JPH0620494B2 - 粒子充填層集塵装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ディーゼルエンジン排ガスに含まれる未燃カ
ーボンの除去、石炭火力用ＥＰ灰処理装置における未燃
カーボンの分離、噴流床式ガス化炉における粒子の除去
等に適用される粒子充填層集塵装置に関する。

〔従来の技術〕

ディーゼルエンジン排ガスに含まれる未燃カーボンの除
去、石炭火力用ＥＰ灰処理装置における未燃カーボンの
分離、噴流床式ガス化炉における粒子の除去等には、粒
子充填層集塵装置が多用される。

第３図はその一例を示すもので、パウダ１を含んだ被処
理ガス２は、ガス入口３より流入して粒子充電層４を通
過し、粒子充填層４を構成する砂等の粒子５にパウダ１
を捕捉され、浄化ガス６となってガス出口７より排出さ
れる。

一方、粒子充電層４を構成する粒子５は、常時、下方向
へ強制的に流化され、再生部８でパウダ１を除去された
後、再び粒子充填層４へ戻されて再利用される。

再生部８としては、第４図の如くパウダ１が付着した粒
子５にジェットエア９を吹付けてパウダ１を吹き飛ばす
エアジェット式、あるいは第５図の如くパウダ１が付着
した粒子５をふるい１０にかけてパウダ１をふるい落と
すふるい式、さらには両者を組合わせた構成のものが、
従来より採用されていた。なお、第５図中符号１１はふ
るい１０を振動させる加振装置である。

〔発明が解決しようとする問題点〕

エアジェット式の再生部を採用すると、エア供給源が必
要となる。またジェットエア９で吹き飛ばされたパウダ
１が大気中に飛散するので、これを再捕集するための装
置が必要となる。

また、ふるい式の再生部を採用すると、大形の加振装置
１１を備えなければならず、装置が大形かつ高価となる
問題があり、さらに、ふるい１０自体の摩耗が著しく、
パウダ１の除去に長時間を要するなどの問題もあった。

本発明はこのような問題を解消するためになされたもの
で、その目的は、小形かつ安価な手段で能率よくパウダ
の除去を行なうことができる粒子充填層集塵装置を提供
することにある。

〔問題点を解決するための手段〕

以上の目的を達成するために、本発明は、粒子充填層を
達成する粒子に被処理ガス中のパウダを付着させてガス
の浄化を行なうとともに、パウダが付着した粒子を再生
部で再生し、再び粒子充填層に戻す粒子充填層集塵装置
において、前記再生部にコロナ放電極と対応電極とを設
け、両電極間に電圧を与えてコロナ放電を発生させて粒
子とパウダとの間に電気的な斥力を生じさせることによ
り、粒子の再生を行なうことを特徴とする。

〔作用及び効果〕

以上の構成では、粒子とパウダとの間に電気的な斥力を
生じさせて、パウダを粒子より剥離するので、エアジェ
ット式のようにパウダが大気中に飛散する問題は生じな
い。また、ふるい式のように大形の加振装置のようなも
のを備える必要もなく、小形かつ安価な手段で、短時間
でパウダを除去することができる。

〔発明の実施例〕

まず、本発明の第１実施例を説明する。

第１図は粒子充填層集塵装置の再生部を示すもので、容
器１２内には放電極１３に対向させて、対応電極とな
る、導電性メッシュ（又は多孔板）１４を傾斜させて配
置する。そして、この導電性メッシュ１４を接地する。

一方、導電性パウダ１５が付着した粒子１６を導電性メ
ッシュ１４上に連続的に落下し、粒子１６を導電性メッ
シュ１４に沿って下方向へ移動させるが、このとき前記
放電極１３と導電性メッシュ１４との間には電源装置１
７により高電圧をかけて、パウダ１５の微粒子間、並び
に粒子１６とパウダ１５との間に電気的斥力を生じさせ
るようにする。なお、図中１８は容器１２の底部を、導
電性メッシュ１４の下方の領域とそれ以外の領域とに区
画する仕切り板である。

したがって、粒子１６の表面に付着した導電性パウダ１
５は、粒子１６が導電性メッシュ１４の下端から容器１
２の底部に落下するまでの間に、粒子１６から剥離さ
れ、導電性メッシュ１４を通してその下方に溜る。ま
た、導電性パウダ１５を除去された粒子１６は、導電性
メッシュ１４の下端から落下して、仕切り板１８で区画
された別の空間に溜る。

そこで、以上の構成では、粒子１６とパウダ５との間に
電気的な斥力を生じさせて、パウダ１５を粒子１６より
剥離するので、エアジェット式のようなエア供給装置は
不要であり、またパウダが大気中に飛散することもない
ので再捕集のための措置も不要である。

また、ふるい式のように大形の加振装置のようなものを
備える必要もなく、小形かつ安価な手段で、短時間のう
ちにパウダを除去することができる。

なお、上記実施例の変形として、放電極１３を接地し、
導電性メッシュ１４に高電圧を印加するようにしてもよ
い。

次に、第２図は本発明の第２実施例を示すもので、容器
１２内には回転ドラム２１が、その回転軸をほぼ水平方
向に向けて収容されている。この回転ドラム２１は、そ
の表面を、対応電極となる導電体で覆われており、その
導電体は接地されている。

一方、回転ドラム２１の表面には、導電性パウダ１５が
付着した粒子１６を連続的に落下させ、粒子１６を回転
ドラム２１の外周面に沿って下方向へ移動させるが、こ
のとき前記放電極１３と回転ドラム２１との間には電源
装置１７により高電圧をかけて、パウダ１５の微粒子
間、並びに粒子１６とパウダ１５との間に電気的斥力を
生じさせるようにしている。

また、回転ドラム２１の外周面には、このドラム２１の
回転軸とほぼ同一高さ位置において粒子ストッパ２２の
一端を接近させている。回転ドラム２１の外周面と、こ
のストッパ２２の一端との間の隙間は、粒子１６を通過
させず、ドラム２１の外周面に付着したパウダ１５は通
過させる程度の大きさに設定される。上記粒子ストッパ
２２の他端は下方向へ傾斜し、容器１２の底部に設けら
れた仕切り板１８の上端に位置している。

さらに回転ドラム２１の外周面には、粒子ストッパ２２
とは反対側の部位において、ドクタ（かきとりバー）２
３の一端を接近させている。回転ドラム２１の外周面
と、ドクタ２３の一端との間の隙間は、ドラム２１の外
周面に付着したパウダ１５をかき落とすことができる程
度に、極力小さく設定される。

以上の構成において、粒子１６は回転ドラム２１の外周
面に沿って移動し、粒子ストッパ２２側にのり移り、容
器１２の底部に滑り落ちる。

一方、粒子１６の表面に付着した導電性パウダ１５は、
粒子１６が回転ドラム２１の外周面に沿って移動してい
る間に、放電極１３とドラム２１との間に印加された高
電圧により生じた電気的斥力により粒子１６から離れ、
回転ドラム２１側に付着する。そして、ドラム２１と粒
子ストッパ２２との間の隙間を通り、ドクタ２３でかき
落とされて容器１２の底部に溜る。

したがって、この実施例においても、粒子１６とパウダ
５との間に電気的な斥力を生じさせて、パウダ１５を粒
子１６より剥離するので、前記実施例と同様の効果を得
ることができる。

なお、上記実施例の場合も、その変形として、放電極１
３を接地し、回転ドラム２１に高電圧を印加することが
可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の第１実施例を示す概略構成、第２図は
本発明の第２実施例を示す概略構成図、第３図は粒子充
填層集塵装置の概略構成図、第４図は同装置の再生部の
一例を示す概略構成図、第５図は同装置の再生部の他の
例を示す概略構成図である。 １３……放電極、１４……導電性メッシュ（対応電
極）、１５……導電性パウダ、１６……粒子、２１……
回転ドラム（対応電極）。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】粒子充填層を構成する粒子に被処理ガス中
   のパウダを付着させてガスの浄化を行なうとともに、パ
   ウダが付着した粒子を再生部で再生し、再び粒子充填層
   に戻す粒子充填層集塵装置において、前記再生部にコロ
   ナ放電極と対応電極とを設け、両電極間に電圧を与えて
   コロナ放電を発生させて粒子とパウダとの間に電気的な
   斥力を生じさせることにより、粒子の再生を行なうこと
   を特徴とする粒子充填層集塵装置。