JPH06209589A - ベクトル制御装置の自動調整方法 - Google Patents

ベクトル制御装置の自動調整方法

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JPH06209589A
JPH06209589A JP5218133A JP21813393A JPH06209589A JP H06209589 A JPH06209589 A JP H06209589A JP 5218133 A JP5218133 A JP 5218133A JP 21813393 A JP21813393 A JP 21813393A JP H06209589 A JPH06209589 A JP H06209589A
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俊昭 奥山
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孝行 松井
Junichi Takahashi
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ベクトル制御装置を実運転前に電動機定数測
定器として機能させ、電動機の慣性モーメントの測定結
果に基づいてその制御定数を自動設定するに好適なベク
トル制御装置の自動調整方法を提供することにある。 【構成】 交流電動機電流のトルク電流成分と励磁電流
成分を各指令に応じて制御するベルトル制御装置によっ
て、交流電動機を加減速運転し、そのときの前記電動機
の回転速度変化量と前記電動機電流のトルク電流成分と
に基づいて、前記電動機の回転子と該回転子に結合され
る負荷装置の慣性モーメントを測定し、その結果を基に
前記ベクトル制御装置の制御定数を自動設定する。 【効果】 負荷トルクの影響を排除して簡便かつ高精度
に慣性モーメントJを測定することができ、制御定数を
最適に設定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、交流電動機のベクトル
制御装置に係り、電動機定数、特に電動機の慣性モーメ
ントを自動測定して、その制御定数を自動設定するベク
トル制御装置の自動調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のベクトル制御装置においては、電
動機定数、例えば励磁インダクタンス、2次時定数及び
慣性モーメントなどに基づいて各制御定数が設定され
る。従来は、電動機定数の設計値に基づいてそれを行っ
ているが、使用する電動機毎に制御定数を変更する必要
があり、煩雑なこと、また電動機定数の設計値と実際値
の不一致により、制御演算誤差を生じる問題がある。な
お、従来のベクトル制御装置の例としては、例えば、特
開昭59−63998号などに述べられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この問題を
解決することにあり、ベクトル制御装置を実運転前に電
動機定数測定器として機能させ、電動機の慣性モーメン
トの測定結果に基づいてその制御定数を自動設定するに
好適なベクトル制御装置の自動調整方法を提供すること
にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的は、交流電動機
電流のトルク電流成分と励磁電流成分を各指令に応じて
制御するベルトル制御装置によって、交流電動機を加減
速運転し、そのときの前記電動機の回転速度変化量と前
記電動機電流のトルク電流成分とに基づいて、前記電動
機の回転子と該回転子に結合される負荷装置の慣性モー
メントを測定し、その結果を基に前記ベクトル制御装置
の制御定数を自動設定することによって、達成される。
【0005】
【作用】励磁インダクタンス値L1,2次時定数値T2
設定した後、回転角速度ωrを所定値まで上昇、加速す
る。次に、回転速度をΔωraだけ加速し、その後、Δω
rd(=−Δωra)だけ減速し、その間のトルク電流指令
t*を取り込み、加速及び減速時におけるit*を累積演
算し、その累積値をΔωra,Δωrdで除して慣性モーメ
ントJを測定演算する。この測定結果に基づいて、その
制御定数を自動設定する。これにより、負荷トルクの影
響を排除して簡便にかつ高精度に慣性モーメントJを測
定することができ、制御定数を最適に設定することがで
きる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明す
る。図1は、本発明の一実施例のベクトル制御装置の回
路構成図を示す。破線内はマイクロプロセッサを用いて
演算制御させる部分であるが、動作を解り易くするため
アナログ回路構成にて示してある。一点鎖線内は本発明
に関係のもので、その演算処理には、ベクトル制御用マ
イクロプロセッサがプログラムを変更して共通に用いら
れる。1は誘導電動機2に可変周波の交流を供給するイ
ンバ−タ、3は速度指令装置、4は回転速度検出器、5
は速度調節器、6はすべり周波数演算器、7はすべり周
波数指令ωs*′と回転速度信号ωrを加算し周波数指令
ω1*を出力する加算器、8はω1*に比例した周波数の2
相正弦波信号を発生する信号発生器、9は磁束指令器、
10は励磁電流演算器、11は励磁電流指令im*とトル
ク電流指令it*及び信号発生器8の出力信号に基づい
て、インバ−タの出力電流指令パタ−ンi1*を出力する
座標変換器、12は出力電流i1を検出する電流検出
器、13はi1をi1*に比例制御する電流調節器、な
お、12及び13は全体で3相分あるが、2相分は図示
を省略してある。14は電動機電圧のd軸及びq軸成分
を検出する電圧成分検出器、15は起電力のd軸成分を
検出する起電力成分検出器、16は電動機定数演算器で
ある。
【0007】次に、ベクトル制御の動作と制御定数の設
定法について述べる。ベクトル制御の原理は周知である
ので、詳細な説明は省略するが、次式に従いインバ−タ
の出力電流の大きさ|i1|と位相θ及び周波数ω1を制
御して、電動機の回転速度と高速応答高精度に制御する
ものである。
【数1】
【数2】
【数3】 ここに、 ω1:一次角周波数 ωr:回転角周波数 ωs:すべり角周波数 ここで、(1)及び(2)式に関連した制御は、座標変
換器11及び電流調節器13において行われる。また
(3)式の関係は、すべり角周波数演算器6及び加算器
7により制御される。このとき、im*に比例して電動機
の励磁電流が、またit*に比例してトルク電流が制御さ
れ、ベクトル制御が行われる。さて、上述した励磁電流
指令im*は、演算器10において次式に従い取り出され
る。
【数4】 ここに、φ*は磁束指令値である。すなわち、この演算
において励磁インダクタンス値L1が必要である。ま
た、すべり周波数演算器6においては、前述したように
(3)式の演算を行うため、2次時定数値T2が必要で
ある。さらに、速度調整器5の制御ゲインは、機械系の
慣性モ−メントJに応じて設定する必要がある。このよ
うに制御定数は電動機定数に基づいて設定されるが、以
下、Jを求めるには、L1、T2の測定結果に基づいて設
定した制御定数が必要であるので、L1、T2の測定法を
説明し、Jの測定法について述べる。本実施例の測定原
理は、実運転に先立ち、ベクトル制御装置を用いて所定
の電流を電動機に流し、その結果発生する電動機電圧に
基づいて電動機定数を演算測定するものである。ところ
で、電動機電流は前述したim*、it*及びω1*により、
以下に述べるように制御される。先ず、座標変換器11
は、im*、it*及び信号発生器8の出力信号cosω1*
t及びsinω1*tに基づいて、次式に従い2相交流の
電流指令iα*及びiβ*を作る。
【数5】 さらに、次式に従い3相交流の電流指令i1*(iU
V,iW)を作る。
【数6】 そして、インバ−タの出力電流i1をi1*に比例して制
御する。一方、電動機電圧は図1に示す電圧成分検出器
14により、次式に従い検出される。
【数7】 ここで、電圧のv,v,v1,v1d,v1qの関
係並びに電流のi,i1 β,i1,i1d,i1qの関
係を図2のベクトル図に示す。α軸及びβ軸は直交固定
子座標軸であり、α軸はU相巻線軸と一致する。また、
d軸及びq軸は角周波数ω1で回転する直交回転座標軸
である。インバータ出力電流i1は、その大きさと位相
が(1)(2)式あるいは(6)式に従い制御される(図2は
t*=0の場合を示す)。したがって、d軸電流i1d及
びq軸電流i1qはim*及びit*にそれぞれ比例する。
電流が流れると、電動機電圧が誘起する。その電圧はd
軸成分v1dとq軸成分v1qに分けて考えることができ
る。定常時における1次電圧v1d及びv1qは、誘導機
の電圧方程式に基づいて次式で与えられる。
【数8】 ここに、i1d,i1q:1次電流のd軸及びq軸成分 i2d,i2q:2次電流のd軸及びq軸成分 ここで、2次電流はかご形誘導機の場合に測定できない
量であるため、これらを消去する。2次電流と1次電流
の関係は、回転子2次回路に関する電圧方程式に基づい
て次式に示される。
【数9】 ここに、ωs:すべり角周波数 (9)式を用いて(8)式のi2d及びi2qを消去すれば、
1d,v1qは次式で示される。
【数10】
【数11】
【0008】次に、電動機定数の測定原理について述べ
る。 〔r1+r2´,l1+l2´の測定〕 i1d=im*,i1q=it*=0,ω1=ω1*,ω1≒ωs すなわち、im*を所定値に設定し、略回転停止にて一定
周波数で励磁する条件を設定すれば、
【数12】
【数13】 ここで、v1dは検出器14より検出され、また、i1
はその指令信号im*に比例するため既知である。したが
って、上式より1次及び2次抵抗(1次換算値)の和が
測定できる。次に、前述と同一条件においては、
【数14】 したがって、前述と同様にして、漏れインダクタンスl
1+l2´が測定される。これらの結果は、後述するよう
に起電力検出器15及び電動機定数演算器16において
用いられる。次に、L1,T2,Jの測定は、ベクトル制
御装置を動作させ、速度指令ωr*に応じてωr,im*,
t*及びω1*を制御し行う。しかし、L1,T2,Jは未
測定のため、制御定数を次のように予備設定する。先
ず、速度調整器5は、Jにかかわらず常に系の安定がと
れるようP動作に近くゲインを設定する。L1及びT
2は、電動機の出力量に応じて概略の標準値に設定す
る。また、後述する条件(φ2q=0)が満足されるよ
うに、起電力のd軸成分edを検出し、それが零となる
ようにインバータ出力周波数ω1を制御する。すなわ
ち、起電力成分検出器15において(15)式に従いe
dを検出し、それを増巾した後に加算器7に加え、ed
0のときわω1が減少方向に、逆のときは逆となる関係
に制御する。このとき、実際のすべり角周波数ωsはωs
*によらず制御され、たとえT2の設定が不適当であって
も、φ2q=0の条件が満足され、ベクトル制御が行わ
れる。
【数15】 式の右辺第2項は、(13)式に従い測定したr1+r2´
に基づき
【数16】 として求めたri1d=im*より、r1とim*の乗算で
き、また第3項はω1*(=ω1)と(14)式に従い測定
したl1+l2´及びi1*(=i1q)の乗算により求め
ることができる。したがって、edはv1dよりこれら第
2,3項を引算して求められる。
【0009】〔L1の測定〕i1d=im*=φ*/L1*,
1q=it*(速度調節器出力)、ω1=ω1*(φ2q=
0を満足する周波数)に制御すれば、φ2q=0よりi1
q=ωs21dが成立するため、(11)式は次式のよ
うに表わせる。
【数17】 したがって、v1q,ω1*(=ω1)及びim*=(i
1d)に基づいてL1を測定できる。ここで、漏れインピ
ーダンス降下ω111d及びr11qは、ω111
に比べ小さいので無視してもよいが、考慮する場合は、
1を次式のようにおき、
【数18】 また、r1を(16)式のように近似して、これらとim
*(=i1d),it*(=i1q)及びω1*(=ω1)を用
いてインピーダンス降下を演算し、これらをv1qから
差し引くことによりL1を精度よく測定できる。また、
鉄心飽和を考慮する必要があるが、それにはv1qが定
格のときim*及びL1を求めるようにすればよい。
【0010】〔T2の測定〕前述と同様に、i1d=im*
=φ*/L1,i1q=it*,ω1=ω1*(φ2q=0)か
つi1dをステップ状に変化させる条件を設定する。な
お、この条件は、電流制御系の応答が速いため、im*を
ステップ変化させることで実現される。 φ2q=0及び P(l1+L1)l1q+PMi2q《ω1(l1+L1)i1
111q《ω1(l1+L1)i1d を考慮すれば
【数19】
【数20】 ここで、1はステップ関数である。さらに(20)式を
用いて(19)式のi2dを消去すれば
【数21】 ここで、(21)式の右辺第2項は、i1dのステップ
変化に対して、時定数がT2の1次遅れ変化をする。し
たがって、v1qよりω1(l1+l2´)i1dを差し引
いた値が、その終期値に対して63%に達するまでの時
間を計測すれば、T2が求められる。なお、ω1(l1
2´)i1dは、先に測定したl1+l2´及びω1*,i
m*の乗算により求められるが、右辺第2項に比べ十分小
さいから、これを無視してもよい。なお、ここで求めら
れる2次時定数T2sは、
【数22】 であり、2次及び1次有効インダクタンスL2s,L1s
鉄心飽和の程度(im*の大きさ)により変化するため、求
めるべきT2と異なる。T2への換算は次式にて示され
る。
【数23】 ここで、L1は先に測定されており、また、L1sは次式
にて示される。
【数24】 ここに、v1qi,i1di,v1qE,i1dEはi1
のステップ変化前後のv1q及びi1dである。
【0011】〔Jの測定〕機械系の慣性モーメントJ
は、前述したL1及びT2の測定結果に基づいて、演算器
10及び6の制御定数を設定し、加減速法により測定す
る。 φ2q=0により、 i2q=−〔M/(i2+L2)〕i1q が成立するため、トルクは次式で与えられる。
【数25】 ここに、P:極対数, φ2:2次鎖交磁束 すなわち、φ2(=Mi1d)が一定の条件では、トルク
はi1q(=it*)に比例する。したがって、(26)式
に基づいてJを(27)式に従い測定できる。
【数26】 ここに、T:負荷トルク、 ω:回転角速度
【数27】 ここに、K=3Pφ*(定数) Δωra,Δωrd:加減速時の速度変化幅 ここで、右辺第1項は加速時、第2項は減速時に対応す
る。各積分は加速及び減速のそれぞれについて行い、そ
れらの平均をとる理由は、負荷トルクの影響を除くため
にある。r,l,L1,T2,Jの各演算は、電動機定数
演算器16において行われ、その測定結果に基づいてベ
クトル制御の制御定数が設定される。それらの演算処理
にはベクトル制御用マイクロプロセッサがプログラムを
変更して用いられる。図3〜図8にそのフローチャート
を示す。以下、その内容を説明する。いま、始動スイッ
チが投入されると、図3に示すフローが開始され、ブロ
ック31にて電動機定数の自動測定を行うかどうかの判
定を行う。すでに測定済で再度行う必要がない場合に
は、ブロック34にジャンプされ、記憶要素に書込まれ
た電動機定数を用いてベクトル制御に必要な演算、すな
わち速度指令ωr*に応じてim*,iA*及びsinω1*
t,cosω1*tを出力する演算を行なう。一方、測定
を実施する場合は、ブロック32において、図4に示す
順序に従い、電動機定数を演算し、その結果を記憶要素
に記憶し、次に、ブロック33にてその測定結果を基に
ブロック34において用いられるベクトル制御の制御定
数を演算し、記憶要素に記憶する。次に、ブロック34
においてベクトル制御の演算を上述の制御定数を用いて
行い、電動機を速度制御する。
【0012】電動機定数の測定は、図4に示すようにブ
ロック41〜44まで4つのモードがあり、順に、r1
+r2′及びl1+l2′,T2,Jの各測定を行う。各測
定原理については前述したので、以下では各測定の手順
について、図5〜図8のフローチャートを用いて説明す
る。 〔r1+r2′,l1+l2′の測定〕図5に示すように、
先ず、ブロック51にてit*=0,im*,ω1*を所定値
に設定する。次に、ブロック52にてv1d,v1qの信
号を取込み、ブロック53にて(13)式よりr1+r2
を演算、またブロック54にて(14)式に従いl1
2′を演算する。 〔L1の測定〕図6に示すように、先ず、ブロック61
にて、im*を電動機容量に応じて概略の標準値に設定
し、it*及びω1*を設定原理に述べたように制御して、
ωrを所定値まで徐々に上昇させ加速する。次に、ブロ
ック62にてv1qの信号を取込み、ブロック63にて
m*を変化させ、v1qが定格値となるときのim*を記
憶する。ブロック64にて(17)式に従いL1を演算す
る。 〔T2の測定〕図7に示すように、ブロック71にて、
m*を上述の定格値に設定し、it*,ω1*を制御してω
rをL1の測定に引き続き所定値に保つ。次に、ブロック
72にて、im*のステップ変化を行い、ブロック73に
て、その変化時点より所定時間v1qを取込み記憶す
る。次に、ブロック74にて、記憶されたv1qの変化
が終期値の63%に達するまでの時間よりT2を演算す
る。さらに、ブロック75にて、(23)式に従い鉄心飽
和の影響を補正する。 〔Jの測定〕図8に示すように、先ず、ブロック81に
て、励磁電流演算器10及びすべり周波数演算器6の制
御定数を前述のL1,T2に基づいて設定する。その後
は、起電力成分検出器15の出力信号は加算器7に加え
る必要がない。そして、ωrを所定値まで上昇、加速す
る。次に、ブロック82にて、回転速度をΔωraだけ加
速し、その後、Δωrd(=−Δωra)だけ減速し、その
間のit*を記憶する。ブロック83にて、加速及び減速
時におけるit*の累積演算を求め、ブロック84にて、
その累積値をΔωra,Δωrdで除してJを演算する。以
上の測定結果に基づいて、制御定数を設定し、その後、
ベクトル制御による速度制御を行う。
【0013】以上述べたように、本発明によれば、ベク
トル制御装置を利用して電動機定数を簡便に測定し、そ
の測定結果に基づいて自動調整を行うため、試運転調整
の手間が大幅に削減され、また、電動機及び負荷の変更
時においても同様に調整不要、取扱いが容易なベクトル
制御装置を提供できる。
【0014】図9は、本発明の他の実施例であり、速度
センサを用いないベクトル制御装置への適用例を示す。
先ず、同装置の動作を述べる。詳細は特願昭57−17
3184(特開昭59−63998)及び特願昭58−
29143に述べているので、ここでは簡単に述べる。
図9において、1〜3,5〜8,11〜13は図1のも
のと同一物であるので説明を省略する。14,15は演
算内容は図1のものと同一であるが、本装置においては
ベクトル制御のための構成要素である。これらは回転速
度を直接検出する代りに、電動機電圧に基づいて回転速
度を演算推定し、速度制御を行うために、また誘導起電
力を基準としてそれに平行(同位相)なトルク電流成分
及びそれに直交(90度位相差)な励磁電流成分を各指
令値it*,im*に応じて制御し、それらの合成に従い電
動機電流i1を制御してベクトル制御を行うために用い
られる。17は誘導起電力のq軸成分を検出する起電力
検出器、18は励磁電流指令器、19は周波数指令ω1*
と起電力検出信号eqの偏差に応じて励磁電流指令の補
正分Δim*を出力する起電力調節器、20は励磁電流指
令im**と補正分Δim*の加算点、21は起電力検出信
号eqからすべり角周波数の推定値ωsを減算し、回転速
度の推定値を取り出す減算点である。この装置において
も、前述した(1)〜(3)式に従い電動機電流を制御し
て、ベクトル制御を行うことに変りはない。ここで、
(1)及び(2)式に関係した制御は、図1と全く同様であ
るが、(3)式に関係した制御は、前記実施例のように速
度検出信号ωrとすべり周波数指令ωs*の和に応じて周
波数ω1を制御する代りに、起電力成分検出器15によ
り検出されたedに応じ、ed=0となるようω1を制御
して行う。このとき、φ2q=0が成立し、その結果
(3)式が満足される。一方、本装置には、誘導起電力を
周波数に比例して制御する起電力調節器19が設けてあ
り、次に述べる動作に従い磁束を一定に制御する。すな
わち、起電力検出器17において次式に従い起電力eq
を検出する。
【数28】 ここで、v1qは電圧成分検出器14の出力信号であ
る。調節器19において、ω1*とeqの偏差に応じてΔ
m*を取り出し、im*及びeqを制御する。このとき、
次式の関係が得られる。
【数29】 ここで、ω1=ω1*であるゆえ、φ2d=φ2d*(設定
値:一定)となり、磁束は一定に制御される。なお、励
磁電流指令器18の指令im**は、Δim*が定常時にお
いてΔim*=0となるような値に設定される。次に、速
度制御は次のようにして行う。減算点21において、e
q(前述した を出力し、速度制御を行う。
【0015】以上が本装置の動作であるが、制御定数の
設定のために、次のように電動機定数が必要である。 1)起電力成分検出器15及び17における漏れインピ
ーダンス降下の演算のために、1次抵抗r及び漏れイン
ダクタンスl 3)起電力調節器19のゲイン設定のために、励磁イン
ダクタンスL1及びT2 4)速度調節器5のゲイン設定のために、慣性モーメン
トJ これら電動機定数の測定原理は、前述したものと同じで
あるが、各測定におけるベクトル制御関係の条件設定が
図6〜図8のものと異なるところがあるので、それらに
ついて図10〜図12のフローチャートを用いて説明す
る。L1,T2,Jの測定に先立ち、速度調節器5及び起
電力調節器19は、JあるいはL1,T2にかかわらず常
に系の安定がとれるようゲインを設定する。また、すべ
り周波数演算器6のT2は、電動機の出力容量に応じて
概略の標準値に設定する。その後L1,T2,Jの順で以
下のように測定する。 〔L1の測定〕図10に示すように、先ず、ブロック1
01にて(29)式に示すφ2d*を電動機の電圧定格に応
じ設定し、im**を電動機容量に応じ概略の標準値に設
定する。そして、it*及びω1*をベクトル制御に従い制
御してωr*を所定値まで徐々に上昇させて加速する。次
にブロック102にて、Δim*が略零となるようにim*
*をim**−Δim*に変更する。次に、ブロック103に
て、v1q及びim*の信号取込みを行い記憶する。ブロ
ック104にて、(17)式に従いL1を演算する。 〔T2の測定〕図11に示すように、先ず、ブロック1
11にて、速度調節器5の出力信号it*及び起電力調節
器19の出力信号Δim*をそれまでの値に保持し、ωr*
をL1の測定に引き続き略所定値に保つ。次に、ブロッ
ク112にて、im*のステップ変化を行い、以下は図7
と同一である。なお、ブロック113の終了後は、it*
及びΔim*の保持を解除し、元通りの速度制御を行う。 〔Jの測定〕図12に示すように、先ず、ブロック12
1にて、起電力調節器19及びすべり周波数演算器6の
制御定数を前述のL1,T2に基づいて設定し、ベクトル
制御により回転速度ωrを所定値に保つ。次に、ブロッ
ク121にて、ωrをΔωrだけ加減速し、以下は図8と
同一である。以上の測定結果に基づいて各制御定数を設
定し、その後、ベクトル制御による速度制御を行う。以
上述べたように、本実施例においても、前述した発明の
効果が得られる。
【0016】なお、前記実施例においては、T2の測定
はim*のステップ変化に対するv1qの変化から求める
方法を述べたが、次のような方法によっても測定でき
る。すなわち、起電力検出器15から加算器7に加えら
れる信号Δωsは、すべり周波数演算器6の出力信号が
適正であれば零となる。したがって、演算器6の出力信
号がωs*+ΔωsとなるようにT2を設定変更すれば、そ
のときのT2が求めるべきものである。すなわち、T2
次式で与えられる。
【数30】 ここに、 T2*:設定変更前の2次時定数 ωs*:設定変更前の演算器6の出力信号 Δωs:設定変更前の検出器15の出力信号 また、前述したベクトル制御装置においては、周波数指
令ω1*をωrとωs*の加算により求め、さらに2相交流
信号sinω1*t,cosω1*tを作り、電流指令i1*
を演算する方式について説明したが、他の方式であって
も(1)〜(3)式の関係に電流を制御することにおい
て同一であり、同様に本発明が適用できる。また、電動
機を駆動する変換器はインバータに限らずサイクロコン
バータ等であってもよい。さらに本発明は、誘導電動機
を対象とするものに限らず、同期電動機駆動にも適用で
きる。
【0017】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、ベ
クトル制御装置を利用し、負荷トルクの影響を排除して
簡便ににかつ高精度に慣性モーメントJを測定すること
ができ、その測定結果に基づいて制御定数を最適に設定
することができるので、試運転調整の手間が大幅に削減
され、また、電動機及び負荷の変更時においても同様に
調節不要、取扱いが容易なベクトル制御装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すベクトル制御装置の回
路構成図
【図2】本発明の動作原理を説明するためのベクトル図
【図3】本発明における演算内容のフローチャート
【図4】本発明における演算内容のフローチャート
【図5】本発明における演算内容のフローチャート
【図6】本発明における演算内容のフローチャート
【図7】本発明における演算内容のフローチャート
【図8】本発明における演算内容のフローチャート
【図9】本発明の他の実施例を示すベクトル制御装置の
回路構成図
【図10】本発明の他の実施例における演算内容のフロ
ーチャート
【図11】本発明の他の実施例における演算内容のフロ
ーチャート
【図12】本発明の他の実施例における演算内容のフロ
ーチャート
【符号の説明】
1 インバータ 2 電動機 14 電圧成分検出器 16 電動機定数演算器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 潤一 茨城県日立市大みか町5丁目2番1号 株 式会社日立製作所大みか工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電動機に可変周波数の交流を供給す
    る変換器を制御するところの、交流電動機電流のトルク
    電流成分と励磁電流成分を各指令に応じて制御するベク
    トル制御装置の自動調整方法において、前記電動機を加
    減速運転し、そのときの前記電動機の回転速度変化量と
    前記電動機電流のトルク電流成分とに基づいて、前記電
    動機の回転子と該回転子に結合される負荷装置の慣性モ
    ーメントを測定し、その結果を基に前記ベクトル制御装
    置の制御定数を自動設定するようにしたことを特徴とす
    るベクトル制御装置の自動調整方法。
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Cited By (3)

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