JPH06218927A - インクジェットヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドおよびその製造方法

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JPH06218927A
JPH06218927A JP2600493A JP2600493A JPH06218927A JP H06218927 A JPH06218927 A JP H06218927A JP 2600493 A JP2600493 A JP 2600493A JP 2600493 A JP2600493 A JP 2600493A JP H06218927 A JPH06218927 A JP H06218927A
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grooves
ink
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lid
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JP2600493A
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Inventor
Shinichi Sakamaki
酒巻  真一
Keisuke Kikawa
計介 木川
Kenji Matsumoto
松本  健志
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Citizen Watch Co Ltd
Original Assignee
Citizen Watch Co Ltd
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2202/00Embodiments of or processes related to ink-jet or thermal heads
    • B41J2202/01Embodiments of or processes related to ink-jet heads
    • B41J2202/10Finger type piezoelectric elements

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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】せん断モードを利用した圧電式インクジェット
ヘッドにおいてインクの吐出速度を上げること。 【構成】圧電材よりなる基板に複数の溝123及び隔壁
126を設け、溝に電極膜112を取り付け、隔壁上面
にシリコーン系接着剤114を取り付け、溝及び隔壁を
絶縁膜113で被覆し、一方、蓋板の下面も絶縁膜で被
覆し、これら絶縁膜に親水化処理を施し、隔壁の上部と
蓋板の下面をエポキシ系接着剤116により接合してイ
ンクを圧縮する圧力室を構成する。隔壁はせん断変形を
してインクを圧縮し吐出させる。この構造により介在物
の剛性が小さくなり隔壁の変形量が増加し、一方、シリ
コーン系接着剤から発生する親水性を低下させるガス発
生が阻止される。 【効果】圧力室内の気泡が排除された状態で、インクが
圧縮されるのでインクの吐出速度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプリンターに関し、更に
詳しくはせん断モードを利用した圧電式インクジェット
ヘッドおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】圧電素子のせん断モードによる変形を利
用して、インクを充填したチャンネル状の圧力室の隔壁
を変形させ、これによる圧力室の圧力上昇によりインク
を印字用紙に吐出するせん断モードによるインクジェッ
トヘッドに関する従来の技術が例えば特開昭63ー25
2750号公報に記載されている。以下、該公報の記載
内容にもとづき従来の技術を説明する。
【0003】図7および図8はそれぞれ従来のせん断モ
ード型インクジェットヘッドの構造を示す部分断面図お
よび側面図である。圧電材からなる基板41に機械加工
等により複数の細長い溝53および隔壁56を形成す
る。該溝53の内面に電極膜42を取り付け、該電極膜
42の上から溝53および隔壁56を含め絶縁膜43に
より被覆する。絶縁膜43は電極膜42同志のリーク防
止とインクと電極膜42のとの間の相互作用の防止のた
め取り付けられる。接着剤44により、隔壁56の上部
と絶縁材よりなる蓋板45とを接着する。基板41の溝
がない端部54も蓋板45と接着される。実装用電極5
2および電極基板51によって外部との電気接点を形成
する。そして、複数の前記溝53の一方の端は共通のイ
ンクだめよりインクが供給できるようにしてあり、他方
の端は、基板41の端面において開口し、ノズル孔を有
するノズル板が接着されている。ここで圧電材は、たと
えばPZTであり、溝53を形成する前に図4の矢印に
示す方向に分極しておく。
【0004】図7に示すように、隔壁を挟んで対向する
電極膜42を互いに逆極性の電源に接続し、隔壁を挟ん
で電界をくわえると、電界の方向と逆方向に点線に示す
隔壁の変形を生じ、電極が正の電源に接続された溝の容
積は減少し、内部に充填されているインクを前記ノズル
孔から吐出する。ここでインクジェットヘッドの性能お
よび動作の信頼性を確保するにはインクの吐出速度を上
げることが必要である。インクの吐出速度は前記の隔壁
の変形量に比例するが、この変形量を上げるには隔壁5
6の上部と絶縁材よりなる蓋板45とを接着する接着剤
44が変形しやすいことが望ましい。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】接着剤44の変形しや
すさは形状と材料に依存する。形状は、厚い方が望まし
いが、溝へのはみ出し等を回避するには薄くなければな
らず、厚さに制限を受ける。材質については、柔らかい
ことすなわち弾性係数が小さいことが望ましい。しか
し、弾性係数を下げようとすると次のような問題に突き
当たる。現状で実用可能な弾性係数の最も小さい接着剤
はシリコーン系である。シリコーン系接着剤はシロキサ
ンガスを発生する。一方、インクジェットヘッド内の溝
等の絶縁膜を被覆した部分は、そのままでは親水性が低
く、インク内の気泡を吸着することにより、駆動時の溝
内のインク圧力を低下させ、インク吐出速度を下げる性
質があるので、ビニルピロリドンのグラフト重合体をそ
の表面に取り付ける等の親水化処理を行って、親水性を
高めている。ところがシリコーン系の接着剤を用いた場
合には、前記シロキサンガスが親水化処理膜に反応して
撥水性の被膜を形成し、せっかく高めた親水性を低下さ
せ、かえって吐出速度を低下させる結果となる。また、
シリコーン系接着剤は耐薬品性が低くインクに溶出しや
すい。このため、インクジェットヘッドは、溶出物によ
る目詰まりが生じやすくなり、インクジェットヘッドは
吐出不能となる。このため従来のインクジェットヘッド
は、隔壁56と蓋板45を結合する接着剤44として弾
性係数の最も小さいシリコーン系の接着剤を用いること
ができず、インクの吐出速度の向上を阻んでいた。ま
た、従来技術によるインクジェットヘッドの製造方法で
は、シリコーン系接着剤が露出しているため、製造工程
中に行われる洗浄の洗浄液による接着部分の劣化・膨潤
・はがれ等が発生し、インクジェットヘッドの吐出不良
の原因となった。更に、溝に平行な方向の親水性の度合
も圧力室が細く長いため均一にはならなかった。
【0006】本発明の目的は、圧電素子のせん断モード
による変形を利用して、インクを充填したチャンネル状
の圧力室の隔壁を変形させ、これによる圧力室の圧力上
昇によりインクを印字用紙に吐出するせん断モードによ
るインクジェットヘッドにおける前記のような従来の技
術の欠点を除去し、絶縁膜の親水性を高く保持した状態
において、隔壁と蓋板の間に絶縁膜で被覆した弾性係数
の最も小さい接着剤等を介在させて接合することを可能
にし、従来よりも一段と吐出速度が大きく、目詰まりの
生じないインクジェットヘッドを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に (1) 本発明のインクジェットヘッドは複数の圧力室
及びその隔壁を形成する複数の溝及び該複数の溝に連通
しインクを供給する共通の溝を有する圧電材料よりなる
基板および該基板の上面に取り付けられて前記複数の溝
を覆う蓋を有し、該複数の溝の開口する端面にインクを
噴射する噴射孔を有するノズル板を取り付けてなり、該
複数の溝には圧電駆動用の電極をとりつけ、該電極に駆
動電圧を加えることにより前記隔壁をせん断モードで変
形させて圧力室の容積を変化させ、圧力室内に充填した
インクを噴射孔から射出するインクジェットヘッドにお
いて、少なくとも前記隔壁の上面または蓋の下面の一方
に弾性部材を取り付けて溝及び隔壁、または蓋の下面の
弾性部材を絶縁被膜で被覆し、被覆された弾性部材を挟
んで隔壁と蓋の下面を接着してなることを特徴とする。
【0008】(2) 本発明のインクジェットヘッドの
製造方法は複数の圧力室及びその隔壁を形成する複数の
溝及び該複数の溝に連通しインクを供給する共通の溝を
有する圧電材料よりなる基板および該基板の上面に取り
付けられて前記複数の溝を覆う蓋を有し、該複数の溝の
開口する端面にインクを噴射する噴射孔を有するノズル
板を取り付けてなり、該複数の溝には圧電駆動用の電極
をとりつけ、該電極に駆動電圧を加えることにより前記
隔壁をせん断モードで変形させて圧力室の容積を変化さ
せ、圧力室内に充填したインクを噴射孔から射出するイ
ンクジェットヘッドの製造方法において、基板に前記複
数の溝および隔壁を形成した後、該複数の溝に圧電駆動
用の電極膜を取り付け、さらに隔壁の上面および蓋の下
面の少なくとも一方に弾性部材を取付けた後、前記複数
の溝および隔壁に絶縁被膜を被覆し、さらに絶縁被膜の
親水化処理を行い、また蓋の下面に弾性部材を取り付け
たときは別途該下面を絶縁被膜で被覆した後該絶縁被膜
の親水化処理を行い、その後、隔壁の上面と蓋の下面を
接着剤により接合することを特徴とする。
【0009】
【作用】
(1) 本発明のインクジェットヘッドの構造によれ
ば、隔壁と蓋板の間にシリコーン系接着剤等の弾性係数
のきわめて小さな弾性体が絶縁膜で被覆された状態で介
在し、その接着幅は小さく、シリコーン系接着剤以外の
接着剤により接合されているので、インク吐出時の隔壁
の変形量は、介在物の柔らかさにより従来より一段と増
加し、しかもシリコーン系接着剤からは、絶縁膜に妨げ
られてシロキサンガス等を発生せず、インクに接触する
絶縁被膜の親水性は高く保たれ、気泡の吸着によるイン
クの吐出速度の低下を回避することができるので、前述
の隔壁の変形量の増加がそのままインクの吐出速度の増
大に反映し、従来より格段にインクの吐出速度を向上す
ることができる。またシリコーン系接着剤がインクに直
接接触しないため、接着剤成分がインク中に溶出するこ
とがなく、インクジェットヘッドの目詰まりが起こらな
い。 (2) 本発明のインクジェットヘッドの製造方法によ
れば、隔壁と蓋板の間にシリコーン系接着剤等の弾性係
数のきわめて小さな弾性体が絶縁膜で被覆された状態で
介在し、その接着幅は小さく、シリコーン系接着剤以外
の接着剤により接合されているヘッド構造を実現し、簡
易な親水処理により、インクに接触する絶縁被膜の親水
性を高めることができるので、上記と同様の理由によ
り、従来より格段に吐出速度の向上したインクジェット
ヘッドを製造することができる。
【0010】
【実施例】
(実施例1)以下に本発明の第1の実施例を図面に基づ
いて説明する。図1および図2はそれぞれ本実施例のイ
ンクジェットヘッドの構造を示す斜視図および断面図で
ある。圧電材からなる基板111に機械加工等により複
数の細長い溝123および隔壁126を形成し、前記の
複数の溝123の一方に連通して、インクを供給するた
めの共通の溝129を形成し、ジョイント131と連通
して、外部より複数の溝123にインクを供給する。該
溝123の内面に電極膜112を取り付ける。電極膜1
12は、共通の溝129に隣接する基板上面に設けられ
た対応する引き出し線133にそれぞれ導通する。隔壁
126の上面にシリコーン系接着剤114を隔壁126
の全長にわたり塗布した後、電極膜112およびシリコ
ーン系接着剤114の上から溝123および隔壁126
をパリレン膜等の絶縁膜113により被覆する。絶縁膜
113は、ガス発生阻止及び弾性接着剤の溶出防止の目
的の他に、本来的には、電極膜112同志のリーク防止
とインクと電極膜112との間の相互作用の防止のため
取り付けられる。弾性接着剤のインクへの溶出防止の為
には絶縁膜厚は5μm以上が望ましい。また弾性接着剤
は、揮発性低分子シロキサン環状体の含有量を1000
ppm以下に除去したシリコーン系接着剤であることが
望ましい。
【0011】一方、蓋板115の下面にも別途同様の絶
縁膜113を取り付ける。蓋板115がガラス等の絶縁
材料よりなる場合にはその下面に絶縁膜を取り付ける必
要はない。次に前記の絶縁膜113の表面に例えばグラ
フト重合体被膜を形成する等絶縁膜の親水化処理を行っ
た後、隔壁126の全長にわたりその上部にまた基板1
11の端部54にもエポキシ系接着剤116を塗布し、
蓋板115をこの上に圧接して接合する。これにより隔
壁126は、シリコーン系接着剤114を介して、その
全長にわたり蓋板115に結合されたことになる。この
ような結合は、溝と溝の間のインクのリークを阻止する
為に必要であるが、介在する部材は前述の如く変形しや
すいことが望ましい。複数の溝123の他方の端は、基
板41の端面において開口し、ノズル孔135を有する
ノズル板137が接着される。ここで圧電材は、たとえ
ばPZTであり、溝123を形成する前に図1の矢印に
示す方向に分極しておく。
【0012】図1に示すように、隔壁を挟んで対向する
電極膜112を互いに逆極性の電源に接続し、隔壁を挟
んで電界をくわえると、電界の方向と逆方向に点線に示
すような隔壁の変形が生じ、電極膜112が正の電源に
接続されている溝123により構成されるインク室の容
積が減少し、内部に充填されているインクの圧力を上
げ、前記のノズル孔135からインクを吐出する。この
ときインク内に気泡が混入していると、インク室の容積
変化が気泡の体積変化に吸収されて、インクの圧力上昇
を阻止し、インクの吐出速度を低下する。これを防ぐに
は、インクと接触する面の親水性が高いことが必要であ
るが、従来のヘッドの構造において、圧力室を構成する
一つの要素としてシリコーン系の接着剤を用いた場合に
は、接着時にシロキサンガスを発生し、絶縁膜に吸着さ
れて、その表面に撥水性の酸化珪素被膜を形成するた
め、インクに接触する絶縁膜の表面に気泡を吸着し、イ
ンクの吐出速度が低下したり、吐出不能を生ずる。
【0013】しかし、本実施例においては、シリコーン
系の接着剤が接着された後に絶縁膜がとりつけられ、か
つ絶縁膜によりシリコーン系の接着剤は被覆されるので
シロキサンガスの発生は阻止され、親水化処理をされた
絶縁膜は、高い親水性を維持し、気泡の発生を排除す
る。本実施例においては、圧力室の一部を構成するシリ
コーン系の接着剤の弾性係数は小さく、したがって、隔
壁の変形を押さえることなく、圧力室間のシールもれを
防ぐことができる。本実施例によれば、このようにして
インクの気泡を排除しつつ圧力室の容積変化率を高め、
インクの圧力を高めることができるので、インクの吐出
速度を従来に比し大幅に上げることができる。なお、隔
壁の変形量は、実際にはサブミクロン以下であるため、
絶縁膜を破壊することはない。
【0014】(実施例2)以下に本発明の第2の実施例
を図面に基づいて説明する。図3は本実施例における圧
力室の構造を示す断面図である。他の部分の構造につい
ては第1の実施例と同様である。圧電材からなる基板
は、図3に示す矢印の方向に分極されている。図3に示
すように、溝123に電極膜112を取り付けた状態
で、溝および隔壁を絶縁膜113で被覆し、該絶縁膜の
表面に、第1の実施例のようにして親水化処理を施す。
一方、蓋板115の下面において、隔壁126に対応す
る位置にシリコーン系接着剤114を接着し、絶縁膜1
13で被覆し、同様に親水化処理を施す。次に隔壁12
6の上部および端部にエポキシ系接着剤を塗布し、隔壁
の上面と蓋板の下面のシリコーン系接着剤の塗布されて
いる位置とが一致するように突き合わせて、接着する。
この結果、本実施例も、第1の実施例と同様に、シリコ
ーン系接着剤を介して隔壁と蓋板が結合され、かつシリ
コーン系接着剤の接着後に絶縁膜の被覆が行われる点に
おいては第1の実施例とまったく同様であり、溝、隔
壁、電極もまったく同様である。したがって、同様の動
作を行い、隔壁の変形大で、インクの気泡が排除できイ
ンクの吐出速度を上げることができる。
【0015】(実施例3)次に本発明の第3の実施例に
ついて説明する。本実施例は、図4に示すように、いわ
ば第2の実施例の変形で基板111及び蓋板115に取
り付けられた構成要素はまったく同様であるが、本実施
例においては、蓋板115の下面に塗布され、絶縁膜で
被覆されたシリコーン系接着剤の側部にエポキシ系接着
剤を塗布し、シリコーン系接着剤が基板の溝を塞ぐ位置
関係で接着を行う。この場合も、シリコーン系接着剤を
介して隔壁と蓋板が結合され、かつシリコーン系接着剤
の接着後に絶縁膜の被覆が行われるので、溝間のインク
のリークが阻止されるとともに、前述した理由によりイ
ンクの吐出速度を従来より上げることができる。
【0016】(その他の実施例) (1) 図5は、本発明の第4の実施例の圧力室の構造
を示す断面図であり、同図を参照して本発明の第4の実
施例の特徴について説明する。シリコーン系接着剤11
4が、隔壁126の上面及び蓋板115の下面に塗布さ
れて、絶縁膜113により被覆され、絶縁膜113の親
水化処理を行った後、互いに突き合わされてエポキシ系
接着剤116で接合される。矢印は、圧電材よりなる基
板111の分極方向を示す。第1の実施例と同様の理由
により同様の効果を有する。構造複雑であるが介在物の
剛性を下げる上で有利である。
【0017】(2) 図6は、本発明の第5の実施例の
圧力室の構造を示す断面図であり、同図を参照して本発
明の第5の実施例の特徴について説明する。蓋板115
の下面に、シリコーン系接着剤114を、溝123を跨
いで複数の隔壁126をカバーする幅に塗布して、絶縁
膜113を被覆し、基板の溝123および隔壁126に
も絶縁膜113を被覆し、これら絶縁膜113を親水化
処理した後、隔壁126とシリコーン系接着剤114と
を突き合わせて、エポキシ系接着剤116で接合する。
矢印は、圧電材よりなる基板111の分極方向を示す。
本実施例も第1の実施例と同様の理由によりほぼ同様の
効果を有する。介在物の剛性をさげる点では若干不利で
はあるが、構造が簡単となる利点を有する。
【0018】
【発明の効果】
(1) 本発明のインクジェットヘッドの構造によれ
ば、接着剤が弾性体であり、かつ接着幅が小さいため、
駆動信号が加わった時の隔壁の変位量が大きく、吐出速
度も大幅に大きくなる。 (2) 本発明のインクジェットヘッドの構造によれ
ば、シリコーン系接着剤がインク中に溶出せず、インク
ジェットヘッドが目詰まりを生じない。 (3) 本発明のインクジェットヘッドの構造によれ
ば、シリコーン系接着剤から撥水性のシロキサンガスが
発生せず、インク注入時に圧力室内に気泡が残存せず、
吐出が安定し、吐出速度も大幅に向上する。 (4) 本発明のインクジェットヘッドの構造によれ
ば、溝方向に均一な親水性を確保できる。 (5) 本発明のインクジェットヘッドの製造方法によ
れば、シリコーン系接着剤が絶縁膜で被覆されているた
め、製造工程中に使用する薬品に対する限定が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の圧力室の構造を示す断
面図である。
【図2】本発明の第1の実施例におけるインクジェット
ヘッドの構造を示す斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施例の圧力室の構造を示す断
面図である。
【図4】本発明の第3の実施例の圧力室の構造を示す断
面図である。
【図5】本発明の第4の実施例の圧力室の構造を示す断
面図である。
【図6】本発明の第5の実施例の圧力室の構造を示す断
面図である。
【図7】従来のインクジェットヘッドの構造を示す断面
図である。
【図8】従来のインクジェットヘッドの構造を示す斜視
図である。
【符号の説明】
41 基板 42 電極膜 43 絶縁膜 44 接着剤 45 蓋板 51 電極基板 52 実装用電極 53 溝 54 端部 56 隔壁 111 基板 112 電極膜 113 絶縁膜 114 シリコーン系接着剤 115 蓋板 116 エポキシ系接着剤 123 溝 126 隔壁 129 共通の溝 131 ジョイント 133 引き出し線 135 ノズル孔 137 ノズル板

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の圧力室及びその隔壁を形成する複
    数の溝及び該複数の溝に連通しインクを供給する共通の
    溝を有する圧電材料よりなる基板および該基板の上面に
    取り付けられて前記複数の溝を覆う蓋を有し、該複数の
    溝の開口する端面にインクを噴射する噴射孔を有するノ
    ズル板を取り付けてなり、該複数の溝には圧電駆動用の
    電極をとりつけ、該電極に駆動電圧を加えることにより
    前記隔壁をせん断モードで変形させて圧力室の容積を変
    化させ、圧力室内に充填したインクを噴射孔から射出す
    るインクジェットヘッドにおいて、少なくとも前記隔壁
    の上面または蓋の下面の一方に弾性部材を取り付けて、
    溝および隔壁または蓋の下面を絶縁被膜で被覆し、被覆
    された弾性部材を挟んで隔壁と蓋の下面を接着してなる
    ことを特徴とするインクジェットヘッド。
  2. 【請求項2】 複数の圧力室及びその隔壁を形成する複
    数の溝及び該複数の溝に連通しインクを供給する共通の
    溝を有する圧電材料よりなる基板および該基板の上面に
    取り付けられて前記複数の溝を覆う蓋を有し、該複数の
    溝の開口する端面にインクを噴射する噴射孔を有するノ
    ズル板を取り付けてなり、該複数の溝には圧電駆動用の
    電極をとりつけ、該電極に駆動電圧を加えることにより
    前記隔壁をせん断モードで変形させて圧力室の容積を変
    化させ、圧力室内に充填したインクを噴射孔から射出す
    るインクジェットヘッドの製造方法において、基板に前
    記複数の溝および隔壁を形成した後、該複数の溝に圧電
    駆動用の電極膜を取り付け、さらに隔壁の上面および蓋
    の下面の少なくとも一方に弾性部材を取付けた後、前記
    複数の溝および隔壁に絶縁被膜を被覆しさらに絶縁被膜
    の親水化処理を行い、また別途前記の蓋の下面に弾性部
    材を取り付けた場合には該弾性部材を絶縁被膜で被覆し
    た後該絶縁被膜の親水化処理を行い、その後、隔壁の上
    面と蓋の下面を接着剤により接合するインクジェットヘ
    ッドの製造方法。
  3. 【請求項3】 複数の圧力室及びその隔壁を形成する複
    数の溝及び該複数の溝に連通しインクを供給する共通の
    溝を有する圧電材料よりなる基板および該基板の上面に
    取り付けられて前記複数の溝を覆う蓋を有し、該複数の
    溝の開口する端面にインクを噴射する噴射孔を有するノ
    ズル板を取り付けてなり、該複数の溝には圧電駆動用の
    電極をとりつけ、該電極に駆動電圧を加えることにより
    前記隔壁をせん断モードで変形させて圧力室の容積を変
    化させ、圧力室内に充填したインクを噴射孔から射出す
    るインクジェットヘッドにおいて、前記各隔壁の上面に
    弾性部材を取付け、該弾性部材及び前記複数の溝に取り
    付けた電極を絶縁被膜で被覆し、前記の蓋の下面を絶縁
    被膜で被覆し、絶縁被膜で被覆された前記隔壁上面の弾
    性部材と絶縁被膜で被覆された蓋の下面を接着剤で接合
    してなる構造を有することを特徴とするインクジェット
    ヘッド。
  4. 【請求項4】 複数の圧力室及びその隔壁を形成する複
    数の溝及び該複数の溝に連通しインクを供給する共通の
    溝を有する圧電材料よりなる基板および該基板の上面に
    取り付けられて前記複数の溝を覆う蓋を有し、該複数の
    溝の開口する端面にインクを噴射する噴射孔を有するノ
    ズル板を取り付けてなり、該複数の溝には圧電駆動用の
    電極をとりつけ、該電極に駆動電圧を加えることにより
    前記隔壁をせん断モードで変形させて圧力室の容積を変
    化させ、圧力室内に充填したインクを噴射孔から射出す
    るインクジェットヘッドの製造方法において、基板に前
    記複数の溝および隔壁を形成した後、該複数の溝に圧電
    駆動用の電極膜を取り付け、さらに隔壁の上面に弾性部
    材を取付けた後、該弾性部材の表面及び前記複数の溝に
    取り付けた電極の表面を同時に絶縁被膜で被覆し、さら
    に絶縁被膜の親水化処理を行い、また別途前記蓋の下面
    を絶縁被膜で被覆した後、該絶縁被膜の親水化処理を行
    い、その後、隔壁の上面と蓋の下面を接着剤により接合
    するインクジェットヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 複数の圧力室及びその隔壁を形成する複
    数の溝及び該複数の溝に連通しインクを供給する共通の
    溝を有する圧電材料よりなる基板および該基板の上面に
    取り付けられて前記複数の溝を覆う蓋を有し、該複数の
    溝の開口する端面にインクを噴射する噴射孔を有するノ
    ズル板を取り付けてなり、該複数の溝には圧電駆動用の
    電極をとりつけ、該電極に駆動電圧を加えることにより
    前記隔壁をせん断モードで変形させて圧力室の容積を変
    化させ、圧力室内に充填したインクを噴射孔から射出す
    るインクジェットヘッドにおいて、前記複数の溝に取り
    付けた電極及び隔壁の上面を絶縁被膜で被覆し、前記蓋
    の下面に各隔壁に対応する位置に弾性部材を取り付け、
    該弾性部材を絶縁被膜で被覆し、被覆した隔壁の上面を
    蓋の下面の被覆した前記弾性部材に接着剤で接合してな
    ることを特徴とするインクジェットヘッド。
  6. 【請求項6】 複数の圧力室及びその隔壁を形成する複
    数の溝及び該複数の溝に連通しインクを供給する共通の
    溝を有する圧電材料よりなる基板および該基板の上面に
    取り付けられて前記複数の溝を覆う蓋を有し、該複数の
    溝の開口する端面にインクを噴射する噴射孔を有するノ
    ズル板を取り付けてなり、該複数の溝には圧電駆動用の
    電極をとりつけ、該電極に駆動電圧を加えることにより
    前記隔壁をせん断モードで変形させて圧力室の容積を変
    化させ、圧力室内に充填したインクを噴射孔から射出す
    るインクジェットヘッドにおいて、前記複数の溝に取り
    付けた電極及び隔壁の上面を絶縁被膜で被覆し、前記蓋
    の下面に前記複数の溝に対応する位置に弾性部材を取り
    付け、該弾性部材を絶縁被膜で被覆し、被覆した隔壁の
    上面および側面の一部を蓋の下面に被覆した前記弾性部
    材に接着剤で接合してなることを特徴とするインクジェ
    ットヘッド。
  7. 【請求項7】 複数の圧力室及びその隔壁を形成する複
    数の溝及び該複数の溝に連通しインクを供給する共通の
    溝を有する圧電材料よりなる基板および該基板の上面に
    取り付けられて前記複数の溝を覆う蓋を有し、該複数の
    溝の開口する端面にインクを噴射する噴射孔を有するノ
    ズル板を取り付けてなり、該複数の溝には圧電駆動用の
    電極をとりつけ、該電極に駆動電圧を加えることにより
    前記隔壁をせん断モードで変形させて圧力室の容積を変
    化させ、圧力室内に充填したインクを噴射孔から射出す
    るインクジェットヘッドにおいて、前記複数の溝に取り
    付けた電極及び隔壁の上面を絶縁被膜で被覆し、前記蓋
    の下面の少なくとも一部に弾性部材を取り付け、蓋の下
    面を絶縁被膜で被覆し、被覆した隔壁と被覆した前記弾
    性部材を接合してなることを特徴とするインクジェット
    ヘッド。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001191525A (ja) * 2000-01-17 2001-07-17 Toshiba Tec Corp 液滴噴射装置
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