JPH06207658A - 油圧作動式変速機の油圧制御装置 - Google Patents

油圧作動式変速機の油圧制御装置

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JPH06207658A
JPH06207658A JP17676891A JP17676891A JPH06207658A JP H06207658 A JPH06207658 A JP H06207658A JP 17676891 A JP17676891 A JP 17676891A JP 17676891 A JP17676891 A JP 17676891A JP H06207658 A JPH06207658 A JP H06207658A
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智年 森重
Shuichi Kawamura
修一 川村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 油圧作動式変速機のライン圧のフィードバッ
ク制御を良好に行い、とくに、制御量とライン圧との対
応特性が直線的とならない場合でもフィードバック制御
による目標ライン圧への収束性を良好にする。 【構成】 実際のライン圧と目標ライン圧との差に応じ
てデューティのフィードバック制御量を求めるフィード
バック制御量演算手段73を有するとともに、上記目標
ライン圧に応じてフィードバック制御量を補正する補正
手段74を有し、フィードバック制御によるライン圧の
変化を調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧作動式変速機にお
ける油圧回路の油圧をフィードバック制御により目標油
圧となるように制御する油圧制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開昭59−19755号
公報に示されるように、変速機構に対する油圧回路の油
圧(ライン圧)をフィードバック制御により目標油圧に
なるように制御した油圧制御装置は知られている。この
公報に示された装置は、有効径が可変とされて油圧によ
り作動される入力側および出力側の各プーリとこれらに
張設されたベルトとで変速機構が構成されているベルト
式無段変速機において、調圧手段により調整されたライ
ン圧が出力側のプーリに供給されることによりベルトの
張力が調整されるようにするとともに、このライン圧の
目標値を運転状態に応じて設定し、油圧センサで検出さ
れるライン圧の実際値と上記目標値との比較に基づいて
調圧手段に制御信号を出力することにより、ライン圧が
目標値になるようにフィードバック制御を行っている。
【0003】なお、上記公報に示されている例では、ラ
イン圧の実際値と目標値との偏差に応じて制御信号の電
圧が変えられるようになっているが、制御の手法として
は、調圧手段にデューティソレノイドバルブ等を用い、
これに対する制御信号のデューティを変えるようにする
デューティ制御も一般に知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の制御装置では、
例えばライン圧の実際値と目標値との偏差に一定の比例
係数を乗じるというように、上記偏差に基づいて比例制
御あるいはPID制御等でフィードバック制御量を求め
ている。このような制御は、制御量の変化に対してライ
ン圧が一定の割合で直線的に変化するような対応関係に
あれば、その割合に応じて上記比例定数等を適度に定め
ておくことで適正に行うことができる。
【0005】ところが、一般にこの種の油圧回路では、
制御量とライン圧との対応特性が直線的とならず、例え
ばデューティ制御による場合のデューティとライン圧と
の対応関係は、後に実施例中でも説明するように、図4
に実線で示すような曲線となり、高ライン圧側と低ライ
ン圧側とでライン圧の変化率が変わってくる。このた
め、ライン圧の変化率が大きくなる領域ではフィードバ
ック制御でライン圧が過大に変化するオーバーシュート
が生じ易くなり、逆にライン圧の変化率が小さくなる領
域では目標値への追随が遅れ易くなるという問題が残さ
れていた。
【0006】本発明は、上記の事情に鑑み、制御量と油
圧との対応特性が直線的とならない場合でも、フィード
バック制御による油圧の収束性を良好に調整し、安定し
たフィードバック制御を行うことができる油圧作動式変
速機の油圧制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明の第1の構成は、油圧によって作動される変速
機構と、この変速機構に対する油圧回路とを備えるとと
もに、この油圧回路に油圧を調整する調圧手段が設けら
れている油圧作動式変速機において、上記調圧手段によ
り調整される油圧を検出する検出手段と、運転状態に応
じて目標油圧を設定する目標油圧設定手段と、上記油圧
検出手段により検出された油圧と上記目標油圧との差に
応じて油圧制御信号のフィードバック制御量を求めるフ
ィードバック制御量演算手段と、上記フィードバック制
御量を用いて上記油圧が上記目標油圧となるように調圧
手段を制御する制御手段と、上記フィードバック制御量
を上記目標油圧に応じて補正するフィードバック制御量
補正手段とを備えたものである。
【0008】また、本発明の別の構成としては、油圧に
よって作動される変速機構と、この変速機構に対する油
圧回路とを備えるとともに、この油圧回路に油圧を調整
する調圧手段が設けられている油圧作動式変速機におい
て、上記調圧手段により調整される油圧を検出する検出
手段と、運転状態に応じて目標油圧を設定する目標油圧
設定手段と、上記目標油圧に応じて油圧制御信号の基本
制御量を演算する基本制御量演算手段と、油圧検出手段
により検出された油圧と上記目標油圧との差に応じて油
圧制御信号のフィードバック制御量を求めるフィードバ
ック制御量演算手段と、上記基本制御量およびフィード
バック制御量によって上記油圧が上記目標油圧となるよ
うに上記調圧手段を制御する制御手段と、上記フィード
バック制御量を上記基本制御量に応じて補正するフィー
ドバック制御量補正手段とを備えたものである。
【0009】本発明はベルト式無段変速機に適用するこ
とが効果的であり、この適用例によると、変速機構は有
効径が可変とされて油圧により作動される一対のプーリ
とこれらに張設されたベルトとで構成され、変速機構に
対する油圧回路は、上記変速機構の一方のプーリに変速
用の油圧供給制御手段を介して油圧を供給するととも
に、他方のプーリに、調圧手段により調整された油圧を
供給するように構成される。
【0010】上記調圧手段はデューティソレノイドバル
ブを有し、制御手段から調圧手段に出力される信号がデ
ューティ信号であることが好ましい。また、フィードバ
ック制御量補正手段は、制御手段から調圧手段に出力さ
れる信号のデューティ値と油圧との対応特性に影響を与
えるパラメータに応じてフィードバック制御量の補正値
を調整するものであることが好ましい。
【0011】
【作用】上記の第1の構成によると、調圧手段の制御量
と油圧との対応特性が直線的でない場合に、高油圧側と
低油圧側とで油圧の変化率が変わることに対し、目標油
圧に応じた補正により、フィードバック制御による油圧
の変化が適度に調整される。
【0012】上記の別の構成によると、目標油圧に対応
した基本制御量に応じてフィードバック制御量が補正さ
れることにより、第1の構成による場合と同様の作用が
得られる。
【0013】有効径が可変とされて油圧により作動され
る一対のプーリとこれらに張設されたベルトとで変速機
構が構成されたベルト式無段変速機に適用した場合、ベ
ルトの張力に関係する油圧のフィードバック制御が適正
に行われる。
【0014】調圧手段がデューティソレノイドバルブを
有するものであれば、デューティ制御で油圧が調整され
るとともに、そのデューティ値のフィードバック制御量
が目標油圧または基本制御量に応じて補正される。さら
に、上記デューティ値と油圧との対応特性に影響を与え
るパラメータに応じてフィードバック制御量の補正値が
調整されると、フィードバック制御がより一層適正に行
われる。
【0015】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は油圧作動式変速機の全体構成を示している。図示
の変速機はベルト式の無段変速機であり、エンジンAの
出力軸1に連結されたトルクコンバータBと、前後進切
換機構Cと、ベルト伝動機構を用いた変速機構Dと、減
速機構Eと、作動機構Fとが配設されている。
【0016】上記トルクコンバータBは、ポンプカバー
2に固定されてエンジン出力軸1と一体的に回転するポ
ンプインペラ3と、これに対向するタービンランナ4
と、これらポンプインペラ3とタービンランナ4との間
に介設されてトルク増倍作用を行うステータ5とを有
し、ポンプカバー2内の作動油を介してポンプインペラ
3からタービンランナ4へ駆動力が伝達されるようにな
っている。上記タービンランナ4にはタービン軸6が連
結され、このタービン軸6が、前後進切換機構Cの入力
側に接続されている。
【0017】上記前後進切換機構Cは、上記タービン軸
6に結合されたキャリア13に第1および第2のピニオ
ンギヤ11,12が取り付けられ、変速機構Dの入力側
に接続されたサンギヤ14に第1ピニオンギヤ11が噛
合し、リングギヤ15に第2ピニオンギヤ12が噛合す
るとともに、リングギヤ15とキャリア13との間にフ
ォワードクラッチ16が、またリングギヤ15とミッシ
ョンケース18との間にリバースクラッチ17が、それ
ぞれ設けられた構造となっている。従って、フォワード
クラッチ16が締結、リバースクラッチ17が解放の状
態では、タービン軸6の回転がそのままサンギヤ14か
ら変速機構D側へ出力される。また、フォワードクラッ
チ16が解放、リバースクラッチ17が締結の状態で
は、タービン軸6の回転が反転された状態でサンギヤ1
4から変速機構D側へ出力される。
【0018】上記変速機構Dは、上記サンギヤ14に結
合されたプライマリ軸22上のプライマリプーリ21
と、上記プライマリ軸22に対し所定間隔をおいて平行
に配置されたセカンダリ軸32上のセカンダリプーリ3
1と、これらの間に張設されたベルト20とを備えてい
る。
【0019】上記プライマリプーリ21は、プライマリ
軸22に固定された固定円錐板23と、これに対向して
配置されプライマリ軸22にスライド可能に支持された
可動円錐板24とを備え、両円錐板23,24の間に略
V字状断面のベルト受け溝25が形成されている。そし
て、可動円錐板24が移動するとベルト挾持位置が変化
することで有効ピッチ径が変化するようになっている。
【0020】セカンダリプーリ31は、基本的には上記
プライマリプーリ21と同様の構成を有するもので、セ
カンダリ軸32に固定された固定円錐板33とこれに対
向した可動円錐板34とを備え、両円錐板33,34の
間にベルト受け溝35が形成され、可動円錐板34が移
動すると有効ピッチ径が変化するようになっている。
【0021】これらのプーリ21,31における各可動
円錐板34の背部には、各可動円錐板34をスライドさ
せるための油圧室(プライマリ室26およびセカンダリ
室36)を構成するシリンダ27,37が結合されてい
る。上記プライマリ室26には、後記変速比制御バルブ
46等で制御された油圧が与えられ、またセカンダリ室
36には、後記調圧手段により調整された油圧(油圧回
路のライン圧)が与えられる。そして、プライマリ室2
6への作動油の導入あるいは排出により、プライマリプ
ーリ21の有効径が調整されるとともにそれに伴ってセ
カンダリプーリ31の有効径が調整され、一方、セカン
ダリ室36に与えられる油圧でベルト20の張力が調整
されるようになっている。
【0022】図2は上記変速機構D等に対する油圧回路
を示している。この油圧回路は、オイルポンプ40と、
ライン圧を調整する調圧手段と、変速用の油圧供給制御
手段を含んでいる。
【0023】上記調圧手段は、オイルポンプ40からラ
イン51に吐出される作動油の圧力を調整して所定のラ
イン圧とするライン圧調整バルブ41と、このライン圧
調整バルブ41に対するパイロット圧をコントロールす
る修正バルブ42およびデューティソレノイドバルブ4
3を有している。上記修正バルブ42のパイロット室に
は、ライン圧を減圧する減圧バルブ44に通じるパイロ
ットライン52が接続され、このパイロットライン52
に上記デューティソレノイドバルブ43が接続されてい
る。そして、上記デューティソレノイドバルブ43でコ
ントロールされた圧力が修正バルブ42のパイロット室
に導入され、その圧力に応じた修正バルブ42の作動に
よって制御された圧力が、ライン53を経てライン圧調
整バルブ41のパイロット室に導入されることにより、
ライン圧がコントロールされるようになっている。
【0024】このライン圧は、上記ライン51を介して
上記セカンダリ室36に、ベルト張力調整のためのセカ
ンダリ圧として供給される。このライン51には、ライ
ン圧を検出する油圧センサ61が接続されている。
【0025】また、変速用の油圧供給制御手段は、変速
比制御バルブ46および変速比固定バルブ47を有して
おり、ライン51から分岐したライン55が変速比制御
バルブ46に接続されるとともに、変速比制御バルブ4
6と変速比固定バルブ47との間にライン56が接続さ
れ、さらに変速比固定バルブ47と上記プライマリ室2
6との間にライン57が接続されている。
【0026】上記変速比制御バルブ46は、プライマリ
・デューティソレノイドバルブ48により制御され、こ
のソレノイドバルブ48がオフのときは、ライン55に
連なるポートとライン56とを連通してライン圧をプラ
イマリ室26側へ送り、反対にソレノイドバルブ48が
オンのときは、ライン56をドレン用のポート58に連
通させて、プライマリ室側の油圧をリリーフボール59
を経てドレンさせる。そして、上記ソレノイドバルブ4
8がオンとオフとの間でデューティ制御されると、それ
に応じてポートの開口率が変化することにより、プライ
マリ室26側の圧力を制御するようになっている。ま
た、変速比固定バルブ47は、変速異常の発生が予測さ
れる場合等に変速比を固定可能とするためのもので、オ
ン・オフ型ソレノイドバルブ49によりコントロールさ
れ、ソレノイドバルブ49がオンのときはライン56と
ライン57とを連通させるが、ソレノイドバルブ49が
オフのときはプライマリ室26側のライン57を閉じて
プライマリ室26の圧力を固定するようになっている。
【0027】なお、このほかに油圧回路には、トルクコ
ンバータに対する油圧供給系統、マニュアルバルブの作
動に応じて前後進切換機構Cのクラッチに対する油圧の
給排を行う系統等も設けられるが、これらについては図
示を省略する。
【0028】上記油圧回路における調圧用のデューティ
ソレノイドバルブ43、プライマリ・デューティソレノ
イドバルブ48およびソレノイドバルブ49等はコント
ロールユニット(ECU)70により制御される。この
ECU70には、上記油圧センサ61からの信号が入力
されるとともに、エンジン回転数センサ62およびスロ
ットル開度センサ63からの各信号が入力され、さらに
必要に応じて油温センサ64からの信号、バツテリ電圧
信号65等も入力される。
【0029】上記ECU70は、運転状態に応じて上記
プライマリ・デューティソレノイドバルブ48等を制御
することにより変速比の制御を行うとともに、調圧用の
デューティソレノイドバルブ43を制御することにより
ライン圧の制御を行うようになっており、ライン圧を制
御する手段は図3に示すような構成となっている。
【0030】すなわち、目標油圧設定手段71と、基本
制御量設定手段72と、フィードバック制御量演算手段
73と、フィードバック制御量補正手段74と、制御手
段75とがECU70に機能的に含まれている。上記目
標油圧設定手段71は、スロットル開度およびエンジン
回転数等により運転状態を調べて、そのときの運転状態
に応じた目標ライン圧を設定する。上記基本制御量設定
手段72は、予め調べられた上記デューティソレノイド
バルブ43のデューティとライン圧との対応関係に基づ
き、目標ライン圧に応じて、基本制御量に相当するデュ
ーティフィードフォワード量(以下「デューティF/F
量」という)を求める。なお、このデューティF/F量
を油温やバッテリ電圧等に応じて補正してもよい。
【0031】また、上記フィードバック制御量演算手段
73は、油圧センサ61によって検出された実際のライ
ン圧と上記目標ライン圧と差に応じて、フィードバック
制御量に相当するデューティフィードバック量(以下
「デューティF/B量」という)を求める。
【0032】上記フィードバック制御量補正手段74
は、目標ライン圧に応じて求めた補正係数によって上記
デューティF/B量を補正する。その補正係数は、上記
油圧回路における調圧用のデューティソレノイドバルブ
43のデューティ特性(図4)を考慮して定められる。
具体的に述べると、上記デューティソレノイドバルブ4
3はドレン量をコントロールするようになっていること
から、そのデューティの増大につれてライン圧が低くな
る。このデューティとライン圧との対応特性は直線(図
4中の破線)が理想であるが、現実には、図4中に実線
で示すような曲線となるのが一般的である。つまり、調
圧手段におけるパイロットライン52中の絞りでの流通
抵抗、バルブ42の容量等による影響で、ライン圧が高
い側(デューティが小さい側)にあるときにはデューテ
ィ変化に対するライン圧変化率(特性曲線の傾き)が大
きく、ライン圧が低い側(デューティが大きい側)にな
るにつれてライン圧変化率が小さくなる傾向がある。こ
のような特性である場合に、デューティF/B量の補正
係数g(Pt)は図5のように、目標ライン圧Ptが高いと
きに小さく、目標ライン圧Ptが低くなる程大きくされ
るものとし、このように目標ライン圧Ptに対応づけた
補正係数g(Pt)が予めマップとして記憶されている。
【0033】また、上記制御手段75は、上記デューテ
ィF/F量と補正後のデューティF/B量とから最終的
なデューティを求めて上記デューティソレノイドバルブ
43を制御するようになっている。
【0034】図6は上記ECU70によるライン圧の制
御の具体例をフローチャートで示す。このフローチャー
トの処理がスタートすると、ECU70は、先ずステッ
プS1でライン圧P、スロットル開度TVO、エンジン
回転数Ne、油温To、バッテリ電圧VB 等の信号を読
み込む。続いてステップS2で、スロットル開度TVO
とエンジン回転数Neとに応じた値f(TVO,Ne)をもって
目標ライン圧Ptを設定する。この値は、例えば予めE
CU内に記憶された目標ライン圧のマップから求められ
る。
【0035】続いてステップS3で、上記目標ライン圧
Ptに応じたデューティF/F量DFFを設定する。この
デューティF/F量DFFは、予め調べられたライン圧と
デューティとの対応特性(図4参照)に基づいてECU
70内にマップとして記憶されており、このマップから
求められる。
【0036】次にステップS4で、油圧センサ61で検
出された実際のライン圧Pと上記目標ライン圧Ptとの
偏差ΔPを演算する。そしてステップS5で、上記偏差
ΔPに基づき、PID制御によりデューティF/B量Δ
D’を ΔD’=KI・∫ΔPdt+KP・ΔP+KD・dΔP/d
t と演算する。ここで、KI ,KP ,KD は定数である。
【0037】さらにステップS6で、図5のようなマッ
プから、そのときの目標ライン圧Ptに応じた補正係数
g(Pt)を求めて、この補正係数g(Pt)によりデューティ
F/B量を[ΔD=ΔD’×g(Pt)]と補正する。そし
てステップS7で、上記デューティF/F量DFFに補正
後のデューティF/B量ΔDを加えることにより、最終
的なデューティDuを求め、ステップS8でこのデュー
ティDuによりデューティソレノイドバルブ43を駆動
する。
【0038】以上のような当実施例の装置によると、実
際のライン圧Pと目標ライン圧Ptとの偏差ΔPに基づ
いてデューティF/B量が求められ、フィードバック制
御が行われることにより、ライン圧Pが目標ライン圧P
tになるように制御される。
【0039】この場合に、デューティF/B量が目標ラ
イン圧Ptに応じて補正されることにより、フィードバ
ック制御によるライン圧の収束性が良好に調整される。
すなわち、目標ライン圧Ptが高いときは、図4中に実
線で示す対応特性においてライン圧変化率が大きくなる
のに対し、デューティF/B量の補正係数g(Pt)が小さ
くされることにより、ライン圧が変動しすぎる傾向が是
正され、所謂オーバーシュートが防止される。一方、目
標ライン圧Ptが低いときはライン圧変化の割合が小さ
くなるのに対し、デューティF/B量の補正係数g(Pt)
が大きくされることにより、目標ライン圧への追従が遅
れる傾向が是正される。
【0040】そして、このように制御されたライン圧が
ベルト張力調整のためのセカンダリ圧としてセカンダリ
室36に供給されることにより、ベルト20の張力が適
正に調整されることとなる。
【0041】なお、上記実施例では、図6中のステップ
S6(フィードバック制御量補正手段74としての処
理)で、目標ライン圧Ptに応じて補正係数g(Pt)を求
めているが、デューティF/F量DFFが目標ライン圧P
tに応じて設定されるので、デューティF/F量DFF
応じて補正係数g(DFF)を求めるようにしても、上記実
施例と同様の補正が行われる。この場合は、図7に示す
ように、デューティF/F量DFFが大きくなる程補正係
数g(DFF)が大きくされればよい。
【0042】また、上記目標ライン圧Pt(またはデュ
ーティF/F量DFF)に応じて補正係数を求める場合
に、さらに図4に示すような対応特性に影響を与えるパ
ラメータに応じて補正係数を調整することが望ましい。
例えば油温およびバッテリ電圧が上記デューティ特性に
影響を与え、油温の影響としては、油温が高くなると上
記対応特性が直線に近づき、油温が低くなると粘性の増
大に起因して上記対応特性の曲がりが顕著になる。また
バッテリ電圧の影響としては、バッテリ電圧が低くなる
ほど、バルブ開作動の遅れに起因して、ライン圧が高く
なる側に対応特性がずれる。従って、これらのパラメー
タに関してもその影響でライン圧変化率が変動すること
を是正するように補正係数を調整するものとし、目標ラ
イン圧Ptと油温Toとバッテリ電圧VB とに応じて補
正係数g(Pt,To,VB)を求めるようにすれば、より一層適
正にライン圧のフィードバック制御が行われることとな
る。
【0043】また、上記実施例ではベルト式無段変速機
に適用しているが、他の油圧作動式変速機にも本発明を
適用することができ、例えば、各種摩擦要素(クラッ
チ、ブレーキ等)を組み込んで変速比が複数段に切換え
られるようになっている多段式変速機構とその摩擦要素
等に対する油圧回路とを備えた自動変速機において、そ
の油圧回路のライン圧の制御に本発明を適用することも
できる。
【0044】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によると、油圧作
動式変速機の変速機構に対する油圧回路の油圧をフィー
ドバック制御するものにおいて、実際の油圧と目標油圧
との差に応じて調圧手段に対する制御信号のフィードバ
ック制御量を求めるとともに、上記目標油圧に応じてフ
ィードバック制御量を補正するようにしているため、調
圧手段の制御量とライン圧との対応特性が直線的となら
ないような条件下でも、フィードバック制御による油圧
の変化を適正に調整して、オーバーシュートや追随遅れ
を防止し、安定したフィードバック制御を行うことがで
きる。
【0045】請求項2に記載の発明によると、目標油圧
に応じた基本制御量とフィードバック制御量とでフィー
ドバック制御を行うとともに、上記基本制御量に応じて
フィードバック制御量を補正するようにしているため、
目標油圧に応じて補正を行う請求項1の発明と同様の作
用により、フィードバック制御による油圧の変化を適正
に調整することができる。
【0046】また、特に請求項3に記載のように、有効
径が可変とされて油圧により作動される一対のプーリと
これらに張設されたベルトとで変速機構が構成されたベ
ルト式無段変速機に適用した場合には、ベルトの張力に
関係する油圧が適正にフィードバック制御されることと
なるので、ベルトの耐久性および信頼性を向上すること
ができる。
【0047】また、請求項4に記載のように、調圧手段
がデューティソレノイドバルブを有するものにおいて
は、デューティ値のフィードバック制御量を上記目標油
圧または上記基本制御量に応じて補正することにより、
フィードバック制御によるデューティ値の変化に応じた
油圧の変化を適正に調整することができる。さらに、請
求項5に記載のように、上記デューティ値と油圧との対
応特性に影響を与えるパラメータに応じてフィードバッ
ク制御量の補正値を調整することにより、フィードバッ
ク制御によるデューティ値の変化をより一層適正化する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される油圧作動式変速機の一例と
して無段変速機の概略構成を示すスケルトン図である。
【図2】同変速機の油圧回路のうちで本発明に係わる部
分を示す回路図である。
【図3】本発明の一実施例による制御系統の構成を示す
機能ブロック図である。
【図4】調圧手段のデューティソレノイドバルブに対す
る制御信号のデューティとライン圧との対応特性を示す
図である。
【図5】目標ライン圧に応じてフィードバック制御量を
補正する場合の補正係数を示す図である。
【図6】ライン圧制御の一例を示すフローチャートであ
る。
【図7】基本制御量に応じてフィードバック制御量を補
正する場合の補正係数を示す図である。
【符号の説明】
D 変速機構 20 ベルト 21 プライマリプーリ 31 セカンダリプーリ 41 ライン圧調整バルブ 43 デューティソレノイドバルブ 61 油圧センサ 70 コントロールユニット 71 目標油圧設定手段 72 基本制御量演算手段 73 フィードバック制御量演算手段 74 フィードバック制御量補正手段 75 制御手段

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧によって作動される変速機構と、こ
    の変速機構に対する油圧回路とを備えるとともに、この
    油圧回路に油圧を調整する調圧手段が設けられている油
    圧作動式変速機において、上記調圧手段により調整され
    る油圧を検出する検出手段と、運転状態に応じて目標油
    圧を設定する目標油圧設定手段と、上記油圧検出手段に
    より検出された油圧と上記目標油圧との差に応じて油圧
    制御信号のフィードバック制御量を求めるフィードバッ
    ク制御量演算手段と、上記フィードバック制御量を用い
    て上記油圧が上記目標油圧となるように調圧手段を制御
    する制御手段と、上記フィードバック制御量を上記目標
    油圧に応じて補正するフィードバック制御量補正手段と
    を備えたことを特徴とする油圧作動式変速機の油圧制御
    装置。
  2. 【請求項2】 油圧によって作動される変速機構と、こ
    の変速機構に対する油圧回路とを備えるとともに、この
    油圧回路に油圧を調整する調圧手段が設けられている油
    圧作動式変速機において、上記調圧手段により調整され
    る油圧を検出する検出手段と、運転状態に応じて目標油
    圧を設定する目標油圧設定手段と、上記目標油圧に応じ
    て油圧制御信号の基本制御量を演算する基本制御量演算
    手段と、油圧検出手段により検出された油圧と上記目標
    油圧との差に応じて油圧制御信号のフィードバック制御
    量を求めるフィードバック制御量演算手段と、上記基本
    制御量およびフィードバック制御量によって上記油圧が
    上記目標油圧となるように上記調圧手段を制御する制御
    手段と、上記フィードバック制御量を上記基本制御量に
    応じて補正するフィードバック制御量補正手段とを備え
    たことを特徴とする油圧作動式変速機の油圧制御装置。
  3. 【請求項3】 変速機構は有効径が可変とされて油圧に
    より作動される一対のプーリとこれらに張設されたベル
    トとで構成され、変速機構に対する油圧回路は、上記変
    速機構の一方のプーリに変速用の油圧供給制御手段を介
    して油圧を供給するとともに、他方のプーリに、調圧手
    段により調整された油圧を供給するように構成されてい
    る請求項1または請求項2記載の油圧作動式変速機の油
    圧制御装置。
  4. 【請求項4】 調圧手段はデューティソレノイドバルブ
    を有し、制御手段から調圧手段に出力される信号がデュ
    ーティ信号である請求項1乃至3のいずれかに記載の油
    圧作動式変速機の油圧制御装置。
  5. 【請求項5】 フィードバック制御量補正手段は、制御
    手段から調圧手段に出力される信号のデューティ値と油
    圧との対応特性に影響を与えるパラメータに応じてフィ
    ードバック制御量の補正値を調整するものである請求項
    4記載の油圧作動式変速機の油圧制御装置。
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