JPH06220209A - へちま繊維を原料とする多孔質球状粒子及びその製造方法 - Google Patents

へちま繊維を原料とする多孔質球状粒子及びその製造方法

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JPH06220209A
JPH06220209A JP7852892A JP7852892A JPH06220209A JP H06220209 A JPH06220209 A JP H06220209A JP 7852892 A JP7852892 A JP 7852892A JP 7852892 A JP7852892 A JP 7852892A JP H06220209 A JPH06220209 A JP H06220209A
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JP
Japan
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spherical particles
fiber
hechima
porous spherical
molecular weight
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JP7852892A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Motozato
義明 本里
Shuji Ota
秀志 太田
Yasuhiro Tomizaki
泰浩 富崎
Kazunari Hirakawa
一成 平川
Koichi Shimakawa
幸一 嶋川
Koji Matsuda
浩二 松田
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PYRAMID KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 物理的強度に優れるとともに排除限界分子量
を広範囲に変えることができ、ゲル濾過材等として好適
なへちま繊維を原料とする多孔質球状粒子及びその製造
方法を提供する。 【構成】 へちま繊維を原料とする多孔質球状粒子は、
膨潤度が1.5 から15、排除限界分子量が500 から10,00
0,000、粒径が1 から1000μmである。この多孔質球状
粒子は、強酸又は塩基を触媒とし、有機酸及びその無水
物の一種又は二種以上からなるエステル化剤でへちま繊
維をエステル化する工程と、前記工程で得られたエステ
ル化物を、水性媒質に不溶か又は難溶性の溶媒中に溶解
する工程と、前記工程で得られたエステル化物の溶解液
を水性媒質中に懸濁させて球状の液滴を形成する工程
と、前記工程で得られた液滴に含まれている溶媒を蒸発
させる工程と、前記工程で得られた球状粒子をけん化す
る工程と、を含んでいる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、へちま繊維を原料とす
る多孔質球状粒子及びその製造方法に関する。更に詳し
くは、物理的強度に優れるとともに排除限界分子量を広
範囲に変えることができ、ゲル濾過材等として好適なへ
ちま繊維を原料とする多孔質球状粒子及びその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】分子の大きさにより物質を分別する方法
としてゲル濾過法が知られ、実験室的にも工業的にも応
用されている。このゲル濾過法には、充填剤として、親
水性ゲル粒子が用いられており、例えばデキストラン、
アガロース、セルロース、コンニャクマンナン、ポリビ
ニルアルコール及びポリアクリルアミドなどの球状粒子
が公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題点】ゲル濾過法に使用す
る充填剤として重視される性質として、耐水性及び耐流
速性等の物理的強度のある球状粒子であり、かつ排除限
界分子量(後述)が広範囲にわたるものであることを挙
げることができる。この性質は、カラムに充填した時や
ゲル濾過の際に、充填剤が変形せず均一な充填状態を保
ち、かつ、広い分子量分布を有する溶液から目的物をで
きるだけ純粋に分離する上で不可欠である。そのため、
球状粒子を架橋剤で架橋することによってその物理的強
度を大きくしたり、球状化時に希釈剤を使い、粒子の排
除限界分子量を大きくする試みがなされている。しかし
ながらこれら従来の充填剤は必ずしも物理的強度や排除
限界分子量を満足するものではなく、より優れたものが
期待されている。ところで、へちまの全草、果実、つる
等から取れる樹液や抽出物は、化粧品や乳液の原料にな
る他、食品添加物として利用されている。その他に、果
肉を除いて乾燥させて繊維組織を取り出し、その特性を
利用して浴用品、工芸品、装飾品等に広く利用されてい
る。本発明者等は、このへちまの繊維に着目し、数々の
実験を試みた結果、物理的強度が非常に大きく、かつ排
除限界分子量を広範囲に変えうる球状粒子を製造できる
ことを見いだし本発明を完成するに至ったものである。
【0004】
【課題点を解決するための手段】上記課題点を解決する
ために講じた発明の構成は次の通りである。第1の発明
にあっては、へちま繊維を原料とする多孔質球状粒子で
あって、この多孔質球状粒子は、膨潤度が1.5 から15、
排除限界分子量が500 から10,000,000、粒径が1 から10
00μmである、へちま繊維を原料とする多孔質球状粒子
である。
【0005】第2の発明にあっては、多孔質球状粒子は
架橋されたものである、第1の発明に係るへちま繊維を
原料とする多孔質球状粒子である。
【0006】第3の発明にあっては、へちま繊維を原料
とする多孔質球状粒子の製造方法であって、この製造方
法は、強酸又は塩基を触媒とし、有機酸及びその無水物
の一種又は二種以上からなるエステル化剤でへちま繊維
をエステル化する工程と、前記工程で得られたエステル
化物を、水性媒質に不溶か又は難溶性の溶媒中に溶解す
る工程と、前記工程で得られたエステル化物の溶解液を
水性媒質中に懸濁させて球状の液滴を形成する工程と、
前記工程で得られた液滴に含まれている溶媒を蒸発させ
る工程と、前記工程で得られた球状粒子をけん化する工
程と、を含む、へちま繊維を原料とする多孔質球状粒子
の製造方法である。
【0007】第4の発明にあっては、けん化した球状粒
子を架橋剤と反応させて架橋する、第3の発明に係るへ
ちま繊維を原料とする多孔質球状粒子の製造方法であ
る。
【0008】上記発明について更に詳説する。なお、本
発明では、へちま繊維の文言は、へちまの果肉を除き乾
燥して得られた繊維組織を示すものとして用いる。へち
ま繊維をエステル化するには、へちま繊維をそのまま或
いはチップ状に細粉したものを使用する。これに触媒と
して酸又は塩基を用い、有機酸及びその無水物を加えれ
ばよい。しかし、さらに効率良くエステル化を行うため
には、へちま繊維をそのまま或いはチップ状に細粉した
ものを予めアルカリ性の水溶液で処理し、繊維に含まれ
るリグニン質その他の低重合物を除く方が好ましい。
【0009】アルカリ性の水溶液としては、アルカリ金
属の単独または二種類以上の水溶液が挙げられるが、特
に限定されるものでなく、通常の水酸化ナトリウムや水
酸化カリウム等の水溶液で十分である。アリカリ性の水
溶液の濃度および処理条件としては、へちま繊維からリ
グニン質等のエステル化を受けず、またアルカリ水溶液
に可溶な成分をできるだけ溶出すればよいのであって、
通常、濃度は1 から50重量%、温度は15から130 ℃、好
ましくは30から100 ℃、反応時間は0.5 から20時間、好
ましくは1 から10時間が良い。
【0010】このようにしてアルカリ処理したへちま繊
維は、十分水洗したのち、乾燥してエステル化の原料と
する。へちま繊維のエステル化は次のようにして行う。
即ち、チップ状に細粉したへちま繊維をそのまま、また
はアルカリ水溶液で前処理したものに、酸又は塩基を触
媒として、有機酸とその無水物を加えてエステル化す
る。触媒に用いる酸としては、塩酸、硫酸、硝酸、過塩
素酸、燐酸等の強酸並びにピリジン等の塩基が挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。触媒に用いる
酸は単独だけでなく、複数種混合して用いてもよい。
【0011】エステル化に使用する有機酸とその無水物
としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の任意の有機酸
及びそれらの無水物が挙げられるが、これらの有機酸及
びそれらの無水物は一種だけでなく、複数用いて混合エ
ステルを得てもよい。また、エステル化は、これらのエ
ステル化剤以外にそれらと不活性な溶剤、(例えば、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、ケロシン等)の共存下で
も行える。エステル化の温度は特に指定されるものでは
なく、15から100 ℃の範囲で十分である。このようにし
て得られたへちま繊維のエステル化液を水中に分散し、
十分洗浄することによって、生成したエステルからエス
テル化剤及び副生物等の不純物を水相に除去する。洗浄
後は濾過等によりへちま繊維のエステルを洗浄液から分
離し、必要に応じてさらに洗浄工程を経たのちに、乾燥
し次の球状化工程に使用される。
【0012】へちま繊維のエステル化物から球状化ゲル
を形成するには、まず、そのエステル化物を、水性媒質
に不溶か又は難溶性の溶媒中に溶解させた液を原液とす
る。この原液中のへちま繊維のエステル化物の濃度は、
0.1 から20%、好ましくは2から17%である。次に、こ
の原液を水性媒質中に懸濁させて球状の液滴を形成さ
せ、次いで液滴中の溶媒を蒸発させることによって行わ
れる。沸点が前記水溶液より低い溶媒としては、ジクロ
ルメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロルエタ
ン、三塩化エタン、三塩化エチレン等のハロゲン化炭化
水素が単独で又は二種以上の混合物として用いられる。
また、ハロゲン化炭化水素を主成分とし、これに少量の
他の有機溶媒、例えば、メタノール、エタノール、アセ
トン、ベンゼン、トルエン等を添加してもよい。
【0013】前記の水性媒質としては、一般にゼラチ
ン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロー
ス等の分散剤を含む水溶液が用いられる。分散剤の濃度
は水溶液に対して0.1 から5%が好ましい。これに、へち
ま繊維のエステル化物の溶液を懸濁させ、その懸濁液中
でハロゲン化炭化水素を蒸発除去する。その際の温度は
水性媒質の氷点以上、エステル化物を含むハロゲン化炭
化水素の沸点以下、好ましくは、エステル化物を含むハ
ロゲン化炭化水素の沸点と同じかそれより5℃低い範囲
の温度が好ましい。このようにして形成された球状粒子
の形状は、けん化後も破壊することなく維持される。
【0014】けん化は常法によって行われる。即ち、苛
性アルカリ、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等のメタノール又はエタノール溶液を用いて行われる
が、その場合、球状粒子の形状を壊さずにけん化するよ
うな条件下で行うことが肝要である。苛性アルカリは、
エステル化物のけん化に対する必要量を予め測定し、そ
の1.5 から3 倍で使用され、10から40%の水溶液の形で
用いられる。以上のように、エステル化物の球状粒子を
苛性アルカリ中で、室温下、24時間攪拌することによっ
て行われる。けん化によって得られた球状粒子は十分水
洗した後、必要に応じて篩い分ければ、それだけで物理
的強度の大きいゲル濾過剤として使用することができ
る。この球状粒子を架橋することによって、さらに物理
的強度の大きい球状粒子を作ることができる。架橋剤の
例としては、エピクロルヒドリン、ジエポキシブタン、
トリレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシア
ナート等の2官能性化合物が挙げられる。
【0015】これらの架橋剤は有機性媒体中に溶解させ
て使用される。有機性媒体としては、ケロシン又は流動
パラフィン又はその混合物に界面活性剤(非イオン界面
活性剤、例えばソルビタン酸脂肪エステル)を1 から2
重量%混合したものが用いられる。また、別の架橋剤の
媒体としては、アセトン又はジメチルスルホキシド又は
その混合物が用いられる。架橋剤の濃度は上記架橋剤体
液に対して0.01から5mol/lの範囲である。架橋剤を含む
有機媒体液100 容量部に対し、球状粒子を1 から20重量
部加え、室温から有機媒体液の沸点で10から24時間攪拌
を続けることにより球状粒子は架橋される。架橋終了
後、粒子はアセトン、次いで中性洗剤で洗浄した後、さ
らに水洗することによって、架橋されたへちま繊維の球
状粒子が得られる。また、この球状粒子の排除限界分子
量は、球状化の際の条件を選択することによって広範囲
にわたって(500 から10,000,000)任意にかえる事がで
き、しかも従来法の様に排除限界分子量を制御する為の
希釈剤を必要としない。
【0016】(作用・効果)本発明で得られた球状粒子
は、へちまの繊維を原料にした多孔質球状粒子で、比較
的簡単に製造できる。また、水のみでなく酸性並びにア
ルカリ性水溶液にも不溶であり、従来の親水性ゲルに比
し物理的強度が極めて大きい。さらに他の親水性ゲルに
較べて排除限界分子量の範囲が広い。特に高排除限界分
子量(200 万以上)の球状粒子が他の種類のゲルに較べ
て耐流速性が著しく大きい。本発明で得られた球状粒子
は、単にゲル濾過法に使用する充填剤として利用される
のみでなく、イオン交換体、アフィニティークロマト
剤、固定化酵素の担体として用いることも可能であり、
工業上極めて有用である。
【0017】以下に実施例を示すが、これに示すゲルの
性質は次のようにして測定した。 排除限界分子量;充填剤粒子の微細孔に入り込めない限
界の分子量を言う。充填剤を内径4mm 、長さ15cmのカラ
ムに充填し、分子量が既知の種々の物質(例えばデキス
トラン、プルラン、ポリエチレングリコール)の水溶液
を流し、示差屈折計を用いて溶出量を測定し、溶出試料
の分子量に対して、それぞれの溶出量をプロットし、得
られる綴線の屈曲点における分子量をこの充填剤の排除
限界分子量とした。 膨潤度;充填剤の乾燥重量あたりの水中での湿潤体積と
して表した。5ml のメスシリンダーにゲルを2 から3ml
入れ、室温下、水中に24時間漬けた後、ゲルの容積Vml
を測定し、次いでこのゲルを110 ℃で4 時間乾燥し精秤
(Wg)した。
【数1】 耐流速性;前記、排除限界分子量を測定した時と同じよ
うに、ゲルを充填し、送液ポンプとカラムとの間の圧力
を測定し、流速と圧力損失との関係を調べ、他の充填剤
のデータと比較した。
【0018】
【実施例】
実施例1 乾燥したへちま繊維の100gをチップ上に細粉し、5lの四
ツ口フラスコに入れ、氷酢酸1000g 及び硫酸10g ととも
に攪拌しながら、60 ℃で4 時間加熱した。室温まで冷却
した後、氷酢酸500g、無水酢酸612g及び硫酸29g を追加
し、さらに60℃で4 時間攪拌した。このアセチル化液中
に残存する未反応残査を濾過により濾別し、その濾液を
多量の水に投入してアセチル化物を沈澱させた。この沈
澱物を水洗し、吸引濾過により濾別し、乾燥してアセチ
ル化へちまを得た。その中から80g を採り、ジクロルメ
タンに溶解した。40g のポリビニルアルコールを4lの温
水に溶解し、室温まで冷却した後、この水溶液を攪拌し
ながら前記アセチル化へちまのジクロルメタン溶液を滴
下した。滴下終了後、徐々に昇温し、40℃で24時間加熱
してジクロルメタンを蒸発させた結果、アセチル化へち
まの球状粒子を得た。この球状粒子に対し、デカンテー
ションとメタノール浸漬を3 回繰り返した後、3200mlの
メタノールを加え、ゆるやかに攪拌しながら10N の水酸
化ナトリウム水溶液90mlを徐々に滴下した。24時間後、
濾過によりゲルを濾別し十分水洗した結果、粒径が20か
ら106 μmのへちま繊維を原料とする多孔質球状粒子14
1ml を得た。この球状ゲルの膨潤度は6.9 (ml/g)で、
20から53μmの粒径に篩ったものを内径4mm 長さ150mm
のステンレス製カラムに充填し、排除限界分子量を測定
した結果、200 万以上であり、耐流速性も大きかった
(第1図)。
【0019】実施例2 チップ状に細粉した乾燥へちま繊維の200gを10l のステ
ンレス容器に入れ、16wt%の水酸化ナトリウム水溶液5,
400gとともに90℃で3時間加熱した。へちま繊維を水酸
化ナトリウム水溶液から取り出し、十分水洗し乾燥した
結果、135gのアルカリ処理へちまを得た。このアルカリ
処理へちまを氷酢酸2000g 、硫酸50g 、無水酢酸825gか
らなる酸化液とともに5lの四ッ口フラスコに入れ、60℃
で5 時間加熱攪拌した。アセチル化しなかった未反応の
へちま残査を濾過により取り除き、その濾液を多量の水
に投入してアセチル化物を沈澱させた。この沈澱物を水
洗した後、吸引濾過により回収し、さらに乾燥した結
果、149gのへちまのアセチル化物を得た。このアセチル
化物の10g をジクロルメタン157gに溶解し、1lの四ッ口
フラスコ中、1.2wt %のポリビニルアルコール水溶液45
0ml を450rpmで攪拌しながら滴下した。滴下終了後、徐
々に昇温し、37℃で3 時間加熱したのち、さらに40℃で
24時間加熱してジクロルメタンを蒸発させた結果、へち
まのアセチル化物の球状粒子を得た。以下、実施例1と
同様にしてけん化を行った結果、粒径20から105 μmの
へちま球状粒子25mlを得た。この球状ゲルの膨潤度は5.
7 (ml/g)で、20から53μmの粒径に篩ったものを実施
例1と同様にして排除限界分子量を計算した結果、10.0
00であり、耐流速性も非常に大きかった(第1図)。
【0020】実施例3 実施例2で得られたアセチル化物の20g をジクロルメタ
ン266gに溶解し、2lの四ッ口フラスコ中、1.2wt %のポ
リビニルアルコール水溶液900ml を200rpmで攪拌しなが
ら滴下した。滴下終了後、徐々に昇温し40℃で24時間加
熱したのち、さらに60℃で2 時間加熱してジクロルメタ
ンを蒸発させた結果、へちまのアセチル化物の球状粒子
を得た。以下、実施例1と同様にしてけん化を行った結
果、粒径20から105 μmのへちま球状粒子55mlを得た。
この球状ゲルの膨潤度は6.3 (ml/g)で、53から106 μ
mの粒径に篩ったものを実施例1と同様にして排除限界
分子量を測定した結果、100,000 であり、耐流速性も非
常に大きかった(第1図)。
【0021】実施例4 実施例2で得られたアセチル化物の94g をジクロルメタ
ン850gに溶解し、10lの四ッ口フラスコ中、1.2wt %の
ポリビニルアルコール水溶液4,300ml を200rpmで攪拌し
ながら滴下した。滴下終了後、30分間攪拌し、次いで徐
々に昇温し40℃で24時間加熱した後さらに60℃で2 時間
加熱してジクロルメタンを蒸発させた結果、へちまのア
セチル化物の球状粒子を得た。以下、実施例1と同様に
してけん化を行った結果、粒径20から106 μmのへちま
状粒子185ml を得た。この球状ゲルの膨潤度は9.7 (ml
/g)、粒径53から106μmの粒径に篩ったものを実施例
1と同様にして排除限界分子量を測定した結果、2,000,
000 以上あった。耐流速性も非常に大きかった(第1
図)。
【0022】実施例5 チップ状に細粉した乾燥へちま繊維の100gを5lの四ッ口
フラスコに入れ、48wt%の水酸化ナトリウム水溶液2,50
0gとともに110 ℃で3時間加熱した。へちま繊維を水酸
化ナトリウム溶液から取り出し、十分水洗し、乾燥した
結果、67g のアルカリ処理へちまを得た。このアルカリ
処理へちまを氷酢酸1000g 、硫酸25g 、無水酢酸400gか
らなる酸化液とともに3lの四ッ口フラスコに入れ、60℃
で5 時間加熱攪拌した。アセチル化しなっかた未反応の
へちま残査を濾過により取り除き、その濾液を多量の水
に投入しアセチル化物の沈澱物を得た。これを濾過によ
り回収し、十分洗浄し、次いで乾燥した結果、71g のへ
ちまのアセチル化物を得た。このアセチル化物の54.6g
をジクロルメタン490gに溶解し、10l の四ッ口フラスコ
中、1.0wt %のポリビニルアルコール水溶液2500mlを22
0rpmで攪拌しながら滴下した。滴下終了後、徐々に昇温
し、37℃で3 時間加熱したのち、さらに40℃で24時間加
熱してジクロルメタンを蒸発させた結果、へちまのアセ
チル化物の球状粒子を得た。以下、実施例1と同様にし
てけん化を行った結果、粒径20から105 μmのへちま球
状粒子103ml を得た。この球状ゲルの膨潤度は5.7 (ml
/g)で、53から106μmの粒径に篩ったものを実施例1
と同様にして排除限界分子量を測定した結果、2,000,00
0 以上であり、耐流速性も大きかった(第2図)。
【0023】実施例6 実施例5で得られたへちま球状粒子10mlを0.2N水酸化ナ
トリウム水溶液30ml中で室温下、1 時間ゆるやかに攪拌
した。デカンテーションにより過剰の上澄み液を除き、
アセトン15ml、ジメチルスルホキサイド15ml、及びエピ
クロルヒドリン5ml を加え、60℃で24時間攪拌した。水
洗後、分級した結果、53から106 μmの粒子が9ml 得ら
れた。この粒子の膨潤度は6.7ml/g で、排除限界分子量
は2,000,000 以上あった。また耐流速性も架橋すること
によって向上した(第2図)。
【0024】実施例7 実施例5で得られた球状粒子のけん化物10mlを0.2N水酸
化ナトリウム水溶液30ml中で室温下、1 時間ゆるやかに
攪拌した。デカンテーションにより過剰の上澄み液を除
き、アセトン20ml及びエピクロルヒドリン5ml を加え、
60℃で24時間攪拌した。水洗後、分級した結果、53から
106 μmの粒子が9ml 得られた。この粒子の膨潤度は5.
6ml/g で、排除限界分子量は2,000,000 以上あった。ま
た耐流速性も架橋することによって向上した(第2
図)。
【0025】実施例8 実施例5と同様にして得られたアルカリ処理へちま20g
を室温下氷酢酸に2日間浸漬して膨潤させた後、濾過に
より酢酸を除去した。このへちま繊維にピリジン200g及
び無水酢酸200gを加え60℃で6日間加熱して反応させ
た。 この反応混合物を多量の水中に攪拌しながら加え
た。生じた沈澱物を濾別後さらに十分水洗し乾燥した。
この乾燥したアセチル化へちまを7g取り65g のジクロル
メタンに溶解し、実施例4と同様にして球状化、次いで
けん化した結果、粒径20から106 μmの球状ゲルを得
た。この球状ゲルの膨潤度は9.2ml/g で、これを53から
106 μmの粒径に篩ったものを実施例1と同様にして排
除限界分子量を測定した結果、2,000,000以上あった。
耐流速性も非常に大きかった(第2図)。
【0026】比較例 本発明で得られたへちま球状粒子と従来使用されている
ゲル濾過用充填剤の排除限界分子量と耐流速性を調べ
た。実験は実施例で行った方法と同じように内径4mm 、
長さ150mm のステンレスカラムに充填して行った。用い
たゲルは次のとおりである。 セルロファイン GCL-2000m :チッソ(株)製 排除限界分子量=200,000 (実測値) セファデックス G-100 :ファルマシア(株)製 排除限界分子量=30,000(実測値) セファローズCL-6B :ファルマシア(株)製 排除限界分子量=200,000 (実測値) 耐流速性を測定した結果は(第3図)に示した。この図
から明らかなように、本発明で得られたゲルは従来のゲ
ルに比較してはるかに高い耐流速性を有していることが
わかる。
【0027】
【発明の効果】以上の説明及び各実施例の記載からも明
らかなように、本発明で得られた球状粒子はへちまの繊
維を原料にした多孔質球状粒子で、比較的簡単に製造で
きる。また、水のみでなく酸性並びにアルカリ性水溶液
にも不溶であり、従来の親水性ゲルに比し物理的強度が
極めて大きい。さらに他の親水性ゲルに較べて排除限界
分子量の範囲が広い。特に高排除限界分子量(200 万以
上)の球状粒子が他の種類のゲルに較べて耐流速性が著
しく大きい。更にまた、球状粒子は単にゲル濾過法に使
用する充填剤として利用されるのみでなく、イオン交換
体、アフィニティークロマト剤、固定化酵素の担体とし
て用いることも可能であり、工業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1から4で得られた球状粒子の圧力損失
と流速との関係を示すグラフである。
【図2】実施例5から8で得られた球状粒子の圧力損失
と流速との関係を示すグラフである。
【図3】比較例に用いた球状粒子の圧力損失と流速との
関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 富崎 泰浩 福岡県久留米市荒木町荒木1178番地 株式 会社ピラミッド内 (72)発明者 平川 一成 福岡県久留米市荒木町荒木1178番地 株式 会社ピラミッド内 (72)発明者 嶋川 幸一 福岡県久留米市荒木町荒木1178番地 株式 会社ピラミッド内 (72)発明者 松田 浩二 福岡県久留米市荒木町荒木1178番地 株式 会社ピラミッド内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 へちま繊維を原料とする多孔質球状粒子
    であって、 この多孔質球状粒子は、 膨潤度が1.5 から15、排除限界分子量が500 から10,00
    0,000、粒径が1 から1000μmである、 へちま繊維を原料とする多孔質球状粒子。
  2. 【請求項2】 多孔質球状粒子は架橋されたものであ
    る、請求項1記載のへちま繊維を原料とする多孔質球状
    粒子。
  3. 【請求項3】 へちま繊維を原料とする多孔質球状粒子
    の製造方法であって、 この製造方法は、 強酸又は塩基を触媒とし、有機酸及びその無水物の一種
    又は二種以上からなるエステル化剤でへちま繊維をエス
    テル化する工程と、 前記工程で得られたエステル化物を、水性媒質に不溶か
    又は難溶性の溶媒中に溶解する工程と、 前記工程で得られたエステル化物の溶解液を水性媒質中
    に懸濁させて球状の液滴を形成する工程と、 前記工程で得られた液滴に含まれている溶媒を蒸発させ
    る工程と、 前記工程で得られた球状粒子をけん化する工程と、 を含む、 へちま繊維を原料とする多孔質球状粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 けん化した球状粒子を架橋剤と反応させ
    て架橋する、請求項3記載のへちま繊維を原料とする多
    孔質球状粒子の製造方法。
JP7852892A 1992-02-27 1992-02-27 へちま繊維を原料とする多孔質球状粒子及びその製造方法 Pending JPH06220209A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002097281A (ja) * 2000-09-20 2002-04-02 Stanley Electric Co Ltd 有機材料微粒子の製造方法およびこれを用いたツイストボールディスプレイ
CN105195100A (zh) * 2015-09-21 2015-12-30 济南大学 一种β-环糊精改性丝瓜络吸附剂的制备方法

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