JPH0621399Y2 - 自動加熱装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、たとえば市販されている麦茶などのティーパ
ックなどを利用して冷たい麦茶などを作るための電気ポ
ットなどとして好適に用いられる自動加熱装置に関す
る。

従来の技術 たとえば、ティーパックなどを用いて冷たい麦茶などを
作る場合には、たとえばガスコンロなどでやかんなどに
貯留された水を沸騰させ、この状態でティーパックをや
かん内に投入し、この後にやかんをガスコンロから降ろ
して、水道水などをやかんの側面にながらこれを冷却し
ていた。

考案が解決しようとする課題 このようにして冷たい麦茶を作る場合には、たとえば沸
騰時におけるふきこぼれなどによって、ガスコンロの炎
が消火して危険な状態となることがある。また、ティー
パックをやかん内に投入する際において、やかんの蓋を
空けるときに蒸気などによってやけどをすることなどが
ある。また、ティーパックを投入することによって、沸
騰したお湯の跳ね返りなどによってやけどをする危険も
ある。

本考案の目的は、たとえばティーパックなどを用いて麦
茶を作る際などにおいて、安全性を向上するとともに、
高度な利便性を得ることができる自動加熱装置を提供す
ることである。

課題を解決するための手段 本考案は、容器本体と容器本体に着脱自在に取付けられ
る蓋とから成る容器と、 容器本体内に貯留された液体を加熱する加熱手段と、 容器本体内の液体の温度を検出する温度検出手段と、 容器内に設けられ、物品を収納して保持する保持手段で
あって、予め定められるしきい温度を下まわる温度では
上記物品を保持し、しきい温度を上まわる温度では上記
物品を容器内に落下する、そのような保持手段とを含
み、 温度検出手段によって予め定めた温度が検出されると、
加熱手段による加熱を停止することを特徴とする自動加
熱装置である。

好ましくは、前記保持手段の一部分に、しきい温度を境
に形状が変化する形状記憶合金を用いることを特徴とす
る自動加熱装置。

また好ましくは、容器本体内に貯留された液体を冷却す
る冷却手段を設け、温度検出手段によって予め定めた温
度が検出されると、加熱手段による加熱を停止するとと
もに、冷却手段による冷却を開始することを特徴とする
自動加熱装置。

さらに好ましくは、設定時間を任意に選ぶことができる
計時手段を設け、前記冷却手段の冷却時間を任意に設定
するようにしたことを特徴とする自動加熱装置。

作用 本考案に従う自動加熱装置においては、容器本体内にた
とえば水などの液体を貯留するとともに、保持手段にた
とえばティーパックなどの物品を収納し、容器本体を加
熱手段によって加熱する。これによって容器本体内の液
体の温度が上昇し、予め定めるしきい温度を上まわる
と、前記保持手段内に収納された物品が液体中に落下す
る。保持手段に収納される物品として、たとえばティー
パックを用い、容器本体内に貯留された液体にたとえば
水を用いた場合には、加熱されたお湯の中にティーパッ
クが自動的に落下することとなり、いわゆる麦茶などを
容易に作ることができる。この後に、温度検出手段によ
って予め定められた温度、たとえば水の沸点が検出され
ると、加熱手段による加熱が停止される。

このように本考案に従えば、麦茶などを作る際におい
て、人の手を触れる必要はなく、たとえばやけどなどの
危険性が回避されるとともに、利便性が向上される。

実施例 第１図は、本考案の一実施例の電気ポット１の構成を示
す縦断面図である。電気ポット１は、水などの液体を貯
留する容器本体２と、容器本体２を支持する枠体３と、
容器本体２を密閉する蓋４とから成る容器５を含んで構
成される。容器本体２の下方側端部には、容器本体２内
に貯留された水を加熱するヒータ６が設けられ、容器本
体２の底部２ａには、貯留された水の沸点を検知するサ
ーモスタット７が備えられる。枠体３には、その底部３
ａに該電気ポット１を支持するための支持突起８が取付
けられるとともに、該電気ポット１を持ち運ぶ際に用い
られる把手９が固定されている。

容器本体２は、その上端部に設けられた係止突条２ｂを
介して枠体３の側壁３ｂに支持されて枠体３内に収納さ
れる。容器本体２の底部２ａと枠体３の底部３ａとの間
には、容器本体２を冷却するための冷却ファン１０、お
よびこれを駆動するモータ１１が配設されている。ま
た、枠体３の側壁３ｂには、前記冷却ファン１０を駆動
する時間を設定するタイマ１２が設けられており、この
タイマ１２はつまみ１２ａによってその限時時間を可変
設定することができる。

前記蓋４の容器本体２側に臨む端面には、後述されるテ
ィーパックなどの投入物１５が保持される保持手段１６
が設けられる。この保持手段１６は、大略的に略Ｌ字状
の形状を有する支持部材１７と、この支持部材１７を係
止する係止部材１８とから成る。支持部材１７の一端
は、蓋４に固定された蝶番１９によって角変位可能に支
持されている。一方、係止部材１８は、形状記憶合金か
ら成り、その一端は蓋４にビス２０によって固定されて
いる。

係止部材１８は、常温では第１図に示されるような形状
に維持されており、この状態で支持部材１７の他端を係
止している。この係止部材１８は、水の沸点近くの温度
になると、第２図に示されるように前記支持部材１７か
ら離反する方向に湾曲するような形状に保持される。こ
の状態では、支持部材１７を係止することができず、支
持部材１７によって支持されている投入物１５が容器本
体２内に落下することになる。

枠体３の底部３ａには、冷却ファン１０を駆動して容器
本体２を冷却するために外気を吸入する吸気口２１が形
成される。一方、枠体３の側壁３ｂの上端部には、前記
吸気口２１から吸引されて容器本体を冷却した空気を外
部に排出するための排気口２２が形成される。なお、こ
の排気口２２が形成される位置は、容器本体２の冷却を
促進するために、容器本体２内に貯留された水の液位よ
りも高く選ばれる。

第３図は、電気ポット１の電気的構成を示す回路図であ
る。前記ヒータ６、冷却ファン１０を駆動するモータ１
１、およびタイマ１２は、リレー２５によってオン・オ
フ制御される。前記ヒータ６およびリレー２５のリレー
コイル２６は、それぞれリレーコイル２６のａ接点２
７，２８を介して電源プラグ２９に並列に接続される。
一方、前記モータ１１およびタイマ１２は、それぞれリ
レー２５のｂ接点３０，３１を介して前記電源プラグ２
９に並列に接続される。前記サーモスタット７は、前記
ａ接点２８とリレーコイル２６との間に直ちに接続さ
れ、該電気ポット１を起動させるスタートスイッチ３２
は、前記ａ接点２８の両端子に並列に接続される。ま
た、モータ１１と電源プラグ２９の一方端子との間に
は、タイマ１２によってオン・オフ制御されるスイッチ
３３が介在される。

第４図は、動作を説明するためのタイミングチャートで
ある。ここでは、保持手段１６によって保持される投入
物１５として麦茶などのティーパックを選び、容器本体
２内に貯留される液体として水が選ばれる場合を想定す
る。また、前記サーモスタット７は、常温では導通状態
に保持されており、容器本体２内の水が沸騰すると、遮
断するような構成を有する。

時刻ｔ１において、スタートスイッチ３２が押圧される
と、サーモスタット７は導通状態にあるので、リレース
イッチ２５のリレーコイル２６が励磁される。これによ
って、リレー２５のａ接点２７，２８が導通状態とな
り、リレーコイル２６が励磁され続けるとともに、ヒー
タ６による加熱が開始される。ヒータ６の加熱が開始さ
れると、容器本体２内の水の温度が上昇し、時刻ｔ２に
おいて沸点に達すると、前記サーモスタット７が遮断状
態となり、リレーコイル２６が消磁される。

このため、リレー２５のａ接点２７，２８が遮断状態と
なるとともに、ｂ接点３０，３１が導通状態となり、ヒ
ータ６による加熱が停止される。このときスイッチ３３
は、遮断状態に保持されているので、モータ１１が起動
され、冷却ファン１０が回転駆動され、容器本体２の冷
却が開始される。また同時に、タイマ１２が起動され、
予め設定された限時時間Ｔ１の計時が開始される。

タイマ１２の計時時計Ｔ１の計時が完了した時刻ｔ３で
は、スイッチ３３がタイマ１２によって遮断制御され、
モータ１１が停止される。これによって、冷却ファン１
０による冷却動作が停止される。なお、保持手段１６の
係止部材１８は、前述したように水の沸点近くで第２図
に示されるような形状に変形するために、時刻ｔ２付近
において保持手段１６に保持された投入物（ティーパッ
ク）１５は、沸騰したお湯の中に自動的に落下されるこ
とになる。

このように本実施例の電気ポット１では、スタートスイ
ッチ３２の押圧操作を行うのみで、自動的に容器本体２
内の水を沸騰させ、この沸騰したお湯の中にティーパッ
クなどの投入物１５を落下させるとともに、予め設定し
た限時時間だけ容器本体２を冷却させることができ、冷
えた麦茶などを自動的に得ることができる。また、この
ような電気ポット１を用いることによって、操作者は沸
騰したお湯の中にティーパックなどを投入する際におけ
るやけどなどの危険から回避され、その安全性が確保さ
れる。なお、このようなティーパックによる麦茶などの
濃さは、ティーパックの投入後の時間によって決定され
るので、冷却時間を決定するタイマの限時時間を可変設
定することによって、操作者が希望する濃度に設定する
ことができる。

第５図は、本考案の他の実施例の電気ポット１ａの構成
を示す断面図である。本実施例は前述の第１実施例と類
似しており、対応する部分には同一の参照符を符する。
本実施例の電気ポット１ａは保持手段１６ａのすべてを
形状記憶合金によって構成するようにした。

第６図は保持手段１６ａの平面図であり、第７図はその
側面図である。この保持手段１６ａは、容器本体２の係
止突条２ｂに係止される係止部３０と、投入物１５を保
持する３つの支持部３１，３２，３３とから成る。各支
持部３１〜３３は、水の沸点に達すると、第７図に２点
斜線で示す形状に変形し、保持されていた投入物１５が
容器本体２内に投入される。

考案の効果 以上のように本考案に従えば、保持手段に収納される物
品として、たとえばティーパックを用い、容器本体内に
貯留された液体に水を用いた場合には、加熱されたお湯
の中にティーパックが自動的に落下することとなり、い
わゆる麦茶などを容易に作ることができる。このように
麦茶などを作る際において、人の手を触れる必要はな
く、たとえばやけどの危険性が回避されるとともに、利
便性が向上される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の電気ポット１の構成を示す
縦断面図、第２図は保持手段１６の動作例を示す断面
図、第３図は電気ポット１の電気的構成を示す回路図、
第４図は動作を説明するためのタイミングチャート、第
５図は本考案の他の実施例の電気ポット１ａの構成を示
す断面図、第６図は保持手段１６ａの平面図、第７図は
その側面図である。 １，１ａ……電気ポット、２……容器本体、３……枠
体、４……蓋、５……容器、６……ヒータ、７……サー
モスタット、１５……投入物、１６……保持手段、１７
……支持部材、１８……係止部材、２５……リレー、２
６……リレーコイル、３２……スタートスイッチ、３３
……スイッチ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】容器本体と容器本体に着脱自在に取付けら
   れる蓋とから成る容器と、 容器本体内に貯留された液体を加熱する加熱手段と、 容器本体内の液体の温度を検出する温度検出手段と、 容器内に設けられ、物品を収納して保持する保持手段で
   あって、予め定められるしきい温度を下まわる温度では
   上記物品を保持し、しきい温度を上まわる温度では上記
   物品を容器内に落下する、そのような保持手段とを含
   み、 温度検出手段によって予め定めた温度が検出されると、
   加熱手段による加熱を停止することを特徴とする自動加
   熱装置。