JPH06204519A - 太陽電池 - Google Patents

太陽電池

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Publication number
JPH06204519A
JPH06204519A JP43A JP34746392A JPH06204519A JP H06204519 A JPH06204519 A JP H06204519A JP 43 A JP43 A JP 43A JP 34746392 A JP34746392 A JP 34746392A JP H06204519 A JPH06204519 A JP H06204519A
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JP
Japan
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solar cell
resin
electrodeposition
resistance
electrode
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Application number
JP43A
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Takahiro Mori
隆弘 森
Tsutomu Murakami
勉 村上
Hirobumi Ichinose
博文 一ノ瀬
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

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  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、優れた特性を有し、且つ信頼性
の高い太陽電池を提供することを目的とする。 【構成】 電着樹脂により欠陥部分が選択的に絶縁被覆
された太陽電池であって、前記電着樹脂の平均粒径が乳
化もしくは懸濁時において0.2〜10μmであること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は信頼性の高い太陽電池に
係わる。より詳しくは、太陽電池の製造工程で発生する
ショートやシャントが修復され、初期特性が高く信頼性
の高い太陽電池の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽光を電気エネルギーに変換する光電
変換素子である太陽電池は、電卓、腕時計など民生機器
用の電源として広く応用されており、また、石油、石炭
などのいわゆる化石燃料の代替用電力として実用化可能
な技術として注目されている。太陽電池は半導体のpn
の接合部に発生する拡散電位を利用した技術である。即
ち、シリコンなどの半導体は太陽光を吸収し、電子と正
孔の光キャリヤーが生成し、該光キャリヤーをpn接合
部の拡散電位により生じた内部電界でドリフトさせ、外
部に取り出すものである。
【0003】太陽電池の製造方法には、ほぼ、半導体素
子製造プロセスと同様なプロセスが用いられる。具体的
には、CZ法などの結晶成長法によりp型、あるいはn
型に価電子制御したシリコンの単結晶を作製し、該単結
晶をスライスして約300μmの厚みのシリコンウエハ
ーを作る。さらにウエハー表面に、ウエハーの導電型と
反対導電型になるように、価電子制御剤を拡散などの適
当な手段により、異種の導電型の層を形成することでp
n接合を作るものである。
【0004】ところで、上述のように太陽電池の製造方
法は半導体製造プロセスを用いるため、生産コストは高
く既存の発電方法に比べて割高になってしまうという問
題がある。このような事情から太陽電池の電力用として
の実用化を進めるに当たって、低コスト化が重要な技術
的課題であり、様々な検討がなされており、コストの安
い材料、変換効率の高い材料などの材料の探求が行なわ
れてきた。このような太陽電池の材料としては、アモル
ファスシリコン、アモルファスシリコンゲルマニウム、
アモルファスSiCなどのテトラヘドラル系のアモルフ
ァス半導体や、CdS,Cu2 SなどのII−VI族や
GaAs,GaAlAsなどのIII−V族の化合物半
導体等が挙げられる。とりわけ、アモルファス半導体を
用いた薄膜太陽電池は、単結晶太陽電池に比較して大面
積の膜が作製できることや、膜厚が薄くて済むこと、任
意の基板材料に堆積できることなどの長所があり有望視
されている。
【0005】アモルファスシリコン太陽電池の構造は一
般的には、基板上に下部電極を設け、その上に薄膜のn
層、i層、p層からなる半導体接合を積層し、さらに、
上部電極を設ける構造となっている。さらに、集電の為
のグリッド電極やバスバーが設けられる。また、アモル
ファスシリコンは結晶シリコンや多結晶シリコンに比較
して膜質が劣るため変換効率が低いという問題がある
が、この問題を解決するために半導体接合を2以上の直
列に積層するいわゆるタンデムセルも検討されている。
【0006】ところで、前述した太陽電池を例えば一般
家庭の電力供給用として用いる場合には約3KWの出力
が必要となり、変換効率10%の太陽電池を用いた場合
では30m2 の面積となり、大面積の太陽電池が必要と
される。しかしながら、太陽電池の製造工程上、大面積
にわたって欠陥のない太陽電池を作製することは困難で
あり、例えば多結晶では粒界部分に低抵抗な部分が生じ
てしまったり、アモルファスシリコンのような薄膜太陽
電池においては、半導体層の成膜時にダストの影響など
によりピンホールや欠陥が生じ、シャントやショートの
原因となり、これらのシャントやショートは変換効率を
著しく低下させることが知られている。
【0007】ピンホールや欠陥ができる原因とその影響
についてさらに詳しく述べると、例えばステンレス基板
上に堆積したアモルファスシリコン太陽電池の場合で
は、基板表面は完全に平滑な面とは言えず傷やへこみ、
またスパイク状の突起が存在する、あるいは、基板上に
光を乱反射する目的で凹凸のあるバックリフレクターを
設けたりするため、p,n層のように数10nmの厚み
の薄膜の半導体層はこのような表面を完全にカバーでき
ないことや、あるいは別の原因として成膜時のごみなど
によりピンホールが生じることなどが挙げられる。
【0008】太陽電池の下部電極と上部電極との間の半
導体が、ピンホールにより失われていて下部電極と上部
電極とが直接接触したり、基板のスパイク状欠陥が上部
電極と接触したり、半導体層が完全に失われないまでも
低抵抗なシャントまたはショートとなっている場合に
は、光によって発生した電流が上部電極を平行に流れて
シャントまたはショート部の低抵抗部分に流れ込むこと
となり、発生した電流を損失する。このような電流損失
があると太陽電池の開放電圧は低下する。とりわけ、光
強度が低い場合に太陽電池を使用した場合は光によって
発生する電流とシャントによるリーク電流との大きさが
あまり変わらないため、顕著に開放電圧が下がることに
なる。
【0009】アモルファスシリコン太陽電池においては
一般的に半導体自体のシート抵抗は高いため半導体全面
にわたる透明な上部電極を必要とし、通常は、Sn
2 ,ITOのような導電性の反射防止膜を設ける。こ
のため微少な欠陥に於ても、欠陥に流れ込む電流はかな
り大きなものとなる。さらに、欠陥の位置がグリッド電
極やバスバーから離れている場合には、欠陥部分に流れ
込むときの抵抗が大きいため電流損失は比較的少ないが
逆に、欠陥部分がグリッド電極やバスバーの下にあると
きは欠陥により損失する電流はより大きなものとなる。
【0010】一方、ピンホール状の欠陥による欠陥部分
では、半導体層で発生したキャリアが欠陥部分にリーク
するばかりではなく、水分との相互作用によりイオン性
の物質が生成するので、太陽電池の使用時に、使用時間
の経過と共に次第に欠陥部分の電気抵抗が低下し、変換
効率などの特性が劣化する現象が見られる。以上のよう
なショートが生じている場合にはその場所の上部電極を
除去するかまたは絶縁化することにより電流損失を小さ
くすることができる。シャントまたはショート部の上部
電極を選択的に除去する方法として、例えば、米国特許
4、729、970号公報に開示されるいわゆるパッシ
ベーション法が用いられる。
【0011】該方法は、AlCl3 ,ZnCl2 ,Sn
Cl4 ,SnCl2 ,TiCl4 等のルイス酸の溶液中
に太陽電池と対向電極とを浸漬し、電圧を印加して透明
導電性酸化物電極の化学量論比を変えることによって高
抵抗にする方法である。しかしながら、上部電極を高抵
抗化する方法では欠陥部分の上の上部電極が欠落してい
る場合あるいは半導体接合及び上部電極が共に欠落して
いる場合、なんら高抵抗化することができない。従っ
て、グリッドを設けたときにシャント部にグリッド電極
が形成されると再びショートが生じてしまう問題があ
る。このような問題の対策としては、欠陥部分のみを選
択的に絶縁性材料又は、実質的にシャントまたはショー
トを防ぐために充分に高い抵抗を有する材料で覆うこと
により、透明電極やグリッド電極あるいはバスバーとの
接触抵抗を高めることが変換効率減少を防ぐ有効な手段
である。
【0012】太陽電池の欠陥部分のみを選択的に絶縁す
る方法としては、米国特許第4、197、141号公報
に開示されるように、多結晶太陽電池を電解質溶液中に
浸漬し、電界を印加して、多結晶の結晶粒界や、格子不
整合に基づく欠陥部を酸化したり、あるいは欠陥部に絶
縁物を堆積したり、あるいは欠陥部をエッチングする方
法がある。該発明によれば絶縁物を選択的に堆積すると
いう概念はあるが、アニミニウム、クロム、銅などの金
属の酸化物を堆積するという内容であり、有機高分子材
料の堆積については述べられていない。また、開示され
た実施例は、ガリウム砒素太陽電池の欠陥部を陽極酸化
するという例であり、シリコン太陽電池などについて同
様の技術が利用できるかどうかは開示されていない。
【0013】これに対し、米国特許4、451、970
号公報に開示されるように、太陽電池の欠陥部を検出器
によって検知し、その後、検出された欠陥部に絶縁材料
をアプリケータで塗布する方法がある。しかしながら、
この方法では、欠陥部の検出器とアプリケータとはとも
にかなり大きな装置となってしまい、実際の欠陥の大き
さよりも大きい範囲でしか検出できず、また絶縁化も不
要な部分まで行われ、かつ、高く盛り上がってしまうた
めグリッド電極が印刷できない。また、基板もしくはア
プリケータを掃引する必要があり、処理速度が遅いとい
う問題があった。
【0014】さらに金属酸化物により絶縁被覆する方法
では、用いた金属酸化物からの金属イオンの拡散により
太陽電池の特性が低下するという問題があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、太陽電池に
於る上述した問題を解決して、優れた特性を有し、信頼
性の高い太陽電池を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明の太陽電池は、電着樹脂により欠陥部分
が選択的に絶縁被覆された太陽電池であって、前記電着
樹脂の平均粒径が乳化もしくは懸濁時において0.2〜
10μmであることを特徴とする。前記電着樹脂は、ア
ニオン系電着樹脂であることが望ましく、さらに透明で
あることが望ましい。
【0017】
【作用及び実施態様例】本発明は、太陽電池に存在する
欠陥により形成される低抵抗部分を選択的に絶縁した太
陽電池に関し、本発明者らの実験により得た知見をさら
に詳細に検討を加えて完成したものである。その骨子
は、太陽電池を荷電した電着樹脂の懸濁液中に浸漬し、
前記太陽電池に適当な電圧を印加し太陽電池の低抵抗部
分のみに前記電着樹脂で被覆することにより、低抵抗部
分の電気抵抗が十分に高くなり、半導体層で発生したキ
ャリアが該欠陥部分にリークすることを防止し、その結
果光電変換素子の変換効率などの太陽電池特性が向上す
るものである。
【0018】本発明は欠陥部分を乳化もしくは懸濁時の
平均粒径で0.2〜10μmの電着樹脂で被覆すること
が特徴である。これにより欠陥部分への水分の浸透や吸
着が強く抑制されるので、実使用に際して起こる使用時
間の経過と共に太陽電池特性が劣化する現象も大幅に改
善される。更に、上部電極の上にグリッド電極を設ける
構成の太陽電池の場合には、欠陥部分が電気絶縁性樹脂
で覆われているので、該欠陥部分とグリッド電極とが直
接電気的に接続されることによる大きなシャントもなく
なる。すなわち、本発明で開示される太陽電池は、乳化
もしくは懸濁時の平均粒径が0.2〜10μmの電着樹
脂を用い、欠陥部分を絶縁化することにより太陽電池特
性を低下させる原因であるシャント及びショートが著し
く低減した太陽電池である。
【0019】本発明が好適に用いられる太陽電池として
はアモルファスシリコン、薄膜多結晶、結晶系の太陽電
池が挙げられる。以下、本発明が好適に用いられる太陽
電池を図2〜図4に模式的に示す。図2(A)は基板と
反対側から光入射するアモルファスシリコン太陽電池、
図2(B)は光入射する方向から見た図2(A)の太陽
電池の平面図、図3(A)はガラス基板上に堆積したア
モルファスシリコン等の太陽電池でガラス基板側から光
入射される。図3(B)は薄膜多結晶の太陽電池であ
る。図4(A)は結晶系太陽電池である。図4(B)は
図2(A)のトリプル型のアモルファスシリコン太陽電
池である。
【0020】図2(A)、(B)において200は太陽
電池本体、201は基板、202は下部電極、203は
n層、204はi層、205はp層、206は上部電
極、207はグリッド電極、208はバスバーを表す。
基板201はアモルファスシリコンのような薄膜の太陽
電池の場合の半導体層203,204,205を機械的
に支持する部材であり、また場合によっては電極として
用いられる。前記基板201は、半導体層203,20
4,205を成膜するときの加熱温度に耐える耐熱性が
要求されるが導電性のものでも電気絶縁性のものでも良
く、導電性の材料としては、具体的にはFe,Ni,C
r,Al,Mo,Au,Nb,Ta,V,Ti,Pt,
Pb,Ti等の金属またはこれらの合金、例えば真鍮、
ステンレス鋼等の薄板及びその複合体やカーボンシー
ト、亜鉛メッキ鋼板等が挙げられ、電気絶縁性材料とし
ては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリカーボネー
ト、セルロースアセテート、ポリプロピレン、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリアミ
ド、ポリイミド、エポキシ等の耐熱性合成樹脂のフィル
ムまたはシート又はこれらとガラスファイバー、カーボ
ンファイバー、ホウ素ファイバー、金属繊維等との複合
体、及びこれらの金属の薄板、樹脂シート等の表面に異
種材質の金属薄膜及び/またはSiO2 ,Si3 4
Al2 3 ,AlN等の絶縁性薄膜をスパッタ法、蒸着
法、鍍金法等により表面コーティング処理を行ったもの
および、ガラス、セラミックスなどが挙げられる。
【0021】下部電極202は、半導体層203,20
4,205で発生した電力を取り出すための一方の電極
であり、半導体層203に対してはオーミックコンタク
トとなるような仕事関数を持つことが要求される。材料
としては、Al,Ag,Pt,Au,Ni,Ti,M
o,W,Fe,V,Cr,Cu,ステンレス,真ちゅ
う,ニクロム,SnO2 ,In2 3 ,ZnO,ITO
等のいわゆる金属単体又は合金及び透明導電性酸化物
(TCO)等が用いられる。下部電極202の表面は平
滑であることが好ましいが、光の乱反射を起こさせる場
合にはテクスチャー化しても良い。また、基板201が
導電性であるときは下部電極202は特に設ける必要は
ない。下部電極202はメッキ、蒸着スパッタ等の公知
の方法で形成することができる。
【0022】本発明に用いられる太陽電池の半導体層と
しては、pin接合非晶質シリコン、pn接合多結晶シ
リコン、CuInSe2 /CdSなどの化合物半導体が
挙げられる。アモルファスシリコン太陽電池に於いてi
層204を構成する半導体材料としては、a−Si:
H、a−Si:F、a−Si:H:F、a−SiGe:
H、a−SiGe:F、a−SiGe:H:F、a−S
iC:H、a−SiC:F、a−SiC:H:F等のい
わゆるIV族及びIV族合金系アモルファス半導体が挙
げられる。
【0023】アモルファスシリコン半導体層の成膜法と
しては、蒸着法、スパッタ法、高周波プラズマCVD
法、マイクロ波プラズマCVD法、ECR法、熱CVD
法、LPCVD法等公知の方法を所望に応じて用いる。
工業的に採用されている方法としては、原料ガスをプラ
ズマで分解し、基板上に堆積させるプラズマCVD法が
好んで用いられる。さらに、RFプラズマCVD法にお
いては原材料ガスの分解効率が約10%と低いことや、
堆積速度が0.1nm/secから1nm/sec程度
と遅いことが問題であるがこの点を改良した成膜法とし
てマイクロ波プラズマCVD法も用いることができる。
多結晶シリコンの場合は、溶融シリコンのシート化によ
り、CuInSe2 /CdSの場合、電子ビーム蒸着、
スパッタリング、電解液の電気分解による析出などの方
法で形成される。
【0024】以上の成膜を行うための反応装置として
は、バッチ式の装置や連続成膜装置などが所望に応じて
使用できる。本発明の太陽電池のおいて好適に用いられ
るp層205またはn層204を構成する半導体材料と
しては、前述したi層204を構成する半導体材料に価
電子制御剤をドーピングすることによって得られる。作
製方法は、前述したi層204の作製方法と同様の方法
が好適に利用できる。また原料としては、周期律表第I
V族堆積膜を得る場合、p型半導体を得るための価電子
制御剤としては周期率表第IIIの元素を含む化合物が
用いられる。第IIIの元素としては、B,Al,G
a,Inが挙げれる。n型半導体を得るための価電子制
御剤としては周期律表第Vの元素を含む化合物が用いら
れる。第V族元素の元素としてはP,N,As,Sbが
挙げられる。
【0025】本発明の太陽電池に於いては、分光感度や
電圧の向上を目的として半導体接合を2以上積層するい
わゆるタンデムセルにも用いることが出来る。上部電極
106は、半導体層203,204,205で発生した
起電力を取り出すための電極であり、下部電極202と
対をなすものである。上部電極206はアモルファスシ
リコンのようにシート抵抗が高い半導体の場合必要であ
り、結晶系の太陽電池ではシート抵抗が低いため特に必
要としない。また、上部電極206は、光入射側に位置
するため、透明であることが必要で、透明電極とも呼ば
れる。上部電極206は、太陽や白色蛍光灯等からの光
を半導体層内に効率良く吸収させるために光の透過率が
85%以上であることが望ましく、さらに、電気的には
光で発生した電流を半導体層に対し横方向に流れるよう
にするためシート抵抗値は100Ω/□以下であること
が望ましい。このような特性を備えた材料としてSnO
2 ,In2 3 ,ZnO,CdO,CdSnO4 ,IT
O(In23 +SnO2 )などの金属酸化物が挙げら
れる。
【0026】上部電極106の作製方法としては、抵抗
加熱蒸着法、電子ビーム加熱蒸着法、スパッタリング
法、スプレー法等を用いることができ所望に応じて適宜
選択される。図1はグリッド電極、バスバーを設ける前
のアモルファスの太陽電池である。図1(A)は半導体
接合が1つの場合の図である。図1(B)は半導体接合
を3つ直列に積層した図である。乳化もしくは、懸濁時
の平均粒径が0.2〜10μmであった電着樹脂109
はピンホール、粒界、基板101及び下部電極102の
スパイク状欠陥その他の原因によって発生したショート
あるいはシャント部分110を絶縁するために用いら
れ、さらには、耐湿性を向上させる機能を合わせ持って
いる。太陽電池のシャント抵抗は理想的には無限大であ
るが一般的には10KΩcm2 程度であり、この程度の
シャント抵抗であれば太陽電池の変換効率には影響がな
い。しかしながら、欠陥によるシャントやショートが存
在し1KΩcm2 未満になると変換効率は著しく低下す
る。
【0027】電着樹脂は欠陥部分に直接堆積しているこ
とが必要である。電着の工程としては、上部電極106
を形成後に電着を行い欠陥部分を絶縁被覆することがで
きる。電着樹脂は、太陽電池の欠陥部分以外の表面には
成膜されないことが必要であるが、欠陥の大きさと同一
の電着樹脂の堆積を行うには電着工程を厳しく管理する
ことが必要となり、電着工程で太陽電池の量産性が低下
することになる。被覆された電着樹脂の面積は、欠陥部
分以上あれば良く、50倍以下が好ましい。堆積された
電着樹脂の面積が、欠陥部分の50倍よりも大きい場合
には上部電極とグリッド電極とのコンタクトが少なくな
り、直列抵抗が上がり、グリッド電極での集電効率が低
下してしまうという問題が生じる。電着樹脂は、太陽電
池の欠陥部分の面積の1〜50倍の被覆が要求されるた
め、欠陥部分近傍に堆積した電着樹脂は太陽光を透過す
ることが好ましい。即ち、電着樹脂が透明であることが
好ましい。
【0028】電着樹脂は均一な成膜を行うために溶液中
では沈澱せずに安定に懸濁することが重要であり、この
ためには、樹脂は適当な大きさのコロイドとなっている
ことが望ましい。一般に電着樹脂の分散時の平均粒径
は、10nmから100nm位の範囲であることが多
い。しかしながら、10nmから100nm位の粒径で
はより厳しい太陽電池の耐湿性試験を合格することが難
しい。より厳しい耐湿性試験をクリアーするには乳化も
しくは懸濁時に、0.2〜10μmの平均粒径の電着樹
脂を用いて欠陥部分の被覆する方法が有効であることが
明らかになった。すなわち、0.2μm未満の平均粒径
の電着樹脂を用いる場合、欠陥部分に厚く被覆を図ると
欠陥部分以外の上部電極の広い面積にわたって電着樹脂
が広がり、上部電極とグリッド電極とのコンコクトが少
なくなり、直列抵抗が上がり、グリッド電極での集電効
率が低下してしまう。逆に、電着樹脂が大きく広がらな
いように電着を行うと、欠陥部分上には厚く堆積せず太
陽電池の耐湿性を十分満足することが難しくなる。一
方、10μmより大きい粒径では電着樹脂が大きく盛り
上がり、上部電極とグリッド電極とのコンタクトが少な
くなり、直列抵抗が上がり、グリッド電極での集電効率
が低下してしまう。あるいは、沈降安定性が著しく低下
し、安定な電着樹脂の被覆が望めなくなる。さらに粒径
が大きいため、加熱時に粒子同士が溶融、合着せず連続
皮膜とならず、耐湿性の改善が図れないという問題があ
る。
【0029】電着樹脂の合成の観点では元々10μmよ
り大きい平均粒径の電着樹脂を均質に合成すること自体
容易ではないが、比較的大きい粒径の電着樹脂を合成す
るには、コアシェル型のエマルジョンが適している。あ
る一定の粒径を有する粒子と乳化もしくは懸濁していな
い電着樹脂とを分散し、粒子の周りに電着樹脂が被覆し
た状態で、水に乳化もしくは懸濁する方法である。この
方法ではコアに用いる粒子の平均粒径の選定だけで比較
的広範囲の粒径の電着樹脂が合成できる。なお電着樹脂
塗料の乳化もしくは懸濁時の平均粒径は、コールターカ
ウンター法、CAPA法、光散乱法、透過型、濁度測
定、電子顕微鏡での観察などにより測定することができ
る。あるいは、太陽電池に堆積した電着樹脂粒子は走査
型電子顕微鏡で測定、観察できる。
【0030】電着樹脂は大別してアニオン系、カチオン
系樹脂がある。一般に、カチオン系樹脂のほうがアニオ
ン系樹脂よりも防錆性、スローイングパワーが高く、電
着樹脂塗料の安定性、管理が容易であることが知られて
いる。ここで防錆性とは一般に金属板などの錆止め効果
を指し、この防錆性が高いほど、水分、水蒸気、あるい
は金属イオンの透過性が低く、電気絶縁性に優れた材料
と言える。さらに、スローイングパワーとは塗膜がどれ
だけ複雑な形状の基材に一様な厚みで形成されるかを示
すパラメーターであり、つきまわり性とも呼ばれる。前
記スローイングパワーが高いほど太陽電池の微小な欠陥
部分にもある一定の厚みの電着樹脂が被覆されることに
なる。電着塗料の汚染においても、アニオン系樹脂でみ
られるような基板側電極の金属の溶出がカチオン系樹脂
では全くなく塗料管理が容易である。さらに、前記金属
の溶出がないため、基材上に堆積する樹脂中に金属イオ
ンの混入の懸念がなく高い透明性、電気絶縁性が期待で
きる。
【0031】一方、アニオン系樹脂を用いた太陽電池の
製造プロセスの特徴としては、p層上に上部電極が設け
られた太陽電池の場合、太陽電池に逆バイアスがかかる
方向に電圧を印加できるため欠陥部分により選択的に電
着樹脂を被覆できる。ただし、太陽電池がブレークダウ
ンしない程度の印加電圧で電着することが要求される。
【0032】本発明の様に比較的大きい樹脂粒子を用い
る場合は電気絶縁性の点で若干カチオン系よりも劣るア
ニオン系で欠陥部分により選択的に厚く絶縁被覆するこ
とが好ましい。アニオン系電着樹脂の骨格樹脂として
は、一般に知られている樹脂を用いることができる。ア
クリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹
脂、ポリブタジエン樹脂、酢酸ビニル、アイオノマー樹
脂の中から所望に応じて適宜選択される。あるいは、耐
候性、耐湿性、可とう性、密着性、反応性、コストの改
良のために上記樹脂を2種以上併用することも可能であ
る。
【0033】これらの樹脂を陽極側に電気泳動し、析出
させるために、水中で電離が起き、陽極側で析出するよ
うな官能基を導入することが必要である。該官能基とし
てはカルボキシル基が一般的である。アニオン系アクリ
ル樹脂としては、アクリル酸,メタクリル酸,マレイン
酸をメチル(メタ)アクリレート,エチル(メタ)アク
リレート,ブチル(メタ)アクリレート,2−エチルヘ
キシル(メタ)アクリレート,N−ブトキシメチルアク
リルアミド,スチレン等のベースモノマーと共重合し、
アンモニア,アミン(アルカノールアミン,アルキルア
ミン、環状アミン)あるいは水酸化カリウム等の無機塩
基で中和することによって得られる。エポキシ樹脂の場
合にはエピクロルヒドリン/ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂に代表されるポリグリシジルエーテルに、フタル
酸無水物,無水マレイン酸,無水コハク酸,無水トリメ
ット酸,マレイン化油あるいはマレイン化脂肪酸を付加
し、カルボキシル基を導入する方法がある。次に、中和
して親水化もしくは水溶化する方法が知られている。フ
ッ素樹脂の場合は、前記アクリル樹脂と同様に一部フッ
素置換された(メタ)アクリレートと共重合することに
よって合成できる。ポリブタジエン樹脂においては、マ
レイン化ポリプタジエンを開環する方法が挙げられる。
ポリブタジエンの代わりにマレイン化油を用いることも
可能である。酢酸ビニル樹脂の場合は、酢酸ビニルと前
記カルボキシル基含有のアクリル、ビニルモノマーと共
重合することによって得られる。エチレンなどさらに共
重合することもできる。またアイオノマー樹脂の場合に
はエチレン、(メタ)アクリル酸の共重合体にNa,Z
nなどの金属イオンを作用することによって合成でき
る。
【0034】カチオン系電着樹脂の骨格樹脂としては、
アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹
脂、ポリブタジエン樹脂の中から所望に応じて適宜選択
される。あるいは、耐候性、耐湿性、可とう性、密着
性、反応性、コストの改良のために上記樹脂を2種以上
併用することも可能である。これらの樹脂を陰極側に電
気泳動し、析出させるために、水中で電離が起き、陰極
側で析出するような官能基を導入することが必要であ
る。該官能基としては、アミノ基が一般的である。4級
リン酸塩、4級硫酸塩、4級アンモニウムカルボン酸塩
などの官能基を用いても良い。
【0035】カチオン系アクリル樹脂としては、ジメチ
ルアミノエチルメタクリレート、トリエチルアミノメタ
クリレート、4級化アミン含有の(メタ)アクリレート
に代表されるアミノ基含有の(メタ)アクリレートをメ
チルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレー
ト、スチレン等のベースモノマーと共重合し、酸で中和
することによって得られる。エポキシ樹脂の場合にはエ
ピクロルヒドリン/ビスフェノールA型エポキシ樹脂に
代表されるポリグリシジルエーテルに、1級、2級また
は3級アミンを反応させてカチオン基を導入する方法が
ある。次に、有機酸で中和して親水化もしくは水溶化す
る方法が知られている。1級アミンは2個のエポキシ基
を鎖長延長させることができ、2級アミンの場合は末端
エポキシ基に付加する。1級アミンとしてはモノエタノ
ルーアミン、2級アミンとしてはジエチルアミン、ジエ
タノールアミン、3級アミンとしてはトリメチルアミ
ン、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどが挙げら
れる。カチオン型フッ素樹脂の場合は、前記アクリル樹
脂と同様に一部フッ素置換された(メタ)アクリレート
と共重合することによって得ることができる。ウレタン
樹脂では、ポリエーテルジオール、ポリエステルジオー
ルとトリレンジイソシアナート(TDI),メチレンジ
(フェニルイソシアナート)(MDI)との鎖長延長物
の一部(イソシアナート末端のウレタン樹脂)の末端に
は1,2あるいは3級アミンを付加する方法が考えられ
る。ポリブタジエン樹脂においては、マレイン化ポリブ
タンジエン、エポキシ化ポリブタジエンに、1,2ある
いは3級アミンを付加することによってカチオン系電着
樹脂が合成できる。
【0036】上記電着樹脂の耐熱性、耐湿性を向上させ
るために電着樹脂を架橋することが好ましい。架橋反応
が起こるような官能基を骨格樹脂または側鎖に適宜導入
する。具体的には、エポキシ基、(ブロックド)イソシ
アネート基、N−メチロール基、ビニル基、アクリロイ
ル基など有する化合物が挙げられる。あるいは別途架橋
剤を併用することも可能でるある。架橋剤としてはエポ
キシ基、(ブロックド)イソシアナート基含有の低分子
化合物、メラミン、多官能(メタ)アクリレート、トリ
アリルイソシアヌレートなどが挙げられる。場合によっ
ては、架橋反応を促進するために触媒あるいは過酸化物
を添加しても良い。架橋温度は適宜決めればよいが、一
般には100〜180℃が好ましい。
【0037】電着樹脂は、太陽電池の欠陥部分および欠
陥部分近傍以外の表面に成膜されることは好ましくな
い。このため電着後に析出されず表面に付着している塗
料は乾燥する前に十分に水洗等により除去する必要があ
る。あるいは容易に水洗できるように、最低造膜温度
(MFT)が室温以上であることが必要である。より望
ましくは、50℃以上の最低造膜温度の塗料を用いるこ
とである。
【0038】さらに、上述した絶縁性、耐湿性を有する
電着樹脂の骨格樹脂としては、アクリル樹脂、エポキシ
樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、ポリブタジエン樹
脂、酢酸ビニル樹脂、アイオノマー樹脂等の中から所望
に応じて適宜選択されるが、太陽電池の使用環境を考え
ると、ある程度の耐熱性を有していることが望ましい。
即ち、ガラス転移温度で表せば、100℃以上が好まし
い。100℃未満では上記樹脂を用いても屋外の真夏日
に樹脂が軟化するあるいは樹脂の電気絶縁性が低下する
という問題が生じる懸念がある。
【0039】柔らかい樹脂をガラス転移温度100℃以
上にする方法として、上記骨格樹脂にハードセグメント
(たとえば主鎖にフェニル基の導入、あるいは側鎖が長
いアルキル基の場合は短いアルキル基に変更)などを導
入するか、骨格樹脂の分子の対称性を高める(分子構造
で左右対称、上下対称)か、前記架橋剤を増量して用い
る方法などが挙げられる。
【0040】電着樹脂を構成する骨格樹脂の好適な分子
量としては重量平均分子量が1000〜20000程度
である。太陽電池の欠陥部分を選択的に、かつ、有効に
絶縁するためには単位電気量あたりの電着膜重量が大き
い方が好ましく、このためには電着塗料のクーロン効率
は10mg/C以上であることが好ましい。
【0041】電着塗料の溶剤とては、上部電極、半導体
層及び下部電極などの太陽電池構成材料を容易には溶解
しない濃度の酸またはアルカリを含む溶液、又はそれら
の金属塩を含む溶液を用いる。なお、該金属塩として
は、該塩を構成する金属が、その標準電極電位が負で、
水素過電圧の値が標準電極電位の絶対値よりも小さい塩
が用いられる。
【0042】電着塗料は脱イオン水により希釈して用い
られるが、成膜性の良好な範囲としては、固形分が1%
から25%位の範囲が良い。また、電着塗料の電導度は
樹脂が安定に懸濁し、電気泳動が起こり易く、しかも所
望の欠陥部分に堆積が起こり易いように、100μS/
cmから2000μS/cmの範囲であることが望まし
い。
【0043】太陽電池の製造方法によっては、電着後に
溶剤を用いたり熱処理を行うような工程がある。この場
合、堆積した電着樹脂はこれらの処理によって影響され
ないことが要求される。また、電着した樹脂の膜厚とし
ては電気的絶縁性と、耐湿性が保たれ、かつ、光透過性
を損なわないことが好ましいことから樹脂の種類により
適宜選択されるが代表的には、0.5〜50μmが適当
である。
【0044】欠陥部分に選択的に電着樹脂を堆積する工
程は、図5に示したような装置を用いて欠陥部分を有す
る太陽電池300と対向電極313とを電着塗料312
中に浸漬し、太陽電池300と対向電極313との間に
電源314を用いて電界を印加して欠陥部分に電着樹脂
を堆積することにより行われる。図5において311は
電着槽、301は基板、315は導線を示す。太陽電池
から端子を取り出す場合には導電性基板あるいは下部電
極から取り出せば良い。対向電極313の材質として
は、電着塗料312中で腐食されないことが要求され、
耐食性のある白金,炭素,ニッケル,ステンレスなどが
好適に用いられる。
【0045】また、対向電極313の面積は、太陽電池
300の面積に対して一定の比率とすることが電着を均
一にするために必要であり、いわゆる極比としては、太
陽電池面積と対向電極面積との比は1/2から2/1の
範囲であることが好ましい。また、太陽電池と対向電極
との極間距離は電着の均一性を保つために重要な因子で
あるが、電着塗料312の電導度や印加する電圧などの
諸条件により好適な範囲があり一般的には10mm〜1
00mmが望ましい。
【0046】電着樹脂が太陽電池300の欠陥部分のみ
に選択的に堆積するために、基板301などの導電性部
分を電着塗料中にさらすことは好ましくない。このた
め、太陽電池の光入射側の裏面となる導電性基板表面
を、プラスチックフィルムやゴム磁石などの絶縁性被覆
材で覆うことが望ましい。また、太陽電池300に光照
射されると欠陥部分以外の正常部分では光起電力により
低抵抗化するため欠陥部分の抵抗値と正常部分の抵抗値
の相対比が小さくなり選択性が低くなってしまう。従っ
て必要に応じて暗中で電着することで所望の選択性が達
成できるようになる。
【0047】電着は、定電圧法でも定電流法でも行うこ
とが出来るが、例えば、定電圧法では、太陽電池に印加
する電圧はネルンストの式で定義される電極電位から計
算される水素発生電位以上の電圧、具体的には、水の理
論分解電圧に過電圧を加えた値である2ボルト以上の電
圧が必要である。さらに、アニオン系電着塗料の電導度
や太陽電池に印加する電圧の極性が逆バイアスである場
合と順バイアスである場合とでは好ましい印加電圧の範
囲は異なるためそれぞれの太陽電池の構成、面積及び、
電着塗料の電導度などの物性、印加電圧の極性など種々
の点から好適な電圧範囲が決定されるが、およそ2Vか
ら200Vの範囲である。
【0048】また、印加した電圧の一部は太陽電池にも
印加されることになるため、太陽電池に対して逆バイア
スとなるような極性の場合(例えば、p層上に上部電極
が設けられアニオン系電着樹脂の場合)には、太陽電池
がブレークダウンしない範囲の電圧でなければならな
い。一方、太陽電池に対して順バイアスとなるような極
性の場合(例えば、n層上に上部電極が設けられカチオ
ン系電着樹脂の場合)には太陽電池の順方向電流が流れ
るため選択性が劣ることになり、この点を考慮して選択
性を損なわない電圧としなければならない。具体的に
は、順バイアスを印加する際に太陽電池の順方向電流が
リーク電流の2倍以下が好ましい。2より大きいと選択
性が失われ、欠陥部分以外にも大面積にわたりカチオン
系電着樹脂が堆積し、グリッド電極の集電効率が低下し
てしまうという問題が生じる。
【0049】定電流法による電着に於いては、太陽電池
のシャントの程度にもよるが緻密な電着膜を形成するた
めに、電流密度は好ましくは0.1から10A/dm2
の範囲である。上記の定電圧法、定電流法の何れの方法
に於いても電着の終点の決定の仕方としては、時間によ
る方法、クーロン量による方法などが可能である。電着
樹脂は高抵抗であるため、ある程度の膜厚になるとその
部分には成膜がなされないため、太陽電池の構成によっ
ては欠陥部分の堆積がなされたときに電着が自動的に終
了し、電流が流れなくなることも期待できるが、耐湿性
を充分満足できる0.5μm以上の膜厚を設ける場合に
は電着初期には選択性があっても時間の経過と共に正常
部分にも堆積が起こるため、前述したように、時間やク
ーロン量による電着終点の管理が必要となる。
【0050】以上の説明に於いては太陽電池はシート状
であり、電着プロセスは枚葉処理であったが、必要に応
じてロールツーロールで行うことも可能である。ロール
ツーロール処理に適する装置を図6に示す。図の説明に
於ける好ましい実施態様例としては、太陽電池はステン
レス基板上に堆積されたnip型アモルファスシリコン
であり、光入射側にITOの上部電極が形成されてい
る。太陽電池400は送り出しロール401から送り出
され電着塗料412に浸漬される。太陽電池400の基
板と接する導電性ローラー410と電着槽411内に浸
漬させた対向電極413の間に電源414によって電界
が印加される。ついで、洗浄槽404、乾燥炉405を
通過した後巻き取りロール402に巻き取られる。ここ
では電着槽411に浸漬する前にマスキングフィルム巻
出しロール407から太陽電池裏面マスク用のマスキン
グフィルム409が送り出されて太陽電池400裏面と
貼合わされる。電着終了後、フィルム409は太陽電池
400より剥離されマスキングフィルム巻取りロール4
08に送られる。以上のようにして電着処理を行うこと
ができる。
【0051】図2(A)、(B)に示したグリッド電極
207は半導体層203,204,205で発生した起
電力を取り出すため集電電極である。グリッド電極20
7は半導体層205あるいは上部電極206のシート抵
抗の大きさから好適な配置が決定されるがほぼ串状に形
成され、光の入射をできるだけ妨げないように設計され
る。グリッド電極は比抵抗が低く太陽電池の直列抵抗と
ならないことが要求され、所望の比抵抗としては10-2
Ωcm10-5Ωcmであり、グリッド電極207の材料
としては、Ti,Cr,Mo,W,Al,Ag,Ni,
Cu,Sn等の金属材料、及びAg,Pt,Cu,C等
の金属またはこれらの合金の粉末にポリマーのバインダ
ー、バインダーの溶剤を適度な比率で混合し、ペースト
状としたいわゆる導電性ペーストが挙げられる。グリッ
ド電極107は串状に形成するため、形成方法には、マ
スクパターンを用いたスパッタリング、抵抗加熱、CV
Dの蒸着方法、あるいは全面に金属層を蒸着した後にエ
ッチングしてパターニングする方法、光CVDによ直接
グリッド電極パターンを形成する方法、グリッド電極パ
ターンのネガパターンのマスクを形成した後にメッキに
より形成する方法、導電性ペーストを印刷して形成する
方法などがある。
【0052】これらの導電性ペーストの電極は従来知ら
れたスクリーン印刷法を用いることにより生産性良く作
製できる。スクリーン印刷法はナイロンやステンレスで
出来たメッシュに所望のパターニングを施したスクリー
ンを用いて導電性ペーストを印刷インキとして用いるも
のであり電極幅としては、最小で50μm位とすること
ができる。印刷機は市販のスクリーン印刷機が好適に用
いられる。スクリーン印刷した導電性ペーストはバイン
ダーを架橋させるためと溶剤を揮発させるために乾燥炉
で加熱する。本発明において用いられるバスバー208
は、グリッド電極207を流れる電流を更に一端に集め
るための電極である。電極材料としてはAg,Pt,C
u等の金属やCまたはこれらの合金からなるものを用い
ることができ、形態としてはワイヤー状、箔状のものを
張り付けたりグリッド電極207と同様の導電性ペース
トを用いても良い。箔状のものとしては例えば銅箔ある
いは銅箔にスズメッキしたもので、場合によっては接着
剤付きのものが用いられる。
【0053】以上のように作製された太陽電池は、屋外
使用の際、耐候性を良くし機械的強度を保つために公知
の方法でエンカプシュレーションをしてモジュール化さ
れる。具体的にはエンカシュレーション用材料として
は、接着層については、太陽電池との接着性、耐候性、
緩衝効果の点でEVA(エチレンビニールアセテート)
が好適に用いられる。また、さらに耐湿性や耐傷性を向
上させるために、表面保護層としては弗素系の樹脂が積
層される。弗素系の樹脂としては、例えば4フッ化エチ
レンの重合体TFE(デュポン製テフロンなど)、4フ
ッ化エチレンとエチレンの共重合体ETFE(デュポン
製テフゼルなど)、ポリフッ化ビニル(デュポン製テド
ラーなど)、ポリクロロフルオロエチレンCTFE(ダ
イキン工業製ネオフロン)等が挙げられる。またこれら
の樹脂に紫外線吸収剤を加えることで耐候性を向上させ
ても良い。これらの樹脂を太陽電池基板と積層する方法
としては例えば真空ラミネーターのような市販の装置を
用いて、真空中で加熱圧着することで可能である。
【0054】
【実施例】以下、実施例により、本発明の太陽電池の構
成及び本発明の太陽電池製造方法を更に詳しく説明する
が、本発明はこれらの実施例により限定されるものでは
ない。 (実施例1)図1(B)に示すトルプル型太陽電池陽電
池100を以下のように作製した。まず、十分脱脂、洗
浄を行ったSUS430BA製基板(30cm×30c
m、厚み0.2μm)101上にテクスチャー構造のA
g層(厚み200nm)とシャント防止用の高抵抗透明
導電性部材としてのZnO層(厚み200nm)とから
なる下部電極102を形成した。
【0055】その後、不図示のマイクロ波プラズマCV
D成膜装置に入れ、n層103,i層104,p層10
5の順で堆積を行いボトム層を形成した。この時i層1
04はa−SiGeとした。次にn層113,i層11
4,p層115の順で堆積を行いミドル層を形成した。
i層114はボトム層と同様にa−SiGeとした。次
にn層123,i層124,p層125の順で堆積を行
いトップ層を形成した。i層124はa−Siとした。
【0056】続いて、不図示の抵抗加熱の蒸着装置にい
れて、酸素を導入しながら、内圧を1Torrに保ちI
nとSnの合金を抵抗加熱により蒸着し、反射防止効果
を兼ねた機能を有する透明なITOの上部電極106を
70nm堆積した。次に、図6において、基板301の
裏面側をプラスチックの絶縁性フィルムで覆い、電着時
に基板301裏面に電着が施されないようにして電着槽
311に浸漬した。対向電極313として、極比が1:
1となるように30cm×30cmの大きさで、基板3
01に対して裏側をプラスチック製の絶縁性フィルムを
用いてシールしたSUS304ステンレス板を用いた。
電着塗料312は固形分50%の酢酸ビニル−エチレン
共重合体のアニオン系電着塗料(大日本インキ化学
(株)社製エバディックEP−1;平均粒径0.9μ
m)を10%に希釈して用いた。基板301にプラス1
0Vの電圧を印加して10秒間保持し、電着を行った。
太陽電池300を電着槽から引き上げ、純水で十分に洗
浄を行い、未析出の電着塗料を洗い流し、50℃のオー
ブンに投入し、30分放置して水分を乾燥させた。
【0057】その後、オーブンの温度を10℃/分の速
度で昇温し、150℃に達してから30分保持し電着樹
脂の硬化を行った。その後、太陽電池300をオーブン
から取り出し冷却後、太陽電池の一部を切り出して走査
型電子顕微鏡で観察したところ、図1(B)に示した上
部電極106の表面には、約3μm〜40μmの径の半
球状の堆積物が点在して観察された。この部分の赤外吸
収を、顕微機能付きFTIRを用いて分析したところ、
酢酸ビニルのエステル基の吸収があり電着塗料が堆積し
ていることが確認された。また堆積した電着塗料の厚み
をレーザー顕微鏡で観察したところ2〜5μmであっ
た。さらにこの試料のOBIC像を観察したところ、前
記電着塗料の堆積部分のみが発電せず、従って、前記堆
積膜は図1(B)に示したようにシャント部分にのみ堆
積していることが確認された。
【0058】次に、太陽電池100を不図示のスクリー
ン印刷機に設置し、幅100μm長さ8cmのグリッド
電極107を間隔1cmで印刷した。このとき導電性ペ
ーストは、Agフィラー70部、ポリエステルバインダ
ー30部(体積比)、溶剤として酢酸エチルを20部含
む組成のものを用いた。印刷後、太陽電池をオーブンに
入れて150℃で30分間保持し、導電性ペーストをキ
ュアした。
【0059】さらに、幅5mmの接着剤付き銅箔のバス
バー108を図2(B)に示すように接着し、30cm
角のシングルセルを作製した。同様の方法で試料を10
枚作製した。次に、これら試料のエンカプシュレーショ
ンを以下のように行った。太陽電池100の上下にEV
Aを積層しさらにその上下にフッ素樹脂フィルムETF
E(エチレンテトラフルオロエチレン)(デュポン製テ
フゼル)を積層した後、真空ラミネーターに投入して1
50℃で60分間保持し、真空ラミネーションを行っ
た。
【0060】得られた試料の初期特性を以下のようにし
て測定した。AM1.5グローバルの太陽光スペクトル
で100mW/cm2 の光量の疑似太陽光源(以下シミ
ュレータと呼ぶ)を用いて太陽電池特性を測定し、相対
的な変換光率を求めた。次に、試料の暗状態での電圧電
流特性を測定し、原点付近の傾きからシャント抵抗を求
めたところ、20KΩcm2 ±2KΩcm2 と良好な特
性であり、ばらつきが少なかった。
【0061】これらの試料の信頼性試験を、日本工業規
格C8917の結晶系太陽電池モジュールの環境試験方
法及び耐久試験方法に定められた耐湿性試験B−2に一
部基づいて行った。まず、試料を温湿度が制御できる恒
温恒湿器に投入し、85℃(相対湿度90〜93%)に
設定し、200時間放置した。次に、試験終了後の試料
を初期と同様にしてシャント抵抗を測定したところ、初
期の約15%の低下率であり、電着が良好な効果を有す
ることがわかった。
【0062】(実施例2)電着塗料として、アニオン系
電着樹脂の代わりに、アクリル樹脂のカチオン系電着塗
料(大日本インキ化学(株)社製ボンコートSFC−5
5;平均粒径0.3μm、固形分濃度40%)を10%
に希釈して用い、電極の極性を逆にした他は実施例1と
同様に太陽電池を10枚作製した。
【0063】太陽電池をオーブンから取り出し冷却後、
太陽電池の一部を切り出して走査型電子顕微鏡で観察し
たしころ上部電極の表面には、約3μm〜30μmの径
の半球状の堆積物が点在して観察された。堆積した電着
塗料の厚みをレーザー顕微鏡で観察したところ0.7〜
2μmであった。得られた試料の評価も実施例1に従っ
た。初期シャント抵抗は16KΩcm2 ±4KΩcm2
であり、良好な特性であった。
【0064】次にこの試料の信頼性試験を実施例1と同
様に行った。耐湿性試験終了後の試料のシャント抵抗を
測定したところ、初期の20%の低下率であった。 (実施例3)本実施例では、実施例1に比べ粒径が大き
い電着樹脂を用いた。電着塗料はアクリル樹脂のアニオ
ン系電着塗料(上村工業(株)社製AUED800F
H;固形分濃度55%)と粒状粒子(積水ファインケミ
カル社製ミクロパールSP−208;平均粒径8.0μ
m)とを固形分重量比で100:15でボールミルで3
0分間分散し、これを純水で10%に希釈して用いた。
電着塗料以外は実施例1と同様にして太陽電池を10枚
作製した。
【0065】コールターカウンター法により電着樹脂の
平均粒径を測定したところ、9μmであった。また、初
期シャント抵抗は15KΩcm2 ±2KΩcm2 であっ
た。次にこの試料の信頼性試験を実施例1と同様に行っ
た。耐湿性試験終了後の試料のシャント抵抗を測定した
ところ、10%の低下率であった。 (実施例4)本実施例では、着色した電着樹脂を調整し
て用いた。電着塗料は固形分50%の酢酸ビニルーエチ
レン共重合体のアニオン系電着塗料(大日本インキ化学
(株)社製エバディックEP−1;平均粒径0.9μ
m)にカーボンブラックを1重量%を混合した後、10
%に希釈して用いた。電着塗料以外は実施例1と同様に
して太陽電池を10枚作製した。
【0066】太陽電池をオーブンから取り出し冷却後、
太陽電池の一部を切り出して走査型電子顕微鏡で観察し
たところ、上部電極の表面には、約3μm〜40μmの
径の半球状の堆積物が点在して観察された。堆積した電
着塗料の厚みをレーザー顕微鏡で観察したところ2〜5
μmであった。得られた試料の評価も実施例1に従っ
た。
【0067】得られた試料の初期シャント抵抗は15K
Ωcm2 ±2KΩcm2 であり、良好な特性であった。
次に得られた試料の信頼性試験を実施例1と同様に行っ
た。耐湿性試験終了後の試料のシャント抵抗を測定した
ところ初期の22%の低下率であった。 (比較例1)電着処理をしない以外実施例1と同様にし
て太陽電池を10枚作製した。初期シャント抵抗は10
KΩcm2 ±2KΩcm2 であった。
【0068】次にこの試料の信頼性試験を実施例1と同
様に行った。耐湿性試験終了後の試料のシャント抵抗を
測定したところ、94%の低下率であった。 (比較例2)本比較例では、本発明の電着樹脂の粒径よ
り小さい電着樹脂を用いた。電着塗料はアイオノマー樹
脂のアニオン系電着塗料(三井石油化学工業(株)社製
ケミパールS−100;平均粒径0.1μm、固形分濃
度27%)を10%に希釈して用いた他は実施例1と同
様にして太陽電池を作製した。
【0069】太陽電池をオーブンから取り出し冷却後、
太陽電池の一部を切り出して走査型電子顕微鏡で観察し
たところ上部電極の表面には、約3μm〜30μmの径
の半球状の堆積物が点在して観察された。堆積した電着
塗料の厚みをレーザー顕微鏡で観察したことろ0.1〜
0.3μmであった。以上の作製法で試料を10枚作製
した。得られた試料の初期シャント抵抗は16KΩcm
2 ±3KΩcm2 であった。
【0070】次にこの試料の信頼性試験を実施例1と同
様に行い、耐湿性試験後の試料のシャント抵抗を測定し
たことろ、36%の低下率であった。 (比較例3)本比較例では、本発明の電着樹脂の粒径よ
りも大きい電着樹脂を用いた。電着塗料はアクリル樹脂
のアニオン系電着塗料(上村工業(株)社製AUED8
00FH;固形分濃度55%)と粒状粒子(積水ファイ
ンケミカル社製ミクロパールSP−210;平均粒径1
0.0μm)とを固形分重量比で100:15でボール
ミルで30分間分散し、これを純水で10%に希釈して
用いた。電着塗料以外は実施例1と同様にして太陽電池
を10枚作製した。
【0071】コールターカウンター法により電着樹脂の
平均粒径を測定したところ、11μmであった。得られ
た試料の初期シャント抵抗は15KΩcm2 ±2Ωcm
2 2KΩcm2 であった。次にこの試料の信頼性試験を
実施例1と同様に行い、耐湿性試験終了後の試料のシャ
ント抵抗を測定したことろ、31%の低下率であった。
【0072】(比較例4)本比較例は、本発明の電着樹
脂の粒径よりも小さい電着樹脂を用いて、電着の通電時
間を長くして、欠陥部分上に堆積する電着樹脂の厚みを
大きくすることを目的とした。電着塗料はアイオノマー
樹脂のアニオン系電着塗料(三井石油化学工業(株)社
製ケミパールS−100;平均粒径0.1μm、固形分
濃度27%)を10%に希釈して用い、電着の通電時間
を10秒から40秒に変えた他は実施例1と同様に太陽
電池を10枚作製した。
【0073】太陽電池をオーブンから取り出し冷却後、
太陽電池を目視で観察したところ上部電極の表面には、
直径10mm以上の堆積物がいくつか確認された。堆積
した電着塗料の厚みをレーザー顕微鏡で観察したことろ
2〜5μmであった。得られた試料の初期シャント抵抗
は85KΩcm2 ±16KΩcm2 であった。また、初
期直列抵抗は100Ωcm2 ±8Ωcm2 であった。な
お、直列抵抗は試料の暗状態での電圧電流特性を測定
し、開放電圧付近の傾きからを求めた。一般には10〜
40Ωcm2 であるのに対し、この試料は100Ωcm
2 と高く、変換効率の低下が生じていた。
【0074】次にこの試料の信頼性試験を実施例1と同
様に行った。耐湿性試験終了後の試料のシャント抵抗を
測定したところ、9%の低下率であった。以上の実施例
1〜4及び比較例1〜4の試料について、光電変換特
性、初期及び耐湿試験後のシャント抵抗を表1にまとめ
た。
【0075】
【表1】 表1において、変換効率は比較例1の値を基準に規格化
した。表1から明らかなように、乳化または懸濁時の平
均粒径が0.2〜10μmの電着樹脂を用いて欠陥封止
した本発明の太陽電池は光電変換効率が高く、且つ厳し
い温湿度試験後も初期特性からの低下が少なく信頼性が
高いものであった。
【0076】
【発明の効果】請求項1の太陽電池、即ち、欠陥部分が
選択的に電着樹脂により絶縁被覆された太陽電池であっ
て、前記電着樹脂の平均粒径が乳化もしくは懸濁時にお
いて0.2〜10μmである太陽電池により、光電変換
効率が高く且つ信頼性の高い太陽電池を提供することが
可能となる。
【0077】また、請求項2及び3の発明により、光電
変換効率はより一層向上する。さらに請求項4の発明に
より、耐湿性が一層向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電着樹脂が堆積した太陽電池の構成を
模式的に示す図である。
【図2】太陽電池の構成を模式的に示す図である。
【図3】太陽電池の構成を模式的に示す図である。
【図4】太陽電池の構成を模式的に示す図である。
【図5】電着装置を模式的に示す図である。
【図6】太陽電池の電着工程の連続生産装置を模式的に
示す図である。
【符号の説明】
100,200,300,400 太陽電池、 101,201,301 基板、 102,202,302 下部電極、 103,113,123,203,213,223,3
03 n層、 104,114,124,204、214,224,3
04 i層、 105,115,125,205、215,225,3
05 p層、 106,206,306 上部電極、 109 電着樹脂、 110 欠陥部分、 207 グリッド電極、 208 バスバー、 210 反射防止層、 311,411 電着槽、 312,412 電着塗料、 313,413 対向電極、 314,414 電源、 315 導線、 401 巻出ロール、 402 巻取りロール、 404 水洗槽、 405 乾燥炉、 407 マスキングフィルム巻出ロール、 408 マスキングフィルム巻取りロール、 409 マスキングフィルム、 410 導電性ロール。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電着樹脂により欠陥部分が選択的に絶縁
    被覆された太陽電池であって、前記電着樹脂の平均粒径
    が乳化もしくは懸濁時において0.2〜10μmである
    ことを特徴とする太陽電池。
  2. 【請求項2】 前記電着樹脂はアニオン系電着樹脂であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
  3. 【請求項3】 前記電着樹脂は透明であることを特徴と
    する請求項1または2に記載の太陽電池。
  4. 【請求項4】 前記電着樹脂は、アクリル樹脂、エポキ
    シ樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂、ポリブタジエン樹
    脂、酢酸ビニル樹脂及びアイオノマー樹脂の内少なくと
    も一つを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の太陽電池。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010524223A (ja) * 2007-03-30 2010-07-15 コンソルツィオ ユニベルシタリオ ペル ラ ジェスティオーネ デル チェントロ ディ リチェルカ エ スペリメンタツィオーネ ペル リンドゥストリア チェラミカ−チェントロ チェラミコ 太陽電池で機能化された表面を有するセラミックタイル

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JP2010524223A (ja) * 2007-03-30 2010-07-15 コンソルツィオ ユニベルシタリオ ペル ラ ジェスティオーネ デル チェントロ ディ リチェルカ エ スペリメンタツィオーネ ペル リンドゥストリア チェラミカ−チェントロ チェラミコ 太陽電池で機能化された表面を有するセラミックタイル

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