JPH0232281Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案は、注射器等を廃棄するのに用いる使
い捨てのケースに関する。

〔従来の技術及びその問題点〕

人体に注射後、その注射針を再び使用するとウ
イルスが感染する危険がある。

そのため、注射針又は注射器全体を使い捨てに
しているが、例えば通常のごみ箱に、合成樹脂フ
イルムから成る袋を挿入し、この袋内に注射器等
を投入し、廃棄の際に袋を取り出すと、針が袋を
突き破つて露出し、指などを傷つけ、上記と同様
の危険が生じる問題がある。

そこで、この考案の目的は、上記の問題を解決
し、注射針が外部に露出せず、封緘された状態で
廃棄することができるケースを提供することであ
る。

〔問題解決の手段〕 上記の問題を解決するため、この考案において
は、四方の側壁と底壁及び頂壁を有し、前記頂壁
に投入口を設けた内箱と、この内箱の外周全面を
被覆できる合成樹脂フイルムから成る袋と、四方
の側壁と底壁及び蓋を有し、前記袋に被覆された
内箱を収納する外箱によつて注射器廃棄用ケース
を構成したのである。

〔作用〕

前記袋の開口部周辺を外箱の開口部外面に折り
返し、内箱の頂壁に設けた投入口に注射器等を投
入し、一杯になつた時には、折り返した袋の開口
部を内箱の頂壁の上面で束ねてゴム輪等で留め、
外箱の蓋を閉じて、必要に応じ粘着テープ等で固
着し、そのまま廃棄する。

〔実施例〕

第１図に示すように、注射器廃棄用ケースは、
板紙等の厚紙から成る内箱１０と、合成樹脂フイ
ルムから成る袋３０及び段ボール紙等の厚紙から
成る外箱４０によつて構成されている。

前記内箱１０は、四方の側壁１１と、底壁２０
及び頂壁１２を有し、頂壁１２には、注射器等の
投入口１３が設けられている。また、必要に応
じ、蓋フラツプ１４及びその支持壁１５，１５を
設けておくことができる。前記外箱４０は、四方
の側壁４１と、底壁４２及び蓋４３と、サイドフ
ラツプ４４，４４から成る。

前記袋３０は、内箱１０を収納し、内箱１０の
外面全面を被覆できる大きさとし、内箱１０を収
納した状態で、外箱４０の中に収納できるように
してある。このとき、運搬及び取り扱いの便宜を
考えて、第２図に示すように、ケース全体を偏平
に折りたたむことができ、使用時には、一挙動で
箱の形状に組立てることができるようにしておく
のがよい。このような内箱１０の例を第３図に示
す。図中、細線は折り目線を示し、１１は前述と
同様の側壁、１２は頂壁、１３は投入口、１４は
蓋フラツプ、１５は支持壁である。

前記頂壁１２には、差し込み片１６及び１７，
１７が設けられており、それぞれ側壁１１の上端
に設けられたスリツト１６′，１７′，１７′に挿
入されて、頂壁１２を支持するようになつてい
る。

前記側壁１１の左端には、のり代１８が設けら
れ、右端の側壁１１に予め固着され、角筒体が形
成される。この角筒体の対向する側壁の下端に
は、底壁２０を形成するための台形状底片２１，
２１と底片２２，２２がそれぞれ設けられ、底片
２２，２２には、折り目線２３，２３を介しての
り代２４，２４が設けられている。こののり代２
４，２４を図の鎖線のように底片２１，２１の外
面に固着して、隣接する底片２１と２２を折り目
線２３によつてヒンヂ結合する。

このようにすると、側壁１１で形成される角筒
体の底部には、連結された一方の底片２１，２２
と、連結された他方の底片２１，２２によつて底
壁２０が形成され、角筒体を偏平にすると、ヒン
ジ結合された底片２１，２２は、折り目線２３に
沿つて内側に屈曲し、側壁１１の内面に密着す
る。逆に、側壁１１を拡げ角筒体にすると、折り
たたまれた底片２１と２２が平坦に展開し、底壁
２０となる。

外箱４０の底壁４２も同様の構造にすると、内
箱２０と同じように偏平にすることができ、また
一挙動で展開して底壁４２となる。

上記のようにして偏平にしたケースを第４図の
ように組立て、袋３０の開口部周辺を外箱４０の
開口部外面に折り返して使用する。使用後は、内
箱１０の支持壁１５，１５を折り目線に沿つて折
り曲げ、蓋フラツプ１４を頂壁１２の上に重ね合
せ、第５図に示すように、袋３０の開口部をその
上で束ねてゴム輪などで結束し、さらに外箱４０
の蓋４３を閉じて、必要ならば粘着テープなどで
固定し、そのまま廃棄する。

〔効果〕

この考案によれば、以上のように、合成樹脂フ
イルムから成る袋で被覆した内箱を外箱に収納
し、内箱に注射器等を投棄するようにしたので、
針が外部まで突き抜けるおそれがなく、また液漏
れの心配もなく、使用後はそのまま袋の開口部を
結束して廃棄するようにしたので、廃棄の際にも
針に触れることが全くなく、安全に廃棄すること
ができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の廃棄用ケースの一例を示す
分解斜視図、第２図は同上のケースを偏平に折り
たたんだ状態を示す平面図、第３図は内箱の展開
図、第４図は廃棄用ケースの使用状態を示す斜視
図、第５図は廃棄用ケースを処分する状態を示す
斜視図である。 １０……内箱、１１……側壁、１２……頂壁、
１３……投入口、２０……底壁、３０……袋、４
０……外箱、４１……側壁、４２……底壁、４３
……蓋。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 四方の側壁と底壁及び頂壁を有し、前記頂壁に
   投入口を設けた内箱と、この内箱の外周全面を被
   覆できる合成樹脂フイルムから成る袋と、四方の
   側壁と底壁及び蓋を有し、前記袋に被覆された内
   箱を収納する外箱から成る注射器廃棄用ケース。