JP4815313B2 - ストローク特性可変エンジンにおけるベーン式油圧アクチュエータの取付構造 - Google Patents

ストローク特性可変エンジンにおけるベーン式油圧アクチュエータの取付構造 Download PDF

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本発明は、ピストンとクランク軸とを、ストローク可変リンク機構を介してコントロール軸に連結し、該コントロール軸と同軸上にベーン式油圧アクチュエータを設け、この油圧式アクチュエータによりコントロール軸を駆動しストローク可変リンク機構を作動してピストンの移動ストロークを可変とするストローク特性可変エンジンにおけるベーン式油圧アクチュエータの取付構造に関する。
従来、ピストンのピストンピンに一端を連結されたアッパリンクと、このアッパリンクの他端に連結され、かつクランク軸のクランクピンに連結されたロアリンクと、そのロアリンクに一端が連結され、他端がコントロール軸に揺動可能に連結されたコントロールリンクよりなる、ストローク可変リンク機構を備え、コントロール軸に設けたベーン式油圧アクチュエータの駆動により、ピストンの移動ストロークを可変とするストローク特性可変エンジンは公知(後記特許文献1参照)である。
特開2006−177192号公報
ところで、かかるエンジンの運転時に、コントロール軸には、ストローク可変リンク機構の、ロアリンクとコントロールリンクとの連結点の方向にコントロールリンクを通して最大荷重が発生することになるので、そのコントロール軸と同軸上にベーン式油圧アクチュエータを設けた場合に、コントロール軸には径方向に最大荷重が発生することなり、その最大荷重の方向で、そのベーンがハウジングに対して干渉する、たとえば「かじり現象」を生じる懸念があり、この干渉を回避するには、ベーンとハウジング間の径方向のクリアランスを大きくする必要があるが、このようにすれば、油圧式アクチュエータの性能低下を招くという問題がある。
本発明はかかる実情に鑑みてなされたものであり、簡単な構成により、ベーンとハウジング間の径方向のクリアランスを可及的に小さく設定できるようにして、前記問題を解決した、新規なストローク特性可変エンジンにおけるベーン式油圧アクチュエータの取付構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ピストンとクランク軸とを、ストローク可変リンク機構を介してコントロール軸に連結し、このコントロール軸と同軸上にベーン式油圧アクチュエータを設け、この油圧アクチュエータによりコントロール軸を駆動し前記ストローク可変リンク機構を作動してピストンの移動ストロークを可変とするストローク特性可変エンジンにおけるベーン式アクチュエータの取付構造であって、
前記ベーン式油圧アクチュエータは、ハウジングと、このハウジングに回転可能に設けられる、コントロール軸と一体のベーン軸と、このベーン軸の外周面に一体に設けられてハウジングとベーン軸との間に形成されるベーン油室内を複数の制御油室に区画するベーンとを備え、
前記ベーンの収容される前記ベーン油室は、前記ベーン軸に発生する径方向の最大荷重方向を避けた位置に設けられていることを特徴としている。
上記目的を達成するために、請求項2記載の発明は、前記請求項1のものにおいて、前記ストローク特性可変エンジンが、最も低い低圧比縮状態になるときに、前記ベーンは前記最大荷重の方向と直交する方向に配置されることを特徴としている。
上記目的を達成するために、請求項3記載の発明は、前記請求項2のものにおいて、 前記ベーン式油圧アクチュエータのハウジングは、前記最大荷重方向と反対方向で、軸受ブロックのハウジング受部に締結され、この軸受ブロックには、前記コントロール軸を支持する複数の軸受壁と、これらの軸受壁を結合する連結部材とが一体に形成されていることを特徴としている。
ここで、軸受ブロックと軸受壁は一体でも、また別体でもよい。
前記請求項1記載の発明によれば、油圧式アクチュエータのベーンの収容されるベーン油室は、ベーン軸に発生する径方向の最大荷重方向を避けた位置に設けられているので、ベーンとハウジングのベーン油室との径方向のクリアランスを可及的に小さく設定することができ、前記アクチュエータの性能を向上させることができる。
また、前記請求項2の発明によれば、ストローク特性可変エンジンが、最も低い低圧縮比状態になるときに、ベーンはその最大荷重の方向と直交する方向に配置されるので、前記アクチュエータの性能向上を一層顕著なものとすることができる。
さらに、前記請求項3の発明によれば、アクチュエータのハウジングは、前記最大荷重方向と反対方向で、軸受ブロックのハウジング受部に締結されるので、そのハウジングの剛性を軸受ブロックにより一層向上させることができ、また最大荷重方向と反対側には、ベーン油室が存在しないので、ハウジングと軸受ブロックとの締結を一層強固なものとすることができ、しかもハウジングに軸受ブロックを締結する締結ボルトなどの締結部材の配置自由度を確保しやすい。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
まず、図1〜11を参照して本発明の第1実施例について説明する。
図1は、ストローク特性可変エンジンの概略全体斜視図、図2は、図1の2矢視図、図3は、図1の3−3線に沿う断面図(高圧縮比状態)、図4は、図1の4−4線に沿う断面図(低圧縮比状態)、図5は、図2の5−5線に沿う断面図、図6は、図5の6−6線に沿う横断面図、図7は、図5の7−7線に沿う拡大縦面図、図8は、図3の8−8線に沿う断面図、図9は、図5の9矢視斜視図、図10はベーン式油圧アクチュエータの分解斜視図、図11は、ベーン式油圧アクチュエータの制御系の油圧回路図である。
図1〜4において、本発明にかかるストローク特性可変エンジンEは、自動車用であって、図示しない、自動車のエンジンルーム内に横置き(そのクランク軸30が自動車の進行方向に対して横方向配置)に搭載される。このエンジンEが自動車に搭載されるとき、図2に示すように、若干後傾状態、すなわち、そのシリンダ軸線L−Lが鉛直線に対して若干後方に傾斜している。
また、このストローク特性可変エンジンEは、直列4気筒のOHC型4サイクルエンジンであって、そのエンジン本体1は、4つのシリンダ5が横方向に並列して設けられるシリンダブロック2と、このシリンダブロック2のデッキ面上にガスケット6を介して一体に結合されるシリンダヘッド3と、前記シリンダブロック2の下部に一体に形成したアッパブロック40(上部クランクケース)と、その下面に一体に結合されるロアブロック41(下部クランクケース)とを備えており、アッパブロック40とロアブロック41とでクランクケース4が形成される。前記シリンダヘッド3の上面には、シール材8を介してヘッドカバー9が一体に被冠され、また、前記ロアブロック41(下部クランクケース)の下面には、オイルパン10が一体に結合されている。
シリンダブロック2の4つのシリンダ5には、それぞれピストン11が摺動可能に嵌合されており、それらのピストン11の頂面に対面するシリンダヘッド3の下面には、4つの燃焼室12と、それらの燃焼室12に連通する吸気ポート14と排気ポート15とが形成されており、吸気ポート14には吸気弁16が、また排気ポート15には排気弁17がそれぞれ開閉可能に設けられる。また、シリンダヘッド3上には、前記吸気弁16と排気弁17とを開閉する動弁機構18が設けられる。この動弁機構18は、シリンダヘッド3に回転自在に支持される吸気側カム軸20および排気側カム軸21と、シリンダヘッド3に設けた吸気側および排気側ロッカ軸22,23にそれぞれ揺動可能に軸支されて前記吸気側および排気側カム軸20,21と吸気弁16および排気弁17間を連接する吸気側および排気側ロッカアーム24,25とを備えており、吸気側および排気側カム軸20,21の回転によれば、弁バネ26,27の閉弁力に抗して吸気側および排気側ロッカアーム24,25を揺動して吸気弁16および排気弁17を所定のタイミングをもって開閉作動することができる。
図2に示すように、吸気側および排気側カム軸20,21は、従来公知の調時伝動機構28を介して後述するクランク軸30に連動されており、クランク軸30の回転によれば、その1/2の回転速度で駆動されるようになっている。そして、前記動弁機構28は、シリンダヘッド3上に一体に被冠されるヘッドカバー9により被覆される。また、シリンダヘッド3には、4つのシリンダに対応して円筒状のプラグ挿通筒31が設けられ、このプラグ挿通筒31内に点火プラグ32が挿着される。
4つのシリンダ5に対応する複数の吸気ポート14は、エンジン本体1の前面、すなわち車両の前方側に向けて開口されており、そこに吸気系INの吸気マニホールド34が接続されている。この吸気系INは従来公知の構造を備えるので、その詳細な説明を省略する。
また、4つのシリンダ5に対応する複数の排気ポート15は、エンジン本体1の後面、すなわち車両の後方側に向けて開口されており、そこに排気系EXの排気マニホールド35が接続されている。この排気系EXは従来公知の構造を備えるので、その詳細な説明を省略する。
図3,4に示すように、シリンダブロック2下部のアッパブロック40(上部クランクケース)と、ロアブロック41(下部クランクケース)よりなるクランクケース4は、シリンダブロック2のシリンダ5の部分よりも前方(車両前方)側に張出しており、この張出し部36のクランク室CC内には、ピストン11の移動ストロークを可変とする、ストローク可変リンク機構LV(後述)と、それを駆動するベーン式油圧アクチュエータAC(後述)が設けられる。
図2,3および図5,6に示すように、シリンダブロック2の下部に一体に形成されるアッパブロック40下面には、ロアブロック41が複数の連結ボルト42をもって固定されている。アッパブロック40と、ロアブロック41との合わせ面に形成される複数のジャーナル軸受部43にはクランク軸30のジャーナル軸30Jが回転自在に支承される(図8参照)。
図5に示すように、前記ロアブロック41は、平面視四角な閉断面構造に鋳造成形されており、その左、右端部には端部軸受部材50,51が、またその中間部には、左、右中間軸受部材52,53が、さらにその中央には、ベアリングキャップとしての中央軸受部材54(後述のハウジングHUが一体成形される)が設けられており、これらの軸受部材50〜54によってクランク軸30のジャーナル軸30Jが支承される。
図5,6,9に示すように、前記中央軸受部材54は、ロアブロック41とは別体に鋳造成形されており、複数の連結ボルト56によりそのロアブロック41に堅固に固定され、また、この中央軸受部材54は、アッパブロック40の下面にも他の連結ボルト57により堅固に固定される。中央軸受部材54のクランク軸30の軸受部分54Aから一方(エンジン本体1の前方)側に偏った一側部は、上下幅を拡張し、かつ肉厚とした膨大部58とされており、この膨大部58に後に詳述するベーン式油圧アクチュエータACのハウジングHUが成形されている。
つぎに、主に図3,4を参照して、ピストン11の移動ストロークを可変とするストローク可変リンク機構LVの構造について説明すると、アッパブロック40とロアブロック41との合わせ面に回転自在に支承されるクランク軸30の複数のクランクピン30Pには、三角形状のロアリンク60の中間部がそれぞれ揺動自在に枢支連結される。それらのロアリンク60の一端(上端)には、ピストン11のピストンピン13に枢支連結されるアッパリンク( コンロッド) の下端(大端部)が第1連結ピン62を介して枢支連結され、各ロアリンク60の他端(下端)に第2連結ピン64を介してコントロールリンク63の上端が枢支連結される。このコントロールリンク63は下方に延びて、その下端には、クランク形状をなす、コントロール軸65(後に詳述)の偏心ピン65Pが枢支連結されている。コントロール軸65には、これと同軸上にベーン式油圧アクチュエータAC(後に詳述)が設けられ、コントロール軸65は、このベーン式油圧アクチュエータの駆動により、所定角度の範囲(約90度)で回動され、これによる偏心ピン65Pの位相変移により、コントロールリンク63が揺動駆動される。具体的には、コントロール軸65は、図3に示す第1の位置(偏心ピン65Pが下方位置)と、図4に示す第2の位置(偏心ピン65Pが右方位置)との間で回転可能である。図3に示す第1の位置では、コントロール軸65の偏心ピン65Pが下方に位置しているため、コントロールリンク63は引き下げられてロアリンク60はクランク軸30のクランクピン30P回りに時計方向に揺動し、アッパリンク61が押し上げられてピストン11の位置がシリンダ5に対して高い位置となり、エンジンEは高圧比縮状態となる。逆に、図4に示す第2位置では、コントロール軸65の偏心ピン65Pが右方に位置(前記第1の位置よりも高位置)しているため、コントロールリンク63は押し上げられてロアリンク60はクランク軸30のクランクピン30P回りに反時計方向に揺動し、アッパリンク61が押し下げられてピストン11の位置がシリンダ5に対して低い位置となり、エンジンEは低圧縮状比態となる。以上のように、コントロール軸65の回動制御により、コントロールリンク63が揺動し、ロアーリンク60の運動拘束条件が変化してピストン11の上死点位置を含むストローク特性が変化することで、エンジンEの圧縮比を任意に制御することが可能になる。
しかして、アッパリンク61、第1連結ピン62、ロアリンク60、第2連結ピン64およびコントロールリンク63は、本発明にかかるストローク可変リンク機構LVを構成している。
図6,7,9,10に示すように、前記コントロールリンク63に連結されてストローク可変リンク機構LVを作動するコントロール軸65は、クランク軸30と同じく、複数のジャーナル軸65Jと偏心ピン65Pとがアーム65Aを介して交互に連結されてクランク状に形成されており、その軸方向の中央に、ベーン式油圧アクチュエータACの円筒状ベーン軸66が同軸上に一体に設けられており、ベーン軸66の両側面の偏心位置にはコントロール軸65の偏心ピン65Pが直接固定されている。コントロール軸65は、ロアブロック41の一側(エンジン本体1の前方側)に偏らせて設けられており、そのジャーナル軸65Jがロアブロック41と、その下面に複数の連結ボルト68で固定される軸受ブロック70との間に回転自在に支承される。
図6,7,9に示すように、前記コントロール軸65を支持する軸受ブロック70は、コントロール軸65の軸方向に延長される連結部材71と、この連結部材71にその長手方向に間隔をあけて一体に起立結合される複数の軸受壁72と、連結部材71の長手方向の中央部に設けた中央ハウジング受部73とを備えて高い剛性を確保すべくブロック状に鋳造成形されており、前記複数の軸受壁72の上面と、ロアブロック40の前記軸受部材50,51,52,53より延長される軸受壁50a,51a,52a,53aの下面との合わせ面に形成される軸受部により、前述のようにコントロール軸65の複数のジャーナル軸65Jを回転自在に支承する。また、図7に示すように、前記中央ハウジング受部73は、ハウジングHUから離れる方向に下向きに凹状に形成されており、その上方に凹部Gが形成され、その凹部Gに、ベーン式油圧アクチュエータACのハウジングHUの下部が受容されていて、このハウジングHUの下部が、中央ハウジング受部73上に複数の締結ボルト74a,74bにより締結される。したがって、コントロール軸65を支持する軸受ブロック70に、油圧式アクチュエータACのハウジングHUは一体に締結支持される。
しかして、前記実施例では、軸受ブロック70と軸受壁72が一体に成形されることにより、軸受ブロック70の剛性が大幅に向上する。
なお、軸受ブロック70と軸受壁72とを別体に形成してそれらをボルトなどの締結部材により一体に形成してのよい。
ところで、アクチュエータACのハウジングHUは、剛性の高い軸受ブロック70に一体に締結されるので、ハウジングHU自体の剛性が高められ、またそのを軸受ブロック70の中央ハウジング受部73には凹部Gが形成され、この凹部Gを収容スペースとして、そこにハウジングHUの下部を収容されることにより、アクチュエータACは、エンジンEのエンジン本体1に高剛性をもってコンパクトに装着することが可能となり、エンジンE自体の小型化に寄与することができる。また、図6に示すように、ハウジングHUに軸受ブロック70を締結する複数の締結ボルト74a、74bのうち、相隣れるベーン油室86間の肉厚壁部に設けられる締結ボルト74aを、ベーン油室86に対向して設けられている締結ボルト74bよりも長くすることにより、ハウジングHUと軸受ブロック70との締結剛性を一層高めることができる。
図6,7,9,10に示すように、コントロール軸65と同軸上に設けられるベーン式油圧アクチュエータACは、エンジン本体1のクランク室CC内に設けられており、その油圧駆動部を収容支持するハウジングHUは、前記ベアリングキャップとしての中央軸受部材54(アッパブロック40およびロアブロック41に一体に固定)の一側部の前記膨大部58に設けられる。このハウジングHUの軸方向の中央部には、両端面の開放される短円筒状のベーン室80が形成されている。このベーン室80内には、前記コントロール軸65と一体の前記ベーン軸66が収容され、このベーン軸66の外周面の軸方向中央部には、約180°の位相差を存して一対のベーン87が一体に形成されている。またこのベーン軸66の軸方向の左右両側部(前記中央部よりも若干小径)は、ハウジングHUの両側部に複数ボルト83で固定した、他のハウジング81,82となる左右ベーン軸受部81,82に面軸受77,78を介して回転自在に支持されている。そして、ハウジングHUの開口側面は、ベーン軸受部81,82により閉じられる。ベーン室80の内周面とベーン軸66の外周面との間には、180°の位相差を存して一対の扇形状ベーン油室86が画成され、これらのベーン油室86内に、ベーン軸66の外周面より一体に突設した一対のベーン87がそれぞれ収容されて、その外周面が、ベーン油室86の内周面にパッキンを介して摺接されており、各ベーン87は、扇形状のベーン油室86内を2つの制御油室86a,86bに油密に区画する。
ところで、ベーン87がそれぞれ収容される一対のベーン油室86は、コントロール軸65すなわちベーン軸65に作用する径方向の最大荷重の作用方向(図6矢印a方向)を避けた位置に配置されており、好ましくはベーン87はその最大荷重の作用方向と直交する位置に配置される。このようなベーン87の配置を採用することにより、ベーン87の外周面とハウジングHUに設けられるベーン油室86の内周面との間には、前記最大荷重が作用することがなくなり、その結果それらの径方向のクリアランスを小さくしても、ベーン87の外周面とベーン油室86の内周面(ハウジングHUの内面)とが干渉し合う懸念が解消される。
エンジンEが最も低い低圧縮状態で運転されるとき、図6鎖線に示すように、一対のベーン87は、ベーン油室86のストッパー面に近づいた位置に保持され、これらのベーン87を結ぶ直径線は、最大荷重の作用方向(図6矢印a方向)と直交する。これにより、一対のベーン87が、ハウジングHUに干渉することが一層確実に防止され、アクチュエータACの性能を向上させることができる。
この実施例において、エンジンEの運転時には、前記ストローク可変リンク機構LVが作動するのに伴い、コントロール軸65には、ロアリンク60とコントロールリンク63との連結点すなわち第2連結ピン64の方向(図6矢印a方向)にコントロールリンク63を通して径方向の最大荷重が作用することになるが、ベーン87の外周面とハウジングHUのベーン油室87の内周面との間には、前記最大荷重が作用しないので、それら間のクリアランスを小さく設定することができる利点がある。
特に、好ましくは、エンジンEが最も低い低圧縮比状態で運転されるときに、前記最大荷重が最も大きくなるので、このときの最大荷重の作用方向(図6矢印a方向)に対して直交する方向にベーン87を配置(図6鎖線位置)することで、前記利点が一層顕著になる。
図6に示すように、ベーン軸66には、軸方向に間隔をあけて直径線上に2本の連通油路98,99が交叉状に穿設され、一方の連通油路98は、一対の制御油室86b同士を相互に連通し、また他方の連通油路99は一対の制御油室86a同士を相互に連通する。
なお、コントロール軸65を駆動するベーン式油圧アクチュエータACのハウジングHCは、ロアブロック41の中央軸受部材(ロアブロック41とは別体に形成されてそこに固定される)を用いてコンパクトに、しかも部品点数を少なく形成することが可能であり、このハウジングHCがクランク室CC内で占める容積を小さくすることができ、クランクケースの嵩が拡大するのを抑制することができる。
図5,7,9 に示すように、中央軸受部材54に形成される、ハウジングHUの上面には、クランク軸30の軸受部54Aから該ハウジングHU側の端部に向かって鳩尾状に広がる平坦な取付面90が形成されており、図7に示すように、この取付面90のコントロール軸65方向の幅D1は、ハウジングHUの幅D2よりも広くしてあり、その取付面90には、前記ベーン式油圧アクチュエータACの油圧回路の電磁弁V(図11)を収容するバルブユニット92が複数のボルト91をもって固定支持されており、このバルブユニット92は、シリンダブロック2の壁面を貫通してその上面に露出状態に配置される(図1参照)。
なお、前述したように、ハウジングHUの取付面上には、バルブユニット92を堅固に固定され、そのバルブユニット92はシリンダブロック2の取付壁面上にあって、その四方が開放されているので、前記バルブユニット92の切換操作、メンテナンスなどがし易くなる。
つぎに、前記ストローク可変ロンク機構LVを駆動制御するベーン式油圧アクチュエータACの油圧回路を、図11を参照して説明する。
前述したように、コントロール軸65のベーン軸66とハウジングHUとで形成される一対の扇形状ベーン油室86内は、ベーン87によって2つの制御油室86a,86bにそれぞれ仕切られており、これらの制御油室86a,86bは、後述の油圧回路を介してオイルタンクTに接続される。油圧回路には、モータMで駆動されるオイルポンプPと、チェック弁Cと、アキュムレータAと、電磁切換弁Vとが接続される。オイルタンクT、モータM、オイルポンプP、チェック弁CおよびアキュムレータAは油圧供給装置Sを構成して、エンジン本体1の適所に設けられ、また電磁切換弁Vは、前述のバルブユニット92の内部に設けられる。油圧供給装置Sと電磁切換弁Vとは、2本の配管P1,P2で接続され、また電磁切換弁Vとベーン式油圧アクチュエータACの制御油室86a,86bとは2本の配管P3,P4で接続される。したがって、図11において、電磁切換弁Vを右位置に切り換えると、オイルポンプPで発生した作動油は、制御油室86bに供給され、その油圧でベーン87が押されてコントロール軸65が時計方向に回転し、逆に電磁切換弁Vを左位置に切り換える、オイルポンプPで発生した作動油は、制御油室86aに供給され、その油圧でベーン87が押されてコントロール軸65が反時計方向に回転することで、コントロール軸65の偏心ピン65Pの位相が変化する。コントロール軸65の偏心ピン65Pには、前述したようにストローク可変リンク機構LVのコントロールリンク63が揺動可能に枢支連結され、コントロール軸65の駆動(約90°)によれば、コントロール軸65の偏心ピン65Pの位相変化により、ストローク可変リンク機構LVを作動する。
ところで、この実施例によれば、ベーン式油圧アクチュエータACのベーン87は、コントロール軸65のベーン軸66に発生する径方向の最大荷重方向を避けた位置に配置されるので、ベーン87の外周面と、ハウジングHUのベーン油室86の内周面との間のクリアランスを従来のこの種のアクチュエータに比べて可及的に小さく設定することが可能となり、該アクチュエータACの性能を大幅に向上させることができという効果を達成でき、好ましくは、ストローク特性可変エンジンEが、最も低い低圧縮比状態になるときに、ベーン87を最大荷重の方向と直交する方向に配置するようにすれば、その効果が一層顕著になる。
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明はその実施例に限定されることなく、本発明の範囲内で種々の実施例が可能である。
たとえば、前記実施例では、本発明を、コントロール軸の偏心ピンの位相変化により、ピストンの上死位置を変更する圧縮比可変式エンジンとした場合について説明したが、これを、可変排気量エンジンなどのストローク特性可変エンジンにも適用可能である。また、前記実施例では、ハウジングHUに、他のハウジングを構成する左右ベーン軸受81,82を複数のボルト83によりハウジングHUに固定ボルトにより固定しているが、それらにベーン軸受81,82をハウジングHUと一体に成形してもよい。
ストローク特性可変エンジンの概略全体斜視図 図1の2矢視図 図1の3−3線に沿う断面図(高圧縮比状態) 図1の4−4線に沿う断面図(低圧縮比状態) 図2の5−5線に沿う断面図 図5の6−6線に沿う横断面図 図5の7−7線に沿う拡大縦面図 図3の8−8線に沿う断面図 図5の9矢視斜視図 ベーン式油圧アクチュエータの分解斜視図 油圧アクチュエータの制御系の油圧回路図
11・・・・・・・ピストン
30・・・・・・・クランク軸
65・・・・・・・コントロール軸
66・・・・・・・ベーン軸
70・・・・・・・軸受ブロック
71・・・・・・・連結部材
72・・・・・・・軸受壁
86・・・・・・・ベーン油室
86a・・・・・・制御油室
86b・・・・・・制御油室
87・・・・・・・ベーン
AC・・・・・・・ベーン式油圧アクチュエータ
LV・・・・・・・ストローク可変リンク機構
HU・・・・・・・ハウジング

Claims (3)

  1. ピストン(11)とクランク軸(30)とを、ストローク可変リンク機構(LV)を介してコントロール軸(65)に連結し、このコントロール軸(65)と同軸上にベーン式油圧アクチュエータ(AC)を設け、この油圧アクチュエータ(AC)によりコントロール軸(65)を駆動し前記ストローク可変リンク機構(LV)を作動してピストン(11)の移動ストロークを可変とするストローク特性可変エンジンにおけるベーン式油圧アクチュエータの取付構造であって、
    前記ベーン式油圧アクチュエータ(AC)は、ハウジング(HU)と、このハウジング(HU)に回転可能に設けられる、コントロール軸(65)と一体のベーン軸(66)と、このベーン軸(66)の外周面に一体に設けられてハウジング(HU)とベーン軸(66)との間に形成されるベーン油室(86)内を複数の制御油室(86a,86b)に区画するベーン(87)とを備え、
    前記ベーン(87)の収容される前記ベーン油室(86)は、前記ベーン軸(66)に発生する径方向の最大荷重方向を避けた位置に設けられていることを特徴とする、ストローク特性可変エンジンにおけるベーン式油圧アクチュエータの取付構造。
  2. 前記ストローク特性可変エンジンが、最も低い低圧比縮状態になるときに、前記ベーン(87)は前記最大荷重の方向と直交する方向に配置されることを特徴とする、前記請求項1記載のストローク特性可変エンジンにおけるベーン式油圧アクチュエータの取付構造。
  3. 前記ベーン式油圧アクチュエータ(AC)のハウジング(HU)は、前記最大荷重方向と反対方向で、軸受ブロック(70)のハウジング受部(73)に締結され、この軸受ブロック(70)には、前記コントロール軸(65)を支持する複数の軸受壁(72)と、これらの軸受壁(72)を結合する連結部材(71)とが一体に形成されていることを特徴とする、前記請求項2記載のストローク特性可変エンジンにおけるベーン式油圧アクチュエータの取付構造。
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