JPH0620763B2 - 高分子薄膜形成方法 - Google Patents

高分子薄膜形成方法

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JPH0620763B2
JPH0620763B2 JP7948190A JP7948190A JPH0620763B2 JP H0620763 B2 JPH0620763 B2 JP H0620763B2 JP 7948190 A JP7948190 A JP 7948190A JP 7948190 A JP7948190 A JP 7948190A JP H0620763 B2 JPH0620763 B2 JP H0620763B2
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thin film
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solvent
polymer
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隆 平賀
哲郎 守谷
紀男 大西
幹雄 山下
健二 鳥塚
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、例えばピコ秒、フェムト秒もしくはこれよ
り短い時間巾を有するパルス光の入射に対して応答性を
示し、入射光とは異なる光の放出を伴う高分子薄膜の形
成方法の改良に関する。
(従来の技術) 種々の光機能を有する無機及び有機化合物を、高分子化
合物中に固溶して薄膜化する方法は、種々の光機能を有
する高分子薄膜の製造方法として、従来より広く用いら
れてきた方法である。
この方法は、第3図に示すように溶媒高分子化合物7及
び溶質化合物8の双方を、一種類もしくは二種類以上の
有機もしくは無機溶剤9に溶解し均一に分散させた後、
これをガラスもしくは他の光学的に透明な基板10上に
滴下し、溶剤のみを蒸発させて溶質化合物1を高分子化
合物2に保持させて薄膜を形成するものである。
(発明が解決しようとする問題点) ところが、第3図に示す方法では溶剤を用いるため、薄
膜試料を乾燥等により脱溶剤させるようにしているが、
このような操作を行なっても試料内に溶剤が残留した
り、或いは溶剤を除去した後に気泡が生成し、試料の白
濁化現象を生ずる。また、この白濁化現象を避けるため
に、乾燥速度を遅くする等の試みがなされているが、こ
れでも試料内に数ミクロン程度の気泡もしくは空孔が生
成したり、試料内に溶剤が残留したりして、これが試料
の光学的性質を著しく低下させているのが現状である。
更に、光パルスは1フェムト秒の間に300ナノメートル
しか伝播せず、フェムト秒程度の巾を持つパルス光の伝
播に際しては、マイクロメートル程度の光路調整及び試
料の均一性が要求され、したがって薄膜試料内の不均一
性はパルス時間巾の伝播距離以下に抑える必要が生ず
る。
そこで、この発明の第1の目的は上記薄膜試料中に存在
する空孔等の不均質部分の大きさ、試料表面の凹凸をマ
イクロメートル以下にすることにより、フェムト秒程度
の巾を持つパルス光の伝播に対して良質の媒体となる高
分子薄膜の形成法を提供することにある。
一方、上述のようにして成形された薄膜試料の機械的強
度を増加させる目的で膜面内の一方向に引張応力を加え
ることにより、保持材料である高分子化合物そのもの、
或いは固溶された有機化合物の配列を制御する方法が薄
膜延伸法として広く知られているが、この方法には以下
のような欠点がある。
即ち、上述のように高分子化合物に保持される有機化合
物は一分子については多種多様の性質を示すことが知ら
れているが、上述のような薄膜試料に引張応力を加える
場合、有機化合物の配向性は保持材料である高分子化合
物そのもの、或いは化合物自身の物性により大きな制限
を受け、引張応力を加えてもこれに応じて延伸配向可能
な有機化合物分子は限られている。
そこで、薄膜延伸法によって機械的もしくは光学的に実
用可能な大きさの結晶もしくは薄膜として成形する場
合、有機化合物分子の配向が不完全であり、このため一
般に結晶もしくは薄膜全体としての性質は有機化合物一
分子あたりで示す量よりも小さくなることが知られてい
る。
そこで、この発明の第2の目的は有機化合物の一分子が
持つ性質を薄膜全体にわたる性質として引出し、フェム
ト秒程度の巾を持つパルス光の伝播に対して良質の媒体
となる高分子薄膜の成形法を提供することにある。
(問題点を解決するための手段) 以上の問題点を解決するため、この発明では種々の光機
能を有する溶質化合物を溶媒高分子化合物中に均一に分
散させて薄膜化する高分子薄膜形成方法において、基板
上に上記溶質化合物を、上記溶媒高分子化合物中に均一
に分散させてなる薄膜を形成した後、該薄膜を熱間圧延
処理する方法を提供するものである。
更に、この発明においては上記熱間圧延工程において薄
膜に一方向のずり応力を加えながら熱間圧延を行なう方
法を提供するものである。
ここで、溶媒高分子化合物としてはポリメチルメタアク
リレート(PMMA)等を使用することができる。
また、溶質化合物としては種々の光機能を有する有機乃
至無機化合物を使用することができ、具体的には有機化
合物としては2−メチル−4−ニトロアニリン(MN
A)等を使用することができ、また基板上に薄膜を形成
する方法としては、従来の方法を採用することができ
る。
例えば、第3図に示すように溶質化合物と溶媒高分子化
合物を溶剤中に加え、得られた溶液を基板上に滴下し、
更に高速回転された円盤に基板を載架して溶剤を遠心分
離し、更に静置して室温下で予備乾燥を行ない、また残
留する溶剤は加熱真空処理等により除去して基板上に薄
膜を形成することができる。
このうち、高速回転された円盤に載架された基板により
薄膜形成を行なう手順を省略して、静置した基板上で薄
膜形成を行なうようにしてもよく、このように上記従来
法の手順の省略、順序の入れ換え等により薄膜を形成す
るようにしてもよい。
また、溶質化合物と溶媒高分子化合物を一定割合で混合
し、充分に粉砕、混合を行ない、これを基板間に挟んで
薄膜を形成するようにしてもよい。
一方、薄膜の熱間圧延処理は例えば150℃程度に加熱し
て薄膜試料に50kg/平方cmの静水圧を10分間程度加えて
行なわれる。
なお、これらの熱間圧延処理は真空熱間圧延処理の使用
が好適である。
(作用) 以上のように、この発明によれば従来法により得られた
薄膜を熱間圧延処理することにより、薄膜内の空孔等を
除去でき、更に薄膜表面を平滑にすることができる。
したがって、この発明によれば薄膜中に存在する不均質
部分の大きさ、薄膜表面の凹凸をマイクロメートル以下
にすることによりピコ秒、フェムト秒もしくはこれによ
り短い時間巾を有するパルス光の入射に対して応答性を
示し、入射光とは異なる光の放出を伴う材料を提供する
ことができる。
また、この発明によれば種々の高分子薄膜中に溶質化合
物を均一に分散させることができるため、紫外、可視、
赤外光領域で光学的に透明で散乱損失の少ない材料を提
供することができる。
更に、この発明によれば熱間圧延処理工程中に薄膜に一
方向のずり応力を加えることにより、高分子薄膜中に分
散された有機化合物の分子配向が促進され、したがって
有機化合物の一分子が持つ性質を薄膜全体にわたる性質
として引出すことができる。
(実施例) 以下、この発明の実施例を示すが、この実施例で説明し
た溶質有機化合物、溶媒高分子化合物の組み合せ、混合
の割合、形成温度等は説明のための一例であり、この発
明の適用範囲を制限するものではない。
実施例 1 溶質化合物と溶媒高分子化合物を溶剤中に加え、得られ
た溶液をガラス基板上に滴下し、更にこのガラス基板を
高速回転された円盤に載架して薄膜試料を形成する。
形成された薄膜試料は室温下で3日間静置により予備乾
燥を行ない、更に真空下において100℃で2時間処理さ
れ、試料中の残留溶剤の除去を行なった。この乾燥過程
で生じた試料中の空孔は、上記と同質のもう一枚の基板
で挟み、第1図に示される真空熱間圧延装置により処理
される。
真空熱間圧延装置は図示するように、内部に真空容器1
が設けられ、この真空容器1は上下に設けられた加熱装
置2、2で加熱されるとともに、断熱材3、3を介して
上下より油圧プレス本体4で加圧されることができるよ
うに構成される。更に、真空容器1には真空排気装置5
にバイブを介して接続される。
薄膜試料6は図示するように真空容器1内に装填され、
室温下で30分間真空排気後、50℃/分の割合で加熱さ
れ、100℃に達したところで真空排気を停止し真空状態
を保持して更に加熱し、150℃に達したところで50kg/
平方cmの静水圧を加え、この状態で10分間保持した後、
100℃/時間の割合で冷却した。
この処理により試料中の空孔は除去され、試料中に存在
する不均質部分の大きさ及び試料表面の凹凸はマイクロ
メートル以下に制御された。
形成された薄膜試料は、厚さ150μm程度の2枚のガラ
ス基板に挟まれており、試料の厚さは約30μmであっ
た。
実施例2 通常の化学的手法により充分に精製されたMNA及びP
MMAを、MNA/152mg、PMMA/100mgの割合で混
合し、乳ばちにより充分に粉砕し、混合を行い、厚さ15
0μm程度の2枚のガラス基板の間に挟んで、真空熱間
圧延装置に装填し、実施例1と同様の処理を行い、薄膜
試料を形成した。形成された薄膜試料の厚さは約30μm
であった。
実施例3 実施例1及び2で作成された薄膜試料をCPMレーザー
の共振器内に、互いに共焦点をなすように設置された2
枚の凹面鏡の共焦点に設置した。共焦点におけるレーザ
ー光束の直径は約10μmである。発振されたレーザー共
振器から出力された光パルスの時間巾をSHG自己相関
器により測定すると、第2図(a)に示される50フェムト
秒の時間巾を持つ光パルスが得られ、第2図(b)に示さ
れる薄膜試料を設置しない場合の光パルス巾である73フ
ェムト秒に比べ、得られた光パルスの時間巾は短かくな
っていることが観測され、この発明により形成された薄
膜試料が優れたフェムト秒光パルス応答性を示すことが
判明した。
(発明の効果) 以上要するに、この発明によればフェムト秒程度の巾を
持つパルス光の伝播に対して、良質の媒体を提供するこ
とができる。
また、この発明によれば有機化合物の分子配向ができる
ので、有機化合物の一分子が持つ性質を薄膜全体にわた
る性質として引出すことができる。
更に、この発明による薄膜形成方法は有機系の化合物を
稠密形成するのに適しており、特に入射する光の波長程
度まで均質であることが要求される光学用の媒質の形成
に最適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の実施例に使用する真空熱間圧延装
置の概略図、第2図はこの発明により形成された薄膜試
料の光パルスに対する応答性を示すもので、(a)はこ
の発明により形成された薄膜試料を、CPMレーザ共振
器に設置した時に得られた50フェムト秒の時間巾を持つ
光パルス、(b)は薄膜試料を設置しない場合の73フェ
ムト秒光パルス、第3図は溶剤を用いる従来の高分子化
合物の薄膜形成方法の説明図。 図中1は真空容器、2は加熱装置、3は断熱材、4は油
圧プレス本体、5は真空排気装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 幹雄 茨城県つくば市梅園1丁目1番4 電子技 術総合研究所内 (72)発明者 鳥塚 健二 茨城県つくば市梅園1丁目1番4 電子技 術総合研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】種々の光機能を有する溶質化合物を、溶媒
    高分子化合物の中に均一に分散させて薄膜化する高分子
    薄膜形成方法において、 基板状に上記溶質化合物を、上記溶媒高分子化合物中に
    均一に分散させてなる薄膜を形成した後、該薄膜を熱間
    圧延処理することを特徴とする高分子薄膜形成方法。
  2. 【請求項2】一方向のずり応力を加えながら熱間圧延処
    理を行なうことを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の高分子薄膜形成方法。
JP7948190A 1990-03-28 1990-03-28 高分子薄膜形成方法 Expired - Lifetime JPH0620763B2 (ja)

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JP3809908B2 (ja) 2002-09-20 2006-08-16 独立行政法人産業技術総合研究所 光路切替装置および光路切替方法
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