JPH06220089A - ペプチド又はその塩並びにそれらを含有する自己免疫性甲状腺疾患の診断薬又は治療薬 - Google Patents

ペプチド又はその塩並びにそれらを含有する自己免疫性甲状腺疾患の診断薬又は治療薬

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JPH06220089A
JPH06220089A JP5047573A JP4757393A JPH06220089A JP H06220089 A JPH06220089 A JP H06220089A JP 5047573 A JP5047573 A JP 5047573A JP 4757393 A JP4757393 A JP 4757393A JP H06220089 A JPH06220089 A JP H06220089A
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ile
ser
peptide
leu
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Toru Mori
徹 森
Hideo Sugawa
秀夫 須川
Shuitsu Yamada
修逸 山田
Yasuyuki Ueda
泰行 上田
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Ishihara Sangyo Kaisha Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、自己免疫性甲状腺疾患の診断薬又
は治療薬の有効成分として有用なペプチドを提供するに
あり、特に本発明によれば従来の方法に比し自己免疫性
甲状腺疾患の診断の測定操作が簡便である。 【構成】 前記ペプチドは、Cys His Gln
Glu Glu Asp Phe Arg Val Thr Cys Lys A
sp Ile Gln Arg Ile Pro Ser Leu (配列番号
1)、Gln Leu Glu Ser His Ser Phe Tyr A
sn Leu Ser Lys Val Thr His Ile Glu I
le Arg Asn Thr Arg Asn Leu Thr Tyr I
le Asp Pro (配列番号2)又はLys Asn Gln Lys
Lys Ile Arg Gly Ile Leu G
lu Ser Leu Met Cys Asn Gl
u Ser (配列番号3)のアミノ酸配列で表わされ
るペプチド又はその塩である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規なペプチド又はその
塩に関し、また、それらを有効成分として含有する自己
免疫性甲状腺疾患の診断薬又は治療薬に関する。
【0002】
【従来の技術】自己免疫性甲状腺疾患の原因物質の一つ
として考えられる甲状腺刺激ホルモン(以下TSHと略
す)の受容体自己抗体には、甲状腺刺激抗体(以下TS
Abと略す)とTSH結合阻害抗体(以下TBIIと略
す)がある。その量的変化は病態を知る上で重要なマー
カーと考えられる。従来、前記抗体の測定にはアデニレ
ートシクラーゼの活性化によるサイクリックAMP(c
AMP)の産生を指標にしたスティミュレーション・ア
ッセイ法と125I−TSHを用いたラジオイムノアッ
セイによるバインディング・アッセイ法が知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする問題点】スティミュレーショ
ン・アッセイ法では、小杉(Kosugi.S)らの方
法〔Endocrinology Vol 125.N
o.1 410頁(1989)〕が知られている。この
方法ではラット甲状腺細胞株FRTL5を用い、TSA
bとTSH受容体との結合によりアデニレートシクラー
ゼが活性化されることによって産生されるcAMPの量
を測定し、それを指標として、TSAbの活性を測定す
る。一方、バインディング・アッセイ法ではスミス(S
mith.B.R)らの方法〔Clinical En
docrinology Vol.17.409頁(1
982)〕が知られており、その方法では125I−T
SHを用い、ブタ甲状腺から可溶化したTSH受容体と
125I−TSHとの結合に対するTSH受容体自己抗
体による阻害の程度を測定する。ところがTSH受容体
自己抗体には種々のものが存在し、また血清中にはTS
Hが存在することも考慮に入れる必要がある。前者の方
法ではTSAbの活性のみが測定され、後者の方法では
TBIIの活性のみが測定される。従ってTSH受容体
といずれか一方又は両方の前記自己抗体とが結合したか
不明である。また、従来の方法は測定に煩雑な操作を必
要とするので、より簡易な方法の出現が望まれている。
【0004】本発明者らは特定のペプチドがTSAbを
特異的に認識すること及びTSAbとTSH受容体との
結合を阻害する作用を有することを見い出し、前記ペプ
チドが自己免疫性甲状腺疾患の診断薬又は治療薬の有効
成分として有用であるとの知見を得、木発明を完成する
に至った。本発明はヒトのTSH受容体の一部構造に一
致した配列を有する合成ペプチドに関する。
【0005】
【発明の構成】
本発明は、アミノ酸配列 Cys His Gln Glu Glu Asp P
he Arg Val Thr Cys Lys Asp Ile Gln A
rg Ile Pro Ser Leu (配列番号1)、Gln Leu G
lu Ser His Ser Phe Tyr Asn Leu Ser L
ys Val Thr His Ile Glu Ile Arg Asn T
hr Arg Asn Leu Thr Tyr Ile Asp Pro
(配列番号2)及びLys Asn Gln Lys Lys Ile Arg G
ly Ile Leu Glu Ser Leu Met Cys Asn G
lu Ser (配列番号3)で表わされるペプチドか
らなる群より選ばれた少なくとも一種のペプチド又はそ
の塩を提供し、また、このものを有効成分として含有す
る自己免疫性甲状腺疾患の診断薬又は治療薬を提供する
ものである。
【0006】ここでいうペプチドの塩としては、薬理学
的に許容されるものであればいずれのものでもよいが、
例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、
マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属塩、
モノメチルアミン、トリエチルアミンなどのアミン塩、
トリメチルエチルアンモニウム、テトラメチルアンモニ
ウムなどの第4級アンモニウム塩などの塩が挙げられ
る。
【0007】なお、本明細書全般に亙り記載の略記号は
次の意味を有する。 Lys ; L−リジン Glu ; L−グルタミン酸 Pro ; L−プロリン Phe ; L−フェニルアラニン Gln ; L−グルタミン Asp ; L−アスパラギン酸 Thr ; L−スレオニン Asn ; L−アスパラギン Val ; L−バリン Ile ; L−イソロイシン Leu ; L−ロイシン Gly ; グリシン Cys ; L−システイン His ; L−ヒスチジン Arg ; L−アルギニン Ser ; L−セリン Tyr ; L−チロシン Met ; L−メチオニン PAM ; 4−オキシメチルフェニルアセタミ
ドメチル Boc ; t−ブトキシカルボニル Fmoc ; 9−フルオレニルメチルオキシカル
ボニル TFA ; トリフルオロ酢酸 TFMSA ; トリフルオロメタンスルホン酸
【0008】本発明のペプチドは、従来の液相法、固相
法などの方法で得ることができるが、より簡便には、固
相法による市販のペプチド合成機を用いて得ることがで
きる。固相法においては、ポリマー性の支持体に前記ペ
プチドのC末端側から、そのアミノ酸残基に対応したア
ミノ酸を縮合させペプチド結合を形成させる。縮合方法
としては、例えばDCC法、酸無水物法、活性化エステ
ル法などの方法を使用することができる。α−アミノ基
の保護基としてはBoc基又はFmoc基が使用でき
る。例えば、ペプチド自動合成装置を用いて合成する時
にはその装置のマニュアル指示に従い適宜アミノ酸の性
質を考慮して選択するのが好ましい。
【0009】固相法において使用される保護アミノ酸の
保護基としては、ペプチド合成において一般的に使用さ
れるものが用いられる。例えば、α−アミノ基にBoc
基を用いるとき、Asp、Gluのカルボキシル基には
エステル基により保護されるベンジル基又はシクロヘキ
シル基が、Thr、Serのヒドロキシル基にはベンジ
ル基が、Lysの側鎖アミノ基にはp−クロロベンジル
オキシカルボニル基が、Tyrのヒドロキシル基には2
−ブロモベンジルオキシカルボニル基が、Hisのイミ
ダゾリル基にはトルエンスルホニル基、ベンジルオキシ
メチル基又は2,4−ジニトロフェニル基が、Argの
グアニジノ基にはP−メトキシベンゼンスルホニル基又
はメシチレン−2−スルホニル基が、Cysのメルカプ
ト基にはP−メトキシベンジル基又はアセトアミドメチ
ル基が、Metのチオメチル基にはスルホキシド基が、
それぞれ用いられる。またα−アミノ基にFmoc基を
用いるとき、Asp、Gluのカルボキシル基、Ty
r、Thr、Serのヒドロキシル基には第三級ブチル
エステルが、Lysの側鎖アミノ基にはt−ブトキシカ
ルボニル基が、Hisのイミダゾリル基にはトリチル基
が、Argのグアニジノ基には4−メトキシ−2,3,
6−トリメチルベンゼンスルホニル基又はP−トルエン
スルホニル基が、Cysのメルカプト基にはアセトアミ
ドメチル基又はt−ブチル基が、それぞれ用いられる。
【0010】液相法にて合成する時には固相法と同様、
通常のペプチド合成法に従って行うことができる。公知
の方法として例えば泉屋信夫他著〔「ペプチド合成の基
礎と実験」、丸善(株)、1975年〕などに記載され
ている方法などが挙げられる。
【0011】次に保護基および支持体からの脱離は、α
−アミノ基の保護基としてBoc基を用いる時にはスカ
ベンジャーを含むフッ化水素、TFMSAなどを用いて
行われる。スカベンジャーとしてはチオアニソール、エ
タンジチオール、ジメチルスルフィドなどが用いられ
る。またα−アミノ基の保護基としてFmoc基を用い
る時にはフェノールとTFAとを含む混合物などを用い
ることができる。
【0012】ペプチドの精製には一般的に使用されるイ
オン交換樹脂、分配クロマトグラフィー、ゲルクロマト
グラフィー、逆相型液体クロマトグラフィー等を単独に
あるいは組み合わせて用いることによって行うことがで
きる。精製されたペプチドのアミノ酸組成は、アミノ酸
分析装置により容易に測定することができる。
【0013】本発明のペプチドはTSAbの量的変化を
簡便に把握する手段として有用であるので、自己免疫性
甲状腺疾患の診断薬の有効成分として使用でき、またT
SAbとTSH受容体との結合を阻害する作用も有する
ので、甲状腺疾患の治療薬の有効成分としても使用でき
る。
【0014】本発明では治療的に有効な量の前記ペプチ
ドを処理の必要な個体に投与するの有効成分ことによっ
て自己免疫性甲状腺疾患を治療することができる。診断
薬又は治療薬の有効成分として適用する場合、本発明の
ペプチドを診断学的あるいは製薬学的に許容できる担体
と共に、それに有効な量を含有させて診断組成物又は治
療組成物として製剤することができる。本発明ペプチド
を診断薬の有効成分として使用する場合、前記ペプチド
が患者血清中のTSAbと特異的に結合することを利用
し、酵素又は放射性同位元素等で標識された本ペプチド
を用いてTSAbを定量することができる。また前記ペ
プチドを適当な担体と結合させ、マウス、ラット、ウサ
ギなどの動物に免疫させることによって得られる抗体を
利用して定量することも可能である。
【0015】本発明のペプチドを治療薬の有効成分とし
て用いる場合、例えば経口投与用剤型としては錠剤、カ
プセル剤、顆粒剤又は粉剤などが挙げられ、あるいは非
経口投与用剤型としては注射剤などが挙げられる。薬剤
の投与量は、患者の症状の程度、年令及び体重、投与方
法などに依存し、専門医の適量決定試験によって決定さ
れなければならない。
【0016】
【実施例】
実施例1 ペプチドNo.1 (配列表の配列番号1で示されるペプチド)Boc−L
eu−PAM樹脂(後記ペプチド自動合成装置に設置)
730mg(Leu含量0.73mmol/g)を原料
として、ペプチド自動合成装置(アプライド、バイオシ
ステム社製430A型)を用いた固相合成法によって、
目的のペプチドNo.1を合成した。常法に従い、前記
アミノ酸配列に従ってC末端Leuから順次19個のL
体アミノ酸をそれぞれ2ミリモルずつ反応させることに
よって2gの保護ペプチド樹脂を得た。この反応に用い
たアミノ酸の側鎖官能基の保護については、Lysの側
鎖アミノ基はp−クロロベンジルオキシカルボニル基
で、Asp、Gluのカルボキシル基はベンジル基で、
Ser、Thrのヒドロキシル基はベンジル基で、Hi
sのイミダゾリル基はベンジルオキシメチル基で、Ar
gのグアニジノ基はP−メトキシベンゼンスルホニル基
で、Cysのメルカプト基はP−メトキシベンジル基
で、それぞれ保護した。この保護ペプチド樹脂を乾燥
後、保護ペプチド樹脂の1.5gを0.75mlのエタ
ンジチオールと1.5mlのチオアニソールの混合液で
氷冷下10分間攪拌し、その後15mlのTFAを加え
て10分間攪拌した。この混合液の中に1.5mlのT
FMSAを加え、10分間攪拌後、さらに室温にて50
分間攪拌した。その後、50mlの無水エーテルを加え
て粗ペプチドを沈殿させ、グラスフィルターにて粗ペプ
チドと脱離した樹脂とを濾過した。グラスフィルター上
の粗ペプチドに5mlのTFAを加え、溶解してTFA
溶液を得た。このものを分離後無水エーテルで数回洗浄
した後減圧下で乾燥した。その後、15%酢酸水に溶解
し、凍結乾燥した。このようにして得られた粗ペプチド
のうち500mgを高速液体クロマトグラフィー(HP
LC)にて次のような条件で精製した。カラムは逆相系
ODS(製品名;ULTRON SC18)で0.1%
TFAを含むアセトニトリルグラジェント〔60分間で
アセトニトリル(0.1%TFAを含む)100%、流
量10ml/分〕により分離、精製した。必要な溶出画
分を濃縮後、凍結乾燥することによって目的とする77
mgのペプチドNo.1を得た。このようにして合成さ
れたペプチドNo.1のアミノ酸分析を行った。アミノ
酸分析については、6規定塩酸で110℃20時間加水
分解した後、アミノ酸分析装置L8500(日立製作所
製)にて測定した。
【0017】アミノ酸分析結果 上記のアミノ酸分析結果により本発明の目的物であるペ
プチドNo.1が得られていることを確認した。
【0018】実施例2 ペプチドNo.2 (配列表の配列番号2で示されるペプチド)Boc−P
ro−PAM樹脂(後記ペプチド自動合成装置に設置)
658mg(Pro含量0.76mmol/g)を原料
として、ペプチド自動合成装置(アプライド、バイオシ
ステム社製430A型)を用いた固相合成法によって、
目的のペプチドNo.2を合成した。常法に従い、前記
アミノ酸配列に従ってC末端Proから順次28個のL
体アミノ酸をそれぞれ2ミリモルずつ反応させることに
よって3gの保護ペプチド樹脂を得た。この反応に用い
たアミノ酸の側鎖官能基の保護については、Lysの側
鎖アミノ基はp−クロロベンジルオキシカルボニル基
で、Asp、Gluのカルボキシル基はベンジル基で、
Ser、Thrのヒドロキシル基はベンジル基で、Ty
rのヒドロキシル基は2−ブロモベンジルオキシカルボ
ニル基で、Hisのイミダゾリル基はベンジルオキシメ
チル基で、Argのグアニジノ基はP−メトキシベンゼ
ンスルホニル基で、それぞれ保護した。この保護ペプチ
ド樹脂を乾燥後、保護ペプチド樹脂の1.5gを0.7
5mlのエタンジチオールと1.5mlのチオアニソー
ルの混合液で氷冷下10分間攪拌し、その後15mlの
TFAを加えて10分間攪拌した。この混合液の中に
1.5mlのTFMSAを加え、10分間攪拌後、さら
に室温にて50分間攪拌した。その後、50mlの無水
エーテルを加えて粗ペプチドを沈殿させ、グラスフィル
ターにて粗ペプチドと脱離した樹脂とを濾過した。グラ
スフィルター上の粗ペプチドに5mlのTFAを加え、
溶解してTFA溶液を得た。このものを分離後無水エー
テルで数回洗浄した後減圧下で乾燥した。その後、15
%酢酸水に溶解し、凍結乾燥した。このようにして得ら
れた粗ペプチドのうち500mgを高速液体クロマトグ
ラフィー(HPLC)にて次のような条件で精製した。
カラムは逆相系ODS(製品名;ULTRON SC
18)で0.1%TFAを含むアセトニトリルグラジェ
ント〔60分間でアセトニトリル(0.1%TFAを含
む)100%、流量10ml/分〕により分離、精製し
た。必要な溶出画分を濃縮後、凍結乾燥することによっ
て目的とする75mgのペプチドNo.2を得た。この
ようにして合成されたペプチドNo.2のアミノ酸分析
を行った。アミノ酸分析については、6規定塩酸で11
0℃20時間加水分解した後、アミノ酸分析装置L85
00(日立製作所製)にて測定した。
【0019】アミノ酸分析結果 上記のアミノ酸分析結果により本発明の目的物であるペ
プチドNo.2が得られていることを確認した。
【0020】実施例3 ペプチドNo.3 (配列表の配列番号3で示されるペプチド)Boc−S
er−PAM樹脂(後記ペプチド自動合成装置に設置)
736mg(Ser含量0.68mmol/g)を原料
として、ペプチド自動合成装置(アプライド、バイオシ
ステム社製430A型)を用いた固相合成法によって、
目的のペプチドNo.3を合成した。常法に従い、前記
アミノ酸配列に従ってC末端Serから順次17個のL
体アミノ酸をそれぞれ2ミリモルずつ反応させることに
よって3gの保護ペプチド樹脂を得た。この反応に用い
たアミノ酸の側鎖官能基の保護については、Lysの側
鎖アミノ基はp−クロロベンジルオキシカルボニル基
で、Gluのカルボキシル基はベンジル基で、Serの
ヒドロキシル基はベンジル基で、Argのグアニジノ基
はP−メトキシベンゼンスルホニル基で、Metのチオ
ニル基はスルホキシド基で、Cysのメルカプト基はP
−メトキシベンジル基でそれぞれ保護した。この保護ペ
プチド樹脂を乾燥後、保護ペプチド樹脂の1.5gを
4.5mlのジメチルスルフィドと1.5mlのm−ク
レゾール、7.5mlのTFA及び1.5mlのTFM
SAで氷冷下3時間攪拌し、その後、グラスフィルター
にて保護ペプチド樹脂を濾別し、再び0.75mlのエ
タンジチオールと1.5mlのチオアニソールの混合液
で氷冷下10分間攪拌し、その後15mlのTFAを加
えて10分間攪拌した。この混合液の中に1.5mlの
TFMSAを加え、10分間攪拌後、さらに室温にて5
0分間攪拌した。その後、50mlの無水エーテルを加
えて粗ペプチドを沈殿させ、グラスフィルターにて粗ペ
プチドと脱離した樹脂とを濾過した。グラスフィルター
上の粗ペプチドに5mlのTFAを加え、溶解してTF
A溶液を得た。このものを分離後無水エーテルで数回洗
浄した後減圧下で乾燥した。その後、15%酢酸水に溶
解し、凍結乾燥した。このようにして得られた粗ペプチ
ドのうち650mgを高速液体クロマトグラフィー(H
PLC)にて次のような条件で精製した。カラムは逆相
系ODS(製品名;ULTRON SC18)で0.1
%TFAを含むアセトニトリルグラジェント〔60分間
でアセトニトリル(0.1%TFAを含む)100%、
流量10ml/分〕により分離、精製した。必要な溶出
画分を濃縮後、凍結乾燥することによって目的とする2
30mgのペプチドNo.3を得た。このようにして合
成されたペプチドNo.3のアミノ酸分析を行った。ア
ミノ酸分析については、6規定塩酸で110℃20時間
加水分解した後、アミノ酸分析装置L8500(日立製
作所製)にて測定した。
【0021】アミノ酸分析結果 上記のアミノ酸分析結果により本発明の目的物であるペ
プチドNo.3が得られていることを確認した。
【0022】ラット甲状腺細胞FRTL5を用い、TS
Abの刺激によるcAMPの産生における当該ペプチド
の影響を小杉(Kosugi.S)らの方法〔Endo
crinology Vol.125 No.1 41
0頁(1989)〕に準じて調べる。以下その概略を示
す。 試験例1 細胞は前培養したFRTL5細胞1.5×10Cel
ls/mlを96穴のマルチプレートに100μlずつ
分注し、COインキュベーター中で培地(TSHを除
いたもの)交換をしながら6日間培養し、培地を除去し
て洗浄プレート上に細胞を調整して試験に供試する。T
SAb陽性血清IgG溶液40μl又はウシ−TSH
(以下b−TSHと略す)200μUを含む溶液40μ
lと所望のペプチド5μgを含む溶液10μlをテスト
チューブ中で4℃で20時間反応させる。この反応液
に、3−イソブチル−1−メチルキサンチン0.5mM
溶液5μlを加え、先に調整したFRTL5細胞に反応
液50μlを添加し、37℃、2時間インキュベーショ
ンする。一方、コントロールとして正常者血清を用い同
様にして試験を行う。それぞれのサンプルについてTS
Abの刺激により産生されたcAMPについて市販のc
AMPラジオイムノアッセイキット(1−VQ12:栄
研化学(株)製造)を使用して定量測定し、後述の計算
方法に従ってTSAb(%)を求めた。その結果を表
1、表2及び表3に示す。 TSAb(%)= a/b×100 a;患者血清IgGに対するcAMPの産生量 b;正常者血清IgGに対するcAMPの産生量 また、b−TSHの刺激により産生されたcAMPにつ
いて、同様に定量測定し、各ペプチドがb−TSHに作
用するか否かを調べた。その結果を表4に示す。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】表1、表2及び表3は5サンプルの患者血
清IgGについて各ペプチドの作用を調べたものであ
る。この結果から明らかなように、ペプチドNo.1、
No.2及びNo.3は、それぞれの患者血清IgGに
対して抑制を示した。一方、表4の結果から明らかなよ
うに、b−TSHに対する影響は各ペプチド共、刺激活
性に対してほとんど作用しなかった。なお表1、表2及
び表3中の変化率は各患者血清使用時のTSAb値につ
いて無処理区に対する処理区の百分率を表したものであ
る。
【0028】
【配列表】
【0029】
【0030】
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07K 99:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アミノ酸配列 Cys His Gln Glu Glu Asp P
    he Arg Val Thr Cys Lys Asp Ile Gln A
    rg Ile Pro Ser Leu (配列番号1)、Gln Leu G
    lu Ser His Ser Phe Tyr Asn Leu Ser L
    ys Val Thr His Ile Glu Ile Arg Asn T
    hr Arg Asn Leu Thr Tyr Ile Asp Pro
    (配列番号2)及びLys Asn Gln Lys Lys Ile Arg G
    ly Ile Leu Glu Ser Leu Met Cys Asn G
    lu Ser (配列番号3)で表わされるペプチドか
    らなる群より選ばれた少なくとも一種のペプチド又はそ
    の塩。
  2. 【請求項2】アミノ酸配列 Cys His Gln Glu Glu Asp P
    he Arg Val Thr Cys Lys Asp Ile Gln A
    rg Ile Pro Ser Leu (配列番号1)、Gln Leu G
    lu Ser His Ser Phe Tyr Asn Leu Ser L
    ys Val Thr His Ile Glu Ile Arg Asn T
    hr Arg Asn Leu Thr Tyr Ile Asp Pro
    (配列番号2)及びLys Asn Gln Lys Lys Ile Arg G
    ly Ile Leu Glu Ser Leu Met Cys Asn G
    lu Ser (配列番号3)で表わされるペプチドか
    らなる群より選ばれた少なくとも一種のペプチド又はそ
    の塩を有効成分として含有することを特徴とする自己免
    疫性甲状腺疾患の診断薬又は治療薬。
JP5047573A 1993-01-27 1993-01-27 ペプチド又はその塩並びにそれらを含有する自己免疫性甲状腺疾患の診断薬又は治療薬 Pending JPH06220089A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003018632A3 (en) * 2001-08-23 2004-06-17 Rsr Ltd Epitope regions of a thyrotrophin (tsh) receptor, uses thereof and antibodies thereto

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