JPH06208384A - 楽音発生装置 - Google Patents

楽音発生装置

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JPH06208384A
JPH06208384A JP5017878A JP1787893A JPH06208384A JP H06208384 A JPH06208384 A JP H06208384A JP 5017878 A JP5017878 A JP 5017878A JP 1787893 A JP1787893 A JP 1787893A JP H06208384 A JPH06208384 A JP H06208384A
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玄 和泉沢
Hiroshi Sato
浩 佐藤
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 複数のDCOを組み合わせ楽音を発生する電
子楽器において、再生周波数帯域が高く量子化ノイズ除
去が困難な楽音成分信号は、元波形を記憶させる際に、
第2の変換手段により高調波を強調変換して記憶するこ
とにより、圧縮されたデータでも音質を損なうことな
く、波形メモリを大幅に節減した低価格の楽音発生装
置。 【構成】 元波形6データを記憶手段1に記憶させる際
に、元波形データの周波数特性に応じた変換を行ってデ
ータを圧縮記憶させる第2の変換手段7と、楽音発生装
置が楽音を発生する際には、記憶手段から読み出された
波形データに応じて楽音成分信号を発生させる楽音信号
発生手段2と、楽音信号発生手段が発生したデジタル楽
音成分信号の合成手段3と、生成された楽音成分信号を
アナログ信号に変換するD/A変換手段4と、D/A変
換手段により変換されたアナログ楽音成分信号のノイズ
を除去する第1の変換手段5で構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子楽器に用いられる
楽音発生装置に関し、特に複数のデジタルコントロール
オシレータがそれぞれ独立して構成され、該デジタルコ
ントロールオシレータの発生する楽音成分信号を組み合
わせて楽音を発音する波形読み出し方式の電子楽器の楽
音発生装置において、波形メモリに元波形データを記憶
させる際に、楽音の音質を損なうことなく波形メモリを
圧縮した楽音発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子オルガン、電子ピアノ、シン
グルキーボード、シンセサイザ等の電子楽器に用いられ
ている楽音発生装置は、発音源としてのデジタルコント
ロールオシレータ(以下、「DCO」という)を複数個
備えており、このDCOを組み合わせて発音することに
より、例えば操作パネル等で指定された音色やキーボー
ドで指定された音域等に応じた楽音信号を発生するよう
になっている。
【0003】これらの波形読出し方式の音源において、
例えば8ビット精度と波形メモリの精度を低くすると波
形メモリの量は半分になるが、例えばホワイトノイズの
ような量子化ノイズが発生し充分な音質が得られない。
【0004】このため、楽音信号の高域成分を減衰させ
る特性のフィルタを掛けることも考えられるが、高調波
を含んだ波形の場合、ローパスフィルタ(以下「LP
F」という)を通すと楽音の部分までカットされてしま
うので好ましくないとされている。
【0005】一般に、量子化ノイズを除去する目的でL
PFを用いる場合、低い周波数帯域の楽音信号に対して
は非常に大きな効果があるが、高調波を多く含む広い再
生周波数帯域の楽音に対しては、フィルタのカットオフ
周波数を下げることができずノイズを除去することはで
きない。
【0006】さらに、従来の楽器のように各楽音成分信
号が合成されて楽音信号となった最終的な段階でLPF
を使用すると音が丸くなってしまうという問題点があ
る。従って、このような量子化ノイズを除去するための
有効な対策は考えられておらず、音質を保つため波形メ
モリには通常16ビットのメモリが使用されている。
【0007】図5は複数の出力系列を持つ従来の電子楽
器の楽音を形成する部分の基本構成を示す図である。
【0008】例えば、電子ピアノの場合、図5に示すよ
うに、1鍵に対応する楽音を発生するために3種類の楽
音成分(弱打成分、強打成分及び打撃成分)の波形デー
タを記憶する波形メモリ91〜93、及びこれらに対応
して設けられ弱打成分信号、強打成分信号及び打撃成分
信号をそれぞれ生成する3つのオシレータDCOa 9
4、DCOb 95、DCOc 96が設けられている。
【0009】そして、1つの鍵が押下されると、該鍵の
押鍵に応じた波形データが波形メモリ91〜93から読
み出され、各オシレータDCOa 94、DCOb 95、
DCOc 96でそれぞれの楽音成分信号が生成される。
【0010】生成された楽音成分信号は、各オシレータ
DCOa 94、DCOb 95、DCOc 96にそれぞれ
接続されているD/A変換器97〜99によりアナログ
楽音成分信号に変換され、これらが加算器90により1
つに合成されて、1鍵に対する最終的な楽音信号とな
る。
【0011】このため、従来の電子楽器に用いられる楽
音発生装置(音源)には、種々の音色に応じた複数の楽
音波形データを記憶する波形メモリ91〜93を備えて
いる。
【0012】そして、この波形メモリ91〜93から、
例えばパネルスイッチ等で指定された音色に応じた楽音
波形データを選択し、これを鍵盤で指定された音高に応
じた速度で読み出し、これらを合成して1つの楽音信号
を発生し、この楽音信号を音響回路に供給することによ
り、またはフィルタリングして音響回路に供給すること
により放音するようになっている。
【0013】なお、例えば電子ピアノは、上記のDCO
a 94、DCOb 95、DCOc 96の3つのオシレー
タを1セットとする楽音信号発生回路を、通常、ポリフ
ォニック数(同時発音数)分だけ備えている。
【0014】このため膨大な波形メモリ91〜93が必
要となるので、実際には各音色に対応する立ち上がり部
の全波形と、それに続く波形の一部を記憶し、立ち上が
り部の波形を一通り読み通したあとは一部の波形を繰り
返して読み出すことにより音質を損なうことなくメモリ
容量の節約を図る(特開昭59ー188697)。
【0015】または、楽音成分により発音時間の異なる
特性を利用して、発音時間に応じて楽音信号発生手段を
グループ化して発音時間の短いグループは楽音信号発生
手段の数を減じ、割り当て手段によりコントロールして
同時発音数を確保する(特開平4ー131899)等の
手段が講じられている例もある。
【0016】さらに、音質保持のためにフィルタを使用
し、フィルタのパラメータを音色の変化に応じてコント
ロールする例(特開平2ー66597)や、量子化ノイ
ズ成分の周波数帯域に対応する周波数成分のレベルをア
ップした波形データを記憶し、該データを読み出すとき
にフィルタを使用してノイズを除去する(特開昭62ー
294294)等の例もある。
【発明が解決しようとする課題】
【0017】前述のように、弱打成分は帯域幅が狭いの
で不要な高次音が発生することなく、フィルタをかける
ことにより容易に高音質の楽音が得られるが、強打成分
は帯域幅が広く不要な高次倍音が多数発生するので、フ
ィルタをかけても高音質の楽音が得られないという問題
点があった。
【0018】このため、良好な音質を保持するために波
形データのメモリ精度を高くし、例えば16ビット精度
のメモリを使用しているが、楽音発生装置の波形メモリ
は弱打成分、強打成分及び打撃成分等の各データを例え
ば低音域用、高音域用等、各音域ごとに記憶しておく必
要があるので、膨大なメモリが必要であり、装置が高価
になってしまうという欠点があった。
【0019】本発明は、上記の事情に鑑みなされたもの
で、複数のDCOを組み合わせて楽音を発生する電子楽
器において、例えば再生周波数帯域が高く量子化ノイズ
の除去の困難な楽音成分信号は、元波形を記憶手段に記
憶させる際に、第2の変換手段により高調波を強調する
変換をかけて記憶させることにより、再生周波数帯域の
高い楽音信号のノイズも除去可能にするものである。
【0020】これにより圧縮されたデータでも音質を損
なうことなく発音し、波形メモリを大幅に節減した低価
格の楽音発生装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】図1は本発明にかかる楽
音発生装置の原理説明図である。
【0022】本発明の楽音発生装置は、元波形データ6
を記憶手段1に記憶させる際に、第2の変換手段7によ
り、前記元波形データ6の周波数特性に応じた変換を行
って記憶させる。
【0023】また、楽音発生装置が楽音を発生する際に
は、楽音信号発生手段2が前記記憶手段1から読み出し
た波形データに応じた楽音成分信号を発生させ、合成手
段3は前記楽音信号発生手段2が発生したデジタル楽音
成分信号を合成して楽音信号を生成し、D/A変換手段
4が前記合成手段3により生成された楽音信号をアナロ
グ信号に変換し、第1の変換手段5が前記D/A変換手
段4により変換されたアナログ楽音信号のノイズを除去
するように構成する。
【0024】第2の発明は、上記第1の発明における前
記記憶手段1を構成する各波形メモリは8ビット精度の
メモリで構成される。
【0025】第3の発明は、上記第1の発明における前
記第2の変換手段7の行う変換は、高調波を多く含む広
い再生周波数帯域の楽音信号を対象とし、第2の変換手
段7の行う変換は前記第1の変換手段5の逆特性である
ように構成される。
【0026】第4の発明は、上記第1の発明における前
記第1の変換手段5は1個のローパスフィルタで構成さ
れる。
【0027】
【作用】一般に高調波のようなスペクトルの帯域幅の広
い楽音信号のノイズの除去は困難といわれている。しか
しながら、このような楽音信号も予めこの楽音信号の出
力系列のフィルタの逆特性のフィルタをかけて高域を強
調する形で処理をし、これをメモリに記憶する。
【0028】これにより、高調波を多く含む広い周波数
帯域の楽音を再生する場合でも、原音の音質を損なうこ
となく出力系列のフィルタ5のカットオフ周波数を下げ
ることができるので、通常のフィルタによるノイズの除
去が可能となる。
【0029】本発明は、かかる特性に着目してなされた
ものであり、複数のDCOを組み合わせて楽音を発音す
るように構成された複数の発音系列を有する楽音発生装
置において、波形メモリ1に元波形6を記憶させる際
に、第1の変換手段5によるノイズ除去の容易な弱打成
分及び打撃成分の波形データはそのまま波形メモリに記
憶させるが、高調波を多く含みノイズ除去の困難な強打
成分の元波形6は、第2の変換手段7により出力系列の
第1の変換手段5の逆特性のフィルタをかけて高域を強
調する形で処理してから波形メモリ1に記憶させる。
【0030】これにより、高調波を多く含む強打成分の
波形データのビット精度を落として圧縮して波形メモリ
に記憶させても、楽音成分信号再生の際に発生する量子
化ノイズは出力系列に有する第1の変換手段により除去
される。
【0031】このように、系列毎に変換方法を変え、あ
る音域、または、あるDCOだけ逆特性をかけることに
より、高調波を多く含む広い再生周波数帯域の楽音の場
合でも、原音の音質を損なうことなく、出力系列のフィ
ルタ5のカットオフ周波数を下げることができるので、
楽音データを低精度のメモリに格納可能となり、膨大な
容量のメモリを必要とせず、低価格の楽音発生装置を提
供できる。
【0032】
【実施例】以下、図面を参照しながら本発明にかかわる
楽音発生装置の全体構成について説明する。なお、図1
と同一または相当部分には同一の符号を付して説明す
る。
【0033】図2は、本発明にかかわる楽音発生装置を
適用した電子楽器の全体的な構成を示す概略ブロック図
である。
【0034】図において、キーボード部11は、複数の
キーを有するキーボードで構成され、各キーの押下の状
態を検知するためのキースキャン回路を含んでいる。
【0035】タッチセンサ11aは、前記キーボード部
11からの信号に応じてキータッチの強弱(速さ)を検
出するものである。上記各キーの押下の状態を示すデー
タ及びキータッチの強弱を示すタッチデータはCPU1
3に送られるようになっている。
【0036】パネル部12は、電源スイッチ、モード指
定スイッチ、メロディ選択スイッチ、リズム選択スイッ
チ等の各種スイッチを備えている。各スイッチのセット
状態は内部に含まれるパネルスキャン回路によって検知
されるようになっている。
【0037】中央処理装置13(以下「CPU」とい
う)は、リードオンリメモリ14(以下「ROM」とい
う。)のプログラムメモリ部41に記憶された制御プロ
グラムに従って当該電子楽器の各部を制御するものであ
る。
【0038】ROM14は、上述したCPU13を動作
させるプログラムを格納したプログラムメモリ部41の
他に、音色データメモリ部42を有している。この音色
データメモリ部42には、楽音成分信号を生成するため
のデータである周波数ナンバ、波形ナンバ、エンベロー
プ波形ナンバ、モードデータ等が記憶されている。その
他、種々の固定データも当該ROMに格納されている。
【0039】上記音色データメモリ42に格納されてい
る各データは、音色ポインタによって指定される。即
ち、パネル操作、鍵盤操作に応じて上記音色ポインタが
変更され、該変更された音色ポインタにより指定された
上記各データがROM14から読み出される。そして、
所定の処理が施されて楽音発生装置に供給される。
【0040】ランダムアクセスメモリ15(以下「RA
M」という。)は、CPU13の制御の下に、ROM1
4に記憶されているデータのうち必要なものが転送・格
納されるデータエリアやキーボード部11、タッチセン
サ11a及びパネル部12の各キーやスイッチの状態に
対応する放音に必要なデータがセットされる複数のレジ
スタ、楽音信号発生回路を未使用チャネルに割り付ける
ためのデータを記憶するアサイナメモリ等を含んでい
る。
【0041】楽音発生部2は、楽音成分信号を生成する
ものである。この楽音発生部2は、例えば弱打から強打
まで常に発音する音を生成する弱打成分楽音信号生成部
(以下「DCOa 」という)21や強打の時に大きな音
となる強打音を生成する強打成分楽音信号生成部(以下
「DCOb 」という)22、及び打鍵時の打撃音を生成
する打撃成分楽音信号生成部(以下「DCOc 」とい
う)23とから構成されており、CPU13からの制御
に応じてそれぞれ弱打、強打、打撃成分の楽音成分信号
を発生する。
【0042】なお、上記DCOa 21、DCOb 22、
DCOc 23は、全て同一の回路で構成されている。
【0043】また、楽音発生部2には波形データを記憶
する波形メモリ1及びエンベロープデータを記憶するエ
ンベロープ波形メモリ29が接続されている。
【0044】1は波形メモリであり、例えばROMで構
成される。この波形メモリ1は、楽音の波形データを記
憶するものであり、弱打、強打、打撃等の波形データが
記憶されている。また、この波形メモリ1は、DCOa
21、DCOb 22、DCOc 23によりアクセスされ
る。
【0045】なお、本実施例における波形メモリ1に
は、弱打成分用メモリ、強打成分用メモリ、打撃成分用
メモリがあり、何れも8ビット精度のメモリで構成され
ている。
【0046】エンベロープ波形メモリ29は、楽音成分
に応じた種々のエンベロープデータを記憶するものであ
る。このエンベロープ波形メモリ29は、楽音成分選択
レジスタの内容をアドレスとして所定のエンベロープデ
ータを選択し、出力するものである。
【0047】加算器3は、DCOa 21、DCOb 2
2、DCOc 23で生成された楽音成分信号を合成して
楽音信号として出力する周知のものである。該加算器3
で合成された楽音信号はD/A変換器4に供給される。
【0048】D/A変換器4は、入力されたデジタル楽
音信号をアナログの楽音信号に変換する周知のものであ
る。該D/A変換器4で変換されたアナログ楽音信号は
LPF5に供給される。
【0049】LPF5は、D/A変換器4で変換された
アナログ楽音信号をフィルタリングしてノイズを除去し
て楽音信号を生成するものである。このLPF5の出力
は、サウンドシステムに供給されるようになっている。
【0050】サウンドシステム19は、例えばスピーカ
ー又はヘッドホンで構成され、LPF5から送られた電
気信号としてのアナログ楽音信号を音響信号に変換し放
音する周知のものである。
【0051】なお、図2の波形メモリ1及びエンベロー
プ波形メモリ29は、各楽音信号発生回路で共通に使用
されるメモリであり、それ以外の部分は各楽音信号発生
回路で個々に備えているハードウエアである。
【0052】また、上述したタッチセンサ11a( キー
ボード部11)、パネル部12、CPU13、ROM1
4、RAM15、及び楽音発生部2はシステムバス10
により相互に接続されている。
【0053】かかる構成において、キーボード部11か
ら弱いタッチのベロシティが送られてくると、各DCO
21〜23のタッチカーブの相違により、DCOa 21
は発音するが、DCOb 22、DCOc 23は発音しな
い。したがって、LPF5を通った弱打成分のみが発音
され弱打の楽音が発生される。
【0054】キーボード部11から強いタッチのベロシ
ティが送られてくると、DCOa 21、DCOb 22が
発音する。従って、加算器3により合成された弱打成
分、強打成分及び打撃成分の合成音がLPF5を通って
ノイズを除去されたあとに発音される。
【0055】DCOc 23が発生する打撃成分は、タッ
チの如何に拘わらず常に発音する。
【0056】図3は本発明の実施例のDCOとその制御
系を示すブロック図である。
【0057】例えば電子ピアノの場合、上述のように周
波数が音高にほぼ比例する弱打成分、強打成分、及び周
波数が必ずしも音高に比例しない打撃成分の3つのDC
Oを組み合わせる方法で楽音を合成することが知られて
いる。
【0058】楽音信号のノイズを除去するためには、な
るべくカットオフ周波数の低いフィルタを使用すること
が望ましい。その点、弱打成分は高調波をほとんど含ま
ない低い周波数帯域の楽音信号であるから、通常の周波
数帯域の広い楽音信号に比べ、カットオフ周波数を低く
することが可能であり、相当のノイズ除去効果が実現さ
れる。
【0059】従って、弱打成分の波形データのビット精
度を16ビットから8ビットに落としても、波形データ
のビット精度が落ちたことにより発生する量子化ノイズ
は出力系列のフィルタ5を通すことにより、容易に量子
化ノイズを押さえることができるので、弱打成分は元波
形6a をそのまま波形メモリ1a に入れておいて読み出
す。
【0060】一方、強打成分は、高調波を多く含む広い
周波数帯域の楽音信号である。そのため、これらの楽音
信号を、元波形6b のまま出力系列のフィルタ5を通す
と高調波がカットされてしまい、原音に忠実な楽音の再
生ができない。
【0061】従って、強打成分の元波形6b は逆特性フ
ィルタ7b により高域を強調する形で出力系列のフィル
タ5の逆特性をかけて予め変換して波形メモリ1b に記
憶させ、読み出す際に、この逆特性の掛けられた楽音信
号のノイズをLPF5で除去する。
【0062】これにより、強打成分の元波形6b は高調
波を強調してあるので、ここで8ビットにしたときにノ
イズが出てもフィルタでカットしているので、結果的に
は元の音と同じ音が出て、量子化ノイズだけが小さくな
リ、再生された楽音信号は原音の特性に戻る。
【0063】そして、LPF5によりノイズを除去する
ことができるので、波形データのビット精度を落とすこ
とができ、強打成分のメモリ容量を圧縮することが可能
となる。
【0064】打撃成分はスペクトルがないので逆特性フ
ィルタを入れる必要はない。従って元波形6cをそのま
ま波形メモリ1c に記憶させる。
【0065】このように、或る一部の系列だけ逆特性を
かける場合は、個々のDCO21、22、23や音域の
特性で調整することにより、出力側では最終的に1個の
フィルタ5でノイズの除去が可能となる。
【0066】かかる構成において、波形メモリ1a 〜1
c から読み出されたデジタル波形データはDCOa 21
〜DCOc 23でデジタル楽音成分信号に生成され、加
算器3に送られてデジタル楽音信号が生成される。
【0067】生成されたデジタル楽音信号は、D/A変
換器4によりアナログ楽音信号に変換されLPF5に供
給され、所定のフィルタ特性に従ってノイズが除去さ
れ、その出力はサウンドシステムに送られ放音する。
【0068】なお、本実施例のLPF5はアナログフィ
ルタであり、該LPF5のフィルタ特性は当該電子楽器
の楽音成分信号の周波数帯域に対応する量子化ノイズが
取り除かれるように予めセットされている。
【0069】以上述べたように、各波形メモリ1a 〜1
c は8ビット精度のメモリで構成され、再生周波数帯域
の低い楽音成分の波形データ、及び打撃成分の波形デー
タはそのまま記憶されているが、再生周波数帯域の広い
強打成分の波形データは、元波形6b を波形メモリ1b
に記憶させる際にLPF5の逆特性を有する逆特性フィ
ルタ7b により高調波を強調するように変換して記憶さ
れる。
【0070】そして、楽音を発生する際には、波形メモ
リ1の所定領域から読み出され、楽音発生部2により楽
音成分信号が発生され、LPF5でノイズが除去されて
楽音信号となる。
【0071】なお、上記実施例では、楽音発生部2の発
生する楽音成分として弱打成分、強打成分及び打撃成分
を用いて楽音信号を生成するように構成したが、楽音成
分信号の種類は上記の3系列に限定されるものではな
く、上記以外の成分、例えば中打成分等があっても良
い。
【0072】このため、用意する波形メモリ1及び楽音
信号発生回路は、発生する楽音成分信号の数に応じて、
その数を変えるように構成すればよい。
【0073】また、逆特性の量と抑制量は必ずしも同じ
である必要はない。例えばAの特性レベルで持ち上げた
楽音成分信号に対してBの特性レベルで抑制することに
より、高帯域の信号成分のレベルは差引き分だけ増減さ
れる。
【0074】例えば、高帯域成分のレベルが増強された
特性を持つ楽音成分信号を得た場合は原音よりはなやい
だ感じの音になる効果がある。従って目的に応じて逆特
性の量を調節してもよい。
【0075】上記実施例は、一部の波形データに逆特性
をかけてメモリを圧縮し、ノイズを除去するシステムで
あるが、元波形6を記憶させる際には全ての波形データ
に逆特性をかけることにより、出力系列5は特定の周波
数特性のフィルタを1つ使用してノイズを除去すること
も可能である。
【0076】この場合、ノイズ除去の効果によりメモリ
が圧縮可能となるのはいうまでもないが、その他にも、
D/A変換器で発生するノイズ等も軽減する効果があ
る。
【0077】図4は本実施例の応用例として、各DCO
21、22、23の全てのオシレータの元波形6a 、6
b 、6c を波形メモリ1a 、1b 、1c に記憶させる際
に、逆特性フィルタ7a 、7b 、7c を用いて各データ
の周波数特性に応じた逆特性をかけて記憶させた楽音発
生装置の一例を示すものである。
【0078】例えば電子ピアノの鍵盤のように音域が広
いと、同じ音でも音域によって再生周波数帯域が大きく
変化するため、同じ一つのLPF5を使用して全ての音
域にわたるノイズを除去することは困難であり、フィル
タ特性を変えないと良好な音質は得られない。従って、
本応用例のような構成にすると各DCO毎、各音域毎の
最適なフィルタ特性値の制御が可能となる。
【0079】また、逆特性フィルタ7a 、7b 、7c は
デジタルフィルタであるので、該フィルタ7a 、7b 、
7c が元波形6a 、6b 、6c のデータに基づく最適フ
ィルタ特性値をカットオフ周波数のデータとして持って
いれば、該データによりフィルタ特性値を任意に最適な
特性値に設定可能である。
【0080】従って、第1の変換手段5にデジタルフィ
ルタを使用する場合は、上記のデジタルフィルタの特性
により1個のデジタルフィルタ5で各DCO毎、音程毎
の楽音成分信号により特性値を切り換えることにより変
換することも可能となる。
【0081】かかる特性を利用して、本応用例のように
楽音データを波形メモリ1に記憶させる際に、全ての元
波形6a 、6b 、6c に該元波形6a 、6b 、6c の周
波数特性に応じた特性をかけて波形メモリ1a 、1b 、
1c に記憶させれば、楽音のノイズを除去する際には1
つのフィルタできめ細かなノイズの除去が可能となり音
質はさらに向上する。
【0082】以上詳細に説明したが、本発明は上記実施
例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々
変更可能である。例えば、本実施例のアナログフィルタ
の場合は、カットオフ周波数の条件は出力系列の数に制
限されるが、デジタルフィルタの場合は、各DCO毎、
音域毎に、そのカットオフ周波数をデータとして持つこ
とにより、きめ細かなノイズ除去を行うことができる。
【0083】また、各LPF5のカットオフ周波数、ス
ロープ等は音色や音域に応じてそれぞれ設定すれば、よ
り忠実な楽音が発生される。
【0084】さらに、上述の実施例の音源方式の他に、
同じ波形データを異なるフィルタで各成分に分離し合成
する方式等も複数のDCO21〜23を組み合わせる方
式なので、本方式を使用してもよい(参考:特願平3ー
244086)。さらに、各DCOの同時発音数は任意
に設定してよい。
【0085】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば音
質を損なうことなく波形データの圧縮ができるので、波
形メモリの大幅な節減が可能となり価格を抑えた楽音発
生装置を提供することができる。
【0086】また、デジタルフィルタを使用した場合
は、波形メモリの節減は勿論、よりきめ細かなカットオ
フ周波数の制御が可能であり、音質はさらに向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の楽音発生装置の原理図である。
【図2】本発明の楽音発生装置を適用した電子楽器の全
体構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例のDCOとその制御系を示すブ
ロック図である。
【図4】本発明の応用例のデジタルフィルタを用いた場
合のDCOとその制御系を示すブロック図である。
【図5】従来の楽音発生装置の構成を説明するための図
である。
【符号の説明】
1 記憶手段(波形メモリ) 2 楽音信号発生手段(楽音発生部) 3 合成手段(加算器) 4 D/A変換手段(D/A変換器) 5 第1の変換手段(LPF) 6 元波形 7 第2の変換手段(逆特性フィルタ) 11 キーボード部 11a タッチセンサ 12 パネル部 13 CPU 14 ROM 15 RAM 19 サウンドシステム(楽音発生手段) 21 DCOa (弱打成分楽音信号生成部) 22 DCOb (強打成分楽音信号生成部) 23 DCOc (打撃成分楽音信号生成部) 29 エンベロープ波形メモリ 41 プログラムメモリ 42 音色データメモリ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め記憶された複数の楽音成分の波形デ
    ータを各別に読み出して楽音成分信号を再生し、これを
    合成して楽音信号を発生する楽音発生装置において、 元波形データを記憶手段に記憶させる際に、前記元波形
    データの周波数特性に応じた変換を行ってデータを圧縮
    して記憶させる第2の変換手段を有し、 楽音発生装置が楽音を発生する際には、前記記憶手段か
    ら読み出された波形データに応じて楽音成分信号を発生
    する楽音信号発生手段と、 該楽音信号発生手段が発生したデジタル楽音成分信号を
    合成し楽音信号を生成する合成手段と、 前記合成手段により生成された楽音信号をアナログ信号
    に変換するD/A変換手段と 前記D/A変換手段により変換されたアナログ楽音信号
    のノイズを除去する第1の変換手段と、 を具備したことを特徴とする楽音発生装置。
  2. 【請求項2】 前記記憶手段を構成する各波形メモリの
    ビット精度は8ビット精度であることを特徴とする請求
    項1記載の楽音発生装置。
  3. 【請求項3】 前記第2の変換手段の行う変換は、高調
    波を多く含む広い再生周波数帯域の楽音成分信号を対象
    とし、行う変換は前記第1の変換手段の逆特性であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の楽音発生装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の変換手段は1個のローパスフ
    ィルタより成ることを特徴とする請求項1記載の楽音発
    生装置。
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Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5439615A (en) * 1977-09-05 1979-03-27 Nippon Gakki Seizo Kk Electronic musical instrument
JPS62294294A (ja) * 1986-06-13 1987-12-21 ヤマハ株式会社 楽音信号発生装置

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JPS62294294A (ja) * 1986-06-13 1987-12-21 ヤマハ株式会社 楽音信号発生装置

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