JPH0620429Y2 - 棚装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、棚板高さを適宜調節可能としてなる棚装置に
関する。

〔従来の技術〕

従来、棚板高さを調整可能としてなる棚装置における棚
板の支持方法としては、棚装置の左右側板の上下方向に
適宜間隔で設けた取付孔にダボを嵌着し、該ダボにて棚
板を支持するか、又は棚装置の左右支柱の上下方向に断
続的に設けた係止孔に棚受ブラケットを取付け、該ブラ
ケットにて棚板を支持してなり、前記ダボ又はブラケッ
トの取付位置を適宜変更することにより、棚板高さを調
節可能としてなるものである。

ところが、前記のような従来の棚装置における棚板の支
持方法においては、棚板高さを変更する際には、該棚板
を支持してなるダボ又はブラケット等の棚板支持部材を
一旦取り外して別の高さの取付孔又は係止孔へ取付ける
必要がある。このため、棚板の高さを変更する際には、
該棚板を一旦取り外すか、又は別の支持部材で仮支持し
ておく必要があり、手間がかかるだけでなく、棚板上に
物品を載置した状態で棚板高さを変更することは非常に
困難である。従って、従来の棚装置において棚板高さを
変更する場合には、該棚板上に載置した物品を取り除く
必要があり、非常に面倒で手間のかかるものであった。
又、前記ダボ又はブラケット等の棚板支持部材を取付け
るための取付孔や係止孔は、側板又は支柱の上下方向に
適宜間隔をおいて設けられており、棚板を取付ける高さ
はこの取付孔又は係止孔の位置で段階的にしか調節でき
ず、必ずしも所望の高さに取付けられるとは限らず、棚
板上に載置する物品の大きさ等によっては不都合が生ず
ることもあった。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案は上記の問題点に鑑み、棚板高さを調節可能とし
てなる棚装置において、棚板の高さ調節作業を簡略化す
るとともに、棚板を無段階に、且つ所望の高さに調節可
能としてなる棚装置を提供せんとするものである。

〔課題を解決するための手段〕

本考案に係る棚装置は、上記の目的を達成するために、
パネルの内部に、上下に離間して配置したスプロケット
ホイル間に張設してなるチエンを左右に対設し、前記チ
エンにブラケットを片持ち支持状態で固着し、該ブラケ
ットをパネル前面の左右に対向して設けたスリットから
突出させるとともに、前記パネル内のブラケット側部に
突設したスライダーと、ブラケットの後部とをそれぞれ
前記パネル内のチエンの前後に該チエンの旋回方向にそ
って設けた案内レールにスライド可能に嵌挿し、パネル
前面側に突出した左右のブラケット間に棚板を取付けて
パネル前面側に上下方向に複数の棚板を設けてなり、前
記パネル内のチエンを旋回させることで棚板の高さを調
節可能としてなるものである。

〔作用〕

本考案に係る棚装置は上記の如く構成してなり、パネル
内に設けたチエンを適当な駆動手段にて旋回させると、
該チエンに取付けたブラケットがパネル前面のスリット
にそって上下動し、パネル前面側にある棚板の高さを、
物品を載置したまのの状態でも無段階に調節することが
できる。この棚板の高さ調節に際しては、チエンに取付
けたブラケットはチエンの前後に設けた案内レールによ
って支持された状態でパネルのスリットにそって上下動
するので、棚板の円滑な高さ調節を可能としている。

〔実施例〕

以下、図面に示した実施例に基づき本考案を更に詳細に
説明する。

第１図は本考案に係る棚装置１の一実施例斜視図、第２
図は前記棚装置１における棚板支持部の構造を示す説明
用斜視図である。

図中２、３は棚装置１を構成する背面パネル４の前面側
に高さ調節可能に取付けてなる上下の棚板であり、５，
５は前記背面パネル４を支持してなる支持脚である。

前記棚板２及び３の支持構造は、第２図に示す如く、背
面パネル４内部の上下に、スプロケットホイル７，８及
び９，10それぞれ離間配置し、前記スプロケットホイル
７，８間及び９，10間にはそれぞれチエン11，12を張設
し、前記上下チエン11，12を背面パネル４内の左右に一
対対設してなり、この左右チエン11，11、及び12，12の
同高さ位置に、それぞれ左右のブラケット13，13及び1
4，14を固着し、該ブラケット13，13及び14，14を背面
パネル４内部側から該背面パネル４の前面に上下に設け
た左右のスリット15，15を貫挿して背面パネル４の前面
側に突出させ、該突出部分のブラケット13，13間及び1
4，14間に棚板２及び３を取付けている。そして、上棚
板２においては、前記スプロケットホイル７，７をひと
つの駆動軸16の両側に固着するとともに、他方のスプロ
ケットホイル８，８は支軸17に回転自在に取付け、前記
駆動軸16を回転させることにより両側チエン11，11を同
時旋回可能として棚板２を水平支持した状態で上下動可
能に取付けてなり、同様に下棚板３は、スプロケットホ
イル10，10を一つの駆動軸18の両側に固着するとともに
他方のスプロケットホイル９，９を軸17に回転自在に取
付け、前記駆動軸18を回転させることにより両側チエン
12，12を同時旋回可能として棚板３を水平支持した状態
で上下動可能に取付けてなるものである。

そして前記の如く棚体２又は棚板３を支持してなるブラ
ケット13、及び14は、例えば第３図に示す如く、背面パ
ネル４内でチエン11又は12に取付板20，20にて固着する
とともに、その側部に突設したスライダー辺21を上下方
向に設けた案内レール22内に上下スライド可能に嵌挿す
るとともに、その後縁部を同様に上下方向に設けた案内
レール23内にスライド可能に嵌挿してなり、棚板２、又
は棚板３上に物品が載置された状態においてもこれらを
支持するブラケット13又は14が前傾したり又は左右に揺
動したりすることを防止するとともに、棚板２、３の上
下動の際にはブラケット13、14を円滑に上下方向スライ
ド可能に支持してなるものである。

又、前記駆動軸16、18は、これをモーター等の駆動手段
又は図例の如くハンドル25にて適宜回転させることによ
りチエン11、又はチエン12を旋回させ、もって棚板２、
３を上下動させるものであるが、該駆動軸16、18には、
例えば図例の如くチエン11、12の旋回動作を規制して棚
板２、３を位置固定するストッパー用のギア26を固着
し、これにラッチ27を係脱自在に設けることにより、前
記棚板２、３、更には該棚板２、３上に載置した物品の
重量により、棚板を支持してなるチエン11、12が不用意
に旋回して棚板２、３が下降することを防止してなるも
のである。この棚板位置固定の構造は上記実施例のもの
に限定されることなく、ギア26、ラッチ27は他方のスプ
ロケットホイル８又は９側に取付けてもよく、又、前記
ハンドル25を適宜回転固定することにより、棚板高さ位
置を固定するようにしてもよい。

尚、前記ブラケット13、14の案内部の他の構造として、
例えば第４図に示す如く、チエン11を案内レール29内で
直線状態を維持して上下動可能に案内することにより、
棚板２を安定支持するようにしたり、又は、第５図に示
す如く、ブラケット13の側方又は後方位置に適宜チャン
ネル部材状の案内レール29を設けておき、これにブラケ
ット13に設けたＴ字形スライダー30等を摺動可能に取付
け、更には該スライダー30にコロ等を用いることによ
り、ブラケット13の上下動をより円滑にすること等も適
宜採用しうることである。

上記のような本考案に係る棚装置によれば、棚板２、３
の高さを調節するときには、駆動軸16又は18を適宜駆動
手段にて回転させてチエン11、12を旋回させることによ
り、これらチエン11、12に水平支持してなる棚板２、３
を無段階に高さ調節することができる。更にこの場合、
棚板２、３は、チエン11、12に取付けたままの状態で上
下に移動可能であるので、棚板固定部材等の位置を付け
変える必要がなく、棚板２、３上に物品を載置したまま
の状態で棚板２、３の高さを調節することができ、棚板
高さ調節作業は、前記駆動軸16又は18を回転させるだけ
で極めて簡単に行うことができる。更に前記実施例の棚
装置１においては、上下の棚板２、３をそれぞれ独立し
て上下動可能であり、それぞれを最上位、最下位に移動
させることにより、棚板２、３が邪魔になることなく室
内の空間を広く有効利用しうる。

尚、棚装置１における棚板の配置及び支持構造は、前記
実施例のものに限定されるものではなく、例えば第６図
に示す如く、上下のチエン11、12のそれぞれに複数の棚
板２、２′及び３，３′を取付けたり、更には、第７図
の如く、並設した複数のチエン31、32、33等の一端を、
全て棚装置１における上端又は下端に位置させておくこ
とにより、全ての棚板34、35、36等を棚装置１における
上端又は下端位置で重合可能とすることにより、棚板を
使用しないときには、これらの棚板を全て一箇所にまと
めて室内の空間をより広く有効利用可能としうるのであ
る。

〔考案の効果〕

上記の如く、本考案に係る棚装置は、上下に離間配置し
てなるスプロケットホイル間に旋回可能に張設したチエ
ンに棚板を取付けてなるので、前記チエンを適宜旋回さ
せることで棚板固定部材等を付け替えることなく棚板の
高さを調節することができ、棚板上に物品等が載置され
たままの状態で、且つ簡単な操作で棚板の高さを調節可
能であるうえに、前記チエンを任意の距離だけ旋回させ
ることで棚板の高さを無段階に調節することができるも
のである。更に、本考案の棚装置では、パネル内で旋回
するチエンに固着したブラケットを、パネル前面に設け
たスリットからパネル前面側に突出させ、この突出した
ブラケット部分に棚板を取付けてなり、ブラケットはパ
ネル前面のスリットにそって上下動するが、このブラケ
ットの側部と後部とをそれぞれパネル内のチエンの前後
に設けた案内レールによって支持してなることから、チ
エンの旋回によるブラケットの上下動に際しては、該ブ
ラケットはパネル前面に設けたスリットとパネル内のブ
ラケットの前後に設けた案内レールとのブラケットの突
出方向にそった３箇所で支持された状態で上下動するこ
から、ブラケットに取付けた棚板の荷重や更にこの棚板
上に載置された物品の荷重によってブラケットが前傾し
たり、左右に揺動したりすることがなく、棚板の高さ調
節が円滑に行われるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る棚装置の一実施例斜視図、第２図
は前記棚装置における棚板支持構造を示す説明用斜視
図、第３図は前記棚板支持構造の要部斜視図、第４図、
第５図はブラケット案内部の他実施例を示す平面説明
図、第６図、第７図は棚板支持構造の他実施例を示す正
面説明図である。 １：棚装置、２、３：棚板、４：背面パネル、５：支
脚、７、８、９、10：スプロケットホイル、11、12：チ
エン、13、14：ブラケット、15：スリット、16：駆動
軸、17：支軸、18：駆動軸、20：取付板、21：スライダ
ー、22、23：案内レール、25：ハンドル、26：ギア、2
7：ラッチ、29：案内レール、30：スライダー、31、3
2、33：チエン、34、35、36：棚板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】パネルの内部に、上下に離間して配置した
   スプロケットホイル間に張設してなるチエンを左右に対
   設し、前記チエンにブラケットを片持ち支持状態で固着
   し、該ブラケットをパネル前面の左右に対向して設けた
   スリットから突出させるとともに、前記パネル内のブラ
   ケット側部に突設したスライダーと、ブラケットの後部
   とをそれぞれ前記パネル内のチエンの前後に該チエンの
   旋回方向にそって設けた案内レールにスライド可能に嵌
   挿し、パネル前面側に突出した左右のブラケット間に棚
   板を取付けてパネル前面側に上下方向に複数の棚板を設
   けてなり、前記パネル内のチエンを旋回させることで棚
   板の高さを調節可能としてなることを特徴とする棚装
   置。