JPH06219796A - 地盤注入剤及びその注入工法 - Google Patents

地盤注入剤及びその注入工法

Info

Publication number
JPH06219796A
JPH06219796A JP1190593A JP1190593A JPH06219796A JP H06219796 A JPH06219796 A JP H06219796A JP 1190593 A JP1190593 A JP 1190593A JP 1190593 A JP1190593 A JP 1190593A JP H06219796 A JPH06219796 A JP H06219796A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ground
agent
silica sol
blast furnace
furnace slag
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP1190593A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3336058B2 (ja
Inventor
Hideaki Baba
英明 馬場
Hiromitsu Takeue
広光 岳上
Akira Sekine
彰 関根
Seiichi Shimobayashi
清一 下林
Eiji Miyoshi
栄治 三好
Keiichi Karatsu
啓一 唐津
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Nippon Steel Cement Co Ltd
Original Assignee
Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Nittetsu Cement Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Chemical Industrial Co Ltd, Nittetsu Cement Co Ltd filed Critical Nippon Chemical Industrial Co Ltd
Priority to JP1190593A priority Critical patent/JP3336058B2/ja
Publication of JPH06219796A publication Critical patent/JPH06219796A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3336058B2 publication Critical patent/JP3336058B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/24Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing alkyl, ammonium or metal silicates; containing silica sols
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/00474Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00
    • C04B2111/00732Uses not provided for elsewhere in C04B2111/00 for soil stabilisation
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2111/00Mortars, concrete or artificial stone or mixtures to prepare them, characterised by specific function, property or use
    • C04B2111/70Grouts, e.g. injection mixtures for cables for prestressed concrete
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/91Use of waste materials as fillers for mortars or concrete

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
  • Soil Conditioners And Soil-Stabilizing Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の目的は、通常の地盤は勿論のこと砂
層や海水浸漬を受けた軟弱地盤などに対し優れた硬化能
と浸透性をもって地盤改良できる無公害耐久性の地盤注
入剤及びその注入工法を提供することにある。 【構成】 本発明に係る地盤注入剤は、高炉スラグを主
材とする水硬性混合微粉末スラリー、シリカゾル及び助
剤としてアルカリ金属炭酸塩と可溶性リン化合物との混
合物を基本成分とすることを特徴とし、該地盤注入剤
は、水硬性混合微粉末のスラリーとシリカゾル及び助剤
との混合液とを1ショット方式または1.5ショット方
式で地盤に注入することを特徴として注入することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高炉スラグを主材とす
る水硬性混合微粉末と、シリカゾル(水性コロイダルシ
リカ)と助剤とを主剤に用いる地盤注入用薬液であっ
て、浸透性に非常に優れ、砂地盤の強化、軟弱地盤の強
化などに用いられる地盤注入剤及びその注入工法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、地盤注入剤としては、水ガラスを
主剤としたものが多用され、その硬化剤(ゲル化剤)には
ポルトランドセメント、消石灰、鉄鋼スラグ等のカルシ
ウム塩類や、硫酸水素ナトリウム、硫酸マグネシウム、
リン酸等の各種酸類、グリオキザール、エチレンカーボ
ネートなどの有機酸、エステル類が使用されてきた。ま
た、水ガラスのアルカリを嫌ってシリカゾルを主剤とし
た地盤注入剤も幾つか提案されている。
【0003】例えば、シリカゾルに、消石灰やセメント
(特開昭57−164186号公報、特開昭59−66482号公報)、
スルファミン酸マグネシウム等のアルカリ土類金属塩
(特開昭63−168485号公報)、塩化ナトリウムや硫酸水素
ナトリウム等のアルカリ金属塩(特開昭59−152985号公
報)、アルミニウム塩等の3価の金属塩(特開昭59−1529
84号公報)、等の電解質を加えて硬化させる方法が提案
されている。
【0004】また、セメントにゼオライトを添加するセ
メントの硬化促進法が特開平2−8981号公報に記載され
ている。
【0005】また、セメントのゲルタイム調節剤につい
ては既に多くの文献に紹介されており、アルカリ金属炭
酸塩、アルカリ金属リン酸塩、アルカリ金属カルボン酸
塩が実用化されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】水ガラスを使用する方
法は、既に多数の文献で紹介されているように、注入し
た材料に含まれる多量のナトリウム塩の存在のため耐久
性に問題があり、仮設材としての価値しか認められてい
ない。
【0007】更に、溶出してくる塩類のために地下水の
汚染や地下埋設物の腐食が問題になる。酸性水ガラスを
使用した場合にもこれらの欠点は全く同じである。
【0008】そこで、アルカリ金属塩を実質的に含まな
いか、全く含まないシリカゾルの利用が注目されてきて
いるが、電解質としての金属塩類はシリカゾルをゲル化
させ、流動性のない固体に変えることはできるが、ゲル
強度は通常1kg/cm2以下であって、このゲルには
経時的な強度の増加はないため流水や地盤の変動に対す
る耐久性は期待できない。
【0009】また、耐久性に実績のあるセメント物質
と、セメントに対して有害物質を実質的に含まないシリ
カゾルの2成分よりなる地盤注入剤は、耐久性注入剤と
して期待されている。
【0010】しかし、セメントとシリカゾルよりなる地
盤注入剤は空洞充填を行うことによる地盤強化に有効と
されているが、地震による砂地盤の液状化現象の防止や
海水の影響を受ける地盤の改良などの地盤注入剤として
は有効ではない。
【0011】この理由は、通常のセメント粒子が30〜
40μmであるため、砂層の細かい間隙への浸透性が悪
いためであると思われる。
【0012】従って、特に、微粉化したセメント粒子の
スラリーを用いてもシリカゾルとの反応が早く、強度発
現のないゲルが生じて、むしろ砂層への浸透注入は行わ
れず、また、注入が可能であったとしても地下水の流れ
のあるときには殆ど適用できない。
【0013】のみならず、従来のシリカゾルを用いる懸
濁系の注入剤において、特に、海水の影響を受けた地盤
にあっては、海水中のMg2+やCa2+がシリカゾルの凝
析に作用するためか、前記と同様強度を発現しないゲル
が生じて殆ど実用に耐える地盤改良はなされない。
【0014】本発明者らは、上記の事実に鑑み、鋭意研
究を重ねたところ、シリカゾルに対し、特定の高炉スラ
グ含有微粉末と助剤を用いることにより上記問題の解決
が企図できることを知見し、本発明を完成した。
【0015】すなわち、本発明の目的は通常の地盤は勿
論のこと砂層や海水浸漬を受けた軟弱地盤などに対し優
れた硬化能と浸透性をもって地盤改良できる無公害耐久
性の地盤注入剤及びその注入工法を提供することにあ
る。
【0016】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明により
提供される地盤注入剤は、高炉スラグを主材とする水硬
性混合微粉末スラリー、シリカゾル及び助剤としてアル
カリ金属炭酸塩と可溶性リン化合物との混合物を基本成
分とすることを構成上の特徴とするものである。
【0017】以下、本発明を詳述する。本発明は、上記
のように三つの成分を基本とする懸濁タイプの地盤注入
剤である。まず、使用するシリカゾルとしては、水ガラ
スを原料としてイオン交換法、解膠法、酸中和法、電気
透析法等で製造されたものであるが、製造法の例として
は米国特許第2,577,484号明細書、米国特許第3,711,419
号明細書、米国特許第2,572,578号明細書、特開昭52−3
3899号公報、米国特許第3,668,088号明細書、特開平1
−317115号公報等の方法がある。
【0018】他にも、例えば米国特許第3,650,977号明
細書や特公昭46−7367号公報記載の金属シリコンの酸化
による製法や、米国特許第2,951,044号明細書や特開昭6
2−127216号公報記載の微細シリカ粉末の水分散による
製法に係るシリカゾルも使用できる。
【0019】シリカゾルは、粒子径の大きいものはゲル
強度が弱く、多くの場合、実用的には3〜100nmの
平均粒子径を有するものが使用できるが、平均径50n
m以下、通常10〜20nmのものが実用上好ましい。
特に、3〜10nmの小粒子グレードのシリカゾルはゾ
ル強度が高く特に好ましい。なお、3nm未満の平均粒
子径を有するグレードのシリカゾルは水ガラスのように
アルカリ安定化剤の含有量が多く、本発明の目的には適
合し難い。
【0020】なお、シリカゾルは、通常、コロイドの安
定化のため微量のアルカリイオン(または水素イオン)を
含有するが、本発明に使用するシリカゾルのアルカリ含
有量は、SiO2/M2O(Mはアルカリ金属を表す)のモ
ル比で5〜500のものが好ましい。
【0021】本発明は、上記シリカゾルに対する懸濁質
として、高炉スラグを主材とする水硬性混合微粉末のス
ラリーを用いることが重要なところである。
【0022】本発明において、かかる水硬性混合微粉末
としては、高炉スラグにポルトランドセメントクリンカ
ーを助剤として適量配合した微粉末(以下、「混合高炉
スラグ粉末」という)をいう。
【0023】ここで、高炉スラグ粉末とは、急冷高炉ス
ラグであり、地盤注入剤の強度面からみてガラス化率9
0%以上、塩基度1.6以上が好ましい。また、ポルト
ランドセメントクリンカーとは、普通ポルトランドセメ
ント前駆体として得られるクリンカーをいい、これに石
膏を混合して得られるポルトランドセメントを意味しな
い。尤も、必要に応じ、JISに定める石膏量を許容す
ることを妨げない。
【0024】このような混合高炉スラグ粉末は、その原
料選択と下記の混合比率の許容し得る範囲との設定によ
って、地盤の性状に応じ、注入剤の浸透性、ゲルタイム
の安定性及び強度発現性からみて、使用条件の自由度が
あって、実用性の点から極めて信頼性が高い。
【0025】この混合高炉スラグ粉末の配合割合は、地
盤の性状によって変化し得るが、多くの場合、高炉スラ
グ粉末50〜90重量部で、残部すなわち10〜50重
量部がポルトランドセメントクリンカーであり、特に、
高炉スラグ粉末75〜90重量部、ポルトランドセメン
トクリンカー10〜25重量部の配合組成が好ましい。
【0026】高炉スラグ粉末の配合量を増やすことによ
り、ポルトランドセメントクリンカーの影響が少なくな
るため、ミルクの撹拌条件によるゲルタイムの安定性、
ミルクの分散性、地盤注入剤の浸透性が地盤の性状に左
右されず向上する。
【0027】また、この混合高炉スラグ粉末は、少なく
とも一般のセメント粒子の粉末度より微細な粉末度を有
するものでなければならず、特に、ブレーン比表面積に
よる粉末度が7000〜8500cm2/gの範囲にあ
る超微粉末が好ましい。
【0028】混合高炉スラグ粉末のブレーン比表面積を
大きくすると、相対的に粒子径が小さくなり、後記の助
剤との作用と相俟って、砂層への浸透性、地盤注入剤強
度が向上する。ブレーン比表面積7000cm2/g未
満の粉末度では良好な浸透性が得られないとか、ゲルタ
イムを延ばすと地盤注入剤の材料分離も生ずる傾向にあ
る。
【0029】逆に、ブレーン比表面積が8500cm2
/gを越えると、ミルクの粘性も高く、ポルトランドセ
メントクリンカー粉末の活性が強くなり、粒子間の凝集
を助長するため、浸透性の改善効果が得られないばかり
でなく、ゲルタイムの安定性にも欠ける。また、粉砕能
力も工業的にみて難しくなる。
【0030】このような混合高炉スラグ粉末のうちの好
ましい態様の粉末は、ポルトランドセメントと高炉スラ
グの混合物である高炉セメントとも異なり、通常のセメ
ントJIS規格にない組成のものであるが、上記の諸特
性のゆえに、これをスラリーとしてシリカゾルに対して
用いると、通常のセメントスラリー系のものに比べて良
好な耐海水性、長期強度増進が期待できるので、海岸に
近い砂状地盤の液状化防止に好適である。
【0031】本発明は、上記のようにシリカゾル−混合
高炉スラグ粉末系に助剤としてアルカリ金属炭酸塩と可
溶性リン化合物との混合物を適量含有させてなるところ
が他の重要な特徴となっている。
【0032】アルカリ金属炭酸塩としてはナトリウム及
び/またはカリウムの炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩
などが挙げられ、また、可溶性リン化合物としては、例
えば、リン酸、ナトリウム及び/またはカリウムの第1
リン酸塩、第2リン酸塩、正リン酸塩、ピロリン酸塩、
トリポリリン酸塩などが挙げられ、それらは1種または
2種以上であってもよい。これらのうち、特に、弱酸性
の混合物が好ましい。
【0033】上記助剤において、アルカリ金属炭酸塩と
可溶性リン化合物との配合割合は地盤の性状や海水の影
響により一様ではないが、多くの場合モル比(PO4 3-
CO3 2-)で0.05〜1の範囲にある。
【0034】本発明に係る地盤注入剤は、以上の成分で
構成されるが、必要に応じて、公知のセメント分散剤
や、平均粒子径が1μm以下の合成シリカや合成ゼオラ
イトの如き無機微粉末を配合したものであってもよい。
また、クエン酸、酒石酸、グルコン酸などのカルボン酸
またはそのアルカリ金属塩などのキレート剤を含有させ
てもよい。特に、無機微粉末を配合した場合には、地盤
注入剤のゲル強度をより改善させるために適用範囲が拡
大するので好ましい。
【0035】本発明に係る地盤注入剤における基本成分
の使用割合は、地盤の性状に応じて適宜設定すべきであ
るが、多くの場合、シリカゾル(SiO2換算):混合高
炉スラグ粉末:助剤の重量比は1:1〜10:0.05
〜1が実用的範囲であり、特に、1:2〜6:0.1〜
1の範囲が好ましい。
【0036】上記の地盤注入剤を用いる本発明の注入工
法は、シリカゾル、混合高炉スラグ粉末及び助剤の混合
物とからなるスラリーを適宜混合して一液一系統式で加
圧注入する1ショット方式、二液一系統式で注入する
1.5ショット方式、二液二系統式で注入する2ショッ
ト方式のいずれかで行われる。特に好ましくは、混合高
炉スラグ粉末のスラリーとシリカゾル及び助剤との混合
液とを1ショット方式または1.5ショット方式で地盤
に加圧注入する方法である。なお、注入圧は地盤の性状
により異なるけれども、多くの場合、0.1〜1.0kg
/cm2の範囲にある。
【0037】
【作用】本発明に係る地盤注入剤の硬化反応に関する作
用機構の詳細は明確ではないが、恐らく次のようなこと
が推定される。即ち、シリカゾルは混合高炉スラグ粉末
から遊離してくるCa2+またはMg2+がシリカゾルのゲ
ル化反応に基づく硬化により初期強度を発現し、次い
で、混合高炉スラグ粉末の水和反応によりその強度を漸
次増大させ、長期強度を維持するものと思われる。
【0038】本発明に係る地盤注入剤は、このような硬
化反応を砂層中または海水浸漬地盤であっても効果的に
可能として軟弱地盤を硬化改良するが、これはシリカゾ
ルに対し混合スラグ粉末の物性と助剤との相乗作用によ
る効果が大きい。
【0039】その1つは、高炉スラグ粉末を主材とし、
かつ該粉末をできるだけ細かく、好ましくはブレーン比
表面積が7000〜8500cm2/gの粉末度に設定
することにより砂層間隙でも充分に注入浸透後硬化作用
を発揮する。
【0040】他の1つは、海水の影響のある地盤であっ
ても、助剤の存在が上記硬化反応を主体的に行わせるこ
とにある。その理由の詳細な機構は不明であるけれども
恐らく次のようなことが推定できる。一般に、海水など
に浸漬した地盤にシリカゾルを用いた懸濁タイプの地盤
注入剤は殆ど実用性がないが、これは既に地盤の水分中
に存在するMg2+やCa2+が懸濁粒子から溶出するこれ
らのカチオンよりも速やかに反応してゲル化し、粒子と
の反応を阻害するためと考えられる。
【0041】しかして、上記助剤が存在すると既に存在
するMg2+やCa2+をCO3 2-やPO4 3-が速やかに反応
して不溶性塩として捕捉することにより懸濁粒子から溶
出するカチオンと主体的に反応させることができ、硬化
現象を生起させる。更に、助剤の緩衝作用により、この
硬化反応を幅広く制御することができるので、注入剤の
ゲルタイムを実用的範囲で任意に設定することができ
る。
【0042】
【実施例】以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明する。 実施例1〜5、比較例1〜8 高炉スラグ(ガラス化率=98%、塩基度=1.88:新
日本製鉄室蘭製鉄所製)と普通ポルトランドセメントク
リンカー(日鐡セメント製)を用いて、高炉スラグの配合
割合を80重量部とし、ブレーン比表面積8400cm
2/gの混合高炉スラグ粉末を試製した。混合高炉スラ
グ粉末とシリカゾル(シリカドール30:日本化学製)を
用いて下記の条件の地盤注入剤を調製し、下記注入方法
と評価方法にて砂層への浸透性、サンドゲルの強度試験
を行った。
【0043】(1)注入方法 浸透性は予めφ5×30cmのアクリル管下部に間隙率
n=43.8%、透水係数2.3×10-2cm/秒を有す
る長さ10cmの豊浦標準砂(0.3〜0.1mm)層を作
り、海水を浸漬しておいた。所要時間ミルクを撹拌後、
シリカゾル溶液を同量入れて10秒撹拌し、アクリル管
上部より地盤注入剤を流し、自然浸透させた。
【0044】(2)評価方法 (2.1)ゲルタイム 成分混合した地盤注入剤をビーカーに入れ、マグネチッ
クスターラーで撹拌を続けると粘度が次第に増大する。
この際、地盤注入剤をビーカーに入れた時点から、粘度
が増大し、やがてゲル化してビーカーを90度傾けても
流動性が消失して流下しなくなるまでの時間をゲルタイ
ムとして測定する。
【0045】(2.2)圧縮強度 サンドゲルの圧縮強度は10cmの浸透長が得られた条
件について、24時間後に脱型し、水中養生(20℃)を
行い、φ5×10cmの供試体について、アームスラー
型強度試験機を用い、材令=7日で一軸圧縮強度を測定
した。
【0046】
【表1】
【0047】本実施例及び比較例の結果を表1に示し
た。上の結果から判るように、助剤として炭酸ナトリウ
ムを単独またはリン酸1カリウムが一定量以下の場合に
は、海水と接触すると同時に凝集するため砂層への浸透
は不可であった。一方、リン酸1カリウムが一定量以上
の場合には海水浸漬層への浸透は可能であるが、硬化体
の圧縮強度が低かったり、硬化しない場合もある。海水
浸漬層に浸透し、実用的な強度を得るためには、炭酸水
素ナトリウムとリン酸1カリウムの如き混合物を適量用
いることが最も有効である。
【0048】比較例9〜10、実施例6〜7 シリカゾル(SiO2:30重量%、pH9.8、平均粒
子径:13nm)と助剤よりなる液(A液)と混合高炉ス
ラグ粉末からなるB液を表2の組成割合で各種地盤注入
剤を調製した。得られた各種地盤注入剤についてA液と
B液とを混合して淡水または海水を浸漬させた標準砂
(豊浦産)に0.25kg/cm2の注入圧で注入して硬化
供試体を作成し、そのときのゲルタイム及び圧縮強度を
測定した地盤注入剤の性能を評価したところ表2の結果
が得られた。
【0049】
【表2】
【0050】上の結果から判るように、助剤として炭酸
水素ナトリウムを単独で用いる場合は、淡水浸漬層への
浸透は問題ないが、海水浸漬層へは浸透不可であり、本
発明にかかる地盤注入剤はいずれも良好な結果が得られ
た。
【0051】実施例8〜11 実施例6〜7で用いたと同じシリカゾル、混合高炉スラ
グ粉末及び助剤を配合して得られる地盤注入剤につい
て、A液とB液とに分けて同様に海水で浸漬した標準砂
(豊浦産)に0.4kg/cm2の注入圧で注入して硬化体
を作成し、そのときのゲルタイム及び圧縮強度を測定し
て地盤注入剤の性能を評価したところ、表3の結果が得
られた。
【0052】
【表3】
【0053】上の結果から助剤として炭酸水素ナトリウ
ムとリン酸1カリウムの混合物を適量用いることによっ
てゲルタイムが1分以下で、しかも海水が浸漬している
砂層に注入可能の地盤注入剤であることが判った。
【0054】実施例12〜14 実施例8〜11で用いたと同じシリカゾル、混合高炉ス
ラグ粉末及び助剤を配合して得られる地盤注入剤につい
て、1ショット工法により海水で浸漬した砂層に注入し
て硬化体を作成し、その時のゲルタイム及び圧縮強度を
測定して地盤注入剤の性能を評価したところ、表4の結
果が得られた。
【0055】
【表4】
【0056】上の結果から判るように、助剤として炭酸
水素ナトリウムとリン酸1カリウムの混合物を適量用い
ることによって、ゲルタイムが1時間程度、しかも、海
水が浸漬している砂層に注入可能であった。
【0057】実施例15〜17、比較例11〜15 実施例12〜14で用いたと同じシリカゾル、混合高炉
スラグ粉末と下記の表5に記載の助剤を配合して得られ
る地盤注入剤について、A液とB液とに分けて実施例1
〜5と同様に海水で浸漬した標準砂(豊浦産)に地盤注入
剤を流し、自然浸透させ、砂層への浸透性、サンドゲル
の強度試験を行った。その結果を表5に示す。
【0058】
【表5】
【0059】実施例18 実施例6の地盤注入剤を次の1.5ショット工法により
海水を浸漬させた砂層に注入した。透水係数8.35×
10-3cm/秒、間隙率42.5%の砂層に地盤注入剤
をプランジャー型ポンプ(商品名ダブコンポンプ、DP
O4型、島崎製作所)を用いて注入圧0.5kg/cm2
にて24リットル注入した。注入段階では何ら問題もな
く、海水を浸漬させた砂層に浸透注入できた。注入7日
後の改質砂層は透水係数3.5×10-7cm/秒であ
り、圧縮強度(サンドゲル)は14.5kg/cm2であっ
た。この結果から本発明の地盤注入剤が実用においても
充分性能を満足するものであることが確認できた。
【0060】
【発明の効果】本発明に係る地盤注入剤及びこれを用い
た注入工法は、一般の地盤は勿論のこと、砂層あるいは
海水浸漬地盤であっても、幅広く軟弱地盤の改良に適用
することができる。また、地盤注入剤のゲルタイムの点
からみても適用性の幅が広い。他方、本発明に係る地盤
注入剤は、シリカゾル及び高炉スラグを主体的に用いる
ものであるから、従来のような水ガラスやセメントがも
たらすアルカリ公害も著しくなくなり、かつ安全に取り
扱えるので都市土木の大深度土木工事においても実用性
の高い地盤注入剤として期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 22:10 2102−4G 22:16) A 2102−4G (72)発明者 関根 彰 東京都江東区亀戸9丁目15番1号 日本化 学工業株式会社研究開発本部内 (72)発明者 下林 清一 北海道室蘭市仲町64番地 日鐵セメント株 式会社研究開発部内 (72)発明者 三好 栄治 東京都江東区亀戸9丁目15番1号 日本化 学工業株式会社研究開発本部内 (72)発明者 唐津 啓一 北海道室蘭市仲町64番地 日鐵セメント株 式会社研究開発部内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高炉スラグを主材とする水硬性混合微粉
    末スラリー、シリカゾル及び助剤としてアルカリ金属炭
    酸塩と可溶性リン化合物との混合物を基本成分とするこ
    とを特徴とする地盤注入剤。
  2. 【請求項2】 高炉スラグを主材とする水硬性混合微粉
    末は、高炉スラグ粉末50〜90重量部及びポルトラン
    ドクリンカー粉末10〜50重量部の混合粉末であっ
    て、ブレーン比表面積が7000〜8500の範囲内で
    ある請求項1記載の地盤注入剤。
  3. 【請求項3】 シリカゾル(SiO2換算):水硬性混合
    微粉末:助剤が重量比で1:1〜10:0.05〜1の
    割合の組成を有する請求項1または2記載の地盤注入
    剤。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項記載の
    地盤注入剤の注入工法において、水硬性混合微粉末のス
    ラリーとシリカゾル及び助剤との混合液とを1ショット
    方式または1.5ショット方式で地盤に注入することを
    特徴とする地盤注入剤の注入工法。
JP1190593A 1993-01-27 1993-01-27 地盤注入剤及びその注入工法 Expired - Lifetime JP3336058B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1190593A JP3336058B2 (ja) 1993-01-27 1993-01-27 地盤注入剤及びその注入工法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1190593A JP3336058B2 (ja) 1993-01-27 1993-01-27 地盤注入剤及びその注入工法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06219796A true JPH06219796A (ja) 1994-08-09
JP3336058B2 JP3336058B2 (ja) 2002-10-21

Family

ID=11790748

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1190593A Expired - Lifetime JP3336058B2 (ja) 1993-01-27 1993-01-27 地盤注入剤及びその注入工法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3336058B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102633507A (zh) * 2011-02-15 2012-08-15 三和耐火工业股份有限公司 高炉主流道用硅溶胶浇注用料
CN102633506A (zh) * 2011-02-15 2012-08-15 三和耐火工业股份有限公司 高炉主流道用硅溶胶喷浆用料
WO2020255646A1 (ja) * 2019-06-20 2020-12-24 株式会社フッコー 高炉スラグ系塗料

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102633507A (zh) * 2011-02-15 2012-08-15 三和耐火工业股份有限公司 高炉主流道用硅溶胶浇注用料
CN102633506A (zh) * 2011-02-15 2012-08-15 三和耐火工业股份有限公司 高炉主流道用硅溶胶喷浆用料
WO2020255646A1 (ja) * 2019-06-20 2020-12-24 株式会社フッコー 高炉スラグ系塗料
JP2021001260A (ja) * 2019-06-20 2021-01-07 株式会社フッコー 高炉スラグ系塗料

Also Published As

Publication number Publication date
JP3336058B2 (ja) 2002-10-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO1988005425A1 (en) Grouting composition comprising slag
JP2003193462A (ja) 土壌の固化処理方法
JP2003119464A (ja) スラグ系注入材
JP3336058B2 (ja) 地盤注入剤及びその注入工法
JP2869852B2 (ja) 地盤注入工法
JPH10102058A (ja) 地盤注入材
JP2847337B2 (ja) 地盤注入液
JPH1161125A (ja) 地盤注入材
JPH046753B2 (ja)
JPH06145662A (ja) 地盤注入剤及びその注入工法
KR0153215B1 (ko) 지반주입용 약액
KR100413340B1 (ko) 고침투성, 고강도 및 고내구성을 부여하는 초미립자계복합실리카 시멘트 그라우트재를 이용한 그라우팅공법
JP3575561B2 (ja) 地盤固結材
JP3150380B2 (ja) 地盤注入剤とその注入工法
JP3142325B2 (ja) 地盤注入剤とその注入工法
JPH05140557A (ja) 地盤注入剤および注入工法
JP3186829B2 (ja) 土木用材料
JP2884395B2 (ja) 地盤固結材
JP2009040661A (ja) 高炉水砕スラグを使用した水中施工用裏込め・裏埋め材及びその製造方法
KR100402456B1 (ko) 지반 고결재
JPH0794660B2 (ja) 地盤注入工法
JP2007270464A (ja) セメント組成物、セメントミルク、保水性舗装及び保水性舗装の施工方法
JP2808252B2 (ja) 地盤固結材
KR102650423B1 (ko) 친환경 재자원화 고로슬래그 자극형 그라우트재 및 이를 이용한 그라우팅 공법
JP4798734B2 (ja) 水硬性組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020723

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080802

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080802

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090802

Year of fee payment: 7

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090802

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100802

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110802

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120802

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120802

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130802

Year of fee payment: 11

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130802

Year of fee payment: 11