JP3137688B2 - 油圧作動式変速機の油圧制御装置 - Google Patents

油圧作動式変速機の油圧制御装置

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JP3137688B2
JP3137688B2 JP03243393A JP24339391A JP3137688B2 JP 3137688 B2 JP3137688 B2 JP 3137688B2 JP 03243393 A JP03243393 A JP 03243393A JP 24339391 A JP24339391 A JP 24339391A JP 3137688 B2 JP3137688 B2 JP 3137688B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧作動式変速機にお
ける油圧回路の油圧をフィードバック制御により目標油
圧となるように制御する油圧制御装置に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、例えば特開昭59−19755号
公報に示されるように、変速機構に対する油圧回路の油
圧(ライン圧)をフィードバック制御により目標油圧に
なるように制御した油圧制御装置は知られている。この
公報に示された装置は、有効径が可変とされて油圧によ
り作動される入力側および出力側の各プーリとこれらに
張設されたベルトとで変速機構が構成されているベルト
式無段変速機において、調圧手段により調整されたライ
ン圧が出力側のプーリに供給されることによりベルトの
張力が調整されるようにするとともに、このライン圧の
目標値を運転状態に応じて設定し、油圧センサで検出さ
れる実際のライン圧と上記目標値との比較に基づいて調
圧手段に制御信号を出力することにより、ライン圧が目
標値になるようにフィードバック制御を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この種の油圧制御装置
においては、オイルポンプの吐出圧力の脈動や調圧用の
バルブの調圧動作等に起因して、油圧センサによるライ
ン圧検出値に脈動が生じ、エンジン回転数が高くなるほ
ど、オイルポンプ回転数の上昇等に伴って上記ライン圧
検出値の脈動が大きくなる。そして、このような脈動に
よる検出値の変動に対してもそれに応じてフィードバッ
ク制御により制御量が変えられると、とくに脈動が大き
いときにはそれにつれて制御量がサージングし、制御量
の変化に対するライン圧の変化には多少の時間的ずれが
あるので上記のような制御量のサージングはライン圧の
脈動を助長し、制御の安定性を損ねるおそれがある。従
って、上記脈動による検出値の変動に対してはフィード
バック制御量を安定させることが要求される。ただし、
必要以上にフィードバック制御量の変化が抑えられる
と、脈動以外の実質的なライン圧の変動やライン圧目標
値の変化に対する制御の追従性が損なわれる。
【0004】本発明は上記の事情に鑑み、油圧回路の
イン圧の脈動が小さいときに不必要にフィードバック制
御量の変化が抑制されることのないようにしつつ、上記
ライン圧の脈動に伴う制御量の変動がエンジン回転数の
上昇につれて増大することを防止し、制御の安定性を高
めることができる油圧作動式変速機の油圧制御装置を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、油圧によって作動される変速機構と、こ
の変速機構に対する油圧回路と、この油圧回路に設けら
れて油圧を生成するオイルポンプとを備えるとともに、
上記油圧回路にライン圧を調整する調圧手段が設けられ
ている油圧作動式変速機において、上記調圧手段により
調整される上記油圧回路のライン圧を検出する油圧検出
手段と、この油圧検出手段からの油圧検出信号に応じ、
実際のライン圧が運転状態に応じて設定された目標ライ
ン圧となるように上記調圧手段に制御信号を出力してラ
イン圧のフィードバック制御を行うフィードバック制御
手段と、エンジン回転数に応じ、エンジン回転数が高く
なるほど油圧検出信号の変化に対するライン圧のフィー
ドバック制御量の変化の割合を小さくする制御量変化割
合変更手段とを備えたものである。
【0006】この構成において、上記制御量変化割合変
更手段は、例えば上記油圧センサからの信号のうちの高
周波側成分を遮断するフィルタおよびエンジン回転数が
高くなるほど上記フィルタの透過周波数領域を小さくす
るフィルタコントロール手段を含む。また、制御量変化
割合変更手段は、上記フィルタおよびフィルタコントロ
ール手段の代りに、またはこれらの手段に加え、フィー
ドバック制御手段によるフィードバックゲインをエンジ
ン回転数が高くなるほど小さくするフィードバックゲイ
ン変更手段を含むものであってもよい。
【0007】本発明はベルト式無段変速機に適用するこ
とが効果的であり、この適用例として、変速機構は有効
径が可変とされて油圧により作動される一対のプーリと
これらに張設されたベルトとで構成され、変速機構に対
する油圧回路は、上記変速機構の一方のプーリに変速用
の油圧供給制御手段を介して油圧を供給するとともに、
他方のプーリに、調圧手段により調整された油圧を供給
するように構成される。
【0008】
【作用】上記構成によると、エンジン回転数が高くなる
につれて油圧検出信号の脈動が大きくなることに対し、
この油圧検出信号の変化に対するフィードバック制御量
の変化の割合が小さくされることにより、上記脈動に伴
う制御量の変動を抑制する作用が得られる。
【0009】上記制御量変化割合変更手段が上記フィル
タおよび上記フィルタコントロール手段を含むものであ
れば、油圧検出手段からの信号がフィードバック制御手
段に与えられる段階での調整により、上記作用が得られ
る。また、上記制御量変化割合変更手段が上記フィード
バックゲイン変更手段を含むものであれば、フィードバ
ック制御量を与える段階での調整により、上記作用が得
られる。
【0010】有効径が可変とされて油圧により作動され
る一対のプーリとこれらに張設されたベルトとで変速機
構が構成されたベルト式無段変速機に適用した場合、ベ
ルトの張力に関係する油圧のフィードバック制御が適正
に行われる。
【0011】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は油圧作動式変速機の全体構成を示している。図示
の変速機はベルト式の無段変速機であり、エンジンAの
出力軸1に連結されたトルクコンバータBと、前後進切
換機構Cと、ベルト伝動機構を用いた変速機構Dと、減
速機構Eと、作動機構Fとが配設されている。
【0012】上記トルクコンバータBは、ポンプカバー
2に固定されてエンジン出力軸1と一体的に回転するポ
ンプインペラ3と、これに対向するタービンランナ4
と、これらポンプインペラ3とタービンランナ4との間
に介設されてトルク増倍作用を行うステータ5とを有
し、ポンプカバー2内の作動油を介してポンプインペラ
3からタービンランナ4へ駆動力が伝達されるようにな
っている。上記タービンランナ4にはタービン軸6が連
結され、このタービン軸6が、前後進切換機構Cの入力
側に接続されている。
【0013】上記前後進切換機構Cは、上記タービン軸
6に結合されたキャリア13に第1および第2のピニオ
ンギヤ11,12が取り付けられ、変速機構Dの入力側
に接続されたサンギヤ14に第1ピニオンギヤ11が噛
合し、リングギヤ15に第2ピニオンギヤ12が噛合す
るとともに、リングギヤ15とキャリア13との間にフ
ォワードクラッチ16が、またリングギヤ15とミッシ
ョンケース18との間にリバースクラッチ17が、それ
ぞれ設けられた構造となっている。従って、フォワード
クラッチ16が締結、リバースクラッチ17が解放の状
態では、タービン軸6の回転がそのままサンギヤ14か
ら変速機構D側へ出力される。また、フォワードクラッ
チ16が解放、リバースクラッチ17が締結の状態で
は、タービン軸6の回転が反転された状態でサンギヤ1
4から変速機構D側へ出力される。
【0014】上記変速機構Dは、上記サンギヤ14に結
合されたプライマリ軸22上のプライマリプーリ21
と、上記プライマリ軸22に対し所定間隔をおいて平行
に配置されたセカンダリ軸32上のセカンダリプーリ3
1と、これらの間に張設されたベルト20とを備えてい
る。
【0015】上記プライマリプーリ21は、プライマリ
軸22に固定された固定円錐板23と、これに対向して
配置されプライマリ軸22にスライド可能に支持された
可動円錐板24とを備え、両円錐板23,24の間に略
V字状断面のベルト受け溝25が形成されている。そし
て、可動円錐板24が移動するとベルト挾持位置が変化
することで有効ピッチ径が変化するようになっている。
【0016】セカンダリプーリ31は、基本的には上記
プライマリプーリ21と同様の構成を有するもので、セ
カンダリ軸32に固定された固定円錐板33とこれに対
向した可動円錐板34とを備え、両円錐板33,34の
間にベルト受け溝35が形成され、可動円錐板34が移
動すると有効ピッチ径が変化するようになっている。
【0017】これらのプーリ21,31における各可動
円錐板34の背部には、各可動円錐板34をスライドさ
せるための油圧室(プライマリ室26およびセカンダリ
室36)を構成するシリンダ27,37が結合されてい
る。上記プライマリ室26には、後記変速比制御バルブ
46等で制御された油圧が与えられ、またセカンダリ室
36には、後記調圧手段により調整された油圧(油圧回
路のライン圧)が与えられる。そして、プライマリ室2
6への作動油の導入あるいは排出により、プライマリプ
ーリ21の有効径が調整されるとともにそれに伴ってセ
カンダリプーリ31の有効径が調整され、一方、セカン
ダリ室36に与えられる油圧でベルト20の張力が調整
されるようになっている。
【0018】図2は上記変速機構D等に対する油圧回路
を示している。この油圧回路は、オイルポンプ40と、
ライン圧を調整する調圧手段と、変速用の油圧供給制御
手段を含んでいる。
【0019】上記調圧手段は、オイルポンプ40からラ
イン51に吐出される作動油の圧力を調整して所定のラ
イン圧とするライン圧調整バルブ41と、このライン圧
調整バルブ41に対するパイロット圧をコントロールす
る修正バルブ42およびデューティソレノイドバルブ4
3を有している。上記修正バルブ42のパイロット室に
は、ライン圧を減圧する減圧バルブ44に通じるパイロ
ットライン52が接続され、このパイロットライン52
に上記デューティソレノイドバルブ43が接続されてい
る。そして、上記デューティソレノイドバルブ43でコ
ントロールされた圧力が修正バルブ42のパイロット室
に導入され、その圧力に応じた修正バルブ42の作動に
よって制御された圧力が、ライン53を経てライン圧調
整バルブ41のパイロット室に導入されることにより、
ライン圧がコントロールされるようになっている。
【0020】このライン圧は、上記ライン51を介して
上記セカンダリ室36に、ベルト張力調整のためのセカ
ンダリ圧として供給される。このライン51には、ライ
ン圧を検出する油圧センサ61が接続されている。
【0021】また、変速用の油圧供給制御手段は、変速
比制御バルブ46および変速比固定バルブ47を有して
おり、ライン51から分岐したライン55が変速比制御
バルブ46に接続されるとともに、変速比制御バルブ4
6と変速比固定バルブ47との間にライン56が接続さ
れ、さらに変速比固定バルブ47と上記プライマリ室2
6との間にライン57が接続されている。
【0022】上記変速比制御バルブ46は、プライマリ
・デューティソレノイドバルブ48により制御され、こ
のソレノイドバルブ48がオフのときは、ライン55に
連なるポートとライン56とを連通してライン圧をプラ
イマリ室26側へ送り、反対にソレノイドバルブ48が
オンのときは、ライン56をドレン用のポート58に連
通させて、プライマリ室側の油圧をリリーフボール59
を経てドレンさせる。そして、上記ソレノイドバルブ4
8がオンとオフとの間でデューティ制御されると、それ
に応じてポートの開口率が変化することにより、プライ
マリ室26側の圧力を制御するようになっている。ま
た、変速比固定バルブ47は、変速異常の発生が予測さ
れる場合等に変速比を固定可能とするためのもので、オ
ン・オフ型ソレノイドバルブ49によりコントロールさ
れ、ソレノイドバルブ49がオンのときはライン56と
ライン57とを連通させるが、ソレノイドバルブ49が
オフのときはプライマリ室26側のライン57を閉じて
プライマリ室26の圧力を固定するようになっている。
【0023】なお、このほかに油圧回路には、トルクコ
ンバータに対する油圧供給系統、マニュアルバルブの作
動に応じて前後進切換機構Cのクラッチに対する油圧の
給排を行う系統等も設けられるが、これらについては図
示を省略する。
【0024】上記油圧回路における調圧用のデューティ
ソレノイドバルブ43、プライマリ・デューティソレノ
イドバルブ48およびソレノイドバルブ49等はコント
ロールユニット(ECU)70により制御される。この
ECU70に、上記油圧センサ61からの信号が入力さ
れるとともに、エンジン回転数センサ62およびスロッ
トル開度センサ63からの各信号が入力され、さらに必
要に応じて油温センサ64からの信号、バツテリ電圧信
号65等も入力される。そしてこのECU70により、
運転状態に応じて変速比を制御する信号が上記プライマ
リ・デューティソレノイドバルブ48等に出力されると
ともに、運転状態および油圧センサ61からのライン圧
信号等に応じてライン圧を制御する信号が調圧用のデュ
ーティソレノイドバルブ43に出力される。
【0025】上記ECU70は、図3に示すように、ラ
イン圧検出信号に応じて実際のライン圧が目標ライン圧
となるようにフィードバック制御を行うフィードバック
制御手段71を有するとともに、エンジン回転数に応
じ、エンジン回転数が高くなるほど油圧検出信号の変化
に対する制御量出力の変化の割合を小さくする制御量変
化割合変更手段72を有している。
【0026】上記制御量変化割合変更手段72は、フィ
ルタ73およびフィルタコントロール手段74からなっ
ている。当実施例では、図4に示すような可変コンデン
サ73aおよび抵抗73bを用いてハードウエアフィル
タ73が構成される一方、ECU710内のCPU75
によりフィルタコントロール手段74およびフィードバ
ック制御手段71が構成されている。上記フィルタ73
は、油圧センサ61からのライン圧検出信号のうちの低
周波成分は透過して高周波側成分を遮断し、かつ上記可
変コンデンサ73aの容量の変化に伴って透過周波数領
域が変化するようになっている。フィルタコントロール
手段74は、エンジン回転数が高くなるほど上記可変コ
ンデンサ73aの容量を大きくする。これにより、図5
に示すように、エンジン回転数が低いときのカットオフ
周波数CF1は比較的高くされ、エンジン回転数が高く
なるにつれてカットオフ周波数がCF2,CF3のよう
に低くされる。つまり、カットオフ周波数より低周波側
の透過周波数領域が、エンジン回転数が高くなるにつれ
て小さくされるようになっている。そして、上記フィル
タ73およびA/D変換器76を経た圧力データPoが
上記フィードバック制御手段71に与えられるようにな
っている。
【0027】図6は制御量変化割合変更手段72’のフ
ィルタの別の例を示し、この例では、ライン圧検出信号
がA/D変換器76でA/D変換され、その信号P[i]
がソフトウエアフィルタ77に送られる。このソフトウ
エアフィルタ77は、例えば、前回までのライン圧検出
信号に基づく圧力データPo[i-1]と今回の信号P[i]と
に基づき、重み付けを示す値をf(Ne)として、圧力デー
タをPo[i]=f(Ne)×P[i] +{1−f(Ne)}×Po[i-
1]と演算する。また、フィルタコントロール手段78
は、図7のようにエンジン回転数Neが高くなるにつれ
て上記値f(Ne)を小さくする。つまり、今回の信号P
[i] の反映度を調整することで高周波成分を遮断するフ
ィルタとしての機能をもたせるとともに、エンジン回転
数Neが高くなるにつれて今回の信号P[i] の反映度を
小さくすることで透過領域が狭められるようになってい
る。
【0028】なお、上記ソフトウエアフィルタ77と、
前述のようなハードウエアフィルタ73(図6中の二点
鎖線)とを併用してもよい。
【0029】また、上記フィードバック制御手段71
は、図8のように、エンジン回転数に応じて目標ライン
圧を設定し、この目標ライン圧に応じてライン圧の基本
制御量(フィードフォワード量)を設定するとともに、
上記フィルタ73または77を経たライン圧データと上
記目標ライン圧とを比較して両者の差に応じたフィード
バック制御量を求め、これら基本制御量およびフィード
バック制御量から最終的な制御量(デューティ)を求め
て、その制御信号を上記デューティソレノイドバルブ4
3に出力するようになっている。
【0030】上記のようなフィルタ73または77とフ
ィルタコントロール手段74または78とで制御量変化
割合変更手段72または72’を構成した油圧制御装置
(図3,図6参照)によると、油圧センサ61からの油
圧検出信号中の高周波成分が上記フィルタによって除去
される。これにより、油圧検出信号に図9中の実線のよ
うな脈動が生じているとき、その脈動が図9の破線のよ
うに抑制され、油圧検出信号よりも変化が小さくされた
圧力データPoがフィードバック制御手段71に与えら
れる。従って、油圧検出信号の脈動による変動に対して
フィードバック制御による制御信号の変動が抑制され
る。特に、脈動が強くなる高回転時ほど、脈動を抑制す
る作用が高められる。
【0031】図10は本発明の他の実施例を示し、この
実施例では、制御量変化割合変更手段として、フィード
バックゲイン変更手段80が含まれている。このフィー
ドバックゲイン変更手段80は、フィードバックゲイン
g(Ne)を図11に示すようにエンジン回転数に応じた値
として求め、エンジン回転数が高くなる程フィードバッ
クゲインg(Ne)を小さくするようになっている。制御量
変化割合変更手段としては、前記のフィルタ73または
77およびフィルタコントロール手段74または78の
代りに上記フィードバックゲイン変更手段80を用いて
もよいが、さらに好ましくは、フィルタおよびフィルタ
コントロール手段と上記フィードバックゲイン変更手段
80とを併用する。
【0032】このようにする場合の制御の具体例を図1
2のフローチャートによって説明する。
【0033】このフローチャートの処理がスタートする
と、ECU70は、先ずステップS1でスロットル開度
TVOおよびエンジン回転数Ne等の信号を読み込むと
ともに、ステップS2でエンジン回転数に応じてフィル
タをコントロールする信号をフィルタに与えた上で、ス
テップS3で、ライン圧検出信号についてのフィルタを
経た圧力データPoを読み込む。続いてステップS4
で、スロットル開度TVOとエンジン回転数Neとに応
じた値h(TVO,Ne)をもって目標ライン圧Ptを設定す
る。この値は、例えば予めECU内に記憶された目標ラ
イン圧のマップから求められる。
【0034】続いてステップS5で、上記目標ライン圧
Ptに応じて、基本制御量に相当するデューティF/F
量(デューティフィードフォワード量)DFFを設定す
る。このデューティF/F量DFFは、予め調べられたラ
イン圧とデューティとの対応特性に基づいてECU70
内にマップとして記憶されており、このマップから求め
られる。
【0035】次にステップS6で、ライン圧についての
上記圧力データPoと上記目標ライン圧Ptとの偏差Δ
Pを演算する。また、ステップS7で、エンジン回転数
に応じて図11に示すような特性のマップから、フィー
ドバックゲインg(Ne)を求める。そしてステップS8
で、上記偏差ΔPおよびフィードバックゲインg(Ne)に
基づき、PID制御により、フィードバック制御量に相
当するデューティF/B量(デューティフィードバック
量)ΔDを ΔD=g(Ne)×{KI・∫ΔPdt+KP・ΔP+KD・dΔP/dt} と演算する。ここで、KI ,KP ,KD は定数である。
【0036】さらにステップS9で、上記デューティF
/F量DFFにデューティF/B量ΔDを加えることによ
り、最終的なデューティDuを求め、ステップS10で
このデューティDuによりデューティソレノイドバルブ
43を駆動する。
【0037】以上のような当実施例の装置によると、ラ
イン圧についての圧力データPoと目標ライン圧Ptと
の偏差ΔPに基づいてフィードバック制御量が求めら
れ、フィードバック制御が行われることにより、ライン
圧が目標ライン圧Ptになるように制御される。この場
合に、フィードバックゲインg(Ne)が小さくされると、
上記偏差ΔPに対するデューティF/B量ΔDが小さく
なるので、油圧検出信号の変化に対するフィードバック
制御量の変化の割合が小さくなる。従って、上記フィー
ドバックゲイン変更手段80によっても、エンジン高回
転時にライン圧検出信号の脈動に対して、フィードバッ
ク制御量の変動が抑制される。
【0038】特に、フィルタおよびフィルタコントロー
ル手段とフィードバックゲイン変更手段80とを組み合
わせることにより、目標ライン圧の変化に対するフィー
ドバック制御の応答遅れを比較的小さくしつつ、脈動に
対する安定性を高めることができる。
【0039】すなわち、図13中に線81で示されるよ
うなライン圧検出信号の脈動に対し、例えばフィードバ
ックゲインの調整のみによってもこれを大幅に小さくす
ることでフィードバック制御量を安定化させることがで
きる(線82)が、このようにすると、図14に線91
で示すような目標ライン圧の変化に対し、フィードバッ
ク制御によるライン圧の変化は線92のように大きな遅
れをもって生じる。これに対し、フィルタによりある程
度脈動を抑制し(図13中の線83)、その上でフィー
ドバックゲインを少し小さくするように調整すれば、フ
ィードバック制御量を安定化させ(線84)、かつ、目
標ライン圧が変化した場合の、それに応じたフィードバ
ック制御によるライン圧変化の応答遅れは、軽減される
こととなる(線94)。
【0040】そして、このように制御されたライン圧が
ベルト張力調整のためのセカンダリ圧としてセカンダリ
室36に供給されることにより、ベルト20の張力が適
正に調整されることとなる。
【0041】なお、上記実施例ではベルト式無段変速機
に適用しているが、他の油圧作動式変速機にも本発明を
適用することができ、例えば、各種摩擦要素(クラッ
チ、ブレーキ等)を組み込んで変速比が複数段に切換え
られるようになっている多段式変速機構とその摩擦要素
等に対する油圧回路とを備えた自動変速機において、そ
の油圧回路のライン圧の制御に本発明を適用することも
できる。
【0042】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によると、油圧作
動式変速機における油圧回路の調圧手段により調整され
るライン圧を油圧検出手段により検出し、その油圧検出
信号に基づいて上記ライン圧のフィードバック制御を行
うものにおいて、エンジン回転数が高くなる程油圧検出
信号の変化に対するライン圧のフィードバック制御量の
変化の割合を小さくする制御量変化割合変更手段を備え
ているため、エンジン回転数が高くなるにつれて大きく
なるライン圧の脈動に対し、それに伴うフィードバック
制御量の変動が抑制される。従って、脈動の小さい低回
転時に必要以上に制御量の変動が抑制されるのを避けつ
つ、エンジン高回転時に、油圧検出値の脈動に対してフ
ィードバック制御量を安定化し、サージング等を防止し
て、ライン圧の制御を適切に行うことができる。
【0043】上記制御量変化割合変更手段が、請求項2
に記載のように、油圧センサからの信号のうちの高周波
側成分を遮断するフィルタおよびエンジン回転数が高く
なるほど上記フィルタの透過周波数領域を小さくするフ
ィルタコントロール手段を含むものとすると、油圧検出
信号のうちで脈動による高周波成分を遮断することによ
り、上記脈動を信号入力段階で充分に減少させ、フィー
ドバック制御を安定化することができる。
【0044】また、請求項3に記載のように、上記制御
量変化割合変更手段が、フィードバック制御手段による
フィードバックゲインをエンジン回転数が高くなるほど
小さくするフィードバックゲイン変更手段を含んでいれ
ば、油圧検出信号の脈動に対するフィードバック制御量
の安定化を、制御量演算の段階で達成することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される油圧作動式変速機の一例と
して無段変速機の概略構成を示すスケルトン図である。
【図2】同変速機の油圧回路のうちで本発明に係わる部
分を示す回路図である。
【図3】本発明の一実施例による制御系統の構成を示す
ブロック図である。
【図4】ハードウエアフィルタの回路図である。
【図5】エンジン回転数に応じたフィルタの特性を示す
図である。
【図6】フィルタの別の実施例を示すブロック図であ
る。
【図7】エンジン回転数とソフトウエアフィルタにおけ
る演算の係数との関係を示す図である。
【図8】フィードバック制御手段のブロック図である。
【図9】ライン圧検出信号の脈動に対するフィルタの作
用を示す説明図である。
【図10】本発明の別の実施例を示すブロック図であ
る。
【図11】エンジン回転数とフィードバックゲインとの
関係を示す図である。
【図12】制御の具体例を示すフローチャートである。
【図13】ライン圧検出信号が脈動したときの出力変動
を示す説明図である。
【図14】目標ライン圧が変わったときの出力変動を示
す説明図である。
【符号の説明】
D 変速機構 20 ベルト 21 プライマリプーリ 31 セカンダリプーリ 41 ライン圧調整バルブ 43 デューティソレノイドバルブ 61 油圧センサ 70 コントロールユニット 71 フィードバック制御手段 72,72’ 制御量変化割合変更手段 73,77 フィルタ 74,78 フィルタコントロール手段 80 フィードバックゲイン変更手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭59−19755(JP,A) 特開 昭63−22737(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 63/48 F16H 9/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 油圧によって作動される変速機構と、こ
    の変速機構に対する油圧回路と、この油圧回路に設けら
    れて油圧を生成するオイルポンプとを備えるとともに、
    上記油圧回路にライン圧を調整する調圧手段が設けられ
    ている油圧作動式変速機において、上記調圧手段により
    調整される上記油圧回路のライン圧を検出する油圧検出
    手段と、この油圧検出手段からの油圧検出信号に応じ、
    実際のライン圧が運転状態に応じて設定された目標ライ
    ン圧となるように上記調圧手段に制御信号を出力してラ
    イン圧のフィードバック制御を行うフィードバック制御
    手段と、エンジン回転数に応じ、エンジン回転数が高く
    なるほど油圧検出信号の変化に対するライン圧のフィー
    ドバック制御量の変化の割合を小さくする制御量変化割
    合変更手段とを備えたことを特徴とする油圧作動式変速
    機の油圧制御装置。
  2. 【請求項2】 制御量変化割合変更手段は、上記油圧セ
    ンサからの信号のうちの高周波側成分を遮断するフィル
    タおよびエンジン回転数が高くなるほど上記フィルタの
    透過周波数領域を小さくするフィルタコントロール手段
    を含むことを特徴とする請求項1記載の油圧作動式変速
    機の油圧制御装置。
  3. 【請求項3】 制御量変化割合変更手段は、フィードバ
    ック制御手段によるフィードバックゲインをエンジン回
    転数が高くなるほど小さくするフィードバックゲイン変
    更手段を含むことを特徴とする請求項1または請求項2
    記載の油圧作動式変速機の油圧制御装置。
  4. 【請求項4】 変速機構は有効径が可変とされて油圧に
    より作動される一対のプーリとこれらに張設されたベル
    トとで構成され、変速機構に対する油圧回路は、上記変
    速機構の一方のプーリに変速用の油圧供給制御手段を介
    して油圧を供給するとともに、他方のプーリに、調圧手
    段により調整された油圧を供給するように構成されてい
    る請求項1乃至3のいずれかに記載の油圧作動式変速機
    の油圧制御装置。
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