(偏芯プレート中心)8からその中心(流通孔7の中心)をずらすようにして形成された流通孔7を有する板状の偏芯プレート6とを備えた、スクリュ式押出機(実施例1)を作製した。スクリュ2としては、図2に示すスクリュ32と同様に、駆動軸34とその駆動軸34に形成された螺旋状のフライト33及び扇形のフライト36とを有するものを作製した。また、スクリュ式押出機の運転初期において、胴部から導出部に送り出された坏土を導出部内に充満させるために、導出部の排出口に圧着板(図示せず)を装着した。圧着板により、導出部の排出口の部分で坏土をせき止め、坏土が導出部内に一定の圧力(1.5〜2.5Mpa)で充満するようにした。導出部内に坏土が充満した後には圧着板を排出口から外し、柱状坏土の成形を開始するようにした。各部材の材質はSS材(一般構造用圧延鋼)とした。
胴部1の長さを200mm、中心軸に直交する断面の直径(内径)を240mmとし、スクリュ2の直径を200mmとした。偏芯プレート6の厚さを50mmとし、スクリュ先端10から偏芯プレート6までの距離を5mmとした。流通孔7の中心の位置を、偏芯プレート中心8から鉛直方向下方に60mmの位置とし、流通孔7を直径80mmの円形とした。導出部5の両端部の中心軸に直交する断面の直径を310mmとし、拡大ドラム部12の中心軸に直交する断面の直径を270mmとした。また、導出部5の中心軸上に流通孔7の中心が位置するように導出部5を装着した。
(実施例2)
流通孔の形状を、長径150mm、短径50mmの楕円形とした以外は、実施例1と同様にしてスクリュ式押出機(実施例2)を作製した。
(比較例1)
偏芯プレートを用いず、図2に示される導出部35と同様の形状の導出部を胴部1の先端に装着した以外は、実施例1と同様にしてスクリュ式押出機(比較例1)を作製した。導出部35の全長は500mm、テーパ状に先端が細くなっている部分(テーパ部37)の長さは200mm、テーパ部37より先端部分の長さは200mmとした。また、テーパ部37の上流側の、中心軸に直交する断面の直径は、胴部1の直径と同じ200mm、テーパ部37の下流側の、中心軸に直交する断面の直径は180mmとした。
実施例1,2及び比較例1のスクリュ式押出機を用いて、以下の方法により、柱状坏土を作製した。得られた柱状坏土について、その中心軸を含む面で切断し、切断面を観察した。そして、柱状坏土の最外周部(外周部)から中心部を経て反対側の最外周部(外周部)までについて、直線状に等間隔に並ぶ17箇所から測定用資料を採取し、それぞれの資料の密度(g/cc)及び水分(%)を以下の方法で測定した。水分量(%)は質量基準である。上記17箇所のサンプリング位置は、柱状坏土において、中心軸に直交する同一の断面内の位置とした。得られた結果を図3,4のグラフに示す。図3は、実施例及び比較例のスクリュ式押出機を用いて作製した柱状坏土の密度を測定した結果を示すグラフである。図4は、実施例及び比較例のスクリュ式押出機を用いて作製した柱状坏土の水分を測定した結果を示すグラフである。
(柱状坏土の作製)
セラミックス骨材粒子原料として平均粒径48μmのSiC(炭化珪素)粉末を使用し、その他にシリコンを添加して、混練機を用いて混合した。それぞれの原料の含有量は、炭化珪素:シリコンを、4:1とした。得られた混練物を、実施例1,2及び比較例1のスクリュ式押出機に投入し、混練、成形して柱状坏土を得た。
(密度測定)
島津製作所社製、商品名:「LIBROR AEL−200」を用いて、アルキメデス法により測定した。
(水分測定)
島津製作所社製、商品名:「LIBROR AEL−200」を用いて、水分乾燥法により測定した。
図3より、実施例1,2のスクリュ式押出機を用いて作製した柱状坏土は、その密度が、17箇所のサンプリング位置全体を通して大きな変化が無いが、比較例1のスクリュ式押出機を用いて作製した柱状坏土は、その中心部(中心軸部分)の密度が著しく低くなっていることがわかる。また、図4より、実施例1,2のスクリュ式押出機を用いて作製した柱状坏土は、その水分量が、17箇所のサンプリング位置全体を通して大きな変化が無いが、比較例1のスクリュ式押出機を用いて作製した柱状坏土は、その中心部(中心軸部分)の水分量が著しく高くなっていることがわかる。また、中心軸を含む面で切断し、切断面を観察した結果は以下の通りである。偏芯プレートを用いた実施例1,2のスクリュ式押出機を用いて作製した柱状坏土は、その中心軸部分に何ら欠陥は観察されなかった。これに対し、偏芯プレートを用いなかった比較例1のスクリュ式押出機を用いて作製した柱状坏土は、その中心軸部分に、坏土が分断された状態となって生じる界面が観察され、欠陥が生じていることがわかった。
本発明は、自動車の排ガスや廃棄物の焼却時に発生する焼却排ガス等に含有される、塵やその他の粒子状物質を捕集するため、更には上記排ガス中のNOx、CO及びHC等を、担持した触媒により吸着・吸収するため、また、水処理、或いは医薬・食品分野などの広域な分野において、流体(液体、気体)中に混在する懸濁物質、細菌、粉塵等の不純物を除去するために好適に用いられるセラミックスハニカム構造体を製造するために利用することができる。
本発明のスクリュ式押出機の一実施形態の一部を示す断面図である。 従来のスクリュ式押出機を模式的に示す断面図である。 実施例及び比較例のスクリュ式押出機を用いて作製した柱状坏土の密度を測定した結果を示すグラフである。 実施例及び比較例のスクリュ式押出機を用いて作製した柱状坏土の水分を測定した結果を示すグラフである。
符号の説明
1,31:胴部、2,32:スクリュ、3,33,36:フライト、4,34:駆動軸、5,35:導出部、6:偏芯プレート、7:流通孔、8:偏芯プレート中心、9:板状部、10:スクリュ先端、11,41:吐出口、12:拡大ドラム部、37:テーパ部、100,200:スクリュ式押出機、A:送り出される方向。

Claims (7)

  1. 粉体を含む被処理物が内部に投入される筒状の胴部と、前記胴部の内部に収容され前記胴部の内部に投入された被処理物を圧縮し送出する押出機用スクリュ(スクリュ)と、前記スクリュを回転駆動させる駆動手段と、前記胴部の先端に装着され、前記胴部から流出する前記圧縮された被処理物を柱状に成形する筒状の導出部を備えたスクリュ式押出機であって、
    前記胴部と前記導出部との間に、前記スクリュの中心軸の延長上の位置(偏芯プレート中心)からその中心をずらすようにして形成された流通孔を有する板状の偏芯プレートを更に備えたスクリュ式押出機。
  2. 前記偏芯プレートの前記流通孔が、前記偏芯プレート中心を含まない位置に形成された請求項1に記載のスクリュ式押出機。
  3. 前記導出部の中心軸の延長上に前記流通孔が位置するようにして、前記導出部が装着された請求項1又は2に記載のスクリュ式押出機。
  4. 前記スクリュの先端部と、前記偏芯プレートとの距離が0〜20mmである請求項1〜3のいずれかに記載のスクリュ式押出機。
  5. 前記流通孔の形状が円形、楕円形、長円形、トラック形状、扇形、半円形又は多角形である請求項1〜4のいずれかに記載のスクリュ式押出機。
  6. 前記流通孔が、前記偏芯プレート中心に対して鉛直方向下側に形成された請求項1〜5のいずれかに記載のスクリュ式押出機。
  7. 筒状の前記導出部が、中心軸に直交する断面の直径が、前記導出部の両端部における中心軸に直交する断面の直径より大きく形成された部分である拡大ドラム部を有する請求項1〜6のいずれかに記載のスクリュ式押出機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012076240A (ja) * 2010-09-30 2012-04-19 Tokyo Yogyo Co Ltd 押出成形装置
JP2015513452A (ja) * 2012-02-14 2015-05-14 アルベマール・コーポレーシヨン 活性成分とともに押出された担体を含む粉末を製造するためのプロセス
CN109435094A (zh) * 2018-09-30 2019-03-08 淮阴工学院 一种环保密炼机系统

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