JP2007191913A - 滑雪シート及び積雪防止システム - Google Patents

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武久 中西
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Abstract

【課題】 屋根に積もった雪を、低積雪量及び高頻度で、容易に滑雪できるようにする。
【解決手段】 必要に応じて屋根上に下地シート(u)を設置して、その上に表面が積雪に対して滑り性を有する滑雪シート(o)であって、一枚のまま、又は複数に分割され各独立に、屋根上に設置され、滑雪シート(o)の滑り性により滑雪シート(o)上の積雪が滑落する滑雪シートを設け、必要に応じて下地シート(u)の上で滑雪シート(o)を下方に引っ張って、ある距離滑り落とさせることにより、滑雪シート(o)上の積雪が一層確実に滑雪される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、屋根の上に設置したシート上の積雪を滑落させる滑雪シート、特には滑雪シートとそれをスライドさせる下地シートを使用した積雪防止システムに関する。
従来、人が屋根などに登りスコップなどで積雪を下ろしているが、転落などの危険を伴うこと、労力が大きいこと、少子高齢化で労力が確保しにくいこと等のために、雪下ろしのための各種の方法が知られている。
家の中の暖気で屋根の積雪を溶かす方法では、屋根の中央部は溶けても、庇などの軒先は表裏から冷却されるため、つららに変化しやすく、つららの落下による危険が残る。
屋根全体を温水や電熱で暖めたり、単に積雪に水を撒いたりして、融雪させたりして、滑落させる方法等が検討されているが、設備や運転費用が高かったり、重量物を屋根に設置する等の問題がある。
一般に、住宅の耐荷重は1.5kg/m2程度であるが、重量物を屋根に設置するには2〜2.5kg/m2以上あるいはそれ以上にする必要があり、高価になる上、屋根に重量物を設置した場合に、どか雪が降ったり、融雪や降雨により含水したり圧縮沈降して重くなった場合には、過剰偏荷重となり建物に被害を生じやすく、安価で軽量でこまめに滑雪させられる方法が望まれている。
またある種の従来の滑雪シートでは、シートの裏面が屋根瓦上を滑らせるものではなかったために、従来のシートを利用しても、積雪時にうまく屋根上を滑らせることができないとか、シート上の雪の重みにより、シートの裏面と、屋根瓦との擦過を少なくすることができないので、屋根瓦が破損したり、シートが破損するなどの問題があった。
また別な従来のシートでは、滑雪を生じさせるにあたり、あまりに多量に堆積した積雪が突然滑落するので、軒下の歩行者などの人命に関わる問題が生じる。
屋根材料として各種瓦やスレートやALC板や耐蝕金属板などが使用されており、非積雪凍結地方の瓦本体の寿命は約30年であるが、これらは積雪凍結地方では吸水凍結により崩壊が進行したり、金属製では電解作用により腐食が発生する。高温焼結の釉薬瓦でも吸水率は10%程度あり、冬場の含浸水の凍結や夏場の高温によりピンホールが生成、進行して、表面が劣化するという問題点がある。
瓦では滑雪しにくいので、表面を撥水樹脂等で処理する方法が検討されているが、屋根の表面が瓦の場合には夏場に80℃以上にもなり、特に黒色瓦ではそれ以上になり、冬季の水分の凍結、雨、土埃等の自然条件下では、釉薬処理ですら10年で劣化が目立ってくるほどで、有機物処理では長い寿命を得ることは、困難である。特に、表面に化学結合処理を施すものでは膜圧みは薄く、寿命は数年が限度であり塗り直しても、表面の撥水性のために、又表面の汚れを完全に除去できるわけでもなく、塗り直しによる効果は、新品の表面処理瓦に比較すると十分な効果が得られない。このため、屋根瓦をフッ素樹脂で厚塗り処理する方法が知られているが、高価である一方非積雪凍結地方の保証期間20年が限界であり、積雪凍結地方に適用できて経済性に合うものは未だ得られていない。
このように、豪雪に悩む日本海側に住む住民などにとっても、その問題を抱える地方自治体や国にとっても、屋根上の積雪を簡単な設備で容易に処理できるようにすることは、緊要に解決すべき問題である。
従来技術文献
特開平6−91747(大日本印刷株式会社)超高分子量ポリエチレン製スリップシート及びその製造方法(特許請求の範囲参照) 特開平7−207634(高橋 敬)除雪シート(特許請求の範囲及び図面参照) 特開平7−216326(宮崎壮一)保護シート(特許請求の範囲及び図面参照) 特開平5−229402(鉄道総合技術研・福岡クロス工業・日本石油化学)着雪氷防止体(特許請求の範囲及び図面参照) 特開2001−115685(萩原工業株式会社)滑雪シート(特許請求の範囲及び図面参照) 特開2001−193284(萩原工業株式会社)除雪シート(特許請求の範囲及び図面参照) 特開平10−140877(東レ・東レエンジニアリング)滑雪装置(特許請求の範囲及び図面参照) 特開平10−140879(東レ・東レエンジニアリング)屋根雪除去シートおよびその設置方法(特許請求の範囲及び図面参照) 特開平11−228758(住友化学)ポリオレフィン系ストレッチフィルム(特許請求の範囲参照)
本発明の目的は、軽量で、設備や設置や運転等の費用が安く、あるいはさらに、屋根の防護や暖房費用の節約になる滑雪シート、積雪防止システムおよびその設置方法を提供する。
本発明では、含水率の高い濡れ雪を低積雪量及び高頻度で、容易に滑雪できるようにする。
本発明者は、上記問題点に鑑み、鋭意検討を行った結果、表面が積雪に対して滑り性を有する特定の滑雪シートを屋根に設置すること等により、好ましくは下地シートの上に滑雪シートを敷くことにより、特に好ましくは一枚の滑雪シート上の積雪量を棟の両側でアンバランスにさせて自然に一方に滑り、積雪滑落時の力で引き伸ばされた伸縮手段により、滑雪後軽くなったシートが引き戻されることにより自動的に元の位置に戻ること等により、上記問題点を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1は、表面が積雪に対して滑り性を有する滑雪シート(o)であって、一枚のまま、又は複数に分割され各独立に、屋根上に棟の片側に又は棟を跨いで設置され、滑雪シート(o)上の積雪量が所定の値より多くなった時点で、滑雪シート(o)の滑り性により滑雪シート(o)上の積雪が滑落する滑雪シートを提供する。
本発明の第2は、滑雪シート(o)の少なくとも一部が熱収縮性を有し、屋根に敷いた後、屋根の軒類より下の部分のシートの必要部分を加熱により収縮させて建物の一部に固定させる本発明の第1に記載の滑雪シートを提供する。
本発明の第3は、表面が積雪に対して滑り性を有する滑雪シート(o)であって、一枚のまま、又は複数に分割され各独立に、屋根に対してスライド可能に設置され、滑雪シート(o)上の積雪量が所定の値より多くなった時点で、積雪による重さによって、又は、滑雪シート(o)の端部に設けられた紐類を人力、又は、機械的力によって引張ることによって滑雪シート(o)がスライドされて、滑雪シート(o)上の積雪を滑落させ、滑雪シート(o)の他の端部に設けられた紐類を人力又は、機械的力によって引張ることにより屋根上に戻す滑雪シートを提供する。
本発明の第4は、滑雪シート(o)が、多層シート構成をなし、多層シートが各層毎に少なくとも一端部において綴じられており、滑雪性が低下した時点で、綴じ部分を切断して一層づつ剥がし、新たな滑雪面とする本発明の第1〜3のいずれかに記載の滑雪シートを提供する。
本発明の第5は、滑雪シート(o)の少なくとも、屋根を覆う部分はシート状であり、滑雪シート(o)をスライドさせるために滑雪シート(o)を引っ張る部分が、
該シート(o)の幅全体又は幅の一部、
該シート(o)の一部を切欠いて得られる紐状もしくは帯状部分、及び/又は
該シート(o)の端部に紐類を取り付け可能な構造を有する部分
である本発明の第3又は4に記載の滑雪シートを提供する。
本発明の第6は、屋根の棟の片側にのみ滑雪シート(o)を敷いて、積雪の重さにより棟の片側に滑雪シート(o)が滑って滑雪が生じる本発明の第3〜5のいずれかに記載の滑雪シートを提供する。
本発明の第7は、屋根の棟を跨いで敷かれた一枚の滑雪シート(o)の棟の両側の面積を不均等にして、両側の積雪の重さの差により棟の片側に滑って滑雪が生じる本発明の第3〜5のいずれかに記載の滑雪シートを提供する。
本発明の第8は、本発明の第3〜7のいずれかに記載の滑雪シート(o)を使用して、積雪の重さにより滑雪シート(o)が屋根の上を棟の片側に滑って滑雪が生じると共に、
滑雪シート(o)の該片側の反対の一端に必要に応じて紐類を介して設けられた伸縮手段(e)が伸び、又は、
滑雪シート(o)の該片側の反対の一端が必要に応じて紐類を介して巻き取り手段(f)から巻き出され、
次いで、滑雪後に軽くなった滑雪シート(o)が、該伸縮手段(e)が縮んで、又は、該巻き取り手段(f)により巻き取られて、元の位置に戻されることを特徴とする積雪防止システムを提供する。
本発明の第9は、滑雪シート(o)の表面に水を供給する水供給装置(m)及び/又は空気を供給する空気供給装置(n)からなり、滑雪シート(o)の表面上の積雪の下層を水又は空気により除去して、表層雪崩のようにして滑雪を生じさせる本発明の第8に記載の積雪防止システムを提供する。
本発明の第10は、屋根上に、下地シート(u)を一枚のまま、又は複数に分割して各独立に設置して、その上に本発明の第1〜7のいずれかに記載の滑雪シート(o)が設置された積雪防止システムを提供する。
本発明の第11は、下地シート(u)が、屋根面の平滑用及び/又は滑雪シート(o)の下地シート(u)上でのスライド用に設けられた本発明の第10に記載の積雪防止システムを提供する。
本発明の第12は、下地シート(u)の少なくとも一部が熱収縮性を有し、屋根面を覆い、下地シート(u)の、屋根の軒類に固定するのに必要な部分を、加熱により収縮させて建物部分に固定させる本発明の第10又は11に記載の積雪防止システムを提供する。
本発明の第13は、滑雪シート(o)及び/又は下地シート(u)の面に風抜け用孔類が設けられた本発明の第10〜12のいずれか1項に記載の積雪防止システムを提供する。
本発明の第14は、本発明の第1〜9のいずれか1項に記載の滑雪シート(o)及び/又は本発明の第10〜13のいずれか1項に記載の下地シート(u)が、流体の注入口及び排出口を有する袋状シートからなり、屋根に敷いた後、積雪量が所定の値より多くなった時点で、袋状シートの袋に流体を注入して袋状シートを膨らませ、積雪を滑落させる積雪防止システムを提供する。
本発明の第15は、流体として加熱風又は加熱水を注入して、袋状シートに接する積雪の少なくとも一部を融解させて、積雪を滑落させる本発明の第14に記載の積雪防止システムを提供する。
本発明の第16は、本発明の第1〜9のいずれかに記載の滑雪シートまたは本発明の第10〜15のいずれかに記載の積雪防止システムに、さらに、ワイパー、流体注入設備、水供給装置(m)および空気供給装置(n)の少なくとも一つを含む積雪防止システムを提供する。
本発明の第17は、ワイパーがシート上の積雪を落とすための屋根の頂部近傍に設けられた走引用紐状物である本発明の第16に記載の積雪防止システムを提供する。
本発明の第18は、滑雪シート(o)及び/又は下地シート(u)が単なるシート、発泡シート、多孔質シート、又はエアフォームタイプシートである本発明の第8〜17のいずれか1項に記載の積雪防止システムを提供する。
本発明の第19は、滑雪シート(o)の表面の雪に対する接触角が60度以上である本発明の第1又は2に記載の滑雪シートを提供する。
本発明の第20は、 滑雪シート(o)の表面の中心線平均粗さRaが0.5〜5μmである本発明の第1又は2に記載の滑雪シートを提供する。
本発明の第21は、滑雪シート(o)の表面に撥水塗料が塗布された本発明の第1又は2に記載の滑雪シートを提供する。
本発明の第22は、滑雪シート(o)の表面及び/又は下地シート(u)表面に滑剤が存在する本発明の第8〜18のいずれかに記載の積雪防止システムを提供する。
本発明の第23は、下地シート(u)の屋根瓦と接する面に、瓦による凹凸を打ち消して、滑雪シート(o)との滑り面を平面に近づけるための各種の大きさのエアフォーム(t)が設けられている本発明の第10〜18および22のいずれかに記載の積雪防止システムを提供する。
本発明の第24は、下地シート(u)と滑雪シート(o)の間に、潤滑剤が存在する本発明の第23に記載の積雪防止システムを提供する。
本発明の第25は、潤滑剤が不凍性潤滑液である本発明の第24に記載の積雪防止システムを提供する。
本発明の第26は、本発明の第1〜9のいずれかに記載の滑雪シート(o)及び/又は本発明の第10〜14のいずれかに示された下地シート(u)において、シート端部に紐を付けて紐を屋根越しに投げ上げ、該投げ越された紐を引っ張って、屋根にシートを引き上げて設置するシートの設置方法を提供する。
本発明の第27は、本発明の第1〜9のいずれかに記載の滑雪シート(o)及び本発明の第10〜14のいずれかに示された下地シート(u)において、滑雪シート(o)及び下地シート(u)にそれぞれ電極を設け、両電極に互いに同符号の電圧をかけて、互いの電気的反発力で両者に間隔を与え、雪の積もった滑雪シート(o)を下地シート(u)上でスライドさせ、滑雪させる積雪防止システムを提供する。
本発明の第28は、本発明の第1〜9のいずれかに記載の滑雪シート(o)及び本発明の第10〜14のいずれかに示された下地シート(u)において、滑雪シート(o)及び下地シート(u)にそれぞれ磁極を設け、向かい合う両磁極が互い同符号の磁極を持つようにして、互いの磁気的反発力で両者に間隔を与え、雪の積もった滑雪シート(o)を下地シート(u)上でスライドさせ、滑雪させる積雪防止システムを提供する。
本発明によれば、住宅等の屋根の積雪を、安価な方法で、効果的に除去することができる。また、滑雪をこまめに行うことが可能であるので、屋根から大量の積雪が一度に落下する危険を回避することができる。
また、本発明によれば、屋根上の積雪量を50cm以下、好ましくは30cm以下、更に好ましくは20cm以下、より好ましくは10cm以下、特に好ましくは5cm以下に保つことができる。
また、本発明によれば、水分を多く含む、濡れた雪や凍った雪も滑雪できる。
滑雪方法
本発明にかかる屋根の滑雪方法は、以下に示す方法、又はこれらの二以上を組み合わせたものである。
(1)滑雪シート(o)(シート(o)と略すことがある)の表面特性による方法。
本発明の一つは、屋根などの上に、シート表面が特殊な性質、例えば滑雪性、撥水性、融雪性等の少なくとも1以上を有する、好ましくは表面が少なくとも積雪に対して滑り性を有する滑雪シート(o)を設置し、固定された滑雪シート(o)上の積雪が、自重で自然に滑落する方法である。
滑雪性は、滑雪シート(o)の非親水的材質、平滑性、滑剤の付与等により;撥水性は該シートの材質、撥水剤の付与により;融雪性は超親水性の付与、太陽光線もしくは熱を吸収する材料を該シートに含ませることにより付与される。勿論、該シートの非親水的性質と超親水性の付与とを両立させることはないが、非親水的材質のシートを使用して、その表面に超親水性の付与を行うことは構わない。
(2)滑雪シート(o)が多層シート構成をなし、多層シートが各層毎に少なくとも一端部において綴じられており、滑雪性(即ち滑り性)が低下してシート上の積雪量が多くなった時点で、綴じ部分を切断して一層づつ剥がし、滑り性が更新されることにより、積雪を滑落させる方法である。
この方法は、現在シート上の積雪は人力等による滑落させる方法であるが、シートが更新されると(1)におけるように、自重で自然に滑り落ちるようになる。綴じる枚数は、2〜12枚、好ましくは6枚以下であり、さらに好ましくは3枚以下である。綴じ代は、鋏やナイフなどで切断してもよいし、ミシン目などをシートの長手方向の片側端、好ましくは両端に設けてミシン目を一枚づつ破いてもよい。綴じ代の片側を切断し、他端側から引っ張り、剥離しながら積雪を除去する。
(3)滑雪シート(o)をスライドさせる方法
この方法では、上記滑雪シート(o)が、一枚のまま、又は複数に分割され各独立に、屋根に対してスライド可能に設置され、滑雪シート(o)上の積雪量が所定の値より多くなった時点で、積雪による重さ、人力、及び/又は、機械的力によって滑雪シート(o)がスライドされて、滑雪シート(o)上の積雪を滑落させる。
滑雪シート(o)の少なくとも、屋根を覆う部分はシート状(該シート状は、スライド方向の長さとそれに直角方向の幅を持ち、短冊状でも、台形状でも、三角形状でもよい。)であり、滑雪シート(o)をスライドさせるために滑雪シート(o)を引っ張る部分が、
(イ)シートの幅全体又は幅の一部、
(ロ)シートの一部を切り欠いて得られる紐状もしくは帯状部分を形成して、及び/又は、
(ハ)シートの端部に紐類を取り付け可能な構造を有する部分、
などを有するようにしてもよい。
即ち、シートの幅全体をそのまま又は丸めて引っ張っても良いし、シートの一部を裁断して紐状部分や帯状部分を形成して、これを引っ張ったり、シートの一部に鳩目や掴み具などの、紐類を取り付け可能な構造を有する部分を設けて、そこに紐を通して引っ張れるようにしてもよい。紐類としては紐、帯などが挙げられる。また、紐の長さを充分長くしておき、不要時には、結わって短くしておき、必要時に長く延ばして、シートを十分に地上付近まで引き下ろし、シート表面上の水分や雪を拭き取ったり、着氷を除いたり、シート表面に滑剤を再度補ったり、シートの補修をしたりすることができるし、該紐類を引っ張って再度シートを屋根の所定の位置に戻すことができる。このように人力で紐類を引っ張り下ろし、引っ張り上げることも後述する伸縮手段(e)の中の一つとみなす。
なお、シート(o)が重力で自然にスライドする場合は、引っ張る部分は必ずしも必要ではないが、あってもよい。
また、滑雪シート(o)が自動的に元の位置に復帰するために、滑雪シート(o)のいずれか一方側、スライドさせる側と反対側、例えば棟を跨いで敷く面積に大小の差を設けて、大きい面積側の多い積雪によりスライドするように敷く場合には、面積の少ない側の端部などにゴムやバネなどの伸縮手段(e)を有する紐状物を設け、紐状物の他端は地面などに固定する。紐状物中の伸縮手段(e)の位置は、制限はないが、好ましくは地上付近であり、更に好ましくは固定側の端部である。または、巻き取り手段(f)を設けて巻き取られて、元に戻るようにしてもよい。
シートの両端に取り付ける紐には、それぞれに伸縮手段(e)や巻き取り手段(f)を設けてもよい。
下底を含む側のシート上の積雪量の方が他方に対して所定のアンバランス量になった時点で滑雪シート(o)が積雪量の多い側に移動し、移動運動の慣性及び/又は庇ないし軒などの軒類からずれることにより、滑雪シート上の積雪が滑り落ちる。
そうすると、アンバランスが解消され、伸縮手段(e)により、または、巻き取り手段(f)から巻き取られて、滑雪シートが元の位置に戻る。なお、面積の大きい側の端部などに、単なる紐状物もしくは伸縮手段(e)を有する紐状物、または、紐状物が巻き取り手段(f)により巻き出され、巻き取るようにして、滑雪シート(o)が下地シート(u)上で横方向にずれたりせずに、元の位置に復帰しやすくしてもよい。通常、紐状物の端部は地上などに固定しておくかまたは巻き取り装置で巻き取っておく。
滑雪シート(o)の垂直方向へのずれる距離は、積雪が滑り落ちる程度であれば特に制限はなく該シートの長さのほぼ1/2以下であるが、好ましくは10cm+n×10cm(nは0〜40の整数である。)以上である。シートを水平方向に移動させて、慣性によってや、積雪のブリッジ構造を破壊したりして滑雪させてもよく、その水平方向へのずれは特に制限はなく、たとえば上記と同程度が挙げられる。
伸縮手段としては、ゴム、バネ、スプリング等が挙げられる。
伸縮手段の代わりに、巻き取り手段を用いてもよい。
(4)積雪の下層を除去して滑雪(表層雪崩)を起こさせる方法
この方法には2種類ある。一つは水により溶解除去する方法。他の一つは空気圧により除去する方法。勿論それを組み合わせてもよい。
(4.1.)積雪の下層を水により溶解除去して滑雪を起こさせる方法
滑雪シート(o)、および滑雪シート(o)の表面に水を供給する水供給装置(m)からなり、滑雪シート(o)の表面上の積雪の下層をとかして、滑雪を生じさせるようにする。
水供給装置(m)は、特に制限されず、管に多数の孔を設けたもの、スプリンクラーなどが挙げられるが、できるだけ滑雪シート(o)の表面に水を万遍なく供給できるものがよく、孔等の数は滑雪シート(o)の面積によって、必要な数を設ける。水は屋根の頂部から下部に向けて流れるので、水供給装置(m)は頂部に設置するのが好ましい。水の供給は、連続的でも、間欠的でもよい。
また、水圧を強くして、溶解と共に、吹き飛ばして空洞を作り滑雪をおこすようにしてもよい。
(4.2.)積雪の下層を空気により吹き飛ばして滑雪を起こさせる方法
滑雪シート(o)、および滑雪シート(o)の表面付近に圧縮空気を供給する空気給装置(n)からなり、滑雪シート(o)の表面上の積雪の下層を吹き飛ばして、滑雪を生じさせるようにしてもよい。
空気給装置(n)は、特に制限されず、管に多数の孔を設けたもの、ノズルなどが挙げられるが、できるだけ滑雪シート(o)の表面付近に圧縮空気を万遍なく供給できるものがよく、また孔などの数は滑雪シート(o)の面積によって、必要な数を設ける。圧縮空気は屋根の頂部から下部に向けても、下部から頂部に向けても、中間部から下部間及び/又は頂部に向けて供給してもよい。
空気の供給は、連続的でも、間欠的でもよい。
積雪の下層を除去して滑雪を起こさせる方法に使用する水供給装置(m)または圧縮空気を供給する空気給装置(n)としては、例えば多数の散水(気)孔などの設けられた配管やスプリンクラーなどが挙げられる。例えば、屋根の頂部に配管を設ける場合、屋根と配管の間にシート(o)を敷く。配管には所々に孔やノズルが多数設けられたり、スリットが設けられてもよい。配管は一本でなくても複数でも、並行して設けられてもよく、屋根の傾斜の一方側と他方側と別々に設けてもよい。
(5)屋根上で、好ましくは屋根上に設けられた下地シート(u)上で滑雪シート(o)をスライドさせる方法。
屋根上に滑雪シート(o)を屋根などの上に直接敷く方法でもよいが、好ましくは、屋根上に下地シート(u)を設置する。
下地シート(u)は、好ましくは屋根面の平滑用及び/又は滑雪シート(o)の下地シート(u)上でのスライド用に設けられる。
下地シート(u)は、屋根の棟の一方側にのみ設けても、棟越しに両側に設けても、屋根全体に設けてもよい。
例えば、下地シート(u)を棟の両側に設け、その上に滑雪シート(o)を設置する方法で、棟の両側に垂れるように滑雪シート(o)を設置し、滑雪シート(o)上の積雪重量のアンバランスにより、下地シート(u)上で滑雪シート(o)を滑らせる。
例えば、積雪の重さで自然に移動するように、棟の両側に垂れる滑雪シート(o)の両側の面積をアンバランスにすることができる。例えば、滑雪シート(o)を台形状にして、屋根を覆うようにして、棟の片側に台形の上底を含む側(即ち、上底は長さが短いので面積が小さい)が垂れ下がり、棟の他の片側に台形の下底を含む側(即ち、下底は長さが長いので面積が大きい)が垂れ下がるようにして、それらの上の積雪重量を、棟の両側でアンバランスにする。面積の違いは、例えば幅が一様な短冊状の滑雪シート(o)と、隣の滑雪シート(o)とに重なり合う部分を設け、その重なり合う部分の面積を棟の両側で変えることにより、与えられてもよい。この際、東西南北などによる積雪量の違いや滑雪による偏荷重の急激な解除による衝撃を考慮して、一枚のシートの面積やその棟の両側での比率を変えられることも本発明の中の一発明の特徴である。
また、滑雪シート(o)が自動的に元の位置に復帰するために、滑雪シート(o)のいずれか一方側、例えば面積の少ない側の端部などにゴムやバネなどの伸縮手段(e)を有する紐状物を設け、紐状物の他端は地面などに固定する。紐状物中の伸縮手段の位置は、制限はないが、好ましくは地上付近であり、更に好ましくは固定側の端部である。また、前記同様に伸縮手段(e)の代わりに巻き取り手段(f)を設けてもよい。
下底を含む側のシート上の積雪量の方が他方に対して所定のアンバランス量になった時点で滑雪シート(o)が積雪量の多い側に移動し、移動運動の慣性及び/又は庇ないし軒などの軒類からずれることにより、滑雪シート上の積雪が滑り落ちる。そうすると、アンバランスが解消され、伸縮手段により、または、巻き取り手段(f)から巻き取られて、滑雪シートが元の位置に戻る。なお、面積の大きい側の端部などに、単なる紐状物もしくは伸縮手段を有する紐状物、または、紐状物が巻き取り手段(f)により巻き出され、巻き取るようにして、滑雪シート(o)が下地シート(u)上で横方向にずれたりせずに、元の位置に復帰しやすくしてもよい。通常、紐状物の端部は地上などに固定しておくかまたは巻き取り装置で巻き取っておく。滑雪シート(o)の垂直方向へのずれる距離は、積雪が滑り落ちる程度であれば特に制限はなく該シートの長さのほぼ1/2以下であるが、好ましくは10cm+n×10cm(nは0〜40の整数である。)以上である。シートを水平方向に移動させて、慣性によってや、積雪のブリッジ構造を破壊したりして滑雪させてもよく、その水平方向へのずれは特に制限はなく、たとえば上記と同程度が挙げられる。
伸縮手段としては、ゴム、バネ、スプリング等が挙げられる。
伸縮手段の代わりに、巻き取り手段を用いてもよい。
滑雪シート(o)が下地シート上(u)で滑りやすくするために、両者の接触する少なくとも一方の面に不凍性潤滑剤などの薬剤の添加、表面処理、表面加工処理の少なくとも一つを行うことが好ましい。
屋根の形状によっては、滑雪シートが屋根の一部を覆えないことがあるので、下地シートに滑雪シートの機能を持たせて、滑雪シートが屋根の覆っていない部分の積雪を滑落させるようにしてもよいし、滑雪シートのみで、覆うようにしてもよい。
上記で述べた棟の両側に垂れるように設置された滑雪シートの棟を挟んで少なくとも一方側、好ましくは両側の端部などに紐状物を設け、紐状物を人力で引いて滑雪シート(o)を移動させ、移動運動の慣性及び/又は庇ないし軒先からずれることにより、シート(o)上の積雪を滑り落とす。その後、滑雪シート(o)を元の位置に戻す。なお、紐状物は伸縮手段を有していてもよい。また、人力的移動方法は、滑雪シートが下地シート上で、元の位置に復帰させるために使用されてもよい。
人力が好ましいが、モーターの所定時間の回転による移動によって、紐状物を巻いたりしてもよい。両端の紐状物を人力又は動力により操作してもよい。
(6)走引用紐状物等のワイパー手段により積雪を払い落とす方法
滑雪シート上の積雪を走引用紐状物等を屋根の面に沿って移動させ、積雪を払い落とす。このため、例えば、地面等から屋根に棟を越して紐や帯を渡らせ、走引用紐状物を棟に沿って人力で移動させて、屋根上をスウィープして、積雪を払い落としたり、積雪の下層を切ったりする。走引用紐状物の一方は、棟の一部に固定されてもよい。この場合、屋根上の一部がスウィープされる。走引用紐状物は複数ヶ所に設けられてもよい。走引用紐状物は各滑雪シート上に設けられて、各滑雪シートを風などにより飛ばされないように押さえとして使用することもできる。
なお、棟の上に棟に沿ってロープ(棒を含む)を張り、そのロープに案内されて、ワイパーの端部を環状にしてその環状部にロープを通して、ワイパーが屋根の上をロープに直角に移動し、積雪を掻き落とす単独の方法も本願発明に含まれる。
ロープを張るために、屋根の一部を利用してもよいし、例えば別途二本のポールを立てて、ポールの間にロープを張ってもよい。
ワイパーは棟の両側に伸びて地上から二人がかりで手で引っ張ってもよいし、棟の片側に伸びて地上から一人で手で引っ張ってもよい。勿論、自動的にワイパーが移動して雪を掻き落とすようにしてもよい。
例えば、棟に沿ってと、庇に沿ってと、二種のロープを張り、そのロープの間にワイパーを設け、該ワイパーを人力又は機械力ないし電気力により動かしてもよい。
(7)袋状シートを膨らませる方法
下地シート(u)及び/又は滑雪シート(o)の全体でもよいが、少なくとも一部を、例えば庇に近い側でなく、棟に近い側を袋状にして、袋状部分に、必要に応じて、エアや水等の流体を注入して、袋を膨らませ、傾斜ないし運動を与え、積雪を滑り落とさせる。流体は、加熱流体であってもよい。
好ましくは、下地シート(u)を袋状にする。袋は一つでも複数でもよく。袋が長い場合には、長手方向は傾斜方向でも、それに直角方向でもよい。好ましくは、棟に並行に袋状にして、滑雪させる場合には、棟側の袋から順次膨らませていく。もちろん、一つ又は多数の袋の空気の入れ方を調節して、上から下、下から上へ波状的に膨らませたりしぼませたりして、滑雪させてもよい。
袋は、初めから流体を注入されて膨らませてあり、密封されたものであってもよい。
袋は、棟の両側の屋根全体に渡るものでも、棟の片側の屋根に渡るものでもよく、また、袋が多数設置されるようにしてもよい。その場合袋の径は、特に制限はないが、例えば10ないし1000mm、場合によっては20ないし500mm、さらに場合によっては30ないし300mm、またさらに場合によっては50ないし200mmである。相隣る袋は互いに、独立に設けられてもよいが、長手方向と直角方向に、連結されていてもよい。
下地シート(u)の複数の袋を膨らませた場合には、複数の袋が形成する滑雪シート(o)と接する面が平面に近いようになるのが好ましい。
同様なことは、滑雪シート(o)を複数の袋状にする場合にも成り立つ。
袋の断面は、円のみならず、多角形、四角形、台形、三角形などが挙げられるが、このため、四角形、台形などが好ましい。
また、袋は棟側が大きく膨らみ、庇側が小さく膨らみ、棟側から庇側に向かってさらに傾斜が増加するようにすると滑雪しやすくなる。
また、本願発明は、上記滑雪シート(o)及び下地シート(u)において、滑雪シート(o)及び下地シート(u)にそれぞれ電極を設け、両電極に互い同符号の電圧をかけて、互いの電気的反発力で両者に間隔を与え、雪の積もった滑雪シート(o)を下地シート(u)上でスライドさせ、滑雪させる積雪防止システムに関する。
電極は、箔状態にして、シート内に埋設させても表面に積層させてもよいし、メッキにより形成させてもよい。
両電極に印加する電圧には、特に制限はないが、100V以上、場合によっては1000V以上、さらに場合によっては10000V以上である。加える電圧は瞬間的でも持続的でもよい。
勿論、両シートの間に、潤滑剤を設けてスライド性を向上させてもよい。
また、本願発明は、上記滑雪シート(o)及び下地シート(u)において、滑雪シート(o)及び下地シート(u)に、それぞれ磁極を設け、向かい合う両シートの両磁極が互い同符号の磁極を持つようにして、互いの磁気的反発力で両者に間隔を与え、雪の積もった滑雪シート(o)を下地シート(u)上でスライドさせ、滑雪させる積雪防止システムに関する。
磁気の大きさには、特に制限はないが、100ガウス以上、場合によっては1000ガウス以上、さらに場合によっては10000ガウス以上である。
加えられる磁場は瞬間的でも持続的でもよい。
勿論、両シートの間に、潤滑剤を設けてスライド性を向上させてもよい。
本発明では、上記の各種方法のうち、少なくとも1つ、又は2つ以上を組み合わせて使用することができる。
滑雪の頻度は、重力で自然に滑落する場合は、自然に起こるままに任せる。自然滑落する場合以外では、積雪量に応じたりまたは定期的に、シート(o)などに力を加えたり、シート(u)などを膨らませたり、ワイパーを操作したり、水などを流したり、電磁力を加えたりして滑雪させる。例えば、滑雪の頻度を1時間に1回ないし1日に1回とか、適宜選択することができる。
このようにすることによって、濡れたり凍った雪でさえも容易に滑雪することができる。
滑雪シート(o)
本発明に係る滑雪シート(o)は、上記のような屋根に設置可能なシートである。シート(o)は熱収縮性であってもなくてもよい。
シート(o)が熱収縮性である場合は、加熱空気、加熱水蒸気、ヒーター接触等の加熱により、屋根の軒類(軒、庇、又は軒下の固金具等をいう。)に固定させることができる。
また、シート(o)は熱収縮性でなくてもよく、屋根材の上で、又は後述する下地シート(u)上で、シート(o)をスライドできるようにしてもよい。シート(o)のスライド方向は、積雪を滑り落とす方向であれば、上下でも、横にでも、斜めにでもよい。シート(o)には、風で吹き上げられないように等、必要に応じて、孔、スリット、窓、切り欠き等の孔類を設けることができる。同様に、下地シート(u)にも孔類を設けることができる。
また、下地シート(u)として収縮性シートを使用する場合にも、軒などに固定する場合、換気孔を塞がないように、また、風で吹き上げられないように等、必要に応じて、孔、スリット、窓、切り欠き等の孔類を設けることができる。
シート材質
滑雪シート(o)の材質に関しては、シートに成形可能で、本発明の効果を発揮できる程度に強度を持つものであれば、特に制限はなく、合成系ポリマー、天然物由来のようなポリマーのいずれでも使用可能であり、また、熱可塑性でも、熱硬化性を含めて非熱可塑性でもよく、さらに、結晶性でも非結晶性でもよい。
具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンのようなポリオレフィン系;ポリブタジエン系;シクロヘキサン、ノルボルネンまたはアダマンタンのような脂環式骨格含有樹脂系;スチレン成分の重合されたポリスチレン系;ポリ塩化ビニル系、ポリ塩化ビニリデン系、エチレン−塩化ビニル樹脂系;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、フッ化エチレン−フッ化プロピレン、フッ化エチレン−エチレン、フッ化エチレン−プロピレンなどのフッ素樹脂系;エチレン−酢酸ビニル樹脂系、エチレン−塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂系;4−ナイロン、4,6−ナイロン、6−ナイロン、6,6−ナイロン、12−ナイロンのようなポリアミド系;ポリエチレンテレフタレート系、ポリブチレンテレフタレート系、ポリエチレンナフタレート系;ポリカーボネート系;ポリウレタン系;脂肪族ポリエステル系、ポリラクトン系;セロファン系、セルロースアセテート系;紙系等、及びこれらの2種以上の混合系や多層系が挙げられる。好ましくは、フィルムグレードである。
ポリエチレンとしては、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン等が挙げられる。ポリエチレンはプロピレン、ブテン、ヘキセンなど他のオレフィン特にα−オレフィンとの共重合体であってもよい。
ポリエチレンとしては、耐衝撃性、対摩耗性、引張り強度などの見地から、超高分子量ポリエチレンを好ましく使用することができる。超高分子量ポリエチレンは、超高分子量ポリエチレン単独でなくてもよく、成形上の利点から低分子量ポリエチレンや高分子量ポリエチレンを含有していてもよい。
ポリプロピレンとしては、アイソタクティック、シンジオタクティックなどのものでも、エチレン、ブテン、ヘキセン、シクロオレフィンなど他のオレフィン特にα−オレフィンとの共重合体であってもよい。
生分解性樹脂としては、降雪時期終了後、1〜6ヶ月で、好ましくは直ちに、自然環境下で分解されるようにした生分解性樹脂又は樹脂組成物を使用することができる。
ブレンド樹脂
本発明の滑雪シートは、目的に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、種々の樹脂がブレンドされたものであってもよい。
例えば、剛性を改良する目的で高密度ポリエチレンのブレンド、また衝撃強度を改良する目的で低密度エラストマー等のポリオレフィン系樹脂のブレンドが挙げられ、これらを一種または二種以上組み合わせて用いてもよい。
ドライブレンドは、例えばヘンシェルミキサー、タンブラーミキサーなどの各種ブレンダーが使用され、メルトブレンドは、例えば単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、熱ロールなどの各種ミキサーが用いられる。
樹脂添加剤等
上記樹脂には、可塑剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、柔軟化剤、界面活性剤、流滴剤、難燃剤、滑剤ないしブロッキング防止剤、染料や顔料ないし隠蔽剤、充填剤、強化材、加工性改良剤、柔軟化剤ないし耐寒性改良剤等を1種以上添加することができる。
これらの添加剤等は、あらかじめ溶融混練したのち、シート成形に供してもよいし、個々にドライブレンドまたは一種以上のマスターバッチにしてブレンド後シート成形に供してもよい。
積雪が自重により滑落し易くする方法としては、表面に撥水性の樹脂をコートないしラミネートしたり、撥水性の薬剤を塗布したり、滑剤を樹脂に配合することによりもしくは塗布により表面に存在させたり、あるいは別の原理で超親水性塗料、吸水塗料等を塗布したり、適当な大きさや高さの凹凸を適当な密度で設ける等の各種の方法が挙げられる。
撥水性の樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリヘキサフルオロプロピレン、ポリテトラフルオロプロピレン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンなどが挙げられる。
撥水性薬剤としては、パーフルオロアルキルメタクリレート等のフルオロシラン化合物をコーティングしたり、基材表面に水酸基が存在する場合には、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシランなどの薬剤処理を介して、基材フィルム表面に反応させて撥水性を与えてもよい。
滑剤
滑剤としては、炭素数10〜18程度の高級脂肪酸アミドや高級脂肪酸エステルで代表される滑剤;フッ素系界面活性剤;オルガノポリシロキサン樹脂などが挙げられる。
高級脂肪酸アミドとしては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ベヘン酸アミドなどの飽和脂肪酸アミドや、オレイン酸アミド、エルカ酸アミドなどの不飽和脂肪酸アミドなどが挙げられる。また、脂肪酸の多価アルコールエステル、金属石けん類、ワックス等を併用すると滑性が長時間持続できるので好ましい。高級脂肪酸アミドの樹脂への配合割合は、100〜10,000重量ppm、好ましくは500〜5000ppm、さらに好ましくは1000〜2500ppmである。高級脂肪酸アミドの配合量が上記範囲より多すぎると滑性が過剰となりシートのハンドリングに問題を生じ、少なすぎると滑性が不十分になる。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルスルホン酸アンモニウム塩、パーフルオロアルキルスルホン酸カリウム塩、パーフルオロアルキルカルボン酸カリウム塩等のアニオン系界面活性剤、パーフルオロアルキル第4級アンモニウムヨウ化物等のカチオン系界面活性剤、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール等が挙げられ、フッ素系界面活性剤の中で、アニオン系のものが相溶性が小さいため効果が最も高く、0.01〜5重量%、好ましくは、0.1〜1.0重量%添加することによって摩擦係数が、10%程度低下する。
オルガノポリシロキサン樹脂としては、ポリ[ジメチルシロキサン]、ポリ[ジフェニルシロキサン]、ポリ[テトラメチルシルメチレンシロキサン]等が挙げられる。オルガノポリシロキサン樹脂の添加量はシート用樹脂に対して1〜5重量%が好ましい。
ブロッキング防止剤
同種シート同士又は下地シートと滑雪シートとのブロッキングや、場合によっては下地シートもしくは滑雪シートと屋根材とのブロッキング(屋根材に固着させたい場合を除く。)を防止するには上記滑剤の他に、シリカ、炭酸カルシウム、タルクなどで代表されるブロッキング防止剤などを含有させてもよい。
帯電防止剤
帯電防止剤としては、炭素数8〜22の脂肪酸のグリセリンエステルやソルビタン酸エステル、ポリエチレングリコールエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の非イオン系アミン等が挙げられる。
帯電防止剤に関しては、樹脂に対して適度な相溶性を備えた帯電防止剤が望ましく、具体的には、帯電防止剤は、樹脂量の0.1〜0.3重量%添加すれば、10Ω/m程度の表面抵抗となる。多く入れすぎると、表面にべたつきが発生する。
柔軟化剤ないし耐寒性改良剤
柔軟化剤ないし耐寒性改良剤としては、低温特性の良い可塑剤でも良いが、シート樹脂との親和性が高く、柔軟性と滑り性を付与するオリゴマーを使用することもできる。
隠蔽剤
隠蔽剤に関しては、カーボンブラックや、酸化チタン等の無機顔料、フタロシアニンブルーやハンザエロー等の有機顔料が挙げられ、要求される隠蔽剤または色合いに応じて隠蔽剤の量、種類を選択することが出来る。例を挙げれば、酸化チタンのルチル型の粉末を0.1から5%、好ましくは1〜4%添加することにより期待さる隠蔽性を付与することが可能となり、さらに酸化チタンのような白色の顔料とともに色素を併用することによって任意の色のフィルムを得ることができる。
安定剤
2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(IRGANOX 1010)、n−オクタデシル−3−(4’−ヒドロキシ−3,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオネート(IRGANOX 1076)で代表されるフェノール系安定剤;ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトおよびトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどで代表されるホファイト系安定剤等が挙げられる。
難燃剤
難燃剤としては、リン系、塩素系、臭素系等の有機系難燃剤;アンチモン系、水酸化アルミ等の無機系難燃剤、これらの混合物などが挙げられる。
加工性改良剤
加工性改良剤としては、ステアリン酸カルシウムなどの脂肪酸金属塩等が挙げられる。
成形方法
本発明の滑雪シート(o)は、上記樹脂あるいは樹脂組成物を、従来の成形方法、例えばインフレーションフィルム成形、カレンダーフィルム成形、Tダイキャストフィルム成形、押出成形等により単層フィルムとしたり、共押出成形、押出コーティング成形(押出ラミネート成形)などの技術により多層シートとすることができる。また、単層シートを用いて、例えばドライラミネート法、ウェットラミネート法、サンドラミネート法、ホットメルトラミネート法などのラミネーション法などにより多層シートに成形してもよい。
また、上記シートを他のフィルムないしシート状の基材にラミネートした多層フィルムとしてもよい。基材としては、前記樹脂の他に、紙、セロハン、織布、不織布、アルミニウムなどの金属箔であってもよい。
ラミネートにする場合、発泡体シートを積層してもよい。発泡体シートを積層する方法としては、シートと発泡体シートとの間に接着ラミネート層を設けるサンドイッチラミネート法が好ましい。発泡体シートを積層することによる断熱効果や屋根面の平滑効果が得られる。
また、シートに織布(編みものを含む)や繊維類(ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、アミド繊維、アラミド繊維など)を含有させたりすると強度を増すことができる。
また、シートの一部を強化してもよい。強化した部分を引っ張ったりすることができる。
また、シートは、織物であってもよい。織物の糸の材質は従来から有る天然繊維でも合成繊維でもよい。また、織物の少なくとも片面に厚み50μm以上の合成樹脂製ラミネート層を設けたラミネートクロスであってもよい。
積雪の滑落性やシート同士の滑り性を良くするために、シートの表面をエンボス加工またはシボ加工を施し、中心線平均粗さRaが0.1〜100μm、好ましくは1〜10μm;、最大高さRmaxが0.1〜100μm、好ましくは1〜50μmとしたものを使用することができる。なお、表面粗さはJIS B6501による触針式表面粗さ測定器によって測定される。
上記シートは、必要に応じて、無延伸、一軸延伸、二軸延伸シートもしくは熱収縮(シュリンク)性シート;発泡シート;これらの複層シート;またはこれらの複層シートの間に多数の独立気泡の設けられたシートであってもよい。
非発泡のシート(布に樹脂を含浸させたシートも含む)としては、厚み:10μm〜5mm、好ましくは50μm〜〜1mm、更に好ましくは100〜500μmである。
発泡シートとしては前記樹脂材料、好ましくはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン等を発泡させ、厚み0.5〜50mm、好ましくは1〜10mmのものである。気泡の大きさには特に制限はなく、0.1μm〜10mmのものが使用できる。特に発泡成形する場合と、エアーフォームのように、フィルムの一部に多数の凹部を形成し、他の平面フィルムと張り合わせて気泡を形成させる場合(エアフォームタイプに相当する。)には、大きな径の気泡を形成することができる。また、気泡の凸部側にも平面フィルムを張り付けて、両面を平滑にしてもよい。
発泡シートまたは多数の独立気泡の設けられたシートを使用すると、断熱性やシートの滑り性(対屋根材、シート同士)に優れる。
また、両シートとも、袋状部を持たせることができるが、好ましくは屋根に直接触れる側に持たせる。袋状部は、一つは、瓦などの凹凸部に沿って袋状部が設けられ、瓦の凹凸を平滑化させるように空気などの流体を入れて膨らませる。この場合、膨らんだ気泡セルが瓦の一枚の大きさに合っていることが好ましい。二つ目は、前述したように、積雪量が多くなった時点で袋を膨らませて傾斜を与え、積雪を滑落させるためのものである。
シートの性能
滑雪シートの撥水性としては、積雪側表面は、シートに雪や氷が氷結付着し、積雪の滑落が効果的に行われれるように、シートの水又は雪との接触角が60°以上、好ましくは80°以上、特に好ましくは100°以上にするのがよい。フッ素系の樹脂を使用したり、表面処理材、滑剤を使用することにより、このようにすることができる。また、基材表面に小さな凹凸を設け、メタクリル酸メチルとメタクリルオキシプロピルトリメトキシシランとパーフルオロアルキルメタクリレート等のフッ素化合物もしくは前記フッ素樹脂などからなる混合物の薬剤で表面処理を行うようにしてもよくこのようにすると、接触角を150°前後に高めることができる。さらに、二酸化チタンからなる光分解触媒をコートすることにより表面の汚れを分解し、寿命を延ばすことも可能である。
日本国内では、季節にもよるが、北海道の比重の軽い雪から、北陸の比重の大きい雪まで、種々の雪が降り、同じ5cm程度の積雪でも温度、結晶型、比重、不純物、降雪後の含水率等により異なるが、含水率10%の濡れ雪を基準として厚さ5cm、重量4.6kg/mで堆積させたシート(o)を傾けて雪が滑り始める角度が20゜以下、好ましくは10゜以下、特に好ましくは5゜以下であるシート(o)が使用できる。
滑雪シートと屋根材、又は滑雪シートと下地シートとの摩擦係数が、0.5以下、好ましくは0.2以下、さらに好ましくは0.1以下にしておく。なお、摩擦係数は、ASTM D1894−87 プラスチックフィルム・シートの静・動摩擦係数の標準測定方法で示されている測定方法で測定できる。
シートの強度は、1×103〜1×106kgf/m、好ましくは5×103kgf/m以上、さらに好ましくは1×104kgf/m以上のものがよい。シートの強度が弱すぎると、スライドさせたりする時に切れたり裂けたりする。
なお、本願発明では、下地シート(u)とシート(o)が同一種類のものであっても異なっていてもよい。
下地シート(u)は、屋根材に対する面を自己粘着性により付着させて使用することもできる。また、屋根材に対する面を軟らかく、弾性があるようにさせるこもできる。
このため、屋根材に対する面に粘着剤の層を設けたり、樹脂の種類によっては、可塑剤を添加して、その量により軟らかさ及び粘着性を調整することができる。可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、トリクレジルホスフェート、フタル酸ブチルベンジル、ブチルフタリルブチルグリコレート、エポキシ系可塑剤、ポリエステル系可塑剤等を単独で又は数種類を組み合わせて使用する。組み合わせおよびその量は、例えば15〜40%、好ましくは20〜35%、若しくは25〜30%で使用される。あるいは、これら可塑剤を含むフィルムを積層した下地シートにしてもよい。
また、上記方法の変形例として、多孔質のシートに油状物を含ませた滑雪シートや下地シートを使用することもできる。
上記油状物は、25°Cにおける粘度が、1,000〜100,000cPのものが好ましく使用できる。油状物は、凝固点が−10℃以下、更に好ましくは−20℃以下、且つ引火点が100℃以上、更に好ましくは200℃以上であるものが好ましい。
このような油状物は、撥水性があって適当な粘度を有し、凝固点が低く、かつ引火点が高い油状物であれば任意のものを使用できるが、例えば、鉱油系、合成油系、天然油系のなかから選ばれる一種或いは2種以上の油性液体に、増粘剤(ゲル化剤)を混合・溶解して調製することができる。
鉱油系としては、日本石油株式会社製の商品名3号ソルベント、4号ソルベント、日石1号、日石2号、スピンドル油、別スピンドル油、白スピンドル油、特スピンドル油、B−マシン油、C−マシン油、マシンオイル、農業マシン油、日石ノウヤクオイル、ハイホワイト、日石スーパーオイル、AFソルベント等を使用することができる。
合成油系としては、イソパラフィン類、エチレン,プロピレン,ブデン,イソブデン,αオレフィンなどから誘導されるポリオレフィン類、合成スクワラン等のポリイソプレノイド類、ナフテン類、アルキルベンゼン類、ジアリールアルカン類、アルキルナフタレン類、アルキルビフェニール類、シリコーン油類等が例示され、市販されているものとして、日本石油株式会社製の商品名アイソランP、アイソランS、アイソランR、日石ナフテゾール等を使用することができる。
天然油系としては、深海鮫の肝油やオリーブ油を原料とするスクワレン又はスクワランを使用することができる。特にこのスクワレン及びスクワランは、上記した鉱油系や合成油系と比較し、低い温度でも流動性を有し、また人体に対する安全性にも優れている。
増粘剤は、上記油状液体をシート表面及び内部に保持するために必要な粘稠性とチクソトロピー性を付与するために使用するもので、油性液体の中で化合物単位が分子配列を形成することで増粘させる油ゲル化剤を用いることができる。具体的には、12−ヒドロキシステアリン酸、脂肪酸カルシウム、リチウム,アルミニウム等の金属塩類、ジベンジリデンソルビトール,N−アミルアミノ酸のアミド、エステルアミン塩などのアミノ酸誘導体、及びデキストリン脂肪酸エステル類などが例示される。これらを一種又は二種以上の混合物として使用する。増粘剤の使用量は特に制限されないが、通常は前記油性液体100重量部当たり、0.001〜100重量部、好ましくは0.01〜50重量部である。
シートへの粘着力を補強するため、天然ゴム、SBR、ポリイソブチレン、天然ワックス、石油ワックス、シリコーン等を、上記油性液体に混合して用いることもできる。さらに、酸化防止剤、難燃剤、顔料等を適宜添加することもできる。
さらに、保持体としては、前記油状物を保持する機能を有するものであって、例えば合成樹脂又は天然・合成ゴムからなり、油状体を含浸・保持させる開放(貫通)気孔を形成した発泡体を使用することができる。該発泡体は、その表面に気孔の孔が開放しており、発泡体の材質はエラストマー等のような柔軟な材質である方が着氷雪の防止効果が高く好ましい。ここで、発泡体中の気孔のうち他の気孔と連結し、独立していない気孔の割合を開放気孔率とすると、この開放気孔率としては5〜95%が好ましい。5%未満であると油状物を充分に含浸させることができず、また95%を超えると強度的に弱くなり問題がある。
シートは、例えば、発泡倍率10倍の合成ゴム製で、50%の開放気孔を有し、厚さは5mmである。また、シートの家屋側には開放気孔を有さない無気孔層3を一体に形成している。
発泡体層内には油状物を含浸させている。この油状物は、スクワラン100重量部に、アミノ酸の誘導体からなる増粘剤3重量部を混合し、90℃に加熱しさらに15分間混合して、25℃における粘度が50,000センチポイズのチクソトロピー性を有するものである。
また、滑雪シート(o)と下地シート(u)の間に、潤滑剤を介在させて、下地シート(u)上で滑雪シート(o)がスライドしやすくしてもよい。潤滑剤としては、上記のワックス類などの滑剤や油状物などが使用できる。好ましくは、不凍性の液体である。
屋根などの形状
本願発明が適用される建造物など屋根などには、特に制限はないが、好ましくは屋根が傾斜を有するものであり、傾斜角度が5度以上であり、好ましくは10度以上であり、さらに好ましくは20度以上であり、特に好ましくは30度以上であり、40度あれば申し分がない。勾配は角度でも表されるが、屋根の勾配は水平距離10あたりの高さでも表され、10分の0.5の緩勾配から10分の10の急勾配のものまであるが、上記角度に換算すればよい。
屋根に勾配がほとんどないか陸屋根のような平面的な屋根の場合でも、本発明のシートを使用して、人力または機械力によりシートを引っ張って、積雪を除去することができる。この場合も、滑雪シート(o)のみでも、下に下地シート(u)を敷いてもよい。
屋根の形式としては、切妻、半切妻、寄せ棟、腰折れ、入母屋、反り、マンサード、かまぼこなどの屋根や、これらの屋根に、越し屋根、招き屋根、差し掛け屋根などの構造を部分的に持っていてもよい。屋根の上から見た形態は、特に制限はなく、一文字形、L字形、両端同方向L字型、両端反対方向L字型、二段L字形、T字形、コの字形などが挙げられるが、L状の曲がり部などには、下地シートは被覆できるが、滑雪シートで全体を覆うことができない場合もある。
多雪地帯の家屋では、雪止め瓦や軒とひなども設けない場合が通常であり、シートの設置に都合がよい。
屋根の材質
屋根の材質は、特に制限はなく、公知のものが使用可能であり、和瓦、洋瓦等各種の瓦、スレート、アスベスト、アスファルト、プラスチック波板、トタン、銅板、その他の金属板もしくは瓦(中空体を含む)、コンクリート、軽量発泡コンクリート、ガラス、陶器、磁器、太陽光発電パネル等、及びこれらの組み合わせが例示される。これらの形状は平面状でも、丸瓦のような曲面状でもよい。また、麦藁、茅葺き、檜皮葺き、こけら葺き等も使用対象となる。
本発明の対象となる建造物としては、住宅、プレハブ建物、体育館、サンルーム、ガラス製もしくはプラスチック製屋根を有するハウス農園芸用建物、蒲鉾状ハウス等が挙げられる。
従って、本発明で屋根とは、屋根又は屋根状天井部分を言う。
本発明によれば、屋根の材質、傾斜角度や、雪質等にもよるが、特に含水率の高い、例えば5重量%以上、10重量%以上、さらには20重量%以上の濡れ雪でも、低積雪量、例えば50cm以下、好ましくは5〜30cm程度、特に好ましくは3〜20cm程度毎のような低積雪量及び高頻度で滑雪できるようになる。
特に、下地シート(u)の上で滑雪シート(o)を滑らせて、滑雪シート(o)上の積雪を滑雪できるので、どんな湿った雪でも、どんな積雪量でも、滑雪させることができる。
また、伸縮手段や巻き取り手段のような復元手段により、滑雪シート(o)を下地シート(u)上の元の位置に戻すことが出来る。
勿論、安全性や確実性のため、滑雪シート(o)は二重以上にして、一方の滑雪シート(o)が破れたり、スライドしなくなっても、もう一方の滑雪シート(o)でスライド可能にしてもよい。同様に、下地シート(u)二重以上にしてもよい。
(実施例)
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
図1に示すように、傾斜25°の切妻屋根上に、幅90cm、長さ12mの複数の滑雪シート(o)を、棟越しに、相隣るシート(o)が隙間なく接するように並べ、目の高さに垂れたシート端部を紐類5で結び、紐類5の他端はバネ6を介して地面の杭などに固定される。
滑雪シート(o)は、ポリエチレン製のシートで、シート(o)の両面に滑剤が極微少な突起状に存在しており、シート(o)の長さ方向の端部の辺は、二重にして、厚くなるようにして、端部に鳩目が設けてもよいし、折り曲げて袋孔状にして孔に紐類5を通し、紐類5を外部に固定するようにしてもよい。
この場合、シート(o)上に5cmに堆積した人工雪を、シート(o)を傾けて雪が滑り始める角度は4°である。
積雪量が余り多くならない任意の時点で、シート(o)の両端を固定している紐類5の一方の端部を、0.1ないし10m(または状況に応じて1ないし6mでも、または2ないし4mでもよい)ほどスライドできるようにゆるめ、シート(o)の一方の端部を手前に引くと積雪が落下する。落下後、シート(o)は反対側端部の伸縮手段(バネ)6により元の位置に戻る。
勿論、シート(o)の両方の端部を交互に手前に引いて滑雪させてもよい。
降雪期間終了後、地面等に固定していた紐類5を解き、紐類5を引っ張って、シート(o)を滑り落とし、水分やゴミを布などで拭き取り、乾燥させ、保存する。翌年も使用できる。
(実施例2)
図2に示すように、傾斜25°の切妻屋根上に、幅120cm、長さ9mの複数の下地シート(u)を、棟越しに、相隣るシート(u)が隙間なく接するように並べ、シート(u)の辺は、紐類4を介して建物の一部に固定したり、地面に打った杭などに固定される。シート(u)の辺は、紐類4が取り付けられるように、また強度を持つように二重にして、厚くなるようにして、端部に鳩目が設けられる。
屋根上に固定されたシート(u)の上に、幅90cm、長さ12mの複数の滑雪シート(o)を、棟越しに、相隣るシート(o)が隙間なく接するように並べ、目の高さに垂れたシート端部を紐類5で結び、紐類5の他端は地面の杭などに固定される。
下地シート(u)は、ポリエチレン製の二軸延伸シートで、その上で滑雪シート(o)が滑らかにスライドできるように、シート(o)との接触面側に滑剤が極微少な突起状に存在している。
なお、シート(u)の屋根面側には粘着層を点状などで設けて、屋根面とのずれを防止するようにしてもよい。
滑雪シート(o)は、ポリエチレン製のシートで、シート(o)の両面に滑剤が極微少な突起状に存在しており、シート(o)の長さ方向の端部の辺は、二重にして、厚くなるようにして、端部に鳩目が設けてもよいし、折り曲げて袋孔状にして孔に紐類5を通し、紐類5を外部に固定するようにしてもよい。
この場合、シート(o)上に5cmに堆積した人工雪を、シート(o)を傾けて雪が滑り始める角度は4°である。
積雪量が余り多くならない任意の時点で、シート(o)の両端を固定している紐類5の一方の端部を、シート(u)上で、シート(o)を0.1ないし10m(または状況に応じて1ないし6mでも、または2ないし4mでもよい)ほどスライドできるようにゆるめ、シート(o)の一方の端部を手前に引くと積雪が落下する。落下後、シート(o)は反対側端部を引いて元の位置に戻す。下地シート(u)との間の滑り性がよいので、戻しやすい。
場合によっては、シート(o)を屋根から殆どズリ落として、シート(o)上の雪を落とした上で、再度下地シート(u)上の元の位置に戻すようにしてもよい。
勿論、シート(o)の両方の端部を交互に手前に引いて滑雪させてもよい。
降雪期間終了後、地面等に固定していた紐類5を解き、紐類5を引っ張って、シート(o)とシート(u)を滑り落とし、水分やゴミを布などで拭き取り、乾燥させ、保存する。翌年も使用できる。さらに、その翌年は、シート(o)のみを交換して使用できる。例えば、4年使用後、スライド性が低下してきた場合、シート(u)も交換する。
積雪が自分の重みで滑落したり、落ちにくい場合、シートを滑らせてその上の積雪を滑落させることができる。
(実施例3)
傾斜25°の切妻屋根上に、棟越しに、幅120cm、複数の、長さ9mの熱シュリンク性の下地シート(u)を、相隣るシート(u)が隙間なく接するように並べ、仮固定した後、シート(u)の軒下部分に、加熱空気を吹き付けて、収縮によりシート(u)を軒下に固定する。
屋根上に固定されたシート(u)の上に、棟越しに、複数の、幅90cm、長さ12mの滑雪シート(o)を、相隣るシート(o)が隙間なく接するように並べ、目の高さに垂れたシート端部を、地面に固定されたゴムバンド又はバネのような伸縮手段6を介して紐類5で結び、シート(o)が風で飛ばないようにするとともに、積雪の重さで滑り下がったシートが、積雪荷重が解除された後、伸縮手段によりシート(o)がスライドされて自動的に屋根上の元の位置に戻るようにする。シートの両端に紐をつけ、その端にそれぞれバネを付けておくことにより、一端側がずり落ちても、他端側のバネで元に戻り、他端側がずり落ちても、一端側のバネで元に戻るので、絶えずシートのスライドや復帰が生じ、人が手を加えないでも、シート(o)は屋根上で往復運動を繰り返す。
下地シート(u)は、ポリエチレン製の一軸延伸シートで、熱シュリンク性を有しており、またその上で滑雪シート(o)が滑らかにスライドできるように、シート(o)との接触面側に滑剤が極微少な突起状に存在している。なお、シート(u)の屋根面側には粘着層を点状などで設けて、屋根面とのずれを防止するようにしてもよい。
滑雪シート(o)は、ポリエチレン製のシートで、シート(o)の両面に滑剤が極微少な突起状に存在しており、シート(o)の辺は強度を持つように二重になったり、厚くなるようにしてもよい。長さ方向の端部の辺は折り曲げて袋孔状にして孔に紐類5を通し、紐類5を外部に固定するようにしてもよい。
積雪量が余り多くならない任意の時点で、シート(o)の両端を固定している紐5の端部をゆるめ、シート(o)を手前に引くと積雪が落下する。落下後、シート(o)は人力又は伸縮手段により元の位置に戻される。下地シート(u)との間の滑り性がよいので、戻しやすい。
(実施例4)
実施例1で、さらにワイパーを設置した。帯状のシートであって帯の中央に、突起が縦壁状(例えば、L字型や逆T字型などが挙げられ、L字や逆T字の底面などがシートの面に沿って動く。縦壁の高さは0〜50mmや10〜30mmなどでもよい。縦壁の高さが0の場合は縦壁なしの単なる帯や紐になる。)に設けられているワイパーを、屋根の棟越しに、滑雪シート(o)の上に設けてあり、積雪量が増加した時点で、ワイパーを屋根の棟に沿って人力等で移動させ、ワイパーの移動によりシート(o)上の積雪をこそぎ落とす。
なお、ワイパーは必ずしも棟に沿って移動させなくても、棟の一部に固定して他端を軒又は庇に沿って動かしてもよい。
勿論、雪に対して滑り性の良いシート(o)を該ワイパーと併用すれば、効果が顕著になる。
(実施例5)
実施例1に示した滑雪シート(o)が3枚重ねられており、両端部が綴じられている。最外層のシートの滑雪性能が低下した時点で、最外層のシートの綴じ部を切断して最外層のシートを剥離し、滑雪性能がフレッシュな表面を出す。
(実施例6)
シート(o)として、塩ビシートの両表面にポリビニリデンフロライドフィルムをラミネートしたシートで、引張り強度が1×104kgf/mであり、積雪高さ30cm時のポリエチレン製下地シート(u)との静止摩擦係数は0.05であり、雪との接触角は約80°である。このシートを使用すると、長期間積雪を自然落下させることが可能であり、また翌年も再使用できる。
(実施例7)
下地シート(u)として、厚さ5mmの発泡スチレンシートでシート(o)と接触する面側に難燃油が含浸されているものを使用する以外は、実施例6と同様に行うと、発泡スチレンシートにより瓦の凹凸が緩和され、屋根の断熱に有効であり、油により滑り性が増す。
(実施例8)
下地シート(u)として、発泡ポリウレタンシートを使用した以外は実施例7と同様に行い、シート(o)を滑らかに移動できる。
(実施例9)
下地シート(u)として、加圧空気の供給、排出により膨張、扁平化可能なエアバッグ機能を有する一つの袋状のシートを使用した以外は、実施例2と同様に行う。これにより、積雪に傾斜が加えられるのみならず、膨らんで表面が平らに近くなった下地シート(u)の上をシート(o)がスライドして落下するので、シート(o)上の積雪を積極的に滑り落とすことが可能になる。
従って、屋根が瓦葺きであっても、袋状のシートは膨らんでその上面がほぼ平らになるので、その上でシート(o)が滑りやすくなる。
空気を屋根の上部側から入れて滑雪させ、次に下部側から入れて滑雪させるように、交互に膨らませて、滑雪を行うこともできる。
(実施例10)
瓦屋根の上に、下地シート(u)として、瓦の凹凸を緩和して一枚の平面状に近づけるために、大、中、小の気泡セルが瓦の形状に合わせて多数設けられたエアフォームタイプシートを使用した以外は、実施例2と同様に行う。即ち、瓦の反り(凹み)が大きい部分には大きな気泡セルが接触し、反り(凹み)の小さい部分には小さい気泡セルが接触するようにする。これにより、平面に近づいた下地シート(u)上で、シート(o)が滑りやすくなり、積雪が滑落しやすくなる。
(実施例11)
ほぼ四つの三角形からなる寄せ棟の屋根の上に、下地シート(u)を敷き、屋根の軒の下の部分に垂れ下がらせ、加熱水蒸気を吹き付けて収縮させ、屋根を包むように軒先の下の部分で、建物に固定させる。なお、下地シート(u)には風抜きスリットが所々に設けられており、風により下地シート(u)が飛ばされないようにしてある。下地シート(u)の上に、寄せ棟のそれぞれの大きさおよび形状に応じた三角形状の滑雪シート(o)を敷く。
シート(o)上の積雪量が所定の量を超えると、固定されたシート(u)上で、シート(o)がスライドしてその動きやシート(o)が屋根からずれることにより、シート(o)上の積雪が滑落する。積雪が滑落して軽くなったシート(o)は、棟越しの紐類5の他端に設けられた伸縮手段により、屋根上の元の位置に戻される。この場合、シート(o)は上下にスライドするのはよいが、左右にスライドすると、シートが元の位置に戻らなくなるのを防止するために、三角形の棟側の頂点には、頂点を挟んで両側に紐類5が二本設けられ、三角形のシート(o)が屋根上を左右にスライドしないようにしてあり、たとえ滑雪時に多少左右にスライドしても、元の位置に戻るようになる。
また、棟越しの紐類5はそれが反対側のシート(o)の上に設けられるので、棟越しの紐類5はシート(o)の上の積雪に対してワイパーの役目をする。即ち、シート(o)がスライドするとそれに固定された紐類5が他のシート(o)上を移動して他のシート(o)上の積雪のブリッジの根を切るように働くので、同時に他のシート(o)上の積雪もある程度滑落する。
(実施例12)
実施例3で、さらに棟に沿って水供給用配管を、滑雪シート(o)の上に水が流せるように設けた。水供給用配管には、20cm置きに孔が開いている。積雪高さが所定高さになった時点で、水を流し、積雪の根本を溶かし、表層雪崩を起こすようにして、滑雪させる。
(実施例13)
図3は、屋根1に下地シート(u)2を敷き、その上に滑雪シート(o)3を敷いた場合の上面図である。滑雪シート(o)3は例えば直角三角形状にして、棟越しに2枚が敷かれ、例えば2枚で四角形をなし、屋根を覆っている。従って、一方の滑雪シート(o1)は棟の片側(k1)の大半を覆っているので、積雪により同片側(k1)側にスライドする。他方の滑雪シート(o2)は棟の他の片側(k2)の大半を覆っているので、積雪により同片側(k2)側にスライドする。
上図では、便宜上、滑雪シート(o1)と滑雪シート(o2)の間に隙間が描かれているが、隙間は無くしてもよいし、両シートを一部重なるようにして敷いてもよい。また上図では、便宜上、屋根全面を覆って描いていないが、全面を覆うようにすることもできる。また、滑雪シート(o)は例えば直角台形状であってもよい。屋根の面積に応じて、上記滑雪シート(o)の枚数を4枚や10枚などに増やせば、屋根の面をできるだけ覆うことができる。勿論、上記棟と直角の方向の屋根も同様の原理で覆うことができる。
上図では、描画の便宜上、滑雪シートを引っ張る紐類や伸縮手段などは省いてある。
(実施例14)
図4は、寄せ棟の屋根に本発明を適用した例である。便宜上、4枚の滑雪シート(o)のみで示してあるが、各シートはさらに複数に分割されていてもよいし、下地シート(u)の上に設けられてもよいし、滑雪シート(o)の端部に紐類が設けられ、さらに伸縮手段が設けられてもよいことは詳細に述べるまでもない。
上図では、描画の便宜上、滑雪シートを引っ張る紐類や伸縮手段などは省いてある。
(実施例15)
生分解性の滑雪シート(o)と、下地シート(u)としてテドラーバッグを使用する。降雪期間終了後、数ヶ月で滑雪シート(o)は自然環境により分解され、次回の降雪時期には、下地シート(u)の上に新たな滑雪シート(o)を敷く。
図1は、本発明に係る、屋根に滑雪シートを敷いた例の側面図である。 図2は、本発明に係る、屋根に下地シートと滑雪シートを敷いた例の側面図である。 図3は、本発明に係る、屋根に下地シートと滑雪シートを敷いた例の上面図である。 図4は、本発明に係る、寄せ棟屋根に滑雪シートを敷いた例の上面図である。
符号の説明
1 屋根
1’棟
2 下地シート
3 滑雪シート
4 紐類
5 紐類
6 伸縮手段

Claims (28)

  1. 表面が積雪に対して滑り性を有する滑雪シート(o)であって、一枚のまま、又は複数に分割され各独立に、屋根上に棟の片側に又は棟を跨いで設置され、滑雪シート(o)上の積雪量が所定の値より多くなった時点で、滑雪シート(o)の滑り性により滑雪シート(o)上の積雪が滑落する滑雪シート。
  2. 滑雪シート(o)の少なくとも一部が熱収縮性を有し、屋根に敷いた後、屋根の軒類より下の部分のシートの必要部分を加熱により収縮させて建物の一部に固定させる請求項1に記載の滑雪シート。
  3. 表面が積雪に対して滑り性を有する滑雪シート(o)であって、一枚のまま、又は複数に分割され各独立に、屋根に対してスライド可能に設置され、滑雪シート(o)上の積雪量が所定の値より多くなった時点で、積雪による重さによって、又は、滑雪シート(o)の端部に設けられた紐類を人力、又は、機械的力によって引張ることによって滑雪シート(o)がスライドされて、滑雪シート(o)上の積雪を滑落させ、滑雪シート(o)の他の端部に設けられた紐類を人力又は、機械的力によって引張ることにより屋根上に戻す滑雪シート。
  4. 滑雪シート(o)が、多層シート構成をなし、多層シートが各層毎に少なくとも一端部において綴じられており、滑雪性が低下した時点で、綴じ部分を切断して一層づつ剥がし、新たな滑雪面とする請求項1〜3のいずれかに記載の滑雪シート。
  5. 滑雪シート(o)の少なくとも、屋根を覆う部分はシート状であり、滑雪シート(o)をスライドさせるために滑雪シート(o)を引っ張る部分が、
    該シート(o)の幅全体又は幅の一部、
    該シート(o)の一部を切欠いて得られる紐状もしくは帯状部分、及び/又は
    該シート(o)の端部に紐類を取り付け可能な構造を有する部分
    である請求項3又は4に記載の滑雪シート。
  6. 屋根の棟の片側にのみ滑雪シート(o)を敷いて、積雪の重さにより棟の片側に滑雪シート(o)が滑って滑雪が生じる請求項3〜5のいずれかに記載の滑雪シート。
  7. 屋根の棟を跨いで敷かれた一枚の滑雪シート(o)の棟の両側の面積を不均等にして、両側の積雪の重さの差により棟の片側に滑って滑雪が生じる請求項3〜5のいずれかに記載の滑雪シート。
  8. 請求項3〜7のいずれかに記載の滑雪シート(o)を使用して、積雪の重さにより滑雪シート(o)が屋根の上を棟の片側に滑って滑雪が生じると共に、
    滑雪シート(o)の該片側の反対の一端に必要に応じて紐類を介して設けられた伸縮手段(e)が伸び、又は、
    滑雪シート(o)の該片側の反対の一端が必要に応じて紐類を介して巻き取り手段(f)から巻き出され、
    次いで、滑雪後に軽くなった滑雪シート(o)が、該伸縮手段(e)が縮んで、又は、該巻き取り手段(f)により巻き取られて、元の位置に戻されることを特徴とする積雪防止システム。
  9. 滑雪シート(o)の表面に水を供給する水供給装置(m)及び/又は空気を供給する空気供給装置(n)からなり、滑雪シート(o)の表面上の積雪の下層を水又は空気により除去して、表層雪崩のようにして滑雪を生じさせる請求項8に記載の積雪防止システム。
  10. 屋根上に、下地シート(u)を一枚のまま、又は複数に分割して各独立に設置して、その上に請求項1〜7のいずれかに記載の滑雪シート(o)が設置された積雪防止システム。
  11. 下地シート(u)が、屋根面の平滑用及び/又は滑雪シート(o)の下地シート(u)上でのスライド用に設けられた請求項10に記載の積雪防止システム。
  12. 下地シート(u)の少なくとも一部が熱収縮性を有し、屋根面を覆い、下地シート(u)の、屋根の軒類に固定するのに必要な部分を、加熱により収縮させて建物部分に固定させる請求項10又は11に記載の積雪防止システム。
  13. 滑雪シート(o)及び/又は下地シート(u)の面に風抜け用孔類が設けられた請求項10〜12のいずれか1項に記載の積雪防止システム。
  14. 請求項1〜9のいずれかに記載の滑雪シート(o)及び/又は請求項10〜13のいずれかに記載の下地シート(u)が、流体の注入口及び排出口を有する袋状シートからなり、屋根に敷いた後、積雪量が所定の値より多くなった時点で、袋状シートの袋に流体を注入して袋状シートを膨らませ、積雪を滑落させる積雪防止システム。
  15. 流体として加熱風又は加熱水を注入して、袋状シートに接する積雪の少なくとも一部を融解させて、積雪を滑落させる請求項14に記載の積雪防止システム。
  16. 請求項1〜9のいずれかに記載の滑雪シートまたは請求項10〜15のいずれかに記載の積雪防止システムに、さらに、ワイパー、流体注入設備、水供給装置(m)および空気供給装置(n)の少なくとも一つを含む積雪防止システム。
  17. ワイパーがシート上の積雪を落とすための屋根の頂部近傍に設けられた走引用紐状物である請求項16に記載の積雪防止システム。
  18. 滑雪シート(o)及び/又は下地シート(u)が単なるシート、発泡シート、多孔質シート、又はエアフォームタイプシートである請求項8〜17のいずれか1項に記載の積雪防止システム。
  19. 滑雪シート(o)の表面の雪に対する接触角が60度以上である請求項1又は2に記載の滑雪シート。
  20. 滑雪シート(o)の表面の中心線平均粗さRaが0.5〜5μmである請求項1又は2に記載の滑雪シート。
  21. 滑雪シート(o)の表面に撥水塗料が塗布された請求項1又は2に記載の滑雪シート。
  22. 滑雪シート(o)の表面及び/又は下地シート(u)表面に滑剤が存在する請求項8〜18のいずれかに記載の積雪防止システム。
  23. 下地シート(u)の屋根瓦と接する面に、瓦による凹凸を打ち消して、滑雪シート(o)との滑り面を平面に近づけるための各種の大きさのエアフォーム(t)が設けられている請求項10〜18および22のいずれかに記載の積雪防止システム。
  24. 下地シート(u)と滑雪シート(o)の間に、潤滑剤が存在する請求項23に記載の積雪防止システム。
  25. 潤滑剤が不凍性潤滑液である請求項24に記載の積雪防止システム。
  26. 請求項1〜9のいずれかに記載の滑雪シート(o)及び/又は請求項10〜14のいずれかに示された下地シート(u)において、シート端部に紐を付けて紐を屋根越しに投げ上げ、該投げ越された紐を引っ張って、屋根にシートを引き上げて設置するシートの設置方法。
  27. 請求項1〜9のいずれかに記載の滑雪シート(o)及び請求項10〜14のいずれかに示された下地シート(u)において、滑雪シート(o)及び下地シート(u)にそれぞれ電極を設け、両電極に互いに同符号の電圧をかけて、互いの電気的反発力で両者に間隔を与え、雪の積もった滑雪シート(o)を下地シート(u)上でスライドさせ、滑雪させる積雪防止システム。
  28. 請求項1〜9のいずれかに記載の滑雪シート(o)及び請求項10〜14のいずれかに示された下地シート(u)において、滑雪シート(o)及び下地シート(u)にそれぞれ磁極を設け、向かい合う両磁極が互い同符号の磁極を持つようにして、互いの磁気的反発力で両者に間隔を与え、雪の積もった滑雪シート(o)を下地シート(u)上でスライドさせ、滑雪させる積雪防止システム。
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