JPH06208248A - 乾式電子写真トナー - Google Patents

乾式電子写真トナー

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JPH06208248A
JPH06208248A JP5003600A JP360093A JPH06208248A JP H06208248 A JPH06208248 A JP H06208248A JP 5003600 A JP5003600 A JP 5003600A JP 360093 A JP360093 A JP 360093A JP H06208248 A JPH06208248 A JP H06208248A
Authority
JP
Japan
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group
carbon atoms
general formula
polyester
fluorine
Prior art date
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Pending
Application number
JP5003600A
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English (en)
Inventor
Tomomi Suzuki
智美 鈴木
Giichi Kaneko
義一 金子
Koichi Kato
弘一 加藤
Nobuhiro Nakayama
信広 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粒径が均一、かつ、小粒径で安定した帯電性
能をもち、特に高解像度の画像を得るのに適した乾式電
子写真用トナーを提供すること。 【構成】 親水性液体中で親水性液体に溶解する高分子
分散剤により分散されたポリエステルを主成分とする樹
脂粒子に、特定された一般式で示される含フッ素4級ア
ンモニウム塩化合物、及び特定された一般式で示される
含フッ素イミニウム化合物の少なくとも1つを、親水性
有機液体中で重合粒子中に吸着または浸透させたことを
特徴とするものであり、また親水性液体中で親水性液体
に溶解する高分子分散剤により分散されたポリエステル
を主成分とする樹脂粒子に、前記含フッ素4級アンモニ
ウム塩化合物、前記含フッ素イミニウム化合物の少なく
とも1つを、親水性液体に溶解し重合粒子表面に吸着ま
たは浸透させ、かつ、重合粒子に機械的衝撃を加え吸着
または浸透させた前記の特定された一般式の化合物を重
合粒子表面に固着させたことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は乾式電子写真トナー、特
に高解像度の画像を得るのに適した乾式電子写真用トナ
ーに関する。
【0002】
【従来の技術】乾式電子写真法では感光体に常法により
静電潜像を形成し、乾式トナーで現像後トナー画像をコ
ピー用紙上に転写し、ついで熱定着(通常、熱ローラー
定着)してコピー画像を得ている。この方法で用いられ
る乾式トナーは周知のように結着樹脂及び着色剤を主成
分とし、これに必要あれば帯電制御剤、オフセット防止
剤等の添加物を含有させたものである。乾式トナーの製
造法としては混練粉砕法が一般的である。これは結着樹
脂、染顔料等のトナー用原材料をミキサー等で混合し、
これを2本ロール、3本ロール、ニーダー等で加熱溶融
混練を行ない、次いで混練物を圧延冷却しこれをミキサ
ー、パルベライザ、ハンマーミル等で粗粉砕し、さらに
エアージェットミル等で微粉砕し、さらに風力分級を加
えトナー微粒子を得るものである。
【0003】上記方法は最も一般的な方法であるが、欠
点として工程が長く複雑なことが挙げられる。また混練
における結着樹脂と染顔料、帯電制御剤、離型材等の分
散性の問題、また熱履歴、剪断力等による結着樹脂の物
性変化等の問題もあり、混練上りの状態がトナーの製造
性、トナー物性等に大きく影響を与えてしまう。また混
練粉砕法で得られたトナーの粒径分布はブロードであ
り、粗粉や微粉が画質に与える影響は大きい。粒径分布
をシャープにするためには余分な粒径粒子を分級して取
除くしかなく、収率の悪化、コストアップとなってしま
う。また近年、高画質化対応でトナー粒径を小粒径化す
る動きが見られるが、混練粉砕法では粉砕工程を繰返す
必要があり、収率の悪化、コストアップが避けられない
のが現状である。
【0004】そこで粉砕工程等を必要としないトナーの
製造方法として、例えば特公昭47-51830号、同51-14895
号、特開昭53-17735号、同53-17736号、および同53-177
37号等の公報に記載されているように、重合法による方
法が考案されている。
【0005】これらの重合法により製造したトナーに帯
電付与する手段として、特開昭62-209541では微粒子表
面に帯電制御剤を機械的エネルギーにより粒子外部に固
着させる方法が開示されているが、微粒子の粒径分布に
幅があるため、帯電制御剤を均一に固着させることがむ
ずかしく、また帯電制御剤と微粒子との熱特性が異なる
と、微粒子の持つ定着特性等を阻害してしまう。
【0006】従来、これらのトナーの主体である熱可塑
性樹脂としてはスチレン/アクリル系樹脂が主に用いら
てきた。しかし、これらのトナーは次のような問題点が
あった。即ち、従来のスチレン/アクリル系樹脂を用い
たトナーでは、感光体上の静電潜像から紙等の基材にバ
イアス電圧の印加によりトナーを転写する際、特に湿度
の影響により基材の絶縁性が低下た状態において、トナ
ーが充分な絶縁性を有していないため、感光体との間に
放電を生じ感光体表面の電荷が中和されて静電潜像が破
壊され、静電潜像に対応して付着していたトナーが飛散
し、結果として複写画像品質が著しく低下することがあ
る。
【0007】紙あるいはフィルム等の基材上に転写され
たトナーの定着に関しては、トナーの軟化温度の制御、
さらに詳しくは、温度と溶融粘度との関係を厳しく管理
する必要がある。より具体的には定着温度までは固体と
て機能し、かつ、所定の温度において速やかに溶融す
る、いわゆる、シャープメルト特性が要求される。しか
し、これを実現するのは困難で、実際にはトナーの溶融
温度よりもかなり高温で定着が行われている。トナーに
用いられる熱可塑性樹脂の軟化点を低下させて高速定着
を実現した場合、熱によって容易に溶解する性質をもた
せてあるため取扱中あるいは保存中に凝集合し、ブロッ
キングを起こすという問題を生じる。
【0008】近年、トナーの透明性及びシャープメルト
性等の点で、スチレン/アクリル系樹脂より優れている
ポリエステルを主体としたトナーの研究がなされ、一部
実用化されてきている。しかし、これらポリエステルを
主体としたトナーにおいては、電子写真用トナーに最も
重要な帯電特性に問題がある。即ち、従来のポリエステ
ルを主体としたトナーにおいては、帯電電荷が不充分な
ために、連続使用の繰り返し現像において、トナーとキ
ャリアの衝突等でキャリアが汚染される、いわゆる、キ
ャリアスペントが発生したり、環境安定性が劣ることに
より高湿下で帯電が劣化し、得られた画像の濃度が変化
したり地汚れ現象が生まれてくる。
【0009】以上、スチレン/アクリル系樹脂を主体と
したトナーには多く問題があり、またその欠点を改良す
るポリエステルを主体とするトナーでもまだ帯電性の点
で不充分である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的は
帯電が均一で、かつ、安定した帯電性能の得られるトナ
ーを提供するものである。本発明の第2の目的は製造工
程が簡単で、かつ、低コストのトナーを提供するもので
ある。
【0011】
【課題が解決しようとする手段】本発明者等は、粒径が
均一かつ小粒径で帯電が均一、かつ、安定しており、さ
らに製造工程が簡便で低コストなトナーを得るため種々
検討した結果、ポリエステルを主成分とする樹脂粒子
に、帯電制御性を有する染料系帯電制御剤を吸着または
浸透させることにより、前記目的が達せられることを見
い出した。即ち、本技術はポリエステルを主成分とする
樹脂粒子と、下記一般式(1)で示される含フッ素アン
モニウム化合物または一般式(2)で示される含フッ素
イミニウム化合物とを親水性液体中で接触させ、前記一
般式(1)または一般式(2)の化合物を前記樹脂粒子
に吸着ないし浸透させたことを特徴とする乾式電子写真
トナーを提案する。
【0012】
【化1】 [一般式(1)中、R1〜R4は水素原子または有機基を
意味し、基R1〜R4の少なくとも一つは、水酸基、クロ
ロメチル基、アミノ基、カルボン酸アミド結合、スルホ
ン酸アミド結合、ウレタン結合、エーテル結合もしくは
エステル結合を有していてもよい炭素原子数1〜69
で、かつ、フッ素原子数3〜66のアルケニル基であ
り、そして基R1〜R4の最高三つは互いに無関係に水素
原子、炭素原子1〜30のアルキル基、アリール基、ア
リールアルキル基またはアルケニル基であり、アリール
基及びアリールアルキル基は炭素原子数1〜30のアル
キル基、炭素原子数1〜30のアルコキシ基、水酸基ま
たはハロゲン原子で置換されていてもよく、基R1〜R4
の二つは互いに結合して1〜4個のヘテロ原子で中断さ
れていてもよく、また0〜6個の二重結合を含有してい
てもよく、かつ、フッ素原子、塩素原子、臭素原子また
はヨウ素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原
子数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基またはアミノ基で
置換されている炭素原子数4〜12の単核または多核の
環系を形成し、そしてX-は有機または無機アニオンを
意味する。]
【0013】
【化2】 [一般式(2)中、R9〜R12は水素原子または有機基
を意味し、基R9〜R12の少なくとも一つは水酸基、ク
ロロメチル基、アミノ基、カルボン酸アミド結合、スル
ホン酸アミド結合、ウレタン結合、エーテル結合もしく
はエステル結合を有していてもよい炭素原子数1〜69
で、かつ、フッ素原子数3〜66のアルケニル基であ
り、そして基R9〜R12の最高三つは互いに無関係に水
素原子、炭素原子1〜30のアルキル基、アリール基、
アリールアルキル基、またはアルケニル基であり、アリ
ール基及びアリールアルキル基は炭素原子数1〜30の
アルキル基、炭素原子数1〜30のアルコキシ基、水酸
基またはハロゲン原子で置換されていてもよく、基R9
〜R12の二つは互いに結合して1〜4個のヘテロ原子で
中断されていてもよく、また0〜6個の二重結合を含有
していてもよく、かつ、フッ素原子、塩素原子、臭素原
子またはヨウ素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、
炭素原子数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基またはアミ
ノ基で置換されている炭素原子数4〜12の単核または
多核の環系を形成し、そしてX-は有機または無機アニ
オンを意味する。]
【0014】また、本技術は、親水性液体中で該親水性
液体に溶解する高分子分散剤により分散されたポリエス
テルを主成分とする樹脂粒子と、前記一般式(1)で示
される含フッ素アンモニウム化合物または一般式(2)
で示される含フッ素イミニウム化合物とを親水性液体中
で接触させ、前記一般式(1)または一般式(2)で示
される化合物を前記樹脂粒子に吸着ないし浸透させ、か
つ、該ポリエステル樹脂粒子に機械的衝撃を加え、吸着
もしくは浸透させた前記一般式(1)または前記一般式
(2)の化合物をポリエステルを主成分とする樹脂粒子
表面に固定させたことを特徴とする乾式電子写真トナー
を提案する。
【0015】なお、前記一般式(1)または一般式
(2)で示される化合物のX-は、具体的にはCl-、B
-、I-、BF6 -、スルファート、シアナート、チオシ
アナート、ホスファート、BF4、B(アリール)
4 -(例えばテトラフェニルボラート、p-クロロテトラフ
ェニルボラート、p-メチルテトラフェニルボラート)、
フェノラート、ニトロフェノラート、亜鉛テトラシアナ
ート、亜鉛テトラチオシアナート、飽和脂肪族または不
飽和脂肪族または芳香族カルボキシレートまたはスルホ
ナート、過フッ素化飽和脂肪族または過フッ素化不飽和
脂肪族または過フッ素化芳香族カルボキシレートまたは
スルホナートがある。
【0016】ここで、ポリエステルは特に限定されたポ
リエステルに限らないが、主としてジカルボン酸とグリ
コール成分とからなるものが好ましく、特にガラス転移
点が40℃以上のものが好ましい。
【0017】ジカルボン酸成分には、例えば、テレフタ
ル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタ
ル酸等の芳香族ジカルボン酸、p−(ヒドロキシエトシ
キ)安息香酸等の芳香族オキシカルボン酸、コハク酸、
アシピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカ
ルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フマール酸、マイレ
ン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒド
ロフタル酸等の不飽和脂肪族、および、脂環族ジカルボ
ン酸等がある。必要によりトリメリット酸、トリメシン
酸、ピロメリット酸等のトリおよびテトラカルボン酸を
少量含んでも良い。
【0018】グリコール成分には、例えばエチレングリ
コール、プロピレングリコール、1,3−プルパンジオ
ール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジンオール、ネオペンチルグリコ
ール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコー
ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオー
ル、1,4−シクロヘキサンジメタノール、スピログリ
コール、1,4−フェニレングリコール、1,4−フェニ
レングリコールのエチレンオキサイド付加物、ポリエチ
レングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテト
ラメチレングリコール等のジオール、ビスフェノールA
のエチレンオキサイド付加物及びプロピレンオキサイド
付加物、水素化ビスフェノールAのエチレンオキサイド
付加物およびプロピレンオキサイド付加物等がある。必
要によりトリメチロールエタン、トリメチロールプロパ
ン、グリセリン、ペンタエルスリトール等のトリオール
およびテトラオールを少量含んでもよい。ポリエステル
ポリオールとしては、他に、ε−カプロラクトン等のラ
クトン類を開環重合して得られる、ラクトン系ポリエス
テルポリオール類が挙げられる。
【0019】本発明のイオン性基含有ポリエステルを主
成分とする水系分散体は公知の任意の方法によって製造
することができる。すなわち、ポリエステルと水溶性有
機化合物とを50〜200℃であらかじめ混合し、これ
を水に加えるか、あるいはポリエステルと水溶性有機化
合物との混合物を水に加え、40〜120℃で撹拌する
ことにより製造される。あるいは水と水溶性有機化合物
との混合溶液中にポリエステルを添加し、40〜100
℃で撹拌して分散させる方法によっても製造される。親
水性化合物としては水、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノール等が挙げられ、単独または混合し
て使用することができる。
【0020】水溶性化合物とはイオン性基を有するポリ
マーであればよい。この製造法としてはイオン性ビニル
モノマーと、各種のビニルモノマーを適当な比率で重合
させればよい。重合するときの開始剤としては、アゾビ
ス系のものを使用することが望ましい。しかし、イオン
性基がフリーな状態であると帯電の環境安定性が劣化す
るため、金属塩で塩基を形成する必要がある。さらにポ
リエステルだけでは、必要な定着特性が得られない場
合、ビニルモノマーを使用しポリエステル粒子中または
ポリエスル表面で重合させた重合物を形成してもよい。
【0021】前記ポリエステルに含まれるイオン性基と
しては、カルボキシル基、スルホン酸基、硫酸基、リン
酸基もしくはそれらの塩基のアニオン性基、または第1
級ないし第3級アミン基等のカチオン性基であり、好ま
しくは、スルホン酸とその金属塩基である。
【0022】ポリエステルに共重合可能なスルホン酸と
その金属塩基含有芳香族ジカルボン酸としては、スルホ
テレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフ
タル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカルボン酸、
5−〔4−スルホフェノシキ〕イソフタル酸等、または
その金属塩を挙げることができる。金属塩としては、L
i、Na、K、Mg、Ca、Cu、Fe等の塩があげら
れる。特に好ましいものは5−ナトリウムスルホイソフ
タル酸である。
【0023】スルホン酸金属塩基含有芳香族ジカルボン
酸は、分散系、特に水系分散体が得られる限りその量に
限定は認められないが、概ね20〜500当量/100000
0gの範囲内が適当である。
【0024】本発明において、ポリエステル系樹脂は単
独あるいは必要により2種以上併用することができる。
また、溶融状態、溶液状態で、アミノ樹脂、エポキシ樹
脂イソシアネート化合物等と混合することもでき、また
さらに、これらの化合物と一部反応させることもでき
る。得られた部分反応生成物は水系分散体の原料として
供することも可能である。
【0025】本発明の目的を達成するためには、ポリエ
ステル粒子を適当な溶媒中で安定に分散させる必要があ
る。そのためには、対イオン基を含有するビニルモノマ
ーを用いる必要がある。この「対イオン基を含有するビ
ニルモノマー」とは、ポリエステルに含有されるイオン
性基の反対のイオン性基(ポリエステルに含有されるイ
オン性基がアニオン性基のときの対イオン性基はカチオ
ン性基、また、ポリエステルに含有されるイオン性基が
カチオン性基のときの対イオン性基はアニオン性基)を
有するビニルモノマーを意味する。かかるイオン性基
は、ポリエステルの安定な水系分散体を形状させる上で
必須である。
【0026】対イオン性基の量はポリエステル中のイオ
ン性基の量に対して、ビニル重合可能なモノマーを重合
してなるポリマー中の対イオン性基の量が、当量比で
0.8〜2.0、好ましくは0.85〜1.5の範囲であ
る。かかる範囲の下限に満たないときは、微粒子の合
体、成長が起こりにくく、また上限を越えても微粒子の
成長に寄与しないばかりか樹脂粒子の耐水性低下等の不
都合を惹起することがある。
【0027】カチオン性基含有ビニルモノマーとして
は、例えば、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、
2−N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレー
ト、2−N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、2−N,N−ジプロピルアミノ(メタ)アクリ
レート、2−N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アク
リレート、2−(4−モルホリノ)−エチル(メタ)ア
クリレート、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジ
ン、アミノスチレン等があげられる。
【0028】また、アニオン性基含有ビニルモノマーと
しては(メタ)アクリル類、イタコン酸、クロトン酸、
マレイン酸、フマル酸等のカルボキシル基またはその塩
を含有するモノマー、スチレンスルホン酸、ビニルトル
エンスルホン酸、ビニルエチルベンゼンスルホン酸、イ
ソプロペニルベンゼンスルホン酸、2−クロロスチレン
スルホン酸、2−メチル−4−クロルスチレンスルホン
酸、ビニルオキシベンゼンスルホン酸、ビニルスルホン
酸、(メタ)アリルスルホン酸、(メタ)アクリル酸の
スルホエチルもしくはスルホプロピルエステル、2−ア
クリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等のスル
ホン酸基またはその塩を含有するモノマー、アジドホス
ホキエチル(メタ)アクリレート、アジドホスホキシプ
ロピル(メタ)アクリレート−3−クロロ−2−アジド
ホスホキシプロピルメタクリレート、ビス(メタ)アク
リロキシエチルホスフェート、ビニルホスフェート等の
リン酸基またはその塩を含有するモノマー等が挙げられ
る。
【0029】なお、本発明の目的を達成する上で、アニ
オン性基含有ポリエステルとカチオン性基含有ビニルモ
ノマーの組合せがより望ましい。また公知のノニオン性
モノマーを適宜使用することは差し支えない。
【0030】ビニルモノマーを重合させる際に使用する
重合開始剤に特に制限はなく、例えば過酸化ベンゾイ
ル、過酸化アセチル等の有機過酸化物、2,2’−アゾ
ビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、過硫酸塩、
過酸化水素、過マンガン酸塩等の無機過酸化物、前記無
機過酸化物と亜硫酸塩、重亜硫酸塩、メタ亜硫酸塩、ヒ
ドロ亜硫酸塩、チオ硫酸塩、鉄塩、蓚酸等の還元剤との
水溶性レドックス系開始剤等が挙げられるが、安全性、
工業的観点からは水溶性レドックス系開始剤が好まし
い。重合性開始剤の使用量はビニルモノマーに対して、
概ね0.1〜3重量%の範囲である。
【0031】重合温度については一義的に規定すること
は困難であるが、水系媒体中に分散したポリエステル粒
子をビニルモノマーの重合につれて合体させ球状に成長
させる上で、ポリエステルのガラス転移点(Tg)以上
の温度条件を採用することが望ましく、該温度未満の条
件では不定形の粒子を生成し易い。なお、ポリエステル
の溶剤や可塑性を併用することにより、ポリエステルの
見かけのガラス転移点(あるいは最低造膜温度)を低下
させ、かかる温度以上の条件で重合させることもでき
る。かかる溶剤や可塑性の種類については限定はなく、
重合を阻害しない限りポリエステルの種類に応じて公知
のものの中から適宜選択される。
【0032】その他の重合条件については、常法に従っ
て実施されるが、ポリエステル微粒子の水系分散体中へ
ビニルモノマーを予め仕込み、次いで重合開始剤を滴下
する手段がポリエステル微粒子の急激な合体、凝集等の
問題が無いので好ましい。得られたポリエステル系粒子
の水系分散液は濾過、凍結乾燥、噴霧乾燥等の常法に従
って乾燥粉体として取り出される。
【0033】かくして、ポリエステル系樹脂粒子を工業
的に作製できる。本発明におけるポリエステル系樹脂の
ガラス転移点は40℃以上でことが望ましい。ガラス転
移点がこれより低い場合には取り扱い中あるいは保存中
に凝集する傾向がみられ、保存安定性に問題を生ずる場
合がある。
【0034】本発明におけるポリエステル系樹脂の軟化
点は80〜150℃の範囲である。樹脂の軟化温度をこ
れより低く抑えたトナーにおいては、取り扱い中あるい
は保存中に凝集する傾向がみられ、特に長期間の保存に
おいて流動性が大きく悪化する場合がある。軟化点がこ
れより高い場合には定着性に支障をきたす。また定着ロ
ールを高温に加熱する必要が生じるために定着ロールの
材質、ならびに複写される基材の材質が制限される。
【0035】重合終了後は沈降分離、遠心分離、デカン
テーション等の操作により不必要な微粒子、残モノマ
ー、高分子安定剤等を除いた後に重合体スラリーを回
収、洗浄し、球状の粒子径の整った重合粒子(溶剤中)
を得ることができる。ここで、洗浄後瀘過し噴霧乾燥等
での操作を施せば、球状均一粒径の重合粒子粉体を得ら
れる。また成長反応を繰り返すことにより、さらに均一
な大粒径粒子を得ることができる。
【0036】前記重合工程で得られた均一球形重合粒子
を染料の飽和溶液により着色する。飽和染料溶液を作製
するための溶剤は、前記重合工程で用いられた親水性液
体を用いる。このため前記工程で重合粒子を乾燥させる
ことなく、重合体スラリーの状態で吸着または浸透させ
ることが可能である。吸着または浸透には、親水性液体
による飽和染料溶液に重合粒子を分散し加熱、撹拌がな
される。これにより、加熱された液体中で重合粒子が膨
潤し、液体中に溶解している染料分子が粒子内に吸着し
た状態となっていると考えられる。ここで用いられる染
料としては分散染料、バット染料、含金属染料及び油溶
性染料等であり、次のものが挙げられる。
【0037】 染料名 C.I.No. ディスパーズイエロー −3 11855 〃 −31 48000 ディスパーズオレンジ −1 11080 〃 −3 1l005 〃 −11 60700 〃 −45 − ディスパーズレッド −1 11110 〃 −4 60755 〃 −5 l1215 〃 −7 11150 〃 −1l 62015 〃 −12 − 〃 −13 111l5 “ −15 607l0 〃 −17 ll2l0 ディスパーズブルー −l 64500 〃 −3 61505 “ −6 62050 〃 −7 62500 〃 −43 − 〃 −44 − 〃 −52 − 〃 −68 − ソルベントイエロー −l6 12700 〃 −21 18690 〃 −56 1102l 〃 −61 − ソルベントオレンジ −1 l1920 〃 −2 12100 〃 −5 18745:1 〃 −6 18736:1 本発明で用いられる含フッ素4級アンモニウム塩化合物
及び含フッ素イミニウム化合物は、先に示した一般式
(1)、及び(2)の構造を有するが具体的には表1の
様な化合物が上げられる。
【0039】
【表1】
【0040】これらの化合物を樹脂粒子に吸着または浸
透させる方法は、前記の着色方法と同様であり樹脂粒子
の着色時に同時に行っても、また着色後に行ってもよ
い。工程の簡略化から着色時に同時に行うことが望まし
い。またこれらの化合物を樹脂粒子表面に吸着させる方
法は、前記化合物を親水性液体に溶解させこれに樹脂粒
子を撹拌浸漬し、溶媒である親水性液体を乾固すること
により前記化合物を粒子表面に吸着させるものである。
親水性液体に帯電制御剤を溶解させることにより、樹脂
粒子表面に均一に吸着させることが可能となる。
【0041】帯電制御剤を溶解させる溶媒としては水が
最も一般的と考えられるが、本発明で有効とされる帯電
制御剤はその多くが水に不溶であリ水のみでは使用でき
ない。一方、樹脂粒子のスラリーの状態で本発明が実施
できること、また乾固には親水性液体が有効であること
等から親水性液体が用いられるものである。
【0042】本発明で用いられる化合物は、その構造に
より親水性液体に対する溶解性が異なってくる。そこで
これら化合物の溶解性を改よするため、吸着時または吸
着または浸透時に親水性液体を2種類以上混合して用い
ることが可能である。混合される溶媒としてはアセト
ン、メチルエチルケトン、イソプロピルアルコール、ブ
チルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘプタノ
ール、2−エチル−1−ブタノール、n−オクタノー
ル、2−エチルヘキシルアルコール、n−デカノール、
ジオクチルアルコール等である。これら溶媒の混合割合
は樹脂粒子を溶解、凝集させず、膨潤あるいはごくー部
を溶解する程度でよく、メタノール95〜70重量部に
対し5〜30重量部が望ましい。また、樹脂粒子表面に
吸着させる場合、溶媒として用いられた親水性液体を乾
固する方法としては、蒸発乾固、凍結乾燥、ホットプレ
ート等による加熱乾固、エバボレーター等による減圧加
熱乾固等が可能である。いずれの方法においても溶媒を
完全に蒸発させる必要があり、必要に応じて減圧、加熱
等を行ってもよい。但し加熱温度は粒子を凝集させては
ならず、ガラス転移点(Tg)以下が望ましい。
【0043】粒子表面に吸着された帯電制御剤をさらに
粒子表面に固着させる方法としては、粒子表面に機械的
衝撃力を加える方法が用いられ、たとえばボールミルポ
ット、ヘンシェルミキサ、Vブレンダなどの混合機、I
式ミル、振動ミル、クリプトロン等の粉砕機、さらにオ
ングミル、ハイブリダイゼーションシステム等の表面処
理装置が挙げられる。いずれの方法においても温度条件
が重要であり、粒子を僅かに膨潤または溶解させる温度
で表面の帯電制御剤を固着埋設する形状となり、粒子同
士の凝集が起きないような条件を設定する必要がある。
【0044】
【実施例】以下に実施例を示し本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに何んら限定されるものでは
ない。なお、実施例及び比較例中に樹脂等の物性値は以
下の方法により測定した。 ・ガラス転移点 示差走査型熱量計(島津製作所製)により、昇温速度1
0℃/分にて測定した。 ・軟化点 JIS K2351に従って測定した。 ・数平均分子量(蒸気圧法) 分子量測定装置(日立製作所製)により測定した。
【0045】〔実施例1〕温度計、撹拌機を備えたオー
トクレープ中に、 ジメチルテレフタレート 94重量部、 ジメチルイソフタレート 95重量部、 エチレングリコール 89重量部、 ネオペンチルグリコール 80重量部、
及び テトラブトキシチタネート 0.1重量部、 を仕込み120〜230℃で120分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。次いで、 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 6.7重量部 を加え、220〜230℃で60分間反応を続け、さら
に250℃まで昇温した後、系の圧力を1〜10mmHgと
して60分間反応を続けた結果、共重合ポリエステル
(イ−1)を得た。
【0046】得られた共重合ポリエステル(イ−1)の
分子量は2700、スルホン酸金属塩基は118当量/1000
000gであった。スルホン酸金属塩基の量は共重合ポリ
エステル中の硫黄濃度の測定により求めた。また、共重
合ポリエステル(イ−1)の組成はNMR分析の結果、 酸成分として、 テレフタル酸 48.5mol% イソフタル酸 49.0mol% 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 2.5mol% アルコール成分として、 エチレングリコール 61.0mol% ネオペンチルグリコール 39.0mol% であった。
【0047】温度計、コンデンサ、撹拌羽根を備えた四
つ口の1リットルセパラブルフラスコに、得られた共重
合ポリエステル(イ−1)34重量部とブチルセロソル
ブ10重量部とを110℃にて溶解した後、80℃の水
56重量部を添加した共重合ポリエステルの水系分散体
(ロ−1)を得た。
【0048】温度計、コンデンサ、攪拌羽根を備えた四
つ口の1リットルセパラブルフラスコに、共重合ポリエ
ステル水系分散体(ロ−1)834重量部、脱イオン水
35重量部、及びジメチルアミノエチルメタクリレート
5.6重量部を入れ、70℃に昇温した。次に過硫酸ア
ンモニウム0.2重量部を含む水溶液100重量部を4
0分間にわたって滴下した後、さらに60分間70℃に
保った状態で反応を続け、ポリエステル系粒子(ハ−
1)を得た。
【0049】得られたポリエステル系粒子(ハ−1)に
水を添加して20重量%のポリエステル系粒子水分散体
(ニ−1)を得た。
【0050】オリエント化学社製オイルイエロー3Gの
10重量部をメタノール100重量部に分散させ、ポリ
エステル系粒子分散体(ニ−1)500重量部に加え、
撹拌しながら50℃の加温し60分間保持した。その
後、冷却、濾過、洗浄を行い、真空中で乾燥し黄色トナ
ーを得た。
【0051】同様にして、バイエル社製 MACROLEX REDV
IOLET R及び保土谷化学社製分散染料 SOT BLUE 2を用
いて、ポリエステル系粒子分散体(ニ−1)からマゼン
タトナー及びシアントナーを得た。
【0052】温度計、コンデンサ、撹拌羽根を備えた四
つ口の1リットルセパラブルフラスコにメタノール30
0重量部、化合物例6を3重量部を加え、同様に加熱撹
拌、濾過を行ない飽和溶液(以下溶液A)を得た。
【0053】溶液A150重量部を同じ装置に入れ、こ
れに前記で合成し着色した粒子50重量部を加え50℃
で1時間加熱撹拌した。次いで常温まで冷却し濾別し粒
子を減圧乾燥して、イエロトナー、マゼンタトナー及び
シアントナーを得た。
【0054】得られた粒子2.5重量部にフェライトキ
ャリア97.5重量部を混合し、二成分現像剤とした。
得られた現像剤の帯電量をブローオフ装置で測定したと
ころ、イエロートナー;−19.8μC/g、マゼンタトナ
ー;−18.6μC/g、シアントナー;−19.5μC/gで
あった。この現像剤を市販の電子写真複写機(リコー社
製 ARTAGE 8000 REALA)にセットし画像を形成したとこ
ろ、細線再現性が良好でハーフトーンの鮮やかなフルカ
ラー鮮明画像が得られた。
【0055】〔実施例2〕 ジメチルテレフタレート 94重量部、 ジメチルイソフタレート 95重量部、 エチレングリコール 80重量部、 ネオペンチルグリコール 100重量部、
及び テトラブトキシチタネート 0.1重量部、 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 1.2重量部、 を用いて、実施例1と同様の方法により共重合ポリエス
テル(イ−2)を得た。得られた共重合ポリエステル
(イ−2)の分子量2800、スルホン酸金属塩基24等量
/1000000gであった。
【0056】また、共重合ポリエステル(イ−2)の組
成はNMR分析の結果、 酸成分として、 テレフタル酸 49.5mol% イソフタル酸 50.0mol% 5−ナトリウムスルホイソフタル酸 0.5mol% アルコール成分として、 エチレングリコール 53.0mol% ネオペンチルグリコール 47.0mol% であった。
【0057】次いで、実施例1と同様にして共重合ポリ
エステルの水系分散体(ロ−2)を得た。さらに同様に
してポリエステル系粒子(ハ−2)を得た。得られたポ
リエステル系粒子(ハ−2)を、実施例1と同様の方法
にてポリエステル系粒子分散体(ニ−2)とし、さらに
実施例1と同様の方法にて染着しイエロートナー、マゼ
ンタトナー、シアントナーを得た。
【0058】実施例1の装置にメタノール270重量
部、化合物例1を3重量部を加え同様に加熱撹拌、濾過
を行ない飽和溶液(溶液B)を得た。溶液B150重量
部、それぞれ着色粒子50重量部を実施例1の装置にと
り、同様に加熱撹拌、冷却濾過を行い、イエロートナ
ー、マゼンタトナー及びシアントナーをそれぞれ得た。
【0059】得られた粒子について実施例1と同様に現
像剤とした。得られた現像剤の帯電量は、イエロートナ
ー;−20.5μC/g、マゼンタトナー;−19.7μC/
g、シアントナー;21.1μC/gであった。この現像剤
で画像を形成したところ、鮮明なフルカラー画像が得ら
れた。
【0060】〔実施例3〕オリエント化学社製オイルイ
エロー 3G、バイエル社製 MACROLEX REDVIOLETR及び
保土谷化学社製分散染料 SOT BLUE 2をそれぞれ10重
量部をメタノール100重量部に溶解させ実施例2にお
いて得られたポリエステル系粒子分散体(ニ−2)50
0重量部に加え、撹拌しながら50℃に加温し、60分
間保持した。その後、冷却、濾過、洗浄を行い、真空中
で乾燥し着色トナーを得た。
【0061】三角フラスコにメタノール600重量部、
化合物例6を0.5重量部をとり、常温で超音波分散
し、さらにマグネチックスターラで撹拌し、完全に溶解
させた。この溶液に着色カラー粒子それぞれ50重量部
を加え、さらに常温で超音波分散しマグネチックスター
ラで充分撹拌した。この分散液を全量ステンレスバット
にあけ、減圧デシケータに放置し、溶媒を蒸発乾燥させ
た。完全乾燥した粒子をメッシュで解砕し、イエロート
ナー、マゼンタトナー、シアントナーを得た。得られた
粒子を実施例1と同様に現像剤とした。得られた現像剤
の帯電量は、イエロートナー;−22.5μC/g、マゼン
タトナー;−21.3μC/g、シアントナー;23.1μC
/gであった。この現像剤で画像を形成したところ、鮮明
なフルカラー画像が得られた。また、10000枚コピ
ー後の現像剤の帯電量は、イエロートナー;−17.6
μC/g、マゼンタトナー;−17.8μC/g、シアントナ
ー;23.1μC/gであった。
【0062】〔実施例4〕オリエント化学社製オイルイ
エロー 3G、バイエル社製 MACROLEX REDVIOLETR及び
保土谷化学社製分散染料 SOT BLUE 2をそれぞれ10重
量部をメタノール100重量部に溶解させ、実施例2に
おいて得られたポリエステル系粒子分散体(ニ−2)5
00重量部に加え、撹拌しながら50℃に加温し、60
分間保持した。その後、冷却、濾過、洗浄を行い、真空
中で乾燥し着色トナーを得た。
【0063】三角フラスコにメタノール600重量部、
化合物例6を0.5重量部をとり、常温で超音波分散
し、さらにマグネチックスターラで撹拌し完全に溶解さ
せた。この溶液に着色カラー粒子それぞれ50重量部を
加え、さらに常温で超音波分散しマグネチックスターラ
で充分撹拌した。この分散液を全量ステンレスバットに
あけ、減圧デシケータに放置し溶媒を蒸発乾燥させた。
完全乾燥した粒子を表面処理装置であるハイブリタイザ
(奈良機械社製)に投入し、20℃以下の冷却水で装置
内を50℃になるように設定し、5000rpmで10
分間処理した。それぞれの着色粒子100重量部に対し
シリカ1重量部を混合し、イエロートナー、マゼンタト
ナー及びシアントナーを得た。得られた粒子を実施例1
と同様に現像剤とした。得られた現像剤の帯電量は、イ
エロートナー;−25.1μC/g、マゼンタトナー;−2
4.8μC/g、シアントナー;25.6μC/gであった。こ
の現像剤で画像を形成したところ、鮮明なフルカラー画
像が得られた。また、10000枚コピー後の現像剤の
帯電量は、イエロートナー;−23.5μC/g、マゼンタ
トナー;−23.0μC/g、シアントナー;23.4μC/g
であった。
【0064】〔比較例1〕実施例1と同様の方法でポリ
エステル系粒子水分散体を得た。これを実施例1と同様
の方法で着色してイエロートナー、マゼンタトナー及び
シアントナーを得た。得られた粒子について実施例1と
同様に現像剤としたが、帯電量はイエロートナー;−
5.6μC/g、マゼンタトナー;−4.8μC/g、シアント
ナー;5.8μC/gであった。
【0065】〔比較例2〕実施例1と同様の方法でポリ
エステル系粒子水分散体を得た。これを実施例1と同様
の方法で着色してイエロートナー、マゼンタトナー及び
シアントナーを得た。実施例1と同じ装置にメタノール
300重量部、E−84(オリエント化学社製)を3重
量部加え同様に加熱撹拌、濾過を行ない飽和溶液(以下
溶液C)を得た。溶液C150重量部を同じ装置に入
れ、これに前記で合成し着色した粒子50重量部を加
え、50℃で1時間加熱撹拌した。次いで常温まで冷却
し濾別し、粒子を減圧乾燥し、イエロートナー;−3.
2μC/g、マゼンタトナー;−2.8μC/g、シアントナ
ー;3.6μC/gであった。
【0066】〔比較例3〕実施例1と同様の方法でポリ
エステル系粒子水分散体を得た。これを実施例1と同様
の方法で着色してイエロートナー、マゼンタトナー及び
シアントナーを得た。実施例1と同じ装置にメタノール
300重量部、S−34(オリエント化学社製)を3重
量部加え、同様に加熱撹拌、濾過を行ない飽和溶液(以
下溶液D)を得た。溶液D150重量部を同じ装置に入
れ、これに前記で合成し着色した粒子50重量部を加
え、0℃で1時間加熱撹拌した。次いで常温まで冷却し
濾別し、粒子を減圧乾燥しイエロートナー、マゼンタト
ナー、シアントナーを得た。得られた粒子について、実
施例1と同様に現像剤とした。得られた現像剤の帯電量
は、イエロートナー;−4μC/g、マゼンタトナー;−
4.2μC/g、シアントナー;−5.1μC/gであった。
【0067】
【発明の効果】以上述べてきたように、親水性液体中で
親水性液体に溶解する高分子分散剤により分散されたポ
リエステルを主成分とする樹脂粒子に、特定された一般
式で示される含フッ素4級アンモニウム塩化合物、また
は特定された一般式で示される含フッ素イミニウム化合
物の少なくとも1つを、親水性有機液体中で重合粒子中
に吸着または浸透させ、必要に応じて機械的に固着させ
た本発明のトナーは、粒径が小さく均一で、帯電特性、
流動特性、絶縁性等の湿度依存性、定着性、シャープメ
ルト性、耐オフセット性等に優れ、また良好なる分光透
過特性を示すため、特にオーバーヘッドプロジェクタ等
の透過光により観察される複写画像において、鮮明で良
好なる色調をもつ画像を提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中山 信広 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルを主成分とする樹脂粒子
    と、下記一般式(1)で示される含フッ素アンモニウム
    化合物または一般式(2)で示される含フッ素イミニウ
    ム化合物とを親水性液体中で接触させ、前記一般式
    (1)または一般式(2)の化合物を前記樹脂粒子に吸
    着ないし浸透させたことを特徴とする乾式電子写真トナ
    ー。 [一般式(1)中、R1〜R4は水素原子または有機基を
    意味し、基R1〜R4の少なくとも一つは、水酸基、クロ
    ロメチル基、アミノ基、カルボン酸アミド結合、スルホ
    ン酸アミド結合、ウレタン結合、エーテル結合もしくは
    エステル結合を有していてもよい炭素原子数1〜69
    で、かつ、フッ素原子数3〜66のアルケニル基であ
    り、そして基R1〜R4の最高三つは互いに無関係に水素
    原子、炭素原子1〜30のアルキル基、アリール基、ア
    リールアルキル基またはアルケニル基であり、アリール
    基及びアリールアルキル基は炭素原子数1〜30のアル
    キル基、炭素原子数1〜30のアルコキシ基、水酸基ま
    たはハロゲン原子で置換されていてもよく、基R1〜R4
    の二つは互いに結合して1〜4個のヘテロ原子で中断さ
    れていてもよく、また0〜6個の二重結合を含有してい
    てもよく、かつ、フッ素原子、塩素原子、臭素原子また
    はヨウ素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原
    子数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基またはアミノ基で
    置換されている炭素原子数4〜12の単核または多核の
    環系を形成し、そしてX-は有機または無機アニオンを
    意味する。] [一般式(2)中、R9〜R12は水素原子または有機基
    を意味し、基R9〜R12の少なくとも一つは水酸基、ク
    ロロメチル基、アミノ基、カルボン酸アミド結合、スル
    ホン酸アミド結合、ウレタン結合、エーテル結合もしく
    はエステル結合を有していてもよい炭素原子数1〜69
    で、かつ、フッ素原子数3〜66のアルケニル基であ
    り、そして基R9〜R12の最高三つは互いに無関係に水
    素原子、炭素原子1〜30のアルキル基、アリール基、
    アリールアルキル基、またはアルケニル基であり、アリ
    ール基及びアリールアルキル基は炭素原子数1〜30の
    アルキル基、炭素原子数1〜30のアルコキシ基、水酸
    基またはハロゲン原子で置換されていてもよく、基R9
    〜R12の二つは互いに結合して1〜4個のヘテロ原子で
    中断されていてもよく、また0〜6個の二重結合を含有
    していてもよく、かつ、フッ素原子、塩素原子、臭素原
    子またはヨウ素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、
    炭素原子数1〜6のアルコキシ基、ニトロ基またはアミ
    ノ基で置換されている炭素原子数4〜12の単核または
    多核の環系を形成し、そしてX-は有機または無機アニ
    オンを意味する。]
  2. 【請求項2】 親水性液体中で該親水性液体に溶解する
    高分子分散剤により分散されたポリエステルを主成分と
    する樹脂粒子と、前記一般式(1)で示される含フッ素
    アンモニウム化合物または一般式(2)で示される含フ
    ッ素イミニウム化合物とを親水性液体中で接触させ、前
    記一般式(1)または一般式(2)で示される化合物を
    前記樹脂粒子に吸着ないし浸透させ、かつ、該ポリエス
    テル樹脂粒子に機械的衝撃を加え、吸着もしくは浸透さ
    せた前記一般式(1)または前記一般式(2)の化合物
    をポリエステルを主成分とする樹脂粒子表面に固定させ
    たことを特徴とする乾式電子写真トナー。
JP5003600A 1993-01-12 1993-01-12 乾式電子写真トナー Pending JPH06208248A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08137135A (ja) * 1994-11-08 1996-05-31 Ricoh Co Ltd 静電潜像現像用マゼンタトナー
US5856286A (en) * 1997-06-23 1999-01-05 Alliedsignal Inc. Surfactants for use in drying and dry cleaning compositions

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