JPH0621861Y2 - 積重ね型収納箱 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は積重ね型収納箱に関するものである。

《従来の技術》 工場の生産ラインの側方には生産計画に従って所定量の
部品が常時ストックされている。これらストック部品は
通常積重ね可能な収納箱に収納されている。この収納箱
の上部の開口縁にはその上に積上げた収納箱の底面を支
持するために開口縁を水平方向に横断した左右一対の支
持棒が配設されている。この支持棒の両端部は直角に折
曲がってアーム部をなし、このアーム部の先端部が収納
箱の外側面に回動自在に支持されている。そして収納箱
を積重ねるときは前記支持棒を収納箱の開口縁を横断す
る位置に回動させ、また収納箱に対して部品をの出し入
れをするときは邪魔にならないように支持棒を収納箱の
外側に回動させていた。

《考案が解決しようとする課題》 しかし、前述した積重ね型収納箱は一対の支持棒だけで
上の収納箱の底面を支持していたので、特に収納箱がダ
ンボール紙に樹脂コーティングを施した程度の強度的に
弱い材料で構成されている場合に、収納箱の底面の支持
棒の当たる部分が溝状に凹んでしまい、場合によっては
この部分が破断するなどのおそれがあった。

本考案は前記課題を有効に解決すべく創案するに至った
ものであって、その目的は上に積重ねた収納箱の底面が
損傷するおそれのない積重ね型収納箱を提供することに
ある。

《課題を解決するための手段》 前記課題を解決するため本考案は、箱体の上部の開口縁
に、前記開口縁を水平方向に横断する一対の支持棒が配
設され、前記支持棒の両端部は、前記箱体の外側面に回
動自在に支持されたアーム部に連結され、前記箱体の上
に別の箱体を積重ねるときは前記開口縁に横断させた前
記支持棒で前記上の箱体の底面を支持し、前記箱体に対
し収納物の出し入れをするときは前記支持棒を前記箱体
の外側に回動させるようにした積重ね型収納箱におい
て、前記各支持棒に、前記上の箱体の底面を支持する支
持板を回動自在に取付け、該支持棒を前記箱体の外側に
回動させたときに該支持板の一端が該箱体の開口端に当
たり該支持棒に対して相対的に回動して該箱体の側面の
外側に自然に回り込むように該支持板の該一端と該箱体
の該開口端との距離を設定してなることを特徴としてい
る。

《作用》 前記の如く構成した積重ね型収納箱においては、支持棒
に取付けた支持板で上の収納箱の底面を支持するので、
底面に作用する圧力が支持棒で直接支持する場合に比べ
て小さくなり、底面の損傷を防止することができる。ま
た支持板は回動自在なので上の収納箱の底面が多少傾斜
している場合でもその傾斜に対応して隙間なく当接する
から支持板の片当りによる底面の損傷が防止できる。更
に、箱体内部の部品を取り出すために支持棒を箱体の外
側に回動させたときに支持板が支持棒に対して相対的に
回動して箱体の側面に自然に回り込むので、支持板が箱
体の開口縁から上方に突出して邪魔になるようなことは
なく、使用上極めて便利である。

《実施例》 以下に本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

第１図および第２図に示す如く本考案に係る積重ね型収
納箱１はほぼ正方形の箱体２を主体に構成され、その上
部は開放されている。箱体２はダンボール紙に樹脂コー
ティングを施したもので、きわめて軽量に構成されてい
る。箱体２の底面２ａは開口縁２ｂの大きさよりも小さ
くされており、第２図に示す如く上に積重ねた箱体２の
底面２ａが開口縁２ｂの内側に入るようになっている。
なお、箱体２の側面２ｃには把手穴１０が設けられてい
る。

箱体２の開口縁２ｂは樹脂製の縁取り枠３で補強されて
いる。この縁取り枠３の各辺の両端部はＬ字状をなす樹
脂製のアングル材４で相互に連結されている。なお、縁
取り枠３の両端部とアングル材４はねじ５にて締結され
ている。

箱体２の開口縁２ｂの両側位置には第１図に示す如く左
右一対の支持棒６が配設されている。この支持棒は金属
製であって、その両端部は箱体２の外側でＬ字状に折曲
げられてアーム部６ａを構成している。このアーム部６
ａの先端はアングル材４に向ってさらにＬ字状に折曲げ
られて軸部６ｂを構成している。そしてこの軸部６ｂが
アングル材４に形成した軸孔に回動自在に挿入されてい
る。これにより支持棒６は第４図に示す如く軸部６ｂを
中心として開口縁２ｂと箱体２の側面２ｃとの間を回動
できるようになっている。

開口縁２ｂの内側における支持棒６の両端部近傍には第
１図に示す如く一対の支持板７が回動自在に取付けられ
ている。この支持板７は樹脂でほぼ正方形状に一体成形
したものであって、その片側面には第３図に示すように
片側面の中心線に沿って断面が半円形の溝部８が形成さ
れている。そしてこの溝部８に支持棒６が回動自在に嵌
合されている。なお、溝部８の開口幅Ｈは支持棒６の直
径ｄよりもやや狭くされており、支持棒６を溝部８に対
してクリック的に嵌合できるようになっている。

支持板７は幅Ｂを有し、第４図に示す如く支持棒６を開
口縁２ｂから反時計方向に回動させるときに支持板７の
左端が開口縁２ｂに当るように支持板７の左端と箱体の
開口端との距離が設定されており、これにより支持板７
が支持棒６に対して相対的に回動して箱体２の側面２ｃ
の外側に自然に回り込むように構成されている。

なお、支持棒６が開口縁２ｂに位置するときの支持板７
の上面７ａの高さはアングル材４の上端４ａよりも所定
距離ｃだけ低い方が望ましい。すなわち支持板７の上面
７ａの高さの方が低いと上に積重ねた箱体２の下部の角
部をアングル材４で位置決めすることができる。このた
め支持棒６の両端部であってアーム部６ａとの接続部の
角部９を第４図に示す如く上方にほぼＵ字状に屈曲させ
て支持棒６の位置が低くなるようにする。

積重ね型収納箱１は上述の如く構成されており、この収
納箱１を積重ねる場合はまず第１図および第２図に示す
如く一対の支持棒６を内側に回動させるとともに４つの
支持板７を水平にする。そしてこれら４つの支持板７の
上に収納箱１を載せる。この際、上の収納箱１の底面２
ａが収納物の重量で多少傾斜している場合でも支持板７
がその傾斜に対応して回動するので支持板７の端部が底
面２ａに片当りして底面２ａを損傷するおそれがない。
また、支持板７の全面が収納箱１の底面２ａを支えるの
で収納箱１の安定性が高まる。また、上の収納箱１の総
重量が大きいと従来の収納箱では支持棒の跡形が底面に
残っていたが、本考案では支持板７を支持棒６に取付け
ているので、このような跡形がつくおそれがない。従っ
て収納箱１を長期間使用する場合では従来の収納箱では
特に底面の傷みが激しかったが、本考案の収納箱１では
底面の傷みも少なく長期間の使用に耐えることができ
る。

次に収納箱１に対して収納物の出し入れをする場合は第
４図に示す如く支持棒６を邪魔にならないように外側に
回動させる。この際、支持板７の端部は開口縁２ｂに当
るので支持板７が支持棒６に対して相対的に回動し、収
納箱１の側面２ｃの外側に自然に回り込む。従って、支
持板７が収納箱１の開口縁から上方に突出して邪魔にな
ることがない。

以上本考案の一実施例につき説明したが、本考案は上記
実施例に限定されることなく種々の変形が可能であっ
て、例えば上記実施例では支持棒６の両端部に支持板７
を取付けたが、支持棒６の全長にわたって１枚の長板を
回動自在に取付けてもよい。また、収納箱１に使う箱体
２はダンボール紙製の他樹脂製等他の材料で構成しても
よい。

《考案の効果》 本考案は上述の如く、積重ね型収納箱の開口縁に配設さ
れた支持棒に支持板を取付け、この支持板で上に積重ね
た収納箱の底面を支持するようにしているので、従来の
ように支持棒の跡形が収納箱の底面に付いて収納箱を損
傷するようなおそれがなく、また支持板は回動自在なの
で収納箱の底面が傾斜している場合でも片当りせず、支
持板の全面で収納箱の底面を支持するので積重ねた収納
箱の安定性が高まるとともに、支持板の片当りによる収
納箱底面の損傷を防止できる。更に、箱体内部の部品を
取り出すために支持棒を箱体の外側に回動させたときに
支持板が支持棒に対して相対的に回動して箱体の側面に
自然に回り込むので、支持板が箱体の開口縁から上方に
突出して邪魔になるようなことはなく、使用上極めて便
利である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示したものであって、第１図
は積重ね型収納箱の平面図、第２図は同収納箱の側面
図、第３図は支持棒を含む支持板の断面図、第４図は収
納箱の上部角部の側面図である。 １……積重ね型収納箱、２……箱体 ２ａ……底面、２ｂ……開口縁 ６……支持棒、６ａ……アーム部 ７……支持板

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】箱体の上部の開口縁に、前記開口縁を水平
   方向に横断する一対の支持棒が配設され、前記支持棒の
   両端部は、前記箱体の外側面に回動自在に支持されたア
   ーム部に連結され、前記箱体の上に別の箱体を積重ねる
   ときは前記開口縁に横断させた前記支持棒で前記上の箱
   体の底面を支持し、前記箱体に対し収納物の出し入れを
   するときは前記支持棒を前記箱体の外側に回動させるよ
   うにした積重ね型収納箱において、前記各支持棒に、前
   記上の箱体の底面を支持する支持板を回動自在に取付
   け、該支持棒を前記箱体の外側に回動させたときに該支
   持板の一端が該箱体の開口端に当たり該支持棒に対して
   相対的に回動して該箱体の側面の外側に自然に回り込む
   ように該支持板の該一端と該箱体の該開口端との距離を
   設定してなることを特徴とする積重ね型収納箱。