JPH06211617A - 新規抗生物質mk2266aおよびその製造方法 - Google Patents
新規抗生物質mk2266aおよびその製造方法Info
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- JPH06211617A JPH06211617A JP4296135A JP29613592A JPH06211617A JP H06211617 A JPH06211617 A JP H06211617A JP 4296135 A JP4296135 A JP 4296135A JP 29613592 A JP29613592 A JP 29613592A JP H06211617 A JPH06211617 A JP H06211617A
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- JP
- Japan
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- methanol
- mk2266a
- antibiotic
- culture
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- Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
- Pyrane Compounds (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【構成】 ダクティラリア(Dactylaria)属
に属する微生物の培養物から、真菌に対する抗菌活性を
有する新規な抗生物質MK2266Aを単離し、その理
化学的性質を明らかにした。 【効果】 本願MK2266Aは、真菌に対する抗菌活
性を有するため、医薬または農薬分野での抗菌剤として
有用である。
に属する微生物の培養物から、真菌に対する抗菌活性を
有する新規な抗生物質MK2266Aを単離し、その理
化学的性質を明らかにした。 【効果】 本願MK2266Aは、真菌に対する抗菌活
性を有するため、医薬または農薬分野での抗菌剤として
有用である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は抗菌活性を有する新規な
抗生物質MK2266Aおよびその製造法に関するもの
である。
抗生物質MK2266Aおよびその製造法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする問題点】従
来、数多くの抗生物質が発見され、医薬品、動物用薬
品、農薬などの分野で実用化されている。しかしなが
ら、耐性菌の問題などから、現在も新規な物質が求めら
れており、未だ有効な物質が見いだされないために、解
決されていない医療あるいは産業分野が多く残されてい
る。例えば、抗菌剤の分野においても、新しい作用を持
つ新規の抗菌抗生物質を提供することは常に要望されて
いる。
来、数多くの抗生物質が発見され、医薬品、動物用薬
品、農薬などの分野で実用化されている。しかしなが
ら、耐性菌の問題などから、現在も新規な物質が求めら
れており、未だ有効な物質が見いだされないために、解
決されていない医療あるいは産業分野が多く残されてい
る。例えば、抗菌剤の分野においても、新しい作用を持
つ新規の抗菌抗生物質を提供することは常に要望されて
いる。
【0003】本発明者らは新規な抗生物質の探索を目的
として、多数の微生物を分離し、その生産する抗生物質
について単離、精製を行った。
として、多数の微生物を分離し、その生産する抗生物質
について単離、精製を行った。
【0004】
【問題点を解決するための手段】その結果、ダクティラ
リア(Dactylaria)属に属するある菌株の培
養液中に、抗菌活性を有する物質が生産されていること
を見いだし、有効物質であるMK2266Aを単離し、
その理化学的性状および生物学的性状を確定することに
より、本発明を完成した。
リア(Dactylaria)属に属するある菌株の培
養液中に、抗菌活性を有する物質が生産されていること
を見いだし、有効物質であるMK2266Aを単離し、
その理化学的性状および生物学的性状を確定することに
より、本発明を完成した。
【0005】即ち、本発明の要旨は、下記の理化学的性
状を有する新規抗生物質MK2266A(以下「MK2
266A」と略称することがある)、およびダクティラ
リア(Dactylaria)属に属する新規抗生物質
MK2266A生産菌を培養し、その培養物から新規抗
生物質MK2266Aを採取することを特徴とする新規
抗生物質MK2266Aの製造法に存する。 1)外観:無色粉末。 2)融点:173−174℃(分解)。 3)紫外部吸収スペクトル:メタノール中、216(ε
=35,500)、237(ε=37,500)、27
8(ε=44,800)および288(ε=36,20
0)nmに吸収極大を有する。 4)赤外部吸収スペクトル(フィルム法):3400,
2950,2920,2870,1640,1610,
1500,1440,1370,1260,1070,
1040,1020,970cm-1に主な吸収を有す
る。 5)水素核磁気共鳴スペクトル(500MHz):重メ
タノール中、主なピークは下記の通り(化学シフト値は
内部標準テトラメチルシランからの低磁場ppmにより
記した)。0.65d,0.75t,0.82d,0.
86d,0.97m,1.07s,1.13s,1.1
5−1.20m,1.25−1.40m,1.44m,
1.62s,1.65m,1.67s,1.72s,
1.80dd,2.01dd,2.61m,3.26d
d,3.31dd,3.42dd,3.52m,3.5
3m,3.58dd,4.02dd,4.24d,4.
40d,5.12d,5.20 d,5.49dd,
5.71d,5.75s,6.02d,6.20d,
6.23dd 6)炭素核磁気共鳴スペクトル(125MHz):重メ
タノール中、主なピークは下記の通り(化学シフト値は
内部標準テトラメチルシランからの低磁場ppmにより
記した)。12.4,13.0,13.6,16.8,
20.6,20.9,21.2,21.6,22.5,
29.3,29.8,31.6,35.6,36.2,
40.2,41.0,44.7,46.1,48.7,
65.5,66.7,73.2,74.6,76.5,
77.7,78.1,97.7,107.6,123.
8,126.8,128.3,134.3,135.
3,136.7,136.9,137.5,138.
6,139.5,169.1,169.6,181.4 7)分子式:C41H64O9 8)分子量:700[SIMS−POS,m/z 72
3 (M+Na)+ ,739 (M+K)+ ] 9)比旋光度:[α]D 25=−23.4°(C 1.
0,メタノール) 10)溶解性:水、メタノール、エタノール、ピリジ
ン、ジメチルスルホキシド、クロロホルム等の溶媒に可
溶、酢酸エチル、アセトンに不溶。
状を有する新規抗生物質MK2266A(以下「MK2
266A」と略称することがある)、およびダクティラ
リア(Dactylaria)属に属する新規抗生物質
MK2266A生産菌を培養し、その培養物から新規抗
生物質MK2266Aを採取することを特徴とする新規
抗生物質MK2266Aの製造法に存する。 1)外観:無色粉末。 2)融点:173−174℃(分解)。 3)紫外部吸収スペクトル:メタノール中、216(ε
=35,500)、237(ε=37,500)、27
8(ε=44,800)および288(ε=36,20
0)nmに吸収極大を有する。 4)赤外部吸収スペクトル(フィルム法):3400,
2950,2920,2870,1640,1610,
1500,1440,1370,1260,1070,
1040,1020,970cm-1に主な吸収を有す
る。 5)水素核磁気共鳴スペクトル(500MHz):重メ
タノール中、主なピークは下記の通り(化学シフト値は
内部標準テトラメチルシランからの低磁場ppmにより
記した)。0.65d,0.75t,0.82d,0.
86d,0.97m,1.07s,1.13s,1.1
5−1.20m,1.25−1.40m,1.44m,
1.62s,1.65m,1.67s,1.72s,
1.80dd,2.01dd,2.61m,3.26d
d,3.31dd,3.42dd,3.52m,3.5
3m,3.58dd,4.02dd,4.24d,4.
40d,5.12d,5.20 d,5.49dd,
5.71d,5.75s,6.02d,6.20d,
6.23dd 6)炭素核磁気共鳴スペクトル(125MHz):重メ
タノール中、主なピークは下記の通り(化学シフト値は
内部標準テトラメチルシランからの低磁場ppmにより
記した)。12.4,13.0,13.6,16.8,
20.6,20.9,21.2,21.6,22.5,
29.3,29.8,31.6,35.6,36.2,
40.2,41.0,44.7,46.1,48.7,
65.5,66.7,73.2,74.6,76.5,
77.7,78.1,97.7,107.6,123.
8,126.8,128.3,134.3,135.
3,136.7,136.9,137.5,138.
6,139.5,169.1,169.6,181.4 7)分子式:C41H64O9 8)分子量:700[SIMS−POS,m/z 72
3 (M+Na)+ ,739 (M+K)+ ] 9)比旋光度:[α]D 25=−23.4°(C 1.
0,メタノール) 10)溶解性:水、メタノール、エタノール、ピリジ
ン、ジメチルスルホキシド、クロロホルム等の溶媒に可
溶、酢酸エチル、アセトンに不溶。
【0006】以下、本発明につき詳細に説明する。本発
明のMK2266Aは、後述するように、例えばダクテ
ィラリア(Dactylaria)属に属する微生物を
培養し、その培養物から得ることができる。かかる微生
物としては、ダクティラリア(Dactylaria)
属に属し、MK2266Aを生産する能力を有するもの
であれば特に制限はされない。具体的には、本発明者ら
が落葉落枝より分離したダクティラリア・パルビスポラ
(Dactylaria parvispora)D5
00(以下、「本菌株」または「D500号菌」と略す
ることがある。)が挙げられる。なお、本菌株は工業技
術院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第12798号
(FERM P−12798)として寄託されており、
その菌学的性質は以下の通りである。
明のMK2266Aは、後述するように、例えばダクテ
ィラリア(Dactylaria)属に属する微生物を
培養し、その培養物から得ることができる。かかる微生
物としては、ダクティラリア(Dactylaria)
属に属し、MK2266Aを生産する能力を有するもの
であれば特に制限はされない。具体的には、本発明者ら
が落葉落枝より分離したダクティラリア・パルビスポラ
(Dactylaria parvispora)D5
00(以下、「本菌株」または「D500号菌」と略す
ることがある。)が挙げられる。なお、本菌株は工業技
術院微生物工業技術研究所に微工研菌寄第12798号
(FERM P−12798)として寄託されており、
その菌学的性質は以下の通りである。
【0007】1.形態学的性状 イ)ポテト・デキストロース寒天培地(PDA)上での
性状 コロニーは2週間、27℃培養下で直径1cm程度に広
がる、生育遅滞。コロニー色調は黒褐色〜にぶ橙色を呈
する、裏面は黄褐色〜にぶ橙色を呈する。基底菌糸は無
色、隔壁を有し、分枝する、巾1.8〜2.8μm、気
生菌糸の発達は良好。分生子柄は基底菌糸、あるいは気
生菌糸より生ずる、通常分枝しない、長さ146μmに
至る、巾4.0〜6.3μm、はじめ淡褐色、のちに暗
褐色を帯び、厚膜化する、隔壁を有する。分生子形成細
胞は円柱状、関節状に屈曲する、分生子脱落後、小突起
状の分生子分離痕を残す、無色〜淡褐色、隔壁を有す。
分生子はシンポジオ型分生子、分生子形成細胞より求頂
的に連続して生じる、だ円形〜倒卵形、分生子基部は鋭
尖状にとがる、無色、平滑、1〜3隔壁を有する、1隔
壁分生子は7.8〜11.9μm×2.8〜3.4μ
m、2隔壁分生子は15.3〜18.7μm×3.7〜
4.4μm、3隔壁分生子は16.0〜22.0μm×
4.0〜5.3μm。 ロ)麦芽粉末寒天培地(MA)上での性状 ポテト・デキストロース寒天培地上での特徴と同様の形
態学的性状を示す。
性状 コロニーは2週間、27℃培養下で直径1cm程度に広
がる、生育遅滞。コロニー色調は黒褐色〜にぶ橙色を呈
する、裏面は黄褐色〜にぶ橙色を呈する。基底菌糸は無
色、隔壁を有し、分枝する、巾1.8〜2.8μm、気
生菌糸の発達は良好。分生子柄は基底菌糸、あるいは気
生菌糸より生ずる、通常分枝しない、長さ146μmに
至る、巾4.0〜6.3μm、はじめ淡褐色、のちに暗
褐色を帯び、厚膜化する、隔壁を有する。分生子形成細
胞は円柱状、関節状に屈曲する、分生子脱落後、小突起
状の分生子分離痕を残す、無色〜淡褐色、隔壁を有す。
分生子はシンポジオ型分生子、分生子形成細胞より求頂
的に連続して生じる、だ円形〜倒卵形、分生子基部は鋭
尖状にとがる、無色、平滑、1〜3隔壁を有する、1隔
壁分生子は7.8〜11.9μm×2.8〜3.4μ
m、2隔壁分生子は15.3〜18.7μm×3.7〜
4.4μm、3隔壁分生子は16.0〜22.0μm×
4.0〜5.3μm。 ロ)麦芽粉末寒天培地(MA)上での性状 ポテト・デキストロース寒天培地上での特徴と同様の形
態学的性状を示す。
【0008】2.生理学的性状 生育温度(LCA培地上、27℃ 2週間培養):15
〜30℃ 至適温度:20〜27℃ 生育pH(LCA液体培地上、27℃、2週間培養):
3〜8 至適pH:4〜7
〜30℃ 至適温度:20〜27℃ 生育pH(LCA液体培地上、27℃、2週間培養):
3〜8 至適pH:4〜7
【0009】3.分類学的考察 本菌株(D500号菌)は、シンポジオ型分生子形成様
式を示す。分生子柄は褐色、無分枝。分生子形成細胞は
小突起状の分生子分離痕を有す。分生子は無色透明の特
徴を有することから、de Hoog(1985),S
tud.Mycol.26,36〜43ページに記載さ
れている不完全菌亜門−不完全糸状菌類(Hyphom
ycetes)のDactylaria属、Pleur
ophragmium節に帰属する。
式を示す。分生子柄は褐色、無分枝。分生子形成細胞は
小突起状の分生子分離痕を有す。分生子は無色透明の特
徴を有することから、de Hoog(1985),S
tud.Mycol.26,36〜43ページに記載さ
れている不完全菌亜門−不完全糸状菌類(Hyphom
ycetes)のDactylaria属、Pleur
ophragmium節に帰属する。
【0010】de Hoog(1985)の分類学的文
献によれば、本節には11種が含まれており、これらの
菌種は、分生子の特徴、分生子の形成順序、分生子形成
細胞上の小突起の着生状態等によって識別されている。
de Hoog(1985)の検索表に従って、本菌株
(D500号菌)の種の検索を行なったところ、本菌株
はDactylaria parvisporaの形態
学的特徴によく合致した。従って、本菌株はDacty
laria parvispora D500と同定し
た。
献によれば、本節には11種が含まれており、これらの
菌種は、分生子の特徴、分生子の形成順序、分生子形成
細胞上の小突起の着生状態等によって識別されている。
de Hoog(1985)の検索表に従って、本菌株
(D500号菌)の種の検索を行なったところ、本菌株
はDactylaria parvisporaの形態
学的特徴によく合致した。従って、本菌株はDacty
laria parvispora D500と同定し
た。
【0011】本発明においては、前記の菌を通常の微生
物が利用し得る栄養物を含有する培地で培養する。栄養
源としてはグルコース、水飴、デキストリン、シュクロ
ース、澱粉、糖蜜、動・植物油等を使用できる。また窒
素源として大豆粉、小麦胚芽、コーンスティープ・リカ
ー、綿実粕、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、硫酸ア
ンモニウム、硝酸ソーダ、尿素等を使用できる。その他
必要に応じて、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マ
グネシウム、コバルト、塩素、燐酸、硫酸及びその他の
イオンを生成する事の出来る無機塩類を添加することは
有効である。また菌の生育を助け抗生物質MK2266
A物質の生産を促進するような有機及び無機物を適当に
添加することができる。
物が利用し得る栄養物を含有する培地で培養する。栄養
源としてはグルコース、水飴、デキストリン、シュクロ
ース、澱粉、糖蜜、動・植物油等を使用できる。また窒
素源として大豆粉、小麦胚芽、コーンスティープ・リカ
ー、綿実粕、肉エキス、ペプトン、酵母エキス、硫酸ア
ンモニウム、硝酸ソーダ、尿素等を使用できる。その他
必要に応じて、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マ
グネシウム、コバルト、塩素、燐酸、硫酸及びその他の
イオンを生成する事の出来る無機塩類を添加することは
有効である。また菌の生育を助け抗生物質MK2266
A物質の生産を促進するような有機及び無機物を適当に
添加することができる。
【0012】培養法としては、好気的条件下での培養
法、特に深部培養法が最も適している。培養に適当な温
度は10〜30℃であるが多くの場合、20〜27℃付
近で培養する。MK2266Aの生産は培地や培養条件
により異なるが、振とう培養、タンク培養とも通常3〜
10日の間でその蓄積が最高に達する。培養物中のMK
2266の蓄積が最高になったときに培養を停止し、培
養物から目的物質を単離精製する。
法、特に深部培養法が最も適している。培養に適当な温
度は10〜30℃であるが多くの場合、20〜27℃付
近で培養する。MK2266Aの生産は培地や培養条件
により異なるが、振とう培養、タンク培養とも通常3〜
10日の間でその蓄積が最高に達する。培養物中のMK
2266の蓄積が最高になったときに培養を停止し、培
養物から目的物質を単離精製する。
【0013】本発明のMK2266Aを培養物から単
離、精製するには、不純物との溶解度差を利用する手
段、溶媒分配の差を利用する溶媒抽出手段、吸着親和力
の差を利用する手段、分子量の差を利用する手段が利用
されている。以上のような方法により、あるいはこれら
を適宜組み合わせることにより、高純度のMK2266
Aが得られる。得られるMK2266Aの理化学的性状
は上記で示した通りである。
離、精製するには、不純物との溶解度差を利用する手
段、溶媒分配の差を利用する溶媒抽出手段、吸着親和力
の差を利用する手段、分子量の差を利用する手段が利用
されている。以上のような方法により、あるいはこれら
を適宜組み合わせることにより、高純度のMK2266
Aが得られる。得られるMK2266Aの理化学的性状
は上記で示した通りである。
【0014】なお、上述した物理化学的性質およびその
他の研究により、MK2266Aは下記(1)式で示す
構造を有するものと推定された。
他の研究により、MK2266Aは下記(1)式で示す
構造を有するものと推定された。
【0015】
【化1】
【0016】
【実施例】以下に試験例及び実施例を挙げてさらに具体
的に本発明を説明するが、本発明はその要旨を越えない
限り以下の実施例によって限定されるものではない。 実施例1 (1)培養 水アメ4%、大豆油0.3%、ソルピー2%、ファーマ
メディア1%、サングレイン0.5%、CaCO3
0.3%、FeSO4 ・7H2 O 0.001%、Co
Cl2 ・6H2 O 0.001%、NiCl2 0.0
01%を含有する培地(pH6.0)を40mlずつ2
00ml三角フラスコ20本に分注し、121℃におい
て20分間高圧滅菌する。これにMK2266A生産
株、菌名D500株を1白金耳ずつ植菌し、27℃にお
いて5日間、210回転にて振とう培養する(種培養
液)。
的に本発明を説明するが、本発明はその要旨を越えない
限り以下の実施例によって限定されるものではない。 実施例1 (1)培養 水アメ4%、大豆油0.3%、ソルピー2%、ファーマ
メディア1%、サングレイン0.5%、CaCO3
0.3%、FeSO4 ・7H2 O 0.001%、Co
Cl2 ・6H2 O 0.001%、NiCl2 0.0
01%を含有する培地(pH6.0)を40mlずつ2
00ml三角フラスコ20本に分注し、121℃におい
て20分間高圧滅菌する。これにMK2266A生産
株、菌名D500株を1白金耳ずつ植菌し、27℃にお
いて5日間、210回転にて振とう培養する(種培養
液)。
【0017】別に、上記と同一組成の主発酵培地を調製
し、その80mlを500ml三角フラスコ100本に
分注し、121℃において20分間高圧滅菌する。この
主発酵培地に前記種培養液を4mlずつ接種し、27℃
において7日間、210回転にて振とう培養する。得ら
れた培養物を遠心分離して、培養上清液および培養菌体
を得た。
し、その80mlを500ml三角フラスコ100本に
分注し、121℃において20分間高圧滅菌する。この
主発酵培地に前記種培養液を4mlずつ接種し、27℃
において7日間、210回転にて振とう培養する。得ら
れた培養物を遠心分離して、培養上清液および培養菌体
を得た。
【0018】(2)培養物の精製 上記(1)で得られた培養菌体をアセトン4L中に12
時間浸漬する。次いで、そのアセトン浸漬液を40℃で
減圧濃縮後、水飽和n−ブタノール2Lを加えよく攪拌
して有効成分を抽出し、n−ブタノール層を減圧濃縮
し、褐色の乾固物10gを得た。これを少量のメタノー
ルに溶解し、シリカゲル100(Merck製)(約1
5g)に吸着させ、さらに室温でゲルを乾燥させた。次
いで、このゲルをあらかじめ酢酸エチルで充填した同シ
リカゲル300mlのカラムに乗せ、100%クロロホ
ルム、クロロホルム/メタノール 4:1、クロロホル
ム/メタノール 2:1、クロロホルム/メタノール
1:1、100%メタノールで段階溶離を行い、活性の
あったクロロホルム/メタノール(2:1〜1:1)溶
離フラクションを集め、溶液を減圧留去し、活性画分
1.5gを得た。これをメタノールに溶解し、移動相ア
セトニトリルー水(90:10)、カラム:ODS(直
径20mm,長さ250mm,株式会社ワイエムシイ
製)の高速液体クロマトグラフィーにかけた。移動相流
速10ml/分において注入後10分前後にて流出する
活性フラクションを集め、アセトニトリルー水を減圧留
去し、MK2266Aの無色粉末450mgを得た。本
物質は前記の理化学的性状を有していた。なお、本実施
例で得られたMK2266Aの紫外部吸収スペクトル、
赤外吸収スペクトル、水素核磁気共鳴および炭素核磁気
共鳴スペクトルをそれぞれ図1、図2、図3および図4
に示した。
時間浸漬する。次いで、そのアセトン浸漬液を40℃で
減圧濃縮後、水飽和n−ブタノール2Lを加えよく攪拌
して有効成分を抽出し、n−ブタノール層を減圧濃縮
し、褐色の乾固物10gを得た。これを少量のメタノー
ルに溶解し、シリカゲル100(Merck製)(約1
5g)に吸着させ、さらに室温でゲルを乾燥させた。次
いで、このゲルをあらかじめ酢酸エチルで充填した同シ
リカゲル300mlのカラムに乗せ、100%クロロホ
ルム、クロロホルム/メタノール 4:1、クロロホル
ム/メタノール 2:1、クロロホルム/メタノール
1:1、100%メタノールで段階溶離を行い、活性の
あったクロロホルム/メタノール(2:1〜1:1)溶
離フラクションを集め、溶液を減圧留去し、活性画分
1.5gを得た。これをメタノールに溶解し、移動相ア
セトニトリルー水(90:10)、カラム:ODS(直
径20mm,長さ250mm,株式会社ワイエムシイ
製)の高速液体クロマトグラフィーにかけた。移動相流
速10ml/分において注入後10分前後にて流出する
活性フラクションを集め、アセトニトリルー水を減圧留
去し、MK2266Aの無色粉末450mgを得た。本
物質は前記の理化学的性状を有していた。なお、本実施
例で得られたMK2266Aの紫外部吸収スペクトル、
赤外吸収スペクトル、水素核磁気共鳴および炭素核磁気
共鳴スペクトルをそれぞれ図1、図2、図3および図4
に示した。
【0019】(試験例)本発明によるMK2266Aは
各種の微生物に対して抗菌力を示す。寒天希釈法で測定
したMK2266Aの各種微生物に対する最小発育阻止
濃度を表1に示す。これより本願MK2266Aが優れ
た抗菌活性を有することが明らかである。
各種の微生物に対して抗菌力を示す。寒天希釈法で測定
したMK2266Aの各種微生物に対する最小発育阻止
濃度を表1に示す。これより本願MK2266Aが優れ
た抗菌活性を有することが明らかである。
【0020】
【表1】
【0021】MK2266Aをマウス腹腔内に投与した
場合の急性毒性(LD50)は、200mg/kg以上で
あった。
場合の急性毒性(LD50)は、200mg/kg以上で
あった。
【0022】
【発明の効果】上記試験例から明らかなように、MK2
266は、真菌に対して抗菌活性を有しており、医薬又
は農薬分野に対する抗菌剤としての有用性が期待され
る。
266は、真菌に対して抗菌活性を有しており、医薬又
は農薬分野に対する抗菌剤としての有用性が期待され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】MK2266Aのメタノール溶液中での紫外部
吸収スペクトルを示す図である。
吸収スペクトルを示す図である。
【図2】MK2266Aの赤外部吸収スペクトル(フィ
ルム法)を示す図である。
ルム法)を示す図である。
【図3】MK2266Aの重メタノール中での500M
Hz水素核磁気共鳴スペクトルを示す図である。
Hz水素核磁気共鳴スペクトルを示す図である。
【図4】MK2266Aの重メタノール中での125M
Hz炭素核磁気共鳴スペクトルを示す図である。
Hz炭素核磁気共鳴スペクトルを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ▲吉▼川 展司 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 千葉 紀子 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 三川 隆 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 佐藤 吉和 東京都中央区京橋2−4−16 明治製菓株 式会社内
Claims (2)
- 【請求項1】 下記の理化学的性質を有する新規抗生物
質MK2266A。 1)外観:無色粉末。 2)融点:173−174℃(分解)。 3)紫外部吸収スペクトル:メタノール中、216(ε
=35,500)、237(ε=37,500)、27
8(ε=44,800)および288(ε=36,20
0)nmに吸収極大を有する。 4)赤外部吸収スペクトル(フィルム法):3400,
2950,2920,2870,1640,1610,
1500,1440,1370,1260,1070,
1040,1020,970cm-1に主な吸収を有す
る。 5)水素核磁気共鳴スペクトル(500MHz):重メ
タノール中、主なピークは下記の通り(化学シフト値は
内部標準テトラメチルシランからの低磁場ppmにより
記した)。0.65d,0.75t,0.82d,0.
86d,0.97m,1.07s,1.13s,1.1
5−1.20m,1.25−1.40m,1.44m,
1.62s,1.65m,1.67s,1.72s,
1.80dd,2.01dd,2.61m,3.26d
d,3.31dd,3.42dd,3.52m,3.5
3m,3.58dd,4.02dd,4.24d,4.
40d,5.12d,5.20 d,5.49dd,
5.71d,5.75s,6.02d,6.20d,
6.23dd 6)炭素核磁気共鳴スペクトル(125MHz):重メ
タノール中、主なピークは下記の通り(化学シフト値は
内部標準テトラメチルシランからの低磁場ppmにより
記した)。12.4,13.0,13.6,16.8,
20.6,20.9,21.2,21.6,22.5,
29.3,29.8,31.6,35.6,36.2,
40.2,41.0,44.7,46.1,48.7,
65.5,66.7,73.2,74.6,76.5,
77.7,78.1,97.7,107.6,123.
8,126.8,128.3,134.3,135.
3,136.7,136.9,137.5,138.
6,139.5,169.1,169.6,181.4 7)分子式:C41H64O9 8)分子量:700[SIMS−POS,m/z 72
3 (M+Na)+ ,739 (M+K)+ ] 9)比旋光度:[α]D 25=−23.4°(C 1.
0,メタノール) 10)溶解性:水、メタノール、エタノール、ピリジ
ン、ジメチルスルホキシド、クロロホルム等の溶媒に可
溶、酢酸エチル、アセトンに不溶。 - 【請求項2】 ダクティラリア属に属する抗生物質MK
2266A生産菌を培養し、その培養物から請求項1記
載の抗生物質MK2266Aを採取することを特徴とす
る新規抗生物質MK2266Aの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4296135A JPH06211617A (ja) | 1992-11-05 | 1992-11-05 | 新規抗生物質mk2266aおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4296135A JPH06211617A (ja) | 1992-11-05 | 1992-11-05 | 新規抗生物質mk2266aおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06211617A true JPH06211617A (ja) | 1994-08-02 |
Family
ID=17829608
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4296135A Pending JPH06211617A (ja) | 1992-11-05 | 1992-11-05 | 新規抗生物質mk2266aおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06211617A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2707522A1 (fr) * | 1993-07-12 | 1995-01-20 | Pall Corp | Membrane de filtrage microporeuse soutenue, procédé de préparation de celle-ci, élément formant cartouche filtrante comprenant cette membrane et procédé de filtrage utilisant celle-ci. |
US7208200B2 (en) | 2000-05-24 | 2007-04-24 | Millipore Corporation | Process of forming multilayered structures |
-
1992
- 1992-11-05 JP JP4296135A patent/JPH06211617A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR2707522A1 (fr) * | 1993-07-12 | 1995-01-20 | Pall Corp | Membrane de filtrage microporeuse soutenue, procédé de préparation de celle-ci, élément formant cartouche filtrante comprenant cette membrane et procédé de filtrage utilisant celle-ci. |
NL9401154A (nl) * | 1993-07-12 | 1995-02-01 | Pall Corp | Gedragen microporeus filtratiemembraan en werkwijze ter vervaardiging daarvan. |
US7208200B2 (en) | 2000-05-24 | 2007-04-24 | Millipore Corporation | Process of forming multilayered structures |
US7891500B2 (en) | 2000-05-24 | 2011-02-22 | Millipore Corporation | Process of forming multilayered structures |
US8061532B2 (en) | 2000-05-24 | 2011-11-22 | Millipore Corporation | Process of forming multilayered structures |
US8123992B2 (en) | 2000-05-24 | 2012-02-28 | Millipore Corporation | Process of forming multilayered structures |
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