JPH0620488Y2 - X線ct装置 - Google Patents

X線ct装置

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JPH0620488Y2
JPH0620488Y2 JP5921388U JP5921388U JPH0620488Y2 JP H0620488 Y2 JPH0620488 Y2 JP H0620488Y2 JP 5921388 U JP5921388 U JP 5921388U JP 5921388 U JP5921388 U JP 5921388U JP H0620488 Y2 JPH0620488 Y2 JP H0620488Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 この考案は、X線CT装置に関し、特には、温度変動や
機械的振動等に起因するX線管球焦点の変位がCT画像
に与える悪影響を防止する技術に関する。
B.従来技術 X線CT装置は、多数のX線検出セルから得られる多量
の投影データに基づいてCT画像を再構成する。
検出セルによって感度特性が異なることや、後段の電子
回路におけるノイズの影響が避けられないことや、取り
扱う信号が微弱であること等のために、わずかな誤差が
CT画像の画質を劣化させたり、アーティファクトを生
じさせたりする。そのため、CT画像の再構成に際して
は、種々の補正を含めた較正を行う必要がある。
画質劣化やアーティファクトの原因の1つに、X線管球
の温度変動によってX線管球焦点の位置が変動すること
が挙げられる。
すなわち、X線管球におけるカソードから放出された熱
電子がアノード前面のターゲットに衝突すると、その衝
突点からX線が照射される。ターゲットにおける熱電子
の衝突点(X線の照射開始点)がX線管球焦点である。
ターゲットの温度上昇は非常に激しいのでターゲットを
冷却しているが、それでも一定温度に維持することはむ
ずかしく、ターゲットの温度変動を避けることはできな
い。ターゲットの温度変動に伴ってターゲットが熱膨張
し、X線管球焦点が変位する。
固定陽極型のX線管球では、冷却油を循環させての熱伝
導によって強制的な焦点冷却が行われるが、それでもわ
ずかな温度変動は避けられない。
回転陽極型のX線管球では、直接的な熱伝導ができず、
熱放射による冷却が支配的となっているため、焦点の温
度変動がより激しい。X線CT装置においては、通常、
回転陽極型のX線管球が使用される。
C.考案が解決しようとする課題 以下、第7図および第8図を用いて焦点変位による悪影
響を説明する。
第7図において、Fは基準の焦点、F′は温度変動によ
ってスライス厚さ方向Zに変位した焦点、3は照射X線
のスライス厚を決めるコリメータ、Mは被写体、4bは
X線検出器4における入射面、一点鎖線で表したRは基
準の焦点FからのX線光路、Rはその光軸面、点線で
表したR′は変位した焦点F′からのX線光路、R
はその光軸面、Cは光軸面Rにおける入射面4bでの
入射位置、C′は光軸面R′における入射面4bでの
入射位置である。
温度変動によって焦点がスライス厚さ方向Zに沿ってF
からF′まで変位すると、入射面4bでの入射位置はス
ライス厚さ方向Zに沿ってCからC′まで変位する。コ
リメータ3と入射面4bとの距離Lは、焦点Fとコリ
メータ3との距離Lに比べて相当に大きく、通常は、
/Lが3〜5となっている。したがって、焦点F
→F′の変位量ΔZがわずかなものであっても、入射
位置C→C′の変位量ΔZはかなり大きなものとな
る。
一方、X線CT装置における代表的なX線検出器である
Xeガスを封入した円弧状の電離箱型X線検出器4は、
第8図(展開平面図)に示すようにその内部が多数の電
極プレート10によって多数の検出セル4aに分割されて
いる。電極プレート10は、可能な限り高い精度で平行に
配置されているが、幾何学的に完全に平行となるように
製作することは事実上不可能である。第8図では、その
非平行の様子を誇張して表している。
このようなX線検出器4において、焦点F→F′の変位
に伴って入射面4bに対するX線の入射位置がCから
C′に変位すると、検出セル4aによる検出電流が変動
する。
すなわち、検出セル4aにおけるX線の入射面積は検出
電流の値に関与するが、電極プレート10が非平行でX線
の入射位置が変動すると、その入射面積が左下がりのハ
ッチングで示したS1から右下がりのハッチングで示し
たS2に変動し、これに伴って検出電流の値も変動する
からである。そして、この検出電流に生じた誤差がCT
画像において画質劣化やアーティファクトの原因となる
のである。
特に、平行度の悪い電極プレート10を挟んで隣接する2
つの検出セル4aにおいては、一方の検出セル4aでの
X線入射面積の変動S1→S2が増大するとき、他方の
検出セル4aではS1→S2が減少する傾向が強く、両
検出セル4aによる検出電流の差が非常に大きくなるた
めアーティファクトが強く現れる。
X線管球とX線検出器とが一体となって被写体のまわり
を微小角度ごとに回動し、その都度X線照射とデータ収
集とを行うと、前記の平行度の悪い電極プレートを挟ん
だ隣接検出セル間での大きな検出電流の差が常に発生し
ているので、再構成画像においてアーティファクトはリ
ング状のものとなって現れる(リングアーティファク
ト)。
X線管球焦点の変位は、温度変動によって起こるだけで
なく、回転架台の回転やガントリの傾斜や外部振動等に
よっても生じる。
このような焦点変位に伴う悪影響を回避するために、従
来、X線管球の温度あるいは蓄積された熱量を検出し、
その値に基づいて、検出データを補正する方法が提案さ
れているが、X線管球の温度あるいは蓄積熱量を非常に
短い時間間隔(サンプリング周期)で正確に捕捉するこ
とが困難で、応答性が非常に悪いため、現実的な解決手
段とはなっていない。
この考案は、このような事情に鑑みてなされたものであ
って、X線管球の温度変動等に起因する焦点変位に伴っ
て生じるCT画像の画質劣化やアーティファクトを極力
低減することを目的とする。
D.課題を解決するための手段 この考案は、このような目的を達成するために、次のよ
うな構成をとる。
すなわち、この考案は、X線管球から照射され被写体を
透過したX線を並列検出セル群によって検出し、その検
出データに基づいてCT画像を再構成するX線CT装置
において、スライス厚さ方向のX線プロファイルを検出
するスライス厚さ方向に並設された複数個の検出セルを
有する補正用X線検出器を設け、前記並列検出セル群に
よる検出データを前記補正用X線検出器によるデータに
よって補正し、その補正データに基づいてCT画像を再
構成することを特徴とするものである。
E.作用 この考案の構成による作用は、次のとおりである。
X線管球焦点の変位に伴ってX線検出器に対するX線の
入射位置が変動することに対する補正を行うに当たり、
そのX線の入射位置の変動そのものが、複数個の検出セ
ルがスライス方向に沿って並設された補正用X線検出器
でスライス厚さ方向のX線プロファイルとして直接的に
検出され、この補正用X線検出器によるデータに基づい
て補正するから、その補正が高精度であるとともに、補
正動作の応答性が良好なものとなる。
F.実施例 以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第1図はX線CT装置の概略構成を示す正面図、第2図
はその拡大側面図である。
被写体Mのまわりに回転する回転架台1に、X線管球2
と、照射X線のスライス厚φとファン角度θを決めるコ
リメータ3と、円弧状のX線検出器4とが取り付けられ
ている。コリメータ3はX線管球2の内側直近に配置さ
れ、X線検出器4はX線管球2に対向した反対位置に配
置されている。
X線管球2は回転陽極型のもので、第2図に示すように
外囲器5内に、カソード6と、テーパー面にターゲット
7を有する円錐台状の回転型のアノード8と、アノード
8の回転軸を連結し外部磁界によって回転されるロータ
をもつ回転陽極子9等を設けてある。アノード8の回転
軸の方向は、ガントリにおける被写体挿入方向すなわち
スライス厚さ方向Zと平行になっている。
カソード6から放出された熱電子はアノード8のターゲ
ット7に衝突して、その衝突点からX線が被写体Mに向
けて照射されるが、その衝突点がX線管球焦点Fであ
る。
X線検出器4はXeガス封入の電離箱型X線検出器であ
り、第3図に示すようにその内部がスライス厚さ方向Z
にほぼ沿った多数の電極プレート10をX線検出器4の周
方向に沿って隔設することによって多数の微小な検出セ
ル4aに分割されている。ただし、各電極プレート10
は、厳密には平行となっていない。この点は従来例と同
様である。
X線検出器4の端部にX線検出器4と同一円弧上に補正
用X線検出器11が、電離箱一体の状態で連設されてい
る。この補正用X線検出器11もXeガス封入の電離箱型
X線検出器であり、第1図に示すように、X線光路R内
でかつ被写体Mを透過しないX線を入射する箇所に位置
するように構成されている。
この補正用X線検出器11は、第3図に示すように、周方
向に沿った複数の電極プレート12をスライス厚さ方向Z
に沿って隔設することにより複数の補正用検出セル11a
を有するものに構成してある。
X線が被写体Mを透過しない箇所に補正用X線検出器11
を配置するのは、被写体M内の部位ごとによってX線が
吸収される度合いが異なることによる影響(例えば、骨
の部分は他の軟組織に比べてX線吸収率が非常に大きく
X線強度分布が本来検出しようとする分布と大きく異な
ってしまう)を避け、X線強度のスライス厚さ方向Zに
おける分布を正確にとらえるためである。
X線検出器4の各検出セル4aによって検出された透過
X線のデータはデータ収集部(DAS)13に送られ、デ
ータ収集部13において増幅およびA/D変換され、第4
図に示す大容量の収集データメモリ14に格納されるよう
に構成されている。
すなわち、X線管球2,コリメータ3,X線検出器4お
よび補正用X線検出器11は回転架台1の回転に伴って一
体的に回転し、一定の微小角度ごとにパルスX線の照射
とデータ収集とが行われるが、各パルスX線ごとにX線
検出器4の各検出セル4aによって検出されたデータの
すべてが収集データメモリ14に格納される。
一方、補正用X線検出器11の各補正用検出セル11aによ
って検出された被写体Mを透過しないX線のデータも、
データ収集部(DAS)13に送られ、データ収集部13に
おいて増幅およびA/D変換され、各補正用検出セル11
aのデータは、焦点変位補正部15に送り出されるように
構成されている。
基準の焦点Fから照射され各補正用検出セル11aに入射
したX線の強度のデータをプロットすると、第5図で一
点鎖線で示したX線プロファイルPが得られる。この
プロファイルにおいて横軸はスライス厚さ方向Zでの位
置を示し、縦軸はX線強度を示す。また、基準の焦点F
からスライス厚さ方向Zに変位した焦点Fについての
X線プロファイルPは、第5図で点線で示すようにな
る。
ところで、較正は、各検出セル4aからの収集データの
値を水長さに換算するものであるが、X線検出器4に対
するX線入射位置の変動に対する較正に限って考える
と、第6図に示すように、基準の焦点Fの場合には座標
値はZcであり、補正量はゼロでよいが、変位した焦点
の場合には座標値はΔZだけ変化しZcとなるた
め、所定の特性曲線に従って得られる補正量ΔD(Zc
)を加える必要がある。この補正を行うのが焦点変位
補正部15である。
以下、この焦点変位補正部15の具体的構成を第4図に基
づいて説明する。
焦点変位補正部15は、メモリ16,ピーク位置検出部17,
マルチプレクサ18,チャネル切換部19,較正係数メモル
20およびバッファ21を備えているとともに、加算器22を
備えている。
メモリ16は、補正用X線検出器11の各補正用検出セル11
aで検出されたX線データをデータ収集部13を介して取
り込み、一時的に格納するものである。
ピーク位置検出部17は、次のような機能をもつものであ
る。
すなわち、基準の焦点Fの場合のX線プロファイルP
におけるX線強度のピーク値に対応したZ方向の座標値
Zcは、光軸面R(第7図参照)の入射位置Cに相当
し、変位した焦点Fの場合のX線プロファイルP
おけるピーク値に対応した座標値Zcは、光軸面
′(第7図参照)の入射位置C′に相当する。ピー
ク位置検出部17は、メモリ16から各補正用検出セル11a
のデータを読み出して、各プロファイルP,Pにお
けるピーク座標値ZcあるいはZcを検出するもので
ある。
ピーク位置検出部17で検出されたピーク座標値Zcある
いはZcは、バスライン23を介してホストコンピュー
タ(図示せず)に読み出される。
被写体Mの断層像を撮影する前の準備段階において、X
線管球焦点Fのスライス厚さ方向Zでの変位量に対応し
た較正係数を予め求めておいて、それを較正係数メモリ
20に格納しておく必要がある。それは、次のようにして
行う。
すなわち、X線管球2あるいはX線検出器4のいずれか
一方を機械的にスライス厚さ方向Zに沿って微小距離ず
つ変位させ、各変位位置でのX線プロファイルPをメ
モリ16に格納し、ピーク位置検出部17でピーク座標値Z
を検出し、このピーク座標値Zcをバスライン23
を介してホストコンピュータに送出する。
ホストコンピュータは、そのピーク座標値Zcについ
て、X線検出器4の各検出セル4aの特性を認識する。
その特性を表現する各検出セル4aごとの較正係数がホ
ストコンピュータにおて算出され、バスライン23および
バッファ21を介して較正係数メモリ20に格納される。
ところで、較正は、一般的に、3次式(あるいは2次
式)に基づいて行われる。較正係数をa,b,c,dと
する、較正式は、 y=ax+bx+cx+d となる。ここで、xは、後述するリファレンス補正部24
から較正演算部25に出力される各回のX線照射ごとの各
検出セル4aについてのリファレンス補正後のデータで
ある。
例えばX線管球2を機械的にスライス厚さ方向Zに沿っ
て微小距離ずつ変位させて、m個ある検出セル4aのそ
れぞれについて、n個の変位位置で得られ、較正係数メ
モリ20に格納される較正係数は、例えば次のようにな
る。
すなわち、例えば、現在の変位位置がNo.1であるとす
ると、ホストコンピュータは、そのときのピーク座標値
Zcをピーク位置検出部17からバスライン23を介して
読み出し、このピーク座標値Zcに基づいてm個の各
検出セル4aについて変位位置No.1について較正係数
(a11,b11,c11,d11),(a21,b21,c21,d
21)……(am1,bm1,cm1,dm1)を作成し、マルチ
プレクサ18からの変位位置No.とチャネル切換部19から
のセルNo.とをアドレスとして指定し、バッファ21を介
して送出した前記の較正係数(a11,b11,c11
11),(a21,b21,c21,d21)……(am1
m1,cm1,dm1)を較正係数メモリ20の対応アドレス
に格納する。
変位位置がNo.jのときには、較正係数メモリ20に、較
正係数(a1j,b1j,c1j,d1j),(a2j,b2j,c
2j,d2j)……(amj,bmj,cmj,dmj)が格納さ
れ、最終的には、変位位置No.nでの較正係数(a1n
1n,c1n,d1n),(a2n,b2n,c2n,d2n)……
(amn,bmn,cmn,dmn)が較正係数メモリ20に格納
される。
以上によって、すべての変位位置でのすべての検出セル
4aについての較正係数のデータが較正係数メモリ20に
格納されたことになる。各較正係数(a1j,b1j
1j,d1j),(a2j,b2j,c2j,d2j)……
(amj,bmj,cmj,dmj)の値の相違は、第6図の特
性曲線のレベルや傾きの相違となって現れる。
加算器22は、X線管球2から照射されるX線の強度の経
時的な変動を補正するためのリファレンス検出器の代用
であり、従来装置に設けられているリファレンス検出器
を省略してよい。
すなわち、加算器22は、補正用X線検出器11の各補正用
検出セル11aから得られたデータを加算することによ
り、そのX線照射回でのX線強度を検出するものであ
り、そのX線強度データはリファレンス補正部24に送出
される。リファレンス補正部24は、収集データメモリ14
から入力したデータに対しX線強度に応じた補正を加え
たデータxを較正演算部25に送出するものである。
次に動作を説明する。
X線管球2におけるカソード6から放出された熱電子が
アノード8のターゲット7に衝突すると、その衝突点が
X線管球焦点FとなってそこからパルスX線が被写体M
に向けて照射される。焦点Fから照射されたX線はコリ
メータ3によって所定のスライス厚φと、被写体Mの全
領域をカバーするファン角度θとに絞られ光路Rを通っ
て被写体Mを透過し、その透過X線はX線検出器4の各
検出セル4aに入射する。各検出セル4aによる検出信
号はデータ収集部13に収集されA/D変換されて収集デ
ータメモリ14に格納される。
一方、被写体Mを透過しなかったX線は補正用X線検出
器11の各補正用検出セル11aに入射する。
X線管球2,コリメータ3,X線検出器4および補正用
X線検出器11は回転架台1の回転に伴って一体的に回転
し、一定の微小角度ごとにパルスX線の照射とデータ収
集とが行われる。
この微小角度ごとのデータ収集の間に、温度変動によっ
てX線管球焦点が基準の焦点Fから変位する。
すなわち、ターゲット7は熱電子の衝突によって温度上
昇する。ターゲット7はアノード8とともに回転してい
るが、カソード6は位置固定であるから、焦点Fは、図
面上の上下方向において、コリメータ3から一定距離の
位置に保たれる。ターゲット7自体における熱電子の衝
突点は常にその位置が変化しているが、熱電子の激しい
衝突によるターゲット7およびアノード8の温度上昇は
避けられない。その結果、アノード8に熱が蓄積され、
熱膨張によってアノード8とともにターゲット7がスラ
イス厚さ方向Zに沿って変位する。したがって、焦点F
も変位し、X線検出器4に対するX線入射位置も変動す
る。
このX線入射位置の変動が補正用X線検出器11によって
検出される。すなわち、補正用X線検出器11の各補正用
検出セル11aから出力された信号はデータ収集部13を介
してメモリ16に格納される。
加算器22は、メモリ16に格納された各補正用検出セル11
aの信号値を加算して、そのときのX線照射回でのX線
強度を算出し、それをリファレンス補正部24に送出す
る。リファレンス補正部24は、1回のX線照射によって
得られ収集データメモリ14の格納された各検出セル4a
のデータを読み出し、そのデータに、加算器22からのX
線強度に基づいた補正を行い、データxとして較正演算
部25に出力する。
一方、ピーク位置検出部17は、メモリ16から各補正用検
出セル11aについてのデータを読み出し、スライス厚さ
方向Zでのピーク値を算出し、そのピーク座標値Zc
をマルチプレクサ18を介して較正係数メモリ20に送出す
る。これとともに、チャネル切換部19からX線検出器4
の各検出セル4aを順次的にスキャニングしてアドレス
指定を行う信号が較正係数メモリ20に出力される。
較正係数メモリ20は、マルチプレクサ18からのピーク座
標値Zcとチャネル切換部19からの検出セルNo.とを
アドレスとして、そのアドレスから較正係数a,b,
c,dを読み出し、較正演算部25に出力する。
較正演算部25は、リファレンス補正部24から入力したデ
ータxと較正係数メモリ20から入力した較正係数a,
b,c,dとに基づいて、前述の較正式、 y=ax+bx+cx+d に従って、較正データyを再構成演算部26に出力する。
以上のように、入射位置変動に対する補正を、入射位置
の検出自体をもって行うため、温度変動によりX線管球
焦点が変位したとしても、それがネグレクトされた状態
で断層像が得られる。
X線管球2からのパルスX線の照射は、回転架台1の回
転軌跡の微小角度おきに行われる。そして、X線管球焦
点の変位位置もその照射角度ごとに変動し、ピーク座標
値Zcも変動する。もちろん、検出セル4aが検出す
る透視データも変動する。しかし、その都度、前記の温
度補正を含めた較正をリアルタイムで行うので、従来の
改善案であるX線管球の温度あるいは蓄積された熱量を
検出してその値に基づいて検出データを補正する方法に
比べて、補正動作の応答性がはるかにすぐれている。
また、温度変動に起因するX線管球焦点Fの変位に対応
した補正だけでなく、回転架台1の回転やガントリの傾
斜や外部振動等に起因する機械的なX線管球焦点Fの変
位にも対応した補正が行える。
以上のようにして較正したデータに基づいてCT画像を
再構成すれば、画質劣化やリングアーティファクトが抑
制された良好なCT画像が得られる。
なお、上記実施例では、加算器22をリファレンス検出器
に代用させたが、加算器22を省略して、従来例と同様の
リファレンス検出器によってX線強度変動に対する補正
を行ってもよい。
また、補正用X線検出器11をX線検出器4に一体的に連
設した状態で付加したが、これ以外に、X線検出器4と
は分離して補正用X線検出器11を付加してもよいし、あ
るいは、コリメータ3の内側直近に設けてもよい。ただ
し、補正用X線検出器11がX線管球2,コリメータ3,
X線検出器4とともに回転架台1と一体的に回転するこ
とが必要である。
G.考案の効果 この考案によれば、次の効果が発揮される。
すなわち、温度変動や機械的振動等に起因したX線管球
焦点の変位に伴ってX線検出器に対するX線の入射位置
が変動することに対する補正を行うに際し、そのX線の
入射位置の変動そのものをスライス厚さ方向のX線プロ
ファイルの検出をもって直接的に検出する補正用X線検
出器を設け、この補正用X線検出器によるデータに基づ
いて補正するから、その補正の精度を高いものにするこ
とができるとともに、補正動作の応答性を良好なものに
することができる。
したがって、画質劣化やアーティファクトのない高品質
なCT画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第6図はこの考案の一実施例に係り、第1
図はX線CT装置の概略構成を示す正面図、第2図はそ
の拡大側面図、第3図はX線検出器および補正用X線検
出器を示す展開平面図、第4図は焦点変位補正部の詳細
を示す全体のブロック図、第5図はX線入射位置とX線
強度との関係を示す特性曲線図、第6図は補正量の特性
曲線図である。 第7図および第8図は従来例に係り、第7図は焦点変位
に伴うX線入射位置の変位の説明図、第8図はX線検出
器の展開平面図である。 2……X線管球 3……コリメータ 4……X線検出器 4a……検出セル 10……電極プレート 11……補正用X線検出器 11a……補正用検出セル 12……電極プレート 13……データ収集部 14……収集データメモリ 15……焦点変位補正部 17……ピーク位置検出部 20……較正係数メモリ 25……較正演算部 26……再構成演算部 F……X線管球焦点 M……被写体 Z……スライス厚さ方向 Zc……基準焦点のピーク座標値 Zc……変位した焦点のピーク座標値

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】X線管球から照射され被写体を透過したX
    線を並列検出セル群によって検出し、その検出データに
    基づいてCT画像を再構成するX線CT装置において、
    スライス厚さ方向のX線プロファイルを検出するスライ
    ス厚さ方向に並設された複数個の検出セルを有する補正
    用X線検出器を設け、前記並列検出セル群による検出デ
    ータを前記補正用X線検出器によるデータによって補正
    し、その補正データに基づいてCT画像を再構成するこ
    と特徴とするX線CT装置。
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