JPH06206172A - インパクトレンチのボルト締結方法 - Google Patents

インパクトレンチのボルト締結方法

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JPH06206172A
JPH06206172A JP1965093A JP1965093A JPH06206172A JP H06206172 A JPH06206172 A JP H06206172A JP 1965093 A JP1965093 A JP 1965093A JP 1965093 A JP1965093 A JP 1965093A JP H06206172 A JPH06206172 A JP H06206172A
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fastening
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Hirotoshi Noda
裕敏 野田
Takashi Maruyama
俊 丸山
Eiji Konno
英司 今野
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】ネジ面状態が悪い場合などには、回転角法でボ
ルト締結する方法では、正規のボルト締結が完了しない
うちに締め付けを終了するという不都合があるので、ト
ルク法を併用することにより両者の欠点を補い、正確な
ボルト締結を行うようにする。 【構成】締結ボルトの頭部が締結バネの上面に着座し、
スナッグトルクが発生してからロータリエンコーダー3
2の位相差量により締結ボルトの回転角を測定し、イン
パクトシャフト9に一回のインパクトを加えた時の回転
角の進み量と締結ボルトの締付け力とに反比例の関係が
存するのを利用して、ロータリエンコーダー32の位相
差量により、インパクトシャフト9に一回のインパクト
が加わった際の回転角の進み量を測定し(トルク法)、
両者の設定値が満足して共にインパクトレンチ停止信号
を発生した時に、電源モータ2への電源供給を断ち、次
いでブレーキ回路によりソケット回転を停止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軌道用レールを板状の
締結バネを介してボルト締結する際等に用いるインパク
トレンチに係り、回転角法とトルク法とを併用して所定
のバネ押さえ力でボルト締結するようにしたインパクト
レンチのボルト締結方法に関する。
【0002】
【従来の技術】軌道用レールは、レール押え用の板状の
締結バネを介して木マクラギ、PCマクラギ等にボルト
締結することにより固定している。このため従来から使
用しているインパクトレンチとしては電動式又は圧縮空
気を利用したもの等があるが、所定のバネ押さえ力で締
結するには、締付けトルクを作業者の感覚に依存するし
かなく、相当の熟練を必要としていたのである。
【0003】このような事情に鑑みて、本発明者は、イ
ンパクトレンチの回転角を検知することによって、所定
の回転角に至った時点で自動的に電動モータを停止する
ようにした回転角法によるインパクトレンチを開発する
に至った(実願平4−4430号)。
【0004】この回転角法によるインパクトレンチは、
図12に示すように、インパクト発生手段を具備した電
動モータ71の出力軸72をジョイント74によってイ
ンパクトシャフト75に連結し、ジョント74はインパ
クトシャフト75を軸方向に摺動自在としてあり、イン
パクトシャフト75の前端には円形の後方フランジ76
を固着し、最前端にソケット73を固設したシャフトレ
ンチ79の後端には円形の前方フランジ77を設け、後
方フランジ76と前方フランジ77の突合わせ面は、互
いに周方向に遊びをもって噛合する複数個の凸部80と
凹部81とを交互に形成してあり、外筒79に固設した
ブッシュ79aと後方フランジ76間に嵌合したスプリ
ング78のバネ力により、後方フランジ76を前方フラ
ンジ77側に付勢するようにし、かくして後方フランジ
76と前方フランジ77とを互いに噛合状態に突き合わ
せることにより同軸に結合する。
【0005】さらに、後方フランジ76側の凹面76a
には皿83を設け、皿83に鋼球82を嵌合する一方、
前方フランジ77側の凸面77aには、鋼球82を受け
る浅底の皿84を設け、後方フランジ76の上端外周に
は凹凸表面を有するセンサープレート85を付設する。
【0006】このセンサープレート85の近接位置には
光センサー86を設置してあるが、この光センサー86
は、鋼球82が皿84から離脱してフランジ77の凸面
77a上に乗り上げることにより、後方フランジ76が
浮上した場合(図12(b) の状態)にのみセンサープレ
ート85の外周に対して光り照射し得る位置に設置して
おき、該光センサー86によりセンサープレート85の
凹凸表面に対する反射光を受光してインパクトシャフト
75の回転角を測定する。
【0007】このようなインパクトレンチにおいて、軌
道用レール91をPCマクラギ93に対して締結バネ9
2を添えてボルト94で締結するには、まずソケット7
3をボルト頭94aに嵌合し、次いで電動モータ71を
駆動してソケット73に対してインパクトを与えると、
ボルト締結の初期段階においては、スプリング78のバ
ネ力がボルト94の締め付け反力より大であるため、図
12(a) に示すように、鋼球82は、上下の皿83、8
4間に挟まれてフランジ76、77を一体的に回転さ
せ、電動モータ71の打撃回転はソケット73にそのま
ま伝達される。ところが、ボルト94の締め付け反力が
スナッグトルクに達したとき、前方フランジ77を制動
するトルクが大きくなり、鋼球82はコイルバネ78の
バネ力に抗して、図12(b) に示すように、前方フラン
ジ77の皿84から離脱してフランジ77の凸面77a
上に乗り上げ、後方フランジ76を浮上させる。このと
き、センサープレート85の凹凸表面は光センサー86
の照射を受け、この反射光を光センサー86で受光する
ことによりカウントして回転角を測定し、この測定した
回転角が設定カウント値に達した時点で電動モータ71
を自動停止することにより回転角法によるボルト締結力
を得るようにしてある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の回転
角法のみに依存してボルト締結する際に生ずる問題点を
解消したものである。以下に、主な改良点を挙げる。
【0009】上記の構成においては、回転角検出の構成
が複雑で、インパクトレンチ出力が低下するという不都
合がある。
【0010】また、ボルト締結以前から、レールの底部
がPCマクラギに接触せず浮上している場合、即ちPC
マクラギとレール間に隙間がある場合に、上記の回転角
法でボルト締結すると、レールをPCマクラギに接触さ
せるための押圧力が上方への反力としてスナッグトルク
に作用し、正規のスナッグトルク検知より早い時期に回
転角検出を始めるために、正規のボルト締結が完了しな
いうちにモータが停止することがある。
【0011】さらに、上記の回転角法では、締結ボルト
或はナット(スタットボルトをナットで締め付ける場
合)のネジ面状態が悪い場合、ボルト或はナットが板バ
ネを押圧しない状態でスナッグトルクを超えてしまうこ
とがある。このような場合でも、回転角が設定値になれ
ば、ソケットの回転が自動停止するため、正規の締結が
完了しない状態で締め付けを終了するという不都合があ
る。
【0012】また、上記のように、センサープレートの
凹凸表面に対して光センサーによる反射光をカウントす
る方法では、インパクトレンチによるボルト締結はソケ
ットが一方向に回転するわけではなく、正逆回転を繰り
返しながら締結していくので、正逆方向ともカウントす
ることとなり、このようなカウント数では正確な回転角
が得らないにもかかわらず、設定カウント値に達すると
電動モータが停止するので、希望する設定回転角よりも
少ない回転角で締結が終わることになる。これを防止す
るためには、希望する回転角よりも設定値を多くして締
結を行う必要があるが、ネジ面の状態にばらつきがある
と、各々の締結にばらつきを生じてしまう。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明のインパクトレンチのボルト締結方法は、
電動モータ2の回転力をスピンドル6を介してインパク
トシャフト9に伝達するのに、前記スピンドル6の外周
に設けられバネ力をもって前方へ付勢されたハンマ8と
前記インパクトシャフト9とを互いに遊びを有して噛合
させ、前記インパクトシャフト9の前端に設けたソケッ
ト18に嵌合して締結ボルト36を締結する際、前記締
結ボルト36の締め付け反力に抗して前記ハンマ8が後
方に浮上することによって前記インパクトシャフト9と
の噛合を離脱し再び嵌合するごとにインパクト力を発生
するようにしたインパクトレンチのボルト締結方法にお
いて、前記ハンマ8が前記インパクトシャフト9から浮
上したことをスナッグトルク発生タイミングとして検知
するスナッグトルクセンサー31と、前記インパクトシ
ャフト9の回転角を位相差量で測定するロータリエンコ
ーダ32とを設け、ボルト締結の回転角設定値とトルク
設定値は共に許容値の最低値に設定しておき、前記スナ
ッグトルクセンサー31によるスナッグトルク検出後
に、前記ロータリエンコーダ32による前記インパクト
シャフト9の回転角を測定すると共に、前記インパクト
力を一回発生するごとの前記インパクトシャフト9の回
転角の進み量を測定することによって該インパクトシャ
フト9のトルクを測定し、前記インパクトシャフト9の
回転角とトルクとが共に所定の設定値に達したときに前
記電動モータ2への供給電源を断ち、ブレーキ回路にて
前記インパクトシャフト9の回転を停止するようにした
ことを特徴とする。
【0014】
【作用】本発明は、上記の構成のように、締結バネの押
さえ力を回転角法とトルク法の二つの制御方法を併用す
ることにより行う。
【0015】即ち、回転角法は、締結ボルト36の頭部
36aが締結バネ38の上面に着座し、スナッグトルク
が発生してからロータリエンコーダー32の位相差量に
より締結ボルト36の回転角を測定し、これが設定値に
達した時点で回転角法によるインパクトレンチ停止信号
を発生するようにしたものである。
【0016】また、トルク法は、インパクトシャフト9
に一回のインパクトを加えた時の回転角の進み量と締結
ボルト36の締付け力とに反比例の関係が存するのを利
用して、ロータリエンコーダー32の位相差量により、
インパクトシャフト9に一回のインパクトが加わった際
の回転角の進み量を測定し、これが設定値に達した時点
でトルク法によるインパクトレンチ停止信号を発生する
ようにしたものである。
【0017】そして、本発明においては、このような回
転角法とトルク法の二つの制御方法を併用すること、即
ち両者の設定値が満足して共にインパクトレンチ停止信
号を発生した時に、電源モータ2への電源供給を立ち、
次いでブレーキ回路によりソケット18の回転を強制停
止することにより、回転角法とトルク法の夫々が有する
欠点を補い、希望のバネ押さえ力を得るようにしたもの
である。
【0018】本発明の作用を説明するにあたり、回転角
法のみによってボルト締結する場合について図10を参
照しながら説明する。
【0019】図10(a) に示すように、レール40がP
Cマクラギ60上に隙間なく設置され、レール40に添
えた締結バネ38を締結ボルト36で図10(b) に示す
所定のボルト締め付け量y1だけ締め付ける場合の締結
バネ38の押え力(以下、「バネ押え力」と称する)と
ボルト回転角との関係は、図10(c) に示すとおりであ
る。
【0020】このグラフに示すように、インパクトレン
チを作動して、先ず締結ボルト36が着座し(イ)(図
10(c) の「イ」の位置、以下同様に示す)、次いでス
ナッグトルクが発生する(ロ)。この時点(ハ)で回転
角測定を開始するが、設定された量の回転角測定が終了
した時点(ニ)から、インパクトレンチの惰力によりボ
ルト締結が進行する回転角の誤差範囲(ヘ)を見込ん
で、回転角測定の終了(ニ)は希望するバネ押え力の最
低値に設定する。即ち、この時点(ニ)でインパクトレ
ンチ停止信号を発し、その後の回転角の誤差範囲(ヘ)
間に、希望のバネ押え力(ホ)が発生するようにすれ
ば、ボルト締結力の許容範囲(ト)内でボルト締結が終
了し、締結バネ38は正常なバネ押さえ力(ホ)で押さ
えつけられて、図10(a) において生じていた締結バネ
38の隙間g1も図10(b) に示すように閉じる。
【0021】ところが、図10(d) に示すように、レー
ル40の底部がPCマクラギ60に隙間y2を開けて設
置された場合(浮きマクラギ時)にボルト締結を行う
と、レール40とPCマクラギ60間の隙間y2が閉じ
る一方で、PCマクラギ60が設置面より隙間y2を開
けて上昇し、図10(d) において生じていた締結バネ3
8の隙間g2は図10(e) に至ってもそのまま隙間g2
として残る。即ち、締結ボルト36の締結動作は締結バ
ネ38を押え付けるのではなく、PCマクラギ60を浮
上させるのに働いただけとなる。この場合、図(f) に示
すように、スナッグトルクが発生した(ロ)の時点から
回転角測定が開始(ハ)しても、上記のように締結バネ
38に対するバネ押え力が上がらないまま回転角が進行
して設定された量の回転角測定が終了し、インパクトレ
ンチの停止信号が発せられる(ニ)こととなる。これ
は、浮きマクラギに対する回転角量(チ)が進行する結
果、PCマクラギ60が上昇してレール40との隙間y
2を埋めただけで、締結バネ38に対する押えつけ力は
ほとんど作用せずにバネ締結が終了(リ)したのであ
り、希望するバネ押え力(ホ)には到底及ばないのであ
る。
【0022】本発明は、このような回転角法の欠点を補
うべく、スナッグトルクが発生した(ロ)の時点から、
トルク法を導入して回転角法と併用したものであるが、
トルク法のみに依存しないのは、トルク法はネジ面の状
態に左右され、ネジ精度が悪い場合は、締結バネ38の
たわみがばらつくという事態が生ずるからである。
【0023】これについて、本発明を適用した各種態様
について、図11を参照しながら説明する。ただし、以
下の回転角法とトルク法とを併用したバネ締結法におい
ては、回転角法とトルク法の夫々における設定値を最低
値にしておき、夫々のインパクト停止信号が発せられて
からも惰力でネジ締結が進行する誤差範囲を考慮して、
その範囲内に希望のバネ押さえ力が発生するようにす
る。図11(a) は、上記図10(a) に示したように、浮
きマクラギが生じない場合のバネ締結に、本発明の回転
角法とトルク法とを併用した場合の標準的なグラフであ
り、スナッグトルクが発生した(ロ)時点からトルク測
定(ル)と回転角測定(ハ)を開始し、トルク測定が設
定値に達してトルク法によるインパクト停止信号を発し
(オ)、且つ回転角測定が設定値に達して回転角法によ
るインパクト停止信号を発した(ニ)の時点で電動モー
タ2への供給電源を断って、ブレーキ回路を作動させ、
回転角法とトルク法による誤差範囲(ソ)内に希望のバ
ネ押え力(ホ)が発生するようにする。
【0024】図11(b) は、図10(f) に示した浮きマ
クラギのバネ締結時に、本発明の回転角法とトルク法と
を併用した場合のグラフであり、スナッグトルクが発生
した(ロ)時点から回転角測定(ハ)とトルク測定
(ル)を開始し、回転角法によるインパクトレンチ停止
信号は(ニ)で発せられるが、この回転角法によるバネ
押さえ力(ケ)は希望のバネ押さえ力(ホ)には不十分
であって、一方トルク法によるインパクト動作はその設
定値に達するまで続行し、トルク法によるインパクト停
止信号が発せられた(オ)の時点で初めて電動モータ2
への供給電源が断たれ、ブレーキ回路を作動して締結動
作を停止する。この場合、その後もトルク法による誤差
(ワ)がインパクトレンチの回転惰力として残り、トル
ク法による締結範囲(タ)内に希望するボルト押え力
(ホ)が発生する。
【0025】図11(c) はネジ面がきつい場合であっ
て、締結ボルト36の締め付けトルクが通常より大の場
合に、本発明の回転角法とトルク法とを併用した場合の
グラフであり、この場合、トルク法によるバネ締結が先
に設定値に達して、トルク法によるインパクト停止信号
が発せられ(オ)、その後に回転角法によるインパクト
停止信号が発せられて(ニ)初めて電動モータ2の供給
電源が断たれるのであり、回転角法による締結範囲
(レ)内に希望のバネ押さえ力(ホ)が発生する。
【0026】図11(d) はネジ面に油等があって、締結
ボルト36の締め付けトルクが通常より小の場合に、本
発明の回転角法とトルク法とを併用した場合のグラフで
あり、この場合、回転角法によるインパクト停止信号が
先に発する(ニ)が、まだトルク法によるネジ締結は続
行し、その後にトルク法によるインパクト停止信号が発
せられて(オ)初めて電動モータ2の供給電源が断たれ
るのであり、トルク法による締結範囲(タ)内に希望の
バネ押さえ力(ホ)が発生する。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照しながら
説明する。
【0028】図1(a) は本発明によるインパクトレンチ
の縦断面図であり、図1(b) はナット用ソケットの部分
断面図である。
【0029】図2(a) 及び(b) は本発明に係るインパク
トレンチのインパクト発生部を示す部分断面図である。
【0030】図3(a) 乃至(c) は本発明に係るインパク
トレンチのボルト用ソケット部を示す部分断面図であ
る。
【0031】図4(a) 乃至(c) は本発明に係るインパク
トレンチのナット用ソケット部を示す部分断面図であ
る。
【0032】図5(a) 乃至(c) は本発明に係るインパク
トレンチを用いたボルト緩め動作の説明図である。
【0033】図6は本発明に係るインパクトレンチを左
右に二機搭載して構成したインパクトレンチ搭載機であ
る。
【0034】図7(a) は本発明のインパクトレンチの回
路構成図であり、図7(b) は本発明のインパクトレンチ
のブレーキ回路図である。
【0035】図8は本発明のインパクトレンチのボルト
締結時の動作を示すチャート図である。
【0036】図9は本発明のインパクトレンチのボルト
緩め時の動作を示すチャート図である。図1(a) におい
て、ケース1内に電動モータ2を設け、このモータ2の
出力軸3をベアリング4を介してケース1内に位置決め
する。モータ2の出力軸3の先端外周にはギヤ3aが形
成してあり、このギヤ3aの外周の対称位置に二枚のア
イドルギヤ5、5を噛合する。アイドルギヤ5、5はス
ピンドル6の後端の対称位置に夫々軸支される共に、こ
の二枚のアイドルギヤ5、5の外周ギヤ部はケース1内
に嵌合したリングギヤ7の内周ギヤ部で同時に噛合して
ある。
【0037】このような構成により、モータ2の減速機
構を構成すると共に、モータ2の回転力をスピンドル6
に伝達するようにしてある。
【0038】スピンドル6の外周には、特定した長さを
有する螺旋溝10を対称的に二か所形成してある。スピ
ンドル6のモータ2側には、カップ形のスプリングシー
ト11を嵌合すると共に、スピンドル6の前方外周に摺
接するよう嵌合したハンマ8の後方の外筒部8bをスプ
リングシート11の外周に摺動可能に嵌合し、さらにス
プリングシート11とハンマ8との間にはスプリング1
2をスピンドル6と同軸に介在させ、スプリングシート
11に対してハンマ8を前方に付勢するようにしてあ
る。
【0039】また、ハンマ8の内周には、スピンドル6
の前方内周に沿って空隙8cを形成し、スピンドル6の
螺旋溝10に入れたボール13をこの空隙8c内に収嵌
してある。これにより、ハンマ8はスプリング12のバ
ネ力で前方に付勢される一方、ハンマ8はボール13が
螺旋溝10に沿って移動し得る範囲に限って前進及び後
退移動する。
【0040】さらに、ハンマ8の先端には、軸の対称位
置にて突出した二枚の歯8a、8aを形成してある。そ
して、ハンマ8の先方に設けられたインパクトシャフト
9は、ケース1内に嵌合された前後のベアリング15
a、15bに位置決めされると共に、インパクトシャフ
ト9の後端にも上記ハンマ8の歯8a、8aと遊びを有
して互いに係合する二枚の歯9a、9aを軸の対称位置
に設けてあり、両者の歯8aと9aの係合によりハンマ
8の回転をインパクトシャフト9に伝達することができ
る。
【0041】また、インパクトシャフト9の先端には、
ボルト用ソケット18が着脱自在に設けてある。
【0042】このような構成により、ボルト用ソケット
18を締結ボルト36(図3参照)に嵌合した状態でモ
ータ2を回転駆動すると、図2(a) の初期段階では、ス
プリング12のバネ力がインパクトシャフト9のトルク
より大であって、この状態では、ハンマ8の歯8aとイ
ンパクトシャフト9の歯9aとを係合した状態で回転す
る。
【0043】そして、次第にボルト36の締め付け力が
大になると、図2(b) に示すように、インパクトシャフ
ト9のトルクがスプリング12のバネ力より大となっ
て、スプリング12を圧縮しながら、ボール13がスピ
ンドル6の螺旋溝10に沿って後方に移動してハンマ8
を後方に移動量u1だけ持ち上げ、ハンマ8の歯8aが
インパクトシャフト9の歯9aの係合から離脱した時点
で、ハンマ8はインパクトシャフト9の負荷から一時的
に開放されて回転すると同時に、その間、スプリング1
2は前方に弾発して、ハンマ8の歯8aとインパクトシ
ャフト9の歯9aとが次の係合位置で衝突する(図2
(a) の状態)ことによってインパクトシャフト9のイン
パクトを発生するのである。
【0044】次に、本装置に設けた各種検出手段につい
て説明する。
【0045】1)スナッグトルクセンサー31について
(図1及び図2参照)。
【0046】上記のように、インパクトシャフト9のト
ルクが大になるにつれて、スプリングシート11の外周
に嵌合したハンマ8が後方に移動する。この移動状態を
検知すべく、ハンマ8の最後端位置の側部に近接して金
属感知式のスナッグトルクセンサー31が付設してあ
る。このスナッグトルクセンサー31はケース1をさら
に包囲するハウジング30内に固設され、ハンマ8の最
後端位置に近接した位置から金属感知式の距離測定によ
りハンマ8の最後端の有無を検知する。
【0047】即ち、インパクトシャフト9の回転初期に
おいては、上記のように、ハンマ8はインパクトシャフ
ト9と嵌合した状態で回転し、このときスナッグトルク
センサー31は、図2(a) に示すように、スプリングシ
ート11の外周を感知できない状態(OFFの状態)に
あるが、ボルト締結が進むにつれて、次第にインパクト
シャフト9に負荷がかかり、ハンマ8が後方に移動する
と、図2(b) に示すように、スナッグトルクセンサー3
1はハンマ8の最後端部の外周をスナッグトルクセンサ
で感知して、インパクトシャフト9にスナッグトルクが
生じたと判定するのである。
【0048】2)回転角検出用ロータリエンコーダ32
について(図1参照)。
【0049】インパクトシャフト9の後方外周にはリン
グギヤ9bを固定し、該リングギヤ9bの外周ギヤ部と
噛合するようにロータリエンコーダ32を設ける。この
ロータリエンコーダ32はハウジング30に固定され、
回転子32aの外周ギヤ部を上記リングギヤ9bの外周
ギヤ部と噛合してあり、インパクトシャフト9の正逆方
向への回転はすべてこのロータリエンコーダ32によっ
て位相差量を検出するようにしてある。
【0050】即ち、インパクトシャフト9の正転方向の
回転角と、インパクト発生時におけるインパクトシャフ
ト9の逆転方向へのはね返り量とを加減し得る位相差量
によって、インパクトシャフト9、即ちソケット18の
正確な回転角を検知するのである。
【0051】また、このロータリエンコーダ32によっ
て、インパクトシャフト9のトルクを検知することがで
きる。これは、インパクトシャフト9に上記の構成によ
り一回のインパクトが発生したとき、インパクトシャフ
ト9の回転角の進み量と締結ボルト36の締め付け力と
の間に反比例の関係があることを利用したもので、具体
的には、スナッグトルクセンサー31がONからOFF
に変化した後のインパクトシャフト9の回転角の進み量
をロータリエンコーダ32によって検出することによ
り、上記反比例の関係にあるトルクを演算するのであ
る。
【0052】3)ソケットセンサー33及び形状センサ
ー34について(図1及び図3参照)。
【0053】インパクトシャフト9内の軸中心には貫通
孔9cを形成してあり、該貫通孔9cにはセンサーロッ
ド16が摺動自在に収嵌してある。センサーロッド16
の後端はスプリング17を介してスピンドル6の軸上突
端部6aに係止してある。これによりセンサーロッド1
6は前方に付勢される。該センサーロッド16の先端
は、インパクトシャフト9の先端からボルト用ソケット
18内に突出してある。インパクトシャフト9の途中に
は長孔20が貫通してあり、センサーロッド16に挿通
したピン19をこの長孔20に介挿すると共に、ピン1
9の両端をセンサーケース21に固着し、該センサーケ
ース21はインパクトシャフト9の外周に沿って摺動自
在としてある。これにより、センサーロッド16は長孔
20の長さだけ前後に移動すると共に、該センサーロッ
ド16の移動に従動してセンサーケース21をインパク
トシャフト9の外周にて前後に摺動させる。
【0054】センサーケース21は合成樹脂からなり、
このセンサーケース21の後方部外周には金属製のセン
サーリング22が嵌合してある。そして、このようなセ
ンサーリング22の側部に近接して、ソケットセンサー
33を後端側に、形状センサー34を前端側に付設す
る。ソケットセンサー33と形状センサー34とは共
に、金属製センサーリング22の有無を感知する金属感
知式のセンサーであり、センサーリング22の感知の有
無によって、センサーロッド16の前後位置を知ること
ができる。
【0055】即ち、図3(a) に示すように、ソケット1
8内にボルト36の頭部を挿入する以前の状態では、セ
ンサーロッド16は、スプリング17によって前方に付
勢され、ピン19が長孔20の最下端位置に当接した状
態までセンサーロッド16の先端がソケット18内に突
出する。このとき、センサーリング22に対して、ソケ
ットセンサー33が対接位置から外れてOFFの状態に
あるのに対して、形状センサー34は対接してONの状
態にある。
【0056】そして、図3(b) に示すように、ソケット
18内にボルト36の頭部36aを挿入すると、センサ
ーロッド16の先端がボルト頭部36aに当たり、ピン
19が長孔20の最上端位置に当接した状態まで、セン
サーロッド16がスプリング17のバネ力に抗して後方
に押し込まれる。この状態で、ボルト頭部36aの高さ
よりソケット18の深さを大とすると、座金37とボル
ト頭部36aの下端との間に隙間gが生じる。このと
き、センサーリング22に対してソケットセンサー33
が対接してONの状態にあるのに対し、形状センサー3
4は対接位置から外れてOFFの状態にある。
【0057】次いで、ソケット18を回転すると、図3
(c) に示すように、ボルト36はねじ込まれてソケット
18内にて滑り下り、ボルト頭部36aの下端が座金3
7に当接すると隙間gがなくなる。このとき、センサー
ロッド16が下降するにつれてセンサーリング22も下
降し、該センサーリング22に対してソケットセンサー
33と形状センサー34とが共に対接してONの状態と
なり、ボルト36の頭部が正しく締結バネ38の上の座
金37に着座したことを検知する。
【0058】即ち、ソケットセンサー33がONになっ
た後に、形状センサー34がONとなったことを検知す
ることによって、ソケット18内にボルト36の頭部が
正しく挿入し、且つボルト36の頭部が正しく締結バネ
38の上面に着座したことを知るのである。
【0059】なお、上記の構成において、インパクトシ
ャフト9の先端に付設したボルト用ソケット18は、図
1(b) に示すナット用ソケット24に交換することがで
きる。これは、図4に示すように、スタットボルト39
をナット39aで締め付ける場合に有用である。
【0060】仮に、スタットボルト39に噛合したナッ
ト39aに対して、ボルト用ソケット18を嵌合した場
合、センサーロッド16はスタットボルト39に当接し
た位置を変えることがなく、ナット39aの締め付け変
化を知ることができない。従って、上記のセンサーロッ
ド16による検出を可能とするには、図1(b) 及び図4
に示すように、ソケット内にカップ形状のナットケース
25をその底面がセンサーロッド16に当接する側に向
けて挿着することによってナット用ソケット24を構成
する。
【0061】このようなナット用ソケット24により、
図4(b) に示すように、ナットケース25の下端周部に
ナット39aの上面が当たった状態で、スタットボルト
39はナットケース25の内方にて自由に伸長できる。
これにより、スタットボルト39の場合であっても、上
記ボルト用ソケット18で説明したと同様の動作をもっ
て図4(a) 乃至(c) に示すような、ソケットセンサー3
3と形状センサー34とによるナット39aの締結状態
が検知可能となる。
【0062】4)ボルト抜き高さセンサー35について
(図5及び図6参照)。
【0063】図5及び図6は上記のインパクトレンチ4
5を二機組み込んだ構成を示すものである。これは、台
車42に前後車輪41、41を付設し、該前後車輪4
1、41を介して軌道用レール40に沿って搭載し得る
ようにし、台車42にはレール40を挟んで左右独立し
た位置にスライドレール43、43を首振り自在に立設
して、各スライドレール43、43の上端にゼンマイ式
のウェイトバランス用板バネ44、44を設置する。
【0064】そして、上記構成の各インパクトレンチ4
5、45の側方に突出した案内板43a、43aをスラ
イドレール43、43に摺動可能に嵌合すると共に、板
バネ44、44の下端を各案内板43a、43aに固定
する。これにより、各インパクトレンチ45、45は独
立的に板バネ44、44に吊り上げられた浮動状態を保
ち、ハンドル47の操作により容易に上下動し、かつ締
結ボルト36に対する前後左右の位置を変動することが
できる。
【0065】さらに、インパクトレンチ45、45側に
は、金属感知式のボルト抜き高さセンサー35を固定
し、スライドレール43、43側には、金属板46を上
下稼動可能に設ける。また、ハンドル47の手元には正
転用リミットスイッチ48と逆転用リミットスイッチ4
9を設ける。さらに、インパクトレンチの上端部には、
自動・手動切換えスイッチ51と回転角設定ボリューム
52とトルク設定ボリューム53とを設けたコントロー
ラ50を装備してある(図7参照)。
【0066】レール締結装置のボルト36を緩める場
合、全部抜きたい場合と、少しだけ抜きたい場合とがあ
るが、ボルト36のネジピッチが荒いため手動スイッチ
では、抜き高さをコントロールすることができず、全部
抜けてしまうか、抜き高さが不揃になる。
【0067】そのため、上記構成においては、ボルト抜
き高さセンサー35とモータ2のブレーキ回路を利用し
て、ボルト抜き高さを自動調整することができる。即
ち、スライドレール43に沿って金属板46を上下に移
動調整し、ボルト抜き高さを小(図5(b) のh1の如
し)としたいときは、金属板46を下方に固定し、ボル
ト抜き高さを大(図5(c) のh2の如し)としたいとき
は、金属板46を上方に固定するというように、所望す
るボルト抜き高さに応じて金属板46の高さを予め設定
しておく。そうすると、図5(a) に示すボルト締結動作
の最中ではボルト抜き高さセンサー35は金属板46を
感知せずOFFの状態にあるが、図5(b) 或は図5(c)
に示すように、締結ボルト36の緩め動作によって該締
結ボルト36が上方に押し上がると、所望するボルト抜
き高さに応じてボルト抜き高さセンサー35が金属板4
6を感知したところでONとなり、そこでモータ2の電
源を切り、後述するブレーキ回路にてモータ2の回転が
停止して自動的に所望のボルト抜き高さが得られるので
ある。
【0068】ここで、図7(a) において、上記のインパ
クトレンチと各種センサーの回路構成について説明す
る。コントローラ50には、自動・手動切換えスイッチ
51と正転用リミットスイッチ48と逆転用スイッチ4
9のほか、回転角設定ボリューム52とトルク設定ボリ
ューム53、さらに上記の各種センサー、即ちスナッグ
トルクセンサー31と、回転角検出用ロータリエンコー
ダ32と、ソケットセンサー33と、形状センサー34
と、ボルト抜き高さセンサー35とを入力するように構
成する。
【0069】コントローラ50からの出力は、正転リレ
ー54と逆転リレー55とブレーキリレー56を介して
電動モータ2に入力すると共に、コントローラ50から
の指令を受けるSSR(ソリッドステートリレー)57
を正転リレー54と逆転リレー55とブレーキリレー5
6にも接続し、各リレー54、55、56の入った状態
でSSR57の間欠的なON・OFF動作(インチング
動作)を制御するようにする。
【0070】電動モータ2の正逆転回路とブレーキ回路
については、図7(b) に示すとおりであり、単相直巻整
流子電動機構成の電動モータ2に対して正転リレー
(R)又は逆転リレー(F)が入ってる状態でブレーキ
リレー(B)を作動させるようにしてある。
【0071】そこで、上記構成のインパクトレンチを用
いて、回転角法とトルク法とを併用したボルト締結動作
の手順について、図8及び図9のチャートを参照しなが
ら説明する。
【0072】図8において、ボルト締め付け動作の場
合、予め、回転角設定ボリューム52とトルク設定ボリ
ューム53に対して所望の回転角とトルクとを設定して
おく。そして、締結すべきボルト36の頭部にソケット
18を嵌合し、自動スイッチ51をONして正転用リミ
ットスイッチ(以下、「正転スイッチ」と称する)48
をONすると、正転リレー54がONする。
【0073】いま、ボルト36の頭部にソケット18が
正確に嵌合した状態であればソケットセンサー33がO
Nして次ぎの段階に進むが、ボルト36の頭部にソケッ
ト18が正確に嵌合していないとき、ソケットセンサー
33がOFFとなって、SSR57によりソケット18
に対して0.1秒回転、1.0秒停止の繰り返し動作
(インチング動作)をするようにモータ2に指令する。
これにより、ボルト36の頭部にソケット18が正確に
嵌合すると、ソケットセンサー33がONする。次い
で、回転を0.2秒タイマーで遅らせる。これは、ボル
ト36の頭部にソケット18が嵌合した後、ボルト36
の頭部がソケット18の奥部まで完全に入るのを待つた
めに0.2秒のブランクを取るようにしたのである。
【0074】次いで、SSR57がONしてモータ2に
よる回転が開始される。このとき、形状センサー34に
よってボルト36の頭部が締結バネ38上面に着座した
ことを検知し、スナッグトルクセンサー31によってボ
ルトの締結力がスナッグトルクに達したことを検知し、
即ち両者のセンサーがONしたことによって、次段階の
回転角検出とトルク検出とを正しく行うことができる状
態となったことを検知するのである。
【0075】回転角検出は、上記の回転角検出用ロータ
リエンコーダ32により行い、トルク検出は、上記のと
おりスナッグトルクセンサー31がONからOFFに変
化した後のインパクトシャフト9の回転角の進み量をロ
ータリエンコーダ32によって検出する。即ち、回転角
検出及びトルク検出共にロータリエンコーダ32によっ
て位相差量が測定でき、それが共に設定値に達すると、
SSR57がOFFし、ブレーキリレー56が作動す
る。
【0076】このとき、正転スイッチ48がONしたま
まなので、再度繰り返し動作となるため、それを防止す
るため、正転スイッチ48がONのままでも10秒間は
作動しないようにタイマーを入れてある。
【0077】次いで、ブレーキリレー56によってモー
タ2の回転停止後、正転スイッチ54を切ると、入力位
相差量がリセットされる。
【0078】図9において、ボルト緩め動作の場合、予
め、ボルト抜き高さセンサー35に対する金属板35を
所望のボルト抜き高さに応じた高さに設定しておく。
【0079】そして、締結すべきボルト36の頭部にソ
ケット18を嵌合し、自動スイッチ51をONして逆転
用リミットスイッチ(以下、「逆転スイッチ」と称す
る)49をONすると、逆転リレー55がONする。
【0080】次ぎ段階のソケットセンサー33による検
知は、ボルト抜きの場合にソケット18がボルト36の
頭部に正確に嵌合した状態か否かを検知するのであり、
これは図8に示す場合と同様である。
【0081】上記によりソケット18がボルト36の頭
部に正確に嵌合した後、ボルト抜き高さセンサー35が
OFFした場合、0.2秒タイマーで回転を遅らせ、ボ
ルト抜き高さセンサー35がONすれば、SSR57が
OFFし、ブレーキリレー56が作動する。このとき、
上記同様に10秒タイマーを作動させ、モータ2の回転
停止後、逆転スイッチ54を切ると、逆転リレー55が
OFFする。
【0082】なお、上記で設定した回転角値及びトルク
値共に、自由に設定しうるものであり、場合によって
は、回転角或はトルクの設定値を下げて、回転角法或は
トルク法のみで所定のボルト締結を行うようにしてもよ
い。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のインパク
トレンチのボルト締結方法においては、インパクトレン
チに対して回転角法とトルク法とを併用したボルト締結
法を採用し、スナッグトルクが発生してから回転角法と
トルク法とが満足した時点で電動モータの供給の電源を
断ち、ブレーキ回路を作動させてモータ回転を停止する
ようにしたので、回転角法とトルク法の有する欠点、即
ち、回転角法では、浮きマクラギの時、締結が完了しな
い時点でソケット回転が停止、トルク法では、ネジ面の
状態に左右されネジ精度が悪い時は締結バネのたわみが
ばらつくという欠点を同時に解消したボルト締結法が得
られる。
【0084】しかも、本発明装置のインパクト発生手段
は従来のものを使用し、装備したセンサー類は簡易な構
成であって、インパクトレンチの出力に影響しない。
【0085】さらに、本発明の回転角法とトルク法の開
始タイミングは、共にスナッグトルク発生時点であっ
て、共通の構成で開始タイミングをとることができ、し
かも、回転角法の測定方法はロータリエンコーダの位相
差信号により得ることができるから、従来の光りセンサ
ーによる回転角の測定に見られたように、正逆両方向を
カウントすることがなく、しかもトルク法においては、
回転角法で用いると同一のロータリエンコーダを用い
て、インパクトシャフトに一回のインパクトが発生した
時点の回転角の進み量を測定することにより計測するの
であるから、両者に独立した計測器を必要とせず、簡易
な構成により回転角法とトルク法の測定が可能となる。
【0086】従って、上記の本発明によれば、作業者の
感に頼らずに、自動的に規定のボルト締結力で締め付け
作業ができ、初心者にもボルト締結力のばらつきを生じ
ることなく、適切なボルト締結作業が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a) は本発明によるインパクトレンチの縦
断面図であり、図1(b) はナット用ソケットの部分断面
図である。
【図2】図2(a) 及び(b) は本発明に係るインパクトレ
ンチのインパクト発生部を示す部分断面図である。
【図3】図3(a) 乃至(c) は本発明に係るインパクトレ
ンチのボルト用ソケット部を示す部分断面図である。
【図4】図4(a) 乃至(c) は本発明に係るインパクトレ
ンチのナット用ソケット部を示す部分断面図である。
【図5】図5(a) 乃至(c) は本発明に係るインパクトレ
ンチを用いたボルト緩め動作の説明図である。
【図6】図6は本発明に係るインパクトレンチを左右に
二機搭載して構成したインパクトレンチ搭載機である。
【図7】図7(a) は本発明のインパクトレンチの回路構
成図であり、図7(b) は本発明のインパクトレンチのブ
レーキ回路図である。
【図8】図8は本発明のインパクトレンチのボルト締結
時の動作を示すチャート図である。
【図9】図9は本発明のインパクトレンチのボルト緩め
時の動作を示すチャート図である。
【図10】図10(a) 乃至(e) はPCマクラギがレール
底部よりも沈んでいる場合に回転角法を用いてボルト締
結を行った場合の動作説明図である。
【図11】図11(a) 乃至(d) は本発明による回転角法
とトルク法を用いたボルト締結の動作説明図である。
【図12】図12(a) 及び(b) は従来のインパクトレン
チの要部を概略的に示す図である。
【符合の説明】
2…電動モータ、3…モータ出力軸、6…スピンドル、
8…ハンマ、8a…ハンマの歯、9…インパクトシャフ
ト、9a…イパクトシャフトの歯、10…螺旋溝、12
…スプリング、13…ボール、16…センサーロッド、
18…ボルト用ソケット、19…ピン、20…長孔、2
1…センサーケース、22…ソケットセンサー、24…
ナット用ソケット、25…ナットケース、31…スナッ
グトルクセンサー、32…ロータリーエンコーダー、3
3…ソケットセンサー、34…形状センサー、35…ボ
ルト抜き高さセンサー、36…締結ボルト、37…座
金、38…締結バネ、40…軌道用レール、60…PC
マクラギ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電動モータ2の回転力をスピンドル6を介
    してインパクトシャフト9に伝達するのに、前記スピン
    ドル6の外周に設けられバネ力をもって前方へ付勢され
    たハンマ8と前記インパクトシャフト9とを互いに遊び
    を有して噛合させ、前記インパクトシャフト9の前端に
    設けたソケット18に嵌合して締結ボルト36を締結す
    る際、前記締結ボルト36の締め付け反力に抗して前記
    ハンマ8が後方に浮上することによって前記インパクト
    シャフト9との噛合を離脱し再び嵌合するごとにインパ
    クト力を発生するようにしたインパクトレンチのボルト
    締結方法において、前記ハンマ8が前記インパクトシャ
    フト9から浮上したことをスナッグトルク発生タイミン
    グとして検知するスナッグトルクセンサー31と、前記
    インパクトシャフト9の回転角を位相差量で測定するロ
    ータリエンコーダ32とを設け、ボルト締結の回転角設
    定値とトルク設定値は共に許容値の最低値に設定してお
    き、前記スナッグトルクセンサー31によるスナッグト
    ルク検出後に、前記ロータリエンコーダ32による前記
    インパクトシャフト9の回転角を測定すると共に、前記
    インパクト力を一回発生するごとの前記インパクトシャ
    フト9の回転角の進み量を測定することによって該イン
    パクトシャフト9のトルクを測定し、前記インパクトシ
    ャフト9の回転角とトルクとが共に所定の設定値に達し
    たときに前記電動モータ2への供給電源を断ち、ブレー
    キ回路にて前記インパクトシャフト9の回転を停止する
    ようにしたことを特徴とするインパクトレンチのボルト
    締結方法。
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