JP3557452B2 - 2サイクルエンジンの排気タイミング制御装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、2サイクルエンジンの排気タイミング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
斯かる排気タイミング制御装置は2サイクルエンジンの出力向上の一手段として用いられているが、例えば、主排気通路と補助排気通路を備える2サイクルエンジンにあっては、主排気通路と補助排気通路を各々開閉する主排気バルブと補助排気バルブをエンジン回転数に応じて開閉制御する排気タイミング制御装置が設けられる。
【0003】
ところで、主排気バルブと補助排気バルブの開閉によって排気タイミングを制御する従来の排気タイミング制御装置においては、主排気バルブと補助排気バルブはシャフト・リンク機構やギヤ機構等の単一の駆動系によって同時に駆動されており、基本的に両者は全作動域において同開度に制御され、両者の開度に実質的な位相差は生じなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、実際には或るエンジン回転域において最も高いエンジン出力を得ることができる排気タイミングは主排気通路と補助排気通路について必ずしも同一ではなく、最高エンジン出力を得るには主排気バルブと補助排気バルブの開度に位相差を設ける必要があり、従来の排気タイミング制御装置ではそれを実現することが不可能であった。
【0005】
そこで、主排気バルブと補助排気バルブを各々別の駆動系によって駆動することが考えられるが、このように構成すると制御系も含めて構造が複雑化し、装置の大型化やコストアップを招く。
【0006】
又、単一の駆動系を用いて機械的に主排気バルブと補助排気バルブの開度に位相差を設ける試みもなされているが、それは部品点数の増加、コストアップ等を招き、実用性に乏しかった。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、共通の駆動系及び最小限の部品構成で主排気バルブと補助排気バルブの開度に位相差を設け、最適なエンジン出力特性を得ることを可能とする2サイクルエンジンの排気タイミング制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明は、主排気通路で開閉する主排気バルブと、補助排気通路で開閉する補助排気バルブを備え、これらの主排気バルブと補助排気バルブの開閉をエンジン回転数に応じて制御する2サイクルエンジンの排気タイミング制御装置において、前記主排気バルブと補助排気バルブの駆動機構を共通の駆動軸とリンク機構を含んで構成し、前記駆動軸の中央部に取り付けられたクランクの両外側上部に補助排気バルブを係合せしめ、シリンダボディに組み込まれたハウジングに主排気バルブを回動可能に枢着するとともに、該主排気バルブに円弧状の長孔を形成し、前記クランクの内側面に係合されたロッドを前記ハウジングに貫設された円孔に摺動自在に挿通し、主排気バルブに形成された前記長孔に挿通するピンにて前記ロッドの先部を主排気バルブに連結することによって、少なくとも1つのリンク機構に作動割合を可変とする手段を設け、主排気バルブと補助排気バルブの中間作動域における開度に位相差を設けたことを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明によれば、主排気バルブと補助排気バルブを駆動する駆動機構が共通の駆動軸とリンク機構を含んで構成されるため、該駆動機構が単純化される。
【0010】
そして、複数のリンク機構の少なくとも1つにその作動割合を可変とする手段を設けることによって主排気バルブと補助排気バルブの中間作動域における開度に位相差を設けたため、共通の駆動系及び最小限の部品構成で最適なエンジン出力特性を得ることができる。
【0011】
【実施例】
以下に本発明の一実施例を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は本発明に係る排気タイミング制御装置を備える2サイクルエンジンのシリンダボディの縦断面図、図2は本発明に係る排気タイミング制御装置の分解斜視図、図3及び図4は主排気バルブの作用を示す断面図、図5は補助排気バルブの作用説明図、図6は主排気バルブを駆動するリンク機構の作用説明図、図7は本発明に係る排気タイミング制御装置における駆動軸の回転角に対する主排気バルブと補助排気バルブの開度特性図、図8は本発明に係る排気タイミング制御装置におけるエンジン回転数に対する主排気バルブと補助排気バルブの開度特性図である。
【0013】
本実施例に係る2サイクルエンジンは、図1に示すように、そのシリンダボディ1に主排気通路2、補助排気通路3及び掃気通路4を備えており、これらの主排気通路2、補助排気通路3及び掃気通路4は主排気ポート2a、補助排気ポート3a及び掃気ポート4aとしてシリンダボア5内にそれぞれ開口している。
【0014】
上記補助排気通路3は主排気通路2の両側に設けられており、各補助排気通路3は主排気通路2に開口する連通孔3bによって主排気通路2に連通せしめられている。
【0015】
尚、シリンダボディ1にはウォータージャケット6,7,8が形成されており、同シリンダボディ1の上部には不図示のシリンダヘッドが被着され、下部には不図示のクランクケースが取り付けられており、シリンダボア5にはピストン9が上下摺動自在に嵌装されている。
【0016】
而して、上記シリンダボディ1には本発明に係る排気タイミング制御装置10が設けられており、該排気タイミング制御装置10は前記主排気通路2で開閉する1つの主排気バルブ11と補助排気通路3で開閉する2つの補助排気バルブ12(図2及び図5参照)を含んで構成されている。
【0017】
ここで、上記排気タイミング制御装置10の構成の詳細を図2乃至図5に基づいて説明する。
【0018】
図2において、13は不図示のサーボモータによって回転駆動される駆動軸であって、その中央部にはクランク14が取り付けられており、該クランク14の両外側上部にはピン15によって前記補助排気バルブ12が係合せしめられている。即ち、クランク14の両外側面の上端部にはピン孔14a(一方のみ図示)が形成されており、各ピン孔14aに差し込まれた前記ピン15に各補助排気バルブ12の一端(後端部)内側に形成された溝12aが係合することによって各補助排気バルブ12が前述のようにクランク14に係合せしめられている。尚、各補助排気バルブ12は前記シリンダボディ1に摺動自在に嵌装されており、その先部は図示のように斜めにカットされて斜面を形成している。
【0019】
一方、図中、16はハウジングであって、該ハウジング16には2つの円孔16a(一方のみ図示)が互いに平行に貫設されており、該円孔16aにはスリーブ17がそれぞれ嵌着されており、該スリーブ17にはロッド18が摺動自在に挿通している。そして、各ロッド18は、これの後端部に穿設されたピン孔18aに貫通するピン19によって前記クランク14の内側面に形成された矩形の溝14bに係合している。
【0020】
又、上記ハウジング16の下部には前記主排気バルブ11の下部が回動自在に枢着されている。即ち、ハウジング16の下部にはスリーブ20が一体的に形成されており、主排気バルブ11はこれの下部に穿設された円孔11aと前記スリーブ20に挿通するピン21によって前述のようにハウジング16の下部に回動自在に枢着されている。
【0021】
ところで、主排気バルブ11の上部には障壁11bが一体に形成されており、その背面側中央に形成されたフランジ部11cには円弧状の長孔11dが形成されている。そして、排気バルブ11の上部は前記長孔11dに挿通するピン22によって前記ロッド18の先部に連結されている。つまり、ピン22の両端部がロッド18の先部に形成されたピン孔18bに嵌着されることによって、前述のように主排気バルブ11の上部がピン22によってロッド18の先部に連結されている。
【0022】
而して、ハウジング16には主排気バルブ11やスリーブ17、ロッド18等が予め組み込まれており、これらが組み込まれたハウジング16をシリンダボディ1に形成された組込孔1a(図3及び図4参照)に組み込んでこれの左右をビス23(図2には一方のみ図示)で止めることによって、該ハウジング16を主排気バルブ11等と共にシリンダボディ1に一体的に組み付けることができる。
【0023】
次に、本発明に係る排気タイミング制御装置10の作用を説明する。
【0024】
不図示のサーボモータによって駆動軸13が所定角度回転せしめられると、これの回転はリンク機構を構成するクランク14によってロッド18の直線運動に変換され、このロッド18の直線運動はリンク機構を構成する主排気バルブ11によって該主排気バルブ11自身のピン21を中心とする回転運動に変換され、これによって主排気バルブ11が主排気通路2で開閉される。
【0025】
又、同時に駆動軸13の回転はリンク機構を構成するクランク14によって補助排気バルブ12の直線運動に変換され、これによって補助排気バルブ12が補助排気通路3で開閉される。
【0026】
ここで、主排気バルブ11と補助排気バルブ12の開閉動作を図3乃至図8に基づいて更に詳細に説明する。
【0027】
先ず、補助排気バルブ12の開閉動作を図5に基づいて説明すると、補助排気バルブ12が図5に実線にて示す全開状態にあるとき、エンジン回転数によってサーボモータが駆動制御され、該サーボモータによって駆動軸13が図示のθ1 だけ回転駆動されると、この駆動軸13の回転はクランク14によって補助排気バルブ12の直線運動に変換され、該補助排気バルブ12は図示のSS だけストロークして図5に鎖線にて示すように全閉状態となり、補助排気通路3の断面積を縮小して排気タイミングを遅延せしめる。このとき、駆動軸13の全回転角θ1 に対する補助排気バルブ12の開度特性は図7に直線Sにて示すように線形を示す。
【0028】
他方、主排気バルブ11についてはこれが図3に示すように全開状態にあるとき、駆動軸13が角度θ1 だけ回転駆動されると、該駆動軸13の回転は前述のようにロッド18の直線運動に変換されて該ロッド18が図6に示すようにSM だけストロークし、このロッド18の直線運動は主排気バルブ11の回転運動に変換され、該主排気バルブ11はピン21を中心として回動して図4に示すように全閉状態となり、排気タイミングを遅延せしめる。
【0029】
而して、図7に示すように、主排気バルブ11と補助排気バルブ12の開度は全開と全閉状態において一致し、両者の間に位相差は生じないが、全開と全閉状態を除く中間作動域においては、駆動軸13の回転角θ1 に対する主排気バルブ11の排気特性は図5に曲線Mにて示すように非線形となり、本実施例では主排気バルブ11に対して補助排気バルブ12が先に開き、両者の開度に位相差が発生する。その理由を図6に基づいて説明する。
【0030】
即ち、図6に実線にて示す主排気バルブ12の全開状態において、駆動軸13とピン19の中心間距離(以下、リンク等価長L1Aと称す)をピン21,22の中心間距離(以下、リンク等価長L2Aと称す)よりも短く設定している(L1A<L2A)ため、駆動軸13の全回転角θ1 に対して主排気バルブ11の全回転角θ2 が小さくなる(θ2 <θ1 )。
【0031】
又、ロッド18は直線的に摺動するため、前記リンク等価長L1A,L2Aは駆動軸13の回転と共に変化し、主排気バルブ11の全閉状態において前記リンク等価長L1A,L2Aは図示のようにL1B,L2Bの値に変化する。尚、リンク等価長L1A,L2AのL1B,L2Bへの変化はピン19,22の溝14b、長孔11d内での摺動によって許容される。
【0032】
而して、本実施例では、長孔11dを図6において右曲がりの円弧状に形成しているため、主排気バルブ11のリンクとしての作動割合が変化し、このため該主排気バルブ11の開度が図7に曲線Mにて示すように駆動軸13の回転角θ1 に対して非線形となる。
【0033】
即ち、図6に示す駆動軸13の全回転角θ1 の範囲内に全開側の一定回転角θ1Aと全閉側の一定回転角θ1Bを考えた場合、これらの回転角θ1A,θ1Bに対するロッド18のストローク量A,Bは、θ1A=θ1Bであれば、A=Bとなり、この等しいストローク量A,Bによって生じる主排気バルブ11の回転角θ2A,θ2Bは前述の理由によって等しくならず、θ2A>θ2Bとなるため、全開時と全閉時を除く中間作動域において主排気バルブ11の開度特性は図7に曲線Mにて示すように非線形となり、例えば、駆動軸13の任意の回転角θ1Cにおいては主排気バルブ11と補助排気バルブ12の開度に図示の位相差が生じ、補助排気バルブ12の方が主排気バルブ11よりも先行して開かれる。
【0034】
尚、本実施例では、長孔11dを右曲がりの円弧状としたが、これの形状を逆に左曲がりの円弧状とすれば、主排気バルブ11の開度特性を図7に破線の曲線M’にて示すように変えることができ、主排気バルブ11を補助排気バルブ12に先行して開くようにすることができる。
【0035】
ところで、主排気バルブ11と補助排気バルブ12ではエンジン出力特性に及ぼす影響が異なり、主排気バルブ11の影響の方が大きいため、主排気バルブ11によって決定される排気タイミングとエンジン回転数をパラメータとして制御されるサーボモータによって主排気バルブ11の開度がエンジン回転数に対して図8の直線Mにて示すようにリニアに制御される。尚、主排気バルブ11と補助排気バルブ12は図示のN1 〜N2 のエンジン回転域(作動域)において開閉されて排気タイミングが制御される。
【0036】
而して、本実施例においては、前述のように補助排気バルブ12の開度が主排気バルブ11に先行して開くように両者の開度に位相差が設けられているため、エンジン回転数Nに対する補助排気バルブ12の特性は図8に曲線Sにて示すように非線形となる。尚、前述のように長孔11dの形状を逆に左曲がりの円弧状とすれば、補助排気バルブ12の開度特性を図8に破線の曲線S’に示すように変えることができ、主排気バルブ11を補助排気バルブ12に先行して開くようにすることができる。
【0037】
尚、本実施例においては、リンク機構を構成する主排気バルブ11の作動割合を可変とする手段として長孔11dを円弧状とする方法を採用したが、理論上はクランク14に形成された溝14b或は補助排気バルブ12に形成された溝12aを円弧状とすることも可能であるが、実際には、駆動軸13の全回転角θ1 は約60°と大きいため、前述のように溝14b又は溝12aを円弧状とすると、主排気バルブ11又は補助排気バルブ12が最大作動点(全閉又は全開位置)において作動し得なくなる可能性があり、実現性に乏しい。
【0038】
ところで、本実施例に係る主排気バルブ11の上部には障壁11bが突設されているため、図4に示す主排気バルブ11の全閉時において該障壁11bがシリンダボディ1との間の隙間δを詰める。このため、主排気バルブ11とピストン9の間に形成される空間ΔSが最小に保たれ、主排気バルブ11による排気タイミング制御が効果的に行われる。
【0039】
而して、本実施例では、前述のように主排気バルブ11はハウジング16に組み込まれた状態でシリンダボディ1に対して組み込まれるため、図3に示す主排気バルブ11の全開時に該主排気バルブ11を収納するための収納部1bを従来の鍛造に代えて機械加工によって高精度に形成することができ、このため、前記隙間δを最小限に詰めることが容易に可能となり、主排気バルブ11による排気タイミングの制御をより効率的に行うことができるようになる。
【0040】
又、本実施例では、ハウジング16を組み込むためにシリンダボディ1に形成された前記組込孔1aとシリンダボア5とが交差する稜線C(図1参照)と主排気ポート2aの上縁部とを一致させたため、従来は鋳造のみで形成されていた主排気ポート2aの一部(上縁部)の形状を機械加工によって高精度に得ることができ、特別の加工を施すことなくエンジン出力のバラツキを解消することができる。尚、主排気ポート2aの下縁部の形状はエンジンの出力特性には殆ど影響を与えないため、該主排気ポート2aの下縁部の形状を鋳造によって得ても問題は発生しない。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明で明らかな如く、本発明によれば、主排気通路で開閉する主排気バルブと、補助排気通路で開閉する補助排気バルブを備え、これらの主排気バルブと補助排気バルブの開閉をエンジン回転数に応じて制御する2サイクルエンジンの排気タイミング制御装置において、前記主排気バルブと補助排気バルブの駆動機構を共通の駆動軸とリンク機構を含んで構成し、前記駆動軸の中央部に取り付けられたクランクの両外側上部に補助排気バルブを係合せしめ、シリンダボディに組み込まれたハウジングに主排気バルブを回動可能に枢着するとともに、該主排気バルブに円弧状の長孔を形成し、前記クランクの内側面に係合されたロッドを前記ハウジングに貫設された円孔に摺動自在に挿通し、主排気バルブに形成された前記長孔に挿通するピンにて前記ロッドの先部を主排気バルブに連結することによって、少なくとも1つのリンク機構に作動割合を可変とする手段を設け、主排気バルブと補助排気バルブの中間作動域における開度に位相差を設けたため、共通の駆動系及び最小限の部品構成で主排気バルブと補助排気バルブの開度に位相差を設け、最適なエンジン出力特性を得ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排気タイミング制御装置を備える2サイクルエンジンのシリンダボディの縦断面図である。
【図2】本発明に係る排気タイミング制御装置の分解斜視図である。
【図3】主排気バルブの作用を示す断面図である。
【図4】主排気バルブの作用を示す断面図である。
【図5】補助排気バルブの作用説明図である。
【図6】主排気バルブを駆動するリンク機構の作用説明図である。
【図7】本発明に係る排気タイミング制御装置における駆動軸の回転角に対する主排気バルブと補助排気バルブの開度特性図である。
【図8】本発明に係る排気タイミング制御装置におけるエンジン回転数に対する主排気バルブと補助排気バルブの開度特性図である。
【符号の説明】
2 主排気通路
3 補助排気通路
10 排気タイミング制御装置
11 主排気バルブ
11d リンク機構の作動割合を可変とする手段
12 補助排気バルブ
13 駆動軸
【産業上の利用分野】
本発明は、2サイクルエンジンの排気タイミング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
斯かる排気タイミング制御装置は2サイクルエンジンの出力向上の一手段として用いられているが、例えば、主排気通路と補助排気通路を備える2サイクルエンジンにあっては、主排気通路と補助排気通路を各々開閉する主排気バルブと補助排気バルブをエンジン回転数に応じて開閉制御する排気タイミング制御装置が設けられる。
【0003】
ところで、主排気バルブと補助排気バルブの開閉によって排気タイミングを制御する従来の排気タイミング制御装置においては、主排気バルブと補助排気バルブはシャフト・リンク機構やギヤ機構等の単一の駆動系によって同時に駆動されており、基本的に両者は全作動域において同開度に制御され、両者の開度に実質的な位相差は生じなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、実際には或るエンジン回転域において最も高いエンジン出力を得ることができる排気タイミングは主排気通路と補助排気通路について必ずしも同一ではなく、最高エンジン出力を得るには主排気バルブと補助排気バルブの開度に位相差を設ける必要があり、従来の排気タイミング制御装置ではそれを実現することが不可能であった。
【0005】
そこで、主排気バルブと補助排気バルブを各々別の駆動系によって駆動することが考えられるが、このように構成すると制御系も含めて構造が複雑化し、装置の大型化やコストアップを招く。
【0006】
又、単一の駆動系を用いて機械的に主排気バルブと補助排気バルブの開度に位相差を設ける試みもなされているが、それは部品点数の増加、コストアップ等を招き、実用性に乏しかった。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、共通の駆動系及び最小限の部品構成で主排気バルブと補助排気バルブの開度に位相差を設け、最適なエンジン出力特性を得ることを可能とする2サイクルエンジンの排気タイミング制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明は、主排気通路で開閉する主排気バルブと、補助排気通路で開閉する補助排気バルブを備え、これらの主排気バルブと補助排気バルブの開閉をエンジン回転数に応じて制御する2サイクルエンジンの排気タイミング制御装置において、前記主排気バルブと補助排気バルブの駆動機構を共通の駆動軸とリンク機構を含んで構成し、前記駆動軸の中央部に取り付けられたクランクの両外側上部に補助排気バルブを係合せしめ、シリンダボディに組み込まれたハウジングに主排気バルブを回動可能に枢着するとともに、該主排気バルブに円弧状の長孔を形成し、前記クランクの内側面に係合されたロッドを前記ハウジングに貫設された円孔に摺動自在に挿通し、主排気バルブに形成された前記長孔に挿通するピンにて前記ロッドの先部を主排気バルブに連結することによって、少なくとも1つのリンク機構に作動割合を可変とする手段を設け、主排気バルブと補助排気バルブの中間作動域における開度に位相差を設けたことを特徴とする。
【0009】
【作用】
本発明によれば、主排気バルブと補助排気バルブを駆動する駆動機構が共通の駆動軸とリンク機構を含んで構成されるため、該駆動機構が単純化される。
【0010】
そして、複数のリンク機構の少なくとも1つにその作動割合を可変とする手段を設けることによって主排気バルブと補助排気バルブの中間作動域における開度に位相差を設けたため、共通の駆動系及び最小限の部品構成で最適なエンジン出力特性を得ることができる。
【0011】
【実施例】
以下に本発明の一実施例を添付図面に基づいて説明する。
【0012】
図1は本発明に係る排気タイミング制御装置を備える2サイクルエンジンのシリンダボディの縦断面図、図2は本発明に係る排気タイミング制御装置の分解斜視図、図3及び図4は主排気バルブの作用を示す断面図、図5は補助排気バルブの作用説明図、図6は主排気バルブを駆動するリンク機構の作用説明図、図7は本発明に係る排気タイミング制御装置における駆動軸の回転角に対する主排気バルブと補助排気バルブの開度特性図、図8は本発明に係る排気タイミング制御装置におけるエンジン回転数に対する主排気バルブと補助排気バルブの開度特性図である。
【0013】
本実施例に係る2サイクルエンジンは、図1に示すように、そのシリンダボディ1に主排気通路2、補助排気通路3及び掃気通路4を備えており、これらの主排気通路2、補助排気通路3及び掃気通路4は主排気ポート2a、補助排気ポート3a及び掃気ポート4aとしてシリンダボア5内にそれぞれ開口している。
【0014】
上記補助排気通路3は主排気通路2の両側に設けられており、各補助排気通路3は主排気通路2に開口する連通孔3bによって主排気通路2に連通せしめられている。
【0015】
尚、シリンダボディ1にはウォータージャケット6,7,8が形成されており、同シリンダボディ1の上部には不図示のシリンダヘッドが被着され、下部には不図示のクランクケースが取り付けられており、シリンダボア5にはピストン9が上下摺動自在に嵌装されている。
【0016】
而して、上記シリンダボディ1には本発明に係る排気タイミング制御装置10が設けられており、該排気タイミング制御装置10は前記主排気通路2で開閉する1つの主排気バルブ11と補助排気通路3で開閉する2つの補助排気バルブ12(図2及び図5参照)を含んで構成されている。
【0017】
ここで、上記排気タイミング制御装置10の構成の詳細を図2乃至図5に基づいて説明する。
【0018】
図2において、13は不図示のサーボモータによって回転駆動される駆動軸であって、その中央部にはクランク14が取り付けられており、該クランク14の両外側上部にはピン15によって前記補助排気バルブ12が係合せしめられている。即ち、クランク14の両外側面の上端部にはピン孔14a(一方のみ図示)が形成されており、各ピン孔14aに差し込まれた前記ピン15に各補助排気バルブ12の一端(後端部)内側に形成された溝12aが係合することによって各補助排気バルブ12が前述のようにクランク14に係合せしめられている。尚、各補助排気バルブ12は前記シリンダボディ1に摺動自在に嵌装されており、その先部は図示のように斜めにカットされて斜面を形成している。
【0019】
一方、図中、16はハウジングであって、該ハウジング16には2つの円孔16a(一方のみ図示)が互いに平行に貫設されており、該円孔16aにはスリーブ17がそれぞれ嵌着されており、該スリーブ17にはロッド18が摺動自在に挿通している。そして、各ロッド18は、これの後端部に穿設されたピン孔18aに貫通するピン19によって前記クランク14の内側面に形成された矩形の溝14bに係合している。
【0020】
又、上記ハウジング16の下部には前記主排気バルブ11の下部が回動自在に枢着されている。即ち、ハウジング16の下部にはスリーブ20が一体的に形成されており、主排気バルブ11はこれの下部に穿設された円孔11aと前記スリーブ20に挿通するピン21によって前述のようにハウジング16の下部に回動自在に枢着されている。
【0021】
ところで、主排気バルブ11の上部には障壁11bが一体に形成されており、その背面側中央に形成されたフランジ部11cには円弧状の長孔11dが形成されている。そして、排気バルブ11の上部は前記長孔11dに挿通するピン22によって前記ロッド18の先部に連結されている。つまり、ピン22の両端部がロッド18の先部に形成されたピン孔18bに嵌着されることによって、前述のように主排気バルブ11の上部がピン22によってロッド18の先部に連結されている。
【0022】
而して、ハウジング16には主排気バルブ11やスリーブ17、ロッド18等が予め組み込まれており、これらが組み込まれたハウジング16をシリンダボディ1に形成された組込孔1a(図3及び図4参照)に組み込んでこれの左右をビス23(図2には一方のみ図示)で止めることによって、該ハウジング16を主排気バルブ11等と共にシリンダボディ1に一体的に組み付けることができる。
【0023】
次に、本発明に係る排気タイミング制御装置10の作用を説明する。
【0024】
不図示のサーボモータによって駆動軸13が所定角度回転せしめられると、これの回転はリンク機構を構成するクランク14によってロッド18の直線運動に変換され、このロッド18の直線運動はリンク機構を構成する主排気バルブ11によって該主排気バルブ11自身のピン21を中心とする回転運動に変換され、これによって主排気バルブ11が主排気通路2で開閉される。
【0025】
又、同時に駆動軸13の回転はリンク機構を構成するクランク14によって補助排気バルブ12の直線運動に変換され、これによって補助排気バルブ12が補助排気通路3で開閉される。
【0026】
ここで、主排気バルブ11と補助排気バルブ12の開閉動作を図3乃至図8に基づいて更に詳細に説明する。
【0027】
先ず、補助排気バルブ12の開閉動作を図5に基づいて説明すると、補助排気バルブ12が図5に実線にて示す全開状態にあるとき、エンジン回転数によってサーボモータが駆動制御され、該サーボモータによって駆動軸13が図示のθ1 だけ回転駆動されると、この駆動軸13の回転はクランク14によって補助排気バルブ12の直線運動に変換され、該補助排気バルブ12は図示のSS だけストロークして図5に鎖線にて示すように全閉状態となり、補助排気通路3の断面積を縮小して排気タイミングを遅延せしめる。このとき、駆動軸13の全回転角θ1 に対する補助排気バルブ12の開度特性は図7に直線Sにて示すように線形を示す。
【0028】
他方、主排気バルブ11についてはこれが図3に示すように全開状態にあるとき、駆動軸13が角度θ1 だけ回転駆動されると、該駆動軸13の回転は前述のようにロッド18の直線運動に変換されて該ロッド18が図6に示すようにSM だけストロークし、このロッド18の直線運動は主排気バルブ11の回転運動に変換され、該主排気バルブ11はピン21を中心として回動して図4に示すように全閉状態となり、排気タイミングを遅延せしめる。
【0029】
而して、図7に示すように、主排気バルブ11と補助排気バルブ12の開度は全開と全閉状態において一致し、両者の間に位相差は生じないが、全開と全閉状態を除く中間作動域においては、駆動軸13の回転角θ1 に対する主排気バルブ11の排気特性は図5に曲線Mにて示すように非線形となり、本実施例では主排気バルブ11に対して補助排気バルブ12が先に開き、両者の開度に位相差が発生する。その理由を図6に基づいて説明する。
【0030】
即ち、図6に実線にて示す主排気バルブ12の全開状態において、駆動軸13とピン19の中心間距離(以下、リンク等価長L1Aと称す)をピン21,22の中心間距離(以下、リンク等価長L2Aと称す)よりも短く設定している(L1A<L2A)ため、駆動軸13の全回転角θ1 に対して主排気バルブ11の全回転角θ2 が小さくなる(θ2 <θ1 )。
【0031】
又、ロッド18は直線的に摺動するため、前記リンク等価長L1A,L2Aは駆動軸13の回転と共に変化し、主排気バルブ11の全閉状態において前記リンク等価長L1A,L2Aは図示のようにL1B,L2Bの値に変化する。尚、リンク等価長L1A,L2AのL1B,L2Bへの変化はピン19,22の溝14b、長孔11d内での摺動によって許容される。
【0032】
而して、本実施例では、長孔11dを図6において右曲がりの円弧状に形成しているため、主排気バルブ11のリンクとしての作動割合が変化し、このため該主排気バルブ11の開度が図7に曲線Mにて示すように駆動軸13の回転角θ1 に対して非線形となる。
【0033】
即ち、図6に示す駆動軸13の全回転角θ1 の範囲内に全開側の一定回転角θ1Aと全閉側の一定回転角θ1Bを考えた場合、これらの回転角θ1A,θ1Bに対するロッド18のストローク量A,Bは、θ1A=θ1Bであれば、A=Bとなり、この等しいストローク量A,Bによって生じる主排気バルブ11の回転角θ2A,θ2Bは前述の理由によって等しくならず、θ2A>θ2Bとなるため、全開時と全閉時を除く中間作動域において主排気バルブ11の開度特性は図7に曲線Mにて示すように非線形となり、例えば、駆動軸13の任意の回転角θ1Cにおいては主排気バルブ11と補助排気バルブ12の開度に図示の位相差が生じ、補助排気バルブ12の方が主排気バルブ11よりも先行して開かれる。
【0034】
尚、本実施例では、長孔11dを右曲がりの円弧状としたが、これの形状を逆に左曲がりの円弧状とすれば、主排気バルブ11の開度特性を図7に破線の曲線M’にて示すように変えることができ、主排気バルブ11を補助排気バルブ12に先行して開くようにすることができる。
【0035】
ところで、主排気バルブ11と補助排気バルブ12ではエンジン出力特性に及ぼす影響が異なり、主排気バルブ11の影響の方が大きいため、主排気バルブ11によって決定される排気タイミングとエンジン回転数をパラメータとして制御されるサーボモータによって主排気バルブ11の開度がエンジン回転数に対して図8の直線Mにて示すようにリニアに制御される。尚、主排気バルブ11と補助排気バルブ12は図示のN1 〜N2 のエンジン回転域(作動域)において開閉されて排気タイミングが制御される。
【0036】
而して、本実施例においては、前述のように補助排気バルブ12の開度が主排気バルブ11に先行して開くように両者の開度に位相差が設けられているため、エンジン回転数Nに対する補助排気バルブ12の特性は図8に曲線Sにて示すように非線形となる。尚、前述のように長孔11dの形状を逆に左曲がりの円弧状とすれば、補助排気バルブ12の開度特性を図8に破線の曲線S’に示すように変えることができ、主排気バルブ11を補助排気バルブ12に先行して開くようにすることができる。
【0037】
尚、本実施例においては、リンク機構を構成する主排気バルブ11の作動割合を可変とする手段として長孔11dを円弧状とする方法を採用したが、理論上はクランク14に形成された溝14b或は補助排気バルブ12に形成された溝12aを円弧状とすることも可能であるが、実際には、駆動軸13の全回転角θ1 は約60°と大きいため、前述のように溝14b又は溝12aを円弧状とすると、主排気バルブ11又は補助排気バルブ12が最大作動点(全閉又は全開位置)において作動し得なくなる可能性があり、実現性に乏しい。
【0038】
ところで、本実施例に係る主排気バルブ11の上部には障壁11bが突設されているため、図4に示す主排気バルブ11の全閉時において該障壁11bがシリンダボディ1との間の隙間δを詰める。このため、主排気バルブ11とピストン9の間に形成される空間ΔSが最小に保たれ、主排気バルブ11による排気タイミング制御が効果的に行われる。
【0039】
而して、本実施例では、前述のように主排気バルブ11はハウジング16に組み込まれた状態でシリンダボディ1に対して組み込まれるため、図3に示す主排気バルブ11の全開時に該主排気バルブ11を収納するための収納部1bを従来の鍛造に代えて機械加工によって高精度に形成することができ、このため、前記隙間δを最小限に詰めることが容易に可能となり、主排気バルブ11による排気タイミングの制御をより効率的に行うことができるようになる。
【0040】
又、本実施例では、ハウジング16を組み込むためにシリンダボディ1に形成された前記組込孔1aとシリンダボア5とが交差する稜線C(図1参照)と主排気ポート2aの上縁部とを一致させたため、従来は鋳造のみで形成されていた主排気ポート2aの一部(上縁部)の形状を機械加工によって高精度に得ることができ、特別の加工を施すことなくエンジン出力のバラツキを解消することができる。尚、主排気ポート2aの下縁部の形状はエンジンの出力特性には殆ど影響を与えないため、該主排気ポート2aの下縁部の形状を鋳造によって得ても問題は発生しない。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明で明らかな如く、本発明によれば、主排気通路で開閉する主排気バルブと、補助排気通路で開閉する補助排気バルブを備え、これらの主排気バルブと補助排気バルブの開閉をエンジン回転数に応じて制御する2サイクルエンジンの排気タイミング制御装置において、前記主排気バルブと補助排気バルブの駆動機構を共通の駆動軸とリンク機構を含んで構成し、前記駆動軸の中央部に取り付けられたクランクの両外側上部に補助排気バルブを係合せしめ、シリンダボディに組み込まれたハウジングに主排気バルブを回動可能に枢着するとともに、該主排気バルブに円弧状の長孔を形成し、前記クランクの内側面に係合されたロッドを前記ハウジングに貫設された円孔に摺動自在に挿通し、主排気バルブに形成された前記長孔に挿通するピンにて前記ロッドの先部を主排気バルブに連結することによって、少なくとも1つのリンク機構に作動割合を可変とする手段を設け、主排気バルブと補助排気バルブの中間作動域における開度に位相差を設けたため、共通の駆動系及び最小限の部品構成で主排気バルブと補助排気バルブの開度に位相差を設け、最適なエンジン出力特性を得ることができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る排気タイミング制御装置を備える2サイクルエンジンのシリンダボディの縦断面図である。
【図2】本発明に係る排気タイミング制御装置の分解斜視図である。
【図3】主排気バルブの作用を示す断面図である。
【図4】主排気バルブの作用を示す断面図である。
【図5】補助排気バルブの作用説明図である。
【図6】主排気バルブを駆動するリンク機構の作用説明図である。
【図7】本発明に係る排気タイミング制御装置における駆動軸の回転角に対する主排気バルブと補助排気バルブの開度特性図である。
【図8】本発明に係る排気タイミング制御装置におけるエンジン回転数に対する主排気バルブと補助排気バルブの開度特性図である。
【符号の説明】
2 主排気通路
3 補助排気通路
10 排気タイミング制御装置
11 主排気バルブ
11d リンク機構の作動割合を可変とする手段
12 補助排気バルブ
13 駆動軸
Claims (1)
- 主排気通路で開閉する主排気バルブと、補助排気通路で開閉する補助排気バルブを備え、これらの主排気バルブと補助排気バルブの開閉をエンジン回転数に応じて制御する2サイクルエンジンの排気タイミング制御装置において、
前記主排気バルブと補助排気バルブの駆動機構を共通の駆動軸とリンク機構を含んで構成し、前記駆動軸の中央部に取り付けられたクランクの両外側上部に補助排気バルブを係合せしめ、シリンダボディに組み込まれたハウジングに主排気バルブを回動可能に枢着するとともに、該主排気バルブに円弧状の長孔を形成し、前記クランクの内側面に係合されたロッドを前記ハウジングに貫設された円孔に摺動自在に挿通し、主排気バルブに形成された前記長孔に挿通するピンにて前記ロッドの先部を主排気バルブに連結することによって、少なくとも1つのリンク機構に作動割合を可変とする手段を設け、主排気バルブと補助排気バルブの中間作動域における開度に位相差を設けたことを特徴とする2サイクルエンジンの排気タイミング制御装置。
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- 1994-04-26 JP JP08821294A patent/JP3557452B2/ja not_active Expired - Fee Related
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