JPH06206451A - 作業車のエンジン冷却構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な改造によって機体下方から塵埃等の浮
遊物がボンネットのエンジンルーム内に入り込むことを
抑制しながらもエンジンルーム内からの高温空気の排出
を十分行うことのできる作業車のエンジン冷却構造を提
供する。 【構成】 ボンネット１内に前後に並設したエンジン２
とエンジン冷却用のラジエータ３との間に、ラジエータ
３に冷却用空気を吸入するための遠心ファン４を、前後
に空気導入口９，１０を備えかつ横側に空気排出口１１
を備えたファンシュラウド８に囲繞された状態で設ける
とともに、ファンシュラウド８のエンジン２がわに臨む
空気導入口１０を、ボンネット１内の上部がわにのみ臨
むように形成してある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、ボンネット内に前後に
並設したエンジンとエンジン冷却用のラジエータとの間
に、前記ラジエータに冷却用空気を吸入するための遠心
ファンを、前後に空気導入口を備えかつ横側に空気排出
口を備えたファンシュラウドに囲繞された状態で設けた
作業車のエンジン冷却構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の作業車のエンジン冷却構
造としては、本出願人が先に出願した特願平４−２６８
３２６号に示されるように、エンジン冷却風をボンネッ
トの前部から導入してラジエータの冷却に供した後、ボ
ンネットの横外方へ冷却排風を放出する構造のものが提
案されている。そして、その冷却排風を放出する際の負
圧効果によってファンシュラウドにおけるエンジンがわ
に臨んだ空気導入口よりエンジン周りの比較的高温の空
気も排出して、冷却効果を高めるようにしていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来構造のものにあっては、ファンシュラウドのエンジン
がわに臨む空気導入口は遠心ファンの上下幅にほぼ相当
する径を有した円形状であって、このために、例えば芝
刈り機のような対地作業を行う作業車にあっては、対地
作業に伴って生じた刈り芝や塵埃等の浮遊物がエンジン
搭載フレーム等の隙間から導かれてファンシュラウドの
エンジンがわ空気導入口から遠心ファンの吸い込みでボ
ンネット内に導入されやすくなっていた。このため、エ
ンジンルーム内にまで導入された刈り芝や塵埃等によっ
てエンジンルームが汚損しやすく、また、上下幅の大き
な開口を成す空気導入口を通して空気吸い込みがなされ
るので、負圧による吸い込み力は比較的弱く、上方及び
左右方の閉塞されたエンジンルーム内からの高温空気の
吸い出しは不十分なものとなる虞れが高かった。本発明
は、上記実情に鑑みてなされたものであって、簡単な改
造によって機体下方から塵埃等の浮遊物がボンネットの
エンジンルーム内に入り込むことを抑制しながらもエン
ジンルーム内からの高温空気の排出を十分行うことので
きる作業車のエンジン冷却構造の提供を目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明にかかる作業車の
エンジン冷却構造は、上記目的を達成するために、ボン
ネット内に前後に並設したエンジンとエンジン冷却用の
ラジエータとの間に、前記ラジエータに冷却用空気を吸
入するための遠心ファンを、前後に空気導入口を備えか
つ横側に空気排出口を備えたファンシュラウドに囲繞さ
れた状態で設けるとともに、前記ファンシュラウドの前
記エンジンがわに臨む前記空気導入口を、前記ボンネッ
ト内の上部がわにのみ臨むように形成してあることを特
徴構成とする。かかる特徴構成による作用・効果は次の
通りである。

【０００５】

【作用】即ち、ファンシュラウドのエンジンがわに臨む
空気導入口は、ボンネット内の上部がわにのみ臨むよう
に形成してあるから、ファンシュラウドへは、ボンネッ
ト内におけるエンジンルームの上方がわから比較的多く
の空気が吸い込まれることになるとともに、エンジンル
ームの下方からの空気の吸い込みは空気導入口の下方の
ファンシュラウドの壁に阻止されることになり、機体下
方からの空気のエンジンルーム内への吸い込みはきわめ
て少なくなる。

【０００６】

【発明の効果】従って、エンジンルーム内の比較的高温
となった空気を主に吸い込んで外方へ排出するようにで
きるから、エンジンに対する冷却性能を向上できるとと
もに、機体下方からの空気のエンジンルーム内への吸い
込みが少なくなることで、機体下方で塵埃等の浮遊物を
エンジンルーム内に吸い込むことが阻止されるので、エ
ンジンルーム内が浮遊物によって汚損されることを抑制
できるに至った。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図４に、作業車の一例としてのローントラクタを
示している。このローントラクタでは、その前部に設け
たボンネット１の内部に、水冷式エンジン２をクランク
軸が前後方向に向く状態で設けるとともに、エンジン冷
却用のラジエータ３をエンジン２の前方に位置する状態
で設け、ラジエータ３を冷却するための空気を吸入する
ための遠心ファン４を、その回転円板５がラジエータ３
に対向する状態でエンジン２とラジエータ３との間に設
けている。回転円板５は起風用のフィン６‥をラジエー
タ３がわに向けて突設状態で多数並設しているととも
に、エンジン２と遠心ファン４とをファンベルト７で連
動させている。

【０００８】図１乃至図３に示すように、遠心ファン４
は、ファンシュラウド８で囲繞されているとともに、こ
のファンシュラウド８は、ラジエータ３に臨む前面とエ
ンジン２に臨む後面とのそれぞれに空気導入口９，１０
を開口形成している。そして、ファンシュラウド８の左
右の側方箇所には、空気導入口９，１０から遠心ファン
４で導入した空気をボンネット１の外方へ排出するため
の横側排出口１１，１１を備えているとともに、ファン
シュラウド８のボンネット１の左右側壁へ向けて延出し
たダクト部分８Ｂ，８Ａの底壁に遠心ファン４で吸い込
まれた空気の一部を下方へ送出することのできる下側排
出口１２，１２を開口形成している。この下側排出口１
２，１２により、エンジン２等を搭載設置する左右一対
のメインフレーム１３，１３より下方の地面に向けての
送風がなされ、機体下腹部空間に配設したモーア１４の
作動によって浮遊される塵埃等を地面近くに抑えて上方
に舞い上がらないようにしている。

【０００９】又、図１及び図３に示すように、前記空気
導入口９，１０のうち、エンジン２に臨むがわの空気導
入口１０は、ボンネット１内における上部側に偏る位置
に正面視半円状に形成している。すなわち、空気導入口
１０は、遠心ファン４の上部がわにのみ臨むように形成
しているのである。

【００１０】上記構成により、遠心ファン４の回転に伴
いボンネット１の前端部のグリル１５から外気が導入さ
れ、その外気がラジエータ３の冷却に供された後、ファ
ンシュラウド８のラジエータ側空気導入口９に導かれ、
横側排出口１１，１１及び下側排出口１２，１２より排
出されるとともに、ファンシュラウド８内の負圧によっ
てボンネット１内のエンジンルーム１６の上位がわの空
気がエンジン側空気導入口１０よりファンシュラウド８
内に吸い込まれることになる。又、エンジン側空気導入
口１０の下縁が遠心ファン４の駆動軸１７位置近くであ
ることで、その下縁より下方がわにはファンシュラウド
８の後壁面８ａが有り、このため、エンジンルーム１６
の下位がわから空気がファンシュラウド８に導入される
ことが阻止されている。又、図１に示すように、エンジ
ンの上側方に配設したマフラ１５周りの高温の空気も適
宜低温化できるのでマフラ１８近くに配設された燃料タ
ンク周りを比較的低温に維持できる。

【００１１】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を
便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は
添付図面の構成に限定されるものではない。

【図面の簡単な説明】

【図１】ローントラクタのエンジン設置部を示す一部破
断側面図

【図２】遠心ファン構造を示す縦断正面図

【図３】ファンシュラウドを示す斜視図

【図４】ローントラクタを示す全体側面図

【符号の説明】

１ ボンネット ２ エンジン ３ ラジエータ ４ 遠心ファン ８ ファンシュラウド ９，１０ 空気導入口 １１ 空気排出口

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボンネット（１）内に前後に並設したエ
   ンジン（２）とエンジン冷却用のラジエータ（３）との
   間に、前記ラジエータ（３）に冷却用空気を吸入するた
   めの遠心ファン（４）を、前後に空気導入口（９），
   （１０）を備えかつ横側に空気排出口（１１）を備えた
   ファンシュラウド（８）に囲繞された状態で設けるとと
   もに、前記ファンシュラウド（８）の前記エンジン
   （２）がわに臨む前記空気導入口（１０）を、前記ボン
   ネット（１）内の上部がわにのみ臨むように形成してあ
   る作業車のエンジン冷却構造。