JPH0620952Y2 - 細径配管接続用接手 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、一般に自動車或いは各種の機械、装置等に給
油、給気の供給路等として配設される管径太さ20m/m程
度以下の比較的細径からなる金属管或いは樹脂チューブ
（以下単に配管と称す）の接続用接手の構造の改良に関
するものである。

［従来の技術］ 従来、この種の接続用接手としては例えば第３図に示す
ように、軸芯内部に先端の流通孔(24)に連って段付き小
径室(22)と段付き拡径室(23)を貫設し、且つ後周壁部を
掛支壁(23′)とする接手本体(21)の該掛支壁の内周面部
に、先端側の対向する部位に先方に傾斜する爪壁(26,2
6′)を有するソケット体(25)の後端周壁(25′)を装着
し、該爪壁部を接手本体(21)側の前記拡径室(23)の周壁
に穿設した長孔からなる係合孔(27,27′)部に掛合して
組付け、配管(P′)端部附近に設けて拡径室(23)に組付
けられる膨出壁部をその接続状態にあって、前記爪壁(2
6,26′)により弾発状に係合可能に構成されていた。

［考案が解決しようとする課題］ さて、このような接続用接手では、爪壁(26,26′)は、
配管(P)を組付けてない位置（即ち、爪壁が斜め上方又
は下方へ向いた位置）と配管(P)の外周面と係合してや
ゝ立上った位置（即ち、第３図の位置）との間で一定の
径方向のスナップ量（変位量）を具備するよう弾発性材
料で形成されている。しかしながら前記した従来の技術
ではソケット(25)をその後端周壁(25′)をもって接手本
体(21)側の後周壁部をなす掛支壁(23′)の内周面に装着
するものであり、前記スナップ量を考慮すれば少くとも
ソケット(25)の厚さだけ掛支壁(23′)を径方向外方へ大
径としなければならず、更に、ソケット体(25)の掛支壁
(23′)への装着に際しソケット体(25)側の突設した爪壁
(26,26′)を縮径しつつ該爪壁の付根部分の外周が掛支
壁(23′)の内側を通過して後方から装着する構造によっ
ても、当然製品全体が大径となることを余儀なくされ、
従って配設時の狭い場所での使用に他の部品との干渉を
招いてしばしば不具合を生ずる問題を有するものであっ
た。更に前記大径に関連してソケット体(25)側の爪壁(2
6,26′)をも長寸となすため、配管(P′)の膨出壁部での
弾発状の係合力を弱め、疲労とに相乗して長期に亘り確
実な接続を維持できない等の問題を有するものであっ
た。

本考案は従来の技術を有する前記問題に鑑みてなされた
もので、小径のソケット体が使用でき接手本体を含む製
品全体を径方向にコンパクトとなし、従って配設に際し
て狭い場所での干渉等による不具合の憂いを軽減するこ
ができる。同時に、ソケット体の装着時に接手本体の前
方からの装着によって該装着作業を容易となし、又、小
径のソケット体によって爪壁を比較的短寸にできるた
め、配管の膨出壁部への弾発状の係合を充分に発揮する
ことができて長期に亘り確実に接続を維持することがで
きる細径配管接続用接手を提供することを目的とするも
のである。

［課題を解決するための手段］ 本考案は上記目的を達成するため、軸芯内部に先端の流
通孔に連って段付き小径室と、その後方に段付き拡径室
とを貫設し、且つ該拡径室の後周壁部を掛支壁とする接
手本体の前記小径室側にシールリング部材を内装すると
共に、その後方に短寸状の円筒ブッシュを挿着し、更に
拡径室部にあって前記掛支壁の周面部に、その先端側の
対向する部位に先方に傾斜する爪壁を突設した別体のソ
ケット体を装着して該爪壁部を接手本体側の前記拡径室
の周壁に穿設した長孔からなる係合孔部に掛合して組付
け、配管の接続端部附近に設けた外方への環状膨出壁を
前記拡径室に組付けた接続状態にあって、爪壁の先端部
により配管側の膨出壁部を弾発状に係合可能に構成した
接続用接手において、前記接手本体の拡径室の後周壁部
に外方への鍔壁を突設し、且つソケット体側の後端周壁
部を前記接手本体の後周壁部の外周側に位置して該鍔壁
部に掛支して装着した細径配管接続用接手を要旨とする
ものてある。

［作用］ 本考案はこのように構成されているため、ソケット体側
の後端周壁部を接手本体側の外径より僅かに大きな内径
を有する成形により、装着に際して該ソケット体の接手
本体の前方から容易に行うことができ、該ソケット体の
後端周壁部を鍔壁部に掛支して装着することになり、同
時に爪壁部を接手本体の拡径室部でのそれぞれの係合孔
部に掛合して組付けることとなる。

［実施例］ 以下本考案の実施例を図面に基づいて説明すれば、第１
図は本考案の細径配管接続用接手の接続状態時の一部切
欠きによる縦断面図、第２図は第１図のソケット体の全
体の正面図であって、(1)は金属材或いは樹脂材からな
る接手本体であり、軸芯内部に先端の樹脂チューブ或い
はゴムホース（図示せず）等との連結壁を有する流通孔
(4)に連って小径室(2)とその後方に段付き拡径室(3)と
を貫設し、且つ該拡径室の後周壁部に外方への鍔壁(10)
を有して掛支壁(3′)となすものである。(6)はゴム材等
の弾性体によるシールリング部材であり、前記小径室
(2)側にスペーサ等を介在して所望に応じて複数個が内
装され、その後方で該シールリング部材を保持するよう
拡径室(3)側の段付き部に係合する鍔壁を有する短寸状
の円筒ブッシュ(7)が装着されている。(8)は金属バネ材
或いは樹脂材によりその後端周壁(8′)部を接手本体(1)
側の外径より僅かに大きな内径を有して成形されたソケ
ット体であり、その先端側の対向する部位に先方に傾斜
する爪壁(5,5′)を有して該爪壁部を接手本体(1)側の拡
径室(3)の周壁に穿設した長孔からなるそれぞれの係合
孔(9,9′)に掛合して組付けると共に、該ソケット体側
の後端周壁(8′)部を前記掛支壁(3′)の後周壁部の外周
側に位置して鍔壁(10)部とに掛支して装着されるもので
ある。尚掛支壁(3′)のソケット体(8)の装着部と接手本
体(1)の外周面の外径はソケット体(8)の後端周壁(8′)
部の内径と略合致している。(P)は配管であって、該配
管の接続端部附近に設けた外方への膨出壁部を前記拡径
室(3)に組付けた接続状態で前記爪壁(5,5′)の先端部に
より弾発状に係合可能に接続するものである。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案による細径配管接続用接手
は、前記接手本体(1)の拡径室(3)の後周壁部にソケット
体(8)側の後端周壁(8′)部を、特に接手本体の後周壁部
の外周側に位置して鍔壁(10)部に掛支して装着するた
め、爪壁(5,5′)のスナップ量を考慮して前記ソケット
体(8)の後端周壁(8′)部の少くとも厚さだけ掛支壁
(3′)の内径を小径にして成形することができ、接手本
体(1)を含む製品全体を径方向にコンパクトにすること
ができ、又、前記ソケット体(8)を掛支壁(3′)部の周面
部へ装着するに際して接手本体(1)の前方から後方へ軸
方向に移動させることによりそのまゝ装着を行うことが
でき、従って配設に際して装着作業を容易にすると共
に、狭い場所での干渉等の不具合を軽減し、更に小径の
前記ソケット体(8)によって爪壁(5,5′)部を比較的短寸
となすため、配管(P)の膨出壁部の弾発状の係合を確実
とし、該爪壁部での疲労の軽減とに相乗して長期に亘り
接続を維持することのできる等、極めて有用な細径配管
接続用接手である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す細径配管接続用接手の
接続状態時の一部切欠きによる縦断面図、第２図は第１
図のソケット体の全体の平面図、第３図は従来例を示す
接続用接手の接続状態時の一部切欠き縦断面図である。 (1)…接手本体、(3)…拡径室、(8)…ソケット体、(8′)
…後端周壁、(10)…鍔壁

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】軸芯内部に先端の流通孔に連って段付き小
   径室と、その後方に段付き拡径室とを貫設し、且つ該拡
   径室の後周壁部を掛支壁とする接手本体の前記小径室側
   にシールリング部材を内装すると共に、その後方に短寸
   状の円筒ブッシュを挿着し、更に拡径室部にあって前記
   掛支壁の周面部に、その先端側の対向する部位に先方に
   傾斜する爪壁を突設した別体のソケット体を装着して該
   爪壁部を接手本体側の前記拡径室の周壁に穿設した長孔
   からなる係合孔部に掛合して組付け、配管の接続端部附
   近に設けた外方への環状膨出壁を前記拡径室に組付けた
   接続状態にあって、爪壁の先端部により弾発状に係合可
   能に構成した接続用接手において、前記接手本体(1)の
   拡径室(3)の後周壁部に外方への鍔壁(10)を突設し、且
   つソケット体(8)側の後端周壁(8′)部を前記接手本体の
   後周壁部の外周側に位置して該鍔壁部に掛支して装着し
   たことを特徴とする細径配管接続用接手。