JPH0621503B2 - 断熱防水工法 - Google Patents

断熱防水工法

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JPH0621503B2
JPH0621503B2 JP1117354A JP11735489A JPH0621503B2 JP H0621503 B2 JPH0621503 B2 JP H0621503B2 JP 1117354 A JP1117354 A JP 1117354A JP 11735489 A JP11735489 A JP 11735489A JP H0621503 B2 JPH0621503 B2 JP H0621503B2
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淳吉 相臺
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、建造物などの防水施工において、硬質発泡ウ
レタン樹脂断熱板の上にトーチ式防水工法で厚手のアス
ファルトルーフィングを貼着する場合、不燃性あるいは
難燃性孔あきシートを間に置いて、孔あきシートの孔を
介して断熱板とアスファルト−フィングを部分貼着する
断熱防水工法に関する。
(従来の技術) 従来、建造物の屋上などの下地面には、雨水の浸入を防
ぐため、アスファルトルーフィングなどによって防水層
を設けるのが通常である。また最近でま、屋根・外壁な
どに断熱材を施工し、屋内の保温・保冷を図ることが一
般化している。
この断熱材としては、各種有機質または無機質の発泡板
あるいは繊維板が実用化している。このうち、硬質発泡
ウレタン樹脂(イソシアヌレート樹脂を含む、以下同
じ)断熱板、発泡フェノール樹脂断熱板、発泡塩化ビニ
ル樹脂断熱板などの発泡プラスチック断熱板は、断熱性
能が優れていること、耐熱性が高く熱により溶融しにく
く、しかも比較的安価であるので、現在比較的高温度条
件下に施工する断熱防水の用途に好適な材料として認め
られている。なお、硬質発泡ウレタン樹脂断熱板は通常
樹脂加工したガラス繊維不織布などの面材を該断熱板の
両面に付けたものが使用されている。
しかしながら、硬質発泡ウレタン樹脂断熱板などは300
℃程度の温度は溶融したり、炭化したり、着火すること
はないが、トーチ式防水工法で厚手のアスファルトルー
フィングを断熱板の上に貼着する場合、大きな困難に直
面する。その理由はトーチ式防水工法で用いるトーチバ
ーナーの火炎の温度が800 ℃を越えるため、硬質発泡ウ
レタン樹脂断熱板などの上に直接かつ広範囲に火炎が触
れると、断熱板が溶融したり、炭化したり、ついには着
火したりするという問題があるからである。
この問題を解決するために、現在、硬質発泡ウレタン樹
脂断熱板などの上にはトーチバーナーの火炎があたらな
いようにし、断熱板に貼着させる上層のアスファルトル
ーフィング裏面のみに火炎をあてて、裏面のアスファル
トを溶融させて断熱板に貼着させている。この場合、ア
スファルトルーフィング裏面全体のアスファルトを溶融
させて施工することは困難なので、裏面のアスファルト
をトーチバーナーの火炎で部分的に溶融し、断熱板とア
スファルトルーフィングの貼着は部分貼着工法をとるこ
とが通常である。また、部分貼着工法は断熱板と防水層
の間に、水蒸気やガスなどを閉じ込めてふくれを発生す
ることがないので、防水層のふくれ防止効果上推奨され
る施工方法である。
(発明が解決しようとする問題点) 従来のトーチ式防水工法で断熱板の上に厚手のアスファ
ルトルーフィングを部分貼着する場合、アスファルトル
ーフィング裏面のみにトーチバーナーの火炎をあてるこ
とはきわめて困難で、しばしば下地となる断熱板表面に
も火炎があたり、断熱板を損傷する結果となる。
本発明は、このような欠点を解消し、トーチ式防水工法
によるトーチバーナーの火炎が、断熱板に対して悪影響
を与えることがないようにすることを目的としてなされ
たものである。
(問題点を解決するための手段) 本発明は、建造物屋上のコンクリートスラブなどの下地
面に貼着した硬質発泡ウレタン樹脂断熱板上に、無機質
繊維及び有機質繊維からなる混合繊維に繊維結合剤を加
えて抄造した繊維シートの片面に、コロイダルシリカ及
び鉱物質粉末からなるスラリーを塗布して乾燥させてな
る0.3〜1.0mm厚さの不燃性あるいは難燃性シート
に、直径10〜30mm、面積比3〜10%の多数の孔を
あけて作製した孔あきシートを敷き並べ、その上面にト
ーチバーナーの火炎で厚手にアスファルトルーフィング
裏面のアスファルトを溶融し、その溶融アスファルトを
孔あきシートの孔に流入させ、該アスファルトルーフィ
ングを硬質発泡ウレタン樹脂断熱板に部分貼着すること
を特徴とするものである。
本発明に用いる孔あきシートは、全く燃えないものか、
または燃えにくいもので、火炎をあてても型くずれした
り、破断したりしないある程度の強度のあるものが求め
られ、しかも柔軟性があり下地になじみ易いものが好ま
しい。本発明の孔あきシートに用いる無機質繊維として
は、ガラス繊維アスベスト繊維があげられ、また、有機
質繊維としては、ポリエステル繊維、ビニロン繊維があ
げられる。また、繊維結合剤としては、ポリビニルアル
コール、アクリル樹脂などをあげることができる。これ
らを用いて通常のルーフィング原紙を抄造する抄紙機で
シート化するものである。
前記の方法でつくられた繊維シートの片面に、コロイダ
ルシリカおよび鉱物質粉末からなるスラリーを塗布する
が、これに用いるコロイダルシリカは、たとえばアデラ
イトAT−40(旭電化(株)製)で固形分が40%のものが
あり、鉱物質粉末としては、タルク、珪砂などがあげら
れる。
本発明の孔あきシートの厚さは0.3〜1.0mm、孔の直径は
10〜30mm、孔の面積比3〜10%の範囲内でなければなら
ない。ただし、多数の孔を規則的にあけるのが好まし
く、孔の形状は円形を標準とするが、4角形などのもの
であってもよい。孔あきシートの厚さが0.3mmより薄い
とトーチバーナーの火炎をあてた場合、孔あきシートが
型くずれしたり、破断したり、あるいは防水下地となる
硬質発泡ウレタン樹脂断熱板に火炎の熱影響が過度に伝
わって好ましくない。また、10mmより厚いとアスファル
トルーフィング裏面をトーチバーナーの火炎で溶融させ
ても、そのアスファルトが孔あきシートの孔を介して下
地の断熱板表面に充分接しないので、目的とするアスフ
ァルトルーフィングと硬質発泡ウレタン樹脂断熱板との
部分貼着が果せない。孔あきシートの孔の直径は10mm以
下では小さ過ぎて、高粘度の溶融アスファルトが充分孔
を介して硬質発泡ウレタン樹脂断熱板表面に至らず、必
要な部分貼着が得られない。また、孔の径を30mm以上と
すると、トーチバーナーの火炎が過多に硬質発泡ウレタ
ン樹脂断熱板にあたり、その火炎により断熱板が損傷す
ることが多くの実験の結果知見することができた。さら
に、孔あきシートの多数の孔の総面積は3〜10%の範囲
でなければならないことが判明した。3%以下の孔の接
着面積では、断熱板とアスファルトルーフィングの接着
力が弱く、はく離・ずれなどが発生し、また、10%以上
の孔があいているとトーチバーナーの火炎が断熱板に直
接あたる量が多過ぎて、硬質発泡ウレタン樹脂断熱板が
火炎により損傷を受ける結果となる。
(作用) 本発明の硬質発泡ウレタン樹脂断熱板の上にトーチ式防
水工法で厚手のアスファルトルーフィングを部分貼着す
る場合、断熱板の上にじかにトーチバーナーの火炎をあ
てると、その火炎により断熱板を損傷するので、建造物
屋上のコンクリートスラブなどに貼着した断熱板の上
に、不燃性あるいは難燃性孔あきシートを敷き並べる。
次いで、ロール状に巻いた厚手のアスファルトルーフィ
ングの断熱板に接する裏面のアスファルトを、ルーフィ
ング全幅にわたってトーチバーナーの火炎で溶融しなが
ら前記厚手のアスファルトルーフィングを転圧する。こ
の作業により、溶融アスファルトを孔あきシートの孔に
流入させ、厚手のアスファルトルーフィングを硬質発泡
ウレタン樹脂断熱板の表面に、孔あきシートの孔を介し
て部分貼着することになる。
(実施例) 以下に実施例を示して本発明を説明する。
まず、難燃性孔あきシートの製造法を示す。6mmの長さ
のガラス繊維100 重量部およびポリエステル繊維(6D
×10mm)60重量部の混合繊維に、繊維結合剤としてポリ
ビニルアルコールを25重量部加えて水中に分散混合して
から、長網抄紙機によりスクリーン上に湿紙層を形成
し、吸引脱水して130 ℃のドライヤーで乾燥したのち、
この乾燥繊維シートの片面にコロイダルシリカ(旭電化
(株)製、アデライトAT−40、固形分40%)およびタル
ク粉末を混合したスラリー(混合比率は重量比でコロイ
ダルシリカ固形分1に対しタルク1の割合)をスポンジ
ロールによって、前記繊維シートに対し200 重量%の量
を塗布して、さらに130 ℃のドライヤーを通過させて乾
燥し、0.5mmの厚さの均一なシートを得た。このシート
の難燃性を確認するために、JIS A 1312「建築用
薄物材料の難燃性試験方法」の加熱試験を適用し、炭化
長・残炎および残じんを測定した。その試験の結果、前
記シートは上記規格の表1に区分する防炎1級に合格す
ることが確認された。
次いで、前記シートに直径25mmの円形の孔を、面積比で
5%になるように規則的にあけて、難燃性孔あきシート
を得た。
本発明を図面に基き説明すると、第1図は本発明の施工
方法を実施する一例を図示した断面図であって、建造物
屋上のコンクリートスラブ(1)などの下地面に、接着剤
(2)を用いて硬質発泡ウレタン樹脂断熱板(3)を貼着し、
その上に前記難燃性孔あきシートを敷き並べる。次に、
ロール状に巻いてある厚手のアスファルトルーフィング
(5)の裏面のアスファルトを、ルーフィング全幅にわた
ってトーチバーナー(8)の火炎で溶接し、その溶接した
アスファルト(7)を多数の孔(6),(6)……に流入させ
て、断熱板(3)と上層のアスファルトルーフィング(5)と
を、孔あきシート(4)の孔(6)を介して部分貼着する。こ
のようにして、下地面に貼着した硬質発泡ウレタン樹脂
断熱板(3)上に、難燃性孔あきシート(4)の上層のアスフ
ァルトルーフィング(5)とをトーチ式防水工法により、
断熱防水層を施工する工法が完成する。第2図は本発明
により施工した構成を示す斜視図である。
このようにして形成した硬質発泡ウレタン樹脂断熱板の
上に、トーチ式防水工法により防水層を施工したいわゆ
る断熱防水層の一部を切り取って調べたところ、硬質発
泡ウレタン樹脂断熱板はトーチバーナー(8)の火炎によ
り何ら支障となる損傷はなく、しかも断熱板と防水層
(アスファルトルーフィング)は、この点状の部分貼着
により必要な接合力を有する接着状態であり所期の目的
を果していた。
(発明の効果) 本発明により、断熱板の上に厚手の改質アスファルトル
ーフィングをトーチ式防水工法で部分貼着する場合に、
不燃性あるいは難燃性孔あきシートを断熱板とルーフィ
ングの間に介在させることにより、断熱性能が良く、比
較的安価な発泡プラスチック断熱板である硬質発泡ウレ
タン樹脂断熱板が使用可能となり、わが国の建築業界に
大きく貢献するものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による施工状態の一例を示した断面
図、第2図は、本発明により施工した構成の一例を示し
た斜視図である。 (1)はコンクリートスラブ、(2)は接着剤、(3)は硬質発
泡ウレタン樹脂断熱板、(4)は孔あきシート、(5)は上層
のアスファルトルーフィング、(6)は孔あきシートの
孔、(7)は溶融したアスファルト、(8)はトーチバーナ
ー。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】建造物屋上のコンクリートスラブなどの下
    地面に貼着した硬質発泡ウレタン樹脂断熱板上に、無機
    質繊維及び有機質繊維からなる混合繊維に繊維結合剤を
    加えて抄造した繊維シートの片面に、コロイダルシリカ
    及び鉱物質粉末からなるスラリーを塗布して乾燥させて
    なる0.3〜1.0mm厚さの不燃性あるいは難燃性シー
    トに、直径10〜30mm、面積比3〜10%の多数の孔
    をあけて作製した孔あきシートを敷き並べ、その上面に
    トーチバーナーの火炎で厚手にアスファルトルーフィン
    グ裏面のアスファルトを溶融し、その溶融アスファルト
    を孔あきシートの孔に流入させ、該アスファルトルーフ
    ィングを硬質発泡ウレタン樹脂断熱板に部分貼着するこ
    とを特徴とする断熱防水工法。
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