JP3236384B2 - 高耐熱・高耐摩耗性アルミニウム基複合材料 - Google Patents

高耐熱・高耐摩耗性アルミニウム基複合材料

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、航空機等のエ
ンジン部品等の回転部材に適用して有用な、耐摩耗性と
ともに高温強度に優れるアルミニウム基複合材料に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金は、軽量で加工性に優
れているので、古くから航空機あるいは自動車の構造用
材料として用いられている。従来のアルミニウム合金の
うち、耐熱性に優れるものとしては、JIS2024、
2018等のAl−Cu−Mg系合金が知られている。
【0003】また、Niを5重量%(以下、単に%とい
う。)以上含むAl−Ni系合金(軽金属学会主催、A
l合金の粉末冶金技術シンポジウム(昭和62年3月9
日開催)予稿集第58頁、第70頁)が提案されてい
る。同様に、特開平2−149629、特開平2−14
9631、特開平2−149632、特開平2−149
633号公報には、Niを8%以上含み、鋳造法で製造
したAl−Ni−Si−Cu−Mg系合金からなる「耐
摩耗性及び熱伝導性に優れた低熱膨張アルミニウム合
金」が開示されている。
【0004】さらに、特公平2−56401号公報に
は、7.7〜15%のNiと、15〜25%のSiとを
含み、Si結晶粒の大きさを15μm以下としたAl−
Ni−Si系合金粉末からなる「耐熱耐摩耗性高力アル
ミニウム合金粉末」が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】自動車用エンジンには
高出力化が要求され、このためエンジン・バルブリフタ
−、シリンダーライナー、バルブスプリングリテイナー
等のエンジン部品用の材料は、150℃で引張強度が4
50MPa以上必要とされる。かかる観点からは、上記
JIS2024、2018等のAl−Cu−Mg系合金
は、常温での引張強度は優れるものの、150℃の高温
では引張強度が高々350MPaであり、近年の自動車
等のエンジン部品にこれらAl−Cu−Mg系合金を適
用することはできない。また、上記提案又は公報記載の
Al−Ni系合金及びAl−Ni−Si−Cu−Mg系
合金では、組織中に生成されたNiAl3 金属間化合物
により、耐熱性及び耐摩耗性が改善されているものの、
鋳造法により製品を製造することとなるため、製品にお
けるNiAl3 金属間化合物の粒径が10μm程度と大
きくなり、常温で高々380MPa、150℃の高温で
は引張強度が250MPaに低下することが明らかとな
った。また、バルブリフター、バルブスプリングリテー
ナ、シリンダーライナーなどのように摺動特性が要求さ
れる部品においては、上記のアルミニウム合金では耐摩
耗性が不十分である。このため、かかるアルミニウム合
金でも、近年の自動車等のエンジン部品として適用する
ことが困難である。
【0006】一方、上記公報記載のAl−Ni−Si系
合金粉末では、焼結法により製品を製造することとな
る。すなわち、一定組成の合金原料を溶解、噴霧して上
記Al−Ni−Si系合金粉末とし、このAl−Ni−
Si系合金粉末を冷間予備成形、押出、鍛造することに
より製品が得られる。このため、このAl−Ni−Si
系合金粉末では、NiAl3 金属間化合物の粒径であ
り、耐摩耗性に優れるとともに、引張強度も常温で51
0MPa、200℃で379MPaが得られる。しか
し、この材料では、強度が不足し、かつSi量が多いた
め加工性に難点がある。
【0007】セラミックス粒子や繊維を分散させたMM
C(金属基複合材料)は、一般に高温強度が高いが、鍛
造性、伸びが低い。また鍛造性を良くしようとすると、
逆に高温強度が低下する。そこで、高温強度と鍛造性を
両立させるには、適切なマトリックスを選定することが
必要である。本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされ
たものであって、高温強度と安定した耐摩耗性及び加工
性とに優れる製品を製造できる高耐熱・高耐摩耗性アル
ミニウム基複合材料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、高Niおよ
び高Siのアルミニウム合金にFeおよびCuの少なく
とも1種を配合することにより優れた耐熱アルミニウム
合金が得られることを知り、かかる合金について研究を
進めた。そしてFeおよびCuの少なくとも1種を含む
高Niおよび高Siのアルミニウム合金において常に配
合されているMgが常温強度および高温強度に好ましく
ない影響を与えていることを発見、確認し、耐熱アルミ
ニウム合金粉末および耐熱アルミニウム合金として先に
出願した。本願発明は上記のアルミニウム合金をマトリ
ックスとして、これに窒化物、硼化物の粒子を分散させ
た金属基複合材料が、高温度での強度および伸度が優
れ、鍛造性、耐摩耗性が向上することを発見・確認した
ものである。
【0009】本発明の高耐熱・高耐摩耗性アルミニウム
基複合材料は、マトリックスを100重量%としたとき
重量%で、Ni:5.7〜20%、Si:0.2〜15
%と、さらに少なくともFe:0.6〜8.0%および
Cu:0.6〜5.0%の1種を含み、該Feおよび該
Cuの合計量が2〜10%であり、残部がAlからなる
アルミニウム合金をマトリックスとし、該マトリックス
を含む複合材料全体を100重量%としたとき窒化物、
硼化物の粒子の1種または2種以上の合計が0.5〜1
0%該マトリックスに分散し、粉末冶金法により製造さ
れていることを特徴とする。
【0010】また、本発明の高耐熱・高耐摩耗性アルミ
ニウム基複合材料を構成するマトリックスは、マトリッ
クスを100重量%としたとき重量%で、Ni:5.7
〜20%、Si:0.2〜8%と、、さらに少なくとも
Fe:0.6〜8.0%およびCu:0.6〜5.0%
の1種を含み、該Feおよび該Cuの合計量が2〜10
%であり、残部がAlからなるアルミニウム合金とする
ことができる。
【0011】また、このアルミニウム基複合材料を構成
するマトリックスには重量%で、さらに少なくともZ
r:0.3〜3.0%及びTi:1.0〜3.0%の1
種を含むことができる。さらに、このマトリックスに含
まれるNi、Zr及びTiは、合計量を8〜18%とす
ることができる。本発明のマトリックスは、特定量のN
i、Si、Fe、Cuを含む耐熱アルミニウム合金で形
成されている。
【0012】このアルミニウム基複合材料は、上記の組
成のマトリックスを構成する耐熱アルミニウム合金を溶
解、噴霧して製造した微粉末に、窒化物、硼化物の微粉
末を均一に混合して混合粉末とし、この混合粉末を加圧
成形した後、焼結するという粉末冶金法により製造でき
る。通常この加圧成形は混合粉末をケースに入れ、この
状態で冷間予備成形(CIP)、熱間押出鍛造すること
でなされる。
【0013】本発明の耐熱アルミニウム基複合材料を構
成する元素の配合割合および作用を以下に説明する。な
お、%はマトリックスを100%としたものである。 〔Ni:5.7〜20%〕Niは、Alとともに、Ni
Al3 等の金属間化合物をつくる。これら金属間化合物
は高温でも安定であり、合金の耐摩耗性と高温強度とに
寄与する。特にNiAl3 金属間化合物は、他の金属間
化合物等と比較して、硬さもより低く、靱性により富
む。
【0014】Niを5.7%以上添加することにより、
得られるマトリックス中にNiAl3 金属間化合物の析
出が見られる。逆に、Niが40%以下の添加であれ
ば、得られるマトリックスはNiAl3金属間化合物を
作るが、Niを20%を超えて添加すると、マトリック
スが脆くなり、常温での伸び値が極めて小さくなる。こ
のため、Niを20%を超えて添加すると、製品の高温
強度及び耐摩耗性は優れるものの、切削性などが著しく
劣り、実用上の利用が困難となる。 〔Si:0.2〜15%〕Al中に微細なSiを分散さ
せた合金は、高温強度、耐摩耗性に優れることは、A3
90合金等で知られている。
【0015】鋳造法によりアルミニウム基複合材料の製
品を製造した場合には、Siを11.3%以上含むアル
ミニウム合金には粗大Si初晶が晶出し、かかるマトリ
ックスは摺動部の相手材を攻撃したり、また被削性が著
しく悪くなるとともに、マトリックス自体の伸びが著し
く低下し、生産技術面(例えば、部品加工時のクラック
等)で実用的でなく、また部品として使用時に割れが生
じたりして好ましくない。Si:0.2〜8%であるこ
とがより好ましい。 〔Fe:0.6〜8.0%〕一般にはFeの添加は好ま
しくなく、含まれていても0.5%以下であることが望
ましいとされるが、発明者らの実験結果では、Feを配
合することにより、得られるマトリックスの常温強度及
び300℃までの高温強度が向上することが判明した。
Feが0.6%未満の配合では、マトリックスの常温強
度及び300℃の高温強度向上の効果が少なく、Feを
8%を超えて配合すると、マトリックスが脆くなる。但
し、Feと後述するCuとは、少なくとも1種が含有さ
れ、Fe及びCuの合計量が2%以上、10%以下であ
れば、マトリックスの常温強度が効果的に向上する。 〔Cu:0.6〜5.0%〕Cuは、耐熱アルミニウム
合金に時効硬化を付与し、マトリックスを強化する。C
uが0.6%以上の配合でマトリックスの常温強度向上
の効果があり、Cuを5%を超えて配合すると、粗大な
晶出物が生成し、マトリックスの300℃での高温強度
を低下させる。但し、Cuと上述のFeとは、少なくと
も1種が含有され、Fe及びCuの合計量が2%以上、
10%以下であれば、マトリックスの常温強度が効果的
に向上する。 〔Zr:0.3〜3.0%〕Zrは、高温強度を改善す
る添加元素として知られているが、発明者らの実験結果
では、むしろアルミニウム合金の常温及び300℃での
伸び値を向上すること、及び高温に長時間放置した場合
の強度低下が少ないことが判明した。即ち、本発明のマ
トリックスにZr:0.3〜3.0%を配合すると、マ
トリックスの靱性が効果的に向上する。Zrが0.3%
未満の添加では靱性向上の効果が少なく、Zrを3.0
%を超えて添加すると粗大な金属間化合物(ZrA
3 )を晶出し、望ましくない。 〔Ti:1.0〜3.0%〕Tiは、高温強度を改善す
る添加元素として知られているが、発明者らの実験結果
では、得られるマトリックスの300℃での降伏強度を
向上させること、及び高温に長時間放置した場合の強度
低下が少ないことが判明した。Tiの配合割合は1.0
〜3.0%である。Tiの配合が1.0%未満では高温
における強度の向上の効果が少なく、Tiの配合が3.
0%を超えて添加するとマトリックスの靱性を低下させ
るので、望ましくない。
【0016】Ni、Zr及びTiの合計量が8〜18%
であれば、複合材料の特性にバラツキが少なくなる。 〔窒化物、硼化物:合計量で0.5〜10%〕窒化物、
硼化物の粒子を耐熱アルミニウム合金からなるマトリッ
クスに分散させることにより、得られるアルミニウム基
複合材料の耐摩耗性が向上する。この窒化物、硼化物の
添加量が0.5%未満の場合は、添加効果が認められな
い。また、添加量が10%を超えるとアルミニウム基複
合材料の引張強度、伸び、機械加工性が著しく低下する
ので好ましくない。
【0017】窒化物としては、たとえば、AlN、Ti
N、ZrN、BNなどが挙げられる。硼化物としては、
たとえば、TiB2 、NiB、MgB2 などが挙げられ
る。窒化物、硼化物は、微粉末で平均粒径が0.2〜2
0μmであることが好ましい。0.2μmより小さい
と、粉末同士が凝集し、機械的特性が劣化する。20μ
mより大きいと摺動時に粒子が割れたり脱落したりし
て、耐摩耗性の効果が少なくなるからである。
【0018】窒化物、硼化物は、1種または2種以上が
上記の組成の耐熱アルミニウム合金に混合され粉末冶金
法で処理されることで、アルミニウム基複合材料が製造
される。
【0019】
【実施例】以下、本発明を具体化した実施例を比較例と
ともに表1〜2を参照しつつ本発明をさらに詳細に説明
する。
【0020】
【表1】 表中のマトリックス組成は、全体を100重量%とした
ときの各元素の重量%を元素の前の数字で示した。添加
する窒化物、硼化物の量はマトリックスと添加物との総
量を100重量%としたときの重量%を同様に数字で示
した。
【0021】表1に示すマトリックス組成の溶湯をアト
マイズ法により粉末化した後、100メッシュの篩いに
より分級し、これに平均粒径1〜20μmの窒化物、硼
化物微粉末を混合して実施例1〜3及び窒化物、硼化物
微粉末を混合しない比較例1〜4の混合粉末を得た。比
較例3、4はSiCの微粉末(平均粒径2.6μm)を
混合した。なお、比較例3のマトリックスは2024、
比較例4のマトリックスは6061に相当する合金組成
である。
【0022】これらの混合粉末を純Alの底付きチュー
ブに装填して真空条件下、面圧3ton/cm2 で冷間
予備成形し、φ30×L80のプリフォーム体を製作し
た。これらプリフォーム体を450℃で30分間加熱
し、比較的大きな押出比「10」で熱間押出加工を行
い、直径10mmの棒状のアルミニウム合金を得た。 〔評価〕上記各アルミニウム合金について、強度特性の
測定を行った。測定された引張強度及び降伏強度も合わ
せて表2に示す。
【0023】実施例1〜3のアルミニウム基複合材料
は、表2に示すように窒化物、硼化物を含まないマトリ
ックスの比較例1〜2と同様にいづれも常温(RT)で
の引張強度が600MPaをほぼ超え、かつ150℃に
おける引張強度が450MPaを超え、優れていること
がわかる。したがって、強度的にはマトリックスの耐熱
アルミニウムとほぼ同じで、窒化物、硼化物を添加した
ことによる悪影響は認められない。一方、Ni、Feな
どを含まない比較例3、4は150℃の引張強度が30
0MPa前後と低い。
【0024】次に実施例1〜3のアルミニウム基複合材
料および比較例1〜4のアルミニウム合金について摩耗
試験を行なった。摩耗量はLFW試験機を使用して油中
に浸漬したリング状の相手材4をSUJ2とし、これに
荷重150N、時間15分、すべり速度18m/分で試
験片を押し付けた試験条件で測定した。結果を表2に示
す。耐摩耗性を比摩耗量で比較すると、実施例1〜3は
窒化物、硼化物を含まないマトリックスの比較例1〜2
に比べて1桁少なくなっている。これは、マトリックス
中の窒化物、硼化物の粒子が存在が摩耗量を低減してい
る。これは窒化物が添加されたアルミニウム基複合材料
では、アルミニウムが相手材(SUJ2)に移着せず、
摩擦係数が低く、良好な摺動特性を示する。通常Alと
Feとの摩擦では、AlがFeに移着しやすく耐摩耗性
が低くなる。
【0025】また、硼化物を添加したアルミニウム基複
合材料では、硼化物中のBが1部摩擦中に酸化して、B
2 3 となり、このB2 3 が液相(mp450℃)に
なり流体潤滑となり耐摩耗性が向上したものと思われ
る。比較例3〜4は、Ni、Feなどを含まないので強
度が低くさらに、マトリックスに添加した珪素系粒子が
添加されているが、これは耐摩耗性は寄与していない。
【0026】
【表2】 TS:引張強度(MPa)、YP:降伏強度(MP
a)、δ:伸び(%) 比摩耗量(mm3 /kg・mm) 図1に実施例1のアルミニウム基複合材料の金属組織の
100倍に拡大した顕微鏡写真図を示す。図1よりAl
Nの添加物が微細にマトリックス中に分散している。図
2は図1をさらに400倍に拡大したもので添加物の界
面がマトリックスと良く固着し、界面に空孔などがない
ことを示している。
【0027】したがって、上記の評価により、実施例1
〜3のアルミニウム基複合材料の粉末を焼結法により製
造したアルミニウム基複合材料は、軽量であるととも
に、耐摩耗性、剛性、常温出の強度に優れている。
【0028】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のアルミニ
ウム基複合材料は、所定量のNi、Si、Fe、Cuを
含有しているため、軽量であるとともに、窒化物、硼化
物の粒子が分散しているので耐摩耗性が優れ、かつ窒化
物、硼化物の粒子が分散されていない耐熱アルミニウム
合金とほぼ類似した強度を有する。
【0029】また、本発明のマトリックスに所定量のZ
r、Tiの添加元素を配合すれば、靱性、降伏強度が向
上し、高温に長時間放置した場合の強度低下を低くする
ことができる。また、Ni、Zr及びTiの合計量が8
〜18%であれば、特性のバラツキを少なくすることが
できる。
【0030】さらに、使用するマトリックスは、高温強
度、伸びがよいため、MMCとしての特性の鍛造性、耐
摩耗性も向上する。したがって、本発明のアルミニウム
基複合材料で例えば自動車等のエンジン部品を製造して
も、そのアルミニウム基複合材料は、軽量であるととも
に、安定した耐摩耗性、剛性、熱膨張特性、常温強度及
び高温強度を発揮することができるため、近年の高出力
化の要請に確実に答えることができるエンジン部品とな
る。
【0031】加えて、本発明の耐熱アルミニウム合金で
は、Feを比較的多量に含有しても、優れた耐摩耗性、
剛性、熱膨張特性、常温強度及び高温強度を安定して発
揮することができるため、アルミニウム系部材と鉄系部
材とが混合されて廃棄後に回収された場合でも、容易に
本発明のアルミニウム合金を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この図は実施例1の金属組織の100倍に拡大
した写真図である。
【図2】この図は図1を400倍に拡大した写真図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 泰弘 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 道岡 博文 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (72)発明者 楠井 潤 大阪市中央区久太郎町三丁目6番8号 東洋アルミニウム株式会社内 (72)発明者 田中 昭衛 大阪市中央区久太郎町三丁目6番8号 東洋アルミニウム株式会社内 (56)参考文献 特公 平5−81654(JP,B2) 特許2646212(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 1/05 C22C 1/10 C22C 21/00 C22C 32/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マトリックスを100重量%としたとき
    重量%で、Ni:5.7〜20%、Si:0.2〜15
    %と、さらに少なくともFe:0.6〜8.0%および
    Cu:0.6〜5.0%の1種を含み、該Feおよび該
    Cuの合計量が2〜10%であり、残部がAlからなる
    アルミニウム合金をマトリックスとし、該マトリックス
    を含む複合材料全体を100重量%としたとき窒化物、
    硼化物の粒子の1種または2種以上の合計が0.5〜1
    0重量%該マトリックスに分散し、粉末冶金法により製
    造されていることを特徴とする高耐熱・高耐摩耗性アル
    ミニウム基複合材料。
  2. 【請求項2】 マトリックスを100重量%としたとき
    重量%で、Ni:5.7〜20%、Si:0.2〜8%
    と、さらに少なくともFe:0.6〜8.0%及びC
    u:0.6〜5.0%の1種を含み、該Fe及び該Cu
    の合計量が2〜10%であり残部がAlからなるアルミ
    ニウム合金をマトリックスとし、該マトリックスを含む
    複合材料全体を100重量%としたとき窒化物、硼化物
    の粒子の1種または2種以上の合計が0.5〜10%該
    マトリックスに分散し、粉末冶金法により製造されてい
    ることを特徴とする高耐熱・高耐摩耗性アルミニウム基
    複合材料。
  3. 【請求項3】 マトリックスを100重量%としたとき
    重量%で、さらに少なくともZr:0.3〜3.0%及
    びTi:1.0〜3.0%の1種を含む請求項1又は2
    記載の高耐熱・高耐摩耗性アルミニウム基複合材料。
  4. 【請求項4】 マトリックスを100重量%としたとき
    重量%で、Ni、Zr及びTiの合計量が8〜18%で
    ある請求項1、2または3記載の高耐熱・高耐摩耗性ア
    ルミニウム基複合材料。
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