JPH06207271A - マグネトロンプラズマ用永久磁石磁気回路 - Google Patents

マグネトロンプラズマ用永久磁石磁気回路

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JPH06207271A
JPH06207271A JP5017979A JP1797993A JPH06207271A JP H06207271 A JPH06207271 A JP H06207271A JP 5017979 A JP5017979 A JP 5017979A JP 1797993 A JP1797993 A JP 1797993A JP H06207271 A JPH06207271 A JP H06207271A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スパッタリング、エッチング等のマグネトロ
ンプラズマ発生に用いられる永久磁石磁気回路を改良し
て、マグネトロンプラズマ内の電子がターゲット(また
は基板)のほぼ全域に渡って軌道を描くことが可能とな
るような漏洩磁場分布を有する永久磁石磁気回路を提供
すること。 【構成】 3枚以上の扇形あるいは三角形の希土類永久
磁石を組み合わせて成る、内径孔のない、円板状または
多角形状の磁気回路であり、前記希土類永久磁石の磁化
方向は、磁気回路の中心に向かう方向であるか、また
は、各扇形あるいは各三角形の中心線に平行な方向であ
ることを特徴とするマグネトロンプラズマ用永久磁石磁
気回路を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放電させた気体中の電
子に無限軌道を描かせ、放電気体のイオン化を促進させ
るためのマグネトロンプラズマ発生用永久磁石磁気回路
に関する。本発明に係る永久磁石磁気回路は、たとえ
ば、電極、配線及び記録膜などの薄膜を作製するための
マグネトロンスパッタ装置、及び、LSIのドライエッ
チングを行うマグネトロンプラズマエッチング装置など
に用いて最適である。
【0002】
【従来の技術】スパッタリングとして、従来よりマグネ
トロンを利用したマグネトロンスパッタリングが行われ
ている。マグネトロンスパッタリングでは、まず、容器
内のアルゴン等の気体中に電極を挿入し、放電によって
気体をイオン化する。このとき生じた電子がアルゴン等
の気体分子やターゲットと衝突することによってさらに
気体はイオン化し、2次電子も生じる。その際、放電で
放出された電子及び2次電子はマグネトロンの磁場と電
場によって補足され、小さな径の旋回運動を行う。した
がって、電子は次々に気体分子と衝突することができ
る。このため、マグネトロン方式によるイオン化の効率
は高い。次に、プラズマ内の陽イオンが、陰極(スパッ
タされるターゲット)に衝突してスパッタ原子(ターゲ
ットを構成している原子)をたたき出す。最後に、スパ
ッタ原子は陽極に置かれた基板に付着し、基板面に膜を
形成する。
【0003】また、プラズマ内のイオンが、フォトレジ
ストを貼付して露光した基板をエッチングする仕組み
が、反応性イオンエッチングである。
【0004】上で述べたように、従来より、マグネトロ
ン内に発生させたプラズマを、スパッタリングや反応性
イオンエッチングに広く利用してきた。マグネトロン方
式ではイオン化の効率が高いため、スパッタリング及び
エッチングを行う際、通常の高圧放電方式と比較して2
〜3倍の効率が得られるという利点がある。
【0005】マグネトロン方式において磁場を発生させ
るために、永久磁石磁気回路が設けられる。永久磁石磁
気回路は、平面型2極放電のスパッタリングではターゲ
ット裏面に、エッチングでは、普通、基板裏面に設置さ
れる。永久磁石磁気回路の作る磁場がターゲットまたは
基板上に漏洩し、この漏洩磁場の水平成分を利用して放
電電子を運動させ、気体のイオン化を促進する。
【0006】電子の運動領域に磁場のみが存在する場
合、電子は磁力線に補足され磁力線に巻き付くような形
で螺旋運動を行う。しかし、たとえば、2極放電型のマ
グネトロンの場合には、放電電極に垂直な方向に電場が
印加されているため、(電場)×(磁場)の大きさに比
例するドリフト力が電子に加わる。これにより、電子は
磁力線を横切るようにサイクロイド曲線を描きながら動
く。電子のドリフト力に寄与するのは、電場に垂直な磁
場、すなわち磁場の水平成分のみである。したがって、
水平磁場成分が強く、磁場均一性のよい磁場を作る永久
磁石磁気回路が望ましい。
【0007】ターゲット(または基板)上の磁場の水平
成分が一方向のみの場合、電子は磁力線を横切って進む
ために、ターゲット(または基板)の一方向に進み、プ
ラズマもその方向に片寄ることになる。このような電子
の逃散を防ぐため、通常は、磁石面上にドーナツ状の漏
洩磁場が発生するように永久磁石を配置する(図5)。
図5において、ターゲット(または基板)2の面上の漏
洩磁場が磁力線4のようであり、符号6で示した向きに
電場が印加されると、電子8は無限軌道10を描く。そ
の結果、電子8は漏洩磁場の領域12に閉じ込められて
気体のイオン化を促進するため、高密度なプラズマが発
生する。図5において、符号14及び16は、磁力線4
がターゲット(または基板)2の面上と交わるところを
示したものである。
【0008】しかし、ドーナツ状漏洩磁場を発生させる
磁気回路では、漏洩磁場の水平磁場強度が場所により大
きく異なり、水平磁場強度の強い領域ほど高密度なプラ
ズマが発生する。したがって、スパッタ装置では水平磁
場強度の強い領域ほど大きなスパッタリングが生じてタ
ーゲットが消耗するので、ターゲットの使用効率が悪い
上に、形成されるスパッタ膜の厚さが不均一になるとい
う問題がある。
【0009】さらには、水平磁場強度の強い領域に発生
するプラズマ内の陽イオンは、大きな運動エネルギーを
持つため、ターゲットからスパッタ原子をたたき出す際
に重い原子(ターゲットは通常数種類の原子より成る
が、その中で重い方の原子)をたたき出しやすい。すな
わち、水平磁場強度の違いのため、スパッタ膜の組成が
場所によって異なってくるという問題もある。
【0010】また、エッチング装置の場合も同様に、プ
ラズマ密度が一定にならず、よって基板の位置によりエ
ッチングの深さが異なるという問題がある。
【0011】上記のような欠点を改良するため磁気回路
の色々な磁石配置が従来より考えられている。たとえ
ば、同心円型を改良して磁石列を3列にしたり(図6
(a))、変形同心円とする(図6(b))などして、
磁気回路(または基板)の回転を行い、より広い領域に
漏洩磁場を発生させるようなものが提案されている。
【0012】また、水平方向に磁化された磁石と垂直方
向に磁化された磁石を組み合わせて漏洩磁場領域の拡大
を意図したもの(図6(c))等も提案されている。
【0013】図6(a)〜(c)において、符号20、
24、28は、磁石22、26、30の下に設置される
バックヨークの外周を示している。また、図6(c)の
符号32は、水平方向に磁化された磁石の磁化の向きを
表わしている。
【0014】上記いずれの磁気回路も、単純な同心円型
よりターゲットの消耗領域が拡大するなど、改善されて
いる。しかし、それぞれの従来例には以下のような問題
がある。
【0015】磁石列を3列にしたり、変形同心円とする
などして磁気回路(または基板)の回転を行うものは、
スパッタリングやエッチングの均一性確保には有効であ
る。しかし、回転を行わせるため、 機構が複雑になる 装置が高価になる 回転軸部よりゴミが発生する メンテナンスが煩雑になる など、装置上の問題が数多く発生する。
【0016】また、変形同心円型には、基板を必ず回転
させなければならず、磁石の作製が面倒で手間がかかる
ため、装置が高価になるという問題もある。
【0017】水平方向に磁化された磁石と垂直方向に磁
化された磁石を組み合わせたものは、水平方向に磁化さ
れた磁石のない単純な同心円構造のものと比較し、ター
ゲットの使用効率が上昇する。これは、この磁石配置に
よれば、水平方向に磁化された磁石の起磁力を有効に利
用して垂直方向磁石間の空隙に比較的強い磁場を発生で
きるからである。しかし、外周部と中心部の垂直方向に
磁化された磁石の部分では、磁場がほとんど垂直に立ち
上がるため、磁場の水平成分が少なくなり、電子の無限
軌道運動への寄与が小さいという問題がある。
【0018】以上の問題を解決するため、簡単な形状
で、さらにターゲット(または基板)に漏洩する水平磁
場領域を拡大し、スパッタリング(またはエッチング)
の効率を改善できる磁気回路が求められている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、スパ
ッタリング、エッチング等のマグネトロンプラズマ発生
に用いられる永久磁石磁気回路を改良して、マグネトロ
ンプラズマ内の電子がターゲット(または基板)のほぼ
全域に渡って軌道を描くことが可能となるような漏洩磁
場分布を有する永久磁石磁気回路を提供することであ
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】3枚以上の扇形あるいは
三角形の希土類永久磁石を組み合わせて成る、内径孔の
ない、円板状あるいは多角形状の磁気回路であり、前記
希土類永久磁石の磁化方向が、磁気回路の中心に向かう
方向であるか、または、各扇形あるいは各三角形の中心
線に平行な方向であることを特徴とするマグネトロンプ
ラズマ用永久磁石磁気回路を用いる。また、前記マグネ
トロンプラズマ用永久磁石磁気回路の中心付近、及び/
または、外周部の厚みを厚くする。さらにまた、前記マ
グネトロンプラズマ用永久磁石磁気回路の半径(あるい
は中心からひとつの頂点までの長さ)(r1) に、前記
磁気回路を用いるマグネトロンのターゲットまたは基板
の半径(r2) と、r1/r2≧1.1の関係を持たせ
る。
【0021】
【実施例】本発明では、円板状あるいは多角形状であ
り、水平方向(径方向あるいは疑似径方向)に磁化され
た磁石のみによる永久磁石磁気回路を提案する。
【0022】これは、水平方向に磁化された磁石のみで
磁気回路を形成すると、漏洩磁場の水平成分の比率が高
くなり、磁石のN、S両極の間隔が離れるため磁場の漏
洩面積も増えて、電子の運動への寄与を大きくできるか
らである。これに対し、たとえば図6(c)において垂
直方向に磁化された磁石を用いているのは、これを水平
方向に磁化された磁石と共同させて磁場強度を高めるた
めであり、垂直方向に磁化された磁石自身による漏洩磁
場の水平成分は少ない。よって、水平方向に磁化された
磁石のみで充分な磁場強度が得られるのであれば、垂直
方向に磁化された磁石を用いる必要はない。
【0023】ところで、磁気回路用の磁石として、フェ
ライト、アルニコ等の永久磁石ではなく、希土類永久磁
石を用いれば、水平方向に磁化された磁石のみで、磁気
回路に必要なだけの水平磁束密度(ターゲット上で20
0〜600G程度)は充分に得られる。よって本発明で
は、水平径方向に磁化された希土類磁石のみによる永久
磁石磁気回路を提案する。
【0024】本発明者は、リング状水平磁化磁石におけ
る漏洩磁場の様子を詳細に検討した。リング状水平磁化
磁石の例を図3に示す。リング状磁石50は、リングの
半径方向で外周から内周への向き52に磁化されてい
る。よって、外周側面と内周側面とに磁荷が生じ、漏洩
磁場は磁力線54で示したようになる。検討の結果、本
発明者は、最も水平磁場漏洩領域が広いのは内径孔のな
い場合であることを見いだした。内径孔がある場合に
は、内径孔側面に磁荷が生じるが、内径孔がない場合に
は、中心付近の磁石内部に体積磁荷が生じ、中心から外
周側面への磁力線の流れが生じるため、最も広い水平磁
場漏洩領域が得られるのである。
【0025】このように、漏洩磁場は回路の中心から外
周へ向かう向きに発生し(磁力線54)、電場は磁石に
垂直な方向56に印加されるので、これらを横切ってド
リフトする電子は、円軌道あるいはそれに近い無限軌道
を描きながらターゲット(または基板)上に捕捉され
る。
【0026】以上の考察に基づいて提案された本発明の
例を図1に示す。図1(a)及び図1(b)は内径孔の
ない円板状磁石40、44であり、図1(a)の磁化方
向は符号42で示すように径方向であり、図1(b)の
磁化方向は符号46で示すように疑似径方向(円板の一
部分である扇形内において平行に磁化されている)であ
る。いずれの場合も、円板を12等分して作製した場合
の磁気回路の例を示している。
【0027】(疑似)径方向に磁化された内径孔のない
円板状磁気回路を単一の磁石で構成することは難しく、
上記図1の例でもそうであるように、3枚以上の扇形磁
石で構成する。また、扇形の代わりに、その弧を線分と
した三角形の磁石を組み合わせ多角形状の磁気回路とし
てもよい。
【0028】図2に多角形状の磁気回路の例を示す。符
号48は、三角形の磁石を組み合わせた多角形状の磁気
回路を示し、その磁化方向は矢印49で示すように、各
三角形の中心線に平行な方向である。
【0029】本発明の永久磁石磁気回路の場合において
も、磁石あるいはターゲット(または基板)を偏心させ
て回転することにより、より中心付近まで均一にスパッ
タリング(またはエッチング)することができる。
【0030】スパッタリング及びエッチング等を行うた
めには、永久磁石磁気回路に用いる希土類磁石は最大エ
ネルギー積20MGOe以上を有しており、永久磁石磁
気回路の5mm真上で200G以上の水平磁束密度を有
することが望ましい。さらに永久磁石磁気回路の10m
m真上で200G以上の水平磁束密度を有していること
が、より望ましい。
【0031】図1(b)に示した疑似径方向に磁化され
た永久磁石磁気回路(NdFeB磁石使用、直径100
mm、厚さ20mm)を用い、磁気回路上に設けるター
ゲットの径が磁気回路と同径な場合に発生する漏洩磁場
の水平磁束密度を図4に示す。横軸は磁石中心から半径
方向への距離、縦軸は各々の位置における水平磁束密度
の大きさを表わす。(a)は永久磁石磁気回路面上10
mm、(b)は25mm、(c)は40mmにおける水
平磁束密度を表わすグラフである。永久磁石磁気回路面
上10mmの空間で非常に平坦でかつ強度の強い水平漏
洩磁場が得られることがわかる。
【0032】以上述べたように、本発明の永久磁石磁気
回路により、水平磁場の漏洩領域を従来よりも広くする
ことができた。しかも、ほぼ均一な水平磁場を広い領域
にわたって得ることができた。
【0033】しかし、ターゲットの外周部及び中心部で
は漏洩磁場の水平磁場強度が低くなり、したがってター
ゲット面上での水平磁場の強度が不均一になるという問
題が残る。これは、磁力線が磁石の外周側面及び中心部
へ入る(または出る)際には垂直にならざるを得ないた
めである。
【0034】外周部における水平磁場強度を上げる方法
として2つ考えられる。ひとつは、永久磁石の径をター
ゲット(または基板)の径よりも大きくする方法であ
る。これにより、磁石の外周側面への磁力線の回り込み
がターゲット(または基板)面上では起きないようにで
きる。すなわち、ターゲット(または基板)面上では、
その外周部まで平坦な水平磁場強度を得ることができ
る。ただし、このためには磁石の径をターゲット(また
は基板)の径より10%以上大きくする必要がある。
【0035】もうひとつは、永久磁石の外周部を厚くす
る方法である。これにより、外周付近の水平磁場を増加
することができ、ターゲット(または基板)面全面にお
いて均一な水平磁場強度を得ることができる。このとき
の磁石の厚みは、階段状に不連続に変化させてもよい
し、連続的に変化させてもよい。
【0036】中心部における水平磁場強度の低下は、外
周部の場合のようにほぼ完璧な均一水平磁場とすること
はできない。しかし、永久磁石の中心部を厚くして中心
部付近の水平磁場を増やすことはでき、したがって、均
一水平磁場の領域を広めることは可能である。このとき
も、磁石の厚みは、階段状に不連続に変化させてもよい
し、連続的に変化させてもよい。
【0037】また、スパッタリングを行う場合、永久磁
石磁気回路を設置するバックヨークを強磁性のものとす
ると、水平磁場の均一性が向上するため、均一水平磁場
でスパッタリングが行え、基板上に厚さが均一な膜を生
成することができる。
【0038】そもそもバックヨークは、鉄のような磁性
材料より成っていても、ステンレスのような非磁性材料
より成っていてもよい。磁性材料より成る場合は、磁力
線の一部がバックヨークの方に流れるため、ターゲット
側に漏洩する磁場の強度は弱くなる。しかし、外周部か
ら中心部にかけての水平磁場の強度が均一になり、強度
分布に大きな山がなくなるので、膜を付着させる基板と
ターゲットとの間隔を狭めることができる。したがっ
て、磁場の強度は弱くなるが、その分、ターゲットと基
板の間隔を狭くできるためにスパッター原子が基板に付
着し易くなり、不都合はない。しかも、強度分布に山の
ない均一水平磁場となっているため、基板上に均一な厚
さの膜を作ることができるという利点がある。
【0039】以上まとめると、本発明に係る、内径孔の
ない永久磁石磁気回路の水平磁場均一度をより向上させ
るためには、 磁石の外周部、及び/または、中心部を厚くする 磁石の径をターゲット(または基板)の径より10%
以上大きくする 強磁性バックヨークを用いる の方法をひとつまたは組み合わせてとればよいことがわ
かる。
【0040】
【発明の効果】磁化方向が径方向あるいは疑似径方向で
ある円板状あるいは多角形状の、内径孔のない永久磁石
磁気回路により、ターゲット(または基板)上での漏洩
磁場の水平磁場領域が大幅に増加し、また、希土類永久
磁石を使用することにより、水平磁場の強度も充分に得
られた。よって、マグネトロンプラズマ内の電子がター
ゲット(または基板)のほぼ全域に渡って軌道を描くこ
とが可能となった。この結果、たとえばスパッタリング
におけるターゲットの使用効率が大幅に向上する等の利
点が生じた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る永久磁石磁気回路の例。
【図2】本発明に係る永久磁石磁気回路の別の例。
【図3】リング状水平磁化磁石の例。
【図4】本発明の実施例の水平磁束密度分布を表わすグ
ラフ。
【図5】ドーナツ状漏洩磁場を発生させる磁気回路と、
その漏洩磁場による電子の運動を説明する図。
【図6】永久磁石磁気回路の従来例。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H05H 1/46 9014−2G

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3枚以上の扇形あるいは三角形の希土類
    永久磁石を組み合わせて成る、内径孔のない、円板状あ
    るいは多角形状の磁気回路であり、 前記希土類永久磁石の磁化方向が、磁気回路の中心に向
    かう方向であるか、または、各扇形あるいは各三角形の
    中心線に平行な方向である、 ことを特徴とするマグネトロンプラズマ用永久磁石磁気
    回路。
  2. 【請求項2】 前記円板状あるいは多角形状の磁気回路
    の中心付近、及び/または、外周部の厚みが厚いことを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載のマグネトロンプ
    ラズマ用永久磁石磁気回路。
  3. 【請求項3】 前記円板状(あるいは多角形状)の磁気
    回路の半径(あるいは中心からひとつの頂点までの長
    さ)(r1) が、前記磁気回路を用いるマグネトロンの
    ターゲットまたは基板の半径(r2) と、r1/r2
    1.1の関係を持つことを特徴とする特許請求の範囲第
    1項記載のマグネトロンプラズマ用永久磁石磁気回路。
JP5017979A 1993-01-08 1993-01-08 マグネトロンプラズマ用永久磁石磁気回路 Expired - Fee Related JP2899190B2 (ja)

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