JPH06210781A - 滑り防止シートおよびその製造方法 - Google Patents
滑り防止シートおよびその製造方法Info
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- JPH06210781A JPH06210781A JP426693A JP426693A JPH06210781A JP H06210781 A JPH06210781 A JP H06210781A JP 426693 A JP426693 A JP 426693A JP 426693 A JP426693 A JP 426693A JP H06210781 A JPH06210781 A JP H06210781A
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- JP
- Japan
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- resin
- filler
- layer
- slip sheet
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- Road Paving Structures (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 熱可塑性発泡樹脂層(A1)の少なくとも片側
の表面に、不連続または波状の充填材含有樹脂突起物層
(A2)が形成された滑り防止シートおよびその製造方
法。 【効果】 雪道や砂地等での車両脱出用にタイヤの下に
敷設され滑り防止に優れ、軽量で運搬が容易で再利用が
可能で工業的に極めて有用なものである。
の表面に、不連続または波状の充填材含有樹脂突起物層
(A2)が形成された滑り防止シートおよびその製造方
法。 【効果】 雪道や砂地等での車両脱出用にタイヤの下に
敷設され滑り防止に優れ、軽量で運搬が容易で再利用が
可能で工業的に極めて有用なものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、表面に充填材含有突起
物層(A2)を有する発泡樹脂積層材(A)からなる滑り
防止用シートおよびその製造方法に関するものである。
このものは、スキー場や各種イベント会場等において
田、畑の休耕地や、充分に整地されていない場所に設営
する臨時駐車場や、歩道の滑り防止のために敷設するシ
ートとして、あるいは雪道や砂地等での車両脱出用にタ
イヤの下に敷設されるシートとして有用である。
物層(A2)を有する発泡樹脂積層材(A)からなる滑り
防止用シートおよびその製造方法に関するものである。
このものは、スキー場や各種イベント会場等において
田、畑の休耕地や、充分に整地されていない場所に設営
する臨時駐車場や、歩道の滑り防止のために敷設するシ
ートとして、あるいは雪道や砂地等での車両脱出用にタ
イヤの下に敷設されるシートとして有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、スキー場やイベント会場の臨時駐
車場としては、田、畑の休耕地を整地し、その上に客土
し、さらに整地を行い臨時駐車場として利用されてい
る。また、スキー場における駐車場や雪道においては、
車両のタイヤ等で踏み固められた雪によりスリップが生
じ易く、また車両が駐車場や雪道から出られなくなった
時には、わら製のむしろや毛布をタイヤの下に敷設して
脱出している。一方、海岸等の砂地を車両で走行する際
にも、砂地にタイヤが入り込んで出られない時は、雪道
同様に、むしろや毛布等を利用して脱出している。
車場としては、田、畑の休耕地を整地し、その上に客土
し、さらに整地を行い臨時駐車場として利用されてい
る。また、スキー場における駐車場や雪道においては、
車両のタイヤ等で踏み固められた雪によりスリップが生
じ易く、また車両が駐車場や雪道から出られなくなった
時には、わら製のむしろや毛布をタイヤの下に敷設して
脱出している。一方、海岸等の砂地を車両で走行する際
にも、砂地にタイヤが入り込んで出られない時は、雪道
同様に、むしろや毛布等を利用して脱出している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】スキー場や各種イベン
ト会場の臨時駐車場や歩道を設営する時は、田、畑等の
休耕地を土木機械にて整地を行い、その上に客土した
り、砂利を敷設したり、さらにはコンクリート舗装やア
スファルト舗装で固め整地して利用されている。しか
し、コンクリート舗装やアスファルト舗装以外の場所
は、イベント期間中の降雨、降雪等によりぬかるみを生
じたりして、人や車の通行に支障を来している。また、
イベント終了後に、アスファルト舗装、コンクリート舗
装した部分を再び耕作地に戻そうとすると、小石やコン
クリート粉砕品やアスファルト粉砕品等が耕作地として
の障害物となり、その取り除き作業に多大な手間と費用
を要し、前記の客土、整地作業と共に問題となってい
る。一方、前記のように雪道や砂地での車の脱出に使用
されたむしろや毛布は、吸水性であるので、吸水した水
分のために重くなったり、汚れがひどかったりして持ち
運びに支障を来している。さらには、吸水した毛布や汚
れた毛布を水洗し、乾燥して再び使用するにはその手間
が大変であり、また、いたみ易いために実際には使い捨
てで使用されることが多く、環境汚染の面からも問題で
ある。
ト会場の臨時駐車場や歩道を設営する時は、田、畑等の
休耕地を土木機械にて整地を行い、その上に客土した
り、砂利を敷設したり、さらにはコンクリート舗装やア
スファルト舗装で固め整地して利用されている。しか
し、コンクリート舗装やアスファルト舗装以外の場所
は、イベント期間中の降雨、降雪等によりぬかるみを生
じたりして、人や車の通行に支障を来している。また、
イベント終了後に、アスファルト舗装、コンクリート舗
装した部分を再び耕作地に戻そうとすると、小石やコン
クリート粉砕品やアスファルト粉砕品等が耕作地として
の障害物となり、その取り除き作業に多大な手間と費用
を要し、前記の客土、整地作業と共に問題となってい
る。一方、前記のように雪道や砂地での車の脱出に使用
されたむしろや毛布は、吸水性であるので、吸水した水
分のために重くなったり、汚れがひどかったりして持ち
運びに支障を来している。さらには、吸水した毛布や汚
れた毛布を水洗し、乾燥して再び使用するにはその手間
が大変であり、また、いたみ易いために実際には使い捨
てで使用されることが多く、環境汚染の面からも問題で
ある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、軽量で簡便に敷設、復
旧作業ができて、かつ、運搬が容易で再利用が可能であ
り、防水性にも優れた滑り防止シートおよびその製造方
法を提供することを目的として成されたものである。す
なわち、本発明はその第1の発明においては、発泡倍率
が1.05〜5倍の熱可塑性発泡樹脂層(A1)の少なくと
も片側の表面に、充填剤を10〜80重量%含有する充
填材含有樹脂突起物層(A2)が形成された発泡樹脂積層
材(A)からなる滑り防止シートであって、該充填材含有
樹脂突起物層(A2)に基づく表面粗度の高さ(H)が平均
100〜800μmであり、かつ該充填材含有樹脂突起
物層(A2)の発泡樹脂層(A1)の表面を占める割合が8〜
40%である滑り防止シートを提供するものである。
に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、軽量で簡便に敷設、復
旧作業ができて、かつ、運搬が容易で再利用が可能であ
り、防水性にも優れた滑り防止シートおよびその製造方
法を提供することを目的として成されたものである。す
なわち、本発明はその第1の発明においては、発泡倍率
が1.05〜5倍の熱可塑性発泡樹脂層(A1)の少なくと
も片側の表面に、充填剤を10〜80重量%含有する充
填材含有樹脂突起物層(A2)が形成された発泡樹脂積層
材(A)からなる滑り防止シートであって、該充填材含有
樹脂突起物層(A2)に基づく表面粗度の高さ(H)が平均
100〜800μmであり、かつ該充填材含有樹脂突起
物層(A2)の発泡樹脂層(A1)の表面を占める割合が8〜
40%である滑り防止シートを提供するものである。
【0005】さらにまた本発明はその第2の発明におい
ては、発泡剤を含有する熱可塑性樹脂からなる発泡性樹
脂(a1)と、充填剤を10〜80重量%含有する充填材
含有熱可塑性樹脂(a2)とを、それぞれ別々の押出機で
溶融混練し、一台のTダイ中で前者(a1)と後者(a2)の
それぞれの体積基準の流量(Q1、Q2)の比:R=(Q2
/Q1) が0.3以下となるようにして、(a2)/(a1)の
2層または(a2)/(a1)/(a2)の3層に積層し、次い
でこれをシート状にTダイ内の圧力よりも低い圧力域に
共押出しして、(a1)を発泡させて熱可塑性発泡樹脂層
(A1)とするとともに、(a2)に脈動流出を生じさせて充
填材含有樹脂突起物層(A2)を形成させることからな
る、滑り防止シートを製造する方法を提供するものであ
る。
ては、発泡剤を含有する熱可塑性樹脂からなる発泡性樹
脂(a1)と、充填剤を10〜80重量%含有する充填材
含有熱可塑性樹脂(a2)とを、それぞれ別々の押出機で
溶融混練し、一台のTダイ中で前者(a1)と後者(a2)の
それぞれの体積基準の流量(Q1、Q2)の比:R=(Q2
/Q1) が0.3以下となるようにして、(a2)/(a1)の
2層または(a2)/(a1)/(a2)の3層に積層し、次い
でこれをシート状にTダイ内の圧力よりも低い圧力域に
共押出しして、(a1)を発泡させて熱可塑性発泡樹脂層
(A1)とするとともに、(a2)に脈動流出を生じさせて充
填材含有樹脂突起物層(A2)を形成させることからな
る、滑り防止シートを製造する方法を提供するものであ
る。
【0006】
【発明の具体的説明】以下に、本発明をさらに詳細に説
明する。 (I) 滑り防止シートの構造(層構成) 本発明の滑り防止シートは発泡樹脂積層材(A)からなる
が、その構造は図2に示すように、発泡樹脂層(A1)を
芯材としその片面または両面に、充填剤(2)を含有する
充填材含有樹脂突起物層(A2)を積層した構造で基本的
に構成されている。充填材含有突起物層(A2)は不連続
または波状の不規則な構造をしており、これが発泡樹脂
層(A1)の上に突起しており、その高さは、後に定義す
る表面高さ(H)が平均100〜800μmのものであ
る。積層構造は上記のように2層または3層が普通であ
るが、必要に応じてさらに4層以上の多層にしてもよ
い。いずれの場合も、充填材含有樹脂突起物層(A2)が
少なくとも1つの表面に露出していることが必要であ
る。 (II) 発泡樹脂積層材(A)の製造方法 本発明の滑り防止シートの基材である発泡樹脂積層材
(A)は、化学発泡剤または物理発泡剤を含有した発泡性
樹脂(a1)と、充填剤(2)を含有する熱可塑性樹脂(a2)
とを、それぞれ別々の押出機で溶融・混練し一台のTダ
イに供給して2層に積層させ、あるいは前者(a1)を中
間層とし後者(a2)を両外層として3層に積層して押出
し、中間層(a1)を発泡させ、後者(a2)の樹脂供給量を
調整しTダイより脈動押出ししながら、表面に不連続ま
たは波状の突起(凹凸)表面を積層させ一体のシート状
とした後冷却することにより、熱可塑性発泡樹脂層
(A1)と充填材含有樹脂突起物層(A2)よりなるシートを
得るものである。樹脂(a2)を脈動押出しするには、樹
脂(a1)および(a2)のそれぞれの体積流量(Q1、Q2)の
比:R=Q2/Q1 が0.3以下であるべきである。質問
可能なら記入して下さい。
明する。 (I) 滑り防止シートの構造(層構成) 本発明の滑り防止シートは発泡樹脂積層材(A)からなる
が、その構造は図2に示すように、発泡樹脂層(A1)を
芯材としその片面または両面に、充填剤(2)を含有する
充填材含有樹脂突起物層(A2)を積層した構造で基本的
に構成されている。充填材含有突起物層(A2)は不連続
または波状の不規則な構造をしており、これが発泡樹脂
層(A1)の上に突起しており、その高さは、後に定義す
る表面高さ(H)が平均100〜800μmのものであ
る。積層構造は上記のように2層または3層が普通であ
るが、必要に応じてさらに4層以上の多層にしてもよ
い。いずれの場合も、充填材含有樹脂突起物層(A2)が
少なくとも1つの表面に露出していることが必要であ
る。 (II) 発泡樹脂積層材(A)の製造方法 本発明の滑り防止シートの基材である発泡樹脂積層材
(A)は、化学発泡剤または物理発泡剤を含有した発泡性
樹脂(a1)と、充填剤(2)を含有する熱可塑性樹脂(a2)
とを、それぞれ別々の押出機で溶融・混練し一台のTダ
イに供給して2層に積層させ、あるいは前者(a1)を中
間層とし後者(a2)を両外層として3層に積層して押出
し、中間層(a1)を発泡させ、後者(a2)の樹脂供給量を
調整しTダイより脈動押出ししながら、表面に不連続ま
たは波状の突起(凹凸)表面を積層させ一体のシート状
とした後冷却することにより、熱可塑性発泡樹脂層
(A1)と充填材含有樹脂突起物層(A2)よりなるシートを
得るものである。樹脂(a2)を脈動押出しするには、樹
脂(a1)および(a2)のそれぞれの体積流量(Q1、Q2)の
比:R=Q2/Q1 が0.3以下であるべきである。質問
可能なら記入して下さい。
【0007】 素材熱可塑性樹脂 上記の発泡剤を含有した発泡性樹脂(a1)および充填剤
含有熱可塑性樹脂(a2)に用いられる熱可塑性樹脂とし
ては、低密度、中密度、高密度のポリエチレン、線状低
密度ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エ
チレン・プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン
・ブテン−1共重合体、プロピレン・4−メチルペンテ
ン−1共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のオ
レフィン系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル・ス
チレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチ
レン樹脂等のスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフ
ェニレンエーテル等を挙げることができる。これらは混
合して用いても良い。
含有熱可塑性樹脂(a2)に用いられる熱可塑性樹脂とし
ては、低密度、中密度、高密度のポリエチレン、線状低
密度ポリエチレン、エチレン・プロピレン共重合体、エ
チレン・プロピレン・ブテン−1共重合体、プロピレン
・ブテン−1共重合体、プロピレン・4−メチルペンテ
ン−1共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体等のオ
レフィン系樹脂、ポリスチレン、アクリロニトリル・ス
チレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチ
レン樹脂等のスチレン系樹脂、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリアミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリフ
ェニレンエーテル等を挙げることができる。これらは混
合して用いても良い。
【0008】発泡剤 前記発泡性樹脂(a1)中に配合される化学発泡剤として
は、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリ
ル、ジアゾアミノベンゼン、N,N'−ジニトロペンタメ
チレンテトラミン、N,N'−ジニトロテレフタルアミ
ド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスチ
レンスルホニルヒドラジド、p,p'−オキシビスベンゼ
ンスルホニルヒドラジド、重炭酸ナトリウム塩、クエン
酸ナトリウム塩等およびこれらの混合物等を挙げること
ができる。前記発泡性樹脂(a1)中に配合される物理発
泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ジクロロ
ジフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタン、トリ
クロロモノフルオロメタン等を挙げることができる。ま
た、これらの発泡剤を使用する際に、通常使用される発
泡助剤、架橋剤、核剤等の配合剤を併用してもよく、ま
た、発泡体は架橋させたものでも良い。
は、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリ
ル、ジアゾアミノベンゼン、N,N'−ジニトロペンタメ
チレンテトラミン、N,N'−ジニトロテレフタルアミ
ド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、p−トルエンスチ
レンスルホニルヒドラジド、p,p'−オキシビスベンゼ
ンスルホニルヒドラジド、重炭酸ナトリウム塩、クエン
酸ナトリウム塩等およびこれらの混合物等を挙げること
ができる。前記発泡性樹脂(a1)中に配合される物理発
泡剤としては、プロパン、ブタン、ペンタン、ジクロロ
ジフルオロメタン、ジクロロモノフルオロメタン、トリ
クロロモノフルオロメタン等を挙げることができる。ま
た、これらの発泡剤を使用する際に、通常使用される発
泡助剤、架橋剤、核剤等の配合剤を併用してもよく、ま
た、発泡体は架橋させたものでも良い。
【0009】充填剤 前記充填剤含有熱可塑性樹脂(a2)に配合される充填剤
(2)としては、無機充填剤として、粒径が0.5〜30μ
mの炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、燐酸
アルミニウム、タルク、マイカ、クレー、カーボンブラ
ック、グラファイト、ゼオライト、硫酸バリウム、含水
珪酸カルシウム、珪藻土、酸化チタン、硫酸アルミニウ
ム、シリカなどを、有機充填剤としては、粒径が0.5
〜2,000μmのフェノール樹脂粉、エボナイト粉、
あるいはマトリックスとなる熱可塑性樹脂の融点よりも
高い融点を有する熱可塑性樹脂(例えば、マトリックス
樹脂がポリエチレン、ポリプロピレンであるとき、有機
充填材としてはナイロン6、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート)等を、繊維では、径
が3〜30μm、長さが1〜10mmの、ガラス系、パ
ルプ系、アスベスト系、ポリエチレンテレフタレート
系、ポリアミド系等の繊維を挙げることができる。
(2)としては、無機充填剤として、粒径が0.5〜30μ
mの炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシ
ウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、燐酸
アルミニウム、タルク、マイカ、クレー、カーボンブラ
ック、グラファイト、ゼオライト、硫酸バリウム、含水
珪酸カルシウム、珪藻土、酸化チタン、硫酸アルミニウ
ム、シリカなどを、有機充填剤としては、粒径が0.5
〜2,000μmのフェノール樹脂粉、エボナイト粉、
あるいはマトリックスとなる熱可塑性樹脂の融点よりも
高い融点を有する熱可塑性樹脂(例えば、マトリックス
樹脂がポリエチレン、ポリプロピレンであるとき、有機
充填材としてはナイロン6、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート)等を、繊維では、径
が3〜30μm、長さが1〜10mmの、ガラス系、パ
ルプ系、アスベスト系、ポリエチレンテレフタレート
系、ポリアミド系等の繊維を挙げることができる。
【0010】その他の配合剤 なお、上記発泡性樹脂(a1)と充填剤含有熱可塑性樹脂
(a2)にはこれらの配合剤の他に、酸化防止剤、着色
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、核剤、可塑剤
および脂肪酸金属塩、脂肪酸アミドのスリップ剤などの
添加剤を必要に応じて添加しても良い。
(a2)にはこれらの配合剤の他に、酸化防止剤、着色
剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、分散剤、核剤、可塑剤
および脂肪酸金属塩、脂肪酸アミドのスリップ剤などの
添加剤を必要に応じて添加しても良い。
【0011】 構成層発泡樹脂層 (A1) 前記発泡樹脂層は、前記発泡剤を含有した発泡性樹脂
(a1)中の発泡剤の発泡を行って内部に気泡(1)を形成
したものである。発泡倍率が1.05〜5倍とすること
が好ましい。発泡倍率が1.05倍より低すぎる場合に
は、発泡樹脂積層材(A)の軽量化が不十分であり、逆に
発泡倍率が5倍を超えると発泡樹脂積層材(A)の引裂強
度の低下が大きすぎる。また滑り防止シートを丸めて保
存することが困難となる。発泡樹脂層の肉厚は、400
〜5,800μm、好ましくは500〜3,800μmで
ある。
(a1)中の発泡剤の発泡を行って内部に気泡(1)を形成
したものである。発泡倍率が1.05〜5倍とすること
が好ましい。発泡倍率が1.05倍より低すぎる場合に
は、発泡樹脂積層材(A)の軽量化が不十分であり、逆に
発泡倍率が5倍を超えると発泡樹脂積層材(A)の引裂強
度の低下が大きすぎる。また滑り防止シートを丸めて保
存することが困難となる。発泡樹脂層の肉厚は、400
〜5,800μm、好ましくは500〜3,800μmで
ある。
【0012】充填材含有樹脂突起物層(A2) 上記充填材含有樹脂突起物層(A2)となる充填剤含有熱
可塑性樹脂(a2)に用いられる熱可塑性樹脂としては、
上記発泡樹脂積層材(A)の「素材」において挙げられ
る熱可塑性樹脂が使用できる。従って、充填材含有熱可
塑性樹脂(a2)は、上記熱可塑性樹脂に充填剤を配合さ
せてなるものであるが、この充填剤含有熱可塑性樹脂
(a2)中に含有されている充填剤の含有率は10〜80
重量%、好ましくは15〜70重量%である。該充填材
含有熱可塑性樹脂(a2)の充填剤の含有率を10〜80
重量%の範囲としたのは、充填剤の含有率が10重量%
未満であると発泡樹脂積層材(A)の表面に不連続または
波状の充填材含有樹脂突起物層(A2)の形成が少なく
なり、表面粗度の山、谷部の高さが低くなり滑り防止効
果が減少する。また、充填剤の含有率が80重量%を超
えると充填材含有樹脂(a2)の溶融粘度が高くなり過ぎ
て流れ性が低下し、共押出成形が困難となる。この充填
材含有樹脂突起物層(A2)の発泡樹脂層(A1)表面からの
高さ(H)は、200〜800μmであるのが好ましい。
可塑性樹脂(a2)に用いられる熱可塑性樹脂としては、
上記発泡樹脂積層材(A)の「素材」において挙げられ
る熱可塑性樹脂が使用できる。従って、充填材含有熱可
塑性樹脂(a2)は、上記熱可塑性樹脂に充填剤を配合さ
せてなるものであるが、この充填剤含有熱可塑性樹脂
(a2)中に含有されている充填剤の含有率は10〜80
重量%、好ましくは15〜70重量%である。該充填材
含有熱可塑性樹脂(a2)の充填剤の含有率を10〜80
重量%の範囲としたのは、充填剤の含有率が10重量%
未満であると発泡樹脂積層材(A)の表面に不連続または
波状の充填材含有樹脂突起物層(A2)の形成が少なく
なり、表面粗度の山、谷部の高さが低くなり滑り防止効
果が減少する。また、充填剤の含有率が80重量%を超
えると充填材含有樹脂(a2)の溶融粘度が高くなり過ぎ
て流れ性が低下し、共押出成形が困難となる。この充填
材含有樹脂突起物層(A2)の発泡樹脂層(A1)表面からの
高さ(H)は、200〜800μmであるのが好ましい。
【0013】 積層 発泡樹脂層(A1)と充填材含有樹脂突起物層(A2)との積
層方法については、Tダイから押し出される前に発泡性
樹脂(a1)と充填材含有樹脂(a2)とを溶融状態で積層す
る方法であれば良い。一般的には両樹脂をそれぞれの押
出機で溶融・混練した後にTダイ内で積層するマルチマ
ニホールド方式や、Tダイに流入させる前に積層するフ
ィードブロック方式等であれば良い。また、前記発泡性
樹脂(a1)と充填材含有樹脂(a2)とをTダイ内で積層し
たのち、(a1)の発泡を行って、内部に気泡(1)を形成す
る。また、このときの発泡倍率は前述したとおりとす
る。この発泡樹脂積層材(A)の肉厚は、好ましくは40
0〜5,800μm、より好ましくは500〜3,800
μmである。
層方法については、Tダイから押し出される前に発泡性
樹脂(a1)と充填材含有樹脂(a2)とを溶融状態で積層す
る方法であれば良い。一般的には両樹脂をそれぞれの押
出機で溶融・混練した後にTダイ内で積層するマルチマ
ニホールド方式や、Tダイに流入させる前に積層するフ
ィードブロック方式等であれば良い。また、前記発泡性
樹脂(a1)と充填材含有樹脂(a2)とをTダイ内で積層し
たのち、(a1)の発泡を行って、内部に気泡(1)を形成す
る。また、このときの発泡倍率は前述したとおりとす
る。この発泡樹脂積層材(A)の肉厚は、好ましくは40
0〜5,800μm、より好ましくは500〜3,800
μmである。
【0014】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて、本発明
をさらに具体的に説明する。実施例 1 (発泡樹脂積層材(A)の製造)線状低密度ポリエチレン
(MFR0.7g/10分「三菱ポリエチUE32
0」)100重量部に、化学発泡剤としてアゾジカルボ
ンアミドを3.5重量部配合した発泡性樹脂(a1)を口径
90mmの押出機で溶融混練し、一方、プロピレン・エ
チレンブロック共重合体(MFR1.8g/10分「三
菱ポリプロBC8」)40重量%、前記線状低密度ポリ
エチレン40重量%および充填剤として平均粒径15μ
mのタルク20重量%を配合した充填剤含有樹脂(a2)
を口径65mmの押出機で溶融混練し、これら前者
(a1)を中間層とし、後者(a2)を両外層としてフィード
ブロックで三層に積層した後、幅750mmのTダイよ
り190℃の樹脂温度で大気中に共押出しして中間層を
発泡させ、同時に、後者(a2)の樹脂供給量を調整し、
Tダイより脈動押出をさせることで充填材含有樹脂突起
物層(A2)の表面が不連続かつ波状の突起(凹凸)を形
成するようにして発泡樹脂積層材(A)を得て、幅670
mmにて紙管に巻き取った。この時、発泡性樹脂組成物
(a1)の樹脂供給量は時間当り39kgの押出量で発泡
倍率は1.6倍であり、充填剤含有樹脂組成物(a2)の樹
脂供給量は時間当り7.8kgの押出量であり、体積基
準の流量比Rは0.17であった。また、発泡樹脂積層
材(A)の坪量は1.4 kg/m2(厚み約2,300μm)、
表面粗度の平均高さは450μmであり、充填剤含有樹
脂突起物層(a2)が表面に占める割合は35%であっ
た。この表面の構造を図1に示す。
をさらに具体的に説明する。実施例 1 (発泡樹脂積層材(A)の製造)線状低密度ポリエチレン
(MFR0.7g/10分「三菱ポリエチUE32
0」)100重量部に、化学発泡剤としてアゾジカルボ
ンアミドを3.5重量部配合した発泡性樹脂(a1)を口径
90mmの押出機で溶融混練し、一方、プロピレン・エ
チレンブロック共重合体(MFR1.8g/10分「三
菱ポリプロBC8」)40重量%、前記線状低密度ポリ
エチレン40重量%および充填剤として平均粒径15μ
mのタルク20重量%を配合した充填剤含有樹脂(a2)
を口径65mmの押出機で溶融混練し、これら前者
(a1)を中間層とし、後者(a2)を両外層としてフィード
ブロックで三層に積層した後、幅750mmのTダイよ
り190℃の樹脂温度で大気中に共押出しして中間層を
発泡させ、同時に、後者(a2)の樹脂供給量を調整し、
Tダイより脈動押出をさせることで充填材含有樹脂突起
物層(A2)の表面が不連続かつ波状の突起(凹凸)を形
成するようにして発泡樹脂積層材(A)を得て、幅670
mmにて紙管に巻き取った。この時、発泡性樹脂組成物
(a1)の樹脂供給量は時間当り39kgの押出量で発泡
倍率は1.6倍であり、充填剤含有樹脂組成物(a2)の樹
脂供給量は時間当り7.8kgの押出量であり、体積基
準の流量比Rは0.17であった。また、発泡樹脂積層
材(A)の坪量は1.4 kg/m2(厚み約2,300μm)、
表面粗度の平均高さは450μmであり、充填剤含有樹
脂突起物層(a2)が表面に占める割合は35%であっ
た。この表面の構造を図1に示す。
【0015】評価 (1) 発泡倍率 下記に示す計算方法より算出し、発泡性樹脂(a1)シー
トの発泡倍率とした。 発泡倍率(倍)=発泡前のシート密度÷発泡後のシート
密度 (2) 表面粗度の平均高さ(H) エルマ(株)製ミクロトームにて発泡樹脂積層材(A)を
固定し、肉厚方向に切断し、これを長さ50mmに切断
して試料片となし、ニコン(株)製透過顕微鏡(スケー
ル付)にて発泡樹脂積層材(A)の表面高さの山、谷部を
測定し、図2のような断面曲線を得た。この部分におけ
る最も高い山部と隣接する最も低い谷部との高さ(Hi)
を10点求め、その平均値を表面粗度の平均高さ(H)と
した。 (3) 充填材含有樹脂突起物層(A2)の表面占有度 発泡樹脂積層材(A)の表面の充填剤含有樹脂突起物層
(A2)の表面に油性マジックインクにて着色し、発泡性
樹脂層(A1)と色別けし、複写機にて白黒にコピーを行
い、このコピー紙を100cm2(10cm×10c
m)の大きさにとり、次いでカッターナイフにてコピー
画像の黒色部のみを切りとってその重量比で表面占有度
を求めた。
トの発泡倍率とした。 発泡倍率(倍)=発泡前のシート密度÷発泡後のシート
密度 (2) 表面粗度の平均高さ(H) エルマ(株)製ミクロトームにて発泡樹脂積層材(A)を
固定し、肉厚方向に切断し、これを長さ50mmに切断
して試料片となし、ニコン(株)製透過顕微鏡(スケー
ル付)にて発泡樹脂積層材(A)の表面高さの山、谷部を
測定し、図2のような断面曲線を得た。この部分におけ
る最も高い山部と隣接する最も低い谷部との高さ(Hi)
を10点求め、その平均値を表面粗度の平均高さ(H)と
した。 (3) 充填材含有樹脂突起物層(A2)の表面占有度 発泡樹脂積層材(A)の表面の充填剤含有樹脂突起物層
(A2)の表面に油性マジックインクにて着色し、発泡性
樹脂層(A1)と色別けし、複写機にて白黒にコピーを行
い、このコピー紙を100cm2(10cm×10c
m)の大きさにとり、次いでカッターナイフにてコピー
画像の黒色部のみを切りとってその重量比で表面占有度
を求めた。
【0016】(4) 滑り防止性(A) 水田の休耕地の上に発泡樹脂積層材(A)からなる滑
り防止シートの巻物を準備し、このシートの端縁部を5
0mmずつ順次重ね合わせ、(株)パーカーコーポレー
ション製ライスターX84型(商品名)にて600℃の
熱風を重ね合わせ部へ吹き付け、次いで圧着ロールにて
圧着させ自動的に溶接を行い、長さ方向50m、幅方向
30mの臨時駐車場を造成した。その時、水田休耕地は
部分的に水を多く含み地盤が軟弱な所や、水捌け用に凹
部の溝を設けた場所が所々あった。次いで、トヨタ自動
車製クレスタ(商品名)を、該シートを敷設して造成し
た臨時駐車場の上を走行させた。 また、前記項同条件の水田休耕地に本発明の滑り
防止シートを敷設させないで臨時駐車場として、前記の
車両を走行させた。 走行結果は、項の発泡樹脂積層材(A)からなる滑
り防止シートを敷設した臨時駐車場に於いては、車両の
走行に何ら問題はなかった。しかし、この滑り防止シー
トを敷設させない前記項の臨時駐車場に於いては、地
盤の軟弱な場所で車両のタイヤが地表面とスリップを生
じ走行が不可能であった。
り防止シートの巻物を準備し、このシートの端縁部を5
0mmずつ順次重ね合わせ、(株)パーカーコーポレー
ション製ライスターX84型(商品名)にて600℃の
熱風を重ね合わせ部へ吹き付け、次いで圧着ロールにて
圧着させ自動的に溶接を行い、長さ方向50m、幅方向
30mの臨時駐車場を造成した。その時、水田休耕地は
部分的に水を多く含み地盤が軟弱な所や、水捌け用に凹
部の溝を設けた場所が所々あった。次いで、トヨタ自動
車製クレスタ(商品名)を、該シートを敷設して造成し
た臨時駐車場の上を走行させた。 また、前記項同条件の水田休耕地に本発明の滑り
防止シートを敷設させないで臨時駐車場として、前記の
車両を走行させた。 走行結果は、項の発泡樹脂積層材(A)からなる滑
り防止シートを敷設した臨時駐車場に於いては、車両の
走行に何ら問題はなかった。しかし、この滑り防止シー
トを敷設させない前記項の臨時駐車場に於いては、地
盤の軟弱な場所で車両のタイヤが地表面とスリップを生
じ走行が不可能であった。
【0017】(5) 滑り防止性(B) 雪が圧雪された登坂道(傾斜角度約8度)に前記車
両に普通タイヤを装備し停止させておき、その後車両を
発進させた。この時、車両は雪によりタイヤにスリップ
が生じ発進が不可能であった。 その後、前記発泡樹脂積層材(A)からなる滑り防止
シートを左右のタイヤの下に登坂道が終わる地点の約1
2mまで敷設して車両を発進させた。この時、車両は雪
によりスリップすることなく問題なく発進が可能になっ
た。その後、雪、泥で汚れた滑り防止シートを近くの水
道で水洗して巻戻し、車両のトランクへ収納した。
両に普通タイヤを装備し停止させておき、その後車両を
発進させた。この時、車両は雪によりタイヤにスリップ
が生じ発進が不可能であった。 その後、前記発泡樹脂積層材(A)からなる滑り防止
シートを左右のタイヤの下に登坂道が終わる地点の約1
2mまで敷設して車両を発進させた。この時、車両は雪
によりスリップすることなく問題なく発進が可能になっ
た。その後、雪、泥で汚れた滑り防止シートを近くの水
道で水洗して巻戻し、車両のトランクへ収納した。
【0018】実施例 2 実施例1にて用いた充填剤含有樹脂(a2)を、前記線状
低密度エチレン重合体40重量%および充填剤として平
均粒径20μmのタルク60重量%を配合して調製した
以外は実施例1と同様とした。この時、発泡性樹脂
(a1)の樹脂供給量は時間当り39kgの押出量で発泡
倍率は1.2倍であり、充填剤含有樹脂(a2)の樹脂の供
給量は時間当り10.6kgの押出量であり、体積基準
の流量比Rは0.16であった。また、発泡樹脂積層材
の坪量は1.5 kg/m2(厚み約2,300μm)、表面粗
度の平均高さは650μmであり、充填剤含有樹脂突起
物層(a2)が表面に占める割合は15%であった。評価 上記発泡樹脂積層材を用いた滑り防止シートは、実施例
1に記載した滑り防止性(A)および滑り防止性(B)の評
価方法により評価した結果、良好な滑り防止性を示し、
何ら問題はなかった。
低密度エチレン重合体40重量%および充填剤として平
均粒径20μmのタルク60重量%を配合して調製した
以外は実施例1と同様とした。この時、発泡性樹脂
(a1)の樹脂供給量は時間当り39kgの押出量で発泡
倍率は1.2倍であり、充填剤含有樹脂(a2)の樹脂の供
給量は時間当り10.6kgの押出量であり、体積基準
の流量比Rは0.16であった。また、発泡樹脂積層材
の坪量は1.5 kg/m2(厚み約2,300μm)、表面粗
度の平均高さは650μmであり、充填剤含有樹脂突起
物層(a2)が表面に占める割合は15%であった。評価 上記発泡樹脂積層材を用いた滑り防止シートは、実施例
1に記載した滑り防止性(A)および滑り防止性(B)の評
価方法により評価した結果、良好な滑り防止性を示し、
何ら問題はなかった。
【0019】実施例 3 実施例1にて用いた発泡樹脂積層材(A)の発泡性樹脂
(a1)をエチレン・酢酸ビニル共重合体(MFR2.0g
/10分、「三菱ポリエチ・EVA;EVA41H」:
商品名)100重量部に、化学発泡剤としてクエン酸モ
ノナトリウムと炭酸水素ナトリウムの1:1の混合物
4.5重量部配合し発泡性樹脂として、また、充填剤含
有樹脂(a2)を、前記エチレン、酢酸ビニル共重合体6
0重量%および充填剤として平均粒径1.5μmの炭酸
カルシウム40重量%を配合した以外は実施例1と同様
とした。この時、発泡性樹脂(a1)の樹脂供給量は時間
当り41kgの押出量で発泡倍率は2.2倍であり、充
填剤含有樹脂(a2)の樹脂供給量は時間当り9.8kgの
押出量であり、体積基準の流量比Rは0.18であっ
た。また、発泡樹脂積層材(A)の坪量は1.6 kg/m
2(厚み約2,400μm)、表面粗度の平均高さは33
0μmであり、充填剤含有樹脂(a2)突起物が表面に占
める割合は35%であった。評価 上記発泡樹脂積層材を用いた滑り防止シートは、実施例
1に記載した滑り防止性(A)および滑り防止性(B)の評
価方法により評価した結果、良好な滑り防止性を示し、
何ら問題はなかった。
(a1)をエチレン・酢酸ビニル共重合体(MFR2.0g
/10分、「三菱ポリエチ・EVA;EVA41H」:
商品名)100重量部に、化学発泡剤としてクエン酸モ
ノナトリウムと炭酸水素ナトリウムの1:1の混合物
4.5重量部配合し発泡性樹脂として、また、充填剤含
有樹脂(a2)を、前記エチレン、酢酸ビニル共重合体6
0重量%および充填剤として平均粒径1.5μmの炭酸
カルシウム40重量%を配合した以外は実施例1と同様
とした。この時、発泡性樹脂(a1)の樹脂供給量は時間
当り41kgの押出量で発泡倍率は2.2倍であり、充
填剤含有樹脂(a2)の樹脂供給量は時間当り9.8kgの
押出量であり、体積基準の流量比Rは0.18であっ
た。また、発泡樹脂積層材(A)の坪量は1.6 kg/m
2(厚み約2,400μm)、表面粗度の平均高さは33
0μmであり、充填剤含有樹脂(a2)突起物が表面に占
める割合は35%であった。評価 上記発泡樹脂積層材を用いた滑り防止シートは、実施例
1に記載した滑り防止性(A)および滑り防止性(B)の評
価方法により評価した結果、良好な滑り防止性を示し、
何ら問題はなかった。
【0020】比較例 1 実施例1における押出し積層方法において、充填剤含有
樹脂(a2)の樹脂供給量を増加変更し、Tダイより脈動
押出をさせないで押出した以外は実施例1と同様とし
た。この時、発泡性樹脂(a1)の樹脂供給量は時間当り
39kgの押出量で発泡倍率は、前者(a2)の樹脂供給
量が増加したため、両外層に連続したスキン層を形成し
発泡剤の表面脱気が少なくなり、3.2倍と向上した。
充填剤含有樹脂(a2)の樹脂供給量は時間当り15kg
の押出量であり、体積基準の流量比Rは0.32であっ
た。また、発泡樹脂積層材の坪量は1.6 kg/m2(厚み
約2,700μm)、表面粗度の平均高さは60μmで
あり、充填剤含有樹脂突起物層(a2)が表面を占める割
合は75%であった。評価 上記、発泡樹脂積層材を用いたものは、実施例1に記載
した滑り防止性(A)に於いて水捌け用の凹部の溝にて端
部より侵入した水とタイヤにスリップが生じ一時走行に
支障を来した。また、滑り防止性(B)に於いては、降雪
や、端部からの雪により発泡樹脂積層材とタイヤにスリ
ップが生じ走行に支障を来した。
樹脂(a2)の樹脂供給量を増加変更し、Tダイより脈動
押出をさせないで押出した以外は実施例1と同様とし
た。この時、発泡性樹脂(a1)の樹脂供給量は時間当り
39kgの押出量で発泡倍率は、前者(a2)の樹脂供給
量が増加したため、両外層に連続したスキン層を形成し
発泡剤の表面脱気が少なくなり、3.2倍と向上した。
充填剤含有樹脂(a2)の樹脂供給量は時間当り15kg
の押出量であり、体積基準の流量比Rは0.32であっ
た。また、発泡樹脂積層材の坪量は1.6 kg/m2(厚み
約2,700μm)、表面粗度の平均高さは60μmで
あり、充填剤含有樹脂突起物層(a2)が表面を占める割
合は75%であった。評価 上記、発泡樹脂積層材を用いたものは、実施例1に記載
した滑り防止性(A)に於いて水捌け用の凹部の溝にて端
部より侵入した水とタイヤにスリップが生じ一時走行に
支障を来した。また、滑り防止性(B)に於いては、降雪
や、端部からの雪により発泡樹脂積層材とタイヤにスリ
ップが生じ走行に支障を来した。
【0021】比較例 2 実施例1における押出し積層方法において、充填剤含有
樹脂(a2)を除いた発泡性樹脂(a1)のみからなる方法で
押出した以外は実施例1と同様とした。この時、発泡性
樹脂(a1)の樹脂供給量は時間当り39kgの押出量で
発泡倍率は1.4倍であった。また、発泡性樹脂(a1)単
層の坪量は1.3 kg/m2(厚み約2,000μm)、表面
粗度の平均高さは15μmであり、充填剤含有樹脂
(a2)の表面を占める割合は0%であった。評価 上記、単層基材を用いたものは、実施例1に記載した滑
り防止性(A)および滑り防止性(B)の評価において、比
較例1の評価結果と同様な問題が発生し、走行に支障を
来した。
樹脂(a2)を除いた発泡性樹脂(a1)のみからなる方法で
押出した以外は実施例1と同様とした。この時、発泡性
樹脂(a1)の樹脂供給量は時間当り39kgの押出量で
発泡倍率は1.4倍であった。また、発泡性樹脂(a1)単
層の坪量は1.3 kg/m2(厚み約2,000μm)、表面
粗度の平均高さは15μmであり、充填剤含有樹脂
(a2)の表面を占める割合は0%であった。評価 上記、単層基材を用いたものは、実施例1に記載した滑
り防止性(A)および滑り防止性(B)の評価において、比
較例1の評価結果と同様な問題が発生し、走行に支障を
来した。
【0022】
【発明の効果】本発明の滑り防止シートは上記のように
構成したので、スキー場や各種イベント会場の駐車場や
歩道に敷設されたり、雪道や砂地等での車両脱出用にタ
イヤの下に敷設され滑り防止に優れ、軽量で運搬が容易
で再利用が可能で工業的に極めて有用なものである。ま
た本発明の製造方法によれば、上記の滑り防止シートを
能率よく製造することができる。
構成したので、スキー場や各種イベント会場の駐車場や
歩道に敷設されたり、雪道や砂地等での車両脱出用にタ
イヤの下に敷設され滑り防止に優れ、軽量で運搬が容易
で再利用が可能で工業的に極めて有用なものである。ま
た本発明の製造方法によれば、上記の滑り防止シートを
能率よく製造することができる。
【図1】本発明の滑り防止シートの1例の表面の粒子構
造を示す図である。
造を示す図である。
【図2】本発明の滑り防止シートの1例の断面を示す模
式図である。
式図である。
A 発泡樹脂積層材 A1 発泡樹脂層 A2 充填剤含有樹脂突起物層 1 気泡 2 充填剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 千葉 徳美 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田23番地 王 子油化合成紙株式会社鹿島工場内 (72)発明者 堤 隆生 茨城県鹿島郡神栖町大字東和田23番地 王 子油化合成紙株式会社鹿島工場内 (72)発明者 江頭 明彦 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内 (72)発明者 松野 巧 三重県四日市市東邦町1番地 三菱油化株 式会社四日市総合研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 発泡倍率が1.05〜5倍の熱可塑性発
泡樹脂層(A1)の少なくとも片側の表面に、充填剤を1
0〜80重量%含有する充填材含有樹脂突起物層(A2)
が形成された発泡樹脂積層材(A)からなる滑り防止シー
トであって、該充填材含有樹脂突起物層(A2)に基づく
表面粗度の高さ(H)が平均100〜800μmであり、
かつ該充填材含有樹脂突起物層(A2)の発泡樹脂層(A1)
の表面を占める割合が8〜40%である滑り防止シー
ト。 - 【請求項2】 発泡剤を含有する熱可塑性樹脂からなる
発泡性樹脂(a1)と充填剤を10〜80重量%含有する
充填材含有熱可塑性樹脂(a2)とを、それぞれ別々の押
出機で溶融混練し、一台のTダイ中で前者(a1)と後者
(a2)のそれぞれの体積基準の流量(Q1、Q2)の比:
R=(Q2/Q1) が0.3以下となるようにして、(a2)
/(a1)の2層または(a2)/(a1)/(a2)の3層に積層
し、次いでこれをシート状にTダイ内の圧力よりも低い
圧力域に共押出しして、(a1)を発泡させて熱可塑性発
泡樹脂層(A1)とするとともに、(a2)に脈動流出を生じ
させて充填材含有樹脂突起物層(A2)を形成させること
からなる、請求項1に記載の滑り防止シートを製造する
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP426693A JPH06210781A (ja) | 1993-01-13 | 1993-01-13 | 滑り防止シートおよびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP426693A JPH06210781A (ja) | 1993-01-13 | 1993-01-13 | 滑り防止シートおよびその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06210781A true JPH06210781A (ja) | 1994-08-02 |
Family
ID=11579743
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP426693A Pending JPH06210781A (ja) | 1993-01-13 | 1993-01-13 | 滑り防止シートおよびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06210781A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101113147B1 (ko) * | 2009-09-23 | 2012-02-15 | (주) 애런 | 넌 슬립성 시트 및 그 제조방법 |
-
1993
- 1993-01-13 JP JP426693A patent/JPH06210781A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101113147B1 (ko) * | 2009-09-23 | 2012-02-15 | (주) 애런 | 넌 슬립성 시트 및 그 제조방법 |
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