JP2005023832A - 2サイクルエンジンの排気制御装置 - Google Patents

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Kazuhisa Fujita
藤田  和久
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Abstract

【課題】構造の簡単な2サイクルエンジンの排気制御装置を提供するにある。
【解決手段】エンジンを構成するシリンダブロックに主排気制御バルブ24をスライド可能かつ回動不可能に、副排気制御バルブ25を回動可能かつスライド不可能に備えた2サイクルエンジンの排気制御装置23において、主排気制御バルブ24と副排気制御バルブ25とをカム機構40を用いて互いに係合させたものである。
【選択図】 図11

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、2サイクルエンジンの排気制御装置に係り、特に運転状況に応じて排気タイミングを変更可能にした2サイクルエンジンの排気制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
2サイクルエンジンのシリンダ内周面にはピストンの往復ストロークによって開閉される掃気ポートおよび排気ポートが形成されており、エンジンの爆発工程時にピストンが下死点側へ下降した際、掃気ポートおよび排気ポートが開いてクランクケース内で一次圧縮された混合気が掃気ポートからシリンダ内に充填されると同時にシリンダ内の排気ガスが排気ポートから排出される様に構成されている。
【0003】
一般に、排気ポートの入口をシリンダ内の上死点寄りに設けるほど排気タイミングが早くなってエンジンの高速回転時における出力の向上を図ることができる反面、エンジンの低速回転時には排気タイミングが速すぎてトルクが減少したり混合気が吹き抜けを起こして燃費が悪化したりするなどの問題点があった。
【0004】
このような問題を解決する手段として、排気ポートの入口近傍に排気のタイミングを制御する装置、例えば排気バルブを設け、この排気バルブをエンジンの運転状況に応じて作動させて排気ポート入口上縁部の高さを変化させることによりエンジン回転数に応じた排気タイミングを制御可能にしたものがある。
【0005】
さらに、このような排気ポートの他に開閉自在の副ポートを設け、例えばエンジンの高速回転時にこの副排気ポートを開くことにより排気ポート全体の断面積を広げてエンジンの出力を向上させるものもある。
【0006】
副排気ポートおよびこの副排気ポートの開閉手段の構造例としては、例えば副排気ポートの入口に円柱状の開閉バルブを回転自在に設け、この開閉バルブをラック&ピニオン機構で開閉操作するもの(例えば、特許文献1参照)、例えば副排気ポートの入口に円柱状のロータリー弁を回転自在に設け、このロータリー弁をステッピングモータで開閉操作するもの(例えば、特許文献2参照)、例えば副排気ポートの入口に円柱状の副排気バルブを回動自在に設け、この副排気バルブを主排気バルブに連結されたリンク機構で開閉操作するもの(例えば、特許文献3参照)等がある。
【0007】
【特許文献1】
特開昭62−197638号公報(第3頁、右上段16行目乃至左下段10行目および第1図乃至第3図)
【0008】
【特許文献2】
実開平3−95026号公報(第1図および第2図)
【0009】
【特許文献3】
特開平5−141249号公報(段落番号[0021]、[0029]、[0030]、図2、図3および図5)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したいずれの副排気ポート開閉手段の構造例においても、開閉手段の設置およびその駆動系の配置のために複雑なシリンダ加工を必要とし、また、構造が複雑で部品点数も多く、組み付け工程数やコストの増加を招くと共に、信頼性にも欠ける。
【0011】
本発明は上述した事情を考慮してなされたもので、構造の簡単な2サイクルエンジンの排気制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る2サイクルエンジンの排気制御装置は、上述した課題を解決するために、請求項1に記載したように、エンジンを構成するシリンダブロックに主排気制御バルブをスライド可能かつ回動不可能に、副排気制御バルブを回動可能かつスライド不可能に備えた2サイクルエンジンの排気制御装置において、上記主排気制御バルブと上記副排気制御バルブとをカム機構を用いて互いに係合させたものである。
【0013】
また、上述した課題を解決するために、請求項2に記載したように、上記主排気制御バルブと上記副排気制御バルブとを互いに平行に配置すると共に、上記各バルブの中心をこれらのバルブの並び方向に対して直行する方向に略一直線状に配置し、上記両バルブを係合させた状態で一方を直動に、他方を回動としたものである。
【0014】
さらに、上述した課題を解決するために、請求項3に記載したように、上記カム機構を、上記主排気制御バルブから突出した係合ピンを副排気制御バルブの外表面に形成された螺旋状のカム溝に係合させる構造としたものである。
【0015】
そして、上述した課題を解決するために、請求項4に記載したように、上記副排気制御バルブを概略円柱形状とし、その一端から螺旋状の溝が軸方向に延びるように切欠を形成すると共に、この切欠の端部を平面視「く」の字状に形成された副排気ポートの屈曲部に臨ませてこの屈曲部乃至その近傍下流側に延出させたものである。
【0016】
そしてまた、上述した課題を解決するために、請求項5に記載したように、支持部材によって上記主排気制御バルブを摺動可能に、また、上記副排気制御バルブを回動自在に支持すると共に、上記主および副排気制御バルブを上記支持プレートにより一体的に部組み可能とし、部組みされた上記主および副排気制御バルブを上記支持プレートと共に上記シリンダブロックに固定したものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態を示す2サイクルエンジンの縦断面図である。図1に示すように、このエンジン1は例えば図示しない自動二輪車等の小型車両に用いられる水冷2サイクル単気筒エンジンである。なお、自動二輪車は一般にそのエンジン1前部に排気系を、後部に吸気系をそれぞれ備えるため、図1においては便宜上図の右側を前側として以下説明する。
【0018】
エンジン1の基部を構成するクランクケース2上にはシリンダブロック3が固定され、その上部にはシリンダヘッド4が固定される。シリンダブロック3の内部には筒状のシリンダ5が形成され、このシリンダ5内にピストン6がシリンダ5の軸方向に摺動自在に収容される。また、クランクケース2内にはクランクシャフト7が回転自在に軸支され、ピストン6とクランクシャフト7のクランクピンとがコンロッド8によって連結されることにより、シリンダ5内におけるピストン6の往復ストロークがクランクシャフト7の回転運動に変換される。
【0019】
シリンダヘッド4のシリンダブロック3との接合面にはシリンダ5に整合する椀状の燃焼室9が形成され、その略中央部には外方から点火プラグ10がネジ結合される。また、シリンダ5および燃焼室9の周囲にはエンジン冷却用の冷却水が循環するウォータジャケット11が形成される。
【0020】
クランクケース2の後部にはバルブハウジング12が形成され、その内部には吸気系を構成する例えばリードバルブ装置13が設けられる。バルブハウジング12の外側開口部には他の吸気系を構成する図示しないキャブレタが接続されると共に、バルブハウジング12の内側開口部はクランクケース2の内部に向かって開口する。
【0021】
図2は、シリンダブロック3の平面図であり、シリンダヘッド4との合せ面を示す。また、図3は図2のIII−III線に沿う断面図、図4は図2のIV−IV線に沿う断面図である。さらに、図5は図4のV−V線に沿う断面図であり、図6は図4のVI−VI線に沿う断面図である。そして、図7は図6のVII−VII線に沿う断面図である。
【0022】
図1〜図7に示すように、クランクケース2の内部とシリンダ5の内部とはシリンダブロック3に形成された複数の掃気ポート14によって連通される。そして、シリンダ5の内周面には掃気ポート14の出口15が開口する。
【0023】
一方、シリンダブロック3の前部には主排気ポート16が形成され、その外側開口部17には排気系を構成する図示しないエキゾーストパイプが接続されると共に、シリンダ5の内周面には主排気ポート16の入口18が開口する。また、シリンダブロック3の、主排気ポート16の両側部には左右一対の副排気ポート19が形成され、シリンダ5の内周面には副排気ポート19の入口20が開口すると共に、副排気ポート19の出口21は主排気ポート16の途中に接続されて合流する。
【0024】
主排気ポート16および副排気ポート19は、クランクシャフト7の軸方向から見てシリンダ5の気筒軸22に対して傾斜しながら交差する方向に、本実施形態においては前下がりに延出する。また、シリンダ5の気筒軸22方向から見て主排気ポート16はクランクシャフト7にほぼ直交するように延出すると共に、副排気ポート19は主排気ポート16の両側部に平面視「く」の字状、且つ主排気ポート16を挟んで左右対称に延出される。
【0025】
ところで、このエンジン1には主排気ポート16の入口18上縁部の高さを変化させることによりエンジン回転数に応じた排気タイミングを制御可能にすると共に、エンジン1の高速回転時に副排気ポート19を開くことにより排気ポート16,19全体の断面積を広げてエンジン1の出力を向上させるようにした排気制御装置23が備えられる。
【0026】
主排気ポート16の上方には主排気ポート16の入口18上縁部の高さを変化させる主排気制御バルブ24が配置される。また、副排気ポート19の上方には副排気ポート19を遮断/連通させる副排気制御バルブ25が配置される。さらに、これらの制御バルブ24,25の例えば前方、主排気ポート16の外側開口部17上方にはこれらの制御バルブ24,25の作動機構26およびその収容室27が配置され、これらの制御バルブ24,25および作動機構26によって排気制御装置23が構成される。
【0027】
図8(a)は、主排気制御バルブ24の平面図である。また、図8(b)は、図8(a)のVIIIb−VIIIb線に沿う断面図である。そして、図8(c)は、図8(a)のVIIIc矢視図である。一方、図9(a)は、副排気制御バルブ25の側面図である。また、図9(b)は、図9(a)のIXb矢視図である。さらに、図9(c)は、図9(b)のIXc矢視図である。そして、図9(d)は、図9(c)のIXd矢視図である。
【0028】
図8(a)、(b)および(c)に示すように、主排気制御バルブ24の、舌片状の形状を有するバルブ本体24aの一端部形状はシリンダ5の内周輪郭に沿った円弧状に形成されると共に、バルブ本体24aの反対側端部には丸棒状の連結ロッド24bが延設される。また、バルブ本体24aの略中央部の両側部には軸方向から見て「ハ」の字状に配置されるピン孔24cが形成される。
【0029】
さらに、主排気制御バルブ24は支持部材である支持プレート28によって軸方向に摺動(進退)可能に支持される。支持プレート28にはバルブ本体24aに設けられた連結ロッド24bを挿通可能な支持孔28aが形成され、この支持孔28aに連結ロッド24bが挿通されてその端部にストッパ29が装着される。
【0030】
バルブ本体24aの連結ロッド24bが設けられた側端面と、この端面に対向したストッパ29の端面との間には所定の間隔30が設けられており、両方の端面が支持プレート28に当接することにより主排気制御バルブ24の軸方向移動量が規制される。また、ストッパ29はその径方向を水平に延びる固定ピン31によって連結ロッド24bに固定される。なお、固定ピン31はストッパ29の外周面から左右に突出する突出端31aを備える。
【0031】
一方、図9(a)、(b)、(c)および(d)に示すように、副排気制御バルブ25は概略円柱形状を有し、その一端から螺旋状の溝が軸方向に延びるように切欠25aが形成される。すなわち、副排気制御バルブ25の断面形状は、一端面から軸方向に沿う一端部周辺の断面が略三日月状から満月状に遷移しながら軸方向に積層かつ回転しながら軸方向に積層するように形成される。
【0032】
図10は、図4のX矢視図である。また、図11は主および副排気制御バルブ24,25を組み付けた状態を示す平面図であり、図12は図11のXII矢視図である。
【0033】
図4〜図7および図10に示すように、主および副排気ポート16,19の上方には主および副排気制御バルブ24,25を収容する主バルブ収容孔32および副バルブ収容孔33が形成され、主バルブ収容孔32内には主排気制御バルブ24が進退(スライド)可能かつ回動不可能に収容されると共に、副バルブ収容孔33内には副排気制御バルブ25が回動可能かつ進退(スライド)不可能に収容される。副バルブ収容孔33は主バルブ収容孔32の両側部に互いに平行に配置されると共に、これらの収容孔32,33の中心、すなわち各制御バルブ24,25の中心はこれらの制御バルブ24,25の並び方向に対して直行する方向に僅かにオフセット34しつつも、略一直線状に配置される。
【0034】
また、主および副バルブ収容孔32,33は、それらの各軸方向がそれぞれ主および副排気ポート16,19に対して傾斜して形成されると共に、クランクシャフト7の軸方向から見てシリンダ5の気筒軸22に対して傾斜しながら交差する方向に、本実施形態においては前上がりに延出する。さらに、主および副排気ポート16,19はそれらの中心線が主排気制御バルブ24の軸方向を含む平面上乃至その近傍に配索される。そして、主バルブ収容孔32と副バルブ収容孔33との間には後述する係合ピン35がスライド可能なピン溝36が形成される。また、図5に示すように、副バルブ収容孔33は副排気ポート19の「く」の字状屈曲部19a近傍に開口する。
【0035】
図11に示すように、一対の副排気制御バルブ25は主排気制御バルブ24の左右に配置され、主排気制御バルブ24を支持する支持プレート28に例えば圧入された支持シャフト37によってその周方向に回動自在に支持される。なお、副排気制御バルブ25と支持プレート28との間には副バルブ用スペーサ38が介装される。
【0036】
主排気制御バルブ24の、バルブ本体24aの略中央部の両側部に形成されたピン孔24cには係合ピン35が主および副排気制御バルブ24,25の軸方向から見て副排気制御バルブ25の軸中心を通る方向に指向するよう「ハ」の字状に固着され、これらの係合ピン35の突出部が副排気制御バルブ25の外表面に形成されたカム溝39に係合される。そして、これらの係合ピン35およびカム溝39によってカム機構40が構成され、主排気制御バルブ24の進退に連動して副排気制御バルブ25が支持シャフト37を軸に回動する。
【0037】
主および副排気制御バルブ24,25は、支持プレート28により一体的に部組みされ、この支持プレート28を作動機構26の収容室27壁に固定することにより両制御バルブ24,25はそれぞれ主バルブ収容孔32および副バルブ収容孔33に同時に収容される。
【0038】
このとき、副排気制御バルブ25はその切欠25aの端部が副排気ポート19の「く」の字状屈曲部19aに臨んでこの屈曲部19a乃至その近傍下流側に延出される。また、副排気制御バルブ25の外径は、略円形断面を有する副排気ポート19の断面径より十分大径に設定される。さらに、副排気制御バルブ25の切欠25aは、副排気制御バルブ25が開いている時(図11および図12の右側の状態)、副排気ポート19のポート壁面(または副排気ポート19の中心線)に概略沿う形状とされる。
【0039】
そして、副排気制御バルブ25は、その回動に伴って断面が略三日月状から満月状に遷移しながら軸方向に積層される内部が全体として副排気ポート19を斜めに遮断したり、月の欠け部に相当する略螺旋状の溝が副排気ポート19の一部として機能したりすることによって副排気ポート19の連通および遮断を切り替える。なお、副排気ポート19の中心線と副排気制御バルブ25の回動軸線とは互いに傾斜しているが、副排気制御バルブ25が副排気ポート19に臨む個所近傍ではほぼ同軸上となる。
【0040】
図13は、エンジン1が高速回転時の主排気制御バルブ24の位置を示す縦断面図であり、図14はエンジン1が低速回転時の主排気制御バルブ24の位置を示す縦断面図である。図13に示すように、エンジン1が高速回転時においては主排気制御バルブ24の、シリンダ5の内周輪郭に沿った円弧状に形成された端部が完全に主バルブ収容孔32に収容されるため、主排気ポート16の入口18上縁部の高さが高い状態となって排気タイミングが早くなり、エンジン1の高速回転時における出力の向上を図ることができる。また、このとき、副排気制御バルブ25も主排気制御バルブ24に連動して副排気ポート19を開状態とするため、主排気ポート16および副排気ポート19から成る排気ポート16,19全体の断面積が広くなって高速回転時のエンジン1出力が向上する。
【0041】
一方、エンジン1の低速回転時において主および副排気制御バルブ24,25が上述した位置にあると排気タイミングが早すぎ、また、排気ポート16,19全体の断面積が広過ぎて適切ではない。そこで、図14に示すように、主排気制御バルブ24の端部を主バルブ収容孔32から突出させて主排気ポート16の入口18上縁部の高さを低下させて排気タイミングが遅くなり、エンジン1の低速回転時における出力の向上を図ることができる。また、このとき、副排気制御バルブ25も主排気制御バルブ24に連動して副排気ポート19を閉状態とするため、排気ポート16,19全体の断面積が減少して低速回転時のエンジン1出力が向上する。
【0042】
ここで、エンジン1の回転数に応じて主排気制御バルブ24を進退させると共に副排気制御バルブ25も回動させる排気制御バルブの作動機構26について説明する。作動機構26は、図13および図14に示すように、基本的には主排気制御バルブ24の連結ロッド24b下方にバルブシャフト41をその軸線が排気制御バルブの軸線と直交するように配置すると共に、このバルブシャフト41にコイル状のバルブスプリング42をバルブシャフト41と回動一体に取り付け、バルブスプリング42の両自由端42aを上方に向かって延出してこの自由端42aを、ストッパ29を連結ロッド24bに固定する固定ピン31の突出端31aに係合させたものである。
【0043】
そして、バルブシャフト41が回動することにより固定ピン31の突出端31aに係合したバルブスプリング42が主排気制御バルブ24を進退させると共に、前述した構造により(図11参照)副排気制御バルブ25も回動させる。
【0044】
図15は、バルブシャフト41の回動機構を示すエンジン1の側面図であり、図16は図15のXVI−XVI線に沿う断面図である。図15および図16に示すように、例えばエンジン1のクランクケース2内には公知であるガバナ装置43が設けられる。また、クランクケース2内にはこのガバナ装置43の軸方向の移動を回動運動に変換するアクチュエータ44も設けられる。
【0045】
アクチュエータ44には作動アーム45が備えられ、この作動アーム45の先端と上記バルブシャフト41の外端部に回動一体に設けられた作動レバー46の先端とが連結棒47を介して作動連結される。すなわち、エンジン1が始動して回転数が上昇するに伴ってガバナ装置43およびアクチュエータ44が作動し、アクチュエータ44の作動アーム45が作動レバー46を押し上げてバルブシャフト41を一方向に、本実施形態においては図13および図15における時計方向に回動させて主排気制御バルブ24を主バルブ収容孔32に収容させるように構成される。なお、エンジン1の回転数が減少すれば主排気制御バルブ24の端部を主バルブ収容孔32から突出させるように作動する。
【0046】
図16に示すように、バルブシャフト41はその両端が例えば作動機構26の収容室27壁によって軸支されると共に、その一端は収容室27外に突出し、この突出端31aに上述したように作動レバー46がバルブシャフト41と回動一体に設けられる。なお、部組みされた主および副排気制御バルブ24,25は支持プレート28と共に例えばボルト48によってシリンダブロック3に形成された収容室27内部に固定される。また、収容室27は着脱自在な蓋体49によって塞がれる。
【0047】
バルブシャフト41上には左右一対の前記バルブスプリング42が連結ロッド24bの左右に離間配置されており、上方に向かって延出された各制御バルブ24,25スプリングの両自由端42aがストッパ29を連結ロッド24bに固定する固定ピン31の突出端31aに係合されている。また、これらの制御バルブ24,25スプリングをバルブシャフト41と一体に回動させるために、シャフトアーム50が設けられる。
【0048】
図17(a)、(b)および(c)は、それぞれシャフトアーム50の正面図、右側面図および平面図である。図16、図17(a)、(b)および(c)に示すように、シャフトアーム50はバルブシャフト41に挿通可能なパイプ部50aと、シャフトアーム50をバルブシャフト41に固定するボルト50bのボルト穴50cおよび座面50dと、バルブスプリング42の自由端42aに係合するアーム部50eとから構成される。
【0049】
そして、シャフトアーム50をバルブシャフト41にボルト50bで固定し、バルブスプリング42の両自由端42aをアーム部50eに係合させることによりバルブスプリング42とバルブシャフト41とが一体に回動する。
【0050】
ところで、シリンダ5内で発生する圧力を伴ったガス、いわゆるブローバイガスが主および副排気制御バルブ24,25とそれらの収容室27壁との間の隙間を通って微量づつ作動機構26の収容室27内に漏出する。よって収容室27内の圧力を外部に逃がすための手段、すなわちブリーザ通路51が収容室27壁に設けられる。また、クランクケース2およびシリンダブロック3の側部に形成されてアクチュエータ44や連結棒47、作動レバー46等を収容する室52にもブローバイガスが漏出するので、収容室27同様ブリーザ通路53が設けられる。
【0051】
次に、本実施形態の作用について説明する。
【0052】
エンジン1を構成するシリンダブロック3に形成された主および副排気ポート16,19の上方に主および副排気制御バルブ24,25を収容する主バルブ収容孔32および副バルブ収容孔33を形成し、主バルブ収容孔32内には主排気制御バルブ24を進退(スライド)可能かつ回動不可能に収容すると共に、副バルブ収容孔33内に副排気制御バルブ25を回動可能かつ進退(スライド)不可能に収容し、主排気制御バルブ24と副排気制御バルブ25とをカム機構40を用いて互いに係合させたことにより、係合状態を変更するだけで主排気制御バルブ24と副排気制御バルブ25との位相差や速度差(エンジン1の回転数)を所望にできる。
【0053】
すなわち、主排気制御バルブ24から突出した係合ピン35が係合する、副排気制御バルブ25の外表面に形成されたカム溝39を、例えば雌ネジのように規則的なピッチを有する螺旋溝として描出すれば、主排気制御バルブ24の進退動作の移動量と副排気制御バルブ25の回動動作の回動量とが一次直線的な相関性の関係をとる。一方、カム溝39を不規則的なピッチを有する螺旋溝として描出すれば、上記移動量と回動量とが二次曲線的な相関性の関係となり、例えば回転速度に変化を持たせることが可能となる。
【0054】
また、主排気制御バルブ24と副排気制御バルブ25とを互いに平行に配置すると共に、各制御バルブ24,25の中心をこれらの制御バルブ24,25の並び方向に対して直行する方向に略一直線状に配置し、両制御バルブ24,25を係合させた状態で一方、本実施形態においては主排気制御バルブ24を直動に、他方、本実施形態においては副排気制御バルブ25を回動としたことにより、各制御バルブ24,25およびこれらの収容孔32,33の占有スペースが非常にコンパクトになる。また、収容孔32,33の加工や各制御バルブ24,25の組み付けが同一面、同一方向からできるので、組み付け工数やコストを削減できる。
【0055】
さらに、上述したようにカム機構40を、主排気制御バルブ24から突出した係合ピン35を副排気制御バルブ25の外表面に形成された雌ネジのような螺旋状のカム溝39に係合させる構造としたことにより、例え主排気制御バルブ24の進退ストロークが少なくてもカム溝39のピッチ設定により副排気制御バルブ25の回動量を多くでき、バルブ開度範囲を大きく設定できる。
【0056】
さらにまた、副排気制御バルブ25を概略円柱形状とし、その一端から螺旋状の溝が軸方向に延びるように切欠25aを形成すると共に、この切欠25aの端部を平面視「く」の字状に形成された副排気ポート19の屈曲部19aに臨ませてこの屈曲部19a乃至その近傍下流側に延出させたことにより、副排気ポート19の延出方向に長くなるように副排気制御バルブ25の切欠25aを形成でき、排気の流れがスムーズになる。また、副排気ポート19に対する副排気制御バルブ25の傾斜と切欠25a形状によって副排気制御バルブ25の開閉切り替えが滑らかかつ迅速に行える。
【0057】
そして、支持部材である支持プレート28によって主排気制御バルブ24を摺動(進退)可能に、また、副排気制御バルブ25を回動自在に支持すると共に、主および副排気制御バルブ24,25をこの支持プレート28により一体的に部組み可能とし、部組みされた主および副排気制御バルブ24,25を支持プレート28と共にシリンダブロック3に形成された収容室27内部に固定したことにより、複数の制御バルブ24,25を同時にかつ容易に組み付けられると共に、位置決めも簡単になる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る2サイクルエンジンの排気制御装置によれば、簡単な構造であり、コンパクトで組み付け工数やコストの少ない排気制御装置を提供できる。
【0059】
また、簡単な構造で主排気制御バルブと副排気制御バルブとの位相差や速度差(エンジンの回転数)を所望にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る2サイクルエンジンの排気制御装置の一実施形態を示す2サイクルエンジンの縦断面図。
【図2】シリンダブロックの平面図。
【図3】図2のIII−III線に沿う断面図。
【図4】図2のIV−IV線に沿う断面図。
【図5】図4のV−V線に沿う断面図。
【図6】図4のVI−VI線に沿う断面図。
【図7】図6のVII−VII線に沿う断面図。
【図8】(a)は、主排気制御バルブの平面図、(b)は、図8(a)のVIIIb−VIIIb線に沿う断面図、(c)は、図8(a)のVIIIc矢視図。
【図9】(a)は、副排気制御バルブの側面図、(b)は、図9(a)のIXb矢視図、(c)は、図9(b)のIXc矢視図、(d)は、図9(c)のIXd矢視図。
【図10】図4のX矢視図。
【図11】主および副排気制御バルブを組み付けた状態を示す平面図。
【図12】図11のXII矢視図。
【図13】エンジンが高速回転時の主排気制御バルブの位置を示す縦断面図。
【図14】エンジンが低速回転時の主排気制御バルブの位置を示す縦断面図。
【図15】バルブシャフトの回動機構を示すエンジンの側面図。
【図16】図15のXVI−XVI線に沿う断面図。
【図17】(a)は、シャフトアームの正面図、(b)は、シャフトアームの右側面図、(c)は、シャフトアームの平面図。
【符号の説明】
1 2サイクルエンジン
3 シリンダブロック
16 主排気ポート
19 副排気ポート
19a 副排気ポートの屈曲部
23 排気制御装置
24 主排気制御バルブ
25 副排気制御バルブ
25a 切欠
26 排気制御バルブの作動機構
27 作動機構の収容室
28 支持プレート(支持部材)
32 主バルブ収容孔
33 副バルブ収容孔
35 係合ピン
39 カム溝
40 カム機構
41 バルブシャフト
42 バルブスプリング
43 ガバナ装置
44 アクチュエータ
50 シャフトアーム

Claims (5)

  1. エンジンを構成するシリンダブロックに主排気制御バルブをスライド可能かつ回動不可能に、副排気制御バルブを回動可能かつスライド不可能に備えた2サイクルエンジンの排気制御装置において、上記主排気制御バルブと上記副排気制御バルブとをカム機構を用いて互いに係合させたことを特徴とする2サイクルエンジンの排気制御装置。
  2. 上記主排気制御バルブと上記副排気制御バルブとを互いに平行に配置すると共に、上記各バルブの中心をこれらのバルブの並び方向に対して直行する方向に略一直線状に配置し、上記両バルブを係合させた状態で一方を直動に、他方を回動とした請求項1記載の2サイクルエンジンの排気制御装置。
  3. 上記カム機構を、上記主排気制御バルブから突出した係合ピンを副排気制御バルブの外表面に形成された螺旋状のカム溝に係合させる構造とした請求項1記載の2サイクルエンジンの排気制御装置。
  4. 上記副排気制御バルブを概略円柱形状とし、その一端から螺旋状の溝が軸方向に延びるように切欠を形成すると共に、この切欠の端部を平面視「く」の字状に形成された副排気ポートの屈曲部に臨ませてこの屈曲部乃至その近傍下流側に延出させた請求項1、2または3記載の2サイクルエンジンの排気制御装置。
  5. 支持部材によって上記主排気制御バルブを摺動可能に、また、上記副排気制御バルブを回動自在に支持すると共に、上記主および副排気制御バルブを上記支持プレートにより一体的に部組み可能とし、部組みされた上記主および副排気制御バルブを上記支持プレートと共に上記シリンダブロックに固定した請求項1、2、3または4記載の2サイクルエンジンの排気制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9797275B1 (en) * 2016-06-03 2017-10-24 Timothy B. King Motorcycle engine power valve control upgrade kit
US10634035B2 (en) * 2016-06-03 2020-04-28 Timothy B. King Motorcycle engine with an always spring biased open exhaust valve

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