JPH06212976A - 2サイクルエンジンの排気時期制御装置 - Google Patents

2サイクルエンジンの排気時期制御装置

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JPH06212976A
JPH06212976A JP690993A JP690993A JPH06212976A JP H06212976 A JPH06212976 A JP H06212976A JP 690993 A JP690993 A JP 690993A JP 690993 A JP690993 A JP 690993A JP H06212976 A JPH06212976 A JP H06212976A
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sliding
valve
sliding surface
timing control
exhaust timing
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JP690993A
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Kosaku Yamauchi
幸作 山内
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B75/00Other engines
    • F02B75/02Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke
    • F02B2075/022Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle
    • F02B2075/025Engines characterised by their cycles, e.g. six-stroke having less than six strokes per cycle two

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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】排気時期制御バルブの摺動体と摺動通路とのク
リアランスを最適値に設定可能にすると共に、クリアラ
ンスの摩耗を防止可能とし、ガタツキを抑えて排気時期
の制御を正確にする。 【構成】シリンダボア6の軸方向に平行な第1摺動面3
1aをシリンダブロック3に設ける一方、第1摺動面に
平行に対面する第2摺動面31bを備えたバルブホルダ
36を、枠状のバルブスペーサ35を介して第1摺動面
に取り付け、バルブスペーサの枠内空間を摺動通路31
とし、バルブスペーサの板厚Tを摺動体26の板厚より
僅かに厚くすることにより、第1摺動面と第2摺動面と
の間で摺動体を摺動自在に保持した。又シリンダブロッ
クとバルブスペーサとの間、及びバルブスペーサとバル
ブホルダとの間に、夫々ガスケット37,38を介装
し、同ガスケットにより第1摺動面と第2摺動面を被装
すると共に、ガスケットの材質を、摺動体の耐摩耗性を
向上させるものにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジンの回転数に応
じて排気時期を変化させるようにした2サイクルエンジ
ンの排気時期制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、2サイクルエンジンにおいて
は、低速回転時に排気時期を遅くし、回転数の上昇に応
じて排気時期を早めてゆけば、全回転数域に亘って高出
力が得られることが知られている。
【0003】排気時期を変化させる排気時期制御装置と
して一般的なものに、シリンダボアの内壁面に開口する
排気ポートの開口部近傍に排気時期制御バルブを設け、
この排気時期制御バルブをサーボモータ等のアクチュエ
ータによって駆動し、上記排気ポートの開口上縁部(上
死点側の縁部)の高さを変化させるようにしたものがあ
る。
【0004】図8(a),(b)は、このような排気時
期制御装置の一構造例を示す縦断面図である。
【0005】この排気時期制御装置100は、シリンダ
ボア101の内壁面に開口する排気ポート102の上死
点側縁部の高さを変化させる排気時期制御バルブ103
を備えている。上記排気時期制御バルブ103は、上記
シリンダボア101の軸方向沿いに摺動する平板状の摺
動体104と、この摺動体104に摺動一体に設けられ
て排気ポート102の開口部側に延びる弁体105とを
有している。
【0006】上記摺動体104は、図8(b)に示すよ
うにシリンダボア101が形成されたシリンダブロック
106と、このシリンダブロック106に固定されたバ
ルブホルダ107との間に画成された摺動通路108内
に保持され、シリンダボアの軸方向に沿って摺動自在と
なっている。
【0007】上記バルブホルダ107内には、図示しな
いアクチュエータによって回転駆動される偏心カム10
9が回転自在に軸支され、この偏心カム109の一端に
形成されたカム部110が摺動体104を駆動する(摺
動させる)構成となっている。
【0008】図8(a)では、排気時期制御バルブ10
3が最も上死点側にあり、弁体105が排気ポート10
2の上死点側縁部に密着しているため、排気時期が最も
早められた高速回転向きの設定となっている。また、図
8(b)では、排気時期制御バルブ103が最も下死点
側にあり、弁体105が排気ポート102の上死点側縁
部から下がっているため、その分だけ排気時期が遅めら
れて低速回転向きの設定となっている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように構成された
排気時期制御装置100では、前記摺動体104と摺動
通路108との間のクリアランス(隙間)を最少限に設
定しないと、摺動体104とともに弁体105がガタつ
いて排気時期が狂い、出力特性が乱れるおそれがある。
また、摺動体104が振動してしまうため、摺動面の摩
耗が進行して上記問題点が助長される懸念がある。
【0010】しかしながら、摺動体104と摺動通路1
08は、それぞれ別工程で加工されるため、前記クリア
ランスを小さくするためには摺動体104と摺動通路1
08の寸法公差を非常に小さくするか、あるいは摺動体
104と摺動通路108の仕上り寸法をそれぞれ測定
し、両者を選別して組み合せてやる必要があり、いずれ
にしても生産性が著しく低下してしまう。
【0011】そこで、摺動体104か摺動通路108の
いずれか一方を、それに組み合せられる他方の仕上り寸
法に応じて後加工することにより、最適なクリアランス
を確保して生産性を向上させることが考えられる。
【0012】ところが、摺動体104と摺動通路108
は、一般にダイカスト成形、またはフライス加工やエン
ドミル加工などの切削加工によって成形されるため、仕
上り寸法のバラツキが大きく、希望寸法通りに仕上げる
のが困難である。したがって、前述したように摺動体1
04と摺動通路108の仕上り寸法をそれぞれ測定し、
両者を選別して組み合せるなどの方法しか無かった。
【0013】ところで、摺動体104と摺動通路108
間のクリアランスが適正であっても、使用していくうち
に両者104,108の接触面が摩耗し、クリアランス
が大きくなってしまう懸念がある。このため、摺動体1
04と摺動通路108の接触面には耐摩耗性のある材料
を使用することが望ましい。
【0014】しかしながら、エンジン重量を軽減させる
都合上、排気時期制御バルブ103とシリンダブロック
106とバルブホルダ107は全てアルミニウム系の軽
量かつ軟質な材料によって形成されるのが一般的である
ため、共に軟質な材料でできた摺動体104と摺動通路
108の壁面とが擦れ合うことになり、どうしても摩耗
し易い状況となってしまう。
【0015】そこで、従来では、摺動通路108の第1
摺動面108aと第2摺動面108bとにメッキや表面
処理などを施して表面硬度を向上させたり、上記第1,
第2摺動面108a,108bに鋳鉄板を鋳ぐるむなど
して摺動通路108の耐摩耗性を向上させていたが、こ
のような耐摩耗対策を施することにより、大きなコスト
アップを余儀なくされていた。
【0016】本発明は、以上述べた問題点を解決するた
めになされたもので、排気時期制御バルブの摺動体と、
この摺動体が摺動する摺動通路とのクリアランスを最適
値に容易に設定可能にするとともに、上記クリアランス
が摩耗により拡がることを防止可能とし、排気時期制御
バルブのガタツキを抑えて排気時期の制御を正確に行な
わせることのできる2サイクルエンジンの排気時期制御
装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係る2サイクルエンジンの排気時期制御装
置は、アクチュエータの動力によりシリンダボアの軸方
向沿いに摺動し、上記シリンダボアの内壁面に開口する
排気ポートの上死点側縁部の高さを変化させる排気時期
制御バルブを備え、上記排気時期制御バルブが平板状の
摺動体を摺動一体に有し、この摺動体がシリンダボアの
軸方向に沿って延びる摺動通路内を摺動自在である2サ
イクルエンジンの排気時期制御装置において、シリンダ
ボアの軸方向に平行で排気ポートに直交する第1摺動面
をシリンダブロックに設ける一方、上記第1摺動面に平
行に対面する第2摺動面を備えたバルブホルダを、枠状
のバルブスペーサを介して第1摺動面に取り付け、上記
バルブスペーサの枠内空間を前記摺動通路とし、バルブ
スペーサの板厚を前記摺動体の板厚より僅かに厚くする
ことにより、第1摺動面と第2摺動面との間で摺動体を
摺動自在に保持したことを特徴とする。
【0018】また、前記シリンダとバルブスペーサとの
間、およびバルブスペーサとバルブホルダとの間に、そ
れぞれガスケットを介装し、上記ガスケットによって前
記第1摺動面と第2摺動面を被装するとともに、ガスケ
ットの材質を、摺動体の耐摩耗性を向上させるものにし
たことを特徴とする。
【0019】
【作用】このように構成した場合、前記バルブスペーサ
の板厚および枠内寸法を、摺動体の仕上り寸法に合せて
精度良く後加工することができるため、摺動体と摺動通
路との間のクリアランスを容易に最適値に設定可能とな
る。
【0020】また、前記第1摺動面と第2摺動面とが、
前記ガスケットで被装されるため、摺動体が第1摺動面
と第2摺動面とに直接接触しなくなり、第1摺動面と第
2摺動面の摩耗が防止されると同時に、摺動体の耐摩耗
性が向上するため、摺動体と摺動通路との間のクリアラ
ンスが最適な状態で永く維持される。
【0021】したがって、排気時期制御バルブがガタつ
くこと無く、正確な排気時期制御が行なわれる。
【0022】
【実施例】以下、本発明の一実施例について図面を参照
しながら説明する。
【0023】図1は、本発明が適用された2サイクルエ
ンジンの縦断面図である。この2サイクルエンジン1
は、例えば自動2輪車に搭載される水冷単気筒型のもの
で、クランクケース2の上部にシリンダブロック3とシ
リンダヘッド4とが順次組み付けられた構成となってい
る。
【0024】上記シリンダブロック3内にはシリンダラ
イナ5が設けられ、このシリンダライナ5内にシリンダ
ボア6が形成されている。また、前記シリンダヘッド4
には上記シリンダボア6に整合する燃焼室7が形成さ
れ、その中央部には点火プラグ8が螺合される。なお、
シリンダボア6の周囲と燃焼室7の周囲とには冷却水が
循環するウォータジャケット9が形成されている。
【0025】シリンダボア6にはピストン11が摺動自
在に挿入され、このピストン11に設けられたピストン
ピン12と、前記クランクケース2内で回転自在に軸支
されたクランクシャフト13のクランクピン14とがコ
ンロッド15によって連結されている。
【0026】クランクケース2には吸気口16が設けら
れており、その内部にはリードバルブ17が設置されて
いる。この吸気口16には図示しないキャブレタが連結
される。
【0027】クランクケース2の内部からは複数の掃気
ポート18がシリンダライナ5沿いに立ち上がってお
り、これらの掃気ポート18はそれぞれシリンダボア6
の内壁面に開口している。
【0028】シリンダボア6の内壁面には、上記掃気ポ
ート18よりもやや高い位置で排気ポート19が開口し
ている。この排気ポート19の他端は外部に通じてお
り、その出口には排気マフラ20が接続される。
【0029】上記排気ポート19には、本発明に係る排
気時期制御装置21が備えられている。この排気時期制
御装置21は、サーボモータ等のアクチュエータ22
と、上記アクチュエータ22の動力を伝達するケーブル
機構23とを含んで構成されている。
【0030】図2(a),(b)は本発明の一実施例を
示すもので、上記排気時期制御装置21の拡大図であ
る。また、図3は図1のIII −III 線に沿う断面図、図
4は図2(a)のIV矢視図、図5は図2(a)のV−V
矢視図、そして図6は図2(a)のVI−VI線に沿って展
開した断面図である。
【0031】排気時期制御装置21には、排気ポート1
9の上死点側開口縁部の高さを変化させる排気時期制御
バルブ25が組み込まれている。この排気時期制御バル
ブ25は、図7にも示すように、平板状に構成された摺
動体26と、この摺動体26に一体もしくは一体的に設
けられた弁体27とを備えている。なお、上記摺動体2
6の下縁部には、排気ガスの流れを整流する整流部材2
8が軸29によって回動自在に枢着されている。
【0032】上記摺動体26は、側面視(図1、図2参
照)でシリンダボア6の軸方向に平行しており、かつ平
面視(図3参照)で排気ポート19に直交していて、シ
リンダボア6の軸方向沿いに延びる摺動通路31(図2
(b)参照)内を自在とされている。
【0033】一方、上記弁体27は、摺動体26の下縁
部から排気ポート19の開口部に向って延びており、そ
の先端部形状はシリンダボア6の曲面に沿うR形状とさ
れている。図3および図4に示すように、排気ポート1
9はセンタブリッジ32によって左右に2分割されてい
るため、これに合せて弁体27も左右一対に設けられて
おり、その断面形状はそれぞれ左右の排気ポート19の
通路上面形状に沿うものとされ、図2(a)および図4
に示すように摺動体26が最も上方に位置した際に弁体
27が排気ポート19の通路上面に密着する態様となっ
ている。
【0034】弁体27の上面には、シリンダボア6の曲
面に平行するフランジ33が一体成型されており、この
フランジ33は図2(b)に示すようにシリンダブロッ
ク3に設けられた凹部34に出入りする。ここで、フラ
ンジ33の高さは摺動体26の昇降ストロークと同じか
それ以上とされ、図2(b)のように摺動体26が最も
下方に位置した際にフランジ33が凹部34から抜け切
らないようにされている。
【0035】シリンダブロック3には、シリンダボア6
の軸方向に平行で排気ポート19に直交する第1摺動面
31aが設けられており、この第1摺動面31aに、枠
状のバルブスペーサ35を介してバルブホルダ36が取
り付けられている。このバルブホルダ36には、上記第
1摺動面31aに平行に対面する第2摺動面31bが設
けられており、第1摺動面31aと第2摺動面31bと
の間、すなわち上記バルブスペーサ35の枠内空間が前
記摺動通路31となっている。
【0036】シリンダブロック3とバルブスペーサ35
との間、およびバルブスペーサ35とバルブホルダ36
との間には、それぞれ気密を保つガスケット37,38
が介装されていて、前記第1摺動面31aが上記ガスケ
ット37に、前記第2摺動面31bが上記ガスケット3
8に被装される構成となっている。なお、排気ポート1
9は、バルブスペーサ35とバルブホルダ36、ならび
にガスケット37,38を貫通して外部に通じるように
なっている。また、バルブホルダ36にはプーリカバー
39とキャップ40とが順に固定されている。
【0037】バルブスペーサ35の板厚Tは、摺動体2
6の板厚より僅かに厚く(例えば板厚の差が0.05mm
以内となるように)される。また、バルブスペーサ35
の枠内寸法W(図3参照)は、摺動体26の幅より僅か
に大きくされ、これらによって摺動体26が第1摺動面
31aと第2摺動面31bとの間で摺動自在に保持され
る。
【0038】このため、摺動体26が摺動通路31内で
スムーズに、かつガタつくことなく摺動可能なクリアラ
ンスが設定される。
【0039】一方、ガスケット37,38の材質には、
摺動体26の耐摩耗性を向上させるものが適用される。
すなわち、例えば摺動体26の材質がアルミニウム系の
ものである場合には、ガスケット37,38の材質にア
ルミニウム系より硬度の高い鉄系の材料を用い、摺動体
26の材質が鋳鉄などの鉄系材料である場合には、ガス
ケット37,38の材質を鉄系材料より硬度の低い銅や
アルミニウム系の材料とすることにより、摺動体26と
ガスケット37,38間の硬度を異ならせ、摺動体26
の耐摩耗性を向上させる。
【0040】摺動体26が摺動通路31内を摺動する
と、摺動体26とともに弁体27がシリンダ軸方向に沿
って移動し、これにより排気ポート19開口部の上死点
側縁部の高さが変化して2サイクルエンジン1の排気時
期が変更される。ちなみに、図2(a)は排気時期が最
も早められた高速回転状態を示し、図2(b)は排気時
期が最も遅められた低速回転状態を示している。
【0041】このように摺動する排気時期制御バルブ2
5は、前記アクチュエータ22の動力によって駆動され
る。本実施例では、アクチュエータ22の動力が偏心カ
ム42によって排気時期制御バルブ25の昇降ストロー
クに変更されるようになっている。
【0042】前記バルブホルダ36内には、上記偏心カ
ム42の回転軸43が回転自在に軸支されている。上記
回転軸43の一端には円形のカム部44が回転軸43の
軸心に対し偏心して形成されており、他端にはプーリ4
5がナット46等によって回転一体に固定されている。
【0043】上記プーリ45には図5に示すように前記
ケーブル機構23のケーブル47が巻回されており、前
記アクチュエータ22の動力が上記ケーブル47を介し
てプーリ45に伝えられ、偏心カム42が回転駆動され
る。
【0044】排気時期制御バルブ25の摺動体26に
は、カム室48が凹設されており、このカム室48に偏
心カム42のカム部44が偏心回転自在に、但しガタ無
く嵌入される。このため、アクチュエータ22の動力に
よって偏心カム42が回転駆動されると、カム部44が
カム室48内で偏心回転し、カム部44の偏心量の倍の
ストロークで排気時期制御バルブ25が摺動する。
【0045】そして、2サイクルエンジン1のエンジン
回転数が上昇するに従い、排気時期制御バルブ25が図
2(b)の位置から図2(a)の位置に動かされ、排気
時期が早められるように制御される。
【0046】なお、前記整流部材28は、その一端が前
述したように軸29によって摺動体26の下縁部に枢着
され、他端が軸50,51によって排気ポート19の壁
面に係着されている。このため、図2(b)に示す低速
回転状態においては、排気ポート19内に大きく突出す
る排気時期制御バルブ25の下流側に上記整流部材28
が滑らかに続く形となり、排気時期制御バルブ25の下
流部に大きな段差ができなくなるので、排気ガスの流れ
に乱れがなくなり、排気効率が向上する。
【0047】以上のように構成された排気時期制御装置
21では、従来一体とされていたバルブスペーサ35と
バルブホルダ36とが別体化されたため、バルブスペー
サ35の板厚Tおよび枠内寸法Wを、摺動体26の仕上
り寸法に合せて精度良く後加工することが可能となる。
ちなみに、バルブスペーサ35の板厚Tと枠内寸法W
は、それぞれ平面切削加工等とブローチ加工等とによっ
て容易に希望値に設定することができる。
【0048】このため、摺動体26と摺動通路31との
間のクリアランスを容易に最適値に、すなわち摺動体2
6がスムーズかつガタつくことなく摺動できる寸法にす
ることができる。
【0049】また、摺動通路31を構成する第1摺動面
31aと第2摺動面31bとが、それぞれガスケット3
7,38によって被装されるため、摺動体26が第1摺
動面31aと第2摺動面31bとに直接接触することが
ない。したがって、第1摺動面31aと第2摺動面31
bの摩耗が回避される。
【0050】さらに、ガスケット37,38の材質が摺
動体26の耐摩耗性を向上させるものであるため、摺動
体26も摩耗しにくく、前述したように第1摺動面31
aと第2摺動面31bとが摩耗しないことと相俟って、
摺動体26と摺動通路31との間のクリアランスが最適
な状態で永く維持される。
【0051】このように摺動体26と摺動通路31との
間のクリアランスが適正に保たれるため、排気時期制御
バルブ25がガタつくこと無く、正確な排気時期制御が
行なわれる。
【0052】なお、2サイクルエンジン1が中古品にな
っても、ガスケット37,38を新品にするか、バルブ
スペーサ35を研削すれば、摺動体26と摺動通路31
との間のクリアランスを新品時の状態に容易に戻せるの
で、オーバーホールに掛かるコストを非常に易くことが
できる。
【0053】ところで、図8(a),(b)に示す従来
の排気時期制御装置100の場合でも、シリンダブロッ
ク106とバルブホルダ107との間にガスケットを介
装すれば、第1摺動面108aの摩耗を回避させたり、
摺動体104の耐摩耗性を向上させることができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る2サ
イクルエンジンの排気時期制御装置は、シリンダボアの
軸方向に平行で排気ポートに直交する第1摺動面をシリ
ンダブロックに設ける一方、上記第1摺動面に平行に対
面する第2摺動面を備えたバルブホルダを、枠状のバル
ブスペーサを介して第1摺動面に取り付け、上記バルブ
スペーサの枠内空間を前記摺動通路とし、バルブスペー
サの板厚を前記摺動体の板厚より僅かに厚くすることに
より、第1摺動面と第2摺動面との間で摺動体を摺動自
在に保持したことを特徴とするものである。
【0055】したがって、上記バルブスペーサの板厚お
よび枠内寸法を、摺動体の仕上り寸法に合せて精度良く
後加工することができるようになり、摺動体と摺動通路
との間のクリアランスを容易に最適値に設定可能とな
る。
【0056】また、前記シリンダブロックとバルブスペ
ーサとの間、およびバルブスペーサとバルブホルダとの
間に、それぞれガスケットを介装し、上記ガスケットに
よって第1摺動面と第2摺動面を被装するとともに、ガ
スケットの材質を、摺動体の耐摩耗性を向上させるもの
にしたことを特徴とするため、摺動体が第1摺動面と第
2摺動面とに直接接触しなくなり、第1摺動面と第2摺
動面の摩耗が防止されると同時に、摺動体の耐摩耗性が
向上するため、摺動体と摺動通路との間のクリアランス
が最適な状態で永く維持されるしたがって、排気時期制
御バルブのガタツキが回避され、正確な排気時期制御を
行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用された2サイクルエンジンの縦断
面図。
【図2】本発明の一実施例を示すもので、(a)は排気
時期制御装置の高速状態を示す図、(b)は排気時期制
御装置の低速状態を示す図。
【図3】図1のIII −III 線に沿う断面図。
【図4】図2(a)のIV矢視図。
【図5】図2(a)のV−V矢視図。
【図6】図2(a)のVI−VI線に沿って展開した断面
図。
【図7】排気時期制御バルブの斜視図。
【図8】従来の技術を示す図で、(a)は排気時期制御
装置の高速状態を示す図、(b)は排気時期制御装置の
低速状態を示す図。
【符号の説明】
1 2サイクルエンジン 3 シリンダブロック 6 シリンダボア 19 排気ポート 21 排気時期制御装置 22 アクチュエータ 23 ケーブル機構 25 排気時期制御バルブ 26 摺動体 27 弁体 28 整流部材 31 摺動通路 31a 第1摺動面 31b 第2摺動面 35 バルブスペーサ 36 バルブホルダ 37,38 ガスケット 42 偏心カム

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクチュエータの動力によりシリンダボ
    アの軸方向沿いに摺動し、上記シリンダボアの内壁面に
    開口する排気ポートの上死点側縁部の高さを変化させる
    排気時期制御バルブを備え、上記排気時期制御バルブが
    平板状の摺動体を摺動一体に有し、この摺動体がシリン
    ダボアの軸方向に沿って延びる摺動通路内を摺動自在で
    ある2サイクルエンジンの排気時期制御装置において、
    シリンダボアの軸方向に平行で排気ポートに直交する第
    1摺動面をシリンダブロックに設ける一方、上記第1摺
    動面に平行に対面する第2摺動面を備えたバルブホルダ
    を、枠状のバルブスペーサを介して第1摺動面に取り付
    け、上記バルブスペーサの枠内空間を前記摺動通路と
    し、バルブスペーサの板厚を前記摺動体の板厚より僅か
    に厚くすることにより、第1摺動面と第2摺動面との間
    で摺動体を摺動自在に保持したことを特徴とする2サイ
    クルエンジンの排気時期制御装置。
  2. 【請求項2】 前記シリンダとバルブスペーサとの間、
    およびバルブスペーサとバルブホルダとの間に、それぞ
    れガスケットを介装し、上記ガスケットによって前記第
    1摺動面と第2摺動面を被装するとともに、ガスケット
    の材質を、摺動体の耐摩耗性を向上させるものにしたこ
    とを特徴とする請求項1記載の2サイクルエンジンの排
    気時期制御装置。
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