JPH06212328A - 高耐熱・高剛性・低熱膨張アルミニウム基複合材料 - Google Patents

高耐熱・高剛性・低熱膨張アルミニウム基複合材料

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JPH06212328A
JPH06212328A JP2201293A JP2201293A JPH06212328A JP H06212328 A JPH06212328 A JP H06212328A JP 2201293 A JP2201293 A JP 2201293A JP 2201293 A JP2201293 A JP 2201293A JP H06212328 A JPH06212328 A JP H06212328A
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JP2201293A
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Yasuhiro Yamada
泰弘 山田
Hirohisa Miura
宏久 三浦
Kunihiko Imahashi
▲邦▼彦 今橋
Hirobumi Michioka
博文 道岡
Jun Kusui
潤 楠井
Akimori Tanaka
昭衛 田中
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Toyo Aluminum KK
Toyota Motor Corp
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Toyo Aluminum KK
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】耐摩耗性、常温強度、剛性及びクリープ特性、
低熱膨張性に優れる製品を製造する。 【構成・作用】マトリックスを100重量%としたとき
重量%で、Ni:10〜20%、Si:8〜25%を含
有し、さらに少なくともMo:1.0〜3.0%を含
み、残部がAlからなるアルミニウム合金をマトリック
スとし、該マトリックスを含む複合材料全体を100重
量%としたとき窒化物、硼化物、炭化物、酸化物の粒子
の1種または2種以上が合計で10%超えて30%量以
下の該マトリックス中に分散し、粉末冶金法により製造
され耐摩耗性、剛性及びクリープ特性に優れた複合材料
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピストン、バルブリフ
ター、インテークバルブ等の自動車、航空機等のエンジ
ン部品に適用して有用な、高剛性、低熱膨張とともに高
温強度に優れる耐摩耗性のアルミニウム基複合材料に関
する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金は、軽量で加工性に優
れているので、古くから航空機あるいは自動車の構造用
材料として用いられている。従来のアルミニウム合金の
うち、耐熱性に優れるものとしては、JIS2024、
2018等のAl−Cu−Mg系合金が知られている。
【0003】また、Niを5重量%(以下、単に%とい
う。)以上含むAl−Ni系合金(軽金属学会主催、A
l合金の粉末冶金技術シンポジウム(昭和62年3月9
日開催)予稿集第58頁、第70頁)が提案されてい
る。同様に、特開平2−149629、特開平2−14
9631、特開平2−149632、特開平2−149
633号公報には、Niを8%以上含み、鋳造法で製造
したAl−Ni−Si−Cu−Mg系合金からなる「耐
摩耗性及び熱伝導性に優れた低熱膨張アルミニウム合
金」が開示されている。
【0004】さらに、特公平2−56401号公報に
は、7.7〜15%のNiと、15〜25%のSiとを
含み、Si結晶粒の大きさを15μm以下としたAl−
Ni−Si系合金粉末からなる「耐熱耐摩耗性高力アル
ミニウム合金粉末」が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】自動車用エンジンには
高出力化が要求され、このためピストン、バルブリフタ
ー、インテークバルブ等のエンジン部品用の材料は、3
00℃で引張強度が200MPa以上で、かつ高剛性で
あることが必要とされる。かかる観点からは、上記JI
S2024、2018等のAl−Cu−Mg系合金は、
常温での引張強度は優れるものの、200℃の高温では
引張強度が高々300MPa、300℃の高温では引張
強度が150MPaであり、近年の自動車等のエンジン
部品にこれらAl−Cu−Mg系合金を適用することは
できない。また、上記提案又は公報記載のAl−Ni系
合金及びAl−Ni−Si−Cu−Mg系合金では、組
織中に生成されたNiAl3 金属間化合物により、耐熱
性及び耐摩耗性が改善されているものの、鋳造法により
製品を製造することとなるため、製品におけるNiAl
3 金属間化合物の粒径が10μm程度と大きくなり、常
温で高々380MPa、300℃の高温では引張強度が
160MPaに低下することが明らかとなった。このた
め、かかるアルミニウム合金でも、近年の自動車等のエ
ンジン部品として適用することが困難である。
【0006】一方、上記公報記載のAl−Ni−Si系
合金粉末では、焼結法により製品を製造することとな
る。すなわち、一定組成の合金原料を溶解、噴霧して上
記Al−Ni−Si系合金粉末とし、このAl−Ni−
Si系合金粉末を冷間予備成形、押出、鍛造することに
より製品が得られる。このため、このAl−Ni−Si
系合金粉末では、NiAl3 金属間化合物の粒径が4μ
m以下であり、耐摩耗性に優れるとともに、引張強度も
常温で510MPa、250℃で345MPaが得られ
る。しかし、一般に自動車等のエンジン部品では充分な
押出比(押出前後の断面積比)を取れない場合もある。
【0007】セラミックス粒子や繊維を分散させたMM
C(金属基複合材料)は、一般に高温強度が高いが、鍛
造性、伸びが低い。また鍛造性を良くしようとすると、
逆に高温強度が低下する。そこで高温強度と鍛造性を両
立させるには、適切なマトリックスを選定することが必
要である。本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされた
ものであって、高温強度と剛性及びクリープ特性に優れ
低熱膨張である製品を製造できるアルミニウム基複合材
料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、高Niおよ
び高Siのアルミニウム合金にMoを配合することによ
り優れた耐熱アルミニウム合金が得られることを知り、
かかる合金について研究を進めて、先に耐熱アルミニウ
ム合金粉末および耐熱アルミニウム合金として出願し
た。本願発明は上記のアルミニウム合金をマトリックス
として、これに窒化物、硼化物、炭化物、酸化物の粒子
を分散させた金属基複合材料が高温度での強度および伸
度が優れ、高剛性、低膨張性が向上することを発見・確
認したものである。
【0009】本発明のアルミニウム基複合材料は、マト
リックスを100重量%としたとき重量%で、Ni:1
0〜20%、Si:8〜25%と、さらに少なくともM
o:1.0〜3.0%を含み、残部がAlからなるアル
ミニウム合金をマトリックスとし、該マトリクスを含む
複合材料全体を100重量%としたとき窒化物、硼化
物、炭化物、酸化物の粒子の1種または2種以上が合計
で10重量%を越え30重量%以下の量該マトリックス
中に分散し、粉末冶金法により製造されていることを特
徴とする。 本発明のアルミニウム基複合材料を構成す
るマトリックスは、重量%(以下、特にことわらないか
ぎり%は重量%を意味する)で、少なくともFe:0.
6〜8.0%及びCu:0.6〜5.0%の1種を含
み、Fe及びCuの合計量が8.0%以下とすることが
できる。
【0010】さらに上記のマトリックスには、少なくと
もZr:0.3〜3.0%及びTi:1.0〜4.0%
の1種を含むことができる。このアルミニウム基複合材
料は、上記の組成のマトリックスを構成する耐熱アルミ
ニウム合金を溶解、噴霧して製造した微粉末に、窒化
物、硼化物、炭化物、酸化物の微粉末を均一に混合して
混合粉末とし、この混合粉末を加圧成形した後、焼結す
るという粉末冶金法により製造することができる。ま
た、混合粉末をケースに入れ、この状態で冷間予備成形
(CIP)、熱間押出する方法もある。
【0011】本発明の耐熱アルミニウム合金のマトリッ
クスを構成するアルミニウム以外の元素の配合割合およ
び作用を以下に説明する。なお、%はマトリックスを1
00%としたものである。 〔Ni:10〜20%〕Niは、Alとともに、NiA
3 等の金属間化合物をつくる。これら金属間化合物は
高温でも安定であり、合金の耐摩耗性と高温強度とに寄
与する。特にNiAl3 金属間化合物は、硬さもより低
く、靱性により富む。
【0012】Niを5.7%以上添加することにより、
得られる合金中にNiAl3 金属間化合物の析出が見ら
れるが、Niが10%未満の添加では、得られるマトリ
ックスの300℃での引張強度が200MPa以上にな
らず、高温強度が効果的に向上しない。逆に、Niが4
0%以下の添加であれば、得られるマトリックスはNi
Al3金属間化合物を作るが、Niを20%を超えて添
加すると、マトリックスが脆くなり、常温での伸び値が
極めて小さくなる。このため、Niを20%を超えて添
加すると、製品の高温強度及び耐摩耗性は優れるもの
の、切削性などが著しく劣り、実用上の利用が困難とな
る。 〔Si:8〜25%〕Al中に微細なSiを分散させた
合金は、高温強度、耐摩耗性に優れることは、A390
合金等で知られている。
【0013】鋳造法により製品を製造した場合には、S
iを11.3%以上含むアルミニウム合金には粗大Si
初晶が晶出し、かかる合金は摺動部の相手材を攻撃した
り、また被削性が著しく悪くなるとともに、合金自体の
伸びが著しく低下し、生産技術面(例えば、部品加工時
のクラック等)で実用的でなく、また部品として使用時
に割れが生じたりして好ましくない。しかし、急冷凝固
粉末冶金法によりアルミニウム合金をマトリックスとす
る複合材料を製造する場合には、Siを25%まで配合
しても微細Siの晶出したマトリックスが得られる。S
iを25%を超えて配合すると、急冷凝固法で合金粉末
を製造した場合でも、製品に粗大Siが晶出して好まし
くない。
【0014】逆に、Siが8%未満の配合では、得られ
るマトリックスの高温強度及び耐摩耗性が不十分であ
る。 〔Mo:1.0〜3.0%〕Moは、耐熱性を改善する
元素として知られているが、発明者らの実験結果では、
アルミニウム合金の剛性の向上とクリープ強度の向上と
に著しく寄与することが判明した。即ち、本マトリック
スにMo:1.0〜3.0%を配合すると、マトリック
スの剛性が効果的に向上する。Moが1.0%未満の添
加では剛性向上の効果が少なく、Moを3.0%を超え
て添加すると高温強度が低下する。 〔Fe:0.6〜8.0%〕一般にはFeの添加は好ま
しくなく、含まれていても0.5%以下であることが望
ましいとされるが、発明者らの実験結果では、Feを配
合することにより、得られるマトリックスの常温強度及
び300℃の高温強度が向上することが判明した。Fe
が0.6%未満の配合では、マトリックスの常温強度及
び300℃の高温強度向上の効果が少なく、Feを8%
を超えて配合すると、マトリックスが脆くなる。但し、
Feと後述するCuとは、少なくとも1種が含有され、
Fe及びCuの合計量が8%以下であれば、マトリック
スの常温強度が効果的に向上する。 〔Cu:0.6〜5.0%〕Cuは、耐熱アルミニウム
合金に時効硬化を付与し、マトリックスを強化する。C
uが0.6%以上の配合でマトリックスの常温強度向上
の効果があり、Cuを5%を超えて配合すると、粗大な
晶出物が生成し、アルミニウム合金の300℃での高温
強度を低下させる。但し、Cuと上述のFeとは、少な
くとも1種が含有され、Fe及びCuの合計量が8%以
下であれば、マトリックスの常温強度が効果的に向上す
る。 〔Zr:0.3〜3.0%〕Zrは、高温強度を改善す
る添加元素として知られているが、発明者らの実験結果
では、むしろマトリックスの常温及び300℃での伸び
値を向上することが判明した。即ち、本マトリックスに
Zr:0.3〜3.0%を配合すると、マトリックスの
靱性が効果的に向上する。Zrが0.3%未満の添加で
は靱性向上の効果が少なく、Zrを3.0%を超えて添
加すると粗大な金属間化合物(ZrAl3 )を晶出し、
望ましくない。 〔Ti:1.0〜4.0%〕Tiは、Zr同様、高温強
度を改善する添加元素として知られているが、発明者ら
の実験結果では、マトリックスの300℃での降伏強度
を向上させることが判明した。Tiの配合割合は1.0
〜4.0%である。Tiの配合が1.0%未満では高温
における降伏強度の向上効果が少なく、Tiの配合が
4.0%を超えて添加すると複合材料の靱性を低下させ
るので、望ましくない。 〔窒化物、硼化物、炭化物、酸化物:合計で10%を超
え30%〕窒化物、硼化物、炭化物、酸化物の粒子を耐
熱アルミニウム合金からなるマトリックスに分散させる
ことにより、得られるアルミニウム基複合材料の耐摩耗
性が向上する。この窒化物、硼化物、炭化物、酸化物の
量が10%以下の場合は、高剛性化、低熱膨張化の効果
が少ない。また添加量が30%を超えると、アルミニウ
ム基複合材料の伸び、鍛造性、機械加工性がが著しく低
下するので好ましくない。
【0015】窒化物としては、たとえば、AlN、Ti
N、ZrN、BNなどが挙げられる。硼化物としては、
たとえば、TiB2 、NiB、MgB2 などが挙げられ
る。さらに、硬質セラミック粒子として炭化物(Ti
C、SiC)、酸化物(Al23 ,SiO2 )、複合
化合物(FeCrC、FeCrB)などの微粒子を混合
配合してもよい。
【0016】この窒化物、硼化物は、炭化物、酸化物1
種または2種以上が上記の組成の耐熱アルミニウム合金
からなるマトリックスに混合され粉末冶金法で処理され
ることで、アルミニウム基複合材料が製造される。窒化
物、硼化物、炭化物、酸化物は、微粉末で平均粒径が、
0.5〜20μmであることが好ましい。0.5μmよ
り小さいと粉末同志が凝集し機械的特性が劣化するので
好ましくない。また20μmより大きいと、摺動時に粒
子が割れたり、脱落したりして耐摩耗性の効果が少なく
なるからである。
【0017】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を比較例と
ともに表1を参照しつつ本発明をさらに詳細に説明す
る。
【0018】
【表1】
【0019】表1に示す組成のマトリックス溶湯をアト
マイズ法により粉末化した後、100メッシュの篩いに
より分級し、これに平均粒径が1〜20μmの窒化物、
硼化物の微粉末を所定量混合して混合粉末とした。な
お、表の組成は、マトリックスの全体を100%とした
ときの各成分の重量%が元素記号の前の数値である。添
加粒子の量は、複合材料全体を100%としたときの重
量%を元素記号の前に記載した。
【0020】これらマトリックス粉末と窒化物、硼化
物、炭化物、酸化物粒子を混合した混合粉末を純Alの
底付きチューブに装填して真空条件下、面圧3ton/
cm2で冷間予備成形し、φ30×L80のプリフォー
ム体を製作した。これらプリフォーム体を450℃で3
0分間加熱し、比較的大きな押出比「10」で熱間押出
加工を行い、直径10mmの棒状のアルミニウム合金を得
た。得られたアルミニウム合金金属組織の拡大写真図を
図1、図2に示す。
【0021】窒化物、硼化物は写真図1に実施例1、写
真図2に実施例2の金属組織の拡大図に示すように、ア
ルミニウム合金マトリクスに密着して分散している。図
5に実施例1のアルミニウム基複合材料のX線回折チャ
ートを、図6に実施例2のアルミニウム基複合材料のX
線回折チャートを示す。図5の実施例1のX線回折チャ
ートにはAl、Si、Al23CuFe4 およびAl4
9 の金属間化合物、TiB2 セラミックスが含まれ
る。
【0022】図6の実施例2のX線回折チャートにはA
l、Si、Al23CuFe4 およびAl4 Cu9 の金属
間化合物、AlNセラミックスが含まれている。金属間
化合物の存在は、主としてマトリックスの特性(耐熱
性)を向上させ、その結果複合材料の特性を向上させ
る。 〔評価〕上記実施例No1〜8の各アルミニウム基複合
材料および比較例No11 、12 の窒化物、硼化物を含
まない耐熱アルミニウム合金について、常法によりヤン
グ率と熱膨張率を測定した。結果を表1に示す。
【0023】表1より、実施例1〜8のアルミニウム基
複合材料のヤング率は、AlN粒子を配合したNo2、
6では143(GPa)以上でありTiB2 粒子を配合
したNo1、5は150(GPa)以上であり、窒化
物、硼化物を含まない実施例と同じマトリックスの比較
例11、12が122(GPa)程度であるのと比較し
て一段と向上している。さらに、熱膨張率は、比較例1
1が15.9×10-6/Kであるのに対して、同じアル
ミニウム合金マトリックスにTiB2 粒子を配合したN
o1は、15.5×10-6/K、AlN粒子を配合した
No2は、15.1×10-6/Kである。比較例12の
熱膨張率が13.0×10-6/Kであるのに対してTi
2 粒子を配合したNo5は、12.7×10-6/K、
AlN粒子を配合したNo6は、12.2×10-6/K
であり、熱膨張率が小さくなっている。
【0024】図3は、アルミニウム基複合材料中の窒化
物、硼化物、炭化物、酸化物などにのセラミックスの重
量%を横軸に熱膨張率データを縦軸とした硼化物、窒化
物、炭化物、酸化物の量と熱膨張率との関係を推測する
グラフで、セラミックスの重量%が0%はAlマトリッ
クス(比較例No11)の15.9×10-6/Kを、セ
ラミックスの100重量%はAlNの熱膨張率6.08
×10-6/K、TiB2 の熱膨張率8×10-6/K、A
2 3 の熱膨張率8.6×10-6/K、SiCの熱膨
張率4.5×10-6/Kとし両者を結んだものである。
ピストンピンに使用される鋼(SCr15)の熱膨張率
は12.2×10-6/Kであり、本発明の硼化物、窒化
物、炭化物、酸化物の添加量範囲の10%を超え30%
の範囲は実施例No1、No2の値からして鋼の熱膨張
率に近似したものであることが推測される。
【0025】図4はヤング率について図3と同様にセラ
ミックスの重量%との関係を考察したものである。セラ
ミックスの重量%が0%はAlマトリックス(比較例N
o11)の122.9(GPa)を、セラミックス10
0重量%はAlNのヤング率310(GPa)、TiB
2 のヤング率425〜500(GPa)、AlO3 のヤ
ング率370(GPa)、SiCのヤング率500(G
Pa)とし両者を結んだものである。本発明の硼化物、
窒化物、炭化物、酸化物の添加量範囲の10%を超え3
0%の範囲は実施例No1、No2の値からして鋼(キ
ャリパーFCD45)のヤング率170(GPn)に近
似したものであることが推測される。したがって、本発
明は、耐熱アルミニウム合金マトリックスに硼化物、窒
化物、炭化物、酸化物を特定の量範囲で添加すること
で、エンジン部品に使用される鋼のそれと近いヤング
率、熱膨張率となり、併用ないしは代替部品として鋼の
代わりに使用することが可能となる。
【0026】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の耐熱アル
ミニウム基複合材料は、耐熱アルミニウム合金マトリッ
クスに硼化物、窒化物、炭化物、酸化物を特定の量範囲
で添加することで、常温での引張強度及び高温での引張
強度に優れるとともに、ヤング率、熱膨張率の低下を図
ることができる。
【0027】したがって、本発明の耐熱アルミニウム合
金で例えば自動車等のエンジン部品を製造しても、その
アルミニウム合金は、軽量であるとともに、剛性、熱膨
張特性、常温強度及び高温強度を発揮することができる
ため、近年の高出力化の要請に確実に答えることができ
るエンジン部品となる。本発明のアルミニウム基複合材
料は、高剛性、低熱膨張性であり、従来鋳鉄などの鉄系
材料が使用されていた部位に軽量材として、代替あるい
は従来材と組み合わせてハイブリド化をおこなうことが
できる。したがって、応用分野が広くなり自動車、航空
機などの運動部位への適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】これは実施例1のアルミニウム基複合材料の金
属組織の800倍の拡大写真図である。
【図2】これは実施例4のアルミニウム基複合材料の金
属組織の800倍の拡大写真図である。
【図3】これは実施例1、2のアルミニウム基複合材料
の熱膨張率を示すグラフである。
【図4】これは実施例1、2のアルミニウム基複合材料
のヤング率を示すグラフである。
【図5】これは実施例1のアルミニウム基複合材料のX
線回折チャートである。
【図6】これは実施例2のアルミニウム基複合材料のX
線回折チャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 宏久 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 今橋 ▲邦▼彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 道岡 博文 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 楠井 潤 大阪市中央区久太郎町三丁目6番8号 東 洋アルミニウム株式会社内 (72)発明者 田中 昭衛 大阪市中央区久太郎町三丁目6番8号 東 洋アルミニウム株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックスを100重量%としたとき
    重量%で、Ni:10〜20%、Si:8〜25%と、
    さらに少なくともMo:1.0〜3.0%を含み、残部
    がAlからなるアルミニウム合金をマトリックスとし、
    該マトリックスを含む複合材料全体を100重量%とし
    たとき窒化物、硼化物、炭化物、酸化物の粒子の1種ま
    たは2種以上が合計で10重量%を超え30重量%以下
    の量該マトリックス中に分散し、粉末冶金法により製造
    されていることを特徴とする高耐熱・高剛性・低熱膨張
    アルミニウム基複合材料。
  2. 【請求項2】マトリックスを100重量%としたとき該
    マトリックスは重量%で、さらに少なくともFe:0.
    6〜8.0%及びCu:0.6〜5.0%の1種を含
    み、Fe及びCuの合計量が8.0%以下である請求項
    1記載の高耐熱・高剛性・低熱膨張アルミニウム基複合
    材料。
  3. 【請求項3】マトリックスを100重量%としたとき該
    マトリックスは重量%で、さらに少なくともZr:0.
    3〜3.0%及びTi:1.0〜4.0%の1種を含む
    請求項1又は2記載の高耐熱・高剛性・低熱膨張アルミ
    ニウム基複合材料。
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