JPH062158Y2 - プラスチックパネル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、電子式複写機、その他の各種電子機器等のハ
ウジングや家具等を構成する中空二重壁構造のプラスチ
ックパネルに関するものである。

［従来の技術］ 従来、電子式複写機等においては、そのハウジング扉の
裏側に取扱説明書等を収納しておくためのポケット部が
設けられており、このポケット部は、ポケット部の受部
を形成する形状の板部材をハウジング扉の後面にネジに
よって固着して構成されていた。

［考案が解決しようとする課題］ ところで、従来の電子式複写機等のハウジング扉は、金
属製かプラスチック製であるが、その金属製あるいはプ
ラスチック製の扉は単壁構造であるから、扉の後面にポ
ケット部の受部を形成する板部材をタッピングネジを用
いて固着すると、そのネジの螺入による歪痕が前面側に
生じたり、タッピングネジの先端が現れたりして、ハウ
ジング扉の外観が損なわれるばかりでなく、逆に板厚を
厚くしてタッピングネジの先端が現れないようにする
と、パネルの重量がきわめて大きくなるという問題があ
った。

本考案は、このような従来の問題点に鑑み、パネルを中
空二重壁構造としてその軽量化を図り、ポケット部の両
側面および底面を突隆部として長さの十分なタッピング
ネジを用いて、ポケット部の前面壁をなす板体を強固に
固着することができ、堅牢なポケット部を構成すると共
に、ポケット部を構成してもパネルの表面外観を全く損
なうことがないプラスチックパネルを提供することを目
的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、上記目的を達成するための技術的手段として
次のとおり構成した。

すなわち、その構成は、前面壁と後面壁を備えるプラス
チックの中空体より構成された板状体からなるプラスチ
ックパネルであって、後面壁の一部にはポケット部の両
側面壁および底面壁となる突隆部を形成し、上記突隆部
の突隆端にはポケット部の前面壁を構成する板体を固着
して後面壁側にポケット部を形成したことを特徴とする
プラスチックパネルとしたものである。

［作用］ 本考案に係るプラスチックパネルは、前記のように、後
面壁の一部にポケット部の両側面壁および底面壁となる
突隆部が形成されており、ポケット部の前面壁を構成す
る板体は突隆部の突隆端に固着されるので、その固着に
十分な長さのタッピングネジを用いて強度に固着して
も、タッピングネジの先端部は中空部内に収まり、パネ
ルの前面側にはその螺入歪痕が全く現れない。

また、ポケット部は、その両側面および底面が中空二重
壁構造に構成されるので、ポケット部の剛性が高く、そ
の強度が大となる。

［実施例］ 本考案の一実施例を図面について説明する。

第１図には電子式複写機１が例示されている。２はその
ハウジング扉であり、このハウジング扉２は本考案に係
るプラスチックパネルで構成されている。３は把手であ
る。

上記ハウジング扉２は、第２図および第３図に示すよう
に、前面壁４と後面壁５を備えるプラスチックの中空体
により構成された板状体からなるものであり、軸支側端
縁および下部端縁には後方に屈曲する縁壁６が形成され
ている。7,7は蝶番、8,8は開閉側のマグネット係止具で
ある。なお、前面壁４と後面壁５間には、多数の補強リ
ブ９が形成されている。

上記後面壁５の一部には、ポケット部の両側面壁および
底面壁となる突隆部10が形成されており、この突隆部10
の突隆端には平坦部11および段部12が形成されている。
そして、その段部12にはポケット部の前面壁を構成する
板体13が嵌め込まれ、平坦部11に多数のタッピングネジ
14で固着されて、後面壁５側にポケット部15が構成され
ている。このポケット部15は、取扱説明書等を差し込ん
で保管するためのものである。

なお、上記ポケット部15を構成する突隆部10は、ポケッ
ト部15の両側面壁および底面壁をなすように後面壁５の
一部に形成されていれば、その形状および位置は任意で
あり、例えば縁壁６に一部を兼ねさせてもよい。また、
突隆部10の突隆端は段部12のない平坦部11であってもよ
い。

プラスチックパネル１は熱可塑性プラスチックをブロー
成形して構成されるが、その熱可塑性プラスチック材料
としては、スチレン変性ポリフェニレンオキサイド、AB
S樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリブチレン
テレフタート、ポリプロピレン、ポリエチレン等が用い
られる。

以上のように構成されたハウジング扉２においては、ポ
ケット部15の前面壁を構成する板体13が突隆部10の突隆
端にタッピングネジ14で固着されるが、このタッピング
ネジ14は十分な長さのものを用いても、先端部が中空部
内に収まり、ハウジング扉２の前面壁４側にはその螺入
歪痕が全く現れない。

また、ポケット部15は、その両側面および底面が中空二
重壁構造に構成されるので、前面壁を構成する板体13が
強度に固着されることと相俟って、ポケット部15の全体
の剛性が高くなり、その強度が大となる。

本考案に係るプラスチックパネルは、前記電子式複写機
のほか、デジタル交換機、オフィスコンピユーター、現
像機、さらに、パーティション、ＯＡデスクなどの表面
外観に美観が要求されるハウジングパネルや家具等を構
成する部材として広く用いられるものである。

［考案の効果］ 本考案は、前記のように、前面壁と後面壁を備えるプラ
スチックの中空体より構成された板状体からなるプラス
チックパネルであって、後面壁の一部にはポケット部の
両側面壁および底面壁となる突隆部を形成し、上記突隆
部の突隆端にはポケット部の前面壁を構成する板体を固
着して後面壁側にポケット部を形成したものであるか
ら、パネルを中空二重壁構造としてその軽量化を図り、
ポケット部の両側面および底面を突隆部として長さの十
分なタッピングネジを用いて、ポケット部の前面壁をな
す板体を強固に固着することができ、堅牢なポケット部
を構成すると共に、ポケット部を構成してもパネルの表
面外観を全く損なうことがないプラスチックパネルを得
ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るプラスチックパネルをハウジング
扉として用いた電子式複写機の全体斜視図、第２図はそ
のハウジング扉の裏側から見た状態を示す斜視図、第３
図は第１図におけるＡ−Ａ線拡大断面図である。 １…電子式複写機、２…そのハウジング扉、４…前面
壁、５…後面壁、６…縁壁、９…補強リブ、10…突隆
部、11…平坦部、12…段部、13…板体、14…タッピング
ネジ、15…ポケット部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】前面壁と後面壁を備えるプラスチックの中
   空体より構成された板状体からなるプラスチックパネル
   であって、後面壁の一部にはポケット部の両側面壁およ
   び底面壁となる突隆部を形成し、上記突隆部の突隆端に
   はポケット部の前面壁を構成する板体を固着して後面壁
   側にポケット部を形成したことを特徴とするプラスチッ
   クパネル。