JP2805672B2 - 楽音発生装置 - Google Patents

楽音発生装置

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JP2805672B2
JP2805672B2 JP4353764A JP35376492A JP2805672B2 JP 2805672 B2 JP2805672 B2 JP 2805672B2 JP 4353764 A JP4353764 A JP 4353764A JP 35376492 A JP35376492 A JP 35376492A JP 2805672 B2 JP2805672 B2 JP 2805672B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばシンセサイザ、
電子ピアノ、電子オルガン、シングルキーボード等の電
子楽器に用いられる楽音発生装置に関し、特に複数のデ
ジタルオシレータがそれぞれ独立して構成され、波形メ
モリから読み出されるデジタル波形信号のうち、再生周
波数帯域の低い楽音信号はフィルタを用いて制御するこ
とにより音質を損なうことなく波形メモリを節減した楽
音発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子オルガン、電子ピアノ、シン
グルキーボード、シンセサイザ等の電子楽器に用いられ
ている楽音発生装置は、発音源としてのディジタルコン
トロールオシレータ(以下、「DCO」という)を複数
個備えており、このDCOを組み合わせて発音すること
により、例えば操作パネル等で指定された音色やキーボ
ードで指定された音域等に応じた楽音信号を発生するよ
うになっている。
【0003】これらの波形読出し方式の音源において
は、例えば8ビット精度と波形メモリの精度が低いとメ
モリの量は半分になるが、ホワイトノイズのような量子
化ノイズが発生し充分な音質が得られない。
【0004】このため、量子化ノイズを除去するために
ローパスフィルタを用い楽音信号の高域成分を減衰させ
ることが考えられるが、出力にローパスフィルタ(以下
LPFと記述する)を使用する場合はカットオフ周波数
をかなり低くしなければノイズを除去することができ
ず、これでは楽音がこもってしまい、原音の品質を保持
することができなかった。
【0005】一般に従来の電子楽器では最終の出力成
分、即ち楽音成分信号が合成されて楽音信号となった状
態でLPFを使用しているので、高調波を含んだ波形の
場合、LPFを通すと楽音の部分までカットされて音が
丸くなってしまうので好ましくないとされており、音質
を保つため、波形メモリには16ビットのメモリが使用
されている。
【0006】図7は複数の出力系列を持つ従来の電子楽
器の楽音を形成する部分の基本構成を示す図である。
【0007】例えば、電子ピアノの場合、図7に示すよ
うに、1鍵に対応する楽音を発生するために3種類の楽
音成分(弱打成分、強打成分及び打撃成分)の波形デー
タを記憶する波形メモリ71〜73、及びこれらに対応
して設けられ、弱打成分信号、強打成分信号及び打撃成
分信号をそれぞれ生成する3つのオシレータDCOa7
4、DCOb 75,及びDCOc 76が設けられてい
る。
【0008】そして、1つの鍵が押下されると、該鍵の
押鍵に応じた波形が波形メモリ71〜73から読み出さ
れ、各オシレータDCOa 74〜DCOc 76でそれぞ
れの楽音成分信号が生成され、各オシレータDCOa 7
4〜DCOc 76に接続されているD/A変換器77〜
79によりアナログ信号に変換され、これらが加算器8
0により1つに合成されて、1鍵に対する最終的な楽音
信号となる。
【0009】ここで、弱打成分は発音時間が比較的長く
高周波を含まない楽音成分であり、強打成分は発音時間
が比較的短く高周波を含んだ倍音の多い楽音成分であ
る。
【0010】打撃成分は、周波数が必ずしも音高に比例
しない楽音成分であり、例えばピアノのアタックにおけ
るノイズ成分として理解される。
【0011】このように、従来の電子楽器に用いられる
楽音発生装置(音源)には、種々の音色に応じた複数の
楽音波形データを記憶する波形メモリ71〜73を備え
ている。そして、この波形メモリ71〜73から、例え
ばパネルスイッチ等で指定された音色に応じた楽音波形
データを選択し、これを鍵盤で指定された音高に応じた
速度で読み出し、これらを合成して1つの楽音信号を発
生し、この楽音信号を音響回路に供給することにより放
音するようになっている。
【0012】なお、例えば電子ピアノは、上記のDCO
a 74〜DCOc 76の3つのオシレータを1セットと
する楽音信号発生回路を、通常、ポリフォニック数(同
時発音数)分だけ備えている。
【0013】このため膨大な波形メモリ71〜73が必
要となるので、実際には各音色に対応する立ち上がり部
の全波形とそれに続く波形の一部を記憶し、立ち上がり
部の波形を一通り読み通したあとは一部の波形を繰り返
して読み出すことにより音質を損なうことなくメモリ容
量の節約を図っている(特開昭59ー188697)。
【0014】楽音成分により発音時間の異なる特性を利
用して、発音時間に応じて楽音信号発生手段をグループ
化して発音時間の短いグループは楽音発生手段の数を減
じ、割り当て手段によりコントロールして同時発音数を
確保する(特開平4ー131899)等の手段が講じら
れている。
【0015】また、音質保持のためにフィルタを使用
し、フィルタのパラメータを音色の変化に応じてコント
ロールする(特開平2ー66597)方法や、量子化ノ
イズ成分の周波数帯域に対応する周波数成分のレベルを
アップした波形データを記憶し、該データを読み出すと
きにフィルタを使用する(特開昭62ー294294)
方法等がある。
【発明が解決しようとする課題】
【0016】従来の楽音発生装置は、上述のように、波
形メモリに弱打成分、強打成分及び打撃成分等の各デー
タを記憶しておく必要があるので、膨大なメモリが必要
であり、しかも波形データの精度を高くし良好な音質を
確保するためには16ビットのメモリを使用する必要が
あり装置が高価になってしまうという欠点があった。
【0017】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、再生周波数帯域が低く量子化ノイズの除去の容易
な楽音成分信号はフィルタ処理して不要な高周波数帯域
を除去することにより、圧縮されたデータでも音質を損
なうことなく発音できるようにしたものである。これに
より波形メモリを大幅に節約した低価格の楽音発生装置
を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】図1は本発明にかかる楽
音発生装置の原理説明図である。
【0019】本発明の楽音発生装置は、予め記憶された
複数の楽音成分の波形データを各別に読み出して楽音成
分信号を再生し、これを合成して楽音信号を発生する楽
音発生装置において、再生周波数帯域の低い楽音成分の
波形データを圧縮して記憶する第1の記憶手段1と、前
記第1の記憶手段1に記憶された波形データに応じた楽
音信号を発生する第1の楽音信号発生手段3と、前記第
1の楽音信号発生手段3が発生した楽音信号をフィルタ
リングして楽音成分に応じた楽音成分信号を生成するフ
ィルタ手段5と、再生周波数帯域の高い楽音成分、及び
/又は周波数が音高に応じて変化しない楽音成分の波形
データを記憶する第2の記憶手段2と、前記第2の記憶
手段2に記憶された波形データに基づいて複数の楽音成
分信号を発生する第2の楽音信号発生手段4と、前記第
2の楽音信号発生手段4が発生した複数の楽音成分信号
を合成する第2の合成手段6と、前記第2の合成手段6
が合成した楽音成分信号と前記フィルタ手段5が生成し
た楽音成分信号とを合成する第1の合成手段7と、前記
第1の合成手段7により合成された楽音信号に基づき楽
音を発生する楽音発生手段8と、により構成される。
【0020】また、第2の発明は上記の楽音発生装置に
おいて、第1の記憶手段1のメモリは8ビット精度であ
り、前記第2の記憶手段2のメモリは16ビット精度で
あることを特徴とする。
【0021】
【作用】再生周波数帯域の低い楽音成分(弱打成分)は
スペクトルの帯域幅が狭く、本来あまり高調波を含んで
いないのでLPFを通過させることにより音質を損なう
ことなく量子化ノイズを除去可能である。
【0022】本発明は、かかる特性に着目してなされた
ものであり、例えば、弱打成分、強打成分、打撃成分
と、各々楽音発生回路が独立して構成されている楽音発
生装置において、第1の記憶手段1には、再生周波数帯
域の低い楽音成分を包含する波形データを圧縮してメモ
リに記憶し、第2の記憶手段2には、再生周波数帯域の
高い楽音成分や音高によって変化しない楽音成分の波形
データを精度の高いメモリに記憶し、楽音を発生する際
は、第1の記憶手段1から読み出したデータに基づき発
生された楽音信号は、これをフィルタリングすることに
よりノイズを除去した楽音成分信号を生成する。
【0023】一方、再生周波数帯域の高い楽音成分や音
高によって変化しない楽音成分、即ち第2の記憶手段2
に記憶されていた精度の高い楽音成分はフィルタ手段5
を通さずに再生し、両者を合成して最終的な楽音信号を
生成するように構成される。
【0024】このように楽音発生回路をフィルタを通過
する回路と従来のフィルタを通過しない回路の二系列を
設けることにより、再生周波数帯域が低く量子化ノイズ
の除去の容易な楽音成分の波形データは低い精度のメモ
リに記憶させて波形メモリの量を節減することができ
る。したがって、膨大な容量のメモリも必要とせず、価
格を抑えた楽音発生装置を提供できる。
【0025】
【実施例】先ず、本発明にかかる楽音発生装置の構成に
ついて、図2を参照しながら説明する。図2は、本発明
に係る楽音発生装置を適用した電子楽器の全体的な構成
を示す概略ブロック図である。
【0026】図において、キーボード部11は、複数の
キーを有するキーボードで構成され、各キーの押下の状
態を検知するためのキースキャン回路を含んでいる。
【0027】タッチセンサ11aは、前記キーボード部
11からの信号に応じてキータッチの強弱(速さ)を検
出するものである。上記各キーの押下の状態を示すデー
タ及びキータッチの強弱を示すタッチデータはCPU1
3に送られるようになっている。
【0028】パネル部12は、電源スイッチ、モード指
定スイッチ、メロディ選択スイッチ、リズム選択スイッ
チ等の各種スイッチを備えている。各スイッチのセット
状態は内部に含まれるパネルスキャン回路によって検知
されるようになっている。
【0029】中央処理装置13(以下「CPU」とい
う)は、リードオンリメモリ14(以下「ROM」とい
う。)のプログラムメモリ部41に記憶された制御プロ
グラムに従って当該電子楽器の各部を制御するものであ
る。
【0030】ROM14は、上述したCPU13を動作
させるプログラムを格納したプログラムメモリ部41の
他に、音色データメモリ部42を有している。この音色
データメモリ部42には、楽音信号を生成するためのデ
ータである周波数ナンバ、波形ナンバ、エンベロープ波
形ナンバ、モードデータ等が記憶されている。その他、
種々の固定データも当該ROMに格納されている。
【0031】上記音色データメモリ42に格納されてい
る各データは、音色ポインタによって指定される。即
ち、パネル操作、鍵盤操作に応じて上記音色ポインタが
変更され、該変更された音色ポインタにより指定された
上記各データがROM14から読み出される。そして、
所定の演算が施されるなどして楽音発生装置に供給され
る。
【0032】ランダムアクセスメモリ15(以下「RA
M」という。)は、CPU13の制御の下に、ROM1
4に記憶されている必要なデータが転送されて格納され
るデータエリア、キーボード部11、タッチセンサ11
a及びパネル部12の各キーやスイッチの状態に対応す
る放音に必要なデータがセットされる複数のレジスタや
楽音信号発生回路を未使用チャネルに割り付けるための
データを記憶するアサイナメモリ等を含んでいる。
【0033】楽音発生部16は、楽音信号を生成するも
のである。この楽音発生部16は、例えば弱打から強打
まで常に発音をする音を生成する弱打成分楽音信号生成
部(以下DCOa という)21や強打の時に大きな音と
なる強打音を生成する強打成分楽音信号生成部(以下D
COb という)22、及び打鍵時の打撃音を生成する打
撃成分楽音信号生成部(以下DCOc という)23とか
ら構成されており、CPU13からの制御に応じてそれ
ぞれ弱打、強打、打撃成分の楽音成分信号を発生する。
【0034】なお、上記DCOa 21、DCOb 22、
DCOc 23は、全て同一の回路で構成されている。
【0035】また、楽音発生部16には波形データを記
憶する波形メモリ28及びエンベロープデータを記憶す
るエンベロープ波形メモリ29が接続されている。
【0036】28は波形メモリであり、例えばROMで
構成される。この波形メモリ28は、楽音の波形データ
を記憶するものであり、弱打、強打、打撃等の波形デー
タが記憶されている。また、このこの波形メモリ28
は、DCOa 21、DCOb 22、DCOc 23により
アクセスされる。
【0037】なお、本発明における波形メモリの弱打成
分のメモリは8ビット精度、強打及び打撃成分用のメモ
リは16ビットのメモリで構成される。
【0038】エンベロープ波形メモリ29は、楽音成分
に応じた種々のエンベロープデータを記憶するものであ
る。このエンベロープ波形メモリ29は、楽音成分選択
レジスタの内容をアドレスとして所定のエンベロープデ
ータを選択し、出力するものである。
【0039】D/A変換器17は、入力されたデジタル
楽音信号をアナログ楽音信号に変換する周知のものであ
る。
【0040】前記楽音発生部16から出力されたディジ
タル楽音信号は各D/A変換器17に供給される。D/
A変換器17は、入力されたディジタル楽音信号をアナ
ログ楽音信号に変換するもので、このD/A変換器17
が出力する再生周波数の低い楽音信号はLPF18に、
その他のアナログ楽音信号は加算器25に供給される。
【0041】LPF18は、DCOa 21で生成された
楽音信号の低周波成分を通過させることにより、弱打成
分の楽音成分信号を生成するものである。このLPF1
8の出力は、加算器26に供給されるようになってい
る。なお、本実施例のLPF18はアナログフィルタで
ある。
【0042】加算器25は、DCOb 22が出力する強
打成分楽音信号とびDCOc 23が出力する打撃成分楽
音信号を合成し、楽音信号として出力するものである。
該加算器25からの出力は加算器26に供給される。
【0043】加算器26は、LPF18より出力された
再生周波数帯域の低い楽音信号と加算器25で合成され
た強打成分及び打撃成分の楽音信号を合成し、楽音信号
として出力するものである。
【0044】サウンドシステム19は、例えばスピーカ
ー又はヘッドホンで構成されるもので、加算器26から
送られた電気信号としてのアナログ楽音信号を音響信号
に変換し放音する周知のものである。
【0045】なお、上述したタッチセンサ11a( キー
ボード部11)、パネル部12、CPU13、ROM1
4、RAM15、及び楽音発生部16はシステムバス1
0により相互に接続されている。
【0046】以上の各要素により、各鍵に対応して1音
を発生するための楽音信号発生回路が構成される。そし
て、この楽音信号発生回路で生成された楽音信号はサウ
ンドシステムに供給され、放音されるようになってい
る。
【0047】かかる構成において今、キーボード部11
から弱いタッチのベロシティが送られてくると、各DC
O21〜23のタッチカーブの相違により、DCOa 2
1は発音するが、DCOb 22、DCOc 23は発音し
ない。したがって、LPF18を通った弱打成分のみが
発音され弱打の楽音が発生される。
【0048】キーボード部11から強いタッチのベロシ
ティが送られてくると、DCOa 21、DCOb 22が
発音する。したがって、LPF18を通る弱打成分、及
びフィルタを通らない強打成分が発音され、加算器26
により強打の楽音が生成される。なお、この強打成分は
フィルタ18を通らないので、波形メモリ28に記憶さ
れた波形データがそのまま発音されることになる。
【0049】DCOc 23が発生する打撃成分は、タッ
チの如何に拘わらず常に発音する。この打撃成分もフィ
ルタを通らないので、波形メモリ28に記憶された波形
データがそのまま発音されることになる。
【0050】図3は弱打成分のスペクトルの例であり、
図4は強打成分のスペクトルの例である。図において縦
軸は振幅レベル〔dB〕を横軸は周波数〔Hz〕を示し
ている。
【0051】図3から明らかなように弱打成分は高調波
をほとんど含まない低い周波数帯域の楽音信号である。
この弱打成分の波形データの精度を16ビットから8ビ
ットにした場合、波形データの精度が落ちることによっ
て量子化ノイズが発生する。
【0052】この時、この出力信号を特定の周波数特性
を持つアナログフィルタ(例えばLPF)に通すことに
より、量子化ノイズを押さえることができる。ノイズを
除去するためには、なるべくカットオフ周波数の低いフ
ィルタを使用することが望ましい。
【0053】この点、弱打成分は高調波を殆ど含まない
低い周波数帯域の楽音信号であるから、通常の周波数帯
域の広い楽音信号に比べ、カットオフ周波数を低くする
ことが可能であり、相当のノイズ除去の効果が実現され
るので、弱打成分の波形メモリは8ビット精度に圧縮可
能である。
【0054】一方、強打成分は図4に示すように高調波
を多く含む広い周波数帯域の楽音信号である。このた
め、強打成分の波形メモリを8ビット精度に落としてし
まうと、その出力信号はフィルタを通しても、カットオ
フ周波数を低くすることはできないのでノイズは除去で
きない。従って本発明では強打成分の波形メモリは16
ビット精度と波形データの精度を落とさずに、弱打成分
とは別のフィルタのない出力系列に出力する。
【0055】また打撃成分は、やはり高調波を多く含む
広い周波数帯域の楽音信号であるが、打撃成分の放音は
アタックのほんの一瞬の波形であり、さらに音域によっ
て共通の波形データで良いので、必要とする波形メモリ
は非常に少なくて済む。そこで打撃成分も波形データの
精度を落とさずに弱打成分とは別のフィルタのない出力
系列から出力する。
【0056】このように低い周波数帯域の楽音信号は8
ビットメモリと波形データの精度を落としてメモリを圧
縮し、その出力をフィルタに通してノイズを除去し、広
い周波数帯域の楽音信号は16ビットと波形メモリの精
度を落とさずにフィルタのない出力系列を通すことによ
り音質を損なうことなく波形メモリを圧縮することが可
能となる。なお、アナログフィルタは波形メモリに比し
安価に実現できるので大幅なコストダウンが可能とな
る。
【0057】図5は本発明の楽音発生装置の楽音発生部
16の構成を示す図であり、弱打成分の波形は8ビット
精度のメモリに、強打及び打撃成分の波形は16ビット
の波形メモリ28に記憶させ、弱打成分の波形のノイズ
をLPF18で取り除く構成にした楽音発生装置であ
る。
【0058】かかる構成において、波形メモリ28a 〜
28c から読み出されたデジタル波形信号はDCOa 2
1〜DCOc 23でデジタル楽音信号に生成され、各々
のDCOに対応するD/A変換器17a 〜17c に送ら
れてアナログ信号に変換される。
【0059】変換されたアナログ楽音信号のうち、弱打
成分のアナログ楽音信号はLPF18に入力され、該L
PF18で設定されているフィルタ特性に従ってノイズ
が除去され、その出力は加算器26に送られる。
【0060】一方、D/A変換器17b 及び17c から
出力された強打及び打撃成分のアナログ楽音信号も加算
器25により合成されて加算器26に送られ、加算器2
6で弱打成分の楽音信号と合成されサウンドシステムに
送られ放音する。
【0061】なお、本実施例のLPF18はアナログフ
ィルタであり、該フィルタ18のフィルタ特性は弱打成
分の楽音信号の周波数帯域に対応する量子化ノイズが取
り除かれるように予めセットされている。
【0062】以上述べたように、波形メモリ28の所定
領域には、再生周波数帯域の低い楽音成分の波形データ
を記憶し、他の領域には、再生周波数帯域の高い楽音成
分の波形データを記憶しておき、楽音を発生する際は、
波形メモリ28の所定領域から読み出したデータに基づ
き楽音信号を発生する。
【0063】発生した楽音信号のうち再生周波数帯域の
低い波形については、これをフィルタリングすることに
より楽音成分信号を生成し、再生周波数帯域の高い楽音
成分信号はそのまま出力し、これを合成して最終的な楽
音信号を生成するようにしたので、再生周波数帯域の低
い複数の楽音成分については音質を損なうことなく8ビ
ットメモリに記憶できるので、波形メモリの量を少なく
することができるものとなっている。
【0064】なお、上記実施例では、楽音発生部16の
発生する楽音成分として弱打成分、強打成分及び打撃成
分を用いて楽音信号を生成するように構成したが、楽音
成分は上記の3系列に限定するものではなく以外の成
分、例えば中打成分等があっても良い。このため、用意
する波形メモリ及び楽音信号発生回路は、発生する楽音
成分の数に応じて、その数を変えるように構成してもよ
い。
【0065】また、本実施例では波形メモリから読み出
された波形のうち弱打成分のみがLPFを通過している
が、音質によってはそれぞれ異なる複数の楽音成分が、
それぞれ異なるフィルタ特性の複数のLPF18を通過
するようにしてもよい。
【0066】図6は本発明の応用例であり、強打成分が
あまり高調波を含んでおらず、フィルタでノイズの除去
が可能な場合は、波形メモリには全て8ビット精度のメ
モリを使用し、各DCOの系列ごとにそれぞれの周波数
特性に応じたフィルタを用意し、各DCOごとに最適な
フィルタのカットオフ周波数を設定することにより、き
め細かなノイズ除去を可能とするものである。
【0067】即ち、波形メモリより読み出された楽音波
形はDCOa 21 〜DCOc 23で楽音信号に生成さ
れ、D/A変換器でデジタル信号からアナログ信号に変
換し、この変換された楽音信号のノイズは、それぞれの
LPF18a 〜18c で除去して、加算器25で楽音を
合成してサウンド・システムより放音するようにしたも
のである。
【0068】以上詳細に説明したが、本発明は上記実施
例に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々
変更可能である。例えば、上記実施例で使用したフィル
タはアナログフィルタであるが、フィルタの挿入位置に
よってはデジタルフィルタを使用してもよい。この場合
は各DCOごとにカットオフ周波数をデータとして持つ
ことにより、さらにきめ細かなノイズの除去が可能とな
る。
【0069】また、各フィルタのカットオフ周波数、ス
ロープ等は音色や音域に応じてそれぞれ設定すれば、よ
り忠実な楽音が発生される。
【0070】さらに、上述の実施例の音源方式の他に、
同じ波形データを異なるフィルタで各成分に分離して合
成する方式も、複数のDCOを組み合わせる方式なの
で、本方式を使用してもよい(参考:特願平3ー244
086)。さらに、各DCOの同時発音数は任意に設定
してよい。
【0071】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば音
質を損なうことなく再生周波数帯域の低い波形データの
大幅な圧縮ができるので、波形メモリの節減が可能とな
り価格を抑えた楽音発生装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の楽音発生装置の原理図である。
【図2】本発明の楽音発生装置を適用した電子楽器の構
成を示すブロック図である。
【図3】再生周波数帯域の低い楽音成分の音高と周波数
との関係を示す図である。
【図4】再生周波数帯域の高い楽音成分の音高と周波数
との関係を示す図である。
【図5】本発明の楽音発生部の実施例の構成を示すブロ
ック図である。
【図6】本発明の実施例の楽音発生部の応用例を示すブ
ロック図である。
【図7】従来の楽音発生装置の構成を説明するための図
である。
【符号の説明】
1 第1の記憶手段 2 第2の記憶手段 3 第1の楽音信号発生手段 4 第2の楽音信号発生手段 5 フィルタ手段 6 第2の合成手段 7 第1の合成手段 8 楽音発生手段 11 キーボード部 11a タッチセンサ 12 パネル部 13 CPU 14 ROM 15 RAM 16 楽音発生部 17 D/A変換器 18 ローパスフィルタ(LPF)(フィルタ手段) 19 サウンドシステム(楽音発生手段) 21 弱打成分楽音信号生成部(第1の楽音信号発生
手段) 22 強打成分楽音信号生成部(第2の楽音信号発生
手段) 23 打撃成分楽音信号生成部(第2の楽音信号発生
手段) 25 加算器(第2の合成手段) 26 加算器(第1の合成手段) 28 波形メモリ(第1、第2の記憶手段) 29 エンベロープ波形メモリ 41 プログラムメモリ 42 音色データメモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G10H 7/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 予め記憶された複数の楽音成分の波形デ
    ータを各別に読み出して楽音成分信号を再生し、これを
    合成して楽音信号を発生する楽音発生装置において、 再生周波数帯域の低い楽音成分の波形データを圧縮して
    記憶する第1の記憶手段と、 前記第1の記憶手段に記憶された波形データに応じた楽
    音信号を発生する第1の楽音信号発生手段と、 前記第1の楽音信号発生手段が発生した楽音信号をフィ
    ルタリングして楽音成分に応じた楽音成分信号を生成す
    るフィルタ手段と、 再生周波数帯域の高い楽音成分、及び/又は周波数が音
    高に応じて変化しない楽音成分の波形データを記憶する
    第2の記憶手段と、 前記第2の記憶手段に記憶された波形データに基づいて
    複数の楽音成分信号を発生する第2の楽音信号発生手段
    と、 前記第2の楽音信号発生手段が発生した複数の楽音成分
    信号を合成する第2の合成手段と、 前記第2の合成手段が合成した楽音成分信号と前記フィ
    ルタ手段が生成した楽音成分信号とを合成する第1の合
    成手段と、 前記第1の合成手段により合成された楽音信号に基づき
    楽音を発生する楽音発生手段と、 を具備したことを特徴とする楽音発生装置。
  2. 【請求項2】 前記第1の記憶手段のメモリは8ビット
    精度であり、前記第2の記憶手段のメモリは16ビット
    精度であることを特徴とする請求項1記載の楽音発生装
    置。
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JPS6176492U (ja) * 1984-10-23 1986-05-22
JPH041698A (ja) * 1990-04-18 1992-01-07 Casio Comput Co Ltd 電子楽器の楽音波形記憶方法、及び電子楽器の波形読出し装置

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