JPH0620723Y2 - 医療用品の廃棄物用容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本考案は注射針、ガーゼ、脱脂綿、包帯、その他の医療
用品が使用済になった場合に廃棄用として使用する医療
用品の廃棄物用容器に関するものである。

〈従来の技術〉 周知の様に、病院や保険センターなどから排出される注
射針、ガーゼ、脱脂綿、その他の使用済みの医療用品
は、廃棄物として廃棄処分しなければならない。

従来では、これらの廃棄物を病院などが段ボール製容
器、合成樹脂製容器に収納し、この容器を廃棄処分する
専門業者に直接渡して処分してもらっていた。

〈考案が解決しようとする課題〉 しかし、注射針やガーゼにはエイズ、肝炎などの患者の
血液や唾液が付着しているので、これらの医療用品の処
分の途中で看護婦や業者、または他の者の手に刺さった
り直接手に触れると、菌により感染する事故が発生して
いる。

そこで、使用済みの医療用品を、使用直後から廃棄処分
するまでの間に全く人間の手に触れないでよい医療用品
の廃棄物用容器が要請されている。

しかし、廃棄物用容器は各種の病院や検査センター等の
医療機関では多量に使用するので、不使用状態では扁平
状で多数を積み重ねて保存することができ、しかも使用
状態では看護婦等は組み立てに無知であるから極めて簡
単に、確実に、また強固に組み立てることができる構造
のものが要望されている。

〈課題を解決するための手段〉 本考案は上記した従来の欠点を解消し、また従来からの
要望に基づき提案されたもので、４つの側面部と底面部
とにより上面が開放する有底四角筒状の胴体を構成し、
対向する２つの側面部の上端に、上縁に門型状の把手部
を突出状に形成して中央に側面部に向かう縦方向の第１
係止溝を形成した把手用上面フラップを延設するととも
に、他の対向する２つの側面部の上端に、上縁の中央か
ら側面部に向かう縦方向の第２係合溝を形成して上記第
２係合溝の開口端の左右に位置するように係止片を左右
に突設した係止用上面フラップを延設し、前記底面部は
折り畳んだり組み立て可能にした外枠体と、上記外枠体
の内部に収納する軟質合成樹脂製の袋材と、４つの内側
面部と折り畳んだり組み立て可能な内底面部とを有し、
上記軟質合成樹脂製の袋材の内部に嵌込む内枠体と、か
らなり、不使用状態では外枠体の内部に袋体、内枠体を
収納して扁平状に折り畳み、使用時に外枠体を外側の側
縁を左右から押圧して組み立てることにより、袋体と内
枠体とを同時に組み立てることができ、外枠体の開放す
る上面を覆うようにして左右から両把手用上面フラップ
を折り込むとともに左右の把手部を直立させて重合し、
両係止用上面フラップを上記把手用上面フラップの上面
に重合するように折り込んで各係止片を各把手用上面フ
ラップの第１係合溝に上から差し込むようにしたことを
特徴とするものである。

〈作用〉 本考案の容器は、折り畳んだり組み立て可能な底面部
と、４つの側面部を有する外枠体の内部に、袋体と、折
り畳んだり組み立てることが可能な内枠体とを収納し、
不使用状態では上記外枠体、袋体及び内枠体を一体とし
て扁平状に折り畳んでおき、使用するときに外枠体の側
縁を左右から押圧して組み立て状態にし、内部に医療用
品の廃棄物を充分に収納したら、外枠体の開放する上面
を覆うようにして左右から両把手用上面フラップを折り
込むとともに左右の把手部を直立させて重合し、両係止
用上面フラップを上記把手用上面フラップの上面に重合
するように折り込んで各係止片を各把手用上面フラップ
の第１係合溝に上から差し込むのである。

〈実施例〉 以下に本考案を図面の実施例に基づいて詳細に説明す
る。

第１図は段ボール材、厚板紙などで作成する外枠体１の
展開状態を示すもので、上記外枠体１は４枚の側面部２
…が横方向に連続し、一側端に位置する側面部２の端縁
に接着代３を延設し、各側面部２を直角に折って上記接
着代３を他側端に位置する側面部２の内面に固着するこ
とにより、四角筒状の胴体４を組み立てることができ
る。

各側面部２の下縁には底面フラップ５…を連設し、隣り
合う底面フラップ５の一部を接着剤などで連結すると、
折畳んだり組み立て可能な底面部を構成することができ
る。

そして、上記した各側面部２の上端には、把手用上面フ
ラップ６と係止用上面フラップ７とを交互に、しかも隣
り合うフラップが連続しない様に延設する。

上記した把手用上面フラップ６は上縁に低い門型状の把
手部８を突出状に形成するとともに、上縁の中央から側
面部２に向かう縦方向の第１係合溝９を形成した構成で
ある。

また、上記した係止用上面フラップ７は上縁の中央から
側面部２に向かう縦方向の第２係合溝１０を形成し、上
縁には上記第２係合溝１０の開口端の左右に位置するよ
うに係止片１１を左右に突設する。

上記した把手用上面フラップ６と係止用上面フラップ７
とは各側面部２の上端に交互に、しかも隣り合うフラッ
プが連続しない様に形成されているので、把手用上面フ
ラップ６と係止用上面フラップ７とが相互に隣り合うこ
とになる。したがって、各側面部２により胴体４を四角
筒状に組み立てると、２枚の把手用上面フラップ６及び
係止用上面フラップ７が夫々対向することになる。そし
て、胴体４は隣り合う２枚の側面部２が一連となり、他
の一連の側面部２と重合するように扁平に折畳むことが
できる。

本考案の容器は上記した外枠体１と、外枠体１の内部に
収納する軟質合成樹脂製の袋材１２と、上記袋材１２の
内部に収納する内枠体１３とから成るものである。

上記した袋材１２は屈曲自在で上面が開放し、外枠体１
の内面に沿って収納される程度の寸法で薄いビニールに
より作製するもので、外枠体１より高い。

また、上記した内枠体１３は胴体４とほとんど同様に、
４枚の連続する内側面部１４…と、上記各内側面部１４
の下縁に連設した内底面部１５…とからなり、内底面部
１５は折り畳んだり組み立て可能であるから、各内側面
部１４により各内底面部１５とともに四角筒状に組み立
てることができるし、各内底面部１５とともに四角筒状
に組み立てることができるし、各内底面部１５とともに
２枚の内側面部１４が一連となって他の２枚の一連の内
側面部１４が重合するように扁平に折畳むことができ
る。そして、内枠体１３は外枠体１よりわずかに寸法が
小さい。

本考案の容器は上記した構成で、不使用状態では第３図
で示すように外枠体１に袋体１２と内枠体１３とを収納
して扁平状に折畳んでおくのである。また、必要であれ
ば第４図で示すように各把手用上面フラップ６と係止用
上面フラップ７とを側面部２の外面に添うように外側に
折り込んでも良いし、外枠体１の開口部から上方に延び
る袋材１２の上方部分を各側面部２の外面に添うように
折り込み、側面部２の外面に添って折り込んだ把手上面
フラップ６や係止用上面フラップ７を覆い包むようにし
ても良い。

一方、使用するときにおいて、外側の側縁を左右から押
圧して第５図で示すように各側面部２により外枠体１を
四角筒状に組み立て、把手用上面フラップ６と係止用上
面フラップ７とを側面部２の外面に添うように折り込む
とともに、袋材１２の上方部分も側面部２の外面に折っ
て把手用上面フラップ６や係止用上面フラップ７を外面
から覆い包む。なお、折畳状態から組み立て状態に変換
するには、折畳状態の外枠体１の左右の側縁下方を押圧
するだけで、ワンタッチで変換することができる。

上記した組み立て状態では外枠体１の上面が大きく開放
し、内部には袋材１２と、袋材１２の内側に内枠体１３
が収納された状態になる。したがって、この容器を病院
や保険センターなどの医療機関の病室に備えると、使用
済みの注射針や注射器、ガーゼ、脱脂綿、包帯、その他
の医療用品の廃棄物を内部に投棄することができる。

特に、内枠体１３として耐水性で強靱な材質の紙を使用
すると、外部に液漏れしたり、注射針が外枠体１の外面
にまで突き出すことがない。

内枠体１３内に使用済みの医療用品を十分に収納した
ら、袋材１２の上方を側面部２の外面から捲き上げて外
枠体１の上方にまで持ち上げ、紐材、ゴムなどで固く結
束して封をする。そして、袋材１２の結束部分を外枠体
１の開放上面に押し込み、第７図で示すように対向する
２枚の把手用上面フラップ６を外枠体１の開放上面を覆
うように折り込むとともに、左右の把手部８を直立させ
て重合する。この状態では各把手用上面フラップ６の第
１係合溝９が直線状に並ぶので、第８図で示すように対
向する係止用上面フラップ７を把手用上面フラップ６の
上面に重合するように折り込むとともに、各係止片１１
を下向きに折って各把手用上面フラップ６の第１係合溝
９に上から差し込む。この場合、直立して重合する２枚
の把手部８は各係止用上面フラップ７の第２係合溝１０
内に挿着されるので、重合する把手部８が係止用上面フ
ラップ７の上面に直立状になる。

したがって、内部に袋材１２と内側面部１４とを収納し
て使用済みの医療用品を充満状に入れた外枠体１は上面
が把手用上面フラップ６と係止用上面フラップ７とによ
り閉塞され、把手部８が直立するので、そのまま搬送し
たり若しくは係止用上面フラップ７をガムテープやセロ
ファンテープで止着して廃棄業者に渡し、処分してもら
うことができる。

以上本考案を図面の実施例に基づいて説明したが、本考
案は上記した実施例の構成に限定されるのもではなく、
実用新案登録請求の範囲に記載の範囲を変更しない限り
どのようにでも実施することができる。

〈考案の効果〉 以上要するに本考案によれば、上面が開放する有底四角
筒状の胴体の対向する２つの側面部の上縁に把手用上面
フラップを延設するとともに、他の対向する２つの側面
部の上縁に係止用上面フラップを延設した折り畳んだり
組み立てることができる外枠体と、上記外枠体の内部に
納める軟質合成樹脂製の袋材と、上記軟質合成樹脂製の
袋材の内部に収納する内枠体との３つの構成要素からな
るので部品点数が極めて少なく、構造や製造がが極めて
簡単である。そして、不使用状態では外枠体に袋体と内
枠体とを収納して扁平に折畳んでおくことができるので
搬送や保存において全く嵩張ることがなく、特に病院や
一般診療所などの医療機関や検査機関などの狭い室内で
あっても無駄なスペースを要しないため、頻繁に使用す
る病院等では多数枚を購入しても保管場所に困らないで
多数枚を重ねて保存し、いつでも使用できる状態を確保
することができる。

しかも、外枠体に袋材と内枠体とを収納して扁平に折畳
んだ状態において、外側の側縁を左右から押圧すると、
外枠体とともに内枠体がそのまま組み立てられるので、
外枠体の開放上面から例えば手を差し込んで袋材ととも
に内枠体を外枠体の内部底面にまで押し込むだけで外枠
体、袋材及び内枠体が組み立てられて使用状態に変換す
るので、看護婦や取扱いが不慣れなものでも容易に、簡
単に、迅速にワンタッチで組み立てることができる。

また、使用状態では外枠体の上面が大きく開放している
ので医療用品の廃棄物を投入しやすいし、各上面フラッ
プを各側面部の外側に重合するように折り込むととも
に、袋材の上部も各上面フラップ、側面部の外側を覆う
ように折り返しておくと、各上面フラップが側面部の外
側に密接状になって保持されるので、捲れ上がったり跳
ね上がることがなくて例えば室内の隅部に置いておくこ
とができるし、誤って転倒させて内部の廃棄物が周辺に
飛び散ったり、例えば注射針の破片が周囲に散乱するよ
うな事故を未然に防止することができる。また、外枠体
の内部に袋材があり、袋材の内部に内枠体が収納されて
いて医療用品の廃棄物を投入するようにしたので、使用
済みの医療用品に全く手を触れないで廃棄処理すること
ができ、注射針が手に刺さったり、または手に触れるこ
とにより各種の菌に感染する可能性がなく、取り扱いに
おいてきわめて安全性の高いものとなるばかりでなく、
外枠体、軟質合成樹脂製の袋材および内枠体の３重構造
であるから、内部に入れた医療用品が外部にはみ出た
り、若しくは液漏れすることがなく、廃棄過程において
も感染事故などが発生することがない。

内部に医療用品の廃棄物を充分に収納したら、袋材の上
方を各側面部の外面から捲り上げて外枠体の上方にまで
持ち上げて結束し、対向する２枚の把手用上面フラップ
を外枠体の開放上面を覆うように折り込むとともに左右
の把手部を直立させて重合し、他に対向する係止用上面
フラップを上記把手用上面フラップの上面に重合するよ
うに折り込むとともに第２係合溝を直立する各把手部に
挿通し、各係止片を下向きに折って各把手用上面フラッ
プの第１係合溝に上から差し込むだけでよいから、外枠
体の開放上面を簡単に、密に閉塞することができる。し
かも、上記のように外枠体が閉塞された状態では、把手
用上面フラップと係止用上面フラップとが２重に交叉状
となっているし、各上面フラップが側面部から連続して
いるし、把手用上面フラップが係止用上面フラップに押
えつけられているので、極めて強度があって簡単に開放
することができない。特に、係止用上面フラップの接合
部分にガムテープやセロファンテープを貼着すると更に
強固に閉塞することができる。

また、上記した外枠体の閉塞状態では把手部が把手用上
面フラップと一体になって係止用上面フラップで保持さ
れて著しく強度があるため、内部に多数の医療用品の廃
棄物を収納して重くなっても把手部を把持して運搬した
り流通することができ、把手部が重量により破損して内
部の廃棄物が周辺に散乱することがない。

したがって、本考案の医療用品の廃棄物用容器は、製造
過程や部品点数において、不使用状態において、また使
用状態においてばかりでなく、内部に廃棄物を充分に収
納して廃棄物処理業者に渡す処理過程において著しく安
全で取り扱いやすく、しかも強度があって破損すること
がなく、著しく使用価値の高い実用的なものとなる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示すもので、第１図は外枠体
の展開状態の平面図、第２図は内枠体の展開状態の平面
図、第３図は外枠体を折畳んで上面フラップを上方に延
ばした状態の斜視図、第４図は外枠体を折畳んで上面フ
ラップを側面部の外面に折った状態の斜視図、第５図は
使用状態の斜視図、第６図は第５図の縦断面図、第７図
は外枠体の上面に把手用上面フラップを折った状態の斜
視図、第８図は把手用上面フラップの上面に係止用上面
フラップを重合し、把手部を直立させた閉塞状態の斜視
図である。 １は外枠体、２は側面部、４は胴体、５は底面フラッ
プ、６は把手用上面フラップ、７は係止用上面フラッ
プ、８は把手部、９は第１係止溝、１０は第２係止溝、
１１は係止片、１２は袋材、１３は内枠体、１４は内側
面部、１５は内底面部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】４つの側面部２と底面部５とにより上面が
   開放する有底四角筒状の胴体４を構成し、対向する２つ
   の側面部２の上端に、上縁に門型状の把手部８を突出状
   に形成して中央に側面部２に向かう縦方向の第１係止溝
   ９を形成した把手用上面フラップ６を延設するととも
   に、他の対向する２つの側面部２の上端に、上縁の中央
   から側面部２に向かう縦方向の第２係合溝１０を形成し
   て上記第２係合溝１０の開口端の左右に位置するように
   係止片１１を左右に突設した係止用上面フラップ７を延
   設し、前記底面部５は折り畳んだり組み立て可能にした
   外枠体１と、 上記外枠体１の内部に収納する軟質合成樹脂製の袋材１
   ２と、 ４つの内側面部１４と折り畳んだり組み立て可能な内底
   面部１５とを有し、上記軟質合成樹脂製の袋材１２の内
   部に嵌込む内枠体１３と、 からなり、 不使用状態では外枠体１の内部に袋体１２、内枠体１３
   を収納して扁平状に折り畳み、使用時に外枠体１を外側
   の側縁を左右から押圧して組み立てることにより、袋体
   １２と内枠体１３とを同時に組み立てることができ、外
   枠体１の開放する上面を覆うようにして左右から両把手
   用上面フラップ６を折り込むとともに左右の把手部８を
   直立させて重合し、両係止用上面フラップ７を上記把手
   用上面フラップ６の上面に重合するように折り込んで各
   係止片１１を各把手用上面フラップ６の第１係合溝９に
   上から差し込むようにしたことを特徴とする医療用品の
   廃棄物用容器。