JPH06213116A - 自動車等における冷却水の保温容器 - Google Patents
自動車等における冷却水の保温容器Info
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- JPH06213116A JPH06213116A JP652893A JP652893A JPH06213116A JP H06213116 A JPH06213116 A JP H06213116A JP 652893 A JP652893 A JP 652893A JP 652893 A JP652893 A JP 652893A JP H06213116 A JPH06213116 A JP H06213116A
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- JP
- Japan
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- cooling water
- water
- container
- engine
- automobile
- Prior art date
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Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01P—COOLING OF MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; COOLING OF INTERNAL-COMBUSTION ENGINES
- F01P11/00—Component parts, details, or accessories not provided for in, or of interest apart from, groups F01P1/00 - F01P9/00
- F01P11/14—Indicating devices; Other safety devices
- F01P2011/205—Indicating devices; Other safety devices using heat-accumulators
Landscapes
- Thermally Insulated Containers For Foods (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 バイパス循環路を流れる高温の冷却水を貯溜
して有効に保温し、また自動車の振動や衝撃に対する漏
れや損傷が生じるのを防止する。 【構成】 容器1は、エンジンより流出する冷却水をラ
ジエターを介さずにエンジンに戻すバイパス循環路に設
けられ、運転時には冷却水を通過させ、停止時には冷却
水を貯溜して保温する。容器本体1は、真空二重構造か
らなり、口部10を下にした倒立状態で車体に取り付け
られ、胴16よりも径の小さい喉部15を有する。栓体
3は、容器本体2の口部10から喉部15に挿入され、
冷却水の入水管5と出水管6が挿入される穴25,26
が穿設されるとともに、外周に喉部15の少なくとも奥
方の内面に圧接するシール部Sを有している。出水管6
と連通する内部出水管7は容器本体2の内側天面に接触
又は近接する位置まで延び、先端は斜めに切断、又は切
欠きが形成されて冷却水の流出口31となっている。
して有効に保温し、また自動車の振動や衝撃に対する漏
れや損傷が生じるのを防止する。 【構成】 容器1は、エンジンより流出する冷却水をラ
ジエターを介さずにエンジンに戻すバイパス循環路に設
けられ、運転時には冷却水を通過させ、停止時には冷却
水を貯溜して保温する。容器本体1は、真空二重構造か
らなり、口部10を下にした倒立状態で車体に取り付け
られ、胴16よりも径の小さい喉部15を有する。栓体
3は、容器本体2の口部10から喉部15に挿入され、
冷却水の入水管5と出水管6が挿入される穴25,26
が穿設されるとともに、外周に喉部15の少なくとも奥
方の内面に圧接するシール部Sを有している。出水管6
と連通する内部出水管7は容器本体2の内側天面に接触
又は近接する位置まで延び、先端は斜めに切断、又は切
欠きが形成されて冷却水の流出口31となっている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水冷エンジン始動時に
おける、混合ガス燃料の濃度が濃い状態となる暖機運転
の時間を短縮し、燃料の節約を図ることを目的とした自
動車等における冷却水の保温容器に関するものである。
おける、混合ガス燃料の濃度が濃い状態となる暖機運転
の時間を短縮し、燃料の節約を図ることを目的とした自
動車等における冷却水の保温容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、水冷エンジンでは、シリンダーブ
ロック内の冷却水を冷水の状態から温水に至るまで温度
上昇させるための暖機運転の時間が長くかかる欠点があ
る。シリンダーブロック内の冷却水の温度が50℃程度
以上に上昇しないと、混合ガスが淡い正常の状態に戻ら
ない機構(オートチョーク機構その他)が採用されてお
り、暖機運転の間は混合ガスが濃い状態になっている。
また暖機運転の時間短縮のため、エンジンの回転を高く
する(点火爆発時期を早める)対策をしているので、特
に寒冷時には燃焼時の混合ガスが濃くて、不燃焼の燃料
がそのまま排出され、HCによる公害問題を引き起こし
たり、省エネが図れない等の問題が生じている。
ロック内の冷却水を冷水の状態から温水に至るまで温度
上昇させるための暖機運転の時間が長くかかる欠点があ
る。シリンダーブロック内の冷却水の温度が50℃程度
以上に上昇しないと、混合ガスが淡い正常の状態に戻ら
ない機構(オートチョーク機構その他)が採用されてお
り、暖機運転の間は混合ガスが濃い状態になっている。
また暖機運転の時間短縮のため、エンジンの回転を高く
する(点火爆発時期を早める)対策をしているので、特
に寒冷時には燃焼時の混合ガスが濃くて、不燃焼の燃料
がそのまま排出され、HCによる公害問題を引き起こし
たり、省エネが図れない等の問題が生じている。
【0003】暖機運転中は、燃料が濃くてHCが大量に
排出されているので、暖機中の車が多いデパートの駐車
場や駅等で車を置いて外に出ると、目がしみたり、鼻や
喉に刺激がある。この状態がHCの公害であることは誰
でも感じるのである。また、寒冷時に暖機もしないで運
行を繰返すと、プラグ等がかぶれて、エンジンが止まっ
た経験は誰でも一度二度はある。この時期は、故障が多
いうえ、エンジンも高回転であるため飛び出して追突事
故を起こすことが多い最悪の時期である。また、現在で
は、車の使用等も多目的化しており、通勤,レジャー,
買物,商用と5分から10分程度の運行者が多く、駐停
車の車の方が多いのが現状である。水冷エンジンの場
合、一度止めると30分から1時間程度でエンジン内の
冷却水が冷えてしまい、また、暖機から始めなければな
らない。このような暖機運転を一日に何度となく一台の
車が繰り返していることが現状で、寒冷時の暖機中の運
行は、ますます多くなる傾向にある。要因としては、暖
機運転時にウォーターポンプにより強制的にエンジン内
に送られる冷えた冷却水が全体的に暖かくなるにはかな
りの時間が必要であるが、この冷却水が暖かくならない
内に走行する人が大半をしめているからである。
排出されているので、暖機中の車が多いデパートの駐車
場や駅等で車を置いて外に出ると、目がしみたり、鼻や
喉に刺激がある。この状態がHCの公害であることは誰
でも感じるのである。また、寒冷時に暖機もしないで運
行を繰返すと、プラグ等がかぶれて、エンジンが止まっ
た経験は誰でも一度二度はある。この時期は、故障が多
いうえ、エンジンも高回転であるため飛び出して追突事
故を起こすことが多い最悪の時期である。また、現在で
は、車の使用等も多目的化しており、通勤,レジャー,
買物,商用と5分から10分程度の運行者が多く、駐停
車の車の方が多いのが現状である。水冷エンジンの場
合、一度止めると30分から1時間程度でエンジン内の
冷却水が冷えてしまい、また、暖機から始めなければな
らない。このような暖機運転を一日に何度となく一台の
車が繰り返していることが現状で、寒冷時の暖機中の運
行は、ますます多くなる傾向にある。要因としては、暖
機運転時にウォーターポンプにより強制的にエンジン内
に送られる冷えた冷却水が全体的に暖かくなるにはかな
りの時間が必要であるが、この冷却水が暖かくならない
内に走行する人が大半をしめているからである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、通常運転時に得
られた高温の冷却水を魔法瓶に貯溜して、これを次の暖
機運転に使用することによって暖機運転時間を短縮する
装置が種々提案されている。例えば、実開昭63−75
525号公報では、エンジン冷却後にラジエターを介さ
ないで直接エンジンに流入するバイパス循環経路に、保
温タンクを設けるとともに、該保温タンクの冷却水入口
及び出口に、イグニッションスイッチのオン,オフによ
り開閉するバルブを設けた装置が提案されている。ま
た、特開昭63−5107号公報には、前記装置のバル
ブを電磁サーモスタット開閉バルブとした装置が提案さ
れている。しかし、これらの装置は、保温タンクにバル
ブを設けるため、そのバルブの制御が複雑になり、高価
であるうえ、保温タンクの入口と出口が同じ高さにある
ため、湯水が始動時に円滑に循環されないという問題が
ある。
られた高温の冷却水を魔法瓶に貯溜して、これを次の暖
機運転に使用することによって暖機運転時間を短縮する
装置が種々提案されている。例えば、実開昭63−75
525号公報では、エンジン冷却後にラジエターを介さ
ないで直接エンジンに流入するバイパス循環経路に、保
温タンクを設けるとともに、該保温タンクの冷却水入口
及び出口に、イグニッションスイッチのオン,オフによ
り開閉するバルブを設けた装置が提案されている。ま
た、特開昭63−5107号公報には、前記装置のバル
ブを電磁サーモスタット開閉バルブとした装置が提案さ
れている。しかし、これらの装置は、保温タンクにバル
ブを設けるため、そのバルブの制御が複雑になり、高価
であるうえ、保温タンクの入口と出口が同じ高さにある
ため、湯水が始動時に円滑に循環されないという問題が
ある。
【0005】また、実開昭63−73578号公報で
は、エンジン停止時に冷却水循環系内の高温の冷却水を
吸入して保温し、始動時にその保温された冷却水を循環
系に戻す密封保温タンクを設けた装置が提案されてい
る。しかし、この装置では、冷却水を吸入排出するため
に保温タンクの内部気圧を加減するコンプレッサや、循
環系と保温タンクの間にバルブを設ける必要があり、装
置がかなり複雑であるうえ、制御も困難である。このよ
うに、従来提案された装置は多くの問題を有するため、
未だ実用化されていないのが現状である。
は、エンジン停止時に冷却水循環系内の高温の冷却水を
吸入して保温し、始動時にその保温された冷却水を循環
系に戻す密封保温タンクを設けた装置が提案されてい
る。しかし、この装置では、冷却水を吸入排出するため
に保温タンクの内部気圧を加減するコンプレッサや、循
環系と保温タンクの間にバルブを設ける必要があり、装
置がかなり複雑であるうえ、制御も困難である。このよ
うに、従来提案された装置は多くの問題を有するため、
未だ実用化されていないのが現状である。
【0006】そこで、本願出願人は、特開平4−246
277号公報において、エンジンより流出する冷却水を
ラジエターを介さずにエンジンに戻すバイパス循環路に
保温機能を備えた容器を倒立状態に設けて、該容器の蓋
に吸水口を設け、また容器内に挿入した中央排水管の上
部側面に流出口を設けることを提案している。しかしな
がら、この装置では、容器に貯水された高温の冷却水の
熱が蓋を介して下方に逃げるので保温性が悪いうえ、中
央排水管の流出口より上方に空気溜まりが生じるので内
圧が上昇したり貯水量が不足する。また、自動車の振動
や衝撃によって蓋と容器本体の間のシールが維持できず
に冷却水が漏出したり、容器本体が損傷する虞れがある
という欠点がある。本発明は、バイパス循環路を流れる
高温の冷却水を貯溜して効率よく保温することができ、
また自動車の振動や衝撃に対して漏れや損傷が生じる虞
れのない自動車等における冷却水の保温容器を提供する
ことを目的とするものである。
277号公報において、エンジンより流出する冷却水を
ラジエターを介さずにエンジンに戻すバイパス循環路に
保温機能を備えた容器を倒立状態に設けて、該容器の蓋
に吸水口を設け、また容器内に挿入した中央排水管の上
部側面に流出口を設けることを提案している。しかしな
がら、この装置では、容器に貯水された高温の冷却水の
熱が蓋を介して下方に逃げるので保温性が悪いうえ、中
央排水管の流出口より上方に空気溜まりが生じるので内
圧が上昇したり貯水量が不足する。また、自動車の振動
や衝撃によって蓋と容器本体の間のシールが維持できず
に冷却水が漏出したり、容器本体が損傷する虞れがある
という欠点がある。本発明は、バイパス循環路を流れる
高温の冷却水を貯溜して効率よく保温することができ、
また自動車の振動や衝撃に対して漏れや損傷が生じる虞
れのない自動車等における冷却水の保温容器を提供する
ことを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明は、エンジンより流出する冷却水をラジエタ
ーを介さずにエンジンに戻すバイパス循環路に設けら
れ、運転時には冷却水を通過させ、停止時には冷却水を
貯溜して保温する自動車等における冷却水の保温容器に
おいて、口部を下にした倒立状態で車体に取り付けら
れ、胴よりも径の小さい喉部を有する真空二重構造の容
器本体と、該容器本体の口部から喉部に挿入され、冷却
水の入水管と出水管が挿入される穴が穿設されるととも
に、外周に前記喉部の少なくとも奥方の内面に圧接する
シール部を有する栓体とを備えたものである。なお、前
記出水管は前記容器本体の内部に挿入された内部出水管
と連通し、当該内部出水管は容器本体の内側天面に接触
又は近接する位置まで延び、その先端は斜めに切断、又
は切欠きが形成されて冷却水の流出口となっているのが
好ましい。
め、本発明は、エンジンより流出する冷却水をラジエタ
ーを介さずにエンジンに戻すバイパス循環路に設けら
れ、運転時には冷却水を通過させ、停止時には冷却水を
貯溜して保温する自動車等における冷却水の保温容器に
おいて、口部を下にした倒立状態で車体に取り付けら
れ、胴よりも径の小さい喉部を有する真空二重構造の容
器本体と、該容器本体の口部から喉部に挿入され、冷却
水の入水管と出水管が挿入される穴が穿設されるととも
に、外周に前記喉部の少なくとも奥方の内面に圧接する
シール部を有する栓体とを備えたものである。なお、前
記出水管は前記容器本体の内部に挿入された内部出水管
と連通し、当該内部出水管は容器本体の内側天面に接触
又は近接する位置まで延び、その先端は斜めに切断、又
は切欠きが形成されて冷却水の流出口となっているのが
好ましい。
【0008】
【作用】前記発明の構成によると、エンジン始動時に
は、エンジン内部の冷却水の温度が低いので、冷却水は
バイパス循環路を通って容器の入水管より内部に流入す
る。容器の内部に保温されていた高温の冷却水は、内部
出水管の上端の流出口より出水管内に流出してエンジン
内部に流入し、エンジンを暖めて循環する。暖機が終了
して冷却水の温度が上昇すると、主循環路が開くので、
冷却水は主循環路及びバイパス循環路を平行して循環す
る。主循環路のラジエターにより冷却された低温水はバ
イパス循環路を通った高温水と混合した後、適度な温水
となってエンジン内に流入し、シリンダ及びシリンダヘ
ッドを均一に加熱して混合ガス燃料の気化を促進する。
これにより、燃料の完全燃焼状態が得られる。エンジン
停止時には、バイパス循環路の高温水は容器に貯えられ
て保温される。
は、エンジン内部の冷却水の温度が低いので、冷却水は
バイパス循環路を通って容器の入水管より内部に流入す
る。容器の内部に保温されていた高温の冷却水は、内部
出水管の上端の流出口より出水管内に流出してエンジン
内部に流入し、エンジンを暖めて循環する。暖機が終了
して冷却水の温度が上昇すると、主循環路が開くので、
冷却水は主循環路及びバイパス循環路を平行して循環す
る。主循環路のラジエターにより冷却された低温水はバ
イパス循環路を通った高温水と混合した後、適度な温水
となってエンジン内に流入し、シリンダ及びシリンダヘ
ッドを均一に加熱して混合ガス燃料の気化を促進する。
これにより、燃料の完全燃焼状態が得られる。エンジン
停止時には、バイパス循環路の高温水は容器に貯えられ
て保温される。
【0009】容器は、喉部の径が胴部より小さく、その
喉部に栓体が挿入されているので、栓体を介して下方へ
逃げる放熱量が少ない。また、容器本体と栓体とは口部
から離れた喉部の奥方でシールされていて、そのシール
部から口部までの距離が長いので、容器本体の内壁を通
って熱伝導により外部へ流出する熱量が少ない。容器本
体の喉部と入水管及び出水管との間には栓体が介在して
いるので、車体の振動や衝撃が容器本体又は入水管若し
くは出水管に伝わったとしても、その栓体が緩衝材とな
って緩和される。この結果、シール部より内部の冷却水
が漏れたり、容器本体が損傷することはない。
喉部に栓体が挿入されているので、栓体を介して下方へ
逃げる放熱量が少ない。また、容器本体と栓体とは口部
から離れた喉部の奥方でシールされていて、そのシール
部から口部までの距離が長いので、容器本体の内壁を通
って熱伝導により外部へ流出する熱量が少ない。容器本
体の喉部と入水管及び出水管との間には栓体が介在して
いるので、車体の振動や衝撃が容器本体又は入水管若し
くは出水管に伝わったとしても、その栓体が緩衝材とな
って緩和される。この結果、シール部より内部の冷却水
が漏れたり、容器本体が損傷することはない。
【0010】容器の内部出水管は内側天面まで延びてい
てその先端に流出口が形成されているので、内部の高温
水は始動時に入水管より流入する低温の冷却水により押
し上げられて効率よく流出口より流出する。容器の出水
管の先端は容器本体の内側天面に接触又は近接してい
て、その先端より斜めにカットされて流出口が形成され
ているので、流出口は容器本体内部の最上部に位置す
る。このため、流出口より上方に空気溜まりが生じるこ
とはない。容器本体の内側天面に延びる内部出水管の先
端に流出口が設けられているので、容器本体内の高温の
冷却水は対流によってエンジン側に流動することはな
い。このため、容器本体の入水管及び出水管にバルブを
設けなくても、内部の冷却水は高温状態に保温される。
てその先端に流出口が形成されているので、内部の高温
水は始動時に入水管より流入する低温の冷却水により押
し上げられて効率よく流出口より流出する。容器の出水
管の先端は容器本体の内側天面に接触又は近接してい
て、その先端より斜めにカットされて流出口が形成され
ているので、流出口は容器本体内部の最上部に位置す
る。このため、流出口より上方に空気溜まりが生じるこ
とはない。容器本体の内側天面に延びる内部出水管の先
端に流出口が設けられているので、容器本体内の高温の
冷却水は対流によってエンジン側に流動することはな
い。このため、容器本体の入水管及び出水管にバルブを
設けなくても、内部の冷却水は高温状態に保温される。
【0011】
【実施例】次に、本発明の実施例を添付図面に従って説
明する。図1は本発明に係る保温容器を備えた自動車の
冷却水系を示し、図において、Aはエンジン、Bはラジ
エター、Cはヒータである。エンジンAとラジエターB
の間には、エンジンAのシリンダ及びシリンダヘッドに
形成されたウォータージャケットDの流出口よりサーモ
スタットEを介してラジエターBに流入し、該ラジエタ
ーBよりウォーターポンプFを介してウォータージャケ
ットDの流入口に戻る冷却水の主循環路aが設けられて
いる。また、エンジンAとヒータCの間には、ウォータ
ージャケットDの流出口よりヒータCに流入し、該ヒー
タCよりウォーターポンプFの吸込側に戻るヒータ用循
環路bが設けられている。さらに、ウォータージャケッ
トDの流出口よりウォーターポンプFを介して直接ウォ
ータージャケットDの流入口に戻る冷却水の第1,第2
バイパス循環路c,dが設けられている。
明する。図1は本発明に係る保温容器を備えた自動車の
冷却水系を示し、図において、Aはエンジン、Bはラジ
エター、Cはヒータである。エンジンAとラジエターB
の間には、エンジンAのシリンダ及びシリンダヘッドに
形成されたウォータージャケットDの流出口よりサーモ
スタットEを介してラジエターBに流入し、該ラジエタ
ーBよりウォーターポンプFを介してウォータージャケ
ットDの流入口に戻る冷却水の主循環路aが設けられて
いる。また、エンジンAとヒータCの間には、ウォータ
ージャケットDの流出口よりヒータCに流入し、該ヒー
タCよりウォーターポンプFの吸込側に戻るヒータ用循
環路bが設けられている。さらに、ウォータージャケッ
トDの流出口よりウォーターポンプFを介して直接ウォ
ータージャケットDの流入口に戻る冷却水の第1,第2
バイパス循環路c,dが設けられている。
【0012】前記第2バイパス循環路dには、ウォータ
ーポンプFより上流側に保温機能を備えた容器1が設け
られている。この容器1は、図2に示すように、容器本
体2と、栓体3と、蓋体4と、入水管5及び出水管6
と、内部出水管7とからなっている。容器本体2は、外
瓶8と、該外瓶8の内側に収容されてその口部10が外
瓶8の口部9と接合された内瓶11とからなるステンレ
ス鋼製の真空二重構造を有している。この容器本体2の
容量は、2リットルである。なお、容器本体2の容量は
エンジンAの排気量に合わせるのがよい。
ーポンプFより上流側に保温機能を備えた容器1が設け
られている。この容器1は、図2に示すように、容器本
体2と、栓体3と、蓋体4と、入水管5及び出水管6
と、内部出水管7とからなっている。容器本体2は、外
瓶8と、該外瓶8の内側に収容されてその口部10が外
瓶8の口部9と接合された内瓶11とからなるステンレ
ス鋼製の真空二重構造を有している。この容器本体2の
容量は、2リットルである。なお、容器本体2の容量は
エンジンAの排気量に合わせるのがよい。
【0013】外瓶8は、胴部12と、該胴部12の一端
に接合された底部13と、前記胴部12の他端に接合さ
れ、胴部12より径の小さい口部9を有する肩部14の
三つの部分から構成されている。また、内瓶11は、一
端に口部10及び当該口部10に連続する喉部15を有
する胴部16と、該胴部16の一端に接合された底部1
7とから構成されている。内瓶11の口部10の径は胴
部16より小さく、喉部15の径は口部10よりもさら
に小さくなっている。また、喉部15には、図3に示す
ように奥に向かって径が次第に小さくなるようにテーパ
が設けられている。
に接合された底部13と、前記胴部12の他端に接合さ
れ、胴部12より径の小さい口部9を有する肩部14の
三つの部分から構成されている。また、内瓶11は、一
端に口部10及び当該口部10に連続する喉部15を有
する胴部16と、該胴部16の一端に接合された底部1
7とから構成されている。内瓶11の口部10の径は胴
部16より小さく、喉部15の径は口部10よりもさら
に小さくなっている。また、喉部15には、図3に示す
ように奥に向かって径が次第に小さくなるようにテーパ
が設けられている。
【0014】この容器本体2は、次のようにして製造さ
れる。予め、外瓶8及び内瓶11の各構成部材を成形
し、外瓶8の底部13外面には排気管18を接合し、内
面には取付具19によってゲッター20を取り付けてお
く。まず最初に、内瓶11の胴部16の端に底部17を
嵌合して、図2中W1部分をティグ溶接により接合して
内瓶11を形成し、保温時の熱輻射を防止するために内
瓶11の外面全体を銅箔21で覆う。そして、外瓶8の
胴部12の一端に形成されたフレア部12aと、肩体1
4の端部に形成されたフレア部14aを突き合わせて、
図2中W2部分を溶接接合した後、胴部12の中に内瓶
11を挿入して外瓶8の口部9の内側に内瓶11の口部
10を圧入し、図2中W3部分を溶接接合する。引き続
いて、外瓶8の胴部12の端部に形成されたフレア部分
12bと底部13の端部に形成されたフレア部13aを
突き合わせて、図中W4部分を溶接接合して二重構造体
を形成する。
れる。予め、外瓶8及び内瓶11の各構成部材を成形
し、外瓶8の底部13外面には排気管18を接合し、内
面には取付具19によってゲッター20を取り付けてお
く。まず最初に、内瓶11の胴部16の端に底部17を
嵌合して、図2中W1部分をティグ溶接により接合して
内瓶11を形成し、保温時の熱輻射を防止するために内
瓶11の外面全体を銅箔21で覆う。そして、外瓶8の
胴部12の一端に形成されたフレア部12aと、肩体1
4の端部に形成されたフレア部14aを突き合わせて、
図2中W2部分を溶接接合した後、胴部12の中に内瓶
11を挿入して外瓶8の口部9の内側に内瓶11の口部
10を圧入し、図2中W3部分を溶接接合する。引き続
いて、外瓶8の胴部12の端部に形成されたフレア部分
12bと底部13の端部に形成されたフレア部13aを
突き合わせて、図中W4部分を溶接接合して二重構造体
を形成する。
【0015】次に、この二重構造体を真空加熱炉に装入
し、炉内を温度450℃、真空度1×10-5mmHgに
維持して、外瓶8と内瓶11の間の空気を排気管18を
介して排気する。排気が完了すると、排気管18を図2
に示すように圧潰して外瓶8と内瓶11の間を真空状態
に封じる。そして、この真空二重構造体を炉から搬出し
た後、排気管18を保護するために、外瓶8の底部13
にキャップ22を嵌合し、そのキャップ22の端部に形
成されたフレア部22aを底部13のフレア部13aに
重ね合わせて図2中W5部分を溶接接合する。外瓶8と
内瓶11の間に残留した空気や、外瓶8及び内瓶11の
表面より遊離する吸蔵ガスは、ゲッター20によって吸
収されるので、外瓶8と内瓶11の間は、高い真空度に
維持される。
し、炉内を温度450℃、真空度1×10-5mmHgに
維持して、外瓶8と内瓶11の間の空気を排気管18を
介して排気する。排気が完了すると、排気管18を図2
に示すように圧潰して外瓶8と内瓶11の間を真空状態
に封じる。そして、この真空二重構造体を炉から搬出し
た後、排気管18を保護するために、外瓶8の底部13
にキャップ22を嵌合し、そのキャップ22の端部に形
成されたフレア部22aを底部13のフレア部13aに
重ね合わせて図2中W5部分を溶接接合する。外瓶8と
内瓶11の間に残留した空気や、外瓶8及び内瓶11の
表面より遊離する吸蔵ガスは、ゲッター20によって吸
収されるので、外瓶8と内瓶11の間は、高い真空度に
維持される。
【0016】一方、栓体3は、弾性を有する合成樹脂材
料、例えばシリコン樹脂からなり、内瓶11の喉部15
とほぼ同径である。栓体3の外面には、図3に示すよう
に、喉部15の奥に向かって径が小さくなるようにテー
パが設けられ、また喉部15と口部10の境界部分に位
置する段部23に当接して、栓体3の内方への落ち込み
を防止するためのフランジ部24が形成されている。こ
の栓体3には、入水管5が圧入される穴25と、内部出
水管7が圧入される穴26とが穿設されている。出水管
用穴26は、その内面が栓体3の中心線Xと接するよう
に、配置されている。これにより、図2に示すように、
内部出水管7の斜めに切断された先端が内瓶11の中心
線と一致し、天面と接触又は近接することになる。
料、例えばシリコン樹脂からなり、内瓶11の喉部15
とほぼ同径である。栓体3の外面には、図3に示すよう
に、喉部15の奥に向かって径が小さくなるようにテー
パが設けられ、また喉部15と口部10の境界部分に位
置する段部23に当接して、栓体3の内方への落ち込み
を防止するためのフランジ部24が形成されている。こ
の栓体3には、入水管5が圧入される穴25と、内部出
水管7が圧入される穴26とが穿設されている。出水管
用穴26は、その内面が栓体3の中心線Xと接するよう
に、配置されている。これにより、図2に示すように、
内部出水管7の斜めに切断された先端が内瓶11の中心
線と一致し、天面と接触又は近接することになる。
【0017】蓋体4は、ステンレス鋼板からなり、その
外周縁には外瓶8の口部9の外周に嵌合する折曲部27
が形成されている。この蓋体4には、入水管5及び出水
管6用の二つの穴28,29が穿設されている。入水管
5及び出水管6は、共にテンレス鋼管からなり、90°
に曲げられている。入水管5及び出水管5の一端は前記
蓋体4の穴28,29に挿入されて図5に示すように所
定の方向に向けられた状態で、図3中W6,W7部分で溶
接により固着されている。内部出水管7は、樹脂製で例
えばポリプロピレンやフッ素樹脂からなり、その一端は
栓体3の穴26に圧入され、他端は内瓶11の中心軸に
沿って内方に延び、天面すなわち底部17の内面に接触
又は近接している。この内部出水管7の先端は、僅かな
平坦部30を残して45°斜めに切断されて流出口31
となっている。また、斜め切断の他に、図6に示すよう
に切り欠きにより流出口31を形成してもよい。
外周縁には外瓶8の口部9の外周に嵌合する折曲部27
が形成されている。この蓋体4には、入水管5及び出水
管6用の二つの穴28,29が穿設されている。入水管
5及び出水管6は、共にテンレス鋼管からなり、90°
に曲げられている。入水管5及び出水管5の一端は前記
蓋体4の穴28,29に挿入されて図5に示すように所
定の方向に向けられた状態で、図3中W6,W7部分で溶
接により固着されている。内部出水管7は、樹脂製で例
えばポリプロピレンやフッ素樹脂からなり、その一端は
栓体3の穴26に圧入され、他端は内瓶11の中心軸に
沿って内方に延び、天面すなわち底部17の内面に接触
又は近接している。この内部出水管7の先端は、僅かな
平坦部30を残して45°斜めに切断されて流出口31
となっている。また、斜め切断の他に、図6に示すよう
に切り欠きにより流出口31を形成してもよい。
【0018】前記構成からなる容器1の組み立て順序
は、次の通りである。すなわち、図3に示すように、ま
ず栓体3の穴26に内部出水管7の一端を圧入した後、
蓋体4に固着された入水管5及び出水管6のうち入水管
5を栓体3の穴25に圧入すると同時に、出水管6を栓
体3に圧入された内部出水管7の内側に圧入する。次
に、内部出水管7を容器1の内瓶11の中に挿入し、栓
体3を容器1の喉部15に圧入して蓋体4の折曲部27
を外瓶8の口部9外面に嵌合した後、最後に図2中W8
部分を溶接接合する。このように組み立てられた容器1
は、自動車の好ましくはエンジンルーム内の適当な位置
にて、口部10を下に向けた倒立状態で以下に説明する
方法により車体に取り付けられる。
は、次の通りである。すなわち、図3に示すように、ま
ず栓体3の穴26に内部出水管7の一端を圧入した後、
蓋体4に固着された入水管5及び出水管6のうち入水管
5を栓体3の穴25に圧入すると同時に、出水管6を栓
体3に圧入された内部出水管7の内側に圧入する。次
に、内部出水管7を容器1の内瓶11の中に挿入し、栓
体3を容器1の喉部15に圧入して蓋体4の折曲部27
を外瓶8の口部9外面に嵌合した後、最後に図2中W8
部分を溶接接合する。このように組み立てられた容器1
は、自動車の好ましくはエンジンルーム内の適当な位置
にて、口部10を下に向けた倒立状態で以下に説明する
方法により車体に取り付けられる。
【0019】すなわち、図4に示すように、容器1の外
瓶8の上下の接合部(図2中W4,W5部、及びW2部)
が係合するノッチ32を有するコ字形断面の取付金具3
3を棒状のステー34に取付けねじ35及びナット36
で取り付けておき、ステー34の両端を自動車の車体の
適当な位置に溶接で固定する。次に、容器1の上下の接
合部にゴムシート等の緩衝材37を巻き付けた後、その
上下の溶接部が取付金具33のノッチ32に係合するよ
うにして、取付金具33に押し付ける。この状態で、緩
衝材37の上から容器1とステー34をスチールバンド
38で締め付ける。そして、この容器1の入水管5に、
ウォータージャケットDの流出口に連通するパイプ39
を接合し、出水管6に、ウォーターポンプFの吸込口に
連通するパイプ40を接合する。なお、容器1は、前記
のように第2バイパス循環路dのウォーターポンプFの
上流側だけでなく、下流側に設置してもよいし、第1バ
イパス循環路cやヒータ用循環路bに設置してもよい。
ヒータ用循環路bに設置する場合には、ヒータCと並列
に接続するのが好ましい。
瓶8の上下の接合部(図2中W4,W5部、及びW2部)
が係合するノッチ32を有するコ字形断面の取付金具3
3を棒状のステー34に取付けねじ35及びナット36
で取り付けておき、ステー34の両端を自動車の車体の
適当な位置に溶接で固定する。次に、容器1の上下の接
合部にゴムシート等の緩衝材37を巻き付けた後、その
上下の溶接部が取付金具33のノッチ32に係合するよ
うにして、取付金具33に押し付ける。この状態で、緩
衝材37の上から容器1とステー34をスチールバンド
38で締め付ける。そして、この容器1の入水管5に、
ウォータージャケットDの流出口に連通するパイプ39
を接合し、出水管6に、ウォーターポンプFの吸込口に
連通するパイプ40を接合する。なお、容器1は、前記
のように第2バイパス循環路dのウォーターポンプFの
上流側だけでなく、下流側に設置してもよいし、第1バ
イパス循環路cやヒータ用循環路bに設置してもよい。
ヒータ用循環路bに設置する場合には、ヒータCと並列
に接続するのが好ましい。
【0020】次に、前述のように取り付けられた容器を
備えたエンジンの冷却水系の動作を説明する。イグニッ
ションスイッチをオンしてエンジンAを始動すると、エ
ンジンAのウォータージャケットD内の冷えた冷却水が
ウォーターポンプFにより強制的に流動し、ウォーター
ジャケットDの流出口より流出する。始動時の冷却水は
温度が低いので、サーモスタットEは閉じている。この
ため、冷却水はヒータ用循環路b、第1,第2バイパス
循環路c,dを循環する。ウォータージャケットDの流
出口から第2バイパス循環路dに流入した冷たい冷却水
は、容器1の入水管5より容器1内に流入する。これに
より、容器1内部に貯水されていた高温水は、内部出水
管7の上端の流出口31より流出し、内部出水管7の内
部を通って出水管6を経てエンジンAのウォータージャ
ケットD内部に注入される。
備えたエンジンの冷却水系の動作を説明する。イグニッ
ションスイッチをオンしてエンジンAを始動すると、エ
ンジンAのウォータージャケットD内の冷えた冷却水が
ウォーターポンプFにより強制的に流動し、ウォーター
ジャケットDの流出口より流出する。始動時の冷却水は
温度が低いので、サーモスタットEは閉じている。この
ため、冷却水はヒータ用循環路b、第1,第2バイパス
循環路c,dを循環する。ウォータージャケットDの流
出口から第2バイパス循環路dに流入した冷たい冷却水
は、容器1の入水管5より容器1内に流入する。これに
より、容器1内部に貯水されていた高温水は、内部出水
管7の上端の流出口31より流出し、内部出水管7の内
部を通って出水管6を経てエンジンAのウォータージャ
ケットD内部に注入される。
【0021】この高温水がウォータージャケットD内を
通過すると、エンジンAが暖められ、暖機が促進され
る。さらにこの高温水が第2バイパス循環路dのみなら
ず、第1バイパス循環路c及びヒータ用循環路bを一巡
することにより、短時間で暖機が終了する。従来の冷却
水循環系では、始動時のシリンダ壁面の温度が低くて、
過冷状態になっているので、消化作用により混合ガス燃
料の気化が妨げられるとともに、火炎伝播が阻止され
て、不完全燃焼を生じていた。これに対し、本発明に係
る容器1を備えた冷却水系では、高温水によってエンジ
ンAのシリンダ及びシリンダヘッドの壁面は高温に保た
れ、過熱状態になっているので、濃度の濃い混合ガス燃
料の気化が促進され、完全燃焼が得られる。この結果、
暖機運転時の排気ガスによる公害が減少する。
通過すると、エンジンAが暖められ、暖機が促進され
る。さらにこの高温水が第2バイパス循環路dのみなら
ず、第1バイパス循環路c及びヒータ用循環路bを一巡
することにより、短時間で暖機が終了する。従来の冷却
水循環系では、始動時のシリンダ壁面の温度が低くて、
過冷状態になっているので、消化作用により混合ガス燃
料の気化が妨げられるとともに、火炎伝播が阻止され
て、不完全燃焼を生じていた。これに対し、本発明に係
る容器1を備えた冷却水系では、高温水によってエンジ
ンAのシリンダ及びシリンダヘッドの壁面は高温に保た
れ、過熱状態になっているので、濃度の濃い混合ガス燃
料の気化が促進され、完全燃焼が得られる。この結果、
暖機運転時の排気ガスによる公害が減少する。
【0022】エンジンAの暖機が終了し、冷却水の温度
が所定温度以上に上昇すると、サーモスタットEが開く
ので、ウォータージャケットDの流出口を出た大部分の
高温の冷却水は主循環路aのラジエターBを通過して放
熱冷却され、低温水となってエンジンAに戻る。また、
ウォータージャケットDの流出口を出た一部の高温水は
第2バイパス循環路dに流入し、容器1を経て前記主循
環路aの低温水と混合し、適度の温水となってウォータ
ージャケットD内に流入する。従来の冷却水循環系で
は、ラジエターBで冷却されて低温になった冷却水がウ
ォータージャケットD内にそのまま流入していたので、
ウォータージャケットDの流入口の近傍のシリンダの壁
面温度が低く、前述のような消化作用により、混合ガス
燃料の気化が妨げられていた。このため、ウォータージ
ャケットDの流入側のシリンダと流出側のシリンダとで
壁面の温度差が生じる結果、坂道や加速時に騒音が発生
したり、低速時にノッキングが生じることがあった。
が所定温度以上に上昇すると、サーモスタットEが開く
ので、ウォータージャケットDの流出口を出た大部分の
高温の冷却水は主循環路aのラジエターBを通過して放
熱冷却され、低温水となってエンジンAに戻る。また、
ウォータージャケットDの流出口を出た一部の高温水は
第2バイパス循環路dに流入し、容器1を経て前記主循
環路aの低温水と混合し、適度の温水となってウォータ
ージャケットD内に流入する。従来の冷却水循環系で
は、ラジエターBで冷却されて低温になった冷却水がウ
ォータージャケットD内にそのまま流入していたので、
ウォータージャケットDの流入口の近傍のシリンダの壁
面温度が低く、前述のような消化作用により、混合ガス
燃料の気化が妨げられていた。このため、ウォータージ
ャケットDの流入側のシリンダと流出側のシリンダとで
壁面の温度差が生じる結果、坂道や加速時に騒音が発生
したり、低速時にノッキングが生じることがあった。
【0023】しかし、この発明の実施例では、前述のよ
うに主循環路aの低温の冷却水と第2バイパス循環路d
の高温の冷却水が混合して、適度な温度の温水となって
ウォータージャケットD内を流動し、いずれのシリンダ
の壁面も温度が高くなって混合ガス燃料の気化が促進さ
れるので、従来のようなエンジンの騒音やノッキングが
生じることはない。エンジンAを停止すると、各循環路
内の冷却水の流動が停止し、自然冷却により冷却水の温
度が次第に低下してゆくが、第2バイパス循環路dの容
器1内の冷却水は内部に貯水されたまま、容器1の真空
二重断熱構造によって、高温状態に保温される。
うに主循環路aの低温の冷却水と第2バイパス循環路d
の高温の冷却水が混合して、適度な温度の温水となって
ウォータージャケットD内を流動し、いずれのシリンダ
の壁面も温度が高くなって混合ガス燃料の気化が促進さ
れるので、従来のようなエンジンの騒音やノッキングが
生じることはない。エンジンAを停止すると、各循環路
内の冷却水の流動が停止し、自然冷却により冷却水の温
度が次第に低下してゆくが、第2バイパス循環路dの容
器1内の冷却水は内部に貯水されたまま、容器1の真空
二重断熱構造によって、高温状態に保温される。
【0024】容器1の入水管5は下部に設けられ、流出
口31は入水管5より上部に設けられているため、比重
の大きい低温水が入水管5より内部に流入することはな
く、また比重の小さい高温水が流出口31を通って下方
へ流出することはない。従って、エンジン停止中には、
比重の小さい高温水は容器1内に貯えられ、高温状態に
保温される。また、始動時には容器1内部の高温水は、
入水管5より流入する冷却水によって押し上げられて、
低温水と混合することなく、流出口31より高温状態の
まま効率よく流出する。なお、真空二重構造の容器1で
一度保温すると50時間以上は温水状態を保持できる
が、長期間放置されて内部が冷えた状態になるのを防止
するために、容器1にヒータや蓄熱材を設けて常時温水
にしておくことも可能である。
口31は入水管5より上部に設けられているため、比重
の大きい低温水が入水管5より内部に流入することはな
く、また比重の小さい高温水が流出口31を通って下方
へ流出することはない。従って、エンジン停止中には、
比重の小さい高温水は容器1内に貯えられ、高温状態に
保温される。また、始動時には容器1内部の高温水は、
入水管5より流入する冷却水によって押し上げられて、
低温水と混合することなく、流出口31より高温状態の
まま効率よく流出する。なお、真空二重構造の容器1で
一度保温すると50時間以上は温水状態を保持できる
が、長期間放置されて内部が冷えた状態になるのを防止
するために、容器1にヒータや蓄熱材を設けて常時温水
にしておくことも可能である。
【0025】なお、前記実施例は、本発明の好ましい一
例を示すにすぎず、以下に説明するように、種々修正や
変更を加えることができる。図7に示す実施例では、栓
体3は、喉部15より径が小さくて、その先端の外周に
膨出部42が形成されている。このため、栓体3を容器
1の喉部15に挿入すると、膨出部42が喉部15の奥
で喉部15の内面と圧接し、シール部Sが確保される。
なお、膨出部42の替わりに、図8に示すように、環状
の溝43を形成し、その溝43にOリング44を装着す
るようにしてもよい。
例を示すにすぎず、以下に説明するように、種々修正や
変更を加えることができる。図7に示す実施例では、栓
体3は、喉部15より径が小さくて、その先端の外周に
膨出部42が形成されている。このため、栓体3を容器
1の喉部15に挿入すると、膨出部42が喉部15の奥
で喉部15の内面と圧接し、シール部Sが確保される。
なお、膨出部42の替わりに、図8に示すように、環状
の溝43を形成し、その溝43にOリング44を装着す
るようにしてもよい。
【0026】図9に示す実施例では、栓体3は、喉部1
5よりやや径が小さく形成される一方、喉部15の奥に
は内方に突出する環状突起46が形成されている。この
ため、栓体3を喉部15に挿入してゆくと、栓体3の先
端が環状突起46に圧接してシール部Sが確保される。
この場合、環状突起46が栓体3の内方への抜け落ちを
防止するので、前記実施例のようなフランジ部は必要な
い。なお、この実施例において、蓋体4の折曲部27の
内側に雌ねじを形成する一方、外瓶8の口部9の外側に
雄ねじを形成して、蓋体4の雌ねじを外瓶8の雄ねじに
螺合することにより栓体3を固定することも可能であ
る。このようにすると、容器1内部の点検や部品の交換
を行うことができる。
5よりやや径が小さく形成される一方、喉部15の奥に
は内方に突出する環状突起46が形成されている。この
ため、栓体3を喉部15に挿入してゆくと、栓体3の先
端が環状突起46に圧接してシール部Sが確保される。
この場合、環状突起46が栓体3の内方への抜け落ちを
防止するので、前記実施例のようなフランジ部は必要な
い。なお、この実施例において、蓋体4の折曲部27の
内側に雌ねじを形成する一方、外瓶8の口部9の外側に
雄ねじを形成して、蓋体4の雌ねじを外瓶8の雄ねじに
螺合することにより栓体3を固定することも可能であ
る。このようにすると、容器1内部の点検や部品の交換
を行うことができる。
【0027】図10に示す実施例は、内部出水管7の先
端中央に僅かな平坦部30を残して、その両側を斜めに
切断することによって、二つの流出口31a,31bが
形成されている。この場合、残された平坦部30が内瓶
11の天面の出来るだけ高い部分と接触又は近接するよ
うに、内部出水管7の先端部分の軸心は内瓶11の軸心
と一致しているのが好ましい。図11に示す実施例は、
内部出水管7と出水管6が接触しないように、各々の端
面の間に栓体3の余肉部48を設けたものである。これ
によると、容器1内に蓄えられた冷却水の熱が内部出水
管7から熱伝導によって直接出水管6に伝わることがな
くなり、放熱が押さえられる。
端中央に僅かな平坦部30を残して、その両側を斜めに
切断することによって、二つの流出口31a,31bが
形成されている。この場合、残された平坦部30が内瓶
11の天面の出来るだけ高い部分と接触又は近接するよ
うに、内部出水管7の先端部分の軸心は内瓶11の軸心
と一致しているのが好ましい。図11に示す実施例は、
内部出水管7と出水管6が接触しないように、各々の端
面の間に栓体3の余肉部48を設けたものである。これ
によると、容器1内に蓄えられた冷却水の熱が内部出水
管7から熱伝導によって直接出水管6に伝わることがな
くなり、放熱が押さえられる。
【0028】図12及び図13は、容器1の取付構造の
変形例を示し、このものでは、容器1の胴部を覆う鉄板
からなる断面C字形のカバー49が設けられ、該カバー
49の上下端の内周面には、容器1の上下の溶接部を覆
うゴム等の緩衝材50が貼着され、外面には取付ねじ5
1が埋め込まれた前記取付金具33とほぼ同形状の取付
金具52が取り付けられている。また、カバー49の周
方向の一端には、図12に示すように、係止片53が設
けられ、他端には前記係止片53に係止してカバー49
を容器1に締め付けるためのバックル型止め具54が取
り付けられている。
変形例を示し、このものでは、容器1の胴部を覆う鉄板
からなる断面C字形のカバー49が設けられ、該カバー
49の上下端の内周面には、容器1の上下の溶接部を覆
うゴム等の緩衝材50が貼着され、外面には取付ねじ5
1が埋め込まれた前記取付金具33とほぼ同形状の取付
金具52が取り付けられている。また、カバー49の周
方向の一端には、図12に示すように、係止片53が設
けられ、他端には前記係止片53に係止してカバー49
を容器1に締め付けるためのバックル型止め具54が取
り付けられている。
【0029】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、請求項
1に係る発明によれば、内瓶の喉部の径が小さく、か
つ、栓体が喉部の奥でシールされているので、放熱が少
なく、内部に貯溜される高温水を効率よく保温すること
ができる。また、請求項2に係る発明によれば、内部出
水管の先端が内瓶の内側天面まで延び、その先端に流出
口が形成されていて、流出口より上方には空間が殆ど無
く、空気溜まりが形成されないので、内圧の上昇がない
うえ、容量を有効に確保することができる。
1に係る発明によれば、内瓶の喉部の径が小さく、か
つ、栓体が喉部の奥でシールされているので、放熱が少
なく、内部に貯溜される高温水を効率よく保温すること
ができる。また、請求項2に係る発明によれば、内部出
水管の先端が内瓶の内側天面まで延び、その先端に流出
口が形成されていて、流出口より上方には空間が殆ど無
く、空気溜まりが形成されないので、内圧の上昇がない
うえ、容量を有効に確保することができる。
【図1】 自動車のエンジンの冷却系の系統図である。
【図2】 本発明に係る冷却水保温容器の断面図であ
る。
る。
【図3】 図2に示す容器の栓体の拡大分解断面図であ
る。
る。
【図4】 図2に示す容器の取付構造を示す分解斜視図
である。
である。
【図5】 図4に示す容器の底面図である。
【図6】 内部出水管の他の実施例を示す断面図であ
る。
る。
【図7】 栓体の他の実施例を示す分解断面図である。
【図8】 図7の変形例を示す部分断面図である。
【図9】 栓体及び容器のその他の実施例を示す分解断
面図である。
面図である。
【図10】 内部出水管の他の実施例を示す断面図であ
る。
る。
【図11】 栓体のさらに他の実施例を示す断面図であ
る。
る。
【図12】 容器の取付構造の他の実施例を示す側面断
面図である。
面図である。
【図13】 図12の正面図である。
1…容器、 2…容器本体、3…栓体、
5…入水管、6…出水管、
7…内部出水管、10…口部、 15
…喉部、16…胴部、 25,26…穴、
31…流出口 A…エンジン、B…ラジ
エター、 a…主循環路、d…第2バイパス循
環路、 S…シール部。
5…入水管、6…出水管、
7…内部出水管、10…口部、 15
…喉部、16…胴部、 25,26…穴、
31…流出口 A…エンジン、B…ラジ
エター、 a…主循環路、d…第2バイパス循
環路、 S…シール部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦田 真一 大阪府大阪市北区天満1丁目20番5号 象 印マホービン株式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 エンジンより流出する冷却水をラジエタ
ーを介さずにエンジンに戻すバイパス循環路に設けら
れ、運転時には冷却水を通過させ、停止時には冷却水を
貯溜して保温する自動車等における冷却水の保温容器に
おいて、口部を下にした倒立状態で車体に取り付けら
れ、胴よりも径の小さい喉部を有する真空二重構造の容
器本体と、該容器本体の口部から喉部に挿入され、冷却
水の入水管と出水管が挿入される穴が穿設されるととも
に、外周に前記喉部の少なくとも奥方の内面に圧接する
シール部を有する栓体とを備えたことを特徴とする自動
車等における冷却水の保温容器。 - 【請求項2】 前記出水管は前記容器本体の内部に挿入
された内部出水管と連通し、当該内部出水管は前記容器
本体の内側天面に接触又は近接する位置まで延びてお
り、その先端は斜めに切断、又は切欠きが形成されて冷
却水の流出口となっていることを特徴とする請求項1に
記載の自動車等における冷却水の保温容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP652893A JPH06213116A (ja) | 1993-01-19 | 1993-01-19 | 自動車等における冷却水の保温容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP652893A JPH06213116A (ja) | 1993-01-19 | 1993-01-19 | 自動車等における冷却水の保温容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06213116A true JPH06213116A (ja) | 1994-08-02 |
Family
ID=11640864
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP652893A Pending JPH06213116A (ja) | 1993-01-19 | 1993-01-19 | 自動車等における冷却水の保温容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06213116A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO1996031694A1 (de) * | 1995-04-05 | 1996-10-10 | Schatz Thermo System Gmbh | Verfahren und schaltungsanordnung zum betrieb von wärmespeichern insbesondere für fühlbare wärme |
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JP2018197507A (ja) * | 2017-05-23 | 2018-12-13 | いすゞ自動車株式会社 | 暖機システム |
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1993
- 1993-01-19 JP JP652893A patent/JPH06213116A/ja active Pending
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