JPH06212975A - 2サイクルエンジンの排気時期制御装置 - Google Patents

2サイクルエンジンの排気時期制御装置

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JPH06212975A
JPH06212975A JP426793A JP426793A JPH06212975A JP H06212975 A JPH06212975 A JP H06212975A JP 426793 A JP426793 A JP 426793A JP 426793 A JP426793 A JP 426793A JP H06212975 A JPH06212975 A JP H06212975A
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Japan
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sliding body
timing control
exhaust
exhaust timing
sliding
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JP426793A
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English (en)
Inventor
Kosaku Yamauchi
幸作 山内
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
Application filed by Suzuki Motor Corp filed Critical Suzuki Motor Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two

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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】排気時期制御バルブのガタつきを抑えるとも
に、その動きを滑らかにして正確な排気時期制御を行わ
せ、同時に排気時期制御装置の製造コスト低減と、分
解、組立作業性の向上とを図る。 【構成】摺動体26の両スラスト面にサイドシム41,
42を固定し、このサイドシム41,42の厚みを選択
することによって摺動体26のスラスト方向へのクリア
ランスを調整可能にするとともに、上記サイドシム4
1,42の材質を摺動体26が摺動する摺動通路37の
材質に対して耐摩耗性のあるものにし、さらに整流部材
29を摺動体26に軸着させる軸28の両端部に上記サ
イドシム41,42を位置させることにより、上記軸2
8が軸方向へ動くことを規制した。また、摺動体26
の、排気圧による押圧力が作用する側の面26aにバッ
クシム39を固定し、このバックシム39の厚みを選択
することによって摺動体26の板厚方向へのクリアラン
スを調整可能にするとともに、上記バックシム39の材
質を摺動体26が摺動する摺動通路37の材質に対して
耐摩耗性のあるものにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの回転数に応
じて排気時期を変化させるようにした2サイクルエンジ
ンの排気時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、2サイクルエンジンにおいて
は、低速回転時に排気時期を遅くし、回転数の上昇に応
じて排気時期を早めてゆけば、全回転数域に亘って高出
力が得られることが知られている。
【0003】排気時期を変化させる排気時期制御装置と
して一般的なものに、シリンダボアの内壁面に開口する
排気ポートの開口部近傍に排気時期制御バルブを設け、
この排気時期制御バルブをサーボモータ等のアクチュエ
ータによって駆動し、上記排気ポートの開口上縁部(上
死点側の縁部)の高さを変化させるようにしたものがあ
る。
【0004】図9(a)、(b)は、このような排気時
期制御装置の一構造例を示す縦断面図である。
【0005】この排気時期制御装置100は、シリンダ
ボア101の内壁面に開口する排気ポート102の上死
点側の高さを変化させる排気時期制御バルブ103を備
えている。上記排気時期制御バルブ103は、上記シリ
ンダボア101の軸方向沿いに摺動する平板状の摺動体
104と、この摺動体104に摺動一体に設けられて排
気ポート102側に延びる弁体105と、摺動体104
が上記排気ポート102内に出没する部分に軸106に
よって軸着された整流部材107とを有して構成されて
いる。上記整流部材107の他端は、排気ポート102
内に設けられた支軸108にスライダ109を介して係
着されている。
【0006】上記摺動体104は、図9(b)に示すよ
うにシリンダボア101が形成されたシリンダブロック
110と、このシリンダブロック110に固定されたバ
ルブホルダ111との間に画成された摺動通路112内
をスムーズに摺動可能とされている。
【0007】上記バルブホルダ111内には、図示しな
いアクチュエータにより回転駆動される偏心カム113
が回転自在に軸支され、この偏心カム113の一端に形
成されたカム部114がスライダ115を介して排気時
期制御バルブ103を駆動する構成となっている。
【0008】図9(a)では、排気時期制御バルブ10
3が最も上死点側にあり、弁体105が排気ポート10
2の上死点側縁部に密着しているため、排気時期が早め
られた高速回転向きの設定となっている。また、図9
(b)では、排気時期制御バルブ103が最も下死点側
にあり、弁体105が排気ポート102の上死点側縁部
から下がっているため、その分だけ排気時期が遅められ
て低速回転向きの設定となっている。
【0009】なお、図9(b)の状態では、排気ポート
102内に大きく突出する摺動体104の下流側に整流
部材107が滑らかに続く態様となるため、排気ガスの
流れがスムーズに保たれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】このように構成された
排気時期制御装置100では、前記摺動体104と摺動
通路112との間のクリアランス(すき間)を最少限に
設定しないと、摺動体104とともに弁体105がガタ
ついて排気時期が狂うおそれがある上、摺動体104の
振動によって摩耗が進行したり、最悪の場合には摺動体
104が摺動通路112内でかじり付いて摺動不能にな
るおそれがある。
【0011】しかしながら、摺動体104と摺動通路1
12は、それぞれ別工程で加工されるため、摺動体10
4と摺動通路112とのクリアランスを小さくするため
には両部材104,112の寸法公差を非常に小さくす
るか、あるいは両部材104,112の仕上がり寸法を
選別して組み合わせてやる必要があり、いずれにしても
生産性が低くなってしまう。
【0012】また、上記クリアランスが適正であって
も、摺動体104または摺動通路112の少なくとも片
方が摩耗した場合には前述した問題点が発生してしまう
ため、摺動体104と摺動通路112との間の耐摩耗性
を良くしてやらなければならない。ところが、一般に摺
動体104と摺動通路112の壁面は同一材料である場
合が多いため、硬度の同じ材料同士がこすれ合う結果と
なり、どうしても摩耗しやすい状況となっている。
【0013】しかも、摺動体104と摺動通路112と
の間にグリス等の潤滑剤を塗布して耐摩耗性を向上させ
ても、排気ポート102を流れる排気ガスの熱によって
摺動体104および摺動通路112が非常に高温となる
ために上記潤滑剤が流失してしまい、良好な潤滑状態を
長く保つことが出来なかった。
【0014】一方、この排気時期制御装置100の別な
問題点として、前記整流部材107を軸着させる軸10
6を摺動体104に支持させるために、摺動体104に
細長い穴を精度良く加工する必要があり、しかもこの穴
に挿通された軸に止めネジ等を用いて抜け止めを施さな
ければならず、製造コストの増大と組み立て作業性の低
下をきたす原因となっていた。
【0015】また、排気時期制御装置100を分解する
際、前記バルブホルダ111をシリンダブロック110
から取り外すと、排気時期制御バルブ103がスライダ
115とともにカム部114から外れて下方に脱落し、
損傷するおそれがある上、逆に排気時期制御装置100
を組み立てる際における作業性も極めて悪いものとなっ
ていた。
【0016】さらに、カム部114やスライダ115に
グリス等の潤滑剤を塗布して作動を滑らかにさせても、
熱のために上記潤滑剤が摺動体104と摺動通路112
との間から流失してしまい、良好な潤滑状態を長く保つ
ことができないという問題点があった。
【0017】本発明は、これらの問題点を解決するため
になされたものであり、排気時期制御バルブのガタつき
を抑えるとともに、その動きを滑らかにして正確な排気
時期制御を行わせ、同時に製造コスト低減と、分解、組
立作業性の向上とを図ることのできる2サイクルエンジ
ンの排気時期制御装置を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る2サイクルエンジンの排気時期制御装
置は、アクチュエータの動力によりシリンダボアの軸方
向沿いに摺動して上記シリンダボアの内壁面に開口する
排気ポートの上死点側縁部の高さを変化させる排気時期
制御バルブを備え、上記排気時期制御バルブが、シリン
ダボアの軸方向沿いに摺動する平板状の摺動体と、この
摺動体に摺動一体に設けられた弁体と、摺動体が上記排
気ポート内に出没する部分に軸着された整流部材とを有
して構成された2サイクルエンジンの排気時期制御装置
において、上記摺動体の両スラスト面にサイドシムを固
定し、このサイドシムの厚みを選択することによって摺
動体のスラスト方向へのクリアランスを調整可能にする
とともに、上記サイドシムの材質を摺動体が摺動する摺
動通路の材質に対して耐摩耗性のあるものにし、さらに
前記整流部材を摺動体に軸着させる軸の両端部に上記サ
イドシムを位置させることにより、上記軸が軸方向へ動
くことを規制したものである。
【0019】また、前記摺動体の、排気圧による押圧力
が作用する側の面にバックシムを固定し、このバックシ
ムの厚みを選択することによって摺動体の板厚方向への
クリアランスを調整可能にするとともに、上記バックシ
ムの材質を摺動体が摺動する摺動通路の材質に対して耐
摩耗性のあるものにしたものである。
【0020】さらに、前記摺動体の、排気圧による押圧
力が作用する側の面に前記整流部材軸着用の軸を保持す
る溝を形成し、この溝に前記バックシムを重ね合わせる
ことにより、上記軸が摺動体の板厚方向へ動くことを規
制したものである。
【0021】そして、前記摺動体の、排気圧による押圧
力が作用する側の面に前記アクチュエータの動力を摺動
体の摺動ストロークに変換させる駆動手段を収納する駆
動手段収納凹部を形成し、この駆動手段収納凹部に前記
バックシムを重ね合わせることにより、上記駆動手段が
摺動体の板厚方向へ動くことを規制するとともに、上記
駆動手段収納凹部内に潤滑剤を封入可能としたものであ
る。
【0022】
【作用】このように2サイクルエンジンの排気時期制御
装置を構成した場合、上記摺動体のスラスト方向および
板厚方向へのクリアランスが最少限に設定可能となって
ガタつきが無くなり、かつ作動が滑らかになって正確な
排気時期制御がなされるとともに、摺動体と摺動通路と
の間の耐摩耗性が大幅に向上し、上記クリアランスが適
正な状態で永く保たれる。
【0023】また、整流部材を軸着させる軸が、摺動体
に形成された溝と2枚のスラストシムとバックシムとに
よって保持され、上記軸が軸方向に動いたり、摺動体の
板厚方向に動くことが規制されるため、従来のように摺
動体に細長い穴を精度良く加工して軸を保持させた上に
軸の抜け止め工作を施すという必要が無くなる。
【0024】さらに、前記駆動手段収納凹部に収納され
たカムやスライダ等の駆動手段が、バックシムによって
摺動体の板厚方向へ動くことが規制されるため、排気時
期制御バルブと駆動手段とをアッセンブリとして部組み
することができ、排気時期制御装置の分解、組立作業性
が向上する。
【0025】しかも、グリスなどの潤滑剤が流失するこ
となく前記駆動手段収納凹部内に保持されるので、駆動
手段がスムーズに作動可能となり、排気時期制御バルブ
の動きが一層滑らかになる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。
【0027】図1は、本発明が適用された2サイクルエ
ンジンの縦断面図である。この2サイクルエンジン1
は、例えば自動2輪車に搭載される水冷単気筒型のもの
で、クランクケース2の上部にシリンダブロック3とシ
リンダヘッド4とが順次組み付けられた構成となってい
る。
【0028】上記シリンダブロック3内にはシリンダラ
イナ5が設けられ、このシリンダライナ5内にシリンダ
ボア6が形成されている。また、前記シリンダヘッド4
には上記シリンダボア6に整合する燃焼室7が形成さ
れ、その中央部には点火プラグ8が螺合される。なお、
シリンダボア6の周囲と燃焼室7の周囲とには冷却水が
循環するウォータジャケット9が形成されている。
【0029】シリンダボア6にはピストン11が摺動自
在に挿入され、このピストン11に設けられたピストン
ピン12と、前記クランクケース2内で回転自在に軸支
されたクランクシャフト13のクランクピン14とがコ
ンロッド15によって連結されている。
【0030】クランクケース2には吸気口16が設けら
れており、その内部にはリードバルブ17が設置されて
いる。この吸気口16には図示しないキャブレタが連結
される。
【0031】クランクケース2の内部からは複数の掃気
ポート18がシリンダライナ5沿いに立ち上がってお
り、これらの掃気ポート18はそれぞれシリンダボア6
の内壁面に開口している。
【0032】シリンダボア6の内壁面には、上記掃気ポ
ート18よりもやや高い位置で排気ポート19が開口し
ている。この排気ポート19はシリンダブロック3を貫
通して外部に通じており、その出口には排気マフラ20
が接続される。
【0033】上記排気ポート19には、本発明に係る排
気時期制御装置21が備えられている。この排気時期制
御装置21は、サーボモータ等のアクチュエータ22
と、上記アクチュエータ22の動力を伝達するケーブル
機構23とを含んで構成されている。
【0034】図2(a)、(b)は、上記排気時期制御
装置21の拡大図である。また、図3は図1のIII −II
I 線に沿う断面図、図4は図2(a)のIV矢視図、図5
は図2(a)のV−V矢視図、そして図6は図2(a)
のVI−VI線に沿う断面図である。さらに、図7は本発明
の一実施例を示す分解斜視図、図8は図7の組立斜視図
である。
【0035】排気時期制御装置21には、排気ポート1
9の上死点側開口縁部の高さを変化させる排気時期制御
バルブ25が組み込まれている。この排気時期制御バル
ブ25は、平板状に構成された摺動体26と、この摺動
体26に一体もしくは一体的に設けられた弁体27と、
摺動体26が排気ポート19内に出没する部分に軸28
によって軸着された整流部材29とを有して構成されて
いる。
【0036】上記摺動体26は、側面視(図1、図2参
照)でシリンダボア6の軸方向に平行しており、かつ平
面視(図3参照)で排気ポート19に直交していて、シ
リンダボア6の軸方向沿いに摺動自在とされている。
【0037】一方、上記弁体27は、摺動体26の下縁
部から排気ポート19の開口部に向って延びており、そ
の先端部形状はシリンダボア6の曲面に沿うR形状とさ
れている。図3および図4に示すように、排気ポート1
9はセンタブリッジ31によって左右に2分割されてい
るため、これに合せて弁体27も左右一対に設けられて
おり、その断面形状はそれぞれ左右の排気ポート19の
通路上面形状に沿うものとされ、図2(a)および図4
に示すように摺動体26が最も上方に位置した際に弁体
27が排気ポート19の通路上面に密着する態様となっ
ている。
【0038】弁体27の上面には、シリンダボア6の曲
面に平行するフランジ32が一体成型されており、この
フランジ32は図2(b)に示すようにシリンダブロッ
ク3に設けられた凹部33に出入りする。ここで、フラ
ンジ32の高さは摺動体26の摺動ストロークと同じか
それ以上とされ、図2(b)のように摺動体26が最も
下方に位置した際にフランジ32が凹部33から抜け切
らないようにされている。
【0039】シリンダブロック3には、バルブホルダ3
4が固定されており、このバルブホルダ34にはプーリ
ーカバー35とキャップ36とが順に固定されている。
なお、上記バルブホルダ34には前記排気ポート19が
貫通する構造となっている。
【0040】図2(b)に示すように、上記バルブホル
ダ34とシリンダブロック3との間には摺動通路37が
画成されており、この摺動通路37内を排気時期制御バ
ルブ25の摺動体26がスムーズに摺動できるようにな
っている。そして、前記アクチュエータ22の動力が後
述する駆動手段45を介して摺動体26を摺動させる
と、摺動体26とともに弁体27がシリンダ軸方向に沿
って移動し、これにより排気ポート19開口部の上死点
側縁部の高さが変化して2サイクルエンジン1の排気時
期が変更される。ちなみに、図2(a)は排気時期が最
も早められた高速回転状態を示し、図2(b)は排気時
期が最も遅められた低速回転状態を示している。
【0041】ところで、排気時期制御バルブ25の弁体
27は、排気ポート19を流れる排気ガスの圧力によっ
て常に斜め上方に押圧される。このため、摺動体26は
バルブホルダ34側に押し付けられながら摺動する状態
となる。図7に示すように、このような排気圧による押
圧力が作用する摺動体26の面26aには、バックシム
39がビス40などによって固定される。また、摺動体
26の両スラスト面には、それぞれサイドシム41,4
2がビス43などによって固定される。
【0042】上記バックシム31およびサイドシム4
1,42の材質は、前記摺動通路37の材質に対して耐
摩耗性のあるものとされる。すなわち、例えば摺動通路
37を画成するシリンダブロック3およびバルブホルダ
34の材質がアルミニウム系の材料である場合には、バ
ックシム39とサイドシム41,42の材質を高硬度の
鉄系材料などにし、シリンダブロック3およびバルブホ
ルダ34の材質が鋳鉄系の材料である場合には、バック
シム39とサイドシム41,42の材質を鋳鉄系の材料
より高硬度な鉄系材料か、若しくは銅やアルミニウム系
の軟質材料などにすることにより、バックシム39とサ
イドシム41,42の硬度を摺動通路37の壁面硬度と
大きく異ならせて耐摩耗性を向上させる。あるいは、バ
ックシム39とサイドシム41,42を含油合金で形成
することによって耐摩耗性を向上させても良い。
【0043】そして、摺動通路37内における摺動体2
6の板厚方向およびスラスト方向へのクリアランスは、
それぞれ前記バックシム39およびサイドシム41,4
2の厚みを選択することによって調整可能とされる。つ
まり、この排気時期制御装置21を組み立てる際には、
摺動通路37と摺動体26の寸法をそれぞれ計測し、摺
動通路37内において摺動体26がガタつくこと無く、
かつスムーズに摺動できるクリアランスとなるようにバ
ックシム39とサイドシム41,42の板厚を選定して
摺動体26に組み付ける。
【0044】このようなバックシム39とサイドシム4
1,42とを摺動体26に設けたことにより、摺動体2
6の板厚方向およびスラスト方向へのクリアランスを最
少限に設定可能となる。したがって、摺動体26のガタ
がなくなり、摺動体26とともに弁体27がガタついて
排気時期が狂うおそれがなく、正確な排気時期制御を行
わせることが可能となる。
【0045】しかも、摺動体26が振動することがない
ため、摩耗の進行や異音の発生などを防止することがで
き、なおかつバックシム39とサイドシム41,42に
よる耐摩耗性の向上によって摺動体26と摺動通路37
との間の適正なクリアランスが永続するため、良好な性
能を長く保つことができる。
【0046】また、シリンダブロック3やバルブホルダ
34、あるいは摺動体26(弁体27)の材質を全てア
ルミニウム系の材料にした場合でも、摺動体26と摺動
通路37との間の耐摩耗性を良好に保つことができるた
め、2サイクルエンジン1の軽量化に大きく貢献でき
る。
【0047】さて、排気時期制御バルブ25は、前記ア
クチュエータ22の動力によって駆動され、2サイクル
エンジン1のエンジン回転数が上昇するに従って排気時
期制御バルブ25が上昇し、排気時期が早められるよう
に制御される。ここで、アクチュエータ22の動力は駆
動手段45によって排気時期制御バルブ25の昇降スト
ロークに変更されるようになっている。例えば上記駆動
手段45は、偏心カム46とスライダ47とを備えたも
のである。
【0048】前記バルブハウジング35内には、上記偏
心カム46の回転軸48が回転自在に軸支されている。
上記回転軸48の一端には円形のカム部49が回転軸4
8の軸心に対し偏心して形成されており、他端にはプー
リ50がナット51等によって回転一体に固定されてい
る。
【0049】上記プーリ50には図5に示すように前記
ケーブル機構23のケーブル52が巻回されており、前
記アクチュエータ22の動力が上記ケーブル52を介し
てプーリ50に伝えられ、偏心カム46が回転駆動され
る。
【0050】一方、排気時期制御バルブ25の摺動体2
6には、上記駆動手段45を収納する駆動手段収納凹部
54が形成されている。この駆動手段収納凹部54は、
摺動体26の前記面26aに形成されている。
【0051】上記駆動手段収納凹部54内には前記スラ
イダ47がスラスト方向へ摺動自在に、かつ上下方向に
はガタが無いように嵌入される。このスライダ47には
円形のカム穴55が穿設されていて、上記カム穴55に
前記偏心カム46のカム部49が回転自在に、しかもガ
タ無く挿入される。
【0052】このため、アクチュエータ22の動力によ
って偏心カム46が回転駆動されると、カム部49がス
ライダ47のカム穴55内で回転し、スライダ47がス
ラスト方向へスライドしながら摺動体26を上下に摺動
させ、これによって排気時期制御バルブ25が偏心カム
46の偏心量の倍のストロークで動かされる。
【0053】図7および図8に示すように、前記バック
シム39には縦長の長円孔56が穿設されており、この
長円孔56に偏心カム46の回転軸48が挿通される。
上記長円孔56の開口面積は、摺動体26に設けた前記
駆動手段収納凹部54の開口面積より小さいため、駆動
手段収納凹部54にバックシム39を重ね合わせること
により、前記駆動手段45(偏心カム46およびスライ
ダ47)が摺動体26の板厚方向へ動くことが規制され
るとともに、駆動手段収納凹部54内にグリス等の潤滑
剤を封入することが可能となる。
【0054】このため、排気時期制御バルブ25と駆動
手段45とをアッセンブリとして部組みすることがで
き、排気時期制御装置21の分解、組立作業が非常に容
易になる。特に、バルブホルダ34をシリンダブロック
3から取り外す際においては、排気時期制御バルブ25
が下方に脱落してしまうおそれがなくなり、排気時期制
御バルブ25の損傷を回避させることができる。
【0055】また、グリス等の潤滑剤が流失することな
く駆動手段収納凹部54内に保持されるので、駆動手段
収納凹部54内におけるカム部49やスライダ47がス
ムーズに作動でき、排気時期制御バルブ25の動きが滑
らかなものになる。
【0056】一方、前述したように、摺動体26に軸2
8によって軸着された整流部材29は、摺動体26の下
縁部から排気ポート19の下流側へ滑かに延びる形状に
構成されている。この整流部材29は、上記軸28を支
点に回動自在とされており、整流部材29の他端部はス
ライダ57を介して排気ポート19の内壁部上面にスラ
イド自在に、かつ回動自在に係着されている。
【0057】図2(a)、(b)に示すように、排気ポ
ート19の内壁部上面には整流部材収納凹部58が形成
されている。この整流部材収納凹部58の下流側の端部
には、図3にも示すように支軸59,60が突設されて
おり、この支軸59,60に前記スライダ57が回転自
在に軸支され、図7、図8にも示すように整流部材29
の下流側の端部に設けられた左右一対の把持部61がス
ライダ57をスライド自在に把持する構成となってい
る。
【0058】排気時期制御バルブ25の摺動体26に
は、前記軸28を保持する溝62が前記面26a側に形
成されている。そして、この溝62に前記バックシム3
9が重ね合わせられているため、溝62内に保持された
軸28が摺動体の板厚方向へ動くことが規制される。ま
た、上記溝62内に保持された軸28の両端部には前記
サイドシム41,42が位置し、軸28が軸方向へ動く
ことが規制される。
【0059】このようにして軸28が溝62内に保持さ
れて摺動体26の板厚方向や軸方向へ動くことを規制さ
れるため、従来のように摺動体26に細長い穴を精度良
く加工して軸28を保持させたり、軸28の抜け止め工
作等を施す必要が無くなり、排気時期制御装置21の製
造コスト低減と分解、組立作業性の向上とを果たすこと
ができる。なお、溝62は摺動体26の鋳造時あるいは
鍛造時に同時形成することができるので、大きなコスト
ダウンとなる。
【0060】図2(a)に示すように排気時期制御バル
ブ25が最も上方に位置している時において、前記整流
部材29は整流部材収納凹部58内に完全に収納され、
排気ポート19の通路上面は弁体27の下面と整流部材
29の下面とが滑かに続いた面とされる。この時、排気
ポート19の通路断面積は最大となり、多量の排気ガス
が流通可能となる。
【0061】また、図2(b)に示すように排気時期制
御バルブ25が最も下方に位置している時には、整流部
材29の上流側端部が整流部材収納凹部58から引き出
される。この際、整流部材29の下流側端部はスライダ
57とともに前記支軸59,60廻りに回動し、これと
同時に軸28と支軸59,60との間の軸間距離が図2
(a)の状態より短かくなるため、整流部材29の把持
部61とスライダ57とが相対摺動して上記軸間距離の
差を吸収する。
【0062】この状態では、排気ポート19内に大きく
突出した排気時期制御バルブ25の下流側に整流部材2
9が滑かに続いているため、排気時期制御バルブ25の
下流側に段差が形成されることがなく、排気ガスの流れ
に乱れが無くなる。このため排気ガスの流れが良くなっ
て2サイクルエンジン1の低速回転時における出力の向
上を図ることができる。
【0063】なお、図2(b)のように排気時期制御バ
ルブ25が下降している時には、弁体27の上面に設け
られた前記フランジ32が排気ガスのストッパとなり、
排気ガスが排気時期制御バルブ25の摺動部付近に流れ
込むことが防止される。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る排気
時期制御装置は、排気時期制御バルブの摺動体の両スラ
スト面にサイドシムを固定し、このサイドシムの厚みを
選択することによって摺動体のスラスト方向へのクリア
ランスを調整可能にするとともに、上記サイドシムの材
質を摺動体が摺動する摺動通路の材質に対して耐摩耗性
のあるものにし、さらに前記整流部材を摺動体に軸着さ
せる軸の両端部に上記サイドシムを位置させることによ
り、上記軸が軸方向へ動くことを規制したので、摺動体
のスラスト方向へのクリアランスを最少限に設定するこ
とができ、このクリアランスが摩耗によって広がること
を防止することもできる。このため、排気時期制御バル
ブのガタつきがなくなるとともに動きが滑らかになり、
正確な排気時期制御を行わせることが可能となる。
【0065】また、前記整流部材軸着用の軸が軸方向に
動くことがなくなるため、摺動体に軸の抜け止め工作を
施す必要が無くなり、製造コストの低減と、分解、組立
作業性の向上とを図ることができる。
【0066】さらに、本発明に係る排気時期制御装置
は、前記摺動体の、排気圧による押圧力が作用する側の
面にバックシムを固定し、このバックシムの厚みを選択
することによって摺動体の板厚方向へのクリアランスを
調整可能にするとともに、上記バックシムの材質を摺動
体が摺動する摺動通路の材質に対して耐摩耗性のあるも
のにしたので、摺動体の板厚方向へのクリアランスを最
少限に設定することができ、このクリアランスが摩耗に
よって広がることを防止することもできる。このため、
排気時期制御バルブのガタつきがなくなるとともに動き
が滑らかになり、正確な排気時期制御を行わせることが
可能となる。
【0067】そして、本発明に係る排気時期制御装置
は、前記摺動体の、排気圧による押圧力が作用する側の
面に前記整流部材軸着用の軸を保持する溝を形成し、こ
の溝に前記バックシムを重ね合わせることにより、上記
軸が摺動体の板厚方向へ動くことを規制したので、従来
のように摺動体に上記軸を通す細長い穴を精度良く加工
しなくても良くなり、製造コストが大幅に低減する。
【0068】また、本発明に係る排気時期制御装置は、
前記摺動体の、排気圧による押圧力が作用する側の面に
前記アクチュエータの動力を摺動体の摺動ストロークに
変換させる駆動手段を収納する駆動手段収納凹部を形成
し、この駆動手段収納凹部に前記バックシムを重ね合わ
せることにより、上記駆動手段が摺動体の板厚方向へ動
くことを規制するとともに、上記駆動手段収納凹部内に
潤滑剤を封入可能としたので、排気時期制御バルブと駆
動手段とをアッセンブリとして部組みすることができ、
排気時期制御装置の分解、組立作業が容易になる。
【0069】しかも、前記駆動手段収納凹部内に封入さ
れた潤滑剤が流失することなく保持されるため、駆動手
段の作動がスムーズになり、排気時期制御バルブの動き
が一層なめらかになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された2サイクルエンジンの縦断
面図。
【図2】(a)は排気時期制御装置の高速状態を示す拡
大断面図、(b)は排気時期制御装置の低速状態を示す
拡大断面図。
【図3】図1のIII −III 線に沿う断面図。
【図4】図2(a)のIV矢視図。
【図5】図2(a)のV−V矢視図。
【図6】図2(a)のVI−VI線に沿う断面図。
【図7】本発明の一実施例を示す分解斜視図。
【図8】図7の組立斜視図。
【図9】従来の技術を示す断面図で、(a)は排気時期
制御装置の高速状態を示す図、(b)は排気時期制御装
置の低速状態を示す図。
【符号の説明】
1 2サイクルエンジン 6 シリンダボア 19 排気ポート 21 排気時期制御装置 22 アクチュエータ 25 排気時期制御バルブ 26 摺動体 26a 摺動体の,排気圧による押圧力が作用する側の
面 27 弁体 28 軸 29 整流部材 37 摺動通路 39 バックシム 41,42 サイドシム 45 駆動手段 54 駆動手段収納凹部 62 溝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクチュエータの動力によりシリンダボ
    アの軸方向沿いに摺動して上記シリンダボアの内壁面に
    開口する排気ポートの上死点側縁部の高さを変化させる
    排気時期制御バルブを備え、上記排気時期制御バルブ
    が、シリンダボアの軸方向沿いに摺動する平板状の摺動
    体と、この摺動体に摺動一体に設けられた弁体と、摺動
    体が上記排気ポート内に出没する部分に軸着された整流
    部材とを有して構成された2サイクルエンジンの排気時
    期制御装置において、上記摺動体の両スラスト面にサイ
    ドシムを固定し、このサイドシムの厚みを選択すること
    によって摺動体のスラスト方向へのクリアランスを調整
    可能にするとともに、上記サイドシムの材質を摺動体が
    摺動する摺動通路の材質に対して耐摩耗性のあるものに
    し、さらに前記整流部材を摺動体に軸着させる軸の両端
    部に上記サイドシムを位置させることにより、上記軸が
    軸方向へ動くことを規制したことを特徴とする2サイク
    ルエンジンの排気時期制御装置。
  2. 【請求項2】 前記摺動体の、排気圧による押圧力が作
    用する側の面にバックシムを固定し、このバックシムの
    厚みを選択することによって摺動体の板厚方向へのクリ
    アランスを調整可能にするとともに、上記バックシムの
    材質を摺動体が摺動する摺動通路の材質に対して耐摩耗
    性のあるものにしたことを特徴とする請求項1記載の2
    サイクルエンジンの排気時期制御装置。
  3. 【請求項3】 前記摺動体の、排気圧による押圧力が作
    用する側の面に前記整流部材軸着用の軸を保持する溝を
    形成し、この溝に前記バックシムを重ね合わせることに
    より、上記軸が摺動体の板厚方向へ動くことを規制した
    ことを特徴とする請求項2記載の2サイクルエンジンの
    排気時期制御装置。
  4. 【請求項4】 前記摺動体の、排気圧による押圧力が作
    用する側の面に前記アクチュエータの動力を摺動体の摺
    動ストロークに変換させる駆動手段を収納する駆動手段
    収納凹部を形成し、この駆動手段収納凹部に前記バック
    シムを重ね合わせることにより、上記駆動手段が摺動体
    の板厚方向へ動くことを規制するとともに、上記駆動手
    段収納凹部内に潤滑剤を封入可能としたことを特徴とす
    る請求項2記載の2サイクルエンジンの排気時期制御装
    置。
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