JPH06218340A - タンクの洗浄装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】人手に頼ることなくタンク内の洗浄を行うこと
によって、作業員を劣悪な作業環境から解放する。 【構成】タンク１の内部に一体化させた洗浄水散布管５
と洗浄液散布管12を配置する。散布管５にノズル６を取
り付けると共にスイベルジョイント７を介して洗浄水供
給ホース８を接続し、該ホース８を天井１ｂに設けた孔
３を通してドラム10に巻き付け且つポンプ11に接続す
る。散布管12にノズル14を取り付けると共にスイベルジ
ョイント15を介して洗浄液供給ホース16を接続し、該ホ
ース16を周壁１ａに設けたマンホール４を通してヒータ
ー17，ポンプ18を介して容器19に接続する。各ポンプ，
ヒーター，ドラムを駆動すると各ノズルから洗浄水，洗
浄液が噴射され、同時に一体化された管が上昇或いは下
降しつつ洗浄する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は薬品を所蔵するタンクの
内壁を洗浄する洗浄装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】薬品を貯蔵するタンクでは貯蔵すべき薬
品を変更する際にタンク内部を洗浄することが必要であ
る。この洗浄作業は、タンクに貯蔵された薬品を排出し
た後、作業員によって手作業で行われることが多い。

【０００３】タンクの洗浄作業を実施するには、タンク
の内部に足場を組み立て、作業員がこの足場に登って洗
剤を付着させたワイヤブラシで壁面を擦り、その後、洗
浄水によって洗い流すようにするのが一般である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】タンクの内部は薬品蒸
気が発生する虞があるため換気を十分に行うことが必須
であり、また多くの照明器具を配置しても十分な明るさ
を保持することが困難である等劣悪な作業環境となる。
このため、人手によって洗浄作業を実施するのは好まし
いことではない。

【０００５】またタンクの内壁を洗剤を付着させたワイ
ヤブラシで擦っても十分な洗浄を行うことが困難であ
り、ワイヤによって壁面に無数の微細な傷を付けてしま
うという問題がある。

【０００６】本発明の目的は、タンクの内部に作業員が
入ることなく洗浄を実施することが出来る洗浄装置を提
供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係るタンクの洗浄装置は、タンクの内壁を洗
浄する洗浄装置であって、タンクの内径に応じた長さを
有し且つ所定位置に洗浄水又は洗浄水蒸気を噴射する複
数のノズルを取り付けた洗浄水散布管と、前記洗浄水散
布管に対し一体的に取り付けられ所定位置に洗浄液を噴
射する複数のノズルを取り付けた洗浄液散布管と、一端
が前記洗浄水散布管と接続されると共にタンクの天井を
通って配置され他端がポンプ又は蒸気発生装置と接続さ
れた洗浄水供給ホースと、前記洗浄水供給ホースを巻付
けると共に洗浄作業の進行に応じて該ホースを巻き上げ
又は繰り出すドラムと、一端が前記洗浄液散布管と接続
されると共に他端がポンプを介して洗浄液を収容した容
器に接続された洗浄液供給ホースとを有して構成される
ものである。

【０００８】前記洗浄装置に於いて、洗浄液の供給経路
に洗浄液を加熱するヒーターを設けることが好ましい。

【０００９】

【作用】上記洗浄装置によれば、人手を介することなく
薬品を収容したタンクの内壁を洗浄することが出来る。

【００１０】即ち、タンクの洗浄に先立ってタンクの内
部に一体化された洗浄水散布管と洗浄液散布管を挿入す
ると共にタンクの天井を通して洗浄水供給ホースを配置
し、洗浄水散布管に洗浄水供給ホースを接続すると共に
洗浄液散布管に洗浄液供給ホースを接続した後、ドラム
を駆動して洗浄水供給ホースを巻き上げることで、洗浄
水散布管及び洗浄液散布管をタンクの天井まで上昇させ
ることが出来る。また各管を天井まで上昇させた後、ド
ラムを駆動して洗浄水供給ホースを繰り出すことで洗浄
水散布管及び洗浄液散布管を下降させることが出来る。

【００１１】従って、ドラムの駆動と同期して各ポンプ
を同時に或いは選択的に駆動することで、洗浄水散布管
のノズルから洗浄水を噴射し、この噴射と同時に或いは
別個に洗浄液散布管のノズルから洗浄液を噴射してタン
クの内壁を洗浄することが出来る。

【００１２】洗浄液の供給経路にヒーターを設けた場合
には、洗浄液を加熱することが可能となり、該洗浄液の
洗浄効率を向上させることが出来る。

【００１３】

【実施例】以下、上記洗浄装置の一実施例について図を
用いて説明する。図１は洗浄装置の構成を説明する図、
図２はタンク内に配置された散布管の配置を説明する図
である。図に示す洗浄装置は主としてタンク１の周壁１
ａを洗浄することを目的として構成されたものである。

【００１４】図に於いて、タンク１は周壁１ａ，天井１
ｂを有する円筒状のタンクとして構成されており、収容
容積に応じた高さ，内径を有している。例えば、 300キ
ロリットルの容積を持ったタンクは高さ約10ｍ，内径約
7.8ｍの寸法を有している。タンク１の内部には昇降用
の梯子２が設けられており、且つ天井の中央に孔３が形
成され周壁１ａの下部にマンホール４が形成されてい
る。

【００１５】洗浄水散布管５はタンク１の内部に配置さ
れて周壁１ａに洗浄水又は洗浄水蒸気を噴射するもので
ある。この洗浄水散布管５はタンク１の半径から梯子２
の寸法を差し引いた長さよりも短い長さを有する２本の
ステンレス鋼管を接続して構成されており、両端に高圧
水を噴射するノズル６がユニオン継手５ａを介して取り
付けられている。

【００１６】洗浄水散布管５の中央にはティー５ｂが設
けられており、このティー５ｂにスイベルジョンイト７
を介して洗浄水供給ホース８が接続されている。従っ
て、洗浄水散布管５のティー５ｂは該散布管５の重心と
一致して配置されており、洗浄水散布管５を洗浄水供給
ホース８によって吊り下げたとき、左右のバランスを保
持し得るように構成されている。また洗浄水散布管５と
洗浄水供給ホース８は互いに回転可能に接続されてい
る。

【００１７】洗浄水供給ホース８は洗浄水散布管５に洗
浄水を供給すると共に該散布管５をタンク１の天井１ｂ
から吊り下げる機能を有する。従って、洗浄水供給ホー
ス８は洗浄水散布管５及び後述する洗浄液散布管12，洗
浄液供給ホース16を支持し得る強度を有することが必要
である。このため、本実施例では、洗浄水供給ホース８
に添って保護ワイヤ８ａを設け、図示しないバンド等に
よって両者を結束することで、洗浄水散布管５及び他の
管，ホースの重量を保護ワイヤ８ａによって支持し得る
ように構成している。

【００１８】タンク１の天井１ｂに設けた孔３には洗浄
水供給ホース８の巻き上げ及び繰り出しの際の移動を案
内するガイドローラー９ａが配置され、またタンク１の
天井１ｂの上面所定位置にもガイドローラー９ｂが配置
されている。そして洗浄水供給ホース８はタンク１の外
部に設けたドラム10に巻き付けられ各ガイドローラー９
ａ，９ｂを経た後、孔３を通ってタンク１の内部に配置
されている。

【００１９】洗浄水供給ホース８はエアモーター等のモ
ーター10ａに駆動されるドラム10に巻き付けられてい
る。従って、ドラム10を所望の方向に回転させること
で、洗浄水供給ホース８を巻き上げて該ホース８に接続
された洗浄水散布管５をタンク１内で上昇させ、或いは
洗浄水供給ホース８を繰り出して洗浄水散布管５をタン
ク１内で下降させることが可能である。

【００２０】洗浄水供給ホース８の他方の端部はポンプ
11に接続されており、該ポンプ11を駆動することによっ
て最高 150気圧の圧力を付与した洗浄水をノズル６に供
給し得るように構成されている。

【００２１】ノズル６は洗浄水を予め設定された角度を
持ったカーテン状に噴射してタンク１の周壁１ａに吹き
付ける機能を有するものである。このノズル６による洗
浄水の水平面内に於ける噴射方向は、図２に示すよう
に、洗浄水散布管５の軸心から僅か一方向に傾斜させて
設定されている。このため、洗浄水散布管５にはノズル
６から高圧の洗浄水を噴射したときの反力によって、テ
ィー５ｂを中心としてノズル６の傾斜方向と反対方向に
回転させる力が作用し、この力によって、洗浄水供給ホ
ース８によって吊り下げた洗浄水散布管５をスイベルジ
ョイント７を中心として回転させることが可能である。

【００２２】洗浄水散布管５と平行に該散布管５と略等
しい長さを持った洗浄液散布管12が配置されており、こ
の洗浄液散布管12はバンド等の固定部材13によって洗浄
水散布管５に対し一体的に取り付けられている。

【００２３】洗浄液散布管12はタンク１の周壁１ａに洗
浄液を吹き付ける機能を有するものであり、両端に洗浄
液を噴射するノズル14が取り付けられている。洗浄液散
布管12の中央にはティー12ａが設けられ、このティー12
ａにスイベルジョイント15が取り付けられている。また
洗浄液散布管12にはスイベルジョイント15を介して洗浄
液供給ホース16が接続されている。

【００２４】洗浄液供給ホース16は洗浄液散布管12と接
続されると共にマンホール４を通ってタンク１の外部に
導かれ、ヒーター17，ポンプ18を介して洗浄液を収容し
た容器19と接続されている。ヒーター17は洗浄液の性質
に応じて選択的に使用されるものであり、供給される洗
浄液を加熱する機能を有している。またポンプ18は自吸
式ポンプによって構成され、容器19に収容された洗浄液
を洗浄液散布管12に供給すると共に、タンク１の底盤１
ｃに形成された溝１ｄに溜まった洗浄液をホース20を介
して吸入して再度洗浄液散布管12に供給するものであ
る。

【００２５】上記の如く構成された洗浄装置では、一体
化された洗浄水散布管５及び洗浄液散布管12をマンホー
ル４からタンク１の内部に挿入し、夫々の散布管５，12
に洗浄水供給ホース８，洗浄液供給ホース16を接続し、
その後、ポンプ11，ヒーター17，ポンプ18を駆動する
と、洗浄水散布管５のノズル６から洗浄水がタンク１の
周壁１ａに向かって噴射され、同時に洗浄液散布管12の
ノズル14から洗浄液がタンク１の周壁１ａ面に向かって
噴射される。

【００２６】洗浄水及び洗浄液の噴射と同時にドラム10
を駆動して洗浄水供給ホース８を巻き上げると、洗浄水
散布管５及び洗浄液散布管12が上昇しつつ回転する。こ
の上昇過程でタンク１の周壁１ａには全面にわたって洗
浄水及び加熱された洗浄液が吹き付けられ洗浄作業が行
われる。

【００２７】洗浄水散布管５及び洗浄液散布管12がタン
ク１の天井１ｂに到達した後、ヒーター17，ポンプ18を
停止させポンプ11のみを駆動すると共にドラム10を駆動
し洗浄液供給ホース８を繰り出すと、洗浄水散布管５の
ノズル６から高圧洗浄水が噴射されてタンク１の周壁１
ａを洗浄する。そしてこれ等の散布管５，12がタンク１
の底盤１ｃに到達したとき、タンク１に対する洗浄作業
が終了する。

【００２８】本発明者の実験では一体化させた洗浄水散
布管５及び洗浄液散布管12を単に洗浄水供給ホース８に
よって吊り下げるのみでタンク１内を昇降させても、こ
れ等の散布管５，12がバランスを崩すことは無かった。
然し、内径の大きいタンク１に適用した場合に、散布管
５，12がバランスを崩して垂直面内で揺れが発生するこ
とは皆無とはいえない。

【００２９】上記の如く、一体化された各散布管５，12
がバランスを崩す虞のある場合には図３に示すように、
タンク１の底盤１ｃの中央にローラー21ａを固定すると
共に周壁１ａに形成された孔22の近傍にローラー21ｂを
設け、更にタンク１の周壁１ａの最高部にローラー21ｃ
を設け、これ等のローラー21ａ〜21ｃにワイヤ23を巻き
掛けて該ワイヤ23の一端を洗浄液散布管12に設けたティ
ー12ａに接続すると共に他端にバランスウエイト24を取
り付けることで、各散布管５，12のバランスを保持する
ことが可能である。

【００３０】尚、図３に示す洗浄液散布管12は該散布管
12に所定の間隔で複数のノズル14を取り付けて構成され
ており、主としてタンク１の天井１ｂ及び底盤１ｃを洗
浄することが可能なように構成されたものである。また
図に於ける25ａ，25ｂは夫々エア駆動されるリミットス
イッチであり、一体化された散布管５，12の上昇限及び
下降限を検出し得るように構成されている。

【００３１】上記構成に於いて、洗浄水散布管５による
洗浄水の噴射、及び洗浄液散布管12による洗浄液の噴射
は必ずしも同時である必要はなく、一体化された散布管
５，12を昇降させつつ、洗浄水のみによる予備洗浄、洗
浄液のみを噴射する洗浄作業、洗浄水による後洗浄、の
ようにタンク１に対する洗浄を段階的に行うことも可能
である。

【００３２】またタンク１に収容されていた薬品によっ
ては、洗浄水散布管５から洗浄水蒸気を噴射して洗浄す
るのが好ましい場合がある。このような場合には、洗浄
水供給ホース８を図示しない蒸気発生装置と接続するこ
とによって、ノズル６から水蒸気を噴射することが可能
である。

【００３３】

【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明に係る
洗浄装置では、洗浄すべきタンクの内部に作業員が入っ
て洗浄する必要がない。このため、作業員を劣悪な作業
環境から解放することが出来る。

【００３４】また高圧洗浄水或いは水蒸気を用いてタン
クを洗浄することが可能となり、且つ洗浄液の性質によ
ってはヒーターによって加熱して使用することが可能と
なる。このため、洗浄液による洗浄効率及び洗浄水或い
は水蒸気による予備洗浄，後洗浄等の効率を向上させる
ことが出来る等の特徴を有するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】洗浄装置の構成を説明する図である。

【図２】タンク内に配置された散布管の配置を説明する
図である。

【図３】他の実施例に係る洗浄装置の構成を説明する図
である。

【符号の説明】

１ タンク １ａ 周壁 １ｂ 天井 ３，22 孔 ４ マンホール ５ 洗浄水散布管 ５ａ ユニオン継手 ５ｂ，12ｂ ティー ６ ノズル ７，15 スイベルジョンイト ８ 洗浄水供給ホース ９ａ，９ｂ， ガイドローラー 10 ドラム 11，18 ポンプ 12 洗浄液散布管 13 固定部材 14 ノズル 16 洗浄液供給ホース 17 ヒーター 19 容器 21ａ〜21ｃ ローラー 23 ワイヤ 24 バランスウエイト 25ａ，25ｂ リミットスイッチ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 タンクの内壁を洗浄する洗浄装置であっ
   て、タンクの内径に応じた長さを有し且つ所定位置に洗
   浄水又は洗浄水蒸気を噴射する複数のノズルを取り付け
   た洗浄水散布管と、前記洗浄水散布管に対し一体的に取
   り付けられ所定位置に洗浄液を噴射する複数のノズルを
   取り付けた洗浄液散布管と、一端が前記洗浄水散布管と
   接続されると共にタンクの天井を通って配置され他端が
   ポンプ又は蒸気発生装置と接続された洗浄水供給ホース
   と、前記洗浄水供給ホースを巻付けると共に洗浄作業の
   進行に応じて該ホースを巻き上げ又は繰り出すドラム
   と、一端が前記洗浄液散布管と接続されると共に他端が
   ポンプを介して洗浄液を収容した容器に接続された洗浄
   液供給ホースと、を有することを特徴としたタンクの洗
   浄装置。
2. 【請求項２】 洗浄液の供給経路に供給される洗浄液を
   加熱するヒーターを設けたことを特徴とした請求項１記
   載のタンクの洗浄装置。