JPH0621988Y2 - 便所装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、和風便器を備え、病院，老人ホーム，幼稚
園，飲屋等に設ける便所室の床面を構成する便所装置に
関する。

（従来の背景とその問題点） 一般に、不特定多数の人が使用する公共施設等の便所室
は、タイル張り等を施して防水加工した床面に便器を取
付けて構成され、清掃時にはその床面をモップ等で洗浄
するようになっている。

ところで、病院，老人ホーム，幼稚園，飲屋等の施設或
は店舗においては、その使用者が病人，老人，幼児，酔
客等であるため、使用者の汚物によって便所室の床面を
汚されてしまうことが度々ある。

この為、従来においては、人手を介してその都度清掃を
余儀なくされ、なおかつ、その洗浄水が床面に残って使
用者に不快感を与えるとともに便所室内が不衛生になる
という問題点があった。

（考案の目的） 本考案は前述の問題点を解決するためになされたもので
あり、その目的は、便所室の床面の洗浄を人手に介さず
に行うとともに、床面に残った洗浄水を短時間のうちに
蒸発させて、便所室の床面の洗浄を容易に行え且つその
洗浄水が床面に残ることのない便所装置を提供すること
にある。

（技術的手段） 以上の目的を達成するための、本考案の技術的手段は、
便所装置本体を、便所室の床面を形成する床パンと、該
床パンに垂設した和風便器とから構成し、該和風便器本
体の便ばち開口縁を床パンの上面と略同一面に連設し、
前記床パン本体に、その周縁にわたって立上げ部を設
け、その立上げ部に給水管に連通する吐水口と、その立
上げ部上位に床パン上面を乾燥させる乾燥手段とを設け
たことを特徴とする。

（作用） 以上の手段によれば、吐水口から洗浄水を吐出し、その
洗浄水によって床面上の汚物を便ばちの開口から和風便
器内へと落下させて床パン上面を洗浄し、更に床パン上
面の水滴等残水を乾燥手段によって蒸発・乾燥させる。

（考案の効果） 本考案は以上の様に構成したことにより、便所室の床面
の洗浄を一々人手を介することなく容易に行なえ、且つ
その洗浄水の水滴等残水が床面に残ることもない。

よって病院，老人ホーム，幼稚園，飲屋等の施設或いは
店舗の便所室に設置された際、便所室内を常に清潔且つ
衛生的に保つことができる。

依って所期の目的を達する。

（実施例） 以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

便所装置（Ａ）は、ＦＲＰやその他の材料でもって、床
パン本体（１）と和風便器本体（２）とを一体に成形し
てなっており、基礎床（Ｆ）上に配設されて便所室
（Ｂ）の床面を形成している。

床パン本体（１）は、便所室（Ｂ）の使用者が用便する
に十分な面積を備えた平面方形状を呈する床面部（３）
と、該床面部（３）周縁に設けた立上げ部（４）及び乾
燥部（５）とからなっている。

床面部（３）は、立上げ部（４）の下面から、床パン本
体（１）の平面中心部に向けて斜め下方に傾斜がつき、
その平面中央部位に後述する和風便器本体（２）を垂設
している。

立上げ部（４）は、床面部（３）の外端全周にわたって
流水路（41）を周設し、該流水路（41）に吐水口（42）
を形成してなっている。

流水路（41）は、床面部（３）の外端縁に沿って、所望
の間隔をおいて外縁面（43）と内縁面（44）とを立上
げ、その外端間にわたって水平面（45）を架設し、外縁
面（43）所望箇所に流水路（41）に連通する給水管（4
6）を連結してなっている。

吐水口（42）は、内縁面（44）の長手方向に沿って、流
水路（41）に連通して多数開穿されている。

給水管（46）は不図示の給水源に連結されて給水弁（4
7）を任意に開閉することで流水路（41）に洗浄水
（ａ）を給水するようになっている。

乾燥部（５）は、床パン本体（１）に形成された乾燥手
段で、流水路（41）の上方に設けた流気路（51）に送風
口（52）を形成してなっている。

流気路（51）は、前記外縁面（43）と内縁面（44）とを
上方に延設し、その上端間にわたって上縁面（53）を架
設し、外縁面（43）所望箇所に流気路（51）に連通する
給気管（54）を連結してなっている。

送風口（52）は、内縁面（44）の長手方向に沿って、流
気路（51）に連通して多数開穿されている。

給気管（54）は不図示の温風機に連結されて給気弁（5
5）を任意に開閉することで流気路（51）に温風（ｂ）
を給気するようになっている。

なお、流水路（41）の上位に流気路（51）を設けた立上
げ部を一体として形成してもよく、又、流水路（41）を
形成する立上げ部と別体に流気路（51）を形成し、立上
げ部上面に載設してもよい。

和風便器本体（２）は、床面部（３）の略中央位に設け
た開口（21）と、該開口（21）に連設した便ばち（22）
及び金隠し（23）とからなっている。

開口（21）は、床面部（３）の略中央部位に貫通開穿さ
れた平面楕円形状の貫通孔で、その開口縁（24）を床面
部（３）と同一面状に連設している。

便ばち（22）は、開口（21）の開口縁（24）から下方に
向けて膨出形成され、開口縁（24）下縁に流水リム（2
5）を周設し、該流水リム（25）に通水管（26）を連結
し、底壁に排便管（27）を連結してなっている。

金隠し（23）は、開口（21）の開口縁（24）長手方向一
端部から上方に向けて膨出形成され、その開口部（28）
周縁に前記流水リム（25）を延設してなっている。

流水リム（25）はその下面に吐出孔（29）が多数開穿さ
れていて、給水弁（47）を任意に開閉することで通水管
（26）を介して便器洗浄水（ｃ）が給水されるようにな
っている。

給水弁（47），給気弁（55）は、便所室（Ｂ）内に設け
た操作部（Ｃ）に連繋されている。

操作部（Ｃ）は、使用者の入切操作に伴なって給水弁
（47）を予め設定された一定時間だけ開弁し、その後給
気弁（55）を同様に感知，開弁するようになっている。

便所室（Ｂ）は、和風便器本体（２）を基礎床（Ｆ）に
設けた凹部（Ｆ_１）に嵌入して床パン本体（１）を基礎
床（Ｆ）上に載置し、床パン本体（１）の周囲縁上面に
壁部（Ｄ）を立設して構成されている。

尚、図中（６）は便ばち（22）の開口縁（24）に突設し
た足載せ部である。

以上の構成によれば、給水弁（47）を一定時間開弁する
と流水路（41）と流水リム（25）に給水がなされ、流水
路（41）の吐水口（42）から開口（21）の開口縁（24）
に向けて洗浄水（ａ）を吐出し、流水リム（25）の吐出
口（29）から便器洗浄水（ｃ）を吐出する。一方、洗浄
水（ａ）は、床面部（３）の上面全域を洗浄した後汚物
とともに便ばち（22）内へと流れ落ち、又、便器洗浄水
（ｃ）は便ばち（22），金隠し（23）の内面を洗浄し且
つ便ばち（22）内の汚物を排便管（27）へと押し流す。
その後、給気弁（55）を一定時間開弁して流気路（51）
に給気を行ない、流気路（51）の送風口（52）から温風
（ｂ）を吹出す。一方、温風（ｂ）は床面部（３）の上
面略全域に行きわたって床面部（３）に残った洗浄水
（ａ）を蒸発させる。

本実施例においては、前述した様に、乾燥手段を床パン
本体（１）の周縁に設けた乾燥部（５）から温風（ｂ）
を吹出すように構成しているが、これに限定されず床面
部（３）の下面に面状ヒーター（５′）を貼着し、この
ヒーター（５′）を洗浄水（ａ）吐出後、一定時間発熱
させるようにしてもよい。

尚、乾燥手段は、図示する如く乾燥部（５）と面状ヒー
ター（５′）との両者を設けるも、どちらか一方を設け
るも任意であり、面状ヒーター（５′）を設けた場合に
は、給気管（54）を不図示の吸気ファンに連結すること
で乾燥部（５）を脱臭機能部に形成することも可能であ
る。

又、本実施例においては、便ばち（22）を床面部（３）
から一体に膨出形成しているが、これに限定されず、床
面部（３）とは別体に成形した便ばち（22）を開口（2
1）の下縁に固着するようにしてもよい。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は便所装置を基
礎床上に配設した状態の縦断側面図、第２図は第１図の
縮小斜視図である。 尚、図中、 便所室：（Ｂ） 床パン本体：（１） 和風便器本体：（２） 便ばち：（22） 給水管：（46） 吐水口：（42） 立上げ部：（４） 乾燥手段：（５），（５′） とする。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭50−56025（ＪＰ，Ｕ) 特公 昭36−11385（ＪＰ，Ｂ１) 特公 昭56−38735（ＪＰ，Ｂ２)

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】便所室の床面を形成する床パンと、該床パ
   ンに垂設した和風便器とからなり、該和風便器本体の便
   ばち開口縁を床パンの上面と略同一面に連設し、前記床
   パン本体に、その周縁にわたって立上げ部を設け、その
   立上げ部に給水管に連通する吐水口と、その立上げ部上
   位に床パン上面を乾燥させる乾燥手段とを設けたことを
   特徴とする床パンを備えた便所装置。