JPH06204192A - シリコン窒化膜のエッチング方法 - Google Patents

シリコン窒化膜のエッチング方法

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JPH06204192A
JPH06204192A JP34932592A JP34932592A JPH06204192A JP H06204192 A JPH06204192 A JP H06204192A JP 34932592 A JP34932592 A JP 34932592A JP 34932592 A JP34932592 A JP 34932592A JP H06204192 A JPH06204192 A JP H06204192A
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etching
silicon
nitride film
silicon nitride
substrate
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JP34932592A
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English (en)
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Sadayuki Jinbo
定之 神保
Norihisa Oiwa
徳久 大岩
Haruki Mori
治樹 森
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】シリコン基体やシリコン酸化膜に対してシリコ
ン窒化膜を選択的にエッチング除去できるシリコン窒化
膜の処理方法を提供すること。 【構成】シリコン基板11上に形成されたシリコン窒化
膜12をエッチング除去する際に、シリコン基板11が
収容されたチェンバとは別領域の放電管で生成されたC
4 とO2 との混合ガスのラジカル並びにH2 Oとを上
記チェンバ内に導入し、シリコン基板11に対してシリ
コン窒化膜12を選択的にエッチング除去することを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコン窒化膜のエッ
チング方法に係り、特にシリコン基体およびシリコン酸
化膜に対するシリコン窒化膜の選択エッチングに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュ−タ−や通信機器の重要
部分には、多数のトランジスタや抵抗等を電気回路を達
成するようにむすびつけ、1チップ上に集積化して形成
した大規模集積回路(LSI)が多用されている。この
ため、機器全体の性能は、LSI単体の性能と大きく結
び付いている。
【0003】LSI単体の性能向上は、集積度を高める
こと、つまり、素子の微細化により実現できる。このた
め、素子の微細化は進む一方であり、パターン寸法のさ
らなる高精度化が要求されている。
【0004】一般に、半導体集積回路は、シリコン基板
等の半導体基板上に所定パターンのシリコン酸化膜等の
絶縁膜やアルミニウム等の導電性膜を積層することによ
って形成される。
【0005】これらの絶縁膜や導電性膜等の被エッチン
グ基体を所望パターンに微細加工する技術として、従来
より、ドライエッチングの一種である反応性イオンエッ
チング(RIE)が用いられていた。
【0006】しかし、RIEの場合、プラズマ中で生成
された荷電粒子が自己バイアスで加速されて被エッチン
グ基体に入射するため、被エッチング基体の下地には、
イオン打ち込みによる汚染や、結晶性のみだれ等のダメ
ージが生じる。これらは微細素子の製造の妨げの原因と
なる。このような不都合がないドライエッチングとし
て、荷電粒子を用いないケミカルドライエッチング(C
DE)或いは光励起エッチングがある。
【0007】CDEでは、例えば、CF4 等の反応性ガ
スから生成したフッ素のラジカル等の反応性の強い活性
種の化学反応を主として用いることにより、シリコン窒
化膜等をエッチングする方法である。
【0008】しかしながら、CDEの場合、シリコン基
板に対するシリコン窒化膜のエッチング選択比は0.3
程度で、シリコン窒化膜のエッチング速度はシリコン基
板のエッチング速度より遅くなるため、シリコン基板上
に形成されたシリコン窒化膜をエッチング除去する際
に、オーバーエッチング中に下地のシリコンが多量にエ
ッチングされてしまうという問題があった。
【0009】また、CDEの場合、シリコン酸化膜に対
するシリコン窒化膜の選択比は5程度であるが、シリコ
ン窒化膜の下地がゲート絶縁膜としてのシリコン酸化膜
の場合のように非常に薄いものであるときには、シリコ
ン窒化膜のオーバーエッチング中に薄いシリコン酸化膜
がエッチング除去されるという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述の如く、従来のC
DEでは、シリコン基板に対するシリコン窒化膜のエッ
チング選択比が小さいため、シリコン基板上に形成され
たシリコン窒化膜をエッチング除去する際に、シリコン
基板が大量にエッチングされるという問題があった。
【0011】また、シリコン窒化膜の下地がゲート絶縁
膜としてのシリコン酸化膜の場合のように非常に薄いも
のであるときに、シリコン窒化膜をエッチング除去する
と、下地の薄いシリコン酸化膜がエッチング除去される
という問題があった。
【0012】本発明は、上記事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、シリコン基体やシリコ
ン酸化膜に対してシリコン窒化膜を選択的にエッチング
除去できるシリコン窒化膜のエッチング方法を提供する
ことにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明のシリコン窒化膜のエッチング方法(請求
項1)は、シリコン基体上に形成されたシリコン窒化膜
の一部又はその全てをエッチング除去する際に、前記シ
リコン基体が収容されている領域とは別の領域で生成さ
れたフッ素と水素と酸素とのうちの少なくとも1つのラ
ジカルを含む第1のガスと、フッ素と水素と酸素とのう
ち前記ラジカル以外の元素を少なくとも含む第2のガス
とを、前記シリコン基体が収容されている領域に導入す
ることにより、前記シリコン窒化膜の一部又はその全て
を前記シリコン基体に対して選択的にエッチング除去す
ることを特徴とする。
【0014】また、本発明の他のシリコン窒化膜のエッ
チング方法(請求項2)は、シリコン基体上又はシリコ
ン酸化膜上に形成されたシリコン窒化膜の一部又はその
全てをエッチング除去する際に、水素と酸素とを含むガ
スと、前記シリコン基体が収容されている領域とは別の
領域で活性化されたフッ素を含むガスとを、前記シリコ
ン基体が収容されている領域に導入することにより、前
記シリコン窒化膜の一部又はその全てを前記シリコン基
体又は前記シリコン酸化膜に対して選択的にエッチング
除去することを特徴とする。
【0015】なお、上記シリコン基体は、素子を形成す
るための土台となるシリコン基板および基板上に形成さ
れる膜(層)状のシリコンを含む広い意味のシリコンか
らなる部材を意味している。
【0016】
【作用】本発明者等の研究によれば、シリコン基体上又
はシリコン酸化膜上に形成されたシリコン窒化膜のエッ
チングに際し、シリコン基体又はシリコン酸化膜が収容
されている領域とは別の領域で生成されたフッ素と水素
と酸素とのうちの少なくとも1つのラジカルを含む、フ
ッ素と水素と酸素とからなる混合ガスを用いることによ
り、シリコン基体又はシリコン酸化膜に対してシリコン
窒化膜を選択的にエッチングできることが分かった
【0017】シリコン窒化膜の選択エッチングの機構は
次のように考えられる。上記混合ガスを用いると、フッ
素のラジカルと、酸素のラジカルと、水素とフッ素とか
らなる物質とが形成される。
【0018】フッ素のラジカルはシリコン化合物(シリ
コン酸化膜,シリコン窒化膜)のエッチングに寄与し、
水素とフッ素とからなる物質はシリコン酸化膜のエッチ
ング除去に寄与し、そして酸素のラジカルはエッチング
防止膜として機能するシリコン酸化膜の形成に寄与す
る。
【0019】そして、シリコン窒化膜は、酸素のラジカ
ルより、フッ素のラジカルおよび水素とフッ素とからな
る物質の影響を強く受け、一方、シリコン酸化膜および
シリコンは、フッ素のラジカルおよび水素とフッ素とか
らなる物質より、酸素のラジカルの影響の強く受ける結
果、シリコン窒化膜がシリコン基体やシリコン酸化膜に
対して選択的にエッチングされると考えられる。
【0020】
【実施例】以下、図面を参照しながら実施例を説明す
る。
【0021】まず、図1(a)に示すような、シリコン
基板11(シリコン基体)上に形成されたシリコン窒化
膜12のエッチング除去方法について説明する。このシ
リコン窒化膜12は、例えば、図2に示すようなCDE
装置を用いて行なう。
【0022】図中、1はチャンバ(反応容器)を示して
おり、このチャンバ1内には被処理基体としてのシリコ
ン基板11が収容されている。このシリコン基板11は
試料台2に載置されている。この試料台2は、加熱ヒー
タ等で構成された温度調節機構を有しており、シリコン
基板11の温度を制御できるようになっている。
【0023】チャンバ1の上部にはフッ素(F)のラジ
カルを含むガスを導入するための第1のガス導入管4が
接続されている。また、この第1のガス導入管の他端7
はFを含むガスを供給するための反応性ガス供給部(不
図示)に繋がっている。
【0024】第1のガス導入管4の途中には放電管6が
挿設されており、この放電管6に接続されたマイクロ波
電源5に電圧を印加することにより、放電管6内でFを
含むガスがプラズマ化され、Fのラジカル(F* )を含
む活性種が生成されるようになっている。
【0025】このように、活性種を生成するための放電
管6とシリコン基板11が収容されたチャンバ1とが隔
離して設けられているので、反応性の強い活性種をシリ
コン基板11に供給できるようになる。
【0026】また、チャンバ1の上部にはH2 Oを導入
するための第2のガス導入管8が接続されている。この
第2のガス導入管8と第1のガス導入管4とは、シリコ
ン基板11の真上に位置する複数の二重管ノズルからな
るガス供給ノズル9に繋がっており、二重管の内管から
はF* を含む活性種がシリコン基板11の表面に向かっ
て噴射し、一方、二重管の外管からはH2 Oがシリコン
基板11の表面に向かって噴射するようになっている。
また、チャンバ1の下部には排気管3が接続されてお
り、チェンバ1内の圧力が所望のレベルに保たれるよう
になっている。次にこのように構成されたCDE装置を
用いたシリコン窒化膜12の除去方法について説明す
る。
【0027】まず、試料台2の温度調節機構によりシリ
コン基板11を45℃に加熱し、この後、Fを含む反応
性ガスとしてCF4 とO2 との混合ガスを第1のガス導
入管4に流す。このとき、CF4 ,O2 の流量は、それ
ぞれ、360SCCM,100SCCMとする。これと
同時に流量1000SCCMのH2 Oを第2のガス導入
管8からチェンバ1内に導入する。また、チェンバ内1
の圧力が0.3Torrに保たれるように真空排気す
る。
【0028】このような条件でシリコン窒化膜12をエ
ッチングしたところ、シリコン窒化膜12の膜厚が10
nmの場合、2分間のエッチングにより、図1(b)に
示すように、下地のシリコン基板11が全くエッチング
されずにシリコン窒化膜12が選択的にエッチング除去
された。このように本発明によれば、簡単な工程で、シ
リコン基板11に対してシリコン窒化膜12を選択的に
エッチング除去できる。すなわち、従来法の場合、シリ
コン窒化膜のエッチング除去方法は次のような工程から
なりたっていた。
【0029】まず、図1(a)の工程の後に、シリコン
窒化膜がシリコンに比べて酸化され難いことを利用し
て、シリコンよりエッチング選択比が高い膜であるシリ
コン酸化膜をシリコン基板11の表面に選択的に形成す
る。次いで上記シリコン酸化膜をマスクとしてシリコン
窒化膜12を選択的にエッチング除去する。最後に、上
記シリコン酸化膜を剥離してシリコン窒化膜12のエッ
チング除去工程が終了する。
【0030】このように従来法は複雑であるが、本実施
例の方法は、シリコンに対してシリコン窒化膜を選択的
にエッチングできるので、シリコン酸化膜によるシリコ
ン基板の被覆およびその剥離が不要になり、工程数の大
幅な短縮化が可能となる。
【0031】図3は、Si3 4 ,BPSG,Si,S
iO2 の4つの被処理基板についての基板温度とエッチ
ング速度との関係を示す特性図である。エッチングは図
2に示したCDE装置を用いて行なった。また、CF4
(360SCCM)とO2 (100SCCM)との混合
ガスと、H2 O(1000SCCM)とを用い、チェン
バ内の圧力を0.3Torrに設定した。すなわち、基
板温度以外の条件は上記実施例と基本的に同じである。
【0032】図3から、上記実施例の基板温度である4
5℃の場合、Si3 4 のエッチング速度は最大になる
のに対し、Siのエッチング速度はほぼゼロである。こ
のようにエッチング速度の違いが生じ、シリコン窒化膜
がシリコン基板に対して選択的にエッチング除去され
る。このようなエッチング速度の違いが生じる理由は次
のように推測される。CF4 とO2 との混合ガスのプラ
ズマにより生成されたF* と、チェンバ内のH2 Oとに
よって次のような反応が生じる。 2F* +H2 O→HF+OH+F* →2HF+O*
【0033】すなわち、チェンバ内にはF* ,HF,O
* が共存することになる。このため、F* によるシリコ
ン化合物(SiO2 ,Si3 4 )のエッチング、HF
によるシリコン酸化膜(BPSG)のエッチングおよび
* によるシリコン酸化膜(SiO2 )の形成という3
つの反応が競争的に起こると考えられる。
【0034】HFは一般の気体に比べて蒸気圧が低いの
で、10〜80℃の狭い温度範囲においても、被処理基
体に対するHFの吸着量の温度依存性は高いものとな
る。HFは、基板温度が低いほど、被処理基体に吸着量
し易くなるので、基板温度が低いほどHFによるエッチ
ングは速いものとなる。
【0035】また、本実施例の方法により生成されたH
Fは、シリコン熱酸化膜のように頑強なSi−O結合と
はほとんど反応しないが、BPSG膜のように不純物に
よりSi−O結合が弱められたものとは反応すると考え
られる。
【0036】このため、図3に示すように、BPSGの
エッチング速度は、基板温度が低いほど速く、45℃以
上の温度領域でほとんどゼロであるが、SiO2 の速度
は、基板温度に関係なくほぼゼロになる。したがって、
45℃以上の温度領域ではBPSG膜に対して選択的に
シリコン窒化膜をエッチングすることができる。
【0037】Si3 4 はF* によってエッチングされ
る。また、Si3 4 はSiに比べて酸化(O* による
もの)されに難く、しかも、自然酸化膜も形成され難
い。基板温度が10℃より低い温度領域では、Si3
4 とF* との反応性が低くなるため、Si3 4 のエッ
チング速度は遅いものとなる。したがって、10℃以上
の温度領域が好ましい。
【0038】基板温度が10〜45℃という温度範囲で
は、基板温度の上昇に伴ってSi34 とF* との反応
性が高くなるため、一様にSi3 4 のエッチング速度
が増加する。
【0039】そして、45℃でエッチング速度が最大に
なった後は、基板温度の上昇に伴ってSi3 4 のエッ
チング速度が遅くなる。これは45℃以上の温度領域で
はHFとO* との競合関係が変わるからだと考えられ
る。
【0040】すなわち、基板温度が45℃以上になる
と、Si3 4 の表面に吸着するHFが減少するため、
* によって形成されるSi3 4 の表面の酸化膜がエ
ッチング除去され難くなる。この結果、基板温度が80
℃を越えると、Si3 4 の表面に形成された酸化膜が
耐エッチング膜として機能するようになり、F* による
Si3 4 のエッチングが阻まれ、Si3 4 がエッチ
ングされなくなる。したがって、80℃以下の温度領域
が好ましい。なお、基板温度が25℃乃至60℃におい
て、本発明による効果はより大きなものとなる。
【0041】図4は、本実施例のエッチングの有無の違
いによるシリコン窒化膜の表面状態を示す図であり、具
体的には、XPS法によるシリコン窒化膜の表面分析の
結果である。図4(a)は無エッチングの場合の分析結
果であり、図4(b)は上記エッチングを80℃で行な
った場合の分析結果である。
【0042】図4から80℃でエッチングを行なった場
合には、シリコン窒化膜およびシリコン酸化膜に対応す
る束縛エネルギーのところにそれぞれ強度ピークが見ら
れるが、無エッチングの場合には、シリコン窒化膜に対
応する束縛エネルギーのところにしか強度ピークが見ら
れない。これらのことから基板温度が80℃になるとS
3 4 の表面に酸化膜が形成されることが確認でき
る。
【0043】SiはF* によってエッチングされるが、
Siの表面には数nm程度の自然酸化膜が形成されてお
り、また、SiはO* によってもその表面に酸化膜が形
成されため、これらの酸化膜によってF* によるSiの
エッチングが妨げられる。
【0044】このため、基板温度が45℃以上になる
と、Si3 4 の場合と同様に、Siの表面に耐エッチ
ング膜として機能する酸化膜が形成されるため、Siの
エッチング速度はほぼゼロとなる。しかし、45℃未満
の低温になると、Siの表面に吸着するHF量の増加に
よって、Siの表面の酸化膜の形成より、HFの酸化膜
のエッチングの方が優勢になるため、SiがF* によっ
てエッチングされる。このようなエッチング機構によっ
て、Siの基板温度・エッチング速度が図3に示すよう
なものになると考えられる。
【0045】以上述べたように、本実施例のシリコン窒
化膜のエッチング方法によれば、チェンバ内にF* 、H
F、O* を同時に存在させることにより、F* によるシ
リコン基板およびシリコン窒化膜のエッチング、HFに
よるシリコン酸化膜のエッチング除去、並びにO* によ
るシリコン酸化膜の形成という3つの反応が競争的に起
こる。
【0046】そして、基板温度の変化によってHFの吸
着量が変化するため、基板温度の変化によってHFによ
るシリコン酸化膜のエッチング量も変化する。HFによ
るシリコン酸化膜のエッチング量が変化すれば、O*
よって形成されるシリコン酸化膜の形成速度(耐エッチ
ング能力)も変化する。また、基板温度の変化によって
* の反応性(エッチング能力)も変化する。
【0047】このため、基板温度によってシリコン窒化
膜およびシリコンのエッチング速度が変化し、本実施例
のように基板温度を45℃(45℃前後あれば良い)に
設定すると、シリコン窒化膜についてはF* のエッチン
グ能力が支配的になり、一方、シリコン基板については
酸化膜による耐エッチング能力が支配的になる結果、シ
リコン基板に対するシリコン窒化膜の選択エッチングが
可能となる。なお、ガス流量比を変えてF* ,HF,O
* の存在量を制御しても選択エッチングを実現すること
もできる。次に基板温度以外のエッチング条件を変えた
場合の各被処理基体(BPSG,Si,Si3 4 )の
エッチング速度の変化について説明する。図5は、各被
処理基体のエッチング速度の圧力の依存性を示す図であ
り、圧力以外の条件は上記実施例と同じである。
【0048】この図5から圧力が0.3Torr以下で
あれば、BPSG,Siのエッチングを招くこと無く、
Si3 4 を選択的にエッチング除去できることが分か
る。このようなエッチング速度の圧力依存性は次のよう
に説明できる。圧力が増加すると被処理基体に供給され
るF* の量も増加する。ここで、Si3 4 はF* によ
ってエッチングされるため、圧力が増加するとSi3
4 のエッチング速度も増加する。
【0049】また、圧力が増加すると被処理基体に吸着
するHF量も増加する。このため、0.3Torr以下
の圧力領域ではエッチングされなかったBPSGも、圧
力が0.3Torrよりも高くなると、HFによってエ
ッチングされるようになる。同様に、圧力が0.3To
rrよりも高くなると、Siの表面の自然酸化膜がHF
によってエッチング除去されてSiが露出するので、S
iがF* によってエッチングされるようになる。
【0050】また、O* による被処理基体の酸化速度は
温度で律速するため、図5のエッチングのように基板温
度が一定(45℃)の場合には、酸化速度は一定のまま
である。したがって、BPSG,Siのエッチング速度
は0.3Torr以上の圧力領域で一様に増加するよう
になる。図6は、各被処理基体のエッチング速度のH2
O流量の依存性を示す図であり、H2 O流量以外の条件
は上記実施例と同じである。
【0051】この図6からH2 O流量が1000SCC
M以下であれば、BPSG,Siのエッチングを招くこ
と無く、Si3 4 を選択的にエッチング除去できるこ
とが分かる。このようなエッチング速度のH2 O流量依
存性は次のように説明できる。CF4 およびO2 の流量
は一定であるため、F* の生成量も一定である。
【0052】ここで、H2 O流量が増加すると、H2
と反応するF* の量が増加するため、被処理基体に供給
されるF* の量が減少する。このため、H2 O流量の増
加に伴ってSi3 4 のエッチング速度が減少する。
【0053】また、H2 O流量が増加すると、H2 Oと
* との反応が進むため、HFの生成量も増加する。こ
のため、H2 O流量の増加に伴って、HFによるBPS
Gのエッチングの影響が強くなり、BPSGのエッチン
グ速度は増加する。
【0054】同様に、H2 O流量の増加に伴って、HF
によるSiの表面の自然酸化膜のエッチングの影響が強
くなり、F* によるSiのエッチングによって、Siの
エッチング速度が増加する。
【0055】図7は、CF4 流量とO2 流量との和が一
定(460SCCM)の場合の各被処理基体のエッチン
グ速度のCF4 /(CF4 +O2 )流量比の依存性を示
す図である。なお、CF4 /(CF4 +O2 )流量比以
外の条件は上記実施例と同じである。
【0056】この図7からSiおよびBPSGのエッチ
ング速度は、CF4 /(CF4 +O2 )流量比に関係な
くほぼゼロであるのに対し、Si3 4 のエッチング速
度は、CF4 /(CF4 +O2 )=0.78でエッチン
グ速度がピークとなる山形状の特性曲線を描くことが分
かる。このようなエッチング速度のCF4 /(CF4
2 )流量比依存性は次のように説明できる。
【0057】CF4 を単独でプラズマ化すると、F*
CFx (x=1,2,3)が形成されるが、大部分のF
* はCFx と再結合するため、大部分のF* は消滅する
ことになる。
【0058】しかし、ここでは、Fを含むガスとしてC
4 とO2 との混合ガスを用いているので、CFx とO
2 とが反応してCF2 O等も生成される。このため、C
xとF* との反応によるF* の消滅を抑制できる。
【0059】ここで、O2 流量が大きいほど基本的には
* の残存量が多くなり、エッチング速度が増加する。
しかしながら、混合ガスの流量が一定であるため、O2
の流量比が大きくなると、CF4 の流量が減少するた
め、F* の生成量自身が減少し、Si3 4 のエッチン
グ速度が減少する。この結果、あるCF4 /(CF4
2 )流量比でSi3 4 のエッチング速度が極大とな
る。
【0060】なお、O2 以外にもH2 Oも加わっている
が、H2 Oの流量比は一定であるので、F* とH2 Oと
の反応によって消滅するF* の量も一定である。
【0061】また、F* が増加すると、F* とH2 Oと
の反応によって、HFの生成量も増加するが、図3に示
したように、基板温度が45℃以上の場合にはHFによ
るエッチングは起こらないので、CF4 /(CF4 +O
2 )流量比に関係なく、SiおよびBPSGのエッチン
グ速度はほぼゼロとなる。
【0062】図8は、本発明の他の実施例に係るシリコ
ン窒化膜のエッチング除去方法を示す工程断面図であ
る。これは本発明をシリコン酸化膜上のシリコン窒化膜
に適用した例である。
【0063】図8(a)は、シリコン基板16の素子領
域にシリコン窒化膜13を形成した後、熱酸化によりフ
ィールド酸化膜14,ゲート酸化膜15を形成した段階
の素子断面を示している。
【0064】ゲート酸化膜15は、通常、30nm程度
の非常に薄いものであるが、今後さらに薄くなる傾向が
ある。上記工程の後にシリコン窒化膜13をエッチング
除去することになるが、従来の技術ではシリコン酸化膜
に対するシリコン窒化膜のエッチング選択比が5程度で
あるため、シリコン窒化膜13のオーバーエッチング中
にゲート酸化膜15もエッチングされてしまう。これが
原因でゲート酸化膜15の絶縁破壊等が発生していた。
【0065】そこで、先の実施例と同じ方法(同条件)
で厚さ100nmのシリコン窒化膜13を5分間エッチ
ングしたところ、50%のオーバーエッチングを行なっ
ているにもかかわらず、図8(b)に示すように、ゲー
ト酸化膜15は全くエッチングされず、シリコン窒化膜
13だけをエッチング除去できた。
【0066】なお、本発明は上述した実施例に限定され
るものではない。例えば、上記実施例では、F* とH2
Oとを二重管ノズル構造のガス供給ノズル9を用いてチ
ェンバ1内に導入し、被処理基板の直上で混合するよう
にしたが、他の方法、例えば、F* とH2 Oとを別の配
管を用いてチェンバ1内に導入し、被処理基板の直上で
混合しても良い。要は被処理基板の直上でF* とH2
とが混合するようにこれらをチェンバ1内に導入できれ
ば良い。
【0067】また、上記実施例では、F* を生成するた
めの原料ガスとしてCF4 を用いたが、SF6 ,N
3 ,XeF,F2 のようにFを含むガスならいずれで
も良く、或いはこれらの混合ガス、またはこれらのガス
と酸素との混合ガスを用いても良い。
【0068】また、上記実施例では、HとOを含むガス
としてH2 Oを用いたが、H2 2,アルコールのよう
にHとOを含む化合物ならいずれでも良く、或いはこれ
らの混合ガスでも良い。
【0069】また、上記実施例では、シリコン窒化膜の
エッチング除去に用いるガスとして、F* を含むガスを
用いたが、シリコン窒化膜のエッチング除去用のガス
は、シリコン基板が収容されている領域とは別の領域で
生成されたフッ素と水素と酸素とのうちの少なくとも1
つのラジカルを含むガスと、フッ素と水素と酸素とのう
ち前記ラジカル以外の元素を少なくとも含むガスとの混
合ガスであれば良い。
【0070】ここで、フッ素,酸素,水素のうちの1
つ、或いは複数の元素を活性化すれば良く、例えば、O
のみを励起して、F2 とH2 Oとを励起しない生ガスで
供給しても良いし、Hを含むガスのみを励起して、Oと
Fを含む生ガスで供給しても良い。
【0071】また、上記実施例ではシリコン基板または
シリコン酸化膜上のシリコン窒化膜を全てエッチング除
去する場合について説明したが、本発明はシリコン窒化
膜の一部をエッチング除去する場合にも適用できる。ま
た、シリコン基板上でなく、多結晶等のシリコン膜上の
シリコン窒化膜にも適用できる。その他、本発明の要旨
を逸脱しない範囲で、種々変形して実施できる。
【0072】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、シ
リコン窒化膜が形成されたシリコン基体またはシリコン
酸化膜が収容されている領域とは別の領域で生成された
フッ素と水素と酸素とのうちの少なくとも1つのラジカ
ルを含む、フッ素と水素と酸素とからなる混合ガスを用
いることにより、シリコン基体またはシリコン酸化膜に
対してシリコン窒化膜を選択的にエッチング除去でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るシリコン窒化膜のエッ
チング除去方法を示す工程断面図。
【図2】本発明の一実施例に係るCDE装置の概略構成
を示す図。
【図3】各被処理基板のエッチング速度の温度依存性を
示す図。
【図4】本実施例のエッチングの有無の違いによるシリ
コン窒化膜の表面組成の違いを示す図。
【図5】各被処理基体のエッチング速度の圧力の依存性
を示す図。
【図6】各被処理基体のエッチング速度のH2 O流量の
依存性を示す図。
【図7】各被処理基体のエッチング速度のCF4 /(C
4 +O2 )流量比の依存性を示す図。
【図8】本発明の他の実施例に係るシリコン窒化膜のエ
ッチング除去方法を示す工程断面図。
【符号の説明】
1…チャンバ、2…試料台、3…排気管、4…第1のガ
ス導入管、5…マイクロ波電源、6…放電管、7…第1
のガス導入管の他端、8…第2のガス導入管、9…ガス
供給ノズル、11…シリコン基板(シリコン基体)、1
2,13…シリコン窒化膜、14…フィールド酸化膜、
15…ゲート酸化膜、16…シリコン基板。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シリコン基体上に形成されたシリコン窒化
    膜の一部又はその全てをエッチング除去する際に、前記
    シリコン基体が収容されている領域とは別の領域で生成
    されたフッ素と水素と酸素とのうちの少なくとも1つの
    ラジカルを含む第1のガスと、フッ素と水素と酸素との
    うち前記ラジカル以外の元素を少なくとも含む第2のガ
    スとを、前記シリコン基体が収容されている領域に導入
    することにより、前記シリコン窒化膜の一部又はその全
    てを前記シリコン基体に対して選択的にエッチング除去
    することを特徴とするシリコン窒化膜のエッチング方
    法。
  2. 【請求項2】シリコン基体上又はシリコン酸化膜上に形
    成されたシリコン窒化膜の一部又はその全てをエッチン
    グ除去する際に、水素と酸素とを含むガスと、前記シリ
    コン基体が収容されている領域とは別の領域で活性化さ
    れたフッ素を含むガスとを、前記シリコン基体が収容さ
    れている領域に導入することにより、前記シリコン窒化
    膜の一部又はその全てを前記シリコン基体又は前記シリ
    コン酸化膜に対して選択的にエッチング除去することを
    特徴とするシリコン窒化膜のエッチング方法。
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