JPH06216717A - 適応ディジタルフィルタ - Google Patents

適応ディジタルフィルタ

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JPH06216717A
JPH06216717A JP673093A JP673093A JPH06216717A JP H06216717 A JPH06216717 A JP H06216717A JP 673093 A JP673093 A JP 673093A JP 673093 A JP673093 A JP 673093A JP H06216717 A JPH06216717 A JP H06216717A
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JP
Japan
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input signal
signal
coefficient
autocorrelation
correlation
Prior art date
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Pending
Application number
JP673093A
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English (en)
Inventor
Shinichi Kawada
眞一 川田
Munehisa Taira
宗久 平
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 単位遅延素子を追加することなく、学習同定
法と同程度の回路規模で係数の修正ベクトルを直交化し
た適応ディジタルフィルタを提供する。 【構成】 単位遅延素子5−1〜5−N,乗算器6−0
〜6−Nおよび累積器7からなるディジタルフィルタの
入力側に、入力信号の平均的な自己相関係数を用いて入
力信号x(n)から自己相関成分を除去する演算ブロッ
ク12を設け、出力側に前記自己相関係数を用いて出力
信号v(n)に自己相関成分を付加する演算ブロック1
3とを設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はエコーキャンセラ、ノイ
ズキャンセラ、あるいは等化器などに用いられる適応デ
ィジタルフィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2は従来の適応ディジタルフィルタを
用いたエコーキャンセラの一例を示すブロック図であ
る。
【0003】図2において、1,4は入力端子、2,3
は出力端子、8は加算器である。5−1,5−2,…,
5−Nは単位遅延素子、6−0,6−1,…,6−Nは
それぞれ係数h0 (n),h1 (n),…,hN (n)を
入力信号に乗算する乗算器、7は累積器であってこれら
により適応ディジタルフィルタを構成している。
【0004】入力端子1から入力された音声などの入力
信号x(n)はそのまま出力端子3から出力されると共
に単位遅延素子5−1にも入力され、単位遅延素子5−
2,5−3,…,5−Nを順次通過していく。入力信号
x(n)および各単位遅延素子5−1,5−2,…,5
−Nから出力された信号x(n−1),x(n−2),
…,x(n−N)はそれぞれ乗算器6−0,6−1,
…,6−Nに入力され、係数h0 (n),h1 (n),
…,hN (n)で重み付けがなされて累積器7で累積さ
れる。累積器7で累積された擬似エコー信号y(n)は
【0005】
【数1】
【0006】と定義すると y(n)=HT (n)・X(n) となる。但し、上付き添字Tは転置を表わす。
【0007】累積器7の出力y(n)とエコー信号s
(n)は加算器8に入力され、誤差信号e(n)が求め
られる。この誤差信号e(n)は e(n)=s(n)−y(n) で表わされる。
【0008】エコーキャンセラでは、上記の誤差信号e
(n)が0に近づくように係数ベクトルH(n)を制御
することによりエコー信号s(n)をキャンセルするも
のである。
【0009】ところで、この係数ベクトルH(n)を制
御するアルゴリズムとして、学習同定法が広く用いられ
ている。この学習同定法によるアルゴリズムは、係数ベ
クトルH(n)を
【0010】
【数2】
【0011】という形で逐次修正・制御するものであ
る。
【0012】しかし、この学習同定方法は入力信号x
(n)が白色雑音などのランダムな信号に対しては係数
ベクトルH(n)の収束速度が速いが、音声のような自
己相関係数の絶対値が1に近い信号に対しては係数ベク
トルH(n)の収束速度が大幅に低下し、収束に長時間
を要するという問題があった。
【0013】この問題を解決する方法の一つとして、係
数ベクトルH(n)の修正ベクトルを直交化する方法が
知られている(例えば電子情報通信学会論文誌A Vo
l.573−A No.1(1990−1)PP.44
−50)。この直交化する方法には更に20の方法があ
り、第1の方法は係数ベクトルH(n)を以下のように
修正するものである。
【0014】
【数3】
【0015】ここでρ(n)は入力信号ベクトルX
(n)の1次の自己相関係数であり、Z(n)はX
(n)より1次の自己相関成分を除去してランダム性を
強めた信号ベクトルである。このZ(n)を係数ベクト
ルH(n)の修正に用いることにより、H(n)の収束
速度の低下を防止することができる。
【0016】図3は上述の直交化方法を採用した従来の
エコーキャンセラの一例を示すブロック図である。この
エコーキャンセラは図2に示すエコーキャンセラに演算
ブロック10、加算器11および単位遅延素子9−1,
9−2,…,9−Nを加えて前記Z(n)を生成するも
のであり、図2と同一な構成および機能を有するブロッ
ク、端子には同一の番号を付してある。以下、図2と異
なる構成部分について説明する。
【0017】演算ブロック10は入力端子1からの入力
信号x(n)と単位遅延素子5−1の出力x(n−1)
を用いて
【0018】
【数4】
【0019】と計算している。加算器11は演算ブロッ
ク10で計算されたVと入力信号x(n)を用いて
【0020】
【数5】
【0021】を計算している。加算器11で計算された
z(n)は単位遅延素子9−1,9−2,…,9−Nを
順次通過し、各単位遅延素子からはそれぞれ信号z(n
−1),z(n−2),…,z(n−N)が出力され
る。
【0022】
【数6】
【0023】という形で逐次修正・制御される。
【0024】図2の場合と同様に、累積器7の出力は y(n)=HT (n)・X(n) となり、加算器8にエコー信号s(n)と共に入力され
るので、加算器8の出力側に現われる誤差信号e(n)
は e(n)=s(n)−y(n)=s(n)−HT (n)・X(n) となる。この誤差信号e(n)が0に近づくように前記
係数ベクトルH(n)を修正・制御し、エコーをキャン
セルするものである。
【0025】以上、係数ベクトルH(n)の修正ベクト
ルを直交化する第1の方法について説明したが、第2の
方法として以下のものがある。すなわち、
【0026】
【数7】
【0027】の形で係数ベクトルH(n)を修正するも
のである。ここで、ψ(n)は入力信号ベクトルX
(n)とZ(n−1)との1次の相関係数であり、Z
(n)はX(n)より1次の相関成分ψ(n)・Z(n
−1)を除去してランダム性を強めている。
【0028】図4は上述の直交化方法を採用した従来の
エコーキャンセラの一例を示すブロック図である。この
エコーキャンセラは図2に示すエコーキャンセラに演算
ブロック10、加算器11および単位遅延素子9−1,
9−2,…,9−Nを加え、前記Z(n)を生成するも
のであり、図2と同一な構成および機能を有するブロッ
ク、端子には同一の番号を付してある。以下、図2と異
なる構成部分について説明する。
【0029】演算ブロック10は入力端子1からの入力
信号x(n)と単位遅延素子9−1からの出力z(n−
1)を用いて
【0030】
【数8】
【0031】を計算している。加算器11は演算ブロッ
ク10で計算されたVと入力信号x(n)を用いて
【0032】
【数9】
【0033】を計算している。加算器11で計算された
z(n)は単位遅延素子9−1,9−2,…,9−Nを
順次通過し、各単位遅延素子からはそれぞれ信号z(n
−1),z(n−2),…,z(n−N)が出力され
る。
【0034】
【数10】
【0035】という形で逐次修正・制御される。
【0036】図2の場合と同様に、累積器7から出力さ
れる擬似エコー信号y(n)は y(n)=HT (n)・X(n) となり、加算器8にエコー信号s(n)と共に入力され
るので、加算器8の出力側に現われる誤差信号e(n)
は e(n)=s(n)−y(n)=s(n)−HT (n)・X(n) となる。この誤差信号e(n)が0に近づくように前記
係数ベクトルH(n)を修正・制御し、エコーをキャン
セルするものである。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
係数ベクトルを修正するベクトルを直交化する第1の方
法、第2の方法はいずれも入力信号を順次遅らせ、格納
するための多数の単位遅延素子の他に、入力信号から相
関成分を除去した信号を順次遅らせ、格納するための同
数の単位遅延素子が必要になるという欠点があった。
【0038】本発明は、以上述べたように、係数ベクト
ルを修正するベクトルを直交化する方法が、学習同定法
に比べて2倍もの単位遅延素子を必要とするという欠点
を除去し、学習同定法と同程度の回路規模で、係数の修
正ベクトルを直交化して、収束時間を短縮する適応ディ
ジタルフィルタを提供することを目的とする。
【0039】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため、入力信号の平均的な自己相関係数、または入
力信号との相関、成分を入力信号から除去した信号と、
入力信号との平均的な相関係数を用いて入力信号から自
己相関成分、または相関成分を除去する除去手段と、前
記自己相関係数または相関係数を用いて出力信号に自己
相関成分または相関成分を付加する付加手段とを設けた
ものである。
【0040】また、本発明は目標信号と、入力信号から
生成した擬似目標信号との差である誤差信号が小さくな
るように係数を制御する適応ディジタルフィルタにおい
て、前記自己相関係数または相関係数を用いて前記目標
信号から自己相関成分または相関成分を除去する第1の
除去手段と、前記自己相関係数または相関係数を用いて
前記入力信号から自己相関成分または相関成分を除去す
る第2の除去手段と、前記自己相関係数または相関係数
を用いて前記誤差信号に自己相関成分または相関成分を
付加する付加手段とを設けたものである。
【0041】また、本発明は入力信号を用いて前記自己
相関係数または相関係数を算出し、前記除去手段および
付加手段の自己相関係数または相関係数を強制的に更新
する手段を前記各発明に設けたものである。
【0042】
【作用】入力信号から自己相関成分または相関成分を除
去した信号で係数の更新を行ない複数の収束時間を短縮
している。
【0043】
【実施例】図1は本発明の第1の実施例を示すブロック
図であって、図2に示すエコーキャンセラに演算ブロッ
ク12と演算ブロック13を設けたものである。なお、
図1において、図2に示すものと同一の機能および構成
を有するものは同一の番号を付してある。
【0044】以下、本実施例の動作について説明する。
【0045】入力端子1から入力された入力信号x
(n)は出力端子3から出力されると共に演算ブロック
12に入力される。演算ブロック12は入力信号x
(n)を用いて Z(n)=X(n)−α・X(n−1) の演算を行なう。演算ブロック12の出力Z(n)は単
位遅延素子5−1、5−2,…,5−Nを通過し、乗算
器6−0,6−1,…,6−Nにより係数h0 ,h1
…,hN が乗算され、累積器7で累積されて信号v
(n)として演算ブロック13に入力される。演算ブロ
ック13は y(n)=v(n)+α・y(n−1) の演算を行ない、擬似エコー信号y(n)を生成する。
入力端子4から入力されたエコー信号s(n)は加算器
8で擬似エコー信号y(n)によりキャンセルされる。
【0046】本実施例における適応アルゴリズムは次の
通りであり図示しない制御部により実行される。
【0047】
【数11】
【0048】上記の適応アルゴリズムから分かるよう
に、本実施例では入力信号X(n)からその自己相関成
分を除去した信号Z(n)を生成し、この信号Z(n)
を係数ベクトルの更新にのみ用いるのではなく、擬似エ
コー信号y(n)の演算にも用いている。
【0049】今、X(n),Z(n),v(n),y
(n)およびH(n)のZ変換をそれぞれX′(z),
Z′(z),V(z),Y(z)およびH′(z)とす
ると
【0050】
【数12】
【0051】となる。従って、演算ブロック13から出
力される擬似エコー信号y(n)は図2により説明した
学習同定法による場合の擬似エコー信号と同じになる。
但し、自己相関係数αは単位遅延素子の出力ベクトルZ
(n)に対して同一でなければならないので、入力信号
の自己相関係数の平均的な値(一定)にする必要があ
る。
【0052】以上説明したように本実施例によれば、図
2に示す従来のエコーキャンセラーに演算ブロック12
と演算ブロック13を設けるだけで係数ベクトルの修正
ベクトルを直交化することが可能になる。
【0053】図5は本発明の第2の実施例を示すブロッ
ク図であって、図1に示す第1の実施例に電力検出器1
4、演算ブロック15および遅延素子16を設けたもの
である。なお、図5において、図1に示すものと同一の
機能および構成を有するものは同一の番号を付してあ
る。
【0054】以下、本実施例の動作について説明する。
【0055】入力端子1から入力された入力信号x
(n)は、遅延素子16でkサンプル(kは任意の整
数)遅延され、出力端子3から出力されると共に演算ブ
ロック12に入力される。以後、第1の実施例の場合と
同様にして擬似エコー信号y(n)が生成される。
【0056】一方、電力検出器14は入力端子1から入
力された入力信号x(n)の電力レベルを監視し、その
電力レベルが継続して所定のしきい値Lc 以下になった
時間を計数する。演算ブロック15は入力信号x(n)
が入力されるごとにkサンプルの入力信号x(n)につ
いてその自己相関係数ρk を計算する。ここで自己相関
係数ρk
【0057】
【数13】
【0058】で表わされる。遅延素子16はkサンプル
の遅延素子であり、その出力x(m)は x(m)=x(n−k) で表わされ、ρk の計算にkサンプルの入力信号x
(n)を使用していることを考慮したものである。
【0059】本実施例では、電力検出器14で計数した
前記時間(サンプル数)がタップ数Nより長くなった場
合、すなわち入力信号x(n)の電力レベルがタップ数
Nより長い時間に亘って所定のしきい値Lc 以下になっ
た場合に、次に入力電力x(n)の電力がしきい値Lc
以上になったとき、その時点からkサンプル後に、演算
ブロック15が計算したkサンプルについての自己相関
係数ρk で演算ブロック12と演算ブロック13の自己
相関係数αを強制的に更新している。
【0060】従って、本実施例によれば入力信号の自己
相関係数を実際に入力される入力信号を用いて計算して
いるので、入力信号から自己相関成分をより正確に除去
することができる。
【0061】なお、演算ブロック12、演算ブロック1
3で使用する自己相関係数を更新したとき、更新後Nサ
ンプルの間は、単位遅延素子5−1〜5−Nから出力さ
れる信号は異なる自己相関係数を用いて計算されたもの
になるので、生成した擬似エコー信号y(n)も不正確
なものになり、エコーキャンセルも十分ではなくなると
も考えられる。しかし、単位遅延素子5−1〜5−Nの
信号レベルが低く、雑音とみなせる場合には自己相関係
数を更新しても影響はないので、実用上は問題はない。
本実施例では、入力信号の電力レベルがタップ数Nより
も長時間に亘って雑音レベルとみなせる場合に、次に入
力信号の電力レベルが有意になった時点でその自己相関
係数を計測し、自己相関成分の除去回路(演算ブロック
12)および付加回路(演算ブロック13)の自己相関
係数を更新している。
【0062】図6は本発明の第3の実施例を示すブロッ
ク図であって、図1に示す入力端子4と加算器8の間に
演算ブロック12と同一の機能および構成を有する演算
ブロック17を接続し、演算ブロック13を加算器8と
出力端子2の間に移動したものと同様の構成になってい
る。なお、図6において、図1に示すものと同一の機能
および構成を有するものは同一の番号を付してある。
【0063】次に本実施例の動作について説明する。
【0064】演算ブロック12は、入力端子1から入力
された入力信号x(n)からその自己相関成分を除去し
た信号Z(n)を生成して出力する。この信号Z(n)
は単位遅延素子5−1,5−2,…,5−Nを通過し、
乗算器6−0,6−1,…,6−Nにより係数h0 ,h
1 ,…、hN が乗算され、累積器7で累積され、信号v
(n)として加算器8に入力される。
【0065】一方、演算ブロック17は入力端子4から
入力されたエコー信号s(n)から自己相関成分を除去
した信号t(n)を生成して加算器8に出力する。加算
器8は信号t(n)と信号v(n)の差である信号d
(n)を生成して、演算ブロック13に出力する。演算
ブロック13は信号d(n)に自己相関成分を付加して
信号e(n)を生成し、出力端子2に出力する。本実施
例の適応アルゴリズムは以下の通りである。
【0066】
【数14】
【0067】このアルゴリズムは第1の実施例における
アルゴリズムと異なり、入力信号x(n)から自己相関
成分を除去すると同時に、エコー信号s(n)からも自
己相関成分を除去しており、係数の更新は、全て自己相
関成分を除去した信号で実行している。つまり、本実施
例では、エコーキャンセラ全体の動作を相関成分を除去
した信号領域で行ない、その後、相関成分を有する信号
領域に戻するものであり、自己相関成分の除去および付
加を一種の関数変換および逆変換と捉えることができ、
第1の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0068】図7は本発明の第4の実施例を示すブロッ
ク図であって、図6に示す第3の実施例に自己相関係数
を計測するための、電力検出器14、演算ブロック15
および遅延素子16を設けたものであり、図6に示すも
のと同一の機能および構成を有するものは同一の番号を
付してある。
【0069】本実施例における適応アルゴリズムは第3
の実施例の適応アルゴリズムと同様である。
【0070】また、電力検出器14、演算ブロック15
および遅延素子16を用いて入力信号の自己相関係数を
計測する方法は図5に示す第2の実施例と同様であり、
本実施例ではこの計測した自己相関係数で演算ブロック
12,13,17で使用する自己相関係数を更新してい
る。すなわち、入力信号の電力レベルがタップ数Nより
も長時間に亘って雑音レベルとみなせる場合に、次に入
力信号の電力レベルが有意になった時点でその自己相関
係数を計測し、自己相関成分の除去回路である演算ブロ
ック12,17およびその付加回路である演算ブロック
13の自己相関係数を更新し、自己相関成分の完全な除
去を図っている。
【0071】次に、本発明の第5の実施例について説明
する。
【0072】本実施例の構成は図1に示す第1の実施例
と同様であるが、適応アルゴリズムは以下のように設定
してある。
【0073】
【数15】
【0074】上記の適応アルゴリズムから分かるよう
に、本実施例では入力信号X(n)から前記相関係数β
に対応する相関成分を除去した信号Z(n)を生成し、
この信号Z(n)を係数ベクトルの更新にのみ用いるの
ではなく、擬似エコー信号y(n)の演算にも用いてい
る。
【0075】今、X(n),Z(n),v(n),y
(n)およびH(n)のZ変換をそれぞれX′(z),
Z′(z),V(z),Y(z)およびH′(z)とす
ると
【0076】
【数16】
【0077】となる。従って、演算ブロック13から出
力される擬似エコー信号y(n)は図2により説明した
学習同定法による場合の擬似エコー信号と同じになる。
但し、相関係数βは単位遅延素子の出力ベクトルZ
(n)に対して同一でなければならないので、入力信号
X(n)とZ(n−1)との相関係数の平均的な値(一
定)にする必要がある。
【0078】以上説明したように本実施例においても第
1の実施例と同様の効果を得ることができる。
【0079】次に、本発明の第6の実施例について説明
する。
【0080】本実施例は図5に示す構成と同様であり、
上述の第5の実施例に電力検出器14、演算ブロック1
5および遅延素子16を設けたものである。
【0081】本実施例における適応アルゴリズムは第5
の実施例と同様であるのでその説明を省略し、相関係数
の計測およびそれによる演算ブロック12,13の相関
係数βの更新について以下説明する。
【0082】電力検出器14は入力端子1から入力され
た入力信号x(n)の電力レベルを監視し、その電力レ
ベルが継続して所定のしきい値Lc 以下になった場合、
その時間を計数する。演算ブロック15は、入力信号x
(n)が入力されるごとにkサンプルの入力信号x
(n)を用いて相関係数ψk を次の手順により計算す
る。
【0083】すなわち、0≦j≦k−1として、j=0
で Zk (n)=x(n),ψk =0 とおく。次いで式(1)〜式(3)の計算をj=k−1
に至るまで順次繰り返しながら実行し、相関係数ψk
求める。
【0084】 Zk (n)=x(n)−ψk ・Zk (n−1) …(1) ψk =Zk (n−1)・x(n)/Zk 2 (n−1) …(2) j=j+1 …(3) 遅延素子16はkサンプルの遅延素子であり、その出力
x(m)は x(m)=x(m−k) となる。
【0085】以上説明したように本実施例では、電力検
出器14で計数した時間(サンプル数)がタップ数Nよ
り長くなった場合、すなわち入力信号x(n)の電力レ
ベルがタップ数Nより長い時間に亘って所定のしきい値
c 以下になった場合に、次に入力電力x(n)の電力
がしきい値Lc 以上になったとき、その時点からkサン
プル後に、演算ブロック15が計算したkサンプルにつ
いての相関計数ψk で演算ブロック12と演算ブロック
13の相関計数βを更新している。
【0086】従って、演算ブロック12は入力信号から
相関成分をより正確に除去することが可能になり、ラン
ダム性を強めることができる。
【0087】なお、相関計数を更新したとき、更新後N
サンプルの間は単位遅延素子5−1〜5−Nの信号は異
なる相関係数で計算されることになるため、擬似エコー
信号も正確なものではなくなるが、単位遅延素子5−1
〜5−Nの信号レベルが低く、雑音とみなせる場合には
問題がないことは前述の通りである。
【0088】次に、本発明の第7の実施例について説明
する。
【0089】本実施例の構成は図6に示す第3の実施例
と同様であるが、適応アルゴリズムは以下のように設定
してある。
【0090】
【数17】
【0091】このアルゴリズムは第5の実施例における
アルゴリズムと異なり、入力信号x(n)から相関成分
を除去すると同時に、エコー信号s(n)からも相関成
分を除去しており、係数の更新は全て相関成分を除去し
た信号で実行している。つまり、本実施例では、エコー
キャンセラ全体の動作を相関成分を除去した信号領域で
行ない、その後、相関成分を有する信号領域に戻するも
のであり、相関成分の除去および付加を一種の関数変換
および逆変換と捉えることができる。
【0092】次に、本発明の第8の実施例について説明
する。
【0093】本実施例は図7に示す構成と同様であり、
上述の第7の実施例に電力検出器14、演算ブロック1
5および遅延素子16を設けたものである。
【0094】本実施例における適応アルゴリズムは上述
の第7の実施例と同様であり、また、電力検出器14、
演算ブロック15および遅延素子16を用いて相関係数
ψkを計測し、演算ブロック12,13,17の相関係
数を更新することは上述の第6の実施例と同様である。
【0095】従って、演算ブロック12,17において
入力信号、エコー信号から相関成分をより正確に除去す
ることが可能となる。
【0096】なお、以上説明した各実施例では学習同定
法を用いた場合について説明したが、これに限定されな
いことは勿論である。
【0097】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明によ
れば、入力信号からその自己相関成分、または、入力信
号との相関成分を除去した信号で、係数の更新および擬
似エコーの算出を行っているので、従来の学習同定法に
比べて特に単位遅延素子を増加させることなく係数ベク
トルの修正ベクトルを直交化して、その収束時間を短縮
することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すブロック図であ
る。
【図2】従来のエコーキャンセラ(1)を示すブロック
図である。
【図3】従来のエコーキャンセラ(2)を示すブロック
図である。
【図4】従来のエコーキャンセラ(3)を示すブロック
図である。
【図5】本発明の第2の実施例を示すブロック図であ
る。
【図6】本発明の第3の実施例を示すブロック図であ
る。
【図7】本発明の第4の実施例を示すブロック図であ
る。
【符号の説明】
5−1〜5−N 単位遅延素子 6−0〜6−N 乗算器 7 累積器 8 加算器 12,13,15,17 演算ブロック 14 電力検出器 16 遅延素子

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力信号の平均的な自己相関係数を用い
    て入力信号から自己相関成分を除去する除去手段と、 前記自己相関係数を用いて出力信号に自己相関成分を付
    加する付加手段とを設けたことを特徴とする適応ディジ
    タルフィルタ。
  2. 【請求項2】 入力信号の電力を監視する監視手段と、 前記入力信号の自己相関係数を算出する算出手段と、 入力信号の電力がタップ長より長時間に亘って一定レベ
    ル以下になった場合に、次に入力信号の電力が一定レベ
    ル以上になったとき前記算出手段により算出した自己相
    関係数で前記除去手段および付加手段の自己相関係数を
    強制的に更新する手段とを設けたことを特徴とする請求
    項1記載の適応ディジタルフィルタ。
  3. 【請求項3】 目標信号と、入力信号から生成した擬似
    目標信号との差である誤差信号が小さくなるように、係
    数を制御する適応ディジタルフィルタにおいて、 入力信号の平均的な自己相関係数を用いて前記目標信号
    から自己相関成分を除去する第1の除去手段と、 前記自己相関係数を用いて前記入力信号から自己相関成
    分を除去する第2の除去手段と、 前記自己相関係数を用いて前記誤差信号に自己相関成分
    を付加する付加手段とを設けたことを特徴とする適応デ
    ィジタルフィルタ。
  4. 【請求項4】 入力信号の電力を監視する監視手段と、 前記入力信号の自己相関係数を算出する算出手段と、 入力信号の電力がタップ長より長時間に亘って一定レベ
    ル以下になった場合に、次に入力信号の電力が一定レベ
    ル以上になったとき前記算出手段により算出した自己相
    関係数で前記第1の除去手段、第2の除去手段および付
    加手段の自己相関係数を強制的に更新する手段とを設け
    たことを特徴とする請求項3記載の適応ディジタルフィ
    ルタ。
  5. 【請求項5】 入力信号との相関成分を入力信号から除
    去した信号と、入力信号との平均的な相関係数を用いて
    入力信号から相関成分を除去する除去手段と、 前記相関係数を用いて出力信号に相関成分を付加する付
    加手段とを設けたことを特徴とする適応ディジタルフィ
    ルタ。
  6. 【請求項6】 入力信号の電力を監視する手段と、 前記入力信号と、入力信号との相関成分を入力信号から
    除去した信号との相関係数を算出する算出手段と、 入力信号の電力がタップ長より長時間に亘って一定レベ
    ル以下になった場合に、次に入力信号の電力が一定レベ
    ル以上になったとき前記算出手段により算出した相関係
    数で前記除去手段および付加手段の相関係数を強制的に
    更新する手段とを設けたことを特徴とする請求項5記載
    の適応ディジタルフィルタ。
  7. 【請求項7】 目標信号と、入力信号から生成した擬似
    目標信号との差である誤差信号が小さくなるように係数
    を制御する適応ディジタルフィルタにおいて、 入力信号との相関成分を入力信号から除去した信号と、
    入力信号との平均的な相関係数を用いて前記目標信号か
    ら相関成分を除去する第1の除去手段と、 前記相関係数を用いて前記入力信号から相関成分を除去
    する第2の除去手段と、 前記相関係数を用いて前記誤差信号に相関成分を付加す
    る付加手段とを設けたことを特徴とする適応ディジタル
    フィルタ。
  8. 【請求項8】 入力信号の電力を監視する手段と、 前記入力信号と、入力信号との相関成分を入力信号から
    除去した信号との相関係数を算出する算出手段と、 入力信号の電力がタップ長より長時間に亘って一定レベ
    ル以下になった場合に、次に入力信号の電力が一定レベ
    ル以上になったとき前記算出手段により算出した相関係
    数で前記第1の除去手段、第2の除去手段および付加手
    段の相関係数を強制的に更新する手段とを設けたことを
    特徴とする請求項7記載の適応ディジタルフィルタ。
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